▽△▽

梓「鰤は・・・これでいいかな」

紬「う～ん、どうだろう。ね、梓ちゃん、一通りまわってみない？」

梓「どうしてですか？」

紬「いろんなお店を見てみないと安いのかどうかよくわからないし」

梓「確かに」

紬「でも、こんなに人が多いとはぐれちゃうかな」

梓「大丈夫です、ぴったりくっついていきますから」

紬「はぐれちゃったらケータイで連絡するね」

梓「じゃあ行きましょうか」

紬「うん」

▽△▽

紬「あ、このコロッケ美味しそう」

梓「たこコロッケって書いてありますね」

紬「たこ？　たこを入れたコロッケなんてあるの？」

梓「私もはじめて見ました」

紬「ふぅん・・・」

梓「買ってみますか？」

紬「え、いいの？」

梓「はい」

紬「あ、でも夜ご飯食べられなくなっちゃうかな」

梓「じゃあ半分こしましょう。店員さんこれください」

店員「はいよ」

梓「ありがとうございます。はい、お先にどうぞ」

紬「ありがとう」ｻｸｯ ﾓｸﾞﾓｸﾞ

梓「私もいただきます」ｻｸｯ ﾓｸﾞﾓｸﾞ

紬「うん・・・これはなかなか」

梓「はい。タコの食感がアクセントになっててこれはなかなか」

紬「ええ、周りは白身魚のすり身かしら。あっさりしていて美味しいわ」

梓「あたりですね」

紬「みんなにも買って行ってあげたいけど・・・」

梓「鍋を食べられなくなるので・・・」

紬「ええ、そうよね。じゃあはやく鍋の具を買ってしまいましょうか」

梓「そうですね」

△▽△

紬「・・・一通りまわったわね」

梓「はい」

紬「お正月用の鰤はあれを買うとして」

梓「鍋の具はどうしましょうか」

紬「う～ん。あの鮭の切り身とかどうかしら」

梓「あんまり鍋に鮭をいれるのは好きじゃないです」

紬「そうなんだ？」

梓「はい。本場の石狩り鍋なら別かもしれませんが、寄せ鍋の鮭はあんまり・・・」

紬「じゃあ、被っちゃうけど鰤とか？」

梓「それもいいですけど、あの店でみた鱈にしませんか」

紬「鱈・・・いいわね」

梓「はい。あの淡白な味と食感がたまらないです」

紬「ふふ、涎が出ちゃいそう、でも切り身じゃなかったけど大丈夫かしら」

梓「憂がいるから大丈夫です」

紬「じゃああの肉屋で豚バラ肉と－－」

梓「あそこの店の春菊を買って行きましょうか」

紬「うん♪」

▽△▽

紬「これで完璧ね！」

梓「はいです！」

紬「ふふ、唯ちゃん達なにをしてるかしら」

梓「大掃除とお正月飾りの準備をしてるはずですけど」

紬「ほとんど憂ちゃんがやっちゃいそうね」

梓「う～ん、今日に限っては唯先輩も・・・」

紬「どうかしら？」

梓「・・・頑張ってないかもしれません」

紬「ええ、唯ちゃんは炬燵でぬくぬくしてるのが似合うもの」

△▽△

唯「くちゅん！！」

憂「お姉ちゃん、大丈夫？」

唯「・・・！」

憂「お姉ちゃん？」

唯「今、誰かが失礼なことを言ったような・・・」

憂「お姉ちゃん、誰かが噂をするとくしゃみが出るのは迷信だよ」

唯「そうかなぁ・・・」

憂「ね、早く窓ふき終わらせちゃおうよ」

唯「うん。そうだね」

憂「・・・」ﾌｷﾌｷ

唯「・・・」ﾌｷﾌｷ

憂「・・・♪」ﾌｷﾌｷ

唯「憂、御機嫌だね」ﾌｷﾌｷ

憂「こうやって窓ふきするの、楽しいなって」

唯「憂は本当に掃除が好きだね」

憂「う～ん。掃除は好きだけど・・・」

唯「うん？」

憂「こうやってお姉ちゃんと掃除するのはもっと好きかな」

唯「そっかそっか。じゃあ頑張って掃除しよっか」

憂「うん！」

唯「はやくしないとムギちゃんたちが来ちゃうからね」

憂「梓ちゃん、ちゃんと材料買って来てくれるかなー」

唯「大丈夫だよ、ムギちゃんがついてるもん」

▽△▽

澪「・・・」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

律「・・・」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

澪「だ、だいじょうぶだよな、律」

律「お、おう」

澪「こ、声が震えてるぞ」

律「み、澪のほうこそ」

澪「・・・」

律「・・・」

澪「・・・あけるか」

律「・・・おう」ｺﾞｸﾘ

澪「・・・」ﾊﾟｶ

律「これは・・・」

澪「・・・うん」

律「大丈夫そうだな」ﾎｯ

澪「ま、まだ安心するのははやい。下の段は・・・」ﾊﾟｶ

律「うん。大丈夫そうだ」

澪「あぁ」

律「ふぅ・・・」

澪「ふぅ・・・」

律「余計な心配だったみたいだな」

澪「あぁ、唯たちに頼まれておせちをネットで注文したのはよかったけど」

律「グルーポンのおせち画像を見ちゃったらな」

澪「あんなのが来たら、憂ちゃんに顔向けできないよ」

律「最悪イオンで新たに買うことも考えてたもんな」

澪「うん。でも、そっかかぁ、大丈夫だったか」

律「さて、じゃあおせちを持って唯の家に行くか」

澪「うん」