奉太郎「古典部には俺しかいないからな……。」(150)

里志「古典部?意外だね。省エネ奉太郎が自ら部活動なんかに手を出すなんてさ。」

奉太郎「ああ。姉貴の命令なんだ。断ればどうなるかわからない。」

里志「あはは。それはこわいね。でも奉太郎、僕はもう手芸部に入ることにしてるし総務委員会にも入ってるから付き合ってあげられないよ。」

奉太郎「子供じゃないんだ。部活ぐらい一人で入れる。というか姉貴の話じゃ、部員0で廃部寸前だそうだ。」

里志「へえ。じゃあほんとに一人じゃないか。まあ学校に自分専用のフリースペースがあるというのも悪いもんじゃないよ。」

里志「じゃ、奉太郎、悪いけど僕は手芸部に行くよ。」

奉太郎「ああ。俺もとりあえず部室の確認がてら地学準備室に行ってみるよ。」

別棟4階

奉太郎「まさに最果て…だな…。」ガチャ…ガラララ

奉太郎「………無人か…ま、当たり前か。」

奉太郎「窓の外はグラウンドか。…なんだあれは?随分古そうな建物だが…」

奉太郎「まあいいか。そうだな、少し本でも読んで帰るか…。」

翌日

奉太郎「…というわけだ。」

里志「へえ。ほんとに奉太郎一人なんだね。それで活動は何をするんだい?」

奉太郎「しない。」

里志「え?」

奉太郎「しないと言ったんだ。気が向いたときだけあの部屋に行き、本でも読んで暇を潰す。」

奉太郎「活動は、それだけだ。」

里志「………なんというか、灰色だね…。」

放課後

奉太郎「……」ペラ…

奉太郎「……そういえば、里志が変なことを言ってたな…。なんでも音楽室に現れる少女の霊だとか…。」

奉太郎「誰もひいていないはずのピアノが鳴り響く音楽室で、目を血走らせた少女の霊が出た…か…。」


奉太郎「……。」ペラ…

奉太郎「無人のピアノに血走らせた目……か…。」

奉太郎「………。」

奉太郎「おおかた、吹奏楽部員がピアノ曲のタイマーをかけて寝ていた、ってオチだろう…。」

1ヶ月後

奉太郎「………。」ペラ…

奉太郎「さすがに、毎日これでは駄目だろうか…。」

奉太郎「一人だが古典部らしい活動をしてみようか。」

奉太郎「そういえば、姉貴から文集は作るのかと手紙が来ていたな…。」

奉太郎「文集か……。」ペラ…

奉太郎「……。」

奉太郎「却下。」

翌日放課後

奉太郎「聞いた話だと文集は関谷純という人が作り始めたらしいな。」

奉太郎「どうやら『氷菓』というらしい。」

奉太郎「氷菓…和訳でアイスクリームか。」

奉太郎「………。」

奉太郎「アイスクリーム……アイ、スクリーム…。」

奉太郎「なんてな…。」

別の日放課後

奉太郎「変な話を聞いた。」

奉太郎「図書室で毎週金曜日に同じ本を借りては返すといったことが多発しているらしい。」

奉太郎「しかも毎回別の人物…。共通点と言えば全員女子で2年生。」

奉太郎「しかし、クラスはバラバラと…。」

奉太郎「………。」

奉太郎「借りてすぐに返す……。これじゃあ図書の本分は果たせそうもない。」

奉太郎「学年は同じだがクラスは別で共通している人間たち……か……。」

奉太郎「おおかた、美術の授業で絵のモデルにしていた……。そんなところだろう…。」

生物準備室

入須「実は今、訳あってミステリーを解くのが得意な人間を探しているのだが…。」

入須「心当たりはないか?」

遠垣内「ミステリーですか…。俺はとんとそっちの方面には疎いですし…。」

遠垣内「心当たりは、ありませんねえ…。」

授業中

教師「であるからして~…」

奉太郎「…」フワーア

奉太郎「眠い…。」

「……!!!」ドンドン!!

奉太郎「…!なんだ?A組か?」

「…!!」

「…!」

奉太郎「言い争い…ではないか…?」

……シーン…

教師「はいはい、授業を再開しますよー。」

放課後

奉太郎「聞いた話によると大声を出していたのは数学の尾道らしい。」

奉太郎「真面目だが少し怒りっぽいんだよな。」

奉太郎「原因は尾道が授業の進度を間違えたことにあるそうだが…。」

奉太郎「尾道は真面目で几帳面な教師だ。授業を行っていて進度の間違いに気付かないことがあるだろうか?」

奉太郎「尾道が怒ったのはA組の数学…。」

奉太郎「Aか…。」

奉太郎「………。」

奉太郎「おおかた、進度を書いていたメモのaとdを見間違えた……。ってところだろう…。」

放課後

奉太郎「………。」ペラ…

コンコン

奉太郎「……!はい…。」

ガラッ

田名辺「お邪魔するよ。」

奉太郎「……?」

田名辺「こんにちは。ぼくは総務委員のものだけれど、今度のカンヤ祭のことで少し聞きたいことがあってね。」

奉太郎「カンヤ祭?」

田名辺「ああ、折木君は1年だったね。カンヤ祭っていうのは学園祭の俗称のことだよ。ここは古典部の部室だろう?」

奉太郎「そうですけど…。」

田名辺「古典部は毎年、学園祭で文集を出していたはずなんだけど、今年はその申請がこないからさ。」

田名辺「部員も一人入って廃部は免れたはずだから、申請書の出し忘れかと思って確認にきたのさ。」

奉太郎「なるほど。」

奉太郎「すいません、出し忘れなんかじゃなくて文集は出さないんです。」

田名辺「出さない?」

奉太郎「はい。面倒なんで。」

田名辺「面倒…か……それは残念だな…。確か古典部の文集は50年近く続く由緒あるものだったはずだからね……。」

奉太郎「そうなんですか…。」

奉太郎「しかし、俺一人じゃ内容も分からないし文集なんて書きようがないです。」

田名辺「確かに…。新入生一人に文集作成を任すなんて酷だね。」

田名辺「では古典部はカンヤ祭に何も出品しない、ということでいいね?」

奉太郎「そうですね。」

田名辺「分かった。こちらもそのつもりで進めることにするよ。」

奉太郎「わざわざすいません。」

田名辺「いや、気にすることはないよ。しかし、そうなると…工作部になるか……。」

奉太郎「え…?」

田名辺「ああ、いや、こっちの話だよ。気にしなくていい。」

奉太郎「そうですか。」

田名辺「それじゃあ、お邪魔したね。活動に戻ってくれ。」

奉太郎「はい。」

ガララ…

奉太郎「久しぶりに里志以外と喋ったな…。」

奉太郎「ふう…つかれたな。今日は帰るか…。」

カンヤ祭

地学準備室

奉太郎「学園祭か…。」

ワイワイガヤガヤ

奉太郎「みなエネルギー消費に励むんだなあ…。」

奉太郎「今日は一日、ここでゆっくりするか…。」

ダレダヨーオレノジュースノンダノー!!

数時間後

コンコン

奉太郎「…。」

コンコン

奉太郎「…。」

コンコン

奉太郎「…はっ!」

奉太郎「やばい…寝ていた…。」

コンコン

奉太郎「…!はい!」

「失礼します…。」ガララ

千反田「あの、ここは古典部の部室でしょうか…?」

奉太郎「…ああ、そうですが。」

千反田「あの、ここに古典部の文集は売っていますか?」

奉太郎「…申し訳ないんだが今年は文集を出していないんだ。」

千反田「あ、あのできれば過去のものでもいいのですが…」

奉太郎「いや、過去のものも置いていないな…。」

千反田「そう…ですか。すいません、失礼しました。」

奉太郎「いや、いいよ。」

千反田「………。」

千反田「あ、あの…」

奉太郎「ん…?」

千反田「おひとり…なんですか?」

奉太郎「あ、ああ…。」

千反田「文集を販売しているわけでもないんでしょう…?」

奉太郎「……ほっとけ。」

千反田「なぜ、学園祭なのにおひとりでここにいらっしゃるのか…」

千反田「わたし、少し気になるのですが…」

奉太郎「…!」

奉太郎「………俺は省エネ主義なんだ…。」

千反田「省エネ…。」

奉太郎「やらなくていいことはやらない。やるべきことは…」

奉太郎「手短に…だ。」

千反田「…!」


奉太郎「ふう、やっと帰ったか…。変な奴だったな…。」

奉太郎「『わたしは気になる』…か。」

奉太郎「なんだか妙にひっかかるな…。」

奉太郎「顔がいいからか…?……しかし、古典部の文集をわざわざほしがるヤツがいたとは…。」

奉太郎「伝統ってものもあながち捨てたもんではない…か。」

翌日

ワイルドー!? ファイアー!!

奉太郎「盛り上がってるなぁ……。」

奉太郎「聞いた話だと、学園祭でなんだかへんな事件が起きているらしい。」

奉太郎「十文字と名乗るやつが、いろんな部からしょうもないものばかり盗んでいるとか。」

奉太郎「犯行後にカードを残しているところからみて愉快犯か…?」

奉太郎「盗まれた部活は、お料理研、アカペラ部、占い研、園芸部、囲碁部…。」

奉太郎「………。」

奉太郎「あいうえお順か…。ってことは次に狙われるのは『か』か…。」ペラペラ…

奉太郎「このパンフによると、『か』がつくのは科学部、壁新聞部ってところか…。」

奉太郎「暇な奴もいたもんだ…。」

「ハンニンハシカク」ジョウエイチューデーッス!!

翌日

奉太郎「十文字事件はまだ進んでるらしいな…。」

奉太郎「壁新聞部、奇術部がやられ、次は『く』か…。」

奉太郎「最後の『ん』までやるにはちょっとペースが遅いんじゃないか?」

奉太郎「というか『ん』で始まる部活はないが…。」

翌日

奉太郎「どうやら、十文字は『く』を飛ばして『け』で力尽きたらしい。」

奉太郎「まあ、『こ』は工作部しかないしな。」

奉太郎「あんなに大勢の人が張り込んでちゃ、十文字も盗みは働けなかったか。」

田名部「工作部、ガード固すぎだろ……。」

放課後

バララララララララ…

奉太郎「ヘリか…。」

奉太郎「ヘリと言えば中学校ときの小木が好きだったな…。」

奉太郎「まあ、思い出しただけだが……。」

ガラッ!!

奉太郎「……!」

里志「……。」

奉太郎「…なんだ、里志か…。びっくりするじゃないか…。」

里志「……。」

里志「……奉太郎…、いつまでこんなこと続けるつもりだい…?」

奉太郎「こんなこと…?」

里志「毎日、毎日、ただ時間を潰すだけ…。」

里志「僕の知る折木奉太郎の省エネはこんなんじゃあないよ。」

奉太郎「…なにをいってるんだ…。」

奉太郎「俺は生まれてこのかたずっとこの生き方だ。」

奉太郎「それはお前が一番よく知ってるだろう?」

里志「奉太郎は、いろんな謎を解いてきた…。音楽室の少女のことも、図書室の謎も、十文字事件も……!。

里志「……氷菓のことも…!」

奉太郎「……!」

里志「その折木奉太郎がこんな簡単なことにも気づけないなんて…!」

奉太郎「……何を言ってるんだ…?里志…。」

里志「………。」

奉太郎「……。」

里志「奉太郎……今の君は……。」ガララ…


里志「……無色だよ。」バタン…


奉太郎「……!」

奉太郎「何だったんだ…、里志の奴…。」

奉太郎「大体、俺は謎を解いたことなんてないぞ…。」

奉太郎「そもそも、省エネが信条のヤツの友達をするあいつも十分変だ。」


奉太郎「……こんな俺をかまってくれるモノ好きなんて……。」

奉太郎「普通に考えたら、いるわけないだろ……。」

放課後

キンコンカンコーン

校内放送「10月31日、駅前の功文堂で買い物をした心当たりのある生徒は、至急、職員室柴﨑のところまできなさい。」

奉太郎「変な校内放送だな…。」

奉太郎「こんな放課後に…、しかもどう考えても叱られるビジョンしかみえてこない言い回しだ。」

奉太郎「まあ、おおかた偽札を使って買い物をして…」

奉太郎「罪悪感から謝罪文を書いたって所だろう…。」

奉太郎「…ん?」

奉太郎「いや、それはおかしいだろ…。」

奉太郎「呼び出されたヤツが何かしら悪いことをしただろうと予想はつくが…。」

奉太郎「それがなんで偽札や謝罪文なんて話になるんだ。」

奉太郎「……話が飛躍しすぎているだろ。」

奉太郎「それもこの話だけじゃあない…。」

奉太郎「音楽室のことも…図書室のことも……。」

奉太郎「しかし、間違ってる気がしない…。」

奉太郎「……。」

奉太郎「里志が言っていたな…。」

奉太郎「『こんな簡単なことに気づけないなんて』…か…。」

奉太郎「……、そういえば里志は音楽室のことはともかく、なんで図書室の話まで知ってるんだ?」

奉太郎「だれか他の奴から聞いたんだろうか…?」

奉太郎「いや、ここであのことを考えていたのは俺しか知らないはずだ…。」

奉太郎「あの話は誰から聞いたんだったか?俺は誰から……。」

奉太郎「……!」

奉太郎「……。いや、違う…。なんで知っているかは……」

奉太郎「……俺…だ…。」

奉太郎「図書室のことも他のこともなんで俺は知っているんだ?どこから、だれから聞いたんだ…!?」

奉太郎「これまで里志意外では、あの田名部というヤツとしか喋った覚えはない……。」

奉太郎「田名辺……?」

奉太郎「なぜ田名辺という名前が出てきた…?そういえばあいつは俺の前で…。」

奉太郎「名乗って…いないのに…。」

奉太郎「なんなんだ…!!俺は誰からも聞いたことないことばかりなんで知っているんだ…。」

奉太郎「…関谷純に………。」

奉太郎「……氷菓…………。」

奉太郎「俺は……。」

(わたし……)

奉太郎「気に、なる……。」

奉太郎「……!!」

(なんで…折木のくせにこんなのわかるのよ。変態。)

奉太郎「いば……ら……?」

(僕に才能がないのは確かだけど、折木奉太郎に才能がないかと聞かれたら、そこは保留しておきたいね。)

奉太郎「里志……!」

             _  -───-   _
            ,  '´           `ヽ
          /                 \
        /                    ヽ
      / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ
       ' 「      ´ {ハi′          }  l
      |  |                    |  |
       |  !                        |  |
      | │                   〈   !
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    奉太郎「……こんな俺をかまってくれるモノ好きなんて……。」
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
        `!                    /
        ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
            |\      ー ─‐       , ′ !
           |  \             /   |
      _ -‐┤ ゙、 \           /  ! l  |`ーr─-  _
 _ -‐ '"   / |  ゙、   ヽ ____  '´   '│  !  |     ゙''‐- 、,_

(伯父のことがわかったのは折木さんのおかげです!!)

(折木さん…私…)

奉太郎「…千反……田……?」

(気になります!!)

奉太郎「千反田ぁぁっっ!!!」ガタン!!!


里志「…………。」キョトン


摩耶花「…………。」キョトン

千反田「………は…はい……?」


奉太郎「…………………。」




奉太郎「…………………え?」

        __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、

      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、

      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ

      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ   奉太郎「…なんだ、里志か…。びっくりするじゃないか…。」

     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、

摩耶花「…………ぷっ、あははっあははははは!!!」

里志「ほ、奉太郎!!あははははははははは!!」

千反田「お…折木さん?どうしました…?」

奉太郎「…………はえ?」

                         ,.、、.,_         座  ベ  ふ
      _,,.、、、、、.,,_             ,ハ爪、,::゙ヽ.          っ  ン  と
    /.:::::::::::::::::::..`ヽ、            `l 'i 'i'`ln:}           て  チ 見
   / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、            l ゙ァ 人{        い に  る
   | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ          `コfェエlユュ         た 一  と
    | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j           /;.;.ヽ   ヽ,        人
   |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{           l;.;.;.;.;.|    i'、      の
   .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙          '!;.;.;.;.;|     !;'!_       若
    }:::::::::::::::ノ゙  l  /            '!;.;.;.;.|    「 |||       い
   ,xァ''ー'゙'`    '、 /            ノ;.;.;.;..j     |,,|||      男
  / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_ ..,;:';;'. ;:;:;:;..  /;.;.;.;/ __三」 |||      が
 ''^ーァ 、_____  ̄ /       __/;.;.;/lニl-'┴┴厂

  `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、 ,';';'; /  >'′ | | l`'Y'))i
  /           /    ヽ   `ー' :;:;: ,|-' 'ー'ニノノ,.,:,:,:
 ,'        ,   /      ゙、""''''''-= :,,_ /| l: : :"''|'′,.,.,.,.
          l /  __      !       / :| l: : : :.|
          l, l  く,_  、   |        /_:::| l: : : :|
 ''''ー--_  、、,,,_リ    `ヽ、ヽ, ,!     /   ̄`''ー'、
       ̄`¨`'''|!    _,,..、二,,_,〉'_ー_/    , ,、   `ヽ,
          |!   'ー''"´  '! /     /ニ''''ー ---'-

摩耶花「あ、あんた…、散々うなされたあと、ちーちゃんの名前叫んでとび起きるなんて…!!」

摩耶花「わ、わかりやすすぎでしょ…!!あは、あはははははははは!!」

里志「あはっははははっは!!ヒッ、ヒー…ヒー…、ハァーハァー……ゲホッゲホッ、ぶっ!!!ぶはははははは!!!」

千反田「/////////」

奉太郎「なっ……俺は…寝ていた…のか……?」

千反田「折木さん?あの、大丈夫ですか…?ずいぶんうなされていたみたいだったので…。」

奉太郎「あ、ああ……。」

里志&摩耶花「「あはははははあはははは!!!」」バンバン

千反田「もう!二人とも笑いすぎですよ!!」

奉太郎「ったく……………。」ドカッ

奉太郎「そりゃあ……解けないわけだ………。」

               |;;            |       ,,,-'"゛ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙''く
             |;;           .|      /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
                l;;            |    /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
                 l          .|    /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.  i            l            | /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.   丶              ゝ           |/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;|| ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;
    丶                   /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ヽ;;;| ヽ;;;|   ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
    ヽ       ,     ,       /;;;;;;;;;;;;;;i ;;;;;;| ヽl  ヽ;;|   ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
     ヽ     l      l       /;;;;;;;;;;;;;;;;|ヽ;;;;;|  ヽl ヽ;|;;  ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;       
             |        ヽ    l;;;,,;;;;;l;;;||;;;| ヽ;;|  ヾ  \ i  ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;--、;;;;;     里志「……奉太郎…、いつまでこんなこと続けるつもりだい…?」       
                  `    l;;l |;;;;|;;| |;;;|  ヾ_     __-‐'i  \;;;;;;;;/゙ .,--、
              _,,,,―――-、,,,、   ll.|;'| l;l ヽ|     _ -=',ン‐ ̄    l;;;;;/ .i_,;'       
        ._,,-'""        `゙'ー、_ l;| l   ヽ ,,-''彡-,二-v--    ∨  .|_
                       ゙'-,.ネ  `    '' ̄ /ヽ;;;;;/_,-       .〔 ‘i
                        ‘!, ___       -‐" _,-─      `'i、|
                          ゚!;;;;;;ヽ        -"          l゙"
    i                       ヽ;;;;;|                  l
     l                          i;;;;|                  l /
      l                        l;;|                    |
       i                         |-    、              |
       .i                       〈   ,,,,,、ノ               i
        l                       ゙ッ,___     __,,          i
        i                         |i、   ,,,-;;'''            ノ
        ヽ                       ;;;lヽ  ゙‐''   .,.     . /
          ヽ                    ;;;;;;;|;;;;ヽ、  .―'"      /
          l                  ;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;,,)、        /
             l      ._,,,,,--ー'''''''''''''''''''''~--,lノ'';;;;;;;;;; ヽ    ./

千反田「解ける………?折木さん………。一体どんな夢を…?」

奉太郎「……………。」

奉太郎「………勘弁してくれ…。」

千反田「……なんで折木さんが私の名前を呼んだのか……」

千反田「私…気になります!!」

奉太郎「……!」

奉太郎「気に、なる…か…。」

千反田「はい!!」

奉太郎「………ったく…省エネが過ぎるとあんな夢をみるのか……。」

奉太郎「おちおち、寝てもいられないな……。」

千反田「折木さん……?」




奉太郎「………古典部は、俺だけじゃないからな…。」


終わり

しえんありがとうやで。
あと、おれホモやないで。

           , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i

           | |,,_   _,{|    
          N| "゚'` {"゚`lリ   奉太郎「………ったく…省エネが過ぎるとあんな夢をみるのか……。」  
             ト.i   ,__''_  !   奉太郎「おちおち、寝てもいられないな……。」
          /i/ l\ ー .イ|、
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
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里志「ところで奉太郎 千反田さんのこと好きなのかい?」

奉太郎「いや。俺は別に……」

里志「うそつけ。奉太郎!この前の生き雛まつりの時なんて千反田さんの顔みたそうだったじゃないか」

奉太郎「そんなことないさ 頼まれたからやっただけさ……」

里志「ふーんそっか…じゃあ誰か好きな人でもいるのかい?奉太郎?」

奉太郎「お俺は、……お前が好きなんだ!里志」

千反田&摩耶花「えっ!!!!!!」


奉太郎「里志頼むこれからは俺の事を 奉太郎じゃなく ホモタロウ と呼んでくれないか?」

里志「おい!よせよ奉太郎!俺はノンケなんだぜ?いくら俺が物好きだからってそれはないだろう」

奉太郎「おれはノンケだって食っちまう男なんだぜ!里志! だから 頼むよ」


摩耶花「アンタなにやってんのよ!!いくら仲がいいからって言っていいことくらいあるでしょうが!!」

千反田「…………(折木さんってそうだったの!ステキ!!)」ジロジロ

奉太郎「なあ、頼むよ里志!ケツはいいからホウタロウとだけでも呼んでくれよ!」ビンビン

里志「ホっ、ホモタロウ! こっこれでいいか ホモタロウ」 ドキドキ

奉太郎「ああ、それだけでビンビンだ」 ピュ

千反田「…………(ステキ!!これから何が始まるのかしら?)」ジロジロ

摩耶花「あっ//アンタたちいい加減にしてよね//」

摩耶花「……(今BLの漫画書いてるから何かよさそうな展開ね//)」//

千反田「私気になります!」キラキラ

千反田「ステキ!! どうして折木さんは里志君のことが好きなんですか?//」

奉太郎「それはだな、里志の股間を見ればわかることだ。ホラ見てみろ! 」シュビ

奉太郎「こんな状況でも立っているではないか。彼奴は摩耶花と付き合っている」

奉太郎「とはいえ、バイなんだよ!!」

里志「テヘヘ//////」

摩耶花「里志 どういう事よ! 私よりホモタロウを選ぶっていうの?」

摩耶花「(キャー これって少女漫画的な展開じゃない!!!)」ジロジロ

里志「テヘヘ// 実は俺さ 前からホモタロウとバイだったんだよ!」

里志「隠しててごめん!」パンッ

千反田「…………(これは中々いい展開です。里志さんもだったなんて//)」ウㇷㇷ

千反田「ところで里志さんそれじゃこれから ホモタロウさんとどうするおつもりなんですか?」チラチラ





里志「おっ、…俺は こだわらない主義なんだ! 」

里志「だから、バイとしてどちらとも付き合いたいんだ!……これじゃだめだろうか?」チラチラ

摩耶花「何言ってんのよ!!あんた頭おかしいわよ! 中学からそうだったの?」ドキドキ

摩耶花「……(私の彼氏はバイだった! このタイトルで行けるはね)」

里志「……ああそうだ。 去年のバレンタインもらわなかったのは先にホモタロウから貰ってたんだよ」

千反田「…………(ってことは文化祭のあの時下ネタの話をするって言ったあの時も…)」//

千反田「…………(文化祭の裏側であんなことやこんなことが…キャー)」//



奉太郎「そろそろ、まとめに入らさせてもらおうか」

奉太郎「俺達は一年間様々な謎に事件に巻き込まれてきたが、裏側では」

奉太郎「里志に様々な相談や意見を2人の時にだけ聞いてただろう?」

奉太郎「な?わかるだろう? 千反田や摩耶花が想像している通りなんだよ」キリ

里志「テヘヘ// ホモタロウとは昔からの関係なんだよ//」

摩耶花「……(なんてこと……こんなおいしい事がずっとつづいていたなんて)」ショボーン

摩耶花「……(漫画一冊かけたじゃない!!)」

千反田「私とても感動しました!これからはお二人とも是非いい関係でいてください!」キラキラ

千反田「私 期待しています! 」キリッ





            _  -───-   _
            ,  '´           `ヽ
          /                 \
        /                    ヽ
      / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ
       ' 「      ´ {ハi′          }  l
      |  |                    |  |
       |  !                        |  |
      | │                   〈   !
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l  |奉太郎「だから今日は里志と二人で過ごしたいんだ」キリ
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
        `!                    /
        ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
            |\      ー ─‐       , ′ !
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                                終わり いままでありがとうございました。 

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