中沢「『円環の理』」 (167)

仁美「あの、今週の日曜日って何か予定はありますかしら……」

上条「……うん、ごめんね。その日もレッスンに使わなきゃならないんだ」

仁美「そうでしたか……」シュン

上条「いつもいつもタイミングが合わなくてごめんね」

仁美「そんなことお気になさらずに……私、頑張ってる上条君のことが大好きですから!///」

上条「あはは……うん、じゃあまた明日学校で」プツッ


上条「ふぅ……やっぱり女性と話すのは疲れるなぁ」

上条「『大好き』なんて聞いてるこっちが恥ずかしくなってきちゃうよ」

上条「……まぁそんなもんだよね。あ、日曜といえば」ピッピッ

プルルルルルルルル…ガチャ

中沢「もしもし中沢ですけど」

上条「あ、中沢?」

中沢「か、上条か///どうした?」

上条「日曜日の件なんだけど、うまい具合に予定が空いたんだ!」

中沢「ホントか!?じゃあ予定通り……」

上条「一緒に出かけられるね!///約束だよ!」

中沢「おう!また学校でな!///」プツッ


上条「えへへ」

ーーー次の日、学校

さやか「えーっ、恭介のやつまたレッスン?」

仁美「そうなんですの……最近ずっとこんな感じで」ショボーン

さやか「ったくバイオリンと仁美どっちが大切なんだか……ねぇまどか?」

まどか「……よし」

まどか「上条君を尾行しよう!」ドーン

仁美・さやか「!?」

さやか「ちょっとちょっとまどか、何でまたそんな」

まどか「だっていつも仁美ちゃんと予定が合わないなんて、こんなの絶対おかしいよ。それに……」

仁美「それに?」


上条「あっはは、くらえ~」ペチペチ

中沢「ちょっ、やめろよ上条!///」

上条「あ、そうだ!日曜のお出かけの件……」

中沢「わかってるって。じゃあ10時に駅前な」

上条「///」

さや仁美「」

まどか「ね、やってみる価値は大アリだよ!」

さやか「あいつってホント馬鹿……」ドンビキ

仁美「禁断の愛の形ですわ……」ガクガク

まどか「じゃあ、早速今週の日曜に決行ー!」

ーーー日曜日、駅前


さやか「たしか10時に駅前って言ってたけど」

仁美「本当に上条君たちくるのかしら……」

まどか「あっ見て、中沢君だよ!」


中沢「おっせーなー」ソワソワ

中沢「あいつ約束忘れてんじゃ……あっ」

上条「おーい、中沢ーっ」タッタッ


まどさや仁美「!!」

上条「ごめん中沢、待った?」アセアセ

中沢「お、俺も今来たとこだよ。それより行こうぜ」

上条「うん!」パァァ


さやか「……これは」

仁美「あぁあああ……嘘ですわ嘘ですわ……」

まどか「あっ、二人が行っちゃうよ!私たちも追いかけよう!」ダッ

まどか「ーーーで、二人仲良く手をつないでカラオケに入ってっちゃったわけだけど」

仁美「うぅ……」シクシク

さやか「あーもーっ、許せない!オクタヴィアァァアアア!!」ピカァアアア

まどか「ま、まってさやかちゃん!私にいい考えがあるの!」

ーーーその日の夜、ほむホーム

ほむら「……そうだ、一度確かめてみれば良いんじゃ……いやでも、うーん……」ホムホム

ピンポーン ホムラチャーン

ほむら「っ!まどか!?」ガバッ

ほむら「今開けるわ!!」メガネカケー

ごめん、ちょっと風呂はいってくるから保守頼んだ
すぐ戻る

ドドドドド…ガチャッ!

ほむら「ま、待たせてごめんねまどか!それにさやかさんに……志筑さん?」

まどか「(うわぁはやっ)き、今日はね、ほむらちゃんにお願いがあってきたの!」

ほむら「お願い?(上目遣いのまどかも最高ね……)」

まどか「うん!えっとね」ゴニョゴニョ

ほむら「……なるほど、わかったわ(耳が妊娠するぅううう)」

さや仁美「……?」

ーーー翌日、学校

まどか「(じゃあ昨日の打ち合わせ通りに……)」

ほむら「(私が時を止めて、まどかと二人で上条君に深刻なダメージを与える)」

まどか「(再び入院した上条君のところへ仁美ちゃんが毎日お見舞いに行って、二人の仲は元通り!ティヒヒ、我ながら完璧な作戦だよ!)」

さやか 「(うわぁ、えげつない)」

和子「……というわけでこの場合はhave toですか?それともmustですか?はい、中沢君!」ビシィ

中沢「えぇっ、えっと……ど、どっちでも良いんじゃないかと……」

和子「その通り、どっちでもよろしい!はい、じゃあ次の問題。上条君」

上条「はい」ガタッ


まどか「(今だよ、ほむらちゃん!)」

ほむら「(任せて)」スッ

ほむら「(時間停止!)」カシャッ

ほむら「あぁああああまどかまどか!私のまどか!なんて愛くるしいのかしら!」

ほむら「この丸っこい字!可愛らしい落書き!あああ全てが愛おしいわ!抱きしめちゃう!」ムギュー

まどか「わわっ、ほむらちゃんなんで抱きついてるの!?」

ほむら「こっこれはその、なんていうか、愛よ!!」ホムーン

まどか「(ほむらちゃんがおかしい……)そ、それより早くしないと魔法が解けちゃうよ!」

ほむら「そうだ、忘れちゃってたね(ホモ共とか正直どうでもいいわ……まどかと居たい)」

まどか「でもダメージを与えるって、具体的には何すればいいんだろう」

ほむら「んー、銃器はさすがに使えないし……金的を蹴り上げる、とか?」

まどか「なるほど、その手があったね!」

ほむら (えっ嘘、やるの?)

まどか「よーし行くよーっ!それ!」バシッ

ほむら「念の為もう一発」ドゴォォ

まどか「駄目押しにあと二発!」バシッバシッ


まどか「ウェヒヒ、このくらいでいいよね!」

ほむら「時間停止解除!」カシャッ

上条「ぐぁああぁあああぁあああぁあああぁ」ガターンゴロゴロ

さや仁美中沢その他「!?」

和子「だ、大丈夫上条君!?今すぐ保健室に!鹿目さんっ」

まどか「ティヒヒ、はーいっ」タタッ

ほむら (私たちの戦いって、これで良かったんだっけ)

仁美「か、上条君……?」オロオロ

さやか「あーあ」


中沢「……!」

ーーー数日後、病院

仁美「今日はドビュッシーのCDを持ってきたんですの!」

上条「……あぁ、毎日ありがとうね志筑さん」ボーッ

仁美「さ、最近どうですの?バイオリンの方は……」

上条「この怪我じゃ、コンクールはおろかレッスンさえできないってさ」ボーッ

仁美「そうですか……」

上条「……」ボーッ

仁美「ま、また来ますわね上条君っ」ダッ

上条「……」ボーッ

コンコン …ガチャッ


中沢「……よぉ上条」

上条「中沢!」ガバッ

中沢「おい、怪我に響くって!」

上条「……動かないんだ」

中沢「え?」

上条「もう動かないんだ……僕の……僕は!」バシッ

中沢「やめろ上条っ!」

上条「動かないんだ……もう勃つことさえない……こんなナニなんて……」

中沢「大丈夫だ上条!諦めなければきっといつか……」

上条「諦めろって言われたのさ……今の医学じゃ無理だって」

上条「僕のEDは治らない……奇跡か魔法でもないかぎり、治らない……」


中沢「……あるさ」


上条「え……?」

中沢「奇跡も、魔法も、あるんだよ」


QB「……」

ーーーその夜、仁美邸

仁美「最近、何を話しても上条君はうわの空」

仁美「怪我がショックなのは分かりますけど、もう少し……」

仁美「もう少し優しく接してくれても良いのではなくて?!」

仁美「……う、うぅ」ボロボロ

ウワァアアアアアン ナイトメアブワァアアアアア

ーーー仁美ナイトメア結界内

マミ「またあの子のナイトメア?
ここのところ毎日じゃない」

ほむら「まぁその、色々あって……」

まどか「おっかしいなぁ、良い案だと思ったんだけど」

さやか「いきなり金的蹴り上げといてよく言うわ」

杏子「突然叫んだかと思うと股間押さえてのたうち回るからな。びっくりしたよ」

まどか「ティヒヒ」

べべ「マジョマンコカマンベール!マジョマンコカマンベール!」

QB「キュッ、キュウ!」

マミ「お喋りはまた後にしましょう。さぁ、行くわよみんな!」

まどほむさや杏子『はい!』


クルクルピカァアアア ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット!

マルマルフトッテメシアガレー! バックーン


マミ「……ふぅ、みんなお疲れ様」

さやか「いやー今日も頑張ったなー」

杏子「あー腹減った!紅茶とケーキが食べてーなー」チラッ

まどか「ウェヒヒ、杏子ちゃんそればっかり」

マミ「しょうがないわねぇ、みんなうちに寄っていくー?」

まどさや杏子『はーい!』


ほむら「……ごめんなさい、今日は私行けないの」

まどか「えっ、ほむらちゃんこれから何か用事?」

ほむら「うん、ちょっと調べ物があって」

マミ「そう、残念だわ……。また明日ね、暁美さん」

さやか「じゃーねほむら!」

杏子「ほむらの分までケーキ食っとくからな!」

まどか「またね、ほむらちゃん!」

ほむら「うん、さようなら!」

べべ「パルメジャーノ!パルメジャーノ!」


QB「……」

ツギハ、ミタキハラ3チョウメ。アンシントシンライノ…

ほむら「……!」

ピンポーン ツギ、トマリマス。


ほむら (……やはりこの見滝原には外なんて無いようね)

ほむら「覚えているのは、私だけなの……?」

ほむら「閉ざされた幻の空間。獲物を誘い込んで惑わすための、出口のない迷路」

ほむら「間違いない、ここはーーー」


「あぁ、『魔女の結界』だ」


ほむら「誰!?」バッ


中沢「俺だよ、暁美ほむら」

ほむら「あなたは……!」

中沢「あんまりジロジロ見んなよ。好き好んでこんな格好してる訳じゃないんだぜ」

ほむら「……あなたは一体、何者なの?」

中沢「見ての通り、お前らと同じ魔法少女だ。……いや、正確に言えば魔法少年か?」

ほむら「そんなことはどうでもいい!なぜあなたは、魔女の存在をーーー」


中沢「『円環の理』」

ほむら「!!」

中沢「そう、俺もまた円環の理の正体を知っている」

中沢「前の世界の記憶が残ってるのはお前だけじゃない。現に俺がそうだ。……そしておそらく、美樹さやかも」

ほむら「……目的はなんなの」

中沢「『現状の維持』だ」

中沢「俺はな、こんな世界も悪くないんじゃないかって思ってる。縄張り争いや魔法少女の魔女化が起こったりする世界より、ずっとな」

ほむら「……」

中沢「だが、お前はこの均衡状態を壊そうとしている。それはこの世界に住む人々、ひいてはこの結界を創った魔女への叛逆だ」

ほむら「……何が言いたい」

中沢「なぁ、暁美ほむら。もう一度考え直さないか?俺はここが素晴らしい世界に思えるんだ。終わらせてしまうにはあまりにも惜しい」

ほむら「嫌だと言ったら?」

中沢「……悪いがここで消えてもらう」スッ

ほむら「望むところよ」チャキ


さやか「でやぁああああ!!!」ズバァァ

ほむら「!?」

中沢「くっ!」バッ

ほむら「美樹さやか!?なぜここにーーー」

さやか「詳しい話は後!今はこいつに集中して!」


中沢「……ち、邪魔が入ったか」

さやか「事情はだいたい聞かせてもらったよ。まさかあんたにも記憶が残ってたなんてね」

さやか「だけどあんたが魔法少女だってのは初耳だよ。一体いつQBと契約したのさ」

中沢「……はは、俺も本当は契約なんかしたくなかったよ。今まで通り傍観者でありたかった」

中沢「だがそうもいかなくなったんだ。上条があんなことになっちまったからな」

ほむら「(うわー、ごめんなさい)」

さやか「……そう。で、どうするの?私たちと戦う?」

中沢「多勢に無勢だな。今回は退かせてもらう」

さやか「賢明だね」

支援

支援

中沢「……最後に、一つだけお前たちに忠告しておく。『円環の理』は一人じゃない」

さやか「何?」

中沢「おそらく、お前らは『円環の理』の正体を鹿目まどかだけだと認識しているだろう。だがそいつは大きな間違いだ」

ほむら「それはどういう……」

中沢「お喋りはここまでだ、じゃあな」ヒュッ

さやか「……」

支援

ーーーその夜、ほむホーム

さやか「……ってなわけで、私も前の世界の記憶があるの」

ほむら「そう……じゃあ、まどかが円環の理になったってことも……」

さやか「もちろん覚えてる。だけど中沢、あいつは違った」

さやか「あいつは『円環の理は一人じゃない』って言った。ということはつまり、神様も一人じゃない」

ほむら「まどか以外にも神が存在するっていうの!?」

支援

さやか「さぁね、それは私にも分からない。ただ一つ言えるのは、中沢が私たち敵だってこと」

ほむら「まさか学校では襲ってこないと思うけど、警戒が必要ね……」

さやか「とりあえず、普段通り接していれば安全だと思う。あと、このことはまだみんなに秘密にしておこう」

ほむら「……分かったわ」

ーーー数日後、学校

中沢「上条、もう怪我はいいのかよ?」

上条「ああ、来週までに松葉杖無しで歩くのが目標なんだ。……中沢が言ったとおり、奇跡だよね、これ」

中沢「なにバカなこと言ってんだよ上条。……退院おめでとう」


まどか「仁美ちゃんも声かけておいでよ!」

仁美「そ、そうですわね……」

さやか「(あれから数日たったけど、何かしかけてくる気配はないね)」

ほむら「(そのようね。しばらく様子を見ましょう)」


QB「……」

支援

ーーー放課後、ナイトメア結界内

さやか「結局なにもしてこなかったねー」

ほむら「平穏無事が一番だわ。それより他のみんなはまだかしら」


まどか「ほむらちゃーん、さやかちゃーん!」タッタッ

ほむら「まどか!」パァァ

さやか「まどかおっそーい」

支援

支援

まどか「遅れてごめんね、二人とも」

さやか「あれ、杏子とマミさんは?」

まどか「二人は別のナイトメアと戦ってる。終わったらすぐこっちに来るそうだよ」

ほむら「じゃあ、彼女たちが来る前にナイトメアを倒してびっくりさせましょう」

まどさや「さーんせーい!」


QB「……キュウ」

支援

ユミヤピュンピュン リ・リ・ア・ン! リリース!


さやか「ふぅ、なんとか捕まえたね」

ほむら「じゃあ、アレをしましょうか」

まどか「ふふ、最初はマミさんにやらされてた感じだったけど」

さやか「今じゃアレをやらないと倒した気にならないよねー」ケラケラ

ほむら「じゃあ、始めましょう」

支援

まどほむさや「ケーキ、ケーキ、まあるいケーキ、まあるいケーキはだーあーれ?」

さやか「ケーキはほむら?」

ほむら「ちーがーう。私はかぼちゃ。まあるいケーキは甘いです。ケーキはまどか?」

まどか「ちーがーう。私はメロン。まあるいケーキはすっぱーい。ケーキはさやかちゃん?」

さやか「ちーがーう。私はラズベリー。まあるいケーキは……」


「お、れ、だ」


まどほむさや「!?」

ほむら「あなた……いつの間に」

さやか「何の用だ!こないだの続きかよ!?」

中沢「はん、いきなりご挨拶だな。……実はお前たちに少し頼みがあっt」


マミ「ティロ・フィナーレ!!」

ドッガアァアアアアアアン

支援

さやか「げっほげっほ、マミさん、至近距離でそんなもん撃たないでよ……」

マミ「ごめんごめん、あなたたちの近くに魔獣の姿が見えたものだから」

ほむら「まどか?!しっかりしてまどか!」ユサユサ

まどか「」キュ~

杏子「大丈夫、気絶してるだけだ」

ほむら「杏子!」

いやーマミさんらしい(笑)

さやか「あっ、そういえば中沢は!?」

マミ「あの魔獣なら完全に捉えたわ。今頃消し炭にでもなってるんじゃないかしら」


中沢「……ってぇな、なんて威力だ。核兵器かよ」ボロッ

ほむさやマミ杏子「!!」

支援

杏子「マジかよ、マミのティロ・フィナーレを食らって生きてるなんて!」

マミ「あ、あり得ないわ!」ティロッ

さやか「中沢、あんた一体……」

中沢「俺もお前と同じように癒しの祈りを契約にして魔法少女になったからな。回復力は人一倍さ」シュアアア

杏子「くそっ、こうなりゃあたしの槍でズタズタに……!」チャキ


ほむら「……杏子、巴マミ、この男への攻撃は少し待ってくれないかしら」

支援

杏子「だけどほむら、こいつは魔獣でーーーん?そういやこいつどこかで……」

マミ「私のティロ・フィナーレが効かないなんて……ここで殺るしかないじゃない!」チャキ


ほむら「……時間停止!」カシャッ

ほむら「悪いけど、少し眠っていてもらうわ。ごめんなさい」

バキッ ドゴッ


ほむら「時間停止解除!」カシャッ

マミ杏子「」ドサッ

支援

さやか「わっ!?ほむら、あんたなんてこと……!」

ほむら「で、どのツラ下げて現れたのかしら?コスプレホモ男」

中沢「はは、酷い言われようだな。……先日の件については謝るよ、すまなかった」

さやか「で、頼みってなんなのさ?ふざけたことだったら今度は容赦しないよ」


中沢「……神に会いたい」

支援

さやか「は……?」

中沢「俺はこの結界ができてからずっと特定の人物たちを『観測』してきた」

ほむら「観測?」

中沢「あぁ。正確にはそいつらをキーにして現れる円環の理の観測だ。……だが、一向にそれは現れなかった」

支援

中沢「そこで痺れを切らした上層部は、観測対象と直接コンタクトをとるよう命令してきた」

さやか「それってもしかして……」

中沢「そうだ、観測対象は二人いる。一人はお前らも知っているように、鹿目まどかだ。そしてもう一人はーーー」

QB「お喋りはそのくらいにしておかないかい、中沢」

ほむら「……インキュベーター」

さやか「あんた、こっちの世界でも言葉話せたんだ」

中沢「……おかしいな、結界侵入時に殺したはずなんだが」

QB「こんな時のためにスペアは近くに用意してる。……それよりもどういうつもりだい?これは僕たちに対する裏切りだよ」

中沢「もうこんな無意味な観測は飽き飽きなんだ。俺はここを出て、神に会う」

QB「神に会ってどうするつもりだい?まさか君も、円環の理とやらに導かれようっていうのか」

中沢「どうだろうな。少なくともここより外の方がマシなのは確かだぜ」


さやか「話が見えないのは私がバカだからなのかな」

ほむら「心配することはないわ美樹さやか。私も理解できないもの」

支援

QB「君なら最も違和感なく彼女たちに溶け込めると踏んだんだが……。やはり感情のある個体を送り込んだのは失敗だったみたいだね」

ほむら「個体……あなたまさか」


中沢「そうさ。俺もこいつと同じ、インキュベーターだ」

さやか「なっ……!?」

支援

QB「彼は僕たちの文明でただ一人、『感情』という精神疾患を持つ個体なんだ」

QB「人類と同じように感情を持った個体を使えば効率よく観測できると考えた僕たちは、彼に人間の姿を与えて送り込んだ」

中沢「まぁ結果的にそいつが裏目に出たってわけだ。……で、どうする?俺を殺すか?」

QB「そうだね、僕も手荒なことはしたくないんだけど。この干渉遮断フィールドが一方通行なのは君も知っているだろう」

中沢「……外部の犠牲者の捕獲、か。あくまで俺たちを外に出さねーつもりだな」


さやか「かんしょうしゃ……何?」

ほむら「訳がわからないわ」

支援

QB「まぁ、そういう訳だ。悪いけど君にはここで死んでもr…わっ!」パァン

QB「いきなり何をするんだいほむら」

ほむら「少し黙りなさいインキュベーター。ごちゃごちゃうるさいのよさっきから」シュウウ

ほむら「で、結局どうやったら外に出られるのかしら?コスプレホモ淫獣」

中沢「……もちろんこの結界を作った魔女を倒せば、結界は壊れる」

最後まで書き終わったんで、今からペースあげます

ほむら「じゃあさっさとそいつを殺しましょう。場所を教えてくれるかしら?」

中沢「……それは」

QB「それについては僕から説明しよう」

ほむら「黙りなさい」チャキ

QB「やれやれ。……美樹さやかならすでに知っているんじゃないかい?この結界を作り上げた魔女の正体を」

さやか「……!」

ほむら「……?どういうことなの 美樹さやか」

さやか「……ほむら、この結界を作り上げた魔女の正体はーーー」

QBs「「「「「君だよ、暁美ほむら」」」」」

ほむら「な……!?」

QBs「「「「「真実なんて知りたくもない筈なのに、それでも追い求めずにはいられないなんて、つくづく人間の好奇心というものは理不尽だね。そう、この結界は君が作ったんだよ、暁美ほむら」」」」」

ほむら「何を言ってるの!?一体どういう……美樹さやか!中沢!これはーーー」


中沢「……そいつの言う通りだ暁美。この結界は魔女化したお前が作ったんだ」

ほむら「ッ!!」

支援

支援

支援

QBs「「「「「正確に言えば、僕が限界まで濁り切った君のSGを閉じ込め、その中で結界を作らせたんだ。君たちが円環の理と呼ぶシステムから完全に隔離された時、SGがどうなるのかを観察するためにね」」」」」

さやか「……へぇ、そうやってまどかをおびき寄せる魂胆だったんだ」

QBs「「「「「そういうことだね。まぁ、こうなってしまったものは仕方が無い。もう一度フィールドを張り直して観察を再開させてもらうことにするよ。悪いがここにいる君たちには全員死んでもrぷぎゃぎゃぎゃぎゃ」」」」」ズガガガガ


ほむら「……」シュウウウ

中沢「あ、暁美お前……」

ほむら「殺しなさい」

さや中「!!」

ほむら「私が魔女になり、この結界を作り上げた。そうなんでしょう?だったら今すぐ殺しなさい。さっさとこんなところから抜け出して、まどかに導かれる。それが私の望みよ」

QB「それは無理だ、暁美ほむら。ぷぎゃっ」グシャ

QB「君が気付いてしまったことで、この世界はもうじき崩壊する。ぐえっ」ブシュ

QB「だがそれでは困るんだ。僕たちはまだSGについて調べたいことがたくさんあるからね。わぷっ」バシュ

ほむら「黙りなさい……」パァンパァン

支援

支援

QBs「「「「「だがそれが終われば君は自由だ。その時はまどかに助けを求めるといい。『早く私を導いてくれ』と」」」」」

QBs「「「「「そして晴れて僕らは『円環の理』を観測できる。観測さえできれば干渉できる。干渉できるなら、制御もできる。やがては『円環の理』を完全に克服するだろう」」」」」

ほむら「黙れぇッ!!」ドガガガ

QBs「「「「「さて、そろそろいい頃合いだろう。君たちにはこの結界ごとーーー」」」」」


マミ杏子『編み込み☆フィナーレ!!』

ドゴォオオオオオオオオオオオン

支援

QBs「」シュウウウウウ

さやか「えっ、ちょっ、杏子にマミさん!?」

マミ「話は聞かせてもらったわ!」

杏子「あたし達に黙っとくなんて水くせーじゃねーか」

ほむら「あなた達、どうして……」

マミ「暁美さん。あなたの魔法は確かにすごいけど、いつだって相手より有利な立場にいると思うのは禁物よ?」ドヤァ

杏子「マミのリボンでどうにか急所を外したんだよ。それより……ほらっ!」ポイッ

ほむら「わっ!……まどか……」

まどか「」キュ~

杏子「そいつを離さねーように持っといてくれよ。お前ら二人が離れると腑抜けちまうからな。危なっかしくて見てらんないんだ」

ほむら「……」

マミ「さぁ、みんなぼさっとしてないでさっさとここから出るわよ!」

中沢「出るって言っても、この結界を壊すには暁美を……」

マミ「そんなの知ったこっちゃないわ!佐倉さん、美樹さんっ」

杏子「おう!」

さやか「ええっ、私も!?」

マミ「行くわよ!せーのっ」

マミさや杏子『ティロ・編み込みリリアン結界フィナーレぇえええ!!!』

チュドオオオオオオオオオオン

支援

中沢「あいつら一体何を……なっ!?結界の天井に……」

ほむら「ヒビが……」

中沢「嘘だろ……はは、意外と脆いんだな」

ほむら「……インキュベーター。あなたに一つ聞きたいことがあるのだけれど」

中沢「なんだ?」

ほむら「どうしていきなり考えが変わったのかしら。あなたはこの世界の存続を望んでいたはずよ」

中沢「……そうだな」

中沢「暁美を見てるとその、なんていうかな……自分が情けなく思えたんだよ」

ほむら「私を?」

中沢「あぁ。もう勘付いてるだろうが、現実世界での俺の役目は上条恭介の観察だった」

中沢「お前が時間を繰り返すたび、鹿目まどかと同じように上条恭介の魔力も肥大していったんだ」

ほむら「なぜ彼が……?」

中沢「あいつは何千、何万と早乙女という教師から難解な二択をぶつけられていた。それにより生じたやり場の無い理不尽さが原因らしい」

ほむら「何よそれ……」

中沢「現実世界が改変され、この世界に移ってきた後も観察は続いた。俺には何の因果か感情ってもんがあったからな、恥ずかしながらずっと観察してるうちに愛着が湧いてきちまったんだ」

中沢「それからは一層この世界が存続するようにつとめたよ、いつまでも上条と一緒にいるために。だけど暁美は違った」

中沢「鹿目まどかと会うために必死になって努力して、答えを探し続けてる。そんなお前を見てるとな、自分がバカバカしくなっちまったんだよ。俺もこんな作り物じゃなくて、本物の上条に会いたいんじゃねーのかって」

中沢「だから、な。俺の考えが変わったのは暁美のせいっていうかおかげっていうか……まぁそういうことなんだよ」

ほむら「……そう。何だか知らないけど、お役に立てたなら光栄だわ」

中沢「あぁ、本当にありが……っ!おい暁美、上だ!」

ほむら「なっ……!?」


燃えた飛行船「ゴォオオオ」

中沢「くそッ、間に合わない!」

ほむら「(まどかを背負ったまま戦えない!どうすれば……)」

まどか「……えいっ!」ビシュン

燃えた飛行船「」ドカーン


ほむら「まどかっ!」

まどか「えへへ、もう平気だよほむらちゃん」

支援

中沢「鹿目、大丈夫なのか?」

まどか「ありがとう中沢くん。もう大丈夫」

ほむら「まどか……その……」

まどか「ううん、いいんだよほむらちゃん。もう全部思い出したから」

まどか「私の役目も、ほむらちゃんが私のためにしてくれたことも、全部」

ほむら「あ……あ……」

まどか「今日までずっと頑張ってきたんだよね。さぁ、一緒に行こう!」

ほむら「まどかっ……!」

さやマミ杏子『おーい!!』

ほむら「!」

さやか「良かったみんな無事……って大丈夫なのまどか!?」

まどか「うん、もう平気だよっ」

杏子「飛行船がそっちにばかり行くもんだからさ。心配したよ」

ほむら「あなた達はいつも良い時に……」ムスッ

マミ「ほらほら、暁美さんも拗ねてないで!みんな、アレをやるわよ!」

見てる方居ますか?

支援

支援

杏子「了解だぜマミ!」

さやか「ほら、あんたもやるのよっ」グイ

中沢「えっ、いや、ちょっ」

まどか「ほむらちゃん、怖くない?」

ほむら「うん、大丈夫。もう私は、躊躇ったりしない!」

マミ「行くわよ!せーのっ」


全員『ピュエラ・マギ・ホーリー・セクステット!!!』


外のQBs「「「「「訳がわからないよォ!!!」」」」」

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ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

ーーー現実世界

杏子「……逝っちまったのか?さやかも、中沢も」

マミ「……いいえ。今ようやく、みんなを連れて行くところよ」

パァアアアアアアアア

杏子「あれが鹿目まどか……と、あれ?もう一つあるぞ!?」

マミ「え?何あれ、ちょっと、え?」

パァアアアアアアアア エダワカレー

杏子「お、おい、2本も道が出てきたぞ!?」

マミ「なんか想像してたのとちょっと違うわね……」


ほむら「う……」

中沢「ん……」

マミ杏子「!!」

杏子「おい、しっかりしろ!」ペチペチ

マミ「大丈夫なの、二人とも?」

ほむら「杏子……巴マミ……」

中沢「ここは……?」


杏子「あっ、何か出てきたぞ!」

マミ「え?」

早くて支援が追いつかない。

>>139
了解、ちょっとペース落とします

神条「さぁ、行こうぜ」

まど神「これからは」

まど神条『ずっと一緒だよ』

ほむら「えぇ……」

中沢「そうだな……」

ほむ中沢『この時を、待ってた』ガシッ

まど神条『え?』

マミ杏子『は?』

支援

ほむら「やっと……」

中沢「捕まえた……!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

マミ「な、何よこれ!?ちょっと二人とも!」

杏子「SGがすげー色になってやがる……!」

ほむら「常人には理解できるはずもないわね」

中沢「これこそが変態の感情の極み……」

ほむ中沢『愛』

支援

ピシピシッ パリーン パリーン

まど神「ほむらちゃん…駄目……」

神条「僕が……裂けちゃうぅう!」


杏子「ど、どういうことだオイ……」ズズズズ

マミ「こんなの絶対おかしいわ!」ズズズズ

ズズズズズズズズズズズズ

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ーーーーーー
ーーー

支援

支援

エピローグ


ーーー世界改変後、通学路

モブまどか「わいわい」

モブ上条「がやがや」


さやか「……あんたたち、何をしたか分かってるの!?」

ほむら「その様子だと何があったのか理解しているようね、美樹さやか」

さやか「当たり前でしょ!あんたたちは世界の男性全員を恭介に、女性全員をまどかに変えたんだ!」

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中沢「お前らはそのままにしてやってるんだから良いじゃないか」

さやか「良いわけないじゃない!何の権利があってこんなことをっ……」

悪ほむ「今の私たちは神に反逆した魔なるもの。さしずめ『悪魔』ってとこかしら」

悪沢「そんな俺たちが神の理に抗うのは当然のことだろう?」

さやか「そんなの、私が許さない!」オクタヴィアァアア

悪ほむ「でも美樹さやか。あなたは私たちに立ち向かえるの?」ポイッ

さやか「鏡……?っ!?そんな、髪がピンク色に……!」

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幼まどか「えっへへー」バシャバシャ


悪ほむ「今でも少しずつ、まどかに変化していってるでしょう?」

悪沢「いずれは美樹さやかだったことも忘れて、違和感さえ感じなくなるさ」

さやか「だとしてもこれだけは忘れない。……あんたたちが、同性愛者だってことは!」

悪ほむ沢「……」

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…………

上条「やぁさやか、おはよう」

まどか「おはよう、さやかちゃん!」

さやか「……!」

上条「どうかしたのかい、さやか?」

さやか「……あっはは~、おはよう二人ともっ」

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ーーー学校

キーンコーンカーンコーン

まど先「女子のみんなは、くれぐれも『半熟じゃなきゃ食べられな~い』とか言っちゃう男の人とはお付き合いしちゃ駄目だよ!」

まど先「はいっ、あとそれから、今日はみんなに転校生を紹介するよ!鹿目さん、上条くん、入ってきてー」

悪ほむ沢「!!」

まど上条「……」テクテク

\おーーーーーっ/

モブまどか「小っちゃくて可愛いーっ」

モブ上条「うわー、かっこいいなぁ……」

まど先「二人は親御さんの海外出張でアメリカに……」


悪ほむ「(……やっぱりどのまどかもにも)」

悪沢「(……どの上条にも)」

まど上条『よろしくお願いしますっ』


悪ほむ「(私が一番似合うわね)」
悪沢「(俺が一番似合うよな)」


THE END
KONEC
劇終
ENDE

fin

以上で物語は終了です。

初SSだったので気になる点も多々あったかと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

また、6QFT2RtW0さん
最後まで支援レスありがとうございました!

>>163
いえいえお疲れさんでした
中沢くんがメインとは珍しい。

まどかと上条だらけの世界か
かわいいと美形で見た目はいいけど
なんか恐ろしい世界だな(笑)

面白かったです乙。

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