戸塚「八幡の八幡が僕の中で大きく……っ」 (111)

 

戸塚「ふあっ!」



戸塚「夢……?」

戸塚「すごい夢みちゃった…今日八幡と顔あわせられないかも…」




戸塚「でもそんなに嫌じゃなかったなあ…」

八幡「だるい…」

八幡(今日も今日とて学校に来てしまったわけだが…主夫王になるために高校ぐらいは出ておかんとな)

八幡(ん…あれはMy Lovery Angel戸塚じゃないか)

八幡「おはよう戸塚」

戸塚「あっ…お、おはよう比企谷くん!」

八幡「ああ」



八幡(ん…?)

八幡(ちょっと待てちょっと待て。いつも八幡って俺に笑顔を向けてくれる天使の戸塚はどこいったんだ…)

八幡(俺の考えが正しければ昨日までの戸塚はフラグ完璧好感度100%後はデートに誘ってお持ち帰りするだけのはずだったんだが…)

八幡「な、なあ戸塚」

戸塚「うん?どうしたの?」

八幡「今俺の名前「あ、ごめん!僕日直だから急がなきゃ、また後でね!」

八幡「お、おう…」

結衣「やっはろーヒッキうわっ!なんかすごい顔してるけどどうしたの?」

八幡「なんだ由比ヶ浜か…なんでもねえよ」

結衣「なんだって酷くない!?ってあれは彩ちゃん?彩ちゃんがどうしたの?」

八幡「………なんでもねえよ」

結衣「…さては喧嘩でもしちゃったんだ?」

八幡「んなわけねえだろ。雪ノ下や由比ヶ浜と違って戸塚は完全で完璧で最高だからな。喧嘩になるわけがない」

結衣「あたしとゆきのんの扱い酷くない!?ってかそれじゃどうしたの?」

八幡「だからなんでもねえよ。俺が気にしすぎなだけだ。とりあえずチャイムなるからもう教室行くぞ」


結衣「あ、待ってよヒッキー!」

ねむい

平塚「~であるからして、さっきの話は~」

八幡(気にしすぎと言ったが気になるもんは気になる。昨日までは普通だったんだよな…何かやらかしたか俺)

八幡(昨日は雪ノ下が用事で部活がなくなったから丁度下校時に一緒になった戸塚とゲーセンに行ってその後カラオケに行ったんだよな)

八幡(若干視界に変な眼鏡が映ってた気がするが気のせいだろう。昨日は二人きりで夜まで楽しく遊んだ)

八幡(あれ…昨日のって完璧にデートだわ。間違いなくデートだわ。まさかこの俺がリア充共に負けない経験を積める日がこようとは思いもしなかった)

八幡(でも失敗らしい失敗はしてねえな…好感度は100%のままわかれたはずだ。じゃあなんで今日になっていきなり…)

パコン

八幡「っ!」

平塚「ひーきーがーやー。私の授業中に考え事とはいい身分じゃないか。昼休みに職員室で昼食でも一緒にどうだ?」

八幡「き、今日は友達と昼一緒に食べる約束があるんで遠慮しておきま「来い」

八幡「はい…」

八幡「失礼します」

平塚「おっきたか。そこに座ってくれ」

八幡「はあ…先生、俺飯まだなんでできれば手短にお願いします」

平塚「比企谷が失礼なのは今に始まったことじゃないが…君はもう少し目上の人に対して遠まわしな発言ができるようになったほうがいいぞ。」

平塚「じゃないと私のように苦労することになる」ニッコリ

八幡(この笑顔こええ…)

八幡「それで何の用件でしょう。部活のことですか?」

平塚「いやなに、私は教師だからな。相談できる相手がいない生徒の相談に乗るのも仕事のうちなのだよ」

八幡「目下の人に遠まわしな発言はしないんですかね…」

平塚「目上の人にもしないさ。苦労はするがね」

八幡「はあ…」

平塚「それで?」

八幡「いえ、特に」

平塚「比企谷、早く言わないと昼食を食べられなくなるぞ?」

八幡(言わなきゃ解放しないって脅しじゃねーか。このめんどくささが彼氏ができない理由なんだろうな)

平塚「比企谷、君は今何か失礼なことを「えーっとですね!実はですね!」

平塚「まあいい、続けたまえ」




平塚「ふむ、親しい人が急に名前の呼び方が変わった、しかも心当たりもない…か」

八幡(さっさと終わらせて飯食いたい。俺のベストプレイスが取られるじゃねーか。取られないけど)

平塚「私の体験談だが…名前の呼び方が変わった直後、今までのように接せなくなる場合がある」

平塚「具体的に言うとそうだな。呼び方が変わった次の日、ウン十万もする腕時計やウン万の宝石や生活用品と一緒にいなくなったりする」

八幡(重い…)

平塚「大事なのは呼び方が変わった理由ではなく、その後の対応だ」

平塚「嫌われたのではないならまだ何かしら繋がりを持ち続けることはできるだろう」

八幡「どうすりゃいいんですかね」

平塚「君の得意分野だろう?」

八幡「?」

平塚「まずは観察だ」ニコッ

ちょっと風呂入ってくる
20分ぐらい

八幡(売店でろくなもん売ってないな…今日はこの菓子パンで我慢するか)



??「げっ」

八幡「ん?」

八幡「誰かと思ったらお前も売店か。もうまともなもん売ってないぞ」

??「………あたしは消しゴム買いに来ただけだし」ジロッ

八幡(消しゴム買いに来ただけでなんで俺を睨むんですかね。俺が何したんですかね。何サキさんだか覚えてないけど)

八幡(とりあえず適当に菓子パンと…適当な飲み物でもかって…)

八幡(後はベストプレイスに行って食うか。一応顔見知りだし挨拶を………いねえ)

八幡(流石一級ぼっちだ。居ても居なくても存在感が変わらんってのは俺と似たところがあるな、川なんとかさん)

八幡(さて……観察って言われてもなあ。戸塚は真面目だから授業中は前しか向いてないだろうし)

八幡(休み時間に話しかけてみるか…だがまた直接「比企谷君」なんて言われたら俺の心がもつかどうか)

八幡(1対1では話しにくいな。…………よし)




八幡「ういーっす」ガラッ

結衣「やっはろーヒッキー!」

雪乃「………」

八幡(相変わらず反応ねえな。まあこいつが由比ヶ浜みたいに反応してても嫌だが)

雪乃「何…?」ジロッ

八幡「い、いや…」

雪乃「用がないならこっちを見ないでくれる?あなたの視界に入ることで私の世界が穢れてしまうわ」

八幡(私の世界ってなんだよ…どこからどこまでが俺のなんだよ…こいつに言わせたら無さそうだが)

結衣「あっあはは」

雪乃「………」

八幡(由比ヶ浜ですら乾いた笑いになってんじゃねーか。こいつに戸塚の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい。まあこいつが戸塚みたいに反応してても嫌だが)





結衣「今日も誰も来ないねー」

雪乃「………」

八幡「………」

結衣「ひーまーだー。ゆきのん何かおしゃべりしようよー」

雪乃「………由比ヶ浜さん」

結衣「なになに?」

雪乃「この部活は簡単に言うと困っている生徒を助けるためにあるのだけれど…誰も来ないということは困っている人がいないということよ」

雪乃「その間私たちは時間を持て余してしまうかもしれないけれど、それはこの学校が平和であることの交換条件みたいなものよ」

八幡(その「私たち」には俺は入ってなさそうだな…つーかどこのヒーローだよ。どっかで聞いたぞ似たようなセリフ)

結衣「そっかー!なら暇なほうがいいかも!」

八幡(こいつはなんて単純なんだ。会話が面倒だから言いくるめられてるのにきづかねーのか)

結衣「うー。でもわがままかもしれないけどある程度人が来てくれたほうがわたしはうれしいなー」

雪乃「………そうね」

八幡(この「そうね」は「そうはおもわねー」の略だろ絶対。まあそろそろ切り出してもいいか…)

八幡「なあ」

結衣「うん?どしたのヒッキー?」

八幡「この部活は困ってる生徒を助けるためにあるんだよな?」

雪乃「………」パタン

八幡(一応聞いてはくれるらしい)

雪乃「ええそうよ。でもこちらから困っている人を探そうとはしない、あくまでも来た人を原因の解決に向けて手伝うためのものよ」

雪乃「手伝いとは言ってもただ協力するのではなく、本人に解決する力を付ける協力と考えているわ」

八幡「じゃあずっと困っている生徒はどうなるんだ?例えば材木座だが、あいつは読者が必要と言っている」

八幡「卒業するまでの間、あいつのラノベを読み続けるということか?」

八幡「葉山の依頼は具体的だった。他の三人の仲を取り持って解決したからな」

八幡「じゃあ具体的な解決法がない相手の場合はどうするんだ?」

雪乃「………そうね」

雪乃「特に考えたことはなかったけれど、一度相談に来た人は必要ならばその後も協力してあげたほうがいいとは思うけれど…」

雪乃「由比ヶ浜さんどう?」

結衣「わたしもゆきのんにさんせー!っていうかわたしも料理上達してないからまた教えてほしいなーって…」

八幡「やめとけ」

結衣「ひどくない!?前よりは上達したもん!そのうち食べさせてあげるから!」

八幡「遠慮しておく…」

結衣「えー!いーよもう!ゆきのんに食べてもらうし!」

雪乃「………考えておくわ」

八幡(由比ヶ浜がへこんでるうちに話を進めるか)

雪乃「それで?」

八幡「ん」

雪乃「あなたがそういう話を切り出したということは、前に依頼してきた人で困っている人がいるということではないの?」

八幡「ああ、戸塚のことなんだが…」

結衣「彩ちゃんがどうしたの?」

八幡「他の部員のやる気があまり感じられないらしい。もっと上手くならないとだめなんじゃないかと言っていた」

雪乃「……確かに前の依頼の時、訳の分からない試合になってしまって練習に時間をさけなかったものね」

八幡「この部活の方針でアフターケアもするのであれば、もう一度見に行ってもいいとは思うんだがどうだ?」

雪乃「………そうね。今日練習しているのならばそれもいいかもしれないわ」

結衣「あ、彩ちゃん今日部活って言ってたからまだいるんじゃないかな?」

八幡(まあ知ってたんだが。とりあえず雪ノ下と由比ヶ浜を引っ張り出すことには成功した。)

八幡(実際戸塚以外の部員のやる気がどうなのかは知らないが、部長が強くなったからといって急にやる気の出る部員なんていないだろう)

八幡「じゃあ今から行ってみるか」

八幡(さて…ついたわけだが。都合がいいことに戸塚以外の部員がいないな)

戸塚「あれっ?みんなどうしたの?」

八幡(流石俺の天使。汗かいてる姿がまぶしいぜ)

雪乃「こんにちは」

結衣「やっはろー彩ちゃん!」

雪乃「前回の依頼から少し経ったけれど、その後の部活動はどういう感じかしら?」

結衣「うんとね、アフターヘア?しにきたんだよ!」

八幡(ケアだろ…)

戸塚「えっと…前よりは練習する時間が増えたかなあ?でもやっぱり僕が思ってたほどはできてないかも」

雪乃「今あなたが一人なのはなぜなのかしら?」

戸塚「あ、うん。みんな今日は塾なんだ。毎週この日はみんな塾だから、一人で練習してるんだ」ニコッ

雪乃「……そう。つまりあなたにとって前の問題点は解決できたとは言えていないわね」

戸塚「うーん……。そうなる、かな?」

八幡(人間の生活サイクルなんぞ変えようと思ってすぐに変えれるもんじゃない。まして集団だ、誰かに合わせようとしたら誰かが無茶をすることになる)

八幡(何が言いたいかっていうと人に合わせる必要がないぼっちが最強ってことだ。)

八幡「どうだ?雪ノ下」

雪乃「そうね。さっき部室で言った指針に変更はないわ。まだ助けが必要ならば協力しましょう」

戸塚「えっと…?」

八幡「要は練習手伝うってことだ。他の部員のやる気が戸塚に追いつくまでな」

結衣「今度は前みたいなことにならないだろうし、しっかり練習手伝えるよー!」

戸塚「ありがとう…。でもいいのかな?みんなの手を煩わせちゃって」

八幡(謙虚な天使まじ天使。……これで他人がいる場所で話す口実ができたわけだが)

八幡(観察、ねえ…)

雪乃「気にすることはないわ。あなたが一人の時に練習を手伝う、他の部員がいる時はそっちを優先して頂戴」

結衣「がんばろうねー!」

戸塚「うん。ありがとう!由比ヶ浜さん、雪ノ下さん、は…比企谷君!」

八幡(Oh…)

雪乃「ではさっそく始めましょうか。更衣室を借りてもいいかしら?着替えたいのだけど」

戸塚「あ、うん。男子用のところでもいいかな?」

雪乃「構わないわ。誰にも見られることはないわけだし」ジロッ

結衣「ヒッキー覗かないでね…」ジロッ

八幡「覗かねえよ…」

八幡(んなことより比企谷君て…由比ヶ浜と雪ノ下がいなかったら生まれたことを後悔したくなるところだった)

八幡(とりあえず二人きりはちょっときついな…俺も時間かけて着替えてくるか)

八幡「戸塚、俺も着替えてくるわ」

戸塚「う、うん。いってらっしゃい」

八幡(目を合わせてくれない…だと…)

八幡(さて、ちょっと現状を整理してみるか)

八幡(とりあえず昨日と今日の違いと言えば…まず名前の呼び方が八幡から比企谷君に。目を合わせなくなった。この二点か)

八幡(無視はされていないが…人前であろうとなかろうと戸塚が他人を無視するようなやつには思えない)

八幡(なんたって天使だからな…)

八幡(つまり…)








八幡(あれ、これだめじゃね…?)

結衣「ヒッキーおそーい!」

八幡「………」

結衣「あれ?どうしたの?」

雪乃「由比ヶ浜さん、放っておきましょう。関わってもろくな事にならないわ」

結衣「う、うん…」



雪乃「ではこちらからボールを出すのでできれば隅を意識して打ち返して頂戴」

戸塚「うん、わかったよ」

雪乃「由比ヶ浜さんは私にボールを渡す役を。比企谷君はボールを拾って籠に戻す役を」

結衣「はーい」

八幡「ああ…」

雪乃「ふう、少し休憩にしましょう」

結衣「彩ちゃんお疲れ様ー!」

戸塚「ハア…ハア…由比ヶ浜さんもありがとう」

雪乃「ところで……」

八幡「………」

雪乃「ボールすら拾えない人には何をしてもらえばいいのかしらね」

結衣「……ヒッキー具合でも悪いの?」

八幡「いや…そういうわけじゃないんだが…」

戸塚「………」

八幡「まあ気にすんな…」

雪乃「………飲み物を買ってくるわ。由比ヶ浜さんも来てほしいのだけれど」

結衣「あ、うん。じゃあいってくるねー」

八幡「………」

戸塚「………」

戸塚「元気ないけどどうしたの…?やっぱり練習につき合わせてるのがだめだったのかな…?」

八幡「……いや…それはいいんだが…」

戸塚「何か悩んでることでもあるの?僕でよければ相談に乗るよ!ひき………八幡!」






八幡(!?)

八幡(八幡…八幡…八幡!今八幡って声が戸塚から出たぞ…)

八幡(よくわからないが嫌われてるわけじゃないのか…?ならもう少し踏み込んで聞いてみるか)

八幡「な、なあ戸塚」

戸塚「うん?」

八幡「えーっと…き、今日俺のこと苗字で呼んでなかったっけいや気のせいだとは思うんだがいややっぱ気のせいじゃないようなでも気のせいなような気もしなくもないっていうか」

戸塚「え…うん…ごめんね」

戸塚「実はちょっと…夢に八幡が出てきちゃって…少しだけ気まずかったんだ」ニコッ

戸塚「で、でもね。出てきたから気まずかったんじゃなくて、嫌じゃなかったから気まずいというかなんというか…」

戸塚「…ちょっと恥ずかしかったのかも…」



八幡(まじ天使)

戸塚「もしかして…気にしてた?」

八幡「い、いやー。そんな小さなこと気にするわけないっていうかべ、別になんとも思ってなかったけどちょっと気になったから聞いてみただけだ」

戸塚「そっか。ならよかった」ニコッ

八幡(夢の俺が一体何したってんだよ…絶対に許さんぞ)

八幡「な、なあ。もしよかったら部活終わったあと「たっだいまー!」

結衣「はい彩ちゃんの分ー!ってあれ?ヒッキー元気になってる!」

八幡「ああ…今元気になったところだ」ギロッ

結衣「こわっ!睨まないでよ!キモイ!」

雪乃「由比ヶ浜さんだめよ、相手にしては、だめ」

戸塚「あはは、ありがとう」

雪乃「少し休憩したら続きをやりましょう」

戸塚「うん、宜しくお願いします」

結衣「がんばろー!」

八幡(夢の中の俺と由比ヶ浜は絶対に許さん)

雪乃「今日はこのぐらいにしましょうか」

結衣「そだねー暗くなってきた!」

戸塚「ハァ…ハァ…ありがとうございました…ハァ…ハァ」

八幡「大丈夫か戸塚」

戸塚「うん、ありがとう八幡。ちょっと疲れただけ」

八幡「そうか。なんかあったら言えよ」

結衣「……なんかヒッキーって彩ちゃんにだけは優しいよねー」

結衣「付き合ってるみたい…」

戸塚「えっ…」

八幡「何言ってんだ由比ヶ浜…俺は誰にだって優しいだろ」

結衣「えーそうかなー…」

雪乃「馬鹿なことを言ってないで着替えに行きましょう。また更衣室を借りてもいいかしら?」

戸塚「あ、うん。僕たちは外で着替えちゃうね」

結衣「彩ちゃん、ヒッキーが覗かないように見張っててね!」

八幡「だから覗かねーって言ってるだろ…」

戸塚「あはは、わかったよ」

雪乃「着替えたら私は職員室に部室の鍵を返しに行くわ」

結衣「あ、わたしも由美子にカラオケ呼ばれてるからすぐ行っちゃうね!」

雪乃「ならここで解散にしましょうか」

八幡「おう」

戸塚「うん、みんな今日はありがとう」

結衣「またねー!彩ちゃん、ヒッキー!」

戸塚「八幡、ここで着替える」

八幡「いや、ここは人目に付きすぎるからもう少し奥のほう行くか」

戸塚「そうだね」

八幡(とりあえず今日の変貌は戸塚が見た夢のせいらしいが、一体どんな夢だったのか気になるな…着替える時にでも聞いてみるか)




八幡「この辺でいいか」

戸塚「うん」

八幡「普段体育ぐらいでしか動かないからな、すごい汗かいたわ」ヌギヌギ

戸塚「あっ…」

八幡「ん?どうした戸塚」

戸塚「う、うん…八幡の体って結構筋肉あるよね」

八幡「そうか?他人の裸見ることなんて基本的にないからな。違いがよくわからん」

戸塚「ねえ八幡、ちょっと触ってみてもいい…?」

八幡「別にいいが…男の筋肉触っても楽しくないだろ」

戸塚「そんなことないよ。僕筋肉つきにくい体質だから興味あるよ」

八幡「そんなもんかな。まあいいぞ」

戸塚「うん、ありがとう。それじゃ…」ソッ

八幡「………どうだ?」

戸塚「…うん。硬くてごつごつしてるけど…」

戸塚「………あったかい………」

八幡(何これフラグ?フラグなの?お兄ちゃんどうすればいいのかわからないよ。助けて小町)

八幡「そ、そういえばさ、さっき言ってた夢ってどんな感じだったんだ?」

戸塚「………えっとね。僕と八幡がとっても仲良くって…恋人みたいな感じだったんだ…」

戸塚「それで顔合わせづらくなっちゃって…ごめんね」

八幡「いや、それはいいんだが…」

八幡(さっき戸塚は…「嫌じゃなかったから気まずい」って言ってたよな…)

戸塚「ねえ八幡、ちょっと後ろ向いてもらえる?」

八幡「お、おう。これでいいか?」

戸塚「うん……」ギュッ

八幡「とっとと戸塚…?」

戸塚「えへへ…八幡、嫌だったら逃げてね」

八幡(小町、おにいちゃんは本当にゴミいちゃんになりそうです)

八幡「………」

戸塚「………」

八幡(やばい、色々やばい。心臓の鼓動的にもやばいし、現状半裸の男を男が抱きしめてるこの図もやばい。海老名あたりは泣いて喜ぶかもしれんが…)

八幡(いやあいつだったら「葉山君とじゃないとだめだよ!」とか言うかもしれん。でもきっと「三角関係もアリかも…グヘヘ」となるに違いない)

八幡(とりあえず人に見られたらまずいだろう。戸塚に離れてもらうしかない。………名残惜しいが)

八幡「戸塚」

戸塚「何?八幡」

八幡「そろそろ離れたほうが…」

戸塚「………もうちょっと」

八幡(こういう時、どんな顔すればいいかわからないの。今由比ヶ浜が俺を見たら「ヒッキーキモイ」って言うんだろうな、間違いなく)

戸塚「八幡ちょっと汗くさいかも」スンスン

八幡「そ、そりゃあ運動した後だしな…。つーかかぐなよ」

戸塚「ごめんね、でも嫌な匂いじゃないよ」

八幡「そうか……」

八幡「………」

戸塚「………」

八幡「なあ戸塚」

戸塚「もうちょっとだけ…」

八幡「いや、そっち向いていいか?」

戸塚「う、うん。いいよ」

八幡「………」グルッ

八幡「………」

戸塚「………」

戸塚「えへへ…」ニコッ

八幡(目が合うと眩しすぎる笑顔が飛んでくるんだが…これでおちない男なんているのだろうか、いやいない)

八幡(なんか変な気分になってきた)

八幡「………彩加」

戸塚「!」

八幡「…嫌だったか?」

戸塚「ううん、すっごくうれしいよ八幡!」

八幡「そりゃよかった…」

八幡(まじどうすればいいんだこれ)

戸塚「………」

八幡「………」

戸塚「ね、ねえ八幡」

八幡「ん」

戸塚「………ンー」

八幡(!?)

八幡(な、なんか目を瞑って唇をこっちに向けてる気がするんだがこれは気のせいなのか)

戸塚「だめ、かな…?」

八幡(上目遣いでこっちを見るな…優しくて可愛くて非の打ち所のない相手…だが男だ)

戸塚「………」シュン





八幡(だが男でもいいか)

八幡「………一回だけだぞ」

戸塚「う、うん!」

戸塚「………ンー」

八幡「………」

八幡「………チュッ」

戸塚「!」

戸塚「ありがと…八幡」

八幡(なんだこれ恥ずかしすぎるだろ)

八幡「…彩加、そろそろ離れないと見られるかもしれない」

戸塚「う、うんそうだね。ごめんね八幡」

八幡「………いや、俺も………嫌じゃなかった」

戸塚「………そっか、よかった」

八幡(よくわからんが…昨日より仲良くなれた気がする)

八幡(いや、仲良くなりすぎた気もする)

戸塚「~♪」

八幡(まあいいか。仮にばれたとしても元々ぼっちな俺だ。大した影響はない)

八幡(戸塚のほうも中立的な立ち位置にいるおかげで強く言われることはないだろう…多分…)

八幡「それじゃ帰るか」

戸塚「うん!また明日ね八幡!」

八幡「ああ。またな戸塚」

戸塚「………また明日ね は ち ま ん!」

八幡「………またな彩加」

戸塚「………」ニコッ





雪乃「………」

結衣「………」

雪乃「由比ヶ浜さん何か一言」

結衣「………ヒッキーマジキモイ」




やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

くぅ~疲ってなんで俺君が?

初SSだったんだが次は書きだめする
保守ありがとう

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月13日 (火) 03:41:23   ID: s_oM__BT

スレタイの八幡の八幡でちょっとクスッと来た

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