響「猿夢……?」(114)
響「どうしたんだ?やよい、元気ないぞ」
やよい「……それが……」
響「?」
やよい「あ、やっぱりいいですー……」
響「やよいが元気ないなんて心配だぞ。何でも話してみてよ」
やよい「ううー……、でも……」
響「そんなに大変なことなのか?」
やよい「いいえ、そんなことないです……」
やよい「それじゃあ……話します」
やよい「あの……最近……怖い夢を見るんです」
響「怖い夢?」
やよい「はいー……」
やよい「家族とか……事務所の皆さんとか……すごく怖い顔で追いかけてくるんですー……」
やよい「追いかけられてるとき、助けて!って思ったら、目が覚めたんですけど……」
響「うわっ、それは嫌だな……。でも夢なんだし、あんまり気にしちゃダメさー」
やよい「それが……」
やよい「昨日見たんです……前の夢の続きを……」
響「……え?」
やよい「あ、続きって言うか、前の夢と同じところからスタートしたんですけど」
やよい「昨日は、あ、これ夢だって、すぐ気づいたんですー」
やよい「だから、起きなきゃ起きなきゃって」
やよい「でも全然起きれなくて……」
響「……」
猿夢ってなんだっけ
やよい「そうこうしてるうちに、千早さんが目の前まで迫ってきて……」
響「……」ゴクリ
やよい「そこで、ふっと目が覚めたんです……」
響「……そ、そう……」
やよい「でも……、最後に……」
>>6
怖いコピペ
やよい「しゃがれた声で、
『また逃げるんですかー?次はありませんよー』って声が聞こえたんです……」
やよい「もう私、怖くて怖くて……」
響「や、やよいは気にし過ぎさー!
最近仕事が忙しくて生活が不規則だからそういう夢を見るんだぞ!」
響「じ、自分とダンスレッスンでもして体動かせばバッチリ快眠だぞ!!」
やよい「……それも、そうかもですー」
響「それじゃあこれから個人レッスンさー!!」
―帰宅後―
響「ふう、今日は結構張り切っちゃったなー」
響「今日は早めに寝ようかな」
響「……そういえばやよいの話……」
響「い、いや、何かの偶然に決まってるぞ!」
いぬ美「?」
響「あ、大声出しちゃってごめん……」
響「もう寝よ寝よ」
――――
――
―
響「……んー……」
響「……ん?」
響「ここ、テレビ局……?」
やよい「うっうー!響さん!」
響「あー、やよい、元気になったんだな?」
やよい「うっうー!私はいつも元気いっぱいですよー!!」
響「とにかく、元気になって良かった」
やよい「響さん、一緒に遊びましょー!!」
響「え?でもここテレビ局だし……」
やよい「大丈夫ですよー!」
響「うーん、ま、いいか」
やよい「それじゃあ、おままごとをしましょう!」
響「おままごとか?何か子供っぽいぞ……」
やよい「それじゃあ、響さんはそこに寝てください!」
響「ここか?」
やよい「私、お母さん役ですっ」
響「うん」
やよい「そして響さんは、食材です」
響「……へ?」
やよい「響さんは、『食材』です」
響「食材って……」
やよい「私は、お父さんのために、おいしい料理をつくります」
やよい「そのためには、おいしい食材が必要です」
やよい「だから、響さんが食材になります」
響「……」
やよい「コレで……」
響(包丁……長い……)
やよい「さっくりと首を切り裂いて血を抜いたら、生きたまま内臓を引きずり出します」
やよい「小腸を取り出したら、しっかりと洗って臭みを取ります」
やよい「大腸はちょっと臭いですけど、好きな人は好きなので取っておきます」
やよい「そのまま、腎臓、脾臓、胃、肝臓とおいしい所を……」
響(やばいやばいやばいやばい……)
やよい「それじゃあ、行きますよー!」サクッ
響「ひいっ!!」
やよい「あー、ダメですよー。逃げたら」
響「く、来るな……」ピチャ
響「な、何……?ピチャって……」
やよい「あー、踏んじゃったー」
響「な、何コレ……?」
やよい「もう一つの食材ですー!」
響(嘘……嘘だろ……)
響「いぬ美……!」
やよい「とりあえず、血を抜いて、内臓を引きずりだすところまでやりましたー」
いぬ美「ワゥ……」ピクピク
やよい「まだかすかに生きてますねー。イキが良いですー!!」
響「い、いぬ美ィ……」
いぬ美「……ッ」ヒクヒク
響「いやあああああああああああああああああ!!!!!!」
やよい「あー、逃げるんですかー?しょうがないなあ」
――――
――
―
響「いやあああああああああああああああああ!!!!」ガバッ
響「はあ……はあ……はあ……」
いぬ美「?」
響「い、いぬ美?……生きてる……良かった……」
いぬ美「わう?」
響「夢……夢だよな……?」
―事務所―
やよい「うっうー!おはようございますー!」
響「ひっ!!」びくっ
やよい「ど、どうしたんですか?」
響「な、何でもないぞ」
やよい「響さん、昨日はありがとうございました」
響「ど、どうってことないさー!!」
貴音「響……」
P「ふーむ……様子がおかしいな……」
P「俺も気をつけてみてるから、貴音、悩みを聞いてやってくれないか?
お前が一番仲良いし」
貴音「はい……」
貴音「響……」
響「ど、どうしたんだ貴音?」
貴音「何か、困りごとですか?今日は少々元気がないようですが」
響「い、いや、なんでもないぞ……」
貴音「……本当ですか?」
響「……夢が……」
貴音「夢?」
響「……」
響「……ゴメン……」
響「ちょっと言いにくいことなんだ……」
貴音「そうですか……それでは」ぎゅ
響「……」
貴音「わたくしは、いつも響の味方ですよ。話したくなったらいつでも相談してくださいね?」
響「ありがと……貴音ぇ……」ぎゅ
貴音「わたしくに言いにくいのであれば、社長や、
プロデューサーに相談するのですよ?」
響「分かったよ、貴音」
響(でも、こんなこと相談するのは……)
P(ふーむ、収穫なしか……)
―数日後―
響「ふー、最近は怖い夢見てないな……」
響「やっぱり気のせいだ」
いぬ美「わん?」
ハム蔵「ヂュ?」
響「気にせず寝るさー」
――――
――
―
やよい「お久しぶりですー!」
響「ひっ……」
やよい「逃げるなんて酷いじゃないですかー」
響(な、何?続き……?)
やよい「なかなか来ないから、いぬ美ちゃん臭くなっちゃいました」
やよい「もったいないですー」
響「うっ……」
響(酷い……肉が腐って……蠅が……)
やよい「ねー。響さん、酷いよねー?いぬ美ちゃん?」
いぬ美「ヴヴヴヴヴヴ……」
響「ひっ!」
響「そんな、動くわけ……」
いぬ美「ヴああああああ」
やよい「いぬ美ちゃん?捕まえたら食べてもいいよ」
響「いやあああああああああ!!!」
いぬ美「ヴァアア!!」ズル……ズル……
響(ここはテレビ局……隠れるところ……隠れるところ……)
貴音「響」
響「うわああああ!!」
貴音「どうしたのですか?そんなに慌てて」
響「た、貴音、貴音なのか?」
響「ここにいちゃ駄目だ!早く逃げないと……」
貴音「逃げないと?」
響「殺されちゃう!!」
貴音「こんな風にですか?」
響「貴音……それ……」
貴音「丁度ネズミを解剖していたところです」
響「ハム蔵ー!!!!」
貴音「響……大人しくしなさい……」
いぬ美「ヴヴヴヴヴヴヴ」ズル……
貴音「さあ、響……」
響「嫌だ!!」
響(こんなの、こんなの貴音じゃない……)
響(遠く……遠く……逃げるんだ……)
―大道具倉庫―
響「このぬいぐるみの中に……」
響「隠れるんだ……」
やよい「響さんー?」
やよい「いるのは分かってるんですよー」
やよい「早く出てきてくださいー」
響「……」
やよい「響さぁーん……」ザクッ
やよい「ここかなー?」ザクッ
やよい「やっぱりこっちかなー?」ザクッ
響(隣の……ぬいぐるみまで……)
やよい「響さぁあああん」
響(早く、起きろ起きろ起きろ起きろ……)
やよい「あーあ、また逃げるんですかー?次はありませんよー?」
――――
――
―
響「……っ!!」
響「はあ……はあ……はあ……」
ハム蔵「ヂュ?」
響「……」
響「もうやだ……」
―事務所―
P「お、おい、響、どうしたんだ?すごいクマが……」
響「う……うわーん!!」
響「助けて、助けてよ、プロデューサー!!」
P「お、おい……」
P「落ち着いたか?」
響「うん……何とか……」
P「何があったんだ?」
響「それが……信じてくれないかも知れないけど……」
響「実は……」
……
P「ふーむ……」
響「……というわけなんだ……」
P「うーん……」
響「やっぱり信じられない……かな……?」
P「俺はそういうの疎いから何とも言えないが……」
P「知り合いのホラー番組ディレクターに相談してみよう」
P「話を聞く限りだと時間がないからな……」
響「うん……」
P「ちょっとPCに打ち込んでみてくれ。今俺に言った話をなるべく詳しく。
それを添付してメールで相談してみよう」
―○×テレビ―
響(ここ……、あのテレビ局だ……)
D「おーい、こっちこっち」
P「いやー、ありがとうございます。まさか当日にお話しできるとは……」
D「いや何、今日ここ改修中でね。道具とか全部運び出してるから
やることないんだよね」
響「よ、よろしくお願いします……」
D「で、結論から言えば……」
D「心療内科に行った方がいいんじゃないかな?」
P「がくっ」
響「……」
D「いやね?こういうのはやっぱ精神的なものが大きいんだよね」
D「アイドルって大変でしょ?ストレス多いよね」
D「何かに追っかけられる怖い夢ってのは割とオーソドックスな夢だからね」
P「そ、そうですか……」
D「って言う真面目な話をしておいてっと」
D「響ちゃんが見てるのは、多分『猿夢』って言われるネット上の怪談だね」
P「猿夢?」
D「こうだっていうハッキリしたのがあるわけじゃないんだけど」
D「大抵、スプラッタみたいな悲惨な夢を3回見るんだ」
D「しかもその夢は続き物になってる」
D「ただ、3回目を見たって言う話は聞いたことがない」
響「……」
D「まあ、同じ事務所の子から聞いたんだよね?
それで暗示がかかって夢見てる可能性が高いと思うけど」
D「いいかい?舞台となってる場所の地理をしっかり憶えるんだ」
D「で、何としてでも逃げ切る」
D「多分、逃げ切れたら、もう大丈夫」
響「……逃げ切れなかったら?」
D「それは、分からない」
P「……あんまり役に立たなくてゴメンな……」
響「いや、役に立ったぞ」
響(もう一回、絶対逃げ切るんだ)
――――
――
―
響「はっ……」
響(来たな……)
やよい「ひーびーきさんっ」
響「うわっ、な、何で……」
―今日ここ改修中でね。道具とか全部運び出してるから―
やよい「残念でした。もうぬいぐるみはありませんよ」
響「……」
やよい「また逃げるんですかー?」
ハム蔵「ヂュ……」
貴音「響……」
いぬ美「ヴヴヴうううううう」
響「何もないなら、かえって好都合さー!!」
貴音「な!?」
響「ほとんど誰も知らないけど、この部屋は出入り口が2つあるんだ!」
響(自分、絶対逃げ切るぞ!!)
やよい「チッ」
響「はあ……はあ……」
貴音「響ー!!!!」
響「……」ビクッ
響(足速すぎるぞ……もう追いつかれた……)
P「響、こっちだ!」ボソッ
響「プロデューサー?」
ハム蔵「ヂュ」
P「すまん、ハム蔵」グシャ
P「さ、逃げるぞ!」
響「はあ……はあ……」
響「た、助かったぞ」
P「危なかったな」
P「出口はこっちだ」
響「うん」
―出入り口―
P「さ、響」
響「プロデューサー……ありがとう……」
響「……」
響「あ、開かないぞ、この扉!!」
P「そりゃそうだろ」
響「……」
P「今は夜中だ。正面の出入り口なんて開いてるわけないだろ?」
やよい「あはははははははは、やっぱりお馬鹿さんですー」
貴音「惜しかったですね」
いぬ美「ヴヴヴヴヴヴ」
P「さ、観念して、内臓を生きたまま抉り出されてしまいなさい」
やよい「うっうー!!なるべく痛くしてあげますねー!!」
貴音「響の内臓……胸が高鳴ります……」
響「自分をここまで連れてきたのは失敗だったさー」
P「む?」
響「夜間出入口なんてチェック済みさー!!」
やよい「ぐおおおおおおお!!」
貴音「畜生畜生畜生畜生畜生!!!!」
響「すぐ横に、出入り口がある!!自分は絶対に出られる!!」
P「まてえええええええええええええ!!」
――――
――
―
響「はあ……はあ……」
響「生きてる……」
響「ははははは……」
響「生きてるぞー!!!」
貴音「ど、どうしたのですか?」
響「あれ?貴音?どうして自分の部屋に?」
貴音「何を言ってるのですか?ここは事務所ですよ?」
響「あれ?」
貴音「いつまでも寝ぼけていてはいけませんよ」
響「うん……?」
貴音「さて……響……」
貴音「生け作り、抉り出し、挽肉、どれがいいですか?」
響「は……?」
貴音「わたくしとしては、挽肉が好みなのですが……」
貴音「響のお肉を生け作りというのもおつなものですね」
響「……!!」
響(終わってない!!)
響(テレビ局から帰ったら、次は事務所!!)
貴音「やはり予定通り、内臓を抉り出しでしょうかねえ?」
響「どっちも御免さー!!」
――――
――
―
響「はあ……はあ……はあ……はあ……」
響「こ、今度こそ……」
いぬ美「うー……」
『あーあ、逃げられましたか……運が良かったですね』
いぬ美「わんっわんっ!!」
響「だ、誰かいるのか?!!」
シーン……
響「……」
いぬ美「……」
響「ふー……」
響「助かった……?」
響「助かったの……?」
ハム蔵「ヂュ!」
―エピローグ―
響「はいさーい!!」
貴音「響、近頃調子が良いですね?」
響「ごめん、心配かけたね」
貴音「いえ、良いのですよ。わたくしは元気な響が見られれば」
響「うん……」
P「……」
小鳥「プロデューサーさん、どうしたんですか?大きなクマ……」
P「いえ……」
小鳥「電話、出られます?」
P「ええ、大丈夫です」
P「お電話代わりました」
「あ、こんにちは。私、○×テレビのDの同僚で……」
P「え?ええ、お世話になってます」
「その……実は……Dが今朝亡くなりまして……」
P「え……ええ!?」
「そのことをお伝えしておこうと思いまして……」
「告別式などの日程は決まり次第お伝えします……」
P「は、はい」
「それから……」
「Dの伝言で……3回目が来る……奴らが来る……だそうです」
「死亡現場に伝言が残っていまして……」
「何のことだかわかりますか?」
P「……いえ」
「そうですか……。それでは失礼します」
P「……」
P(俺も、もう2回見てる……)
P(Dさんも……か……)
P(くそ……死にたくない……!)
P(考えろ……響とやよいは助かって……何でDさんが死んだ……?)
P「やよい」
やよい「ど、どうしたんですかプロデューサー。凄いクマですー……」
P「響に、夢の話したんだろ?」
やよい「あ、はい。しました」
P「その前に、その話をどこかから聞かなかったか?」
やよい「うーん……」
やよい「あ、聞きましたー!」
やよい「確か、前に番組で共演した人が、すごく真剣な顔でー」
やよい「とっても怖かったので憶えてますー」
P「そうか……。その話、響以外に話したか?」
やよい「いいえ……どうせ誰も信じてくれないと思って……誰にも……」
P(決まったな……。この夢は感染するんだ……)
P(そして、誰かに感染させれば助かる……)
P(感染中は、何人に話しても、それだけ感染する可能性がある)
P(響から感染した可能性があるのは、俺とDさん……)
P(しかしDさんは響に関わった時間は短い……)
P(もしかしたらDさんは俺から感染した可能性もある。それなら俺は助かる)
P(Dさんが響から感染していたら、俺は助からない)
P(くそ……誰かに話してしまえればいいが、身近な人を犠牲にするのは避けたい……)
P「……」
P「やるか……」
P(Dさんとは、夢の核心については何も話していない。メールを送っただけだ)
P(この夢は、文章にして他人に見せても感染するのかもしれない……確証は無いが……)
P(今の俺はやるしかない……俺の中途半端な臆病さが憎い……)
P「出来たか……」
『これは、ある芸能プロデューサーが体験した実話です……』
P「これを○chに……」
―某所 安アパート―
『これは、ある芸能プロデューサーが体験した実話です……』
俺「ほほう……見たことない怖い話だな……」
俺「酷い文章だが……猿夢っぽいなこれ」
俺「こんな過疎ってる所に貼っても誰も見ないっつーの」
俺「どーれ、一つVIPの『怖いコピペ貼ってけ』スレにでも貼り付けるか」
俺「おー、レスが付く付く」
俺「へへへへへ」
終わり
リングかよ
>>100
細かい所で他にもいろいろと
9 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2000/08/02(水) 07:03
私は、夢をみていました。昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢を
みているんだと自覚する事がありました。この時もそうです。何故か私は薄暗い
無人駅に一人いました。ずいぶん陰気臭いを夢だなぁと思いました。
すると急に駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。 それは
「 まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ~」
と意味不明なものでした。 まもなく駅に電車が入ってきました。
それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので
数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。
私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか
試してみたくなりその電車に乗る事に決めました。
本当に恐くて堪られなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。
私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。
12 名前:まだつづくぞ! 投稿日:2000/08/02(水) 07:09
私は電車の後ろから3番目の席に座りました。辺りには生温かい空気が流れていて、
本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。
「 出発します~」とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。これから何が起こるのだろ
うと私は不安と期待でどきどきしていました。電車は ホームを出るとすぐにトンネルに入りま
した。紫色ぽっい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。
私は思いました。(このトンネルの景色は子供の頃に遊園地で乗った、スリラーカーの景色だ。
この電車だってお猿さん電車だし結局過去の私の記憶にある映像を持ってきているだけでちっとも
恐くなんかないな。)
とその時、またアナウンスが流れました。「 次は活けづくり~活けづくりです。」
活けづくり?魚の?などと考えていると、急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきました。
振り向くと、電車の一番後ろに座っていた男の人の周りに四人のぼろきれのような物をまとった小人がむらがっていました。
よく見ると、男は刃物で体を裂かれ、本当に魚の活けづくりの様になっていました。
強烈な臭気が辺りをつつみ、耳が痛くなるほどの大声で男は悲鳴をあげつづけました。
男の体からは次々と内臓がとり出され血まみれの臓器が散らばっています。
私のすぐ後ろには髪の長い顔色の悪い女性が座っていましたが、彼女はすぐ後で大騒ぎしてい
るのに黙って前をを向いたまま気にもとめていない様子でした。
私はさすがに、想像を超える展開に驚き、本当にこれは夢なのかと思いはじめ恐くなりもう少し様子をみてから目を覚まそうと思いました。
気が付くと、一番後ろの席の男はいなくなっていました。
しかし赤黒い、血と肉の固まりのようなものは残っていました。
うしろの女性は相変わらず、無表情に一点をみつめていました。
「 次はえぐり出し~えぐり出しです。」とアナウンスが流れました。
すると今度は二人の小人が現れ、ぎざぎざスプーンの様な物でうしろの女性の目をえぐり出し始めました。
さっきまで、無表情だった彼女の顔は、痛みの為ものすごい形相に変わり、私のすぐ後ろで鼓膜が
破れるぐらい大きな声で悲鳴をあげました。
眼かから眼球が飛び出しています。血と汗の匂いがたまりません。
私は恐くなり震えながら、前を向き体をかがめていました。ここらが潮時だと思いました。
これ以上付き合いきれません。しかも、順番からいくと次は3番目に座っている私の番です。私は夢から
覚めようとしましたが、自分には一体どんなアナウンスが流れるのだろうと思い、それを確認してからそ
の場から逃げる事にしました。
13 名前:これで最後だ 投稿日:2000/08/02(水) 07:11
「次は挽肉~挽肉です~」とアナウンスが流れました。最悪です。どうなるか、容易に想像が出来た
ので神経を集中させ、夢から覚めようとしました。(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)いつもはこう強く念じる
事で成功します。
急に「ウイーン」という機会の音が聞こえてきました。今度は小人が私の膝に乗り変な
機会みたいな物を近づけてきました。
たぶん私をミンチにする道具だと思うと恐くなり、
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)と目を固くつぶり一生懸命に念じました。
「 ウイーン 」という音がだんだんと大きくなってきて、顔に風圧を感じ、もうだめだと思った瞬間に静かに
なりました。
なんとか、悪夢から抜け出す事ができました。全身汗でびしょびしょになっていて、目からは涙が流れ
ていました。私は、寝床から台所に向、水を大量に飲んだところで、やっと落ち着いてきました。恐ろしく
リアルだったけど所詮は夢だったのだからと自分に言い聞かせました。
次の日、学校で会う友達全員にこの夢の話をしました。でも皆は面白がるだけでした。所詮は夢だからです。
それから4年間が過ぎました。大学生になった私はすっかりこの出来事を忘れバイトなんぞに勤しんでいました。
そしてある晩、急に始まったのです。
「 次はえぐり出し~えぐり出しです。」あの場面からでした。私はあっ、あの夢だとすぐに思いだしました。
すると前回と全く同じで二人の小人があの女性の眼球をえぐり出しています。
やばいと思い (夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)とすぐに念じ始めました。。。。。。
今回はなかなか目が覚めません。(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)。。。。。。。。
「次は挽肉~挽肉です~」
いよいよやばくなってきました。「 ウイーン 」と近づいてきます。(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、覚めてくれ)
ふっと静かになりました。どうやら何とか逃げられたと思い、目をあけようとしたその時
「 また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~」とあのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。
目を開けるとやはり、もう夢からは完全に覚めており自分の部屋にいました。
最後に聞いたアナウンスは絶対に夢ではありません。現実の世界で確かに聞きました。私がいったい何をしたと言うのでしょうか?
それから、現在までまだあの夢は見ていませんが次に見た時にはきっと心臓麻痺か何かで死ぬと覚悟しています。
こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界は挽肉です。。。。。。
読んで下さった皆さん、ありがとうございました
オチは結構迷いました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません