橘「絢辻さんを呼び捨てにしてみよう」(248)
橘「やぁ絢辻」
絢辻「はっ?」
橘「今日も委員会か。詞は大変だね」
絢辻「……」ブンッ
ドガッ
橘「痛ッッ!な、なんで!?」
絢辻「なんで?イラッとしたからよ」
橘「ぼ、僕は呼び捨てにしただけじゃないか!」
絢辻「そうね」
橘「昨日今日出会った訳でもないのに酷すぎるよ!」
絢辻「確かに少し感情的になりすぎたわね。ごめんなさい」
橘「わかればいいんだよ絢辻」
絢辻「……」ブンッ
ドゴッ!
橘「うわぁぁぁ…今度は蹴りが…!」
絢辻「あっ。ごめんなさい」
橘「あ、絢辻さんって暴力的だよね…」
絢辻「今頃気づいたの?」
橘「なんで呼び捨てにしちゃいけないの?」
絢辻「私が橘『くん』って呼んでるんだから同じ様に返すのが礼儀だと思うけど?」
橘「じゃあ絢辻さんが僕を呼び捨てにしてくれたら僕も同じ様にしていいって事だよね?」
絢辻「理屈としては間違ってないわね」
橘「じゃあ今日から僕の事呼び捨てにしていいよ
橘でも純一でもどっちでもいいからさ」
絢辻「嫌よ。そんなの」
橘「な、なんで?!」
絢辻「嫌なものは嫌。執拗な詮索は嫌われるわよ」
橘「そ、そんな!」
絢辻「とにかく。何を企んでるのか知らないけど、もう二度と私を呼び捨てにしようなんて考えないことね」
橘「ぼ、僕はただ絢辻さんともっと仲良くなりたいだけで…」
絢辻「わかったわね?」
橘「なんだか切ないよそんなの」
絢辻「お返事」
橘「……」
橘「はい…」
……
梅原「よう大将。元気ないな」
橘「梅原か。ちょっと色々あってね」
梅原「大丈夫か?俺で良ければ相談に乗るが…」
橘「いや、いいんだ梅原。ありがとう(絢辻さんの事は相談できないよな…)」
梅原「そうか。あまり思い悩むんじゃないぞ」
橘「あぁ」
「絢辻さーん。ここのとこ教えて欲しいんだけど」
絢辻「えぇ。私で良ければ」
「絢辻さん。進路希望アンケート出すの忘れちゃったんだけど…」
絢辻「まだ間に合うから私が提出しておくね」
アリガトー サスガアヤツジサン!
梅原「絢辻さんは朝から大人気だな」
橘「あぁ」
橘「……」
橘「!」
橘「(待てよ…猫かぶってる絢辻さんを呼び捨てにしたらどうなるんだ…?)」
橘「(とりあえず蹴りが飛んでくる事はないよな。周りの目があるわけだし)」
橘「(やってみる価値はあるな…よし)」
梅原「ん?大将も絢辻さんに用事か?」
橘「あぁちょっとね」
橘「……」ドキドキ
橘「ねぇ詞」
絢辻「…!」
橘「今日の委員会の事なんだけど…」
絢辻「……」
絢辻さんは裏表のない
梅原「(お、俺の耳はどうかしちまったのか…?
今、大将が絢辻さんを下の名前で…!)」
ザワ…ザワ…
梅原「(一瞬にして教室が凍りついたぞ大将…)」
橘「どうしたの詞?」
絢辻「……」
橘「詞?」
絢辻「も、もう橘くん!いきなり呼び捨てにするからびっくりしちゃったじゃない」
橘「いきなり…?昨日も呼び捨てにしt……ウッ?!」
絢辻「も~からかうのはやめて欲しいな~」ニコニコ
ギュゥゥゥ
橘「(踏んでる…!絢辻さんが僕の足を…!つま先が破壊される!!)」
絢辻「ふふっ。それで?橘『クン』は委員会の話をしにきたのよね?」
橘「(絢辻さんが『クン』のアクセントを異様に強調しているぞ!)」
橘「(いてて…酷いめにあった…)」
梅原「……」
橘「ん?どうしたんだ梅原。そんな涙目で」
薫「ねぇアンタ」
橘「薫か。なんだ?」
薫「いつからそんなに絢辻さんと仲良くなったのよ」
橘「そんなに仲良く見えるのか?」
薫「当たり前じゃない。女子の中でも絢辻さんを下の名前で
しかも呼び捨てにしてる人なんていないよ?」
橘「そうなのか。じゃあ僕はそうとうレアなんだな」
薫「なにニヤニヤしてんのよ」
放課後
橘「(絢辻さんもうきてるかな)」
ガララ
橘「あっ、絢辻さん」
絢辻「……」ツカツカ
橘「ちょ、ちょっと絢辻さん?!」
絢辻「…どういうつもり?」
橘「(顔が…顔が近すぎる…!)」
あああああああああああああああああああああああああ!!!!僕はただた幸せになりたくてなりたくてただそれだけで!!!
なのに僕はどうしてこんなことになったのか全く分からない!!なんでどうして僕は本当に忘れたくてそうやってただけなのに!!
みんなみんなみんな僕から離れていく!!僕が悪かったの!?僕がダメだったの!?どうして!?頑張ったのに!僕は僕は!!
好きになっちゃいけなかったの!?僕は君たちを好きになっちゃダメだったの!?ならどうして僕を見た!!僕を翻弄した!!
弱い僕はダメな僕は流されてしまうに決まってるだろ!!わかってくれとはいわない!!だけど僕は僕は僕は僕は僕は僕は!!
裡沙「くすくす…」
人を好きになりたかっただけだったんだ!!この思いを誰かに届けたいとねがっただけで!!
なにか特別なことが欲しかったわけじゃない!!小さなものでよかった!あの記憶がなくなるだけで!!
だから人を好きになりたかっただけなのに!!もう誰も僕のことを見てくれないの!?ダメなの!?
裡沙「あははっ……ふふ」
一方その頃…
俺「紗江ちゃん、好きだ結婚しよう」
紗江「はい…///」
かえってこい
絢辻「そんなに私に嫌がらせするのが楽しいの?」
橘「い、嫌がらせなんてそんなつもりは…!」
絢辻「あなたにその気がなくても結果としてそうなってるじゃない」
橘「そうなってるって…?」
絢辻「気がつかなかった?教室の中はあなたと私の噂でもちきりじゃない」
橘「そ、そんな事になってるんだ…でも僕は…」
絢辻「……」
橘「本当に絢辻さんと今より親しい関係になりたいだけで…」
絢辻「それが迷惑だって言ってるの」
橘「!!!」
きたか…!!
( ゚д゚) ガタッ
/ ヾ
__L| / ̄ ̄ ̄/_
絢辻「……」
橘「そん…な…」
絢辻「ごめんなさい…すこし言いすぎたわ
あなたも変な噂を立てられたら学校で過ごしにくいでしょ?」
絢辻「私が言いたいのは誤解を生む様な言動は控えて欲しいって事。わかるわよね?」
橘「わかったよ絢辻さん…僕のせいでこんな事になって…ごめん」
橘「もう絢辻さんには関わらないようにするよ…委員会も悪いけど他の人を探してほしい…」
絢辻「橘くん?違うの。きっと何か勘違いしてるわ。戻ってきなさい」
橘「さよなら…絢辻さん…」
絢辻「橘くん!待ちなさい!」
裏表のない!!
もうだめだネタがなにもない
落としてください
紳士としてやり遂げるべきだと僕は思うよ
絢辻「もう仕方ないわねぇ。純一!そこの橘純一待ちなさい」
最後の書き込みから約一時間経過
スレの占領、及び代理活動を開始する
スマホだけど……
橘「……」
梅原「た、大将?どうした?この世の終わりみたいな顔して」
橘「……いや、これが喪失感なのか、と感傷の浸ってた」
梅原「え?お、おい、大将?ちょっとどこに……行っちまった」
絢辻「……」
梅原「ほんとどうしちまったんだ?いきなり絢辻さんを呼び捨てにしたと思ったら、いきなり落ち込んだりーー」
絢辻「……梅原君」
梅原「ん?ああ、絢辻さん、今から帰るところですか?」
紗江「どうしたんですか?先輩。元気ないみたいですよ」
純一「紗江ちゃん!」(ガバッ
純一「この匂い、この感触、癒されるなぁ」
紗江「先輩!そんなぁ。あっ。こんなところで駄目ですよぉ」
純一「紗江」
紗江「はい?」
純一「紗江は呼び捨てでも気にならないんだね」
紗江「先輩が呼びたいならどう呼ばれても嬉しいです」
純一「ありがとう。紗江も僕のことを純一と読んでよ」
紗江「はい。じ、純一…大好き」
純一「僕も好きだよ、紗江。結婚しよう」
紗江「うん」
支援
絢辻「ええ」
梅原「そうですか。……絢辻さん、変な質問するけど、なんか今日の大将、おかしいと思わないか?急に絢辻さん、呼び捨てにしたり……」
絢辻「ええ、可笑しかったわね 」
梅原「あ、絢辻、さん?」
絢辻「そう、可笑しかったわ。ほんとは、妙に嬉しかった。まるで『あれ』みたいだもの、あたしが心なのどこかで望んでいた関係、それが目前まで近づいたような気がして……」
梅原「絢辻さ、様?」
絢辻「なのに、あたしは何を優先した?くだらないうわべの希薄な関係を優先したのよ?一番ほしいものじゃなくて、薄っぺらいつながりを……ふふふふふ」
タッタッタ
梅原「……今、絢辻さんのバックに、修羅の影が見えた」
いいじゃないか
橘「……」
美也「あっ、お帰りにぃにーー」
橘「あぁ、美也か……」
美也「に、にぃに?どうしたの?ローアングル探偵団が廃刊になったみたいな顔して? 」
橘「何でもないさ……何でも」
美也「そんなわけ……え、ちょ、にぃに!」
タッタッタ
美也「……多分、押し入れに閉じ籠るつもりだ。……なにか、学校であったのかな?」
俺「牛乳飲むんで、僕をストーキングしてください」
裡沙ちゃん「わかりました」ジュンジュワー
ー完ー
ローアングル探偵団廃刊ってマジかよ・・・
>>147
いや例えだろ
【翌日】
梅原「大将が登校拒否!?」
薫「あの能天気が取り柄の純一が?」
美也「うん……。声を掛けても生返事だし、押し入れから出てこなくて……しかも、まともに食事もしないんだよ?何かあったっていうのはまるわかりなんだけど……お兄ちゃん、昨日学校で何かあったの?」
薫「昨日?それはもうおかしかったわ!いきなり絢辻さんを呼び捨てのしたり……」
美也「絢辻さんって、あの絢辻さん?」
梅原「ああ、しかもそんなことがあったと思ったら、いきなり落ち込んで、まるで魂が抜けたみたいになるしよ……そういえば、絢辻さんも――」
薫「あれ?そういえば絢辻さんは?」
梅原「ん?確かに、いつも学校に早く来てるはずなのに、今日はまだ来てないな」
美也(……まさか)
橘「……バカ、みたいだよな」
橘「お弁当をつくってもらったり、絢辻さんのもうひとつの顔を知って、放課後のは一緒に寄り道したら……」
橘「もしかしたら、と思えて、希望を見出だしてた、だから、もっと仲良くかるにはどうしようと思って」
橘「でも、ダメだった。そして目を覚まさせられたんだ。ほんとは、僕だけが浮かれていただけだって」
橘「あの、突き放された時の胸の痛み……間違いない、僕は『恋』してんだ、この僕がだ」
橘「でも……滑稽だな。はは 、ははは」
ガサゴソ ガチャ
橘「……美也かな、忘れ物でもした――」
サッ
絢辻「……見つけたわ。あたしの忘れ物」
橘「あ、絢辻さんっ!?ど、ど卯して僕の家に!?」
絢辻「なんでって、登校拒否するような不良に、ちょっとした『罰』をね」
橘「え……?うぉあ!?」
バサッ
橘「あ、絢辻さん?なぜ、押し入れの中に押し込んで、僕を押し倒しているのでしょう?」
サァ……
橘「な、なんで押し入れの襖をとじたのでしょうか?」
絢辻「……」
橘「絢辻、さん――」
絢辻「んむっ……」
橘「!?」
チュッ
絢辻「……っはぁっ」
橘「はぁ、はぁ……あ、あっ」
絢辻「――じゃないの」
橘「へ?」
絢辻「好きに呼べばいいじゃない!絢辻でも、詞でもっ!」
橘「あ、絢辻……さん」
絢辻「嬉しかったのよ……」
橘「え……?」
絢辻「呼び捨てにされた時、それはすごく嬉しかった。あなたの存在が、近くなったような気がした。そんな些細なことでも」
絢辻「けれど、妙に気恥ずかしかった。いきなりだったから、特に……そしてあたしは、『やまて』っていった」
絢辻「そして次に、あなたはみんなの前で堂々と呼び捨てした。その時、気恥ずかしさよりも、なんでか、いや、やっぱり……嬉しかった、優越感を感じたの」
絢辻「橘君は、他の人じゃない、私を、あたしを見てくれているって感じれて……けれど、それでも、あたしはそれを拒否した」
絢辻「ほんとにほしいものが、近くに感じれるところまであったのに……あたしはうわべの感情と、気恥ずかしさで拒否したの。あたしは橘君に、何より自分に嘘をついた」
橘「……」
絢辻「あたし、バカだった。人一倍独占欲強いくせに、あたしは人一倍嘘つきで、恥ずかしがりで、バカ。だから、あたし――」
ギュッ
絢辻「あ……」
ギュゥ
橘「……ごめんね、絢辻さん」
絢辻「橘、君?」
スマホに変えて3日だから誤字は許して……
>>164
『やまて』→『やめて』
山手の亜種かと
橘「絢辻さんは、僕にそれを伝えるために来てくれたんだよね?僕が落ち込んで、学校に来なかったのを心配して……」
絢辻「……ええ、否定はしないわ」
橘「そして……絢辻さんも、不安だったんだよね?」
絢辻「……」
橘「自分のせいで、僕が遠くに行ってしまうって。近くなった存在が、離れたって……まるで僕もみたいに」
絢辻「え……?」
橘「絢辻さん、僕は君が好きだ」
絢辻「!!」
>>173
人によっては、「やまてせん」て言うよね
誤字大杉ワロエナイ……
仕事の電話だ、一時撤退
避難移設した
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1348160579
落とすよりはましだと思った
今も、電話中
ぜっさん仕事押し付けられ中
純一「と思うんだけどどうかな?」
絢辻「は?何言ってるの?頭大丈夫?」
純一「そ、そこまで言わなくても」
絢辻「バカな事を考えてる暇があったら宿題でもやりなさい」
純一「うう…」
純一「なあ美也」
美也「んー?」
純一「女子って男子から呼び捨てにされたくないものなのか?」
美也「そりゃそうだよ。よっぽど仲が良くなきゃ」
純一「そ、そうか」
純一(つまり僕と絢辻さんはまだそこまで仲が良くない…って事なのかな)
美也「じゃあ、まんま肉まん3つね」
純一「え?」
美也「みゃーが相談に乗ったんだから当然だよ」
純一「一言で終わる相談に、まんま肉まん3つは法外すぎるぞ」
美也「じゃあ2つで許してあげる!」
純一「くっ、予定外の出費だよ…」
純一(それにしても仲、仲か……)
森島「あら、キミも今からお昼?」
純一「あ、はい」
森島「じゃあご一緒しちゃおうかしら!」
純一(そういえば、森島先輩とは結構仲が良いような気がするなぁ)
純一「あ、あの」
森島「ん?なぁに?」
純一「先輩のこと、呼び捨てにしてみても良いですか?」
森島「え?ん~……どうしよっかなぁ」
純一「た、試しにで良いので!」
森島「その目には弱いのよね……良いわよ、試しに呼び捨てにしてみて」
純一「は、はい……じゃあ……」
森島「わくわく」
純一「今日も綺麗だね、はるか」
森島「っ!?」ボッ
森島「は、はぃ……」
純一「あ、あの、森島先輩?」
森島「あ、え、えーと~……や、やだなー、名前を呼ぶだけかと思ったのに」
純一「あ、すみません……それだけってのも不自然かと思いまして……」
森島「そ、そんな事ないと思うけど……」
純一「そ、それで、どうでした?僕に呼び捨てにされてみて」
森島「そ、そうね……た、たまには呼び捨てにされても良いかなぁ……って思っちゃった」
裡沙「なん……だと……」ギリッ
純一「紗江」
中多「はうっ!」ドキーン
純一「逢」
七咲「……っ!な、なんですか先輩、まるで恋人みたいな…こ、こい、こいびと……」ブツブツ
純一(普段呼び捨てにしてないけど仲の良い女の子たちを呼び捨てにしてみたけど)
純一(反応は悪くなかったから、やっぱり絢辻さんは、あんまり仲が良くないと思われているのかもなぁ)
純一(はは……なんか寂しいなあ)
塚原「あら橘くん、こんなところで偶然ね」
純一「あぁ、響」
塚原「!?」ボフッ
純一「わあぁぁっ!すみません、間違えました、塚原先輩!」
塚原「きゅ、急に、ど、どうしちゃったのかと思ったわよ……」ドキドキ
純一「いやぁ……ちょっと考えごとをしてまして……」
塚原「そ、そう?」
塚原(この子ったら、本当に……もう……)
純一「梨穂子」
桜井「なぁに~?」
純一「薫」
棚町「ん?どうかした?」
純一「絢辻さん」
絢辻「……」
純一「紗江」
中多「は、はぃっ」カァァ
純一「逢」
七咲「なんですか、先輩?」ポッ
純一「絢辻さん」
絢辻「…………」
純一「はるか」
森島「な、なぁに?」ドキーン
純一「響」
塚原「ば、ばかね……」ドキドキ
純一「絢辻さん」
絢辻「…………」
裡沙「…………」
梅原「最近クラスの雰囲気がやけに重いぜ……」
絢辻「ちょっと橘くん」
純一「は、はい、なんでしょう」
絢辻「ねえ、あなた。最近先輩後輩に関わらず、女子を呼び捨てにして回ってるそうじゃない」
純一「な、なんでそれを!」
絢辻「すごい噂になってるわよ」
純一「そうなの!?……あまり人気のないところを選んでたのに」
絢辻(まぁ、噂なんて嘘だしね)
絢辻「あんまり誤解させるのも良くないし、止めた方が良いんじゃないかしら」
純一「うーん……でも最初は僕から試しにって話しを持ちかけたけど、今では向こうから……」
絢辻「は?」ギロッ
純一「な、なんでもないです」
絢辻「だ、だから、これからは私一人を呼び捨てにしなさいよ」
純一「えっ」
絢辻「か、勘違いしないでよ。これは……これは、そう、校内の風紀のためだし」
絢辻「あんまり変な人がクラスにいたらクラス委員の私の問題にもなるし?」
絢辻「これで泣く子が出たら後味悪いじゃない?」
絢辻「分かるわよね?優しい優しい橘くんならそう思うわよね?」
純一「え、い、いや」
絢辻「思うって言いなさい」
純一「はい、思います」
絢辻「よろしい」ニッコリ
絢辻「じゃあ従順な橘くんにはご褒美をあげます」
純一「」ガタッ
絢辻「私のこと、今、一度だけ呼び捨てで呼ばせてあげる」
純一「え、あぁ、いや、それは別に……」
絢辻「」ズコー
絢辻「な、なんでそこで遠慮するのよ!?」
純一「いやぁ、やっぱり、仲良くならないと、だめかなって」
絢辻(変なところでモラルを発揮するわね、橘くん)
絢辻「あぁ、もう。分かったわよ、分かりました。単刀直入に言ってあげる」
純一「?」
絢辻「……私のことだけ、呼び捨てにしないよ……」
純一「絢辻、さん」
絢辻「もう、かっこつかないわね、橘くん。そこは、詞、でしょ」
純一「……うん、ありがとう、詞」
絢辻「……!……はい、どういたしまして」
純一「あはは……なんだか照れくさいね」
絢辻「ふ、ふん……ばか……///」
裡沙「………………」
ざわ…ざわ…
純一「おはよう、梅原。なんだか騒がしいけどなんかあった?」
梅原「お、おお、大将、待ってたぜ」
純一「待ってた……って僕を?」
梅原「ああ、実はよ、昨日大将と絢辻さんが仲睦まじく名前を呼び捨てにしてたって噂でもちきりなんだ」
純一「!?」
梅原「どうなんだ?どうなんだよそこんとこ!大将まさか……あの絢辻さんと……」
マサ「事と次第によっちゃぁ……」
ケン「あぁ……ちょいとばかし……な……」
純一「ひ、1人に決めたのに結局噂になっちゃうなんてこんなのおかしいよ!」
梅原「そ、それはまさか……た、大将~!?」
ケン「追えーっ」
マサ「逃がすか!」
絢辻「……ばーか」
梅原「待て、大将~~!」
裡沙(ふふ……これで絢辻さんとの仲もダメになるよね!ミッションコンプリートだよ!)
絢辻「さて、こっちは女同士でお話ししましょうか」
絢辻「……2年C組、上崎裡沙さん……?」ニヤァ
裡沙「」
完
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