P「貴音のとっぷしーくれっとを暴こう!」(120)

P「四条貴音……それは、身長・体重・血液型以外ほぼ全てが謎に包まれているアイドル」

P「どこで産まれ、なにをしてきたのか、それは彼女以外誰も知らない……」

P「まぁミステリアスなのはいい。俺だって、ミステリアスな女は嫌いじゃあない」

P「だが、これは行きすぎている!もっと貴音のことが知りたい!」

P「俺はそんな貴音のとっぷしーくれっとを暴きたい!その一心で、立ち上がったのだ!」

P「まずは……貴音の家がどこにあるのかを知ろう!」

P「どんな所に住み、どんな生活を送っているのかを知るのも、アイドルプロデュースには欠かせないことだ!」

P「それなのに……それなのに!担当アイドルの家も知らないなんて、そんなのってないよ!」

P「それにいざという時、家を知らないとなにかと不便だからな」

P「そう!だからこれは、決してやましい気持ちなのではないのだっ!!」

貴音「ふむ……そろそろ、帰還いたしましょうか」

P「おっ、帰るのか?送っていくぞ」

貴音「いえ、それには及びません。あなた様の手を、煩わせるわけにはいきませんので」

P「そんなこと気にしなくてもいいだぞ?もっと俺に甘えてもいい」

貴音「ふふっ……では、そのお気持ちだけ、受け取っておきましょう」

P「むぅ……強情な奴だな」

貴音「別にそのようなわけでは……申し訳ありません」

P「あっ、いや……まぁいい。とにかく、気を付けて帰るんだぞ」

貴音「えぇ、分かっております。心配には及びません」

P「それじゃあ、また明日」

貴音「はい、それでは失礼致します」

P「……貴音は帰ったか。案の定、俺の送迎は断ったけど……」

P「まぁここまでは予想通りだ!そんな簡単に、貴音のとっぷしーくれっとなんて、暴けるわけがないっ!」

P「へへっ、腕が鳴るぜ……それでこそ、俺が認めたアイドルだ」

P「だがしかぁーっし!貴音は気付いてなかったようだな……」

P「俺がもう、本日の仕事はとうに終わらし、ずっと○×ゲームに興じていたということをっ!!」

P「ふっ……俺の手のひらの上で転がされてるようじゃあ、まだまだだな、貴音」

P「おっと、いけない。そろそれ出ておかないと貴音を見失ってしまう」

P「さぁ!それでは今から、貴音をストーキングを開始しよう!!」

P「さぁ、貴音はどこだ?あの容姿なら、すぐに見つかりそうなもんだけど……」

P「おっ!いたいた!へへっ……優雅に歩いてやがる……俺にストーキングされているとも知らずによぉ!!」

P「さぁ、ここからは簡単だ!単にストーキングをし、貴音の住処を見つけるだけだからなっ!」

P「まさか、こんな形で伊賀忍者の末裔たるこの血が、役に立つとはな……」

P「さぁ!レッツ隠密活動だっ!!」

貴音「あんみつかつ丼……なんとも面妖な……」

P「あんみつかつ丼じゃない!おんみt……」

P「」

P「えっ」

貴音「そうですか……あんみつかつ丼というものは、存在しないのですね……」

P「えっ、なんで……えっ、えっ」

貴音「はて……なにをそのように驚いていらっしゃるのですか?」

P「えっ、いやだって……なんでいるの?」

貴音「あなた様がわたくしの名前を言っていたので、てっきり呼ばれたものかと……」

P「いや別に呼んでないけど……ていうか、聞こえてたの?」

貴音「えぇ、それはもうはっきりと」

P「いやでも、結構離れてたぞ?俺そんな大声出してた?」

貴音「大きいと言えば、大きかったと思います。ですが、大声というわけではありませんね」

P「そうかーマジかー……っていやいや!違う違う違うっ!!」

P「聞こえない!絶対聞こえないって!あんだけ離れてたんだからっ!!」

貴音「わたくし、耳は良いほうですので」

P「耳がいいのレベルじゃない!圧倒的……!圧倒的地獄耳……!!」

貴音「じ、地獄……それは少々、言い過ぎではないでしょうか?」

P「ていうか、耳が良いなら隠密活動をあんみつカツ丼なんて聞き間違いなんてしないだろ!?」

貴音「それは……空腹でしたので……」

P「あっ、そうなの?それじゃあ……なにか食べに行く?」

貴音「よ、よろしいのですか!?それではらぁめんを……」

P「あっ、ちょっと待って。財布確認するから……」

貴音「らぁめん♪らぁめん♪♪らぁめん♪♪♪」

P「……ごめん、やっぱ今日は無理だ」

貴音「えっ……な、何故ですか!?」

P「お金が42円しかなかったんだ。これじゃあ、なにも食べられないよ」

貴音「な、なんとっ!そのようなことが……」

P「今日は真っ直ぐ家に帰ろう?食べに行くのはまた今度ってことで」

貴音「今回は縁が無かったようですね……はぁ……」

P「それじゃあ、俺はこっちだから」

貴音「はい、それではお気を付けて」

P「貴音も気を付けてな」

貴音「それと、あなた様に一つ忠告があります」

P「えっ?なに?社会人のくせに、金持ってなさすぎってこと?」

貴音「いえ、そういうわけでは……とにかく、女性の後を付けるは、褒められた行為ではありませんよ」

P「つ、付けてたって、バレてたのか!?いつから!?」

貴音「それはとっぷしーくれっとです。ふふっ……それでは」

P「いやちょっ……あれっ!?いない!?なんでっ!?」

P「……くそっ!暴くどころか増えてしまったじゃないか!!」

P「だが、俺は諦めない!戦いはまだ始まったばかりだっ!!」

続けるか悩む

ちょっと考えてくる

なんかアイディアとかない?

参考にしたい

P「昨日はなんやかんやあって失敗したけど、今日はそうはならん!」

P「今日こそは、貴音のとっぷしーくれっとを暴いてやる!」

P「そうと決まれば、早速作戦を……」

ブォオオオオオオン ブォオオオオオオオオオオン

P「な、なんだこの爆音は!?」

ブォオオオオオオン オォン……

P「と、止まった……?なんだったんだ一体……」

P「ま、まぁいい!この程度の爆音、都会では日常茶飯事だ!!」

P「こんな些事で心を乱しているようじゃあ、アイドルのプロデューサーなど務まるはずもないっ!」

P「さぁ!心も新たに、作戦を練り直そう!」

P「ストーキングが貴音には意味がないと分かった今、俺が出来ることは……」

P「直接貴音に聞くしかない!もうこれっきゃない!!」

P「逆に、どうして今までそうしなかったのか!わけがわからないよ!」

P「とにかく、貴音が来たら早速聞いてみよう!」

貴音「随分と、盛り上がっているようですね」

P「えっ!?た、貴音!?い、いつの間にっ!?」

貴音「つい先程ですよ」

P「そ、そうか……にしても、音もなく背後にいるのは辞めてほしいな」

貴音「も、申し訳ありません……挨拶をしても、気が付いていなかったようでしたので、つい……」

P「あっ、そうだったのか。ごめんな」

貴音「いえ、謝るほどのことではありませんよ」

P「そうだ!貴音、聞きたいことがあるんだ」

貴音「聞きたいこと、ですか?わたくしに答えられることならば、よいのですが……」

P「むしろ、貴音にしか答えられないことなんだ」

貴音「わたくしにしか?はて、一体どういう……」

P「ズバリッ!貴音のとっぷしーくれっとを全部教えてくれっ!!」

貴音「わ、わたくしのとっぷしーくれっとを……?」

P「そうだ!どうしても知りたいんだ!頼むっ!!」

貴音「……わたくしのとっぷしーくれっとは、本にすると十万三千冊ほどございます」

P「えっ」

貴音「その中には、人体にとって重篤な影響を及ぼすものも存在いたします」

P「じ、重篤な影響って……?」

貴音「……運が良くても、一生気が狂ったまま、人生を歩むことになります」

P「そ、そんなに……?マジで?」

貴音「はい……あなた様に、その覚悟がございますか?」

P「えぇーっと……ま、また今度にしようかな!アッハハハ!!」

貴音「……そうしたほうがよろしいでしょう。実に賢明な答えです」

P「しかし、10万3000冊か……秘密が多いって次元じゃないぞ」

貴音「ふふっ……みすてりあすな女はお嫌いですか?」

P「いや、別に嫌いじゃないぞ。あぁ、全く嫌いじゃない。だけど、ものにはなんでも限度ってものがある」

P「さすがに、秘密が多すぎたら受け止めきれないよ」

貴音「そ、そうですか……」

P「……ん?どうかしたのか?」

貴音「い、いえ!なんでもありません……どうかお気になさらないでください」

P「そうか、それならいいんだけど……」

貴音「………………」

P「………………」

ガチャン

貴音「!」

P「!」

伊織「ちょっと!事務所の前に、ブガッティ・ヴェイロンなんて止めたの誰よ!?」

P「えっ?ぶ、ぶが……なにそれ?」

貴音「あっ、わ、わたくしです!」

伊織「えっ!?あれ、あんたのなの!?」

貴音「はい、いかにもわたくしのものですが……それがなにか?」

伊織「い、いや別になにもないけど……とにかく、ちょっと動かしてくれないかしら?律子の車が止められないのよ」

貴音「そのようなことに……分かりました。では、今すぐに」

伊織「それじゃ頼んだわよ。はぁ……」

P「なぁ伊織、そのブガなんとかってなんなの?」

伊織「あぁ、アンタいたの。車よ、車」

P「あぁ、車か……えっ!?く、車っ!?」

P「えっ!?じゃあ貴音って、車運転出来るの!?マジでっ!?」

伊織「知らないわよ、そんなこと!でもまぁ……そうなんじゃないかしら?」

P「嘘だろ……いつの間に、免許なんて取ったんだ……」

伊織「まぁ18歳なんだし、免許くらい持ってても不思議じゃないでしょ?」

P「いやまぁそうだけどさ……ところで、そのブガなんとかって外車なのか?」

伊織「そうよ。ついでに言うと、めちゃくちゃ高いわ」

P「外車だもんな、そりゃあ高いだろうけど……いくらくらいなの?」

伊織「私は車に詳しくないからよく分かんないけど、確か……2億円くらいじゃなかったかしら?」

P「はぁ!?にっ、ににに2億!?!?なにそれっ!?そんな車あんの!?」

伊織「あるのよ、不思議なことにね」

P「じゃああの爆音は、貴音が車で来た時の音だったのか」

伊織「爆音?そんなのがあったの?」

P「あぁ、こうブォーンって感じで。びっくりしたもんだ」

伊織「へぇー……でもなんでまた、急に車で来たりしたのかしら?」

P「寝坊……とか?」

伊織「おっちょこちょいな理由ね、それは」

貴音「いえ、寝坊ではありませんよ」

P「あっ、そうなの……って」

伊織「きゃああああ!!!ち、ちょっとアンタねぇ!!」

P「辞めろって言っただろ、それは。俺なんかもう慣れてきたよ」

貴音「二人とも申し訳ございません……どうにも癖になってしまっているようで……」

伊織「や、やっと落ち着いてきたわ……まったく、心臓に悪いんだから!」

貴音「伊織……なんとお詫びを言ったらいいのか……」

伊織「い、いいわよ別に。これくらい、どうってことないんだからっ!!」

P「ところで、貴音。どうして今日は車で来たんだ?」

貴音「それは……とっぷしーくれっとです」

P「またかっ!便利な言葉だなぁ、おいっ!!」

ご飯食べる

P「あれから全然進展してない……むしろ、後退してる気がする」

P「なんだというんだ、一体!どういうことなんだ!!」

P「ふざけんな、バカヤロー!!」

P「……いい、もういい。怒るのはもう辞めにしよう」

P「今日は折角の休日だ。気分も新たに、貴音のとっぷしーくれっとを探るための作戦を考えよう!」

P「その前に、ご飯を食べよう。腹が減っては戦は出来ないからな!」

ガラガラ

貴音「あら、あなた様。おはようございます」

P「」

P「えっ」

P「な、なぜいるっ!?」

貴音「これはまた、しんぷるな疑問を提示いたしましたね」

P「いや、うん……ていうか、どうやって入った!?」

貴音「それはとっぷしーくれっとです」

P「くそっ!やっぱりか!そんなこったろうと思ったよ!!」

P「それで……マジでなんでいるの?」

貴音「最近、あなた様はわたくしのとっぷしーくれっとを探ろうとしているようですね」

P「な、なぜそれをっ!?」

貴音「小鳥嬢から話は全て聞きました!」

P「くそっ!さすがに事務所で叫びすぎたか……」

貴音「それと、これは小鳥嬢からの伝言なのですが……」

P「伝言?そんなのあるの?」

貴音「えぇ……『貴音ちゃんだけじゃなくて、私にもかまってほしいピヨー!』とのことです」

P「それを貴音を通して俺に伝えてくるとは……やはり小鳥さんは、なかなかな人だな」

貴音「少し話が逸れてしまいましたが、あなた様がわたくしのとっぷしーくれっとを探るというのなら……」

P「な、なら……?」

貴音「わたくし自らがあなた様の元へ赴き、それを阻止してみせようと思ったのでございます!!」

P「な、なにィィィーーーーーー!?!?!?!?」

貴音「ふふふっ……わたくしとて、ただでとっぷしーくれっとを暴かれるわけにはいきません!!」

P「くっ……!貴様ぁ……一体なにをする気だ!?」

貴音「あなた様に直接なにかをするわけではありませんよ?」

P「えっ、そうなの?」

貴音「えぇ、ですが……わたくしのがぁどは殊更、堅くなることでしょう」

P「これ以上堅くなられたら、俺はもうどうしようもないじゃないか!」

貴音「この際、諦めてみては如何でしょうか?」

P「……諦めない!運命に負けたくないんだっ!!」

貴音「そうですか……あなた様も、なかなか強情なお方ですね」

P「諦めの悪さだけで、ここまで来たようなもんだからな」

貴音「ふふっ……それでこそあなた様です」

P「……なんかあまり褒められてる気がしないな」

貴音「そんなことありませんよ?」

P「そうなの?それじゃあまぁ……ありがたく受け取っておくよ」

貴音「そうして頂けると、わたくしとしてもありがたいですね」

P「ところで……今日は一時休戦にしないか?」

貴音「えっ?休戦、ですか?」

P「あぁ、折角の休日まで、気を張ることもないだろ?」

貴音「……そうですね。わたくしとしても、本日は宣戦布告の宣言をしに参っただけですので」

P「それじゃあ早速、なにか食べに行こう!」

貴音「そ、それはつまりらぁめんをですか!?」

P「そうだな……この前は行けなかったし、ラーメン食べに行こうか」

貴音「真ですかっ!?らぁめん♪らぁめん♪♪らぁめん♪♪♪」

P「……貴音ってさ、自分で料理とかしないの?」

貴音「えっ?それは……とっぷしーくれっとです」

P「いや、これくらいは教えてくれてもいいんじゃないかな!?」

P「貴音に宣戦布告をされてしまった……さて、俺はどうするべきか……」

P「……いや、なにを悩んでいるんだ、俺は!もう突き進むしかないじゃないか!!」

P「そうだ!突き進むんだ、俺は!もう後戻りなんて出来ない!!」

P「小鳥さん!あなたもそう思いますよね!?」

小鳥「ピヨッ!?え、えぇ……それでいいんじゃないでしょうか?」

P「ありがとうございます!小鳥さんにそう言ってもらえると、百人力ですっ!!」

小鳥「百人力……そんなこと言われると、照れちゃいますよ……」

P「よしっ!そうと決まれば、早速作戦だっ!!」

小鳥「えっ?いやちょっと……プロデューサーさーん?」

小鳥「はぁ……あの性格、なんとかならないのかしら?」

P(さて、俺と貴音以外はみんな帰ったな?)

P(そう!そうこれは、あの時と同じ作戦だっ!!)

P(よもや、俺が同じ作戦を仕掛けてくるとは、貴音も思うまい……)

P「フフフ……これで俺の勝ちだ!フゥーハハハ!!」

貴音「あ、あなた様?どうかされたのですか?」

P「えっ!?いや!なんもないぞ!?なんもないぞ、うんっ!!」

貴音「それならば、よろしいのですが……」

P「それで、貴音はそろそろ帰らないのか?」

貴音「わたくしは、あなた様が帰宅してから、帰還しようと思っておりますので」

P「な、なぜそんなことを?」

貴音「またわたくしの後を付けるおつもりでしょう?」

P「なっ!?ど、どうしてそれを!?」

貴音「あなた様の魂胆など、わたくしには全てお見通しです」

P「……どうやら、ガードを堅くしたっていうのは、本当のようだな」

貴音「して、あなた様はいつお帰りに?」

P「俺が帰るのも、貴音が帰ったあとからだ」

貴音「ならばこのままでは、どちらとも帰還することが出来ませんね」

P「そうだな。これぞまさに平行線ってやつだ」

貴音「………………」

P「………………」

貴音「あなた様は……」

P「ん?どうした?」

貴音「あなた様はなぜ、そうまでしてわたくしの秘密を知りたがるのですか?」

P「……不安なんだ、俺は」

貴音「不安、ですか?」

P「あぁ……貴音に信頼されていないんじゃないかって」

貴音「そんなっ!決して、わたくしはあなた様のことを……」

P「俺だって分かってるよ、それくらいのことは。でも……やっぱり不安なんだ」

P「貴音は一向に、俺になにも教えてくれない……こんなに時間が経ってもだ」

P「ちゃんと、示してくれないと安心できない。そんな弱い人間なんだよ、俺は……」

P「まぁこんなことを、本人に言うもんじゃないんだけどな……許してくれ」

貴音「謝らないでください!あなた様がそのように思っていたとは……」

P「ごめんな、こんな奴が担当で……」

貴音「ですからっ!謝るのはもう……分かりました」

P「えっ?分かったって……なにが?」

貴音「わたくしのとっぷしーくれっとの全てを、教えることは出来ませんが……家くらいならば……」

P「ほ、本当かっ!?本当にいいのかっ!?」

貴音「え、えぇ……ですから、もう二度とわたくしがあなた様を信頼していないなどと、思うことはよしてください」

P「あぁ、もう二度とそんなことは思わない!それよりも、早く向かおう!」

貴音「あ、案外立ち直りが早いのですね……ではまず、目を瞑ってください」

P「目を?どうしてそんなマネを……」

貴音「お願いです。目を瞑って頂かなければ、わたくしの家へと案内出来ないのです!」

P「なにやら事情があるんだな……分かった。……ほら、これでいいか?」

貴音「はい、ありがとうございます。それでは参りましょう」

貴音「謝らないでください!あなた様がそのように思っていたとは……」

P「ごめんな、こんな奴が担当で……」

貴音「ですからっ!謝るのはもう……分かりました」

P「えっ?分かったって……なにが?」

貴音「わたくしのとっぷしーくれっとの全てを、教えることは出来ませんが……家くらいならば……」

P「ほ、本当かっ!?本当にいいのかっ!?」

貴音「え、えぇ……ですからもう二度と、わたくしがあなた様を信頼していないなどと思うことはよしてください」

P「あぁ、もう二度とそんなことは思わない!それよりも、早く向かおう!」

貴音「あ、案外立ち直りが早いのですね……ではまず、このあいますくを付けてください」

P「アイマスク?どうしてそんなマネを……」

貴音「お願いです。あいますくを付けて頂かなければ、わたくしの家へと案内出来ないのです」

P「なにやら事情があるんだな……分かった。……ほら、これでいいか?」

貴音「はい、ありがとうございます……それでは参りましょう」

貴音「それでは、頭に気を付けてお掛けになってください」

P「お掛け?座ればいいんだな……うわぁ!」

貴音「だ、大丈夫ですか!?」

P「あ、あぁ……ちょっと驚いただけだから……」

貴音「そうですか……それでは、しぃとべるとをお掛けしますね」

P「シートベルト?ってことは車なのか……俺は今、に、2億円の車に乗ってるんだな……」

貴音「そう緊張することはありませんよ?どうぞおくつろぎください」

P「く、くつろげるか!庶民なめんなよ!」

貴音「ふふっ……それでは参ります」

P「お、おう……よろしく頼む」

貴音「さぁ、着きましたよ。ここがわたくしの家です」

P「あぁ、着いたのか。アイマスク外してもいいか?」

貴音「えぇ、どうぞ外してください」

P「じゃあちょっと……どれどrデケェ!!えっ!?なにこれ!?」

貴音「そ、そんなに驚かれるものでしょうか?」

P「いやだって、これ豪邸じゃん!俺、こんな家見たの初めてだよ!」

貴音「豪邸……そうなのですか?」

P「あぁ、間違いない!でも、どうして貴音がこんな豪邸を?」

貴音「それはとっぷ……辞めましょう。今日はなるべくあなた様の質問に答えることにいたします」

貴音「この家は、四条が持つ日本の別荘の一つなのです」

P「1つ?それじゃあ……ほ、他にもこんな家がまだあるのか!?」

貴音「えぇ、他にもいくつかありますね」

P「1個くれっ!!」

貴音「そ、それはなりません!」

貴音「さぁ、中へどうぞ」

P「お邪魔します……はぇー、中も広いな」

貴音「それではこちらへ……」

P「なぁ、ここには1人で住んでるのか?」

貴音「えぇ、そうですが……なにか?」

P「いや、1人だと掃除とか大変じゃない?」

貴音「確かに大変ではありますね。全ての部屋を掃除するとなると、五日はかかります」

P「い、五日……たまげたなぁ……」

P「……なぁ貴音、俺もここに住んでいい?」

貴音「えっ!?そ、それは……わたくしとしてはその……で、ですがっ!いやしかし……」

P「いや、そんな悩まなくていいよ。ちょっとした冗談だから」

貴音「じ、冗談だったのですか!?もう……」

貴音「して、これからどうされますか?」

P「そうだなぁ……貴音の家も見れたことだし、今日はもう……」

貴音「お帰りになられるのですか……?」

P「えっ?いやまぁ……貴音に任せる!」

貴音「わ、わたくしにですか?」

P「あぁ!帰るにも貴音の力が必要になるし、もし疲れてるなら無理はさせられないもんな!」

貴音「あなた様……では、今宵はどうぞお泊まりになってください」

P「」

P「えっ」

貴音「あの……なにかおかしなことを言いましたでしょうか?」

P「あっいや……ちょっと休憩してから、帰るものかと……」

貴音「今の流れでそれは、少々不自然に思いますよ?」

P「そうなの?それじゃあ……お、お世話になります……」

貴音「はい、どうぞごゆるりとおくつろぎください」

P「あっ、俺の寝るのは一番狭い部屋でいいからな」

貴音「なりません!お客人にそのような粗相を働くなどっ!!」

P「そんなこと気にしないでいいよ。そもそも、急に泊まることになったんだし」

貴音「いいえ、なりません!四条の人間として、そのような狼藉を働くわけにはっ!!」

貴音「あなた様には今宵、こちらの部屋で睡眠を採って頂きます!」

P「これはまた随分と広い部屋だな……1人だと落ち着かなさそうだ」

貴音「それならば、ご安心してください」

P「ご安心?どういう意味なんだ?」

貴音「わたくしもこの部屋で、あなた様と一緒に眠りますので」

P「」

P「えっ」

P「いやいやいやいや!それはいかん!!いかんよそれは!!」

貴音「何故、そこまで頑なに拒否を……」

P「そ、それはまぁ……ほら!色々あるんだよ、色々っ!!」

P「とにかく俺は、貴音とは違う部屋で寝るからな!分かったっ!?」

貴音「……分かりました。あなた様がそこまで仰るのであれば、わたくしはそれに従うのみです」

P「どうやら、分かってくれたみたいでありがたいよ……」

貴音「ですが……寝相が悪く、気が付いたらあなた様と共に寝ていたという場合は、仕方がありませんよね?」

P「どこにドアとドアを飛び越える寝相があるんだっ!それはもう夢遊病じゃないかっ!!」

P「はぁ……なんか疲れたわ」

貴音「では早速、お休みになられますか?」

P「いや、寝るのはまた後でいいや……それより、どこか落ち着ける場所ないか?」

貴音「落ち着ける場所……それなら丁度良いところがございます」

P「本当か?それならちょっと、案内してくれないかな?」

貴音「えぇ、お安いご用です。ではこちらへ……」

P「ごめんな、なんかさっきからわがままばっかで……」

貴音「お気になさらないでください。いつもはわたくしたちのわがままを、聞いて頂いているのですから」

貴音「この程度のわがままは、わがままとは言えません」

P「そうか……やっぱり、貴音は良い子だなっ!」

貴音「良い子……わたくしは所詮、良い子止まりなのでしょうか……」

P「ん?どうかしたのか?」

貴音「いえ、なんでもありません。もうすぐ着きますよ」

貴音「さぁ、ここです。あなた様」

P「ここは……ベランダ?」

貴音「いえ、ばるこにぃというものですよ」

P「バルコニー……ベランダではないのか。にしても、どうしてここへ?」

貴音「ここから見る月は、真、素晴らしいものですので、あなた様にも是非にと……」

P「月?あぁ……確かに綺麗だな」

貴音「えぇ……今宵の月は、殊更格別に綺麗ですね……あなた様と共に、見上げているからでしょうか」

P「……俺にとっては、月なんかより貴音のほうがずっと綺麗だよ」

貴音「えっ!?あ、あっあああっあなた様っ!?い、いいい今のはどういう……」

P「さぁ?とっぷしーくれっとです」

貴音「あっ、あなた様ぁ!!そう、はぐらかさずにちゃんと答えてくださいっ!!」

P「言えないな、だってとっぷしーくれっとだもん。悩むがいいさ、若者よ」

貴音「もう……あなた様はいけずです……」

終わり

貴音ムズすぎワロタ

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