P(へぇ……貴音って鼻毛も銀色なんだなぁ……)
貴音「私の顔になにか?」
P「えっ!? あ、いや。なんでもない」
貴音「そうですか。なら別にいいのですが」
P「……」
P(いかん……なんとかして貴音にこの事実を伝えなければ……!!)
番組収録開始まで、あと45分
_,. : : : ̄ ̄ ̄: : :- 、__ /: : : ヽ
,. : :´: : : : : : : : : : :--:、: :__/: : : : : : ハ
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l/ ∨: :/、_ Ⅵ!リ 、__/_ ,: { ' / |:/: :; : :.|::.
Ⅳrtチテ从 伐テテ' } |:/_,/ {: : / : : l: :.
}ハ  ̄ , ` ̄ j:{/`ヽ. |: /: : :.:.|: :}
} /リ / },!イ: : : : :!: ;
人 ー-、 ,..ィ / //: :!: : : : :|:/
>---- ≦ / / / {:.ハ: : : :.j/
/ / __/ / {/ l/ }: : :/
遡ること、15分前
控室
スタッフ「それじゃあ収録まではここで待機していてください」
P「はい、よろしくお願いします」
貴音「よろしくお願いします」
バタン
貴音「あと一時間。結構暇ですね」
P「そうか?俺なんかもう緊張してるよ」
貴音「何事も余裕が大事です」
P「すごいな貴音は。何か余裕を保つ秘訣でもあるのか?」
貴音「このように深呼吸をひとつ」スーハー
P「へえ……深呼吸ねぇ」
貴音「案外、バカにできないものですよ」ピロッ
P「!?」
-=:-、 _
__ ヽ:\ .イ'´
_ィ彡-‐-ミヽ: : X∠:ュ.ミ,_
/´ ̄¨≧三}i〃_: : : : _;,:.亥
,. =彳: : : : :`´: : : :`:くミ:.、 ヽ
/: : : :/: : : : : : : : : : : : :\=\
/: / : . /. . . . . . . : : : : : : : : ヘ
./: : /: : : ;': : :イ: ハ : i}: : : : |: : : ∧
/: : : : ,:!: :i :〃 |/ ';|ハ: :i : :i|: : : : ハ
i;イ:|: :/i| :i| :|\|_ i|_:ハ: :|'i|:}: : : :|
{ |:i{:/ |_:||_:| __ | __|| |:_| |i|:.|: :i|}
|'ヘハ_ r‐tzッ- _ ‐tュッ―i}n|:/リ
{: ;ヽ.___ ノ' ̄`ヽ.__,ノん|)
|: ハ ' /.: :|
. .|: :∧ u _ 〃:: :|
i{: ::| i: .} イ |: リ
〈: |_ノィ≧ュ.__,,.. <〉.._ |:7
,.-‐彡i|={ {:ノ {丿∨ヲ|:{、,_
/三三/|八 ヽ__ / ,.イ:ニ|リ三≧、
,'三三〈三ニ{\ ヽ.` / ∠}:三人三/ニハ
.{三三ニ∀ニハ. \∨/ ,三く=三ノ=三}
i三三三∨:ニ', /イ〉i\ ノ三ニ〉=〃三リ
P(な……なんだ? 今貴音の鼻からなにかキラキラしたものが)
貴音「ふぅ……」ピロッ
P「あっ!!?」
貴音「どうしたのですか」ピロッ
P「あ、えと……今日は結構冷えるなぁっておもってさ」
貴音「そうですか」スッ
P(あ、引っ込んだ。よかった……)
貴音「そう言えば一つ聞いておきたいことがあるのですが」ピロッ
P「また出てきた!?」
貴音「えっ!なにが?」ピロッ
P「……」
_
,. . : :―: . . 、 /_: :`ヽ、
,. :´: : : : : : : : : _: :`ヽ、(__。): : : ヽ
/: : : : : : : : : : ,: : : : : : ト、_: : : :ヽ。ノ: : : : {
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l: : :/: :,イ//: ,.ィ:/ // _ !: : :}l: : : : :.:|
{: : :l: / / _/イ /イ / 、__/ ` | : / !: : : : :.|
∨_{/ ___ ____ }:/ |: : : : : {
{ ,ハ 弋(ソ 弋(ソ /'ハ !: : : : : l
∨ム , /-,./ j: : : : : :{
ヽ八 u /- ' / : : : : 八
込、 r‐ っ ,イ:/ /: : :イ: / \
ヽ: > <,イ /: / j:/
/ 从| ` ´ |{/l/、 /イ /
/ 、 ヽ| |/ }、
,.ィ{  ̄\´ `/ /`ヽ、
/:::::l \ 、 `ヽ、 / イ / /:::::::ヽ
/:::::::j `ヽ、 ヽ-/ // イ::::::::::::}
時は戻り、現在
貴音「……」
P「……」
P(ピロッてるのを発見してから15分。結局貴音にはその事実を伝えられていない)
P(一体どう伝えればいいんだ……)
P「はぁ……参ったなぁ……」
貴音「貴方様」ピロッ
P「えっ!はい!何でしょう!」
貴音「先ほどから様子が変です。何か不安や心配ごとでも?」ピロッ
P(その鼻毛が心配ごとの種だなんてあっさり言えないよなぁ……)
P「まぁ、その……やっぱり貴音単独は初めてだから緊張してさ」
貴音「落ち着いて、ほら。深呼吸をしてください。すー……ふんー」ピロロロロ
P(やめろ貴音!口から吸って鼻から出すタイプの深呼吸をやめるんだ!)
P「ぐふっ……た、貴音。ちょっとトイレ行って……ぐふっ」
貴音「はい。わかりました」
_,...、
,. . . :―‐-. .、 /:_: : : : ヽ
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/: : : :,: : : : : : : : : : : : :_: ヽ_): : : : :.
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l: : :/:{: : : /: : : : : : : :/: : : : : : /ィ: : ,: : : :!
{: :/: :!: : /: /: :,ィ: :./: :,: : : : :/ Ⅵ:!: : : {
∨-、|:,イ: :/://イ /:イ: : :/:/ }/: : : :.!
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㌧_|: |' イ斥㍉/イ ィ心イ : : : : :.:|
|: | 弋ソ {,ソ/|: : : : : : |
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ヾ! _ 人!:l: : : ハ: j
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/| ` r- ‐ ´ / }: :/
_//イ { ヽ、_ l:/
/:、 \ \ ヾ / `ヽ、 /
/:::::::::\ `ヽ \ /イ /:::::l
便所
P「どうしよう……本当……どうしよう……」
貴音の鼻からは間違いなく鼻毛がこんにちはしている。
時折引っ込んだりしているが、確実にこんにちはしている。
番組収録開始まで、あと35分。それまでに貴音にその事実を教え、対処しなければならない。
一体どうしたらいいというんだ。
P「さすがにストレートには言えないよなぁ……」
考えろ。とにかく思考を止めるな。
俺がここで諦めたら、貴音のアイドル生活が終わりを迎えてしまう。
P「考えろ……考えろ……」
鼻毛……ナチュラルに……恥をかかせずに……
P「閃いた!!」
??「おい!さっきからブツブツ言ってないで早く出ろよ!!」ドンドン
P「あ!ご、ごめんなさい!今すぐ出して出ますんで!!」カラカラ
支援
ノヘ,_
,へ_ _, ,-==し/:. 入
ノ"ミメ/".::::::::::::::::. ゙ヮ-‐ミ
// ̄ソ .::::::::::: lヾlヽ::ヽ:::::zU
|.:./:7(.:::::|:::|ヽ」lLH:_::::i::::: ゙l いぇい!
ノ:::|:::l{::.|」ム‐ ゛ ,,-、|::|:|:::: ノ 道端に生えてる草は食べられる草です!
,ゝ:冫 |:ハ、 <´ノ /ソ:::丿
ヽ(_ lt|゙'ゝ┬ イ (τ" ホント 貧乏は地獄です! うっう~~はいたーっち!!!
r⌒ヘ__>ト、
|: ヾ ゞ\ノヽ: __ . ri ri
彳 ゝMarl| r‐ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
ゞ \ | [,|゙゙''―ll_l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
/\ ゞ| | _|_ _High To
控室
P「ふぅ……すっきりした」
貴音「具合はよろしいので?」ピロッ
P「うん、もうばっちりだよ」
やはり、まだアイツは顔を出したままだ。
さっき閃いた妙案を使うには絶好(?)の状況にある。
P「あぁっ!? これはなんてこった!!」(棒)
貴音「?」
P「俺の鼻から鼻毛がこんにちはしているぞぉ!! これは恥ずかしいなぁ!!」(棒)
自らを犠牲に、貴音に鼻毛へと注意を向けさせ、そのまま貴音自身の鼻毛の存在にもナチュラルに気付いてもらう。
人の振り見て我が振り直せ作戦だ。即席の作戦にしてはなかなか完璧だと自負出来る。
P「まったく、こんな姿じゃ人前に出られたもんじゃないぞぉ」(棒)
貴音「ふふっ……」ピロッ
P(お前は笑ってる場合じゃないだろ!!)
支援
貴音「どれどれ貴方様、失礼」スッ
P「いだっ!!!」ブチィ
貴音「ふふ……少し抜けているところがあるのですね。毛だけに」
P「お、おお……ありがとう……」ジンジン
貴音「貴方様は愉快な人ですね。それで私の緊張をほぐそうとしているのでしょう?」
P「あぁ、え、うん。そうだよ、ははは……」
作戦失敗!!作戦失敗!!
貴音の好感度は少し上がったようだが、鼻毛を引っこ抜かれたうえに当初の目的は果たせなかった。
やはり所詮は即席の作戦。完璧な作戦にはならんとは……。
しかしここで落ち込んでいるわけにはいかない。直ぐに第二案を考えなければ。
P「うーん。やっぱり何か直接的な行動が必要だなぁ……」
番組収録開始まで、あと30分
P「どうしよ……どうしよ……」
貴音「……少しおなかが空きましたね」
P「えっ!? 1時間ぐらい前に出前のラーメン食べたばっかだろ」
貴音「やはり私も緊張しているのでしょうか……いつもより空腹感が」
P「全く……まだ少し時間があるし、売店で何か買ってくるよ」
貴音「カップめんで構いません」
P「またラーメンでいいのか?」
貴音「ええ」
P「本当にラーメンラーメンって……」
ラーメン……
ラーメン……
ラーメン……!!
P「閃いた!!」
貴音「貴方様早く」
P「あ、うん。すぐ行ってくる」
支援
P「ごめん、ベビースターしかなかった」
貴音「ああ……まぁ仕方ないですね」ピロッ
P「……」
貴音はラーメンが好物。それは周知の事実で間違いない。
こうして控室にまで出前を頼んでいるほどだ。
そして、その出前のラーメンにはアレがセットで付いてきているのも知っている
それは……コショウだ。
P「貴音……すまん」
貴音「はい?」
P「これも貴音のことを思えばこそだ。許してほしい」
貴音「あっ!貴方様!!一体何を!?」
すまないと思いながらも、貴音に必死になってコショウを振りかける。
そうすると、くしゃみが出て鼻をかみ、鼻毛の存在に気付いてくれるはずだ。
そうでなくとも、上手いこと鼻毛が引っ込んでくれるならそれでいい。
涙をこらえながらも必死でアイドルにコショウをかけ続ける漢の姿が、そこにはあった。
支援
ちょっとクソしてくる
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