恭介「ボウリングをしよう」 真人「は?」(144)
謙吾「また唐突だな・・・」
真人「わけがわからねぇよ!」
恭介「そのままの意味さ。十柱戯・・・すなわちボウリングで勝負する」
恭介「チーム名は・・・リトルバスターズだ!」
理樹「わざわざ十柱戯って言い換えた意味がわからないんだけど・・・」
鈴「アホだな」
理樹「どうして突然ボウリングなんて出てきたのさ」
恭介「旅先でボウリングの無料券をもらってな」
真人「何でまた」
恭介「フッ・・・話せば長くなる・・・聞きたいか」
理樹「いや別に」
恭介「そう、それは俺がプロボウラーのマイケルと出会ったところから始まる・・・」
理樹(なんか語り始めた・・・)
恭介「・・・そして無料券を俺に差し出し、最後にヤツはこう言ったのさ。
『なに、遠慮するな。一緒にピンチを切り抜けた仲じゃないか・・・おっと、だからといってピンまですり抜けて女の前で恥をかかないようにな』・・・とな」
理樹「別にうまくないからね」
真人「くっ・・・泣けるぜ・・・」
謙吾「まさかマイケルにあんな過去があったとは・・・」
恭介「まぁここに無料券がある、ときたら行かないわけにはいかないだろ?
というわけで明日みんなで行く。昔は5人でよく行ったじゃないか」
真人「まぁ確かに・・・」
謙吾「真人は10フレーム全部9本だったこともあったな」
理樹「ある意味すごいよ」
鈴「あれは大爆笑だったな」
真人「うるせぇ!テメェは毎回ガターなしでピンボールみてぇになってたじゃねぇか!!」
鈴「う、うっさい!手元が狂っただけじゃ!」
恭介「投げるたびにそう言ってたからな、おまえ」
真人「まぁいい・・・特に断る理由もねぇ。いっちょボウリングで勝負といこうじゃねぇか、謙吾!」
謙吾「フッ・・・プロボウラーの座は、俺のものだ!」
理樹「盛り上がってるところ悪いけど、月曜日に数学のテストがあること忘れてないよね?」
真人「・・・は?」
理樹「いやいやいや・・・そもそもテスト対策のためにここに集まってたんじゃん・・・宿題もたくさん出てるし」
恭介「ありゃ、そうなの?」
理樹「今日中に宿題終わらせて、明日みんなで来ヶ谷さんに教えてもらう予定だったんだけど」
恭介「あのなぁ理樹。テストなんてこの先の人生で好きなだけ受けられるだろ?だがボウリングはどうだ?」
理樹「好きなだけできるでしょ・・・」
来ヶ谷「こんなこともあろうかと、おねーさんが数学教師の過去の出題傾向から今度のテストの予想問題を作っておいた
これさえやれば90点以上は保証するよ」スッ
理樹「おお、これはすごい・・・きれいにまとまって・・・ってうわぁ!?」
来ヶ谷「人の顔を見るなり『うわぁ』とは失礼だな少年」
理樹「い、いつの間に!?」
来ヶ谷「恭介氏が帰ってきたと聞いてな。久しぶりに戻ってきて何もない、なんてことはないだろうと思ったわけだ。みんなも一緒だ」
小毬「お邪魔しま~す。恭介さんお帰り~」
鈴「こまりちゃん!」
クド「こんばんはです!」
西園「失礼します」
葉留佳「やはー」
佳奈多「・・・・・・」
真人「結局全員集合かよ・・・」
理樹「二木さんまで・・・」
佳奈多「何よ、文句あるの?」
理樹「いやないけど・・・また葉留佳さんに付いて来たんでしょ」
佳奈多「なっ・・・そんなことないわよっ!私は風紀委員として・・・」
葉留佳「いいじゃんいいじゃん!お姉ちゃんも一緒でさ!」
佳奈多「は、葉留佳・・・!」
西園「・・・ご馳走様です」
佐々美「棗鈴!宮沢様から離れてくださる!?」バン
鈴「笹の葉さらさら!!」バッ
佐々美「さ・さ・せ・が・わ・さ・さ・み ですわっ!!何ですのその軒端に揺れてそうな名前は!?」
鈴「お前の名前だろ」
佐々美「きぃ~~~っ!!今日という今日は許しませんわっ!!」
鈴「なんだ、やるか!?」ババッ
恭介「・・・というわけで、ボウリングでバトルだ!!」
一同「・・・は?」
小毬「ボーリングかぁ~」
恭介「来ヶ谷のお陰でテストの心配はなくなったわけだ。宿題もこの後やれば問題ない」
葉留佳「いいっすネ!やろうやろう!」
クド「ぼう・・・りんぐ・・・?棒なのですか?それとも輪っかなのですか?」
恭介「いや、どちらでもないが・・・」
小毬「クーちゃん、ボーリングっていうのはねぇ・・・地面に穴を開けて温泉を掘ったり、地質を調査したりすることなのです」
小毬「・・・って恭介さん、そんなことやるですかー!?」
クド「やるですかー!?」
恭介「いや、やらんが・・・」
小毬「なぁんだ、そっちのボウリングかぁ~」
葉留佳「ボウリングとボーリングを間違えるなんて使い古されたネタでつまんないですネ」
小毬「が、ガーン・・・つまらないのかぁ・・・」
理樹「いやまぁ・・・小毬さんのは素だと思うけど・・・」
クド「ボウリング・・・とても外国っぽいのです!是非プレイしてみたいのです!」
佐々美「棗鈴!今こそ決着をつけましょう!」
鈴「ふん・・・いいだろう」
真人「そんなこと言ってていいのか?お前ノーコn」ドゴォ
鈴「黙ってろ」
真人「」
西園「運動は・・・あまり得意ではないのですが・・・」
葉留佳「ダイジョブダイジョブ!ただの玉転がしだって!」
小毬「私10フレームとも1本しか倒せなかったことあるんだぁ・・・」
理樹(ここにもある意味すごい人がいた!)
佳奈多「でも学生だけでそんなところに行くなんて・・・」
来ヶ谷「なに、私や恭介氏がいれば問題ないだろう」
佳奈多「それもそう・・・ってあなたたちも学生でしょう」
理樹「まぁ2人とも学生の枠に収まりきらないポテンシャルの持ち主だけど・・・」
恭介「よし、決まりだな。久々に腕が鳴るぜ!」
理樹「あんまりはしゃぎ過ぎないようにね」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ボウリング場
葉留佳「よーし、ボウリングだボウリングだー!!」ダッ
クド「わふー!レッツ・ボウリング!なのですー!」ダッ
理樹(って早速はしゃぎ回ってるし!)
葉留佳「あ、ゲームコーナーがあるよ!誰かエアホッケーしようよ!」
理樹「いやいや、ボウリングやろうよ・・・」
葉留佳「あぁ、そっか。すっかり忘れてましたヨ」
理樹「3秒前までボウリングボウリングって大騒ぎしてたじゃん・・・」
謙吾「なんだと・・・?もう金を入れてしまったというのに・・・」チャリーン
理樹(うわ!こっちもか!)
真人「仕方ねぇ謙吾、ボウリングの前哨戦といくか!!」
謙吾「いよっしゃあ!!」
鈴「アホばっかだな」
恭介「とりあえず靴買うか」
来ヶ谷「うむ」
西園「履き替えるんですか」
謙吾「剣道着にこのシューズか・・・」
理樹「あれ、お帰り。早かったね」
真人「パックをぶっ壊して怒られた」
理樹(うわぁ)
恭介「よし、みんな準備はいいか?早速チームを決めるぞ」
理樹「・・・は?チーム?」
恭介「言ってなかったか?今回は2人一組で勝負する」
理樹「初耳なんだけど・・・」
恭介「今回は2人一組、計6チームで勝負だ。2人のうちどちらが最初に投げても構わない
そこは各チームの作戦次第だな。さて、そのチーム分けだが・・・」
真人「理樹、俺と組もうぜ」
謙吾「俺と組んでくれるか、理樹」
理樹「・・・・・・」
恭介「・・・とまぁこうなることは予想していたがな・・・ダメだ。パワーバランスを考えて、野郎同士で組むのは禁止だ」
真人「何だと!?」
謙吾「くっ・・・俺は・・・男に生まれて幸せだったのか・・・?」
理樹「いやそこまでショックを受けなくても・・・」
来ヶ谷「なら理樹くんが女装して女の子として参加する、というのはどうか」
真人・謙吾「・・・それだ!!」
理樹「しないから」
西園「・・・残念です」ガサッ
理樹「・・・ちょっと、その紙袋は何さ」
西園「これですか」
西園「・・・・・・」
西園「・・・・・・ぽ」
理樹(これ以上は詮索しないでおこう・・・)
④
謙吾「理樹と組めないとは・・・無念」
真人「恭介っ!そこをなんとかぁっ!」
鈴「おまえらキショい!・・・理樹、あたしと組もう」
理樹「う、うん、よろしく」
真人「うおおおおおっ!ジェラシィィーーーーッ!!」
クド「い、井ノ原さん、私でよろしければご一緒しますっ!元気を出してください!」
佐々美「み、宮沢様、わたくしと組んでくださいませんかっ?」
謙吾「已むを得まい・・・」
小毬「恭介さん、一緒にしませんか~」
恭介「おまえに俺のパートナーが勤まるかな!?」
来ヶ谷「西園女史、組まないか」
西園「はい、よろしくお願いします」
葉留佳「もちろん私はお姉ちゃんとですヨっ!」ダキッ
佳奈多「ちょっと、そんなにくっついたら・・・!」
恭介「よし、登録完了。3レーン借りてきた。とりあえず最初は各チームの様子を見るために順番に投げるか」
恭介「適当に・・・チーム恭介、チーム理樹、チーム真人、チーム来ヶ谷、チームはるかな、チーム謙吾、の順でいいか」
葉留佳「ねぇねぇ、罰ゲームとかないの?」
謙吾「また余計なことを・・・」
恭介「もちろんあるとも。最下位のチームにはこいつを飲んでもらおう」ドン
佐々美「な、何ですのそれ!?」
真人「あっ!そいつは俺が作った『マッスルエクササイザー~春風と共に~』じゃねぇか!!」
理樹「何その副題・・・」
佳奈多「こんなおぞましいもの飲めるはずがないでしょう!」
恭介「だから罰ゲームなんじゃないか」
鈴「だが真人なら平気で飲めるんじゃないか?」
恭介「なら真人は一週間筋トレ禁止」
真人「死ぬだろっ!!」
理樹「死なないと思うよ」
恭介「逆に優勝したチームにはこの水瀬家特製ジャムを進呈だ」ドン
小毬「おぉ~~おいしそう~!」
理樹「水瀬家って?」
恭介「以前行き倒れているところを助けてもらってな。その土地ではもう雪が積もっていて凍死寸前だったんだ」
恭介「で、その家を去るときに水瀬夫人に自信作だから是非持って帰って仲間と食べてくれと言われてな。ありがたく頂戴したんだ
まったく、至れり尽くせりだったぜ」
来ヶ谷「なるほど。主婦の味、か。後学のために是非食してみたいものだ」
恭介「ただ気になることがあってな・・・」
理樹「?」
恭介「その場で味見しようとしたらそこの長女が『私止めたからね。それでも貰うんだったら帰るまで決して開けないで』と言ってきたんだ」
理樹「何その浦島太郎的な展開・・・」
クド「きっと食べ始めたら止まらなくなるほどおいしいに違いありませんっ!」
恭介「よし、罰ゲームも優勝商品も決まった。早速始めるとするか!」
謙吾「ヒィィイヤッホォォォウ!!」
小毬「私からかぁ・・・みんなに見られてると緊張するよ~」
鈴「こまりちゃん、がんばれ!」
佐々美「棗鈴、敵の応援をするとは・・・確かにライバルが強ければ強いほど燃え上がりますわ・・・神北さん、しっかり!ですわ!」
鈴「?」
真人「鈴には深い意味は無さそうだぞ」
葉留佳「まぁまぁ、楽しくやろーよ!」
来ヶ谷「そうだな・・・負ける気はないが」ギラッ
理樹(この人本気だ!)
恭介「さぁ・・・バトルスタートだ!!」
1フレーム目、恭介チーム
小毬「よ~し・・・」
理樹「小毬さんか・・・野球は上達早かったけど、ボウリングはどうなんだろ」
恭介「なんとなく読める気もするがな・・・」
謙吾「ああ・・・」
小毬「・・・えいっ」シュッ
コロコロ・・・
真人「・・・遅っ!!」
ポコ
小毬「ふぇえええ~~~ん!1本しか倒れなかったぁ~~~!」
葉留佳「デスヨネー」
鈴「ど、ドンマイだこまりちゃん・・・」
小毬「ありがとりんちゃん~・・・恭介さん・・・ごめんなさい・・・」
恭介「フッ・・・まぁ心配するな」
来ヶ谷「お手並み拝見といこうか、恭介氏」
恭介「お手柔らかにな」
西園「恭介さんはやはりお上手なのですか?」
理樹「うん、昔は僕たちの中で一番うまかったよ」
佳奈多「何だってできるのね・・・」
謙吾「ヤツの力が衰えてなければな」
真人「まぁ恭介のことだ・・・」
恭介「・・・はっ」シュッ
カコーン!
葉留佳「おおーーっ!スペアだぁ!!」
クド「わふーーっ!流石恭介さんなのです!!」
理樹(流石恭介、完璧な投球だった・・・これで他のチームに一気にプレッシャーがかかる・・・)
理樹(それに・・・)
小毬「恭介さんすご~~い!」
恭介「ああ・・・おまえの期待通り、俺はこれからもスペアを取り続けるだろう。だがな小毬、いや、だからこそ小毬、この勝負はおまえにかかっている」
小毬「ほぇえ!?わ、私!?」
恭介「ああ。来ヶ谷をはじめ、他のチームの二投目を担当する者たちも喰らいついてくるだろう。となれば、スペアを取った次の投球で何本倒すかが重要になってくる」
恭介「いくら俺がスペアを出そうとも、おまえが1本しか倒せないままだと得点は伸びない。この勝負はおまえがいかに多く倒すかにかかっている・・・おまえの力が必要なんだ」
小毬「そっかぁ~・・・ようしっ!私がんばるっ!」
恭介「その意気だ小毬!」
理樹(パートナーのやる気を引き出すことも忘れない・・・!)
1フレーム目、理樹チーム
理樹(でも僕だって鈴と『あの過酷』を乗り越えたんだ・・・僕も鈴をリードして・・・!)
ガコン
鈴「んなぁーーっ!?」
真人「やっぱりガターじゃねーか!」
佐々美「おーっほっほっほ!そんなノーコンじゃ勝負になりませんわね!」
鈴「う、うっさい!手元が狂っただけじゃ!」
謙吾「またそれか・・・」
鈴「なんだ、文句ある・・・」
理樹「・・・・・・」
鈴「の・・・か・・・」
理樹「鈴・・・」
鈴「・・・なんだ、文句あるのか!!」
理樹(うわ、結局切れられた!!)
理樹(さて・・・)
真人「理樹、お前がなんとかするしかねぇみてぇだぜ」
謙吾「一投入魂だ、理樹!」
クド「リキー!ファイトです!」
葉留佳「がんばれ理樹くーん!」
恭介「理樹・・・勝負だ」
理樹「!」
理樹(これは恭介が考えた『遊び』だけど・・・だからこそ恭介は本気だ!)
理樹(僕だって・・・負けたくない!)グッ
理樹「・・・えい!」シュッ
カコーン!
一同「おおーーーっ!!」
真人「スペア・・・だが実質ストライクじゃねーか!!」
クド「恭介さんに続きすごいのですー!」
小毬「理樹くん上手~!」
謙吾「イヤッホォォォウ!!理樹最高!!」
佳奈多「やるわね」
来ヶ谷「ふむ・・・理樹くんにも要注意か」
恭介「・・・おもしろくなりそうだぜ」ニッ
理樹「ありがとう、みんな」
鈴「・・・・・・」
理樹「あ、鈴・・・」
鈴「・・・なかなかやるな。でも1回うまくいったからって油断するんじゃないぞ」
理樹「なんで鈴が上から目線なの」
1フレーム目、真人チーム
クド「では私からですっ!初めてのボウリング、とても楽しみです~!」
真人「クー公・・・俺の命が懸かってるんだからな・・・絶対ミスするんじゃねぇぞ・・・」
クド「わ、わふーっ!?楽しんでる場合じゃないのですっ!?」
理樹「だから筋トレしないだけで死んだりしないから・・・仲間にプレッシャーかけてどうするのさ・・・」
鈴「馬鹿のことは気にせず楽しめ、クド」
クド「で、では・・・!えいっ!」シュッ
コロコロ・・・
恭介「お、スピードはないが真っ直ぐいってるんじゃないか?」
カコン・・・カコン・・・
謙吾「ドミノ式に倒れていくな・・・」
クド「わふーっ!9本倒しました!」
小毬「クーちゃんすごいすご~い!」
真人「よし・・・この俺の出番だな・・・!残りは左奥の1本か・・・ぶっ倒してやるぜ!」
クド「井ノ原さん、よーく狙ってくださいっ!」
真人「うおりゃぁぁーーーーっ!!」ブンッ
ゴッ・・・ドーン
真人「あ」
理樹「クドとまったく同じコースにいったね・・・」
鈴「クドがよく狙えって言ってただろーーーっ!!」ドゴォ
真人「うっ!申し訳ありませんでしたぁ!・・・ってテメェに言われたくねぇーーーっ!!」
クド「ド、ドンマイです、井ノ原さん!」
真人「くそぅ・・・」
恭介「力任せにやればいいってもんじゃないぜ」
理樹「というか真人は二投目に向いてないんじゃ?」
真人「なにぃ!?」
クド「どういうことですか?」
来ヶ谷「初めに大雑把な真人少年が持ち前のパワーで根こそぎ倒し、残った数本を器用なクドリャフカ君が処理する、とした方が良いのではないか、という意味さ」
真人・クド「それだっ!(ですっ!)」
理樹「初めからそうしてればよかったのに・・・」
鈴「理樹やきょーすけが二投目だったからそうしたんだろ」
1フレーム目、来ヶ谷チーム
西園「・・・・・・」
一同「・・・・・・」
西園「・・・・・・」
一同「・・・・・・」
西園「・・・・・・」
一同「・・・・・・」
西園「・・・・・・」
真人「・・・早く投げろよっ!!」
来ヶ谷「どうかしたのか?」
西園「い、いえ・・・それが・・・」
西園「ボールが重くて・・・片手で振れないんです・・・」
真人「マジかよ!?」
来ヶ谷「これ以上軽いものはないぞ・・・」
小毬「みおちゃ~ん!見て見て~」
クド「向こうにこんなものがありましたよ!」
デーン
西園「これは・・・!ボウリング用滑り台ですか・・・!」
理樹「いやいや、それ幼児用だから!!」
西園「これを使うとしましょう」
理樹「絵的にひどいことになるからやめた方が・・・」
真人「ったく、非力だなぁ。だから筋肉を付けろってんだよ」
西園「・・・・・・」
来ヶ谷「ふむ・・・ならばこうしてみてはどうか・・・」ヒソヒソ
西園「・・・・・・」
西園「・・・やってみましょう」スッ
葉留佳「あれ?これ使わないの?」
西園「・・・っ!」シュッ
カコーン!
一同「おおっ!!」
佐々美「8本も倒しましたわ!」
恭介「いけるじゃないか、西園!」
西園「ありがとうございます」
理樹「さっきなんてアドバイスしたの?」
来ヶ谷「ボールを真人少年の生首だと思って思いっきり放ってみろ」
真人「西園こぇぇーーーーっ!!」
謙吾「だが残ったピンを見てみろ・・・」
理樹「! スプリットだ!」
鈴「なんだ?それは」
理樹「ピンが隣り合わない状態で残ることだよ。ほら、ピン2本が離れたところにあるでしょ」
恭介「しかも残ったのは一番奥の7番ピンと10番ピンときた。来ヶ谷、どう料理する?」
真人「流石にこれは無理だろ。プロでも難しいんじゃねぇか?」
来ヶ谷「では、もし2本とも倒したらどうする?」
真人「へっ!そんときはそこの自販機まで逆立ちしてジュースを買ってきてやるぜ!」
来ヶ谷「ほぅ・・・言ったな・・・?」ギラッ
真人「へ?マジでスペア狙うのか?」
来ヶ谷「・・・・・・」ゴゴゴゴゴ
葉留佳「な、なんか変なオーラが出てますヨ!?」
真人「へ、へへ・・・い、いやまさか・・・」
恭介「ま、まぁ流石にな・・・狙ってできるもんじゃねぇよ・・・」
謙吾「あ、ああ・・・」
理樹「・・・・・・」
来ヶ谷「・・・ふっ!」シャッ!
グオッ
謙吾「右側のピンを・・・!?」
ガッ!
恭介「はじいた!!」
カコン!
一同「に、2本とも倒したーーーーーーっ!?」
真人「」
来ヶ谷「はっはっは」
理樹(化け物だ・・・)
小毬「ゆいちゃんすご~い!」
来ヶ谷「いや、ゆいちゃんと呼ぶのはやめろと・・・」
真人「くそっ・・・男に二言はねぇ・・・行ってくるぜ・・・ほっ」
来ヶ谷「ではジンジャーエールを所望する。他の客の迷惑にならないようにな」
「ーケーオ」人真
鈴「こんな筋肉ダルマが逆立ちして歩いてたらかなり迷惑だろ」
理樹「行っちゃった・・・」
???「うわっ!?何コイツ!?変態!?あなた変態なのね!?」
「!ぇせるう」人真
理樹「さっそく迷惑かけてるし・・・」
恭介「次いくか・・・」
1フレーム目、はるかなチーム
葉留佳「よーし私の番だね!」
理樹「葉留佳さんはこういうの得意そうだよね」
葉留佳「風紀委員から逃げるときのビー玉転がしで日々修行を重ねてますからネ!」チャッ
佳奈多「反省の色が見えないわね・・・」
葉留佳「あ・・・や、やはは・・・今は固いこと言うのは無しですヨ・・・」ゴソゴソ
理樹「こんなところで出さないでよ・・・落としたら危ないよ」
葉留佳「ではでは気を取り直しまして・・・」
葉留佳「はるちん!超ウルトラスーパーダイナミックミラクルハイパーアルティメットグローバルエクセレントデリシャス・・・」
佳奈多「早く投げなさいっ!!」
葉留佳「ちぇ~」シュッ
カコン!
恭介「6本だな」
葉留佳「みおちんに負けた!?」
西園「・・・・・・フ」
葉留佳「くそーーっ!なんだその勝ち誇った顔はーーっ!6本も8本も変わんないじゃん!」
西園「・・・6本は一番微妙な本数です」
葉留佳「え」
西園「1~4本のように少な過ぎるわけでもなく、失敗とも言えません」
葉留佳「う・・・」
西園「5本のようにちょうど半分でもなく、ネタにもなりません」
葉留佳「うう・・・」
西園「かと言って7~9本のようにけっこう倒した、とも言えません。ストライクは言わずもがなです」
葉留佳「・・・うわーん!!お姉ちゃ~~~ん!!」
理樹「流石西園さん、キレのいいツッコミだね・・・」
西園「・・・冗談だったのですが」
葉留佳「そんな真顔で言わないで~!」
「・・・・・・」人真
来ヶ谷「おや、お帰り。ちゃんと買えたか?」
真人「・・・ってそもそもどうやって金を入れればいいんだよっ!!」
理樹(行ってから気づいたのか!)
佳奈多「ここは任せなさい、葉留佳」
葉留佳「お姉ちゃん、頼みましたぜ!」
理樹「あれ?二木さんはボウリング初めてなんじゃないの?」
葉留佳「ああ、昨日あの後ネットでボウリングについて調べまくってましたからネ。鏡を見ながら投球フォームの研きゅ・・・むぐっ!?」
佳奈多「黙ってなさいっ」
理樹「・・・・・・」
恭介「なんだ、可愛いところもあるじゃないか」
来ヶ谷「5萌えポイントをやろう」
佐々美「何ですの、それ・・・」
佳奈多「~~~っ!投げるわよっ!見てなさいっ!」シュッ
カコーン!
葉留佳「やったー!スペアだー!」
クド「佳奈多さん、練習した甲斐がありましたねっ!」
佳奈多「もう忘れてぇっ!」
1フレーム目、謙吾チーム
佐々美「棗鈴!わたくしの実力、とくとご覧あれ!!」
理樹「笹瀬川さんも謙吾も運動神経いいからな・・・」
葉留佳「このチームが一番強そうですネ」
鈴「おまえボウリング得意なのかっ!?」
佐々美「愚問ですわね。このわたくし、球技ならなんでも御座れですわっ!!・・・いきますわよっ!!」
来ヶ谷「ふむ・・・タマの扱いがうまい、と・・・」
理樹(この人が言うとエロく聞こえる・・・)
カコーン!
佐々美「おーっほっほっほ!」
鈴「くぅっ・・・」
謙吾「残り1本か?よし、後は俺に任せておけ」ザッ
佐々美「み、宮沢様っ・・・!」
真人「くるか・・・謙吾!」
謙吾「・・・・・・」
理樹(すごい・・・集中しているのがこっちまで伝わってくる・・・!)
真人「おーい謙吾、『筋肉さんがこむらがえった』しようぜー」
葉留佳「謙吾くーん、こんなところに魚編の漢字が書かれまくった湯飲みが落ちてるよー?」
理樹(真人と葉留佳さんがそんなこと御構い無しに茶々を入れる!)
謙吾「・・・・・・」
クド「まったく動じてませんっ!?」
恭介「無駄だ。いくらバカになっていようと、剣道で培った集中力は変わらない」
真人「ちっ・・・だが、一度助走に入ったらどうかな?」
葉留佳「隙が生まれるはずですヨ!」
鈴「お前らそこまでして邪魔したいのか」
謙吾「・・・・・・」ススス・・・
真人「・・・何!?あの体勢のまま移動してやがる!?」
恭介「まさか・・・日本剣道の歩行術・・・『すり足』か!?」
理樹「いったい何の意味が!?」
鈴「馬鹿だ!!」
謙吾「・・・見えた!!」シュッ
ゴッ
謙吾(フッ・・・このコースは・・・決まったな)クルッ
カコーン!
一同「・・・・・・」
謙吾「ん?なんだおまえら、俺には拍手もくれないのか?」
理樹「いや・・・もう1本残ってるんだけど・・・」
謙吾「な、なにぃぃ!?」クルッ
謙吾「」
理樹「手前のピンの真後ろにもう1本隠れてたみたいだね・・・」
佐々美「ド、ドンマイですわっ」
クド「わ、私も残り1本かと思ってましたし!」
小毬「そういうこともあるよ~」
葉留佳「『・・・見えた!』だってさ!ぷふふーーーっ!」
鈴「投球まで引っ張っただけにかなり恥ずかしいな」
恭介「かっこワリぃ」
西園「最悪です」
佳奈多「最低ね」
来ヶ谷「クズ」
謙吾「何でそこまで言われなくちゃならないんだーーーっ!!!」
真人「謙吾・・・俺の筋肉の中でなら泣いてもいいんだぜ・・・」
謙吾「うう・・・真人ぉーーっ!!」ダキッ
鈴「キショいわおまえら!!」
西園「美しくないです」
恭介「さて、これで一巡したな。もう1フレームだけ様子を見るか」
理樹「今のところ僕、恭介、来ヶ谷さん、葉留佳さんのチームはスペア、真人と謙吾のチームは9本、と」
真人「ここから逆転だぁーーっ!!」
クド「わふーっ!がんばるのですっ!」
2フレーム目、恭介チーム
カコン
小毬「うーん・・・4本しか倒れなかったよ・・・」
恭介「いや、これは大きな進歩だ。さっきより3本も多く倒したんだからな。この調子で次は7本。そして・・・!」
小毬「その次はストライクかぁ~!私がんばるっ!」
恭介「その意気だ!二投目は任せておけ!」
小毬「うんっ!」
真人「・・・なんかすげぇいい雰囲気じゃね?」
謙吾「もう完全に恭介の流れだな・・・」
カコーン!
恭介「どうだ!」
小毬「やった~!」
佳奈多「ホントにうまいわね・・・」
理樹(やっぱり恭介はすごいや・・・)
理樹『あれ・・・?僕男の子なのに・・・この気持ちはなんだろう・・・恭介を見てると・・・胸が苦しくなるよ・・・』
理樹「・・・ってそんなこと思ってないから!耳元で変なこと囁かないで!」
西園「ダメですか」
理樹「駄目に決まってるよ・・・」
恭介「さぁ、次はおまえの番だぜ、鈴」
鈴「ふん・・・見てろ・・・」
理樹「ちょ、ちょっと待った」
2フレーム目、理樹チーム
鈴「なんだ?あたしなら心配ないぞ」
理樹「よくそんな自信満々に言えるね・・・」
鈴「謙吾の投球を見ていて気づいたことがあるんだ」
真人「まさかすり足か?」
鈴「そんなアホなことするかっ!」
真人「じゃあ何だよ?」
鈴「もしあたしがお前らに劣っている点があるとすれば・・・それは集中力」
理樹「他にも色々あると思うけど・・・」
鈴「・・・・・・」
鈴(集中だ・・・集中するんだ・・・そして心を無に・・・!)
理樹(鈴がめずらしく集中してる・・・って)
鈴(・・・おお?これはなかなかいいんじゃないか?これが『無』なのか?)
理樹(・・・ん?・・・あっ!)
鈴(あたしは今まさに『無』だ・・・!いける・・・いけるぞ・・・!)グッ
理樹「鈴、ストップ!」
鈴「ふかーーーーっ!!!」
理樹「う、うわ、ごめん!お、落ちついて!」
鈴「何で邪魔するんじゃボケェ!!」
理樹「いやいや、そんなことより手を見せて!」
鈴「なんだ!?お前手フェチなのか!?」
理樹「違うし仮にそうでもこの場面で自分の欲望をさらけ出したりしないから・・・そうしたらボールを持ってみせて」
鈴「わけわからん!これで満足か!」グッ
理樹「な、何で人差し指が穴に入ってるのさ・・・」
真人「うお、マジだ!」
恭介「お前今まで親指、人差し指、中指で握ってたのか!?」
鈴「なんだ?違うのか?」
謙吾「普通穴に入れるのは親指、中指、薬指だ・・・そりゃガターまっしぐらなわけだ・・・」
鈴「なにぃ・・・」
理樹「人に教わるのを嫌がるからこんなことになるんだよ・・・」
佐々美「勝負以前の問題でしたわね・・・」
理樹「それじゃあ正しい持ち方でやってみてよ」
鈴「なんだか違和感があるな・・・」
小毬「りんちゃんファイト~」
葉留佳「鈴ちゃんがんばれー!」
鈴「・・・ていっ!」シュッ
真人「お?」
謙吾「おお?」
恭介「おおお!?」
カコーン!
クド「わふーーっ!ストライクですーーーっ!!」
理樹(ええぇーーーーっ!!)
鈴「み、見たか!?お、おまえら!?」
理樹「自分が一番驚いてるし・・・」
小毬「りんちゃんすごいよ~」
鈴「ま、まぁな!本気を出せばこれくらいよゆーだ!」
真人「よく言うぜ・・・」
鈴「あれだ、脳ある爪は鷹を隠すってやつだ」
理樹「すごい爪だね」
佐々美「い、一度ストライクを取っただけで調子に乗るんじゃありませんわ!」
鈴「・・・・・・ふ」
佐々美「きぃ~~~!!」
鈴「理樹、もうお前の出番はないかもな」
理樹「いやいやいや・・・」
2フレーム目、真人チーム
真人「鈴なんかに負けてられねぇ・・・俺もストライクを狙うぜ!」
クド「がんばってください!」
真人「うおらぁぁーーっ!!」ブンッ
ゴッ・・・パッカーン!!
来ヶ谷「すごいパワーだな・・・ピンが弾け飛んだぞ」
西園「・・・そんな中でも1本残っていますが」
真人「うおぉぉぉーーーっ!?なんで全部倒れねーんだよっ!?」
理樹(哀れだ・・・)
クド「任せてください井ノ原さん!初めてのスペアを取るチャンス・・・ドキドキなのです~!」
真人「クド公・・・絶対倒せよ・・・!でないと俺の命が・・・!」
クド「わ、わふーーっ!?やっぱり責任重大なのですっ!?」
理樹「だから仲間にプレッシャーかけてどうするのさ・・・」
鈴「馬鹿のことは気にせずがんばれ、クド」
クド「で、では・・・えいっ!」シュッ
コロコロ・・・
恭介「スピードはないが・・・精確な投球だ!」
カコン
クド「やりましたーーっ!スペアですっ!」
小毬「クーちゃんおめでと~」
理樹「やったねクド」
葉留佳「なんだかんだ言ってみんな上手じゃないッスか!?はるちん平均以下!?」
来ヶ谷「それにしても真人少年はクドリャフカ君におんぶに抱っこだな」
佳奈多「情けないわね」
恭介「これなら野郎同士で組ませてもよかったかもな」
真人「」
謙吾「真人・・・今度は俺が筋肉を貸す番だ」
真人「うう・・・謙吾ぉーーっ!!」ダキッ
鈴「だからキショいんじゃおまえらーーっ!!」
西園「美しくないです」
3フレーム目、来ヶ谷チーム
西園「・・・・・・」
真人「い、今まさに西園は俺の生首を投げる気でいるのか・・・」
西園「・・・・・・」スッ
葉留佳「あ、みおちん!」
西園「・・・はい?」
葉留佳「あ、ゴメンゴメン気のせいでしたヨ」
西園「・・・・・・」スッ
葉留佳「ああっ!みおちんっ!」
西園「・・・はい?」
葉留佳「やはは、これまた気のせいでしたヨ」
西園「・・・・・・」
西園「・・・・・・」スッ
葉留佳「あああーーっ!みおち・・・あ、あれ・・・」
西園「・・・・・・」シュッ
パカーン!
恭介「おおっ!また8本!」
謙吾「やるな・・・」
真人「西園こぇぇーーーーっ!!」
葉留佳「いやぁ参りましたヨ、真人くんの生首効果は絶大ですネ」
西園「いえ、今のは三枝さんの生首です」
葉留佳「みおちん怖いーーーっ!!」
来ヶ谷「・・・ふっ!」シュッ
カコン!
謙吾「来ヶ谷は難なくスペアか・・・」
小毬「ゆいちゃんかぁっくい~!」
来ヶ谷「だからゆいちゃんと呼ぶのはやめろと・・・」
西園「・・・・・・」
鈴「ん?どうしたみお?」
西園「もう・・・腕が痛くて・・・」
理樹「はやっ!」
来ヶ谷「ならこれ以降は滑り台を使うといい」
西園「・・・そうします」
真人「ホントに使うのかよ・・・」
恭介「来ヶ谷が先に投げる、という手もあるんだぜ?」
来ヶ谷「それではつまらないだろう。なに、いいハンデさ」
2フレーム目、はるかなチーム
葉留佳「てぇいっ!!」シュッ
カコーン!
恭介「また6本だな」
葉留佳「そんなぁーーーっ!?これじゃまるで真人くんだよ~!」
真人「どういう意味だよっ!?」
西園「・・・・・・」
葉留佳「う・・・」
西園「・・・・・・」
葉留佳「・・・うわーん!!お姉ちゃ~~~ん!!」
西園「まだ何も言ってません」
葉留佳「ここまではるちんいいとこ無しですヨ・・・」
佳奈多「私もまたうまくいくとは限らないわよ・・・?」
理樹「まぁまぁ、昨晩がんばってれんしゅ・・・」
佳奈多「・・・・・・」ギロッ
理樹「・・・何でもないです」
クド「大丈夫ですよ佳奈多さん!練習は裏切りませんっ!」
佳奈多「クドリャフカぁ・・・!」ギロッ
クド「わ、わふーーーっ!?何か気に障るようなことを言ってしまいましたか!?」
佳奈多「・・・ふっ!」シャッ
カコーン!
小毬「あー・・・惜しい~」
葉留佳「1本残っちゃったか・・・」
佳奈多「まぁそんなにうまくいかないわね・・・ごめんなさい、葉留佳・・・」
葉留佳「やはは・・・でもお姉ちゃんとボウリングできてすっごくうれしいですヨ」
佳奈多「は、葉留佳・・・!」
佐々美「次いきますわよ」
2フレーム目、謙吾チーム
佐々美(棗さんに負けていられませんわ・・・宮沢様のためにも、ここはわたくしもストライクを・・・)
謙吾「フレー!フレー!・・・」
佐々美(! み、宮沢様がわたくしの応援を!?)
謙吾「させっ・・・し・・・がわー!!」
佐々美「・・・・・・」シュッ
カコーン!
理樹「ストライクだ!」
佐々美「・・・・・・」
小毬「さーちゃんおめでと~」
鈴「くぅ・・・お前もストライクだと・・・」
恭介「・・・にしてはあまりうれしくなさそうだな」
真人「『どうです棗鈴!』とか言いそうなのにな」
佐々美「無の一球でしたわ・・・」
謙吾「美しい投球だったぞ」
佐々美「! お、お褒めに預かりまして光栄ですわ!見まして!?棗鈴!」
理樹「あ、戻った」
恭介「よし、それじゃあここからはどんどん進めるぞ!それぞれのレーンでがんばってくれ!」
一同「おおーーーーっ!!」
3フレーム目
葉留佳「や、やったぁーー!ついに7本倒したーーー!!」
西園「喜びすぎです」
4フレーム目
小毬「わぁ~~!ストライクだよ~~っ!」
恭介「やるじゃないか!」
5フレーム目
真人「・・・っしゃぁーーっ!!俺もストライクだーーーって誰も見てねぇーーーーっ!!!?」
理樹「みんな飲み物買いに行っちゃって・・・」
6フレーム目
クド「・・・ていっ!!」チラッ
来ヶ谷「(ほう・・・クドリャフカ君があんな下着を・・・)ってしまった!!」シュッ
佳奈多「く、来ヶ谷さんがガター!?」
7フレーム目
謙吾「ボウリングのボールかと思ったら・・・三枝のビーだマーーーーーン!!」
鈴「笑わすなボケェーーーーっ!!」
佐々美「おーっほっほっほ!!」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
8フレーム目、謙吾チーム
謙吾「・・・はっ!」シュッ
カコーン!
佐々美「ナイススペアですわ!!」
真人「いよいよ終盤だな・・・!」
理樹「みんなだんご状態の混戦だね・・・」
恭介「つまり、最低でも二投目でスペアが取れなかった場合、負けが決定するということだぜ?」
理樹「・・・!」
クド「わ、わふ・・・」
来ヶ谷「フフ・・・」
佳奈多「・・・・・・」
謙吾「望むところだ」
9フレーム目、恭介チーム
小毬「それ~!」シュッ
カコーン!
恭介「む・・・」
謙吾「スプリットだ!」
小毬「うわ~ん!恭介さんごめんなさい~!」
理樹「・・・恭介自分で言ってたよね。これを取らないと恭介たちが優勝するのは難しくなるよ」
恭介「ほう・・・この俺にプレッシャーをかけようとするか、理樹」
理樹「・・・・・・」
恭介「・・・いいだろう」ニッ
恭介「・・・・・・」
理樹(残ったのは6番ピンと7番ピン・・・最初の来ヶ谷さんのように並行に残ったわけじゃないけど・・・それでも十分難しいはず・・・!)
理樹「・・・・・・」
理樹(でも恭介のことだ・・・)
恭介「・・・はっ!」シュッ
カッ・・・カコン!
真人「おおっ!?2本とも倒しやがった!?」
理樹(そうくるよね・・・!)
恭介「さぁ、次はおまえらの番だ」チラッ
鈴「うみゅう・・・」
恭介「あんな状態の鈴とで俺たちについてこれるかな?」
理樹「・・・・・・」
9フレーム目、理樹チーム
鈴「・・・・・・」
恭介「鈴、ここでおまえがストライクを取ればかなり優位に立てるぜ?」
鈴「わわわかっとるわ!プレッシャーかけようとしてもむむ無駄だぞ!!」
真人「思いっきりびびってるじゃねぇか・・・」
理樹「大丈夫だよ、鈴」
鈴「理樹・・・」
理樹「例え失敗しても僕がなんとかする。鈴はいつも通り・・・というか今日の2フレーム以降の通り投げればいい。それにほら、楽しまないと!ね」
鈴「・・・わかった」
恭介(・・・・・・)フッ
鈴「・・・にゃっ!」シュッ
カコーン!
クド「9本ですっ!!」
鈴「くぅ・・・理樹、頼む・・・!」
理樹「よし・・・!」
恭介「・・・理樹、わかってるよな」
理樹「・・・この僕にプレッシャーをかけようとする気かい・・・恭介!」
恭介「フッ・・・女の前で・・・恥をかくんじゃないぞ」
葉留佳「何なんですかねこの少年マンガの最終回近い展開は」
理樹「・・・それっ!」シュッ
恭介(これはいったな・・・)フッ
カコーン!
クド「スペアなのですーーーっ!!」
小毬「やったぁ理樹くーん!!」
理樹「あはは・・・」
恭介「・・・・・・」スッ
理樹「!」
恭介「・・・ナイススペア」
理樹「恭介・・・!」スッ
パンッ
~完~
真人「・・・ってちょっと待てぇ!!」
沙耶「」
9フレーム目、真人チーム
葉留佳「へ?何か?」
真人「何が『完・・・』だ!!まだ終わってねぇっつーの!!」
葉留佳「いやぁマンガとかならこの辺で終わりかなーと思いまして」
真人「まだ10フレーム目が残ってるだろ!!それに次はこの俺の番だ!!」
鈴「じゃあ早く投げろ」
真人「関心なさすぎじゃね!?」
来ヶ谷「まぁいつものことだろう」
真人「おまえら・・・気づいてねぇのかもしれねぇが・・・ここで俺がストライクを出せば、俺のチームの優勝は決まったも同然になるんだぜ!!」
一同「!?」
続きキタ━(゚∀゚)━!④
謙吾「そういえば前のフレームで能見がスペアを取っていたな・・・」
理樹「しかもここまで真人は平均9本は倒してきてる・・・」
恭介「ここで真人がストライクを出し、最終フレームでもまたストライクやスペアを取られたら・・・」
一同(真人とクドに負ける!?)
真人「そこまでショックかよ・・・」
クド「複雑な気分なのです・・・」
真人「まぁいい・・・ここで俺がこの戦いに終止符を打ってやるぜ!どきな!」ドン
葉留佳「わぁ!もー乱暴だなぁ!」ポロッ
コロ・・・
真人「・・・・・・」ゴゴゴゴゴ
理樹「あ、あの真人が集中してる!?」
鈴「気色悪いな・・・」
理樹(・・・鈴のときも思ったことは黙っておこう)
真人(集中だ・・・この俺の筋肉をもってすれば・・・いける!)
謙吾「もしかして・・・もしかするのか!?」
恭介「こいつは大番狂わせだぜ・・・!」
真人(いける・・・!いける・・・!!)
佳奈多「!! ちょ、ちょっと!あれ!」
理樹「え?・・・!?」
コロコロ・・・
葉留佳「わ、私のビー玉!?」
謙吾「さっきぶつかったときに落としたんじゃないか!?」
恭介「お、おい・・・真人の前に転がっていくぞ・・・」
葉留佳「ちょ、真人くん!ストップ!!」タッ
小毬「あ、危ないよ~!?」
真人(へっ・・・邪魔しようとしても無駄だぜ・・・!)
真人「・・・見えた!!」ダダダッ
ズルッ
真人「・・・は?」
一同「」
真人「ア――――――――――――――ッ」ツツー
客A「お、おい隣見ろ!人がレーンを滑っていくぞ!?」
客B「!?」
ドガシャーーーーーーーーン!!!
理樹(ま、真人ぉぉーーーーーーっ!!!)
真人「」
佐々美「きゅ、救急車ですわーーーっ!!」
クド「た、大変ですーーーーっ!!」
恭介「無事か真人ーーーーっ!!」ダッ
真人「き、筋肉のおかげで・・・助かった・・・ぜ・・・」ピュー
理樹「助かってないから!!頭から血が噴き出てるから!!」
謙吾「死ぬな、真人ーーーーっ!!」
真人「へへっ・・・こんな馬鹿と過ごしてくれて・・・ありがとな・・・」
鈴「ああ、真人・・・見事なストライクだったぞ」
理樹「言ってる場合かーーーーっ!!」
ピーポーピーポー・・・
謙吾「行ったか・・・」
小毬「真人くん大丈夫かな・・・」
来ヶ谷「頑丈さが取り柄の真人少年だ、安静にしていればすぐに治るだろう」
佳奈多「あなたがビー玉なんて持ってくるから!」
葉留佳「ゴメンナサイ・・・」
西園「優勝商品のジャムは、井ノ原さんへのお見舞いにしませんか」
クド「そうですね・・・」
鈴「結局決着は付かなかったな」
佐々美「また次の機会にいたしましょう・・・」
恭介「だが、もうこのボウリング場には来れないな」
理樹「というか真人はボウリング自体がトラウマになったんじゃ・・・」
数日後
理樹「はぁ!?真人の入院が延びた!?なんで!?」
恭介「例のジャムを舐めた途端に泡を噴いて倒れたらしい・・・」
鈴「こわっ!!」
謙吾「何なんだそのジャムは・・・」
病院
名雪「母のジャムがたいへんご迷惑をおかけしました・・・」
真人「・・・誰だお前」
終わり
お付き合いいただきありがとうございます
アニメ楽しみですね!
このSSまとめへのコメント
筋肉コンビかよ