ユミル「ストーカー」(100)
エロは無い
CPはあるかも知れない
とある夜
――ザッザッザッ
ユミル「」ファア
ユミル(眠たいが、どうも目が覚めてちまって眠れねえ…)
ユミル(外にでも出てみて、気分を変えようと思ったが、そんなに簡単に変わる訳ねえか)
――ザッザッザッ
ユミル(あぁあ、水が飲みてえな… 飲みに行くか…)
――ザッザッザッ
――タッタッタッ
ユミル「」ビクッ
ユミル(足音が二つ?)
ユミル(…おかしい、今ここには私しかいない筈だ)
ユミル「」バッ
ユミル「…」
ユミル(ほらな、私だけだろ…)
ユミル(気のせいだ)
――ザッザッザッ
――タッタッタッ
ユミル(…くそっ…!)
ユミル(…誰かに追いかけられてると思うから音が感じるんだ!)
ユミル(落ち着け、気にするな、私を追い掛ける物好きなんかこの世に誰が居るというんだよ!)
――ザッザッザッ
――タッタッタッ
ユミル(大丈夫だ、いざとなって襲われても腕っぷしには自信がある)
ユミル(それに井戸まで来たら180°ガン飛ばしてやる…!)
>>3 180°じゃない360°だよ…
――ザッザッザッ
ユミル「」ハァッ...
ユミル「取り敢えず、井戸の所まで来たが…」
ユミル「」キョロッ
ユミル(特に怪しい人影無し、か…)
ユミル(さっきのはなんだったんだ…?)
ユミル(ともかく、水を汲んでさっさと飲んで戻るか)
ふう…バレたかと思ったぜ
支援
「ユミル?」
ユミル「」ビクッ
ベルトルト「どうしたの?」
ユミル「なんだベルトルさんか…」ホッ
ベルトルト「え?うん…」
ユミル(こいつが私を追いかける理由なんてねえしな…)
ユミル(いつもライナーとホモホモしてんだしよ)
ユミル(…それに、こいつがいつもアニに気をかけてる事は、はっきり解るしな)
ユミル「私は水を飲みに来たんだ。お前は?」
ベルトルト「僕もだよ」
ユミル「そうか お前の分も入れてやるから待ってろ」ヨイショ
ベルトルト「あ、別にいいのに…」
ユミル「いや、気にすんな 私もまだ飲んでねえから」
ユミル(…もし私が誰かに追い掛けられてるとして)
ユミル(このひょろい奴でもまあ多少の防御にはなるだろ)
ユミル「ほらよ」
ベルトルト「有難う」
ゴク...
ベルトルト「思ったけど」
ユミル「…何がか?」
ベルトルト「凄い汗だよね 大丈夫?」
ユミル「!?」
ユミル「あぁ…」
ユミル(そうか、冷や汗が出る程だったのか… 言われるまで気がつかなかった…)
ユミル「まさか冷や汗が多いお前に気にかけられるとはな」
ベルトルト「…はは… そんなに出した覚えは無いよ…」
ベルトルト「じゃあね、ユミル おやすみ」
ユミル「おう」
――ザッザッザッ
ユミル「」キョロ
ユミル(もう追いかけてくる奴はいないな…)
ユミル(多分、野生の動物か何かが近くに居て… 私の勘違いかなんかだったんだろ)
ユミル(寝るか…)
翌朝
ユミル「」ファア
ユミル(結局あの後布団には入ったが… 寝た気がしねえ…)
クリスタ「おはよう、ユミル!」
ユミル「ん?あぁ、クリスタか… おはよう…」
クリスタ「あれ?ユミル眠たいの?」
ユミル「あぁ… ちょっとな…」ファア
クリスタ「もう、夜更かしはダメだよ!」プウッ
ユミル「わーってるよ」
クリスタ「そういえば、今日の午前は座学の小テストあるよね?」
ユミル「あっ …忘れてた」
ユミル(昨晩といい、今日といい最悪だな…)
ユミル「スマンが後で範囲見せてくれないか?」
クリスタ「もう、ユミルってば仕方ないなあ…」
ユミル「流石真面目なクリスタさんだな」ワシワシ
クリスタ「もう、子どもじゃないんだから頭撫でないで!」
ユミル「もっと撫でてやる!」ワシワシワシ
ユミル(そういえば…)ジッ
ユミル(よく考えたら昨日追いかけられたのがこいつじゃなくて私じゃなくて良かった)
クリスタ「? ユミルどうしたの? 私の顔に何かついてる?」
ユミル「いや…」
ユミル「…しいて言うなら目とか鼻とかならついてるな」
クリスタ「当たり前じゃない!」
ユミル(もしもクリスタをストーキングするような輩が居たら容赦しねえ…)
ベルユミかと思った?
残念!
…まあ取り敢えず話がもう少し進んでから
教官「あ、そこの訓練兵二人」
ユミル「はい」ケイレイ
クリスタ「おはようございます、教官」ケイレイ
教官「おはよう」
教官「ちょっと後で二人で今日の座学の新しい教科書を運んで欲しい」
クリスタ「座学の… ですか」
教官「ああ」
教官「今日の小テストの後に新しい教科書を使って勉強するからな」
ユミル「解りました」
教官「教科書は教官室の横にあるから 宜しく」
ユミル「…だってよクリスタ」
クリスタ「104期生全員に配るって事だよね… 結構な量だよ」
ユミル「まあ後で見に行くか」
ユミル「先ずは朝飯食いに行こう 話はそれからだ」
クリスタ「うん」
――――――
―――――――――
―――――――――――――
教官室横
ユミル「…これか?教官の言ってた教科書は…」
クリスタ「うーん…そうじゃないかな…」
ユミル「一冊分薄すぎだろ…」
クリスタ「ユミル!紙だって貴重なものなんだから!」
ユミル「判ってるが…こんなの一人で運べるだろ…」
ユミル(何にクリスタに運ばせるとか、納得行かねえ…!)
ユミル「クリスタ」
クリスタ「何?」
ユミル「これ私一人で運べるわ」
クリスタ「えっ でも…」
ユミル「気にすんな!」
ユミル「こんな量、私で楽々運べるよ」
クリスタ「ユミル…」
ユミル「ま、まだ少し始まるまでに先に座学の小テストの範囲の勉強しておこうぜ!」
クリスタ「うん…」
クリスタ「…ごめんね、ユミル」
ユミル「気にすんなって言ってるだろ!!」
―――――――――――――
―――――――――
――――――
ユミル「あー…マジでわかんねえ…」
クリスタ「もう!しっかり教官の話聞いておかなきゃいけないでしょ!」
サシャ「でも解らないものは解らないですよー…」
ユミル(何処から沸いて出たこいつ)
クリスタ「サシャも! 居眠りばかりするから座学の小テストの点数悪いんでしょ!」
サシャ「そうは言いましても…眠気には勝てませんよ」
ユミル「あっ、やべ もうこんな時間」
ユミル「ちょっと頼まれたやつ取ってくるわ」
サシャ「頼まれたやつとは?」
クリスタ「新しい教科書を運んで欲しいって教官に言われて」
サシャ「うぇえ…そんなのいりませんよ…」
クリスタ「本当に大丈夫?ユミル」
ユミル「ああ、クリスタはそこの芋女の勉強でも見ておいてくれ」
――カツカツカツ
ユミル「」ハァ
ユミル(小テストか… なんでそんなもんあんのかな…)
――カツカツカツ
――タッタッタッ
ユミル「!!?」
ユミル(これって、昨日の…!)バッ
シイン...
ユミル(くそ、この廊下、隠れられるような柱がありすぎるんだよ!!)
ユミル(マジでありえねえ…)
ユミル(しかもさっきみたいに二人の時じゃなくて私一人の時に狙うとか…!!)
――カツカツカツ
――タッタッタッ
ユミル(落ち着け私、こんな事じゃ動じないだろ…?)
ユミル(…それに誰もが使う廊下なんだ 他人の足音の一つや二つ、日常茶飯事だろ…?)
ユミル(でも、私が一人の時に狙うのは頭のいいやり方だな さっきみたいにクリスタが一緒の時だったら絶対に犯人を見つけてやるがな)
――カツカツカツ
――タッタッタッ
ユミル(私だって面倒事は嫌いなんだ、ユミル様の懐が広い所に免じて許してやる…)
取り敢えず一旦ここまで
ユミル攻めはいいよね
あっ
先ほど「ベルユミかと思った?残念!」とは書き込みつつ
どうするか迷ってます
終着点は決まってますが
おおうちょっと目を離したスキに…
流石に全員の意見には添えないな… すまん(´・ω・`)
更新はまた明日
それでは投下
CP云々は自分の気紛れだ許せ
ユミル「…取り敢えず、教官室横に来たが…」キョロキョロ
ユミル(人の気配は依然として無し、か)
ユミル(隠れるのが上手いこった)
ユミル(思案してる暇があるなら、さっさと戻るか)
ユミル「よい、せっと」
ユミル(うおっ 予想以上に重え…)
ユミル(サシャでも連れて来るべきだったか?)
ユミル(まあどちみち、あいつ誘っても乗り気にならないだろうし)
ユミル(それを見たクリスタが『私が行く』っつっても嫌だったしな)
ユミル「しかし、もうすぐ卒団だと言うのに、新しい教科書とか…」ブツブツ
ドンッ
ユミル「うおっ!?」バサッ
ユミル「誰だ!!気を付けやがれ!!」
ベルトルト「ったた…」
ユミル「!?」
ユミル(おい、またこいつかよ…)
ユミル(…いや気のせいだ、偶々って事もある)
ベルトルト「そっちこそ気を付けてよ!」
ユミル「…」
ベルトルト「ユミル?」
ユミル「」ハッ
ユミル「な、なあ、ベルトルさん。なんでここに居るんだ…?」
ベルトルト「え、なんでと言われても、教官にちょっと呼ばれて…」
ユミル「教官に?」
ベルトルト「う、うん」
ユミル(…あり得なく無いな…何しろ教官室が近くにあるんだからよ)
ユミル(しかし、なんでこいつが呼ばれるんだ? サシャやコニーみたく悪さをするような奴ではねえしな…)ジッ
ベルトルト「…ねえ、僕もう行ってもいい?」
ユミル「あ、ああ…」
――――――
―――――――――――
―――――――――――――――
夜・女子寮
ユミル(あぁあ、あの朝の一件の後怖くてずっとクリスタと一緒に居た… 情けねえ話だ)
ユミル(…しかし犯人は誰だ?)
ユミル(…どうしてもベルトルさんを疑っちまう)
ユミル(しかしあいつがあそこに居たのは正当な理由があった)
ユミル(…それに、昨日も考えた通り私をストーキングする理由が思いつかねえ)
ユミル(もしかして…バレたか?)
ユミル(…嫌私が巨人だとバレてあいつになんの得がある? 無い筈だ)
ユミル(それか…何か恨みを買ったか?)
ユミル「…あーもう解んねえ!!」
クリスタ「どうしたの?ユミル?」
ユミル「クリスタ…」
ユミル(ああ、こいつはいつどんな時でも私を癒してくれるな…)
クリスタ「なんだか解んないけど、今日はユミルと一緒に居る時間が多かった気がするな」
クリスタ「ふふ、嬉しい」ニコッ
ユミル「おう、そうか」
ユミル(あぁ、天使だ、女神だ)
ユミル(あと1ヶ月もしないうちに卒団なんだ 我慢すればいい)
ユミル(こんな所まで来て私は諦めたく無いからな)
――――――
―――――――――――
―――――――――――――――
それから暫く
私へのストーキングは続いた
相も変わらず誰かと一緒に居るときはされなかったが…
だから私は大抵クリスタと過ごした
ただやむを得ず私が1人で居る時だってある
そういう時は毎回ストーカーが現れる訳ではなく
3回に1回ほどの割合でストーキングされた
.
ただ…
…探しても探しても、犯人は見つからないし
有力な人も見つけられない
クソッ なんてすばしっこいんだ!
だからか自然に犯人にベルトルさんを疑うようになってしまった
初めてストーキングをされてから3週間が経ち、
もう卒団まで1週間と迫っていた
ユミル「あーああ…」
ユミル(まーた1人になっちまった…)
ユミル(クリスタは『ちょっと用事』って行ってどっか居なくなっちまったし、女子の皆は話してるし)
ユミル(…暇、だな…)
サシャ「ゆーみる!」
ユミル「ん、なんだ?」
サシャ「今日の女子の馬に水汲む係りってユミルとクリスタじゃありませんでした?」
ユミル「…あ」
ユミル(すっかり忘れてたな…)
サシャ「行かないんですか?」
ユミル「いや、行かないも何もクリスタが一緒なんだから別に一緒に行っても…」
サシャ「行かないんですか?」
ユミル「だからクリスタと…」
サシャ「行かないんですか?」
ユミル「…」
ユミル「わーったよ!行けばいいんだろ行けば!!」
ユミル(なんだよ! いつも係りの仕事をサボりがちなサシャをからかってる仕返しかよ!)
ユミル(クソッ こっちの気もしらないで!)
――ザッザッザッザッ
――タッタッタッタッ
ユミル(――おい、ふざけんな)
ユミル(こんな時にかよ、笑えてくるな…)
ユミル「はは…」
――ザッザッザッザッ
――タッタッタッタ
――ザッザッザッザッ
――タッタッタッタッ
ユミル(最悪だ)
ユミル(もう止めろ、気が狂いそうになる)
――ザッザッザッザッ
――タッタッタッタッ
ユミル(お願いだ、止めろ)
ユミル(犯人見つけたらぜってえブッ殺す)
――ザッザッザッザッ
――タッタッタッタッ
ユミル(だから、だから…!!)
ユミル「」ハァッ...
ユミル(取り敢えず、井戸までたどり着いた…)
ユミル(井戸か…こんな時は思い出すな…)
ユミル(最初のストーカーも、こんな夜の、この井戸の事だったか…)
ユミル(何処だ、何処に居る…?)キョロキョロ
ユミル(私をコケにしやがって…)
「ユミル!」
ユミル「」ビクッ
ベルトルト「奇遇だ、またここで出会ったね」
ユミル(嘘だろ…)
ユミル「おい、やめろ…笑えない冗談はよせ…」
ベルトルト「え?」
ユミル「なんだ…?面白いか…?」
ベルトルト「い、一体何の事…」
ユミル「しらばっくれんな!!」
ユミル「何が目的だ!こそこそせずにはっきり言え!!」
ベルトルト「え、えっと…」
ユミル「……なんでもいいからよ……」
ユミル「もうやめてくれ……」
ベルトルト「ちょ、ちょっとどうしたのユミル!?」
ユミル「ふざけんな!お前がっ…」
クリスタ「ユミル!」
ユミル「クリスタ…!」
クリスタ「どうしたのユミル!」
ユミル「いや、なんでもねえ…」
クリスタ「ねえベルトルト、ユミル一体どうしたの?」
ベルトルト「いや、あの…」
クリスタ「ねえって」キッ
ベルトルト「えっと…」
クリスタ「…もういい、私達は夜の馬に水やる仕事があるから」
クリスタ「ね?行こ、ユミル…」
ユミル「」コクリ
ザッザッザッ
ベルトルト「…」
ライナー「おーい、ベルトルトー……ってどうしたんだ黄昏て…」
ベルトルト「ライナー、実は……」
―――――
―――――――――――
――――――――――――――――
取り敢えず一旦ここまで
夜にまたあげにくる
次で完結したい
本命:俺
対抗:ベルトルト
単穴:クリスタ
連下:ライナー
大穴:ユミルの民(亡霊)
皆予想ありがとう
こっから完結目指す
犯人解ってもお口ミッフィーだと嬉しい
女子寮
クリスタ「大丈夫?ユミル」
ユミル「ああ… なんかスマン…」
クリスタ「ううん、気にしないで」
ユミル(クリスタに弱音は見せたくないが、もう限界だ)
ユミル(私の弱さを許してくれ)
ユミル「…なあクリスタ、聞いて欲しい」
クリスタ「ん?どうしたの?」
ユミル「…実は私、誰かにストーキングされてるんだ…」
クリスタ「!?」
クリスタ「嘘…!」
ユミル「嘘じゃねえ」
クリスタ「もしかして…ベルトルト?」
ユミル「いや、それは解らん」
ユミル「…だが、そんな気がするんだ」
ユミル「何だよ!私が一体何をしたっていうんだよ!!」
クリスタ「お、落ち着いてユミル…!」
ユミル「嫌いなら嫌いで正々堂々やってくれよ…! 私だってセコい事はするが、こんな陰険な事ばかりされたら気がおかしくなる…!」
クリスタ「ユミル…」
ユミル「あと1週間の辛抱なんだ、それは解る、解るが、もう嫌だこんなの…」
クリスタ「…」
クリスタ「」ギュッ
ユミル「!」
ユミル「クリ、スタ…」
クリスタ「ゴメンねユミル、私全然気がつかなくて…」
ユミル「いや、私こそこんな弱音吐いてスマン…」
クリスタ「いいの、そんなの」
クリスタ「それよりもなんでもっと早く言ってくれなかったの!」
ユミル「すぐ終わるだろうと思ったんだ」
ユミル「それに…お前に心配かけたくなかったんだ…」
クリスタ「ユミル…」
ユミル「…すまんなクリスタ、私の弱音に付き合ってくれて…」
クリスタ「ううん、大丈夫」
クリスタ「いつでも私に相談してね」ニコッ
ユミル「クリスタ、お前のそういう所好きだぜ」
ユミル(いつでもって、もうすぐここ卒団してしまうがな…)
クリスタ「私も好きよ、ユミル」
ユミル「さあ寝ようか 明日も授業があるからな」
クリスタ「」コクン
ムニャムニャ
オニクー ウーン
ユミル「…」
ユミル(一体犯人は何を考えている?)
ユミル(この卒団間際になって私をストーキングして、何のメリットがあるっていうんだよ)
ユミル(あぁあ、マジで解らん…)
ユミル(というか犯人は本当にベルトルさんなのか?)
ユミル(さっき井戸で会った時の様子、図星とかそんなようには思えなかった…)
ユミル(…でも、やっぱりこうああいうのの後に会ったら疑っちまう…)
ユミル(ともかく、犯人の目的が解らん)
ユミル(金か?それとも私の体か?)
ユミル(このどちらかだといい。 金はあまり持ってねえが、体だったら幾らでもくれてやる)
ユミル(ただ… どうか私を恨んでストーキング…なんて理由はやめてくれ)
ユミル(もしそのストーカーがそんな理由でつけるなら… もし、相手が殺したいほど憎んでるなら…)
ユミル(せめて襲うのは、卒団の後にしろ)
ユミル(私はここまで、あいつ――クリスタを内地の安全な所までやる為に頑張ってきたんだ)
ユミル(あいつが憲兵団に入るまで安心して見送れねえ)
ユミル(ましてや、ここで襲われて… 死にはしないと思うが、巨人だとバレてしまったら…)
ユミル(私が卒団出来なかったら)
ユミル(私の苦労が水の泡だ…)
ユミル(一体どうすればいいんだ…)
―――――
―――――――――――
――――――――――――――――
何故か
この日を境に私へのストーキングがエスカレートした
出来るだけ人と一緒――特にクリスタと一緒に居たかったが
お互い卒団の準備やらでそう簡単にいかなくなった
前まで3回に1回のストーキングが
1回に1回の割合になった
.
だが、犯人は襲ったり、何かを要求したりはしない
それどころか、姿さえ見せない
なんだ? なんなんだよ
そうこうしているうちにいつの間にか卒団式前々日になっていた――……
.
ユミル「」ファア
ユミル(キース教官が慌ただしく走ってら…)
ユミル(…教官は卒団の準備で色々忙しいみたいだな)
ユミル(だから今日の午後の訓練は無い)
ユミル(そして明日は正式に上位10位名が発表される)
ユミル(ま、発表されなくても皆なんとなく解ってるがな)
クリスタ「ゆーみるっ」
ユミル「どうしたクリスタ」
クリスタ「今から皆で鬼ごっこしよって」
クリスタ「ユミルもやらない?」
ユミル「鬼ごっこ、か…」
ユミル(明後日は皆別れるしな…そりゃ、最後に遊びたいゎだろう)
ユミル(だが…)
ユミル「スマン、私はパス」
クリスタ「えぇー…」
ユミル「ちょっとそこで昼寝してくるわ」
>>74
誤:ユミル(最後に遊びたいゎだろう)
正:ユミル(最後に遊びたいんだろう)
ユミル(…最近ストーカーが気になって十分に寝れない)
ユミル(それに、私が無防備な姿を見せてりゃ、襲ったりするかも知れないがな)
ユミル(本当の犯人を――ベルトルさんか否か知る最後のチャンスなんだ)
ユミル(最後にクリスタと遊びたいのはやまやまなんだが…)
ユミル「すまんな、クリスタ」
クリスタ「ううん」クビフリ
クリスタ「じゃあ、遊んでくるね」
ユミル「おう、いってら」フリフリ
ユミル「えっと…」キョロキョロ
ユミル「この木辺りが寝心地が良さそうだ」
ユミル「」ファア
ユミル「さて、ひと眠りするか…」
ユミル「……」zZ
ユミル「」zZ
――ダッ...ダッ...
ユミル(ん…? 足音か…?)
――ダッダッダッダッ...
ユミル(鬼ごっこかと思ったが、此方に近づいてくる…)
ユミル(きっと犯人だ、違いねえ!)
ユミル(けちょんけちょんにやってやる!!)
――ダッダッダッダッ
ユミル(――今だ!!)
ユミル「誰だっ!!?」ガバッ
ベルトルト「うわぁああぁっ!!」
ユミル「なっ…!」
ベルトルト「きゅ、急に起き上がらないでよ!!」
ユミル「やっぱりお前か!!この前はしらばっくれた態度とりやがって!!」
ベルトルト「えっ!?だ、だからなんの話だってば!!」
ユミル「ふざけんな!!こそこそして!!」
ユミル「一体何が目的かはっきりしろ!!」
ベルトルト「何がって、こっちが聞きたいよ!!」
ユミル「あぁ?なんだよ?蹴られたいか?殴られたいか?」
ベルトルト「ち、ちょっと胸ぐら掴むな!」
ユミル「今さら知らないとでも……」
ユミル(…ん?あれ…?)
ユミル「…」パッ
ベルトルト「」ゼーハー
ベルトルト「この間から君は……」
ユミル「…なあ」
ベルトルト「ん?」
ユミル「ちょっともう一回走ってくれないか?」
ベルトルト「え?」
ユミル「だーかーら!!もう一回私の前で走れって行ってんだよ!!」
>>80
誤:ユミル「走れって行ってんだよ!!」
正:ユミル「走れって言ってんだよ!!」
誤字ばかりですまない
ベルトルト「い、一体なんで…」
ユミル「いいから走れ!!」
ベルトルト「は、はいぃ…!!」
――ダッダッダッダッ
ユミル(やっぱり!)
ユミル(私を追いかけた時の足音と全然違う!)
ベルトルト「…もういい?」
ユミル「ああ」
ユミル「スマンなベルトルさん 鬼ごっこの邪魔した」
ベルトルト「いや、…うん大丈夫だよ」
ユミル「じゃあ」
――ザッザッザッザッ
ユミル(足音がベルトルさんのとストーカーのとが違った…)
ユミル(…私が外を走ってもこんな音が出る ベルトルさん…ほどはいかないが重量感のある音だ)
ユミル(…だが、犯人の足音は軽やかだった…)
ユミル(犯人はベルトルさんじゃない 私よりも小柄な…)
ユミル(クソッ一体誰なんだ…!)
――――――――――――――――
―――――――――――
――――
夜
ユミル(結局、犯人は解らずじまい、か…)
ユミル(あれが最後のチャンスだと思ったんだが…)ハァ
ユミル(そうだ、最後と言えばクリスタとゆっくり話せるのも今夜が最後かも知れない)
ユミル(クリスタに内地に行くように薦める話を今夜しよう)
ユミル(大丈夫だ クリスタは絶対10位に入ってる 私の仕事は完璧だった)
ユミル(ただ、泣くなよ、自分…)
ユミル「クリスタ」
クリスタ「何?」
ユミル「話がある ちょっとこっちに来て欲しい」
クリスタ「話って?」
ユミル「明日上位10名発表で、その後どの兵団にするか決めるよな?」
クリスタ「うん」
ユミル「お前は内地の…憲兵団の所に入れ」
クリスタ「!? えっ…!」
クリスタ「ど、どうして…」
ユミル「お前なら10位に入ってる筈だからな」
ユミル「だって内地だと安全だろ? お前が安全でやっていくと私も嬉しいからな」
クリスタ「じゃ、じゃあユミルも…!だ、だってユミルは私より成績良いもんね…!」
クリスタ「だから一緒に憲兵団に入ろう?」
ユミル「私は…多分10位には入ってねえよ…」
クリスタ「な、なんで…?」
ユミル「なんでって… はは、まあ色々あるんだよ、私にはな…」
クリスタ「どうして…」
ユミル「どうしてって…そりゃ…」
クリスタ「なんで?私と同じ兵団に入りたくないの?ずっと一緒に居れると思ったのに?困った時は相談に乗ってって言った時、肯定したのに、それも嘘だったの?1週間前に『好きだ』って言ったのは嘘だったの?ユミルは私に愛想をつかしたの?それとも私の事が嫌いだったの?私はユミルを凄く凄く愛しているのに、どうしてそんな意地悪言うの?私を嫌いにならないでユミル、嫌いになったら私死んじゃうよ」
ユミル「」
ユミル「え?
え?」
クリスタ「ねえユミル、私の事好きよね?」
ユミル「も、勿論だ」コクリ
クリスタ「だったら一緒の兵団に行こう? 私ユミルが一緒だったら憲兵団じゃなくても、駐屯兵団でも、調査兵団でもいいわよ」ニコッ
ユミル「お、おう…」
ユミル(何故だ いつもの笑顔なのに…笑顔が怖い)
ユミル「で、でもだな?」
ユミル「私はお前を憲兵団に入れたいんだ、だから…!」
クリスタ「ユミル、…酷い」ポロポロ
ユミル「」ギョッ
ユミル「な、泣くなよクリスタ!!」
クリスタ「だってユミルが酷い事言うから!やっぱり私の事嫌いだったんだ!!ずっと見守ってたのに!!」
ユミル「ち、違う、嫌いじゃ…」
ユミル「ん?」
ユミル「お、お前、見守ってたって…」
クリスタ「ユミルが1人の時、私ユミルの後ろから見守ってたのよ ユミルが誰かに襲われたりしないように」
クリスタ「たまにしか大丈夫かなって思って時々しか見守ってなかったけど『ベルトルトにストーカーされてる』って聞いてから毎回大丈夫か見守ってたんだよ」
クリスタ「気がつかなかったでしょ?」ニッコリ
ユミル(いや『気がつかなかったでしょ』って… おい
おい)
ユミル(そうか、クリスタ…お前が犯人だったのか…)
ユミル(疑ってすまんかった、ベルトルさん…)
クリスタ「ね、ユミル?私の事好きなら一緒の兵団に入ってくれるよね?」
ユミル「」コクコク
クリスタ「良かった…!有り難うユミル!!大好き!!」
ユミル「わ、私も大好きだぞ…?クリスタ…」
ユミル(なあクリスタ… 私、予想以上にお前の愛が強すぎて…私…この1ヶ月で一番混乱してるぞ…)
~終わり~
番外編①
クリスタ「…もういい、私達は夜の馬に水やる仕事があるから」
クリスタ「ね?行こ、ユミル…」
ユミル「」コクリ
ザッザッザッ
ベルトルト「…」
ライナー「おーい、ベルトルトー……ってどうしたんだ黄昏て…」
ベルトルト「ライナー、実は……」
ライナー「ん?どうしたんだ?」
ベルトルト「最近、なんだかユミルに凄く嫌悪されてる気がするんだ…」
ベルトルト「さっきだって訳も無く怒鳴られたし…」
ライナー「なんじゃそりゃ」
ライナー「何か心当たりはあるか…?」
ベルトルト「全然 ただ、最近ちょくちょくユミル一人の所ばったり会うなあってだけで」
ベルトルト「特におかしい事は…」
ライナー「そ、そうか…」
ベルトルト「相手が誰であろうと、意味も解らないまま人に怒鳴られるとちょっと悲しくなるね…」
ライナー「気を落とすな きっといい事あるさ…」
ベルトルト「有り難うライナー」
ベルトルト「あとクリスタに睨まれた これも訳が解らない」
ライナー「それはご褒美だろ」
ベルトルト(えっ?)
.
番外編②
ユミル「そういえば、なんでベルトルさんはあの時教官に呼ばれてたんだ…?」
ユミル「あと、クリスタも呼ばれてたし… うーん…」
サシャ「あれ?ユミル、あなたは呼ばれてないんですか?」
ユミル「ああ なんだサシャ お前は呼ばれたのか?」
サシャ「呼ばれたって… そりゃ上位10名全員呼ばれたみたいですし」
サシャ「なんか卒団したら何処の兵団にするか、って聞かれて、憲兵団薦められましたよ」
ユミル「ああ、成る程、勧誘か…」
サシャ「憲兵団は狭き門とは言え、その分入団者数が少ないですからねえ…」
.
このSSまとめへのコメント
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