翁「金の竹から赤ん坊を拾った」媼「私は川で大きな桃を拾ったよ」(169)

翁「マジでか」

媼「アンタこそ、マジでか」

翁「そんなデカい桃とか食えるのか?そもそも腐っておらんのか?」

媼「イヤ、それより赤ん坊を拾ってきたアンタの方が問題だろう」

赤子「おぎゃー」

翁「いやしかし、あんな場所で赤ん坊一人で置いとくわけにはいかないだろう。それに金の竹じゃぞ」キンキラリーンッ

媼「アラ、綺麗」

翁「それより、腹が減った。その桃を食べよう」

媼「そうですね、食べましょうか」ギラッ

ザシュッ

赤子2「危ないなオイ」

媼「あれまあ、桃の中からもう一人赤ん坊が」

赤子1「それより、早く桃を食べましょう」チョコンッ

赤子2「ああ、そうだな。と言う訳で、お世話になります」

翁「どうぞどうぞ」

数年後
翁「私達は竹から産まれた赤ん坊をかぐや姫、桃から産まれた子供を桃太郎と名付けた」

媼「かぐや姫は数年でみるみると大きくなり、桃太郎よりも大きくなった」

翁「しかし……」


子供1「やーい!化け物!」ポイッ

かぐや姫「痛いっ」ドテッ

子供2「成長速度がおかしいんだよ!」ポイッ

かぐや姫「止めて下さいっ」

桃太郎「かぐや姉様に何をするんだっ!」ドンッ

子供1「げっ!桃太郎!」

子供2「逃げろー!」スタコラサッサー

桃太郎「おととい来やがれっ!」ペッ

かぐや姫「ありがとう、桃……」ニコッ

桃太郎「へへっ……///」

翁「桃太郎とかぐや姫は実に仲の良い姉弟として、健やかに育っていった」

媼「しかし、その二人にも別れの時が来るのだった……」


桃太郎「都に鬼……ですか?」

翁「そうじゃ。その鬼達は人々を襲い、金や食べ物、酒を喰らい、女子用の召し物を盗るそうじゃ」

かぐや姫「まあ、怖い……」

媼「それで、桃太郎や。お前に天皇から鬼の討伐命令が下ったんじゃ」

桃太郎「えっ?俺がですか……?」

かぐや姫「そんなっ!何故に桃がそんな危険な事を……!?」

翁「桃太郎は子供でありながら、他の大人よりも強い。だから、天皇様は桃太郎に鬼の討伐命令をお下しになったのじゃ」

媼「嫌なら、断っても良いんじゃぞ……?」

桃太郎「…………」

桃太郎「俺……行くよ」

かぐや姫「桃……!」

深夜
かぐや姫「どうしても……行くのですか?」

桃太郎「ああ……。大人より強い俺が天皇に頼まれたんだ。断れないよ」

桃太郎「それに、都を荒らす鬼を放って置く事は出来ない」

かぐや姫「貴方は正義感の強い子ですからね……」

桃太郎「すまない、姉様。爺様と媼様を頼む」

かぐや姫「分かりました……。だけど、約束をして下さい」

桃太郎「……はい?」

かぐや姫「一つ、朝、昼、晩にちゃんと食事をとる事。二つ、剣の稽古を欠かさない事。三つ、何があっても女子には手を上げない事。四つ、人様に迷惑を掛けない事」

かぐや姫「五つ……。必ず、生きて帰ってくる事……。出来ますね?」

桃太郎「ああ…。約束するよ」スッ

かぐや姫「約束ですよ?」スッ

桃・かぐ「「指切りげんまん、ウソついたら針千本のーばすっ、指斬った!」」

明朝
翁「準備は良いのだな?」

桃太郎「ああ」

媼「さ、このきび団子と『童子切安綱』を持って行くんだよ」

桃太郎「ありがとう、媼様」ギュッ

媼「ああ…桃太郎」ギュッ

翁「達者でな……」ウルッ

桃太郎「行ってくるよ、翁様、媼様……」

かぐや姫「桃……」

桃太郎「姉様……」

かぐや姫「………」ギュッ

かぐや姫「約束……、守って下さいね……」

桃太郎「ああ……!」

かぐや姫「いってらっしゃい」ニコッ

桃太郎「行ってきます」ニカッ

道中1
桃太郎「さて、鬼ヶ島へと向かうとするか……」テクテク

ザザッ

桃太郎「何奴っ!」

?「桃太郎だな……」

桃太郎「如何にも……」スッ

?「御覚悟……!」ダッ

桃太郎(抜刀術か……!)

ガキィィィンッ!

桃太郎「くっ…!」ググッ

?「お見事……」ググッ

ちゃきんっ

桃太郎「何故、引くんだ?」

?「申し訳ない。鬼を討伐しようとする、桃太郎と言う漢の腕前を一度拝見したかったのだ」

桃太郎「お前は一体……?」

犬「犬だ」ワオンッ

桃太郎「何で、犬が俺の腕を確かめる必要がある?」

犬「腹が減って、誰でもいいから、通りかかった奴の身ぐるみを剥ごうと思った」

桃太郎「は?」

犬「間違えた。鬼は強いと聞く。ならば、私に負けるような漢では太刀打ちできない。だから、試したのだ」

桃太郎「あ、そうなのね」

犬「だが、私の神速の初太刀を受け止めるとは……み……ご…と……」ガクッ

桃太郎「オイッ!大丈夫か、犬っ!」ダキッ

犬「く……っ」

ぐ~~

犬「腹……減ったよ………」

桃太郎「………きび団子、食べるか……?」

>>10
マジでか。俺、今まで針千本伸ばすって今まで言ってしまってたわ………。

ハリセンボン「ちょwww痛いってwwww千切れるから!引っ張っんないでwwwwwwww」

ハリセンボン「伸びちゃうぅぅぅぅwwwww」

…ブチィッッ

犬「いやー食った食った」マンプクッ

桃太郎「媼様のきび団子は上手かっただろう?」

桃太郎(本当はかぐや姉様に作って貰いたかったけど、料理下手だからな~)

犬「借りが出来てしまったな。桃太郎殿」

犬「と言う訳で、私も鬼討伐の命、共に預かろう」

桃太郎「そうか、ありがとう。お前は強そうだから、頼りに出来るな」

犬「任せておけ、桃太郎殿」

桃太郎「桃太郎殿ってちょっと堅苦しいな……」

犬「じゃあ、桃ちゃん?」

桃太郎「………」

犬「では、鬼ヶ島へと向かうか、桃ちゃん」トコトコ

道中2
桃太郎「でぇぇい!!」キンッ

犬「遅いっ!」キンッ

桃太郎「だぁぁっ!」ザンッ

犬「遅いっ!」ペチッ

桃太郎「ハアハアハアハア……」アセダク

犬「どうしたのだ、桃ちゃん。いきなり剣の稽古をつけてくれとは」

桃太郎「鬼を討伐するんだ。剣の稽古は必要だろう?」ハアハア

かぐや姫『二つ、剣の稽古を欠かさない事』

桃太郎(姉様との約束は守らなきゃな……)

犬「さて、そろそろ休憩でもするか」

桃太郎「きび団子でも食うか」

猿「お~イイねぇ~~そのきび団子ぉ~」

犬「何奴ッ」ポイッ

桃太郎「コラッ!きび団子を投げるな!」

猿「遅いよぉ~」シュンッ

犬「私より速い………!」

猿「アンタも中々のスピードだけどぉあっしのスピードを捕えるには遅いよぉ~」パクパク

桃太郎「いつの間に、きび団子を……」

犬「貴様、何者だ?」

猿「猿だよぉ~」

犬「そうか、私は犬だ」

犬「そして、コイツが桃ちゃんだ」ユビサシッ

桃太郎「今、鬼ヶ島へと鬼討伐へと向かっている最中だ」

猿「よろしくねぇ~もっさん~」

犬「猿よ、貴様は何か用か?」

猿「あっしはねぇ~暇つぶしをしたいんだよぉ~」ウキー

猿「だからねぇあっしも鬼ヶ島に付いてっていいかなぁ~?」

桃太郎「そんな暇つぶしで危険な旅に連れて行く訳には……」

犬「よかろう」

桃太郎「ナニィ!?」

猿「ありがとねぇ~」

桃太郎(どういうつもりだ、犬)コソコソ

犬(動機はどうあれ、あのスピードは戦力になる。一人でも多くの強い仲間が必要だろう?)コソコソ

猿(そ~いう事だねぇ~~)コソコソ

犬「と言う訳で、仲間に加えてやろう。猿よ」

猿「よろしくねぇ~」

桃太郎「何故に貴様が仕切る」

道中3
桃太郎「もう、12時か。昼にしよう」チラッ

犬「ならば、きび団子だ」

猿「きび団子で有名なのは岡山だよぉ~」

キーーーーンッ

桃太郎「何の音だ?」

猿「おやおや、何の音だろうねぇ~」

犬「くんくん、敵襲だな」

キィィィィィィィィンッ!!!

犬「全員っ散開!」シュバッ

桃太郎「グハッ!!」バコーンッ

猿「遅いよぉ~」シュバッ

犬「何奴ッ!」

雉「HEY、HEY!YOU達!殺されたくなきゃ、身ぐるみ置いてきなっ!BABY!」キーンッ

猿「雉だねぇ~」

KIZI「雉じゃねぇ!KIZI様だっ!」キーンッ

桃太郎「貴様、辻斬りか」ガバッ

KIZI「YES!BOY!身ぐるみを置いてくんだな!出来れば、そのきび団子を貰おうか!」

桃太郎「欲しいのか、きび団子?」

KIZI「いえ~~~す!」

桃太郎「それなら、やるよ」ポイッ

KIZI「マジでか!」

桃太郎「ああ、マジだ。きび団子なら沢山あるからな」

KIZI「じゃあ、お言葉に甘えて……」

シュバッ

猿「猿に蹴られたことは~あるかぁ~い?」

KIZI「ない!」キッパリ

バコーーーンッ!

桃太郎「あ」

KIZI「」ピクピクッ

犬「捕虜を確保だ」

桃太郎「オイ、なにも蹴る事は無かっただろ。きび団子をやれば、万事解決だったのに」

猿「その前に辻斬りと認めてたよぉ~」

犬「悪・即・斬!」

桃太郎「お前ら……。KIZI大丈夫か?」

KIZI「Oh……No……」

犬「桃ちゃん、コイツは空からの奇襲に使える。お供に加えよう」

桃太郎「そうだな……。だが、俺は怪我したKIZIをこのままに放って置く訳にはいかないだけだからな」

KIZI「アンタ……」

桃太郎「悪かったな。俺のお供が」クルクルクル

猿「KIZIって油で揚げたら、唐揚げになるのかねぇ~」

KIZI「オイ、アンタ。名は?」

桃太郎「桃太郎だ」

KIZI「そうか……ピーチBOYか……」

桃太郎「そんな事、一言も言ってない」

KIZI「ピーチBOY……。アンタは恩人だ。俺はアンタに付いて行く」

犬「よかろう」ワオンッ

猿「歓迎するよぉ~」ウキー

KIZI「テメェらにゃ絶対付いてかねぇ」キジー

桃太郎「それじゃあ、これから宜しく頼むよ。KIZI」

KIZI「ちゃんと借りは返すZE」




翁「こうして、三匹のお供を手に入れた桃太郎は、鬼ヶ島へと向かうのであった」

媼「しかし、桃太郎の行く手に沢山の苦難があると知らずに……」


桃太郎「ハアッハアッハアッ…あそこに見えるのが鬼ヶ島……か……」パチャパチャッ

犬「桃ちゃん、泳ぎ方ががなってないぞ。犬かきはこうするのだ」バチャバチャ

桃太郎「うおぉぉぉぉぉっ!」バチャバチャバチャッ

猿「まさか、船が壊れるとはねぇ~」シュコーシュコー

KIZI「テメェは何、海猿になってんだよ」キーーンッ

猿「あっしは用意周到なだけでさぁ~」シュコー

桃太郎「よ、鎧が重い……!沈むぅ……!」バチャバチャッ

KIZI「お、もうすぐで鬼ヶ島だZE!」キキーンッ

犬「もう少しだ。頑張れ、桃ちゃん」バチャバチャ

桃太郎「俺、頑張る!」バチャバチャッ

桃太郎(俺は生きて、姉様の許へと帰るんだ!海で溺死する訳にゃいかない!)

>>30

黄猿の猿真似をする猿です。

鬼ヶ島
桃太郎「やっと……着いたぁ……」ハァハァ

犬「ブルブルッ」ブルブルッ

KIZI「オイ、こらっ!水を散らすなっ」

猿「インターホンがあるねぇ~」

桃太郎「押すなよっ絶対にまだ押すなよっ!」ハァハァ

猿「はいなぁ~」ポチッ

ピンポーン

鬼『はい?』ガチャッ

猿「こちら、鬼討伐に来たもっさん御一行でぃ。開けてくれるかなぁ~」

鬼『どうぞー』

ガチャッ

子鬼「いらっしゃーい」トコトコ

猿「おじゃまするよぉ~」

犬「すんなり、開いたな」

桃太郎「何してくれてんだぁ!!」

子鬼「ねえ、トーバツってどーいういみ?」キョトンッ

KIZI「遊びに来たって事だZE。BOY」

子鬼「そーなんだぁ」

猿「結果オーライでさぁ~」

桃太郎「何だかなぁ」

犬「坊や、大きな鬼いさん達が居るのは何処かな?」ワオンッ

子鬼「このつうろをいきあたりまでいって、みぎ、ひだりってまがったところにあるよ」ユビサシッ

犬「ありがとうな、坊や」ペロペロ

子鬼「どーいたしまして、わんわん」ニヒヒ

桃太郎「お礼にこのきび団子をやろう」スッ

子鬼「ありがとー」

KIZI「GOODBYE、BOY!」

子鬼「じゃーねー」フリフリ

通路
桃太郎「う~ん…」テクテク

犬「どうした、桃ちゃん?」トコトコ

桃太郎「いや、鬼って、皆大きくて、悪い奴ばっかだと思ったが、さっきの子みたいな、純粋な子供もいるんだなって」

KIZI「そりゃ、鬼って言っても生き物だからな。色んな奴もいるし、子供もいるだろうよ」キーンッ

猿「鬼は鬼だけどねぇ~」

桃太郎「もし、あんな鬼が他にもいたら、話し合いで解決できないものだろうか……」

犬「戦わずして勝つのが兵法の基本ではあるからな」

猿「取り敢えず、入ってみれば分かるでしょうよぉ~」

桃太郎「そうだな、開けるぞ」ギィ

ゴゴゴゴゴッ

ガヤガヤ

桃太郎「おおぉっ」

鬼1「あ、人間だ。人間と犬と猿と雉が居るぞぉ!」

鬼2「今夜のパーリィのメインディシュか?」

鬼3「そうなのか!」

海賊鬼「野郎共ォォォ!!晩飯が来たぜぇぇぇ!!!」

子分鬼「アニキー!」

影鬼「………食……」

柴鬼「黙して、食せいっ!」

ハンマー鬼「チェストオォォォォォォ!!!」

氷鬼「オッニゴーwwww」

猿「色んな鬼がいっぱいだねぇ~」

犬「話し合いは……」

桃太郎「無理だな……」

KIZI「OH~NO~」

犬「これから、鬼を掃討する!猿とKIZIは鬼のかく乱!桃ちゃんは私と共に鬼を薙ぎ払う!」

猿「取り敢えず、任せてくだせぇ~」ピョンピョンッ

KIZI「まあ、仕方ないか」キーンッ

鬼1「待てー!飯ー!」ガオー

猿「捕まえてみなさいってぇ~」ピョンピョンッ

鬼2「待てー!唐揚げー!」ガオー

KIZI「そこはFRIEDCHICKENだろ?」キーンッ

犬「うむ、上手く鬼をかく乱させてるな。では行くぞ、桃ちゃん」チャキッ

桃太郎「何故にお前が指揮をとる」

犬「古流・追風!」ダダダダッ

ザンッ!

鬼3「ぐあぁぁ」グサッ

桃太郎「凄い中二病じみた技名だな」ザンッ

犬「失礼な。れっきとした、実在する技だぞ」ザシュッ

鬼4「強いぞ、コイツ等!」

ハンマー鬼「ここは儂が行こう」ドンッ

犬「む、強そうな奴が出てきたな」

ハンマー鬼「チェストオォォォ!!!」

ブンッ!

桃太郎「うわっ」ヒョイッ

犬「あんな大きな鎚を振り回すとは、相当な腕力だな」

ハンマー鬼「避けたか。まずは満足」ブンッ

犬「だが、大振りだから、攻撃の後は隙が大きい。ならば、攻撃の後を狙えばいい」ヒョイッ

犬「総切り!(4刀目の横切りだけ)」ザンッ

ハンマー鬼「うおぉっ!」グラッ

バタンッ!

犬「この鬼は図体が大きいから、膝を狙えば、身体を支えきれず跪く。勝負ありだ」

桃太郎「犬、スゲェ」

KIZI「目を突いてやるZE!」ツンツン

海賊鬼「おわっ!止めやがれいっ!俺は片方眼帯なんだ!」


猿「猿の速度で蹴られたことはぁ~あるかぁ~い?」ヒュンッ

影鬼「………無い……」シュンッ

バコーーンッ!

影鬼「グォ……!」バコーンッ

猿「遅いよぉ~」

影鬼「……影……猿に負ける……」ガクッ


柴鬼「情けない奴らよ。たかが獣にやられるとは……」

桃太郎「都を荒らす、悪い鬼は俺が倒す!」ザンッ

ガキィィンッ!

柴鬼「小童……黙して戦え……」ググッ

桃太郎「分かった」ググッ

桃太郎「…………」ザンッ

柴鬼「………」バキッ

桃太郎「………!」ビックリ

柴鬼「……………」オノヲブンッ!

桃太郎「………!!」ヒョイッ

柴鬼「…………」ヤルナ

桃太郎「…………」アンタモナ

桃太郎「…………」ツギデキメル

柴鬼「…………」コイ、コワッパ

桃・柴「「………………!!!」」バキィィィィンッ!!!

柴鬼「…………ッ!」ガクッ

柴鬼「…………」ミゴト

桃太郎「……………!!」ヨッシャァッ!

犬「何か、喋れ」

鬼5「か、幹部鬼が全員やられたぁ!!」

氷鬼「オニゴッォォォッ!?」ガーンッ

桃太郎「これで、強そうな鬼は全部倒したな」

犬「後は無視して鬼の大将さえ討ち取れば、この命は完了だ」

猿「あっしはまだ、暴れたいよぉ~」

KIZI「ま、さっさと終わらせようや」


奥の間
大将鬼「………何の音だい……?」

側近鬼1「い、いえ、晩餐会の途中で人間の童と獣が攻め込んできたみたいで……」アセアセ

大将鬼「…ヘェ…人間かぁ……。食べたら美味しいんだろうねェ……」ペロッ

側近鬼2「ええ、きっと美味でしょう……」

大将鬼「なら……行くとするか……」

側近鬼1「なっ!危険ですっ!今、幹部鬼達が仕留めておりますから、しばしお待ちを!」アセアセ

大将鬼「お黙りっ!」バシッ

側近鬼1「アァンッ……///」ビシッ

大将鬼「アタイは早く、その人間を食べたいんだ。邪魔をするでない」

側近鬼2「恐らくもう幹部鬼達が、仕留めておいででしょう……」

大将鬼「今から楽しみだよ……」ジュルリ

カツーンッカツーンッカツーンッ

ハンマー鬼「こ、この足音は……!」

海賊鬼「嫌な予感しかしないから、俺は隠れるぜっ!」

柴鬼「逃げる気かっ!小童!」

影鬼「………逃走……」

桃太郎「何だ、奥から誰か来るのか?」

犬「恐らく、敵の大将だろう。心してかかるぞ」

猿「猿山の大将だねぇ~」

KIZI「おっ、お出ましだ……ZE……?」

大将鬼「オイ、幹部鬼達が仕留めてるんじゃなかったのか…?ピンピンしてるじゃないかい……」

側近鬼2「あっその……私もそう思ってたのですが……っ」アセアセ

大将鬼「言い訳は聞きたくないよッ!」バシッ

側近鬼2「ハアァンッ……///」ビシッ

ハンマー鬼「お、お嬢……!」

桃太郎「お…女子だとぉっ!?」

KIZI「WOW!色っぽいムチムチチャンネーじゃねぇか!」

鬼女「どーいう事だい?コレは……?幹部鬼達!」ビシッ

ハンマー鬼「……お嬢…これには…訳が………」

鬼女「お嬢じゃない!女王様とお呼びっ!」

鬼女「サァ、こっちに来て、四つん這いになりな」

柴鬼「仕方あるまい……」ザッ

鬼女「海賊鬼が居ないねェ……まぁ、いいか……」

ハンマー鬼「坊ちゃんめ、逃げよったわ」ザッ

影鬼「………激怒……」プンプンマル

鬼女「サァ…皆四つん這いになったね。お仕置きの時間だよ……」ビシッ

ビシッバシッビシッ!

柴鬼「ウオォォ……ッ…激しい攻めよ……///」ビシバシッ

ハンマー鬼「クッ………まずは満足…///」ビシバシッ

影鬼「………喜………///」ビシバシッ

海賊鬼「ほら、言わんこっちゃねぇ……」コソッ

鬼女「ホラホラッ!何か言い訳でもあるかいっ僕共ッ!?」ビシバシッ

桃太郎「見た目年齢はかぐや姉様と同じくらいか……」

犬「オッサン共の喘ぎ声なんぞ誰得だろうか…」

猿「楽しそうだねぇ~」

KIZI「女王様タイプか…。イイじゃねぇか!」

幹部鬼「」ピクピクッ

鬼女「サア、次はアンタ達だよ……。いっぱいシゴいてやるよ……」ペロリッ

KIZI「喜んで!」

桃太郎「じゃねぇだろ!」ペシッ

犬「しかし、女子相手は好都合。直ぐに勝負をつけてくれる」チャキッ

猿「あんまり、歯応え無いと、つまらないよぉ?」

KIZI「ま、俺等だけで十分だろ」

桃太郎「待てっ!油断はするなっ!」

犬猿KIZI「「「たりゃあぁぁぁぁぁ!!!」」」

鬼女「ケダモノが相手かい?イイよ、来な」ビシッ

ヒュンヒュンヒュンッ

犬「当たるかっ!」シュンッ

猿「遅いよぉ~」ピョンッ

KIZI「当たりたい気もするが、しょうがねぇな!」キーンッ

鬼女「ケダモノがヤるねぇ~。だけど……」

鬼女「鞭が一本だけって何時から思ってた?」ビシッ

桃太郎「っ!気を付けろっ!」

バシッビシッバシンッッ!!

犬「ぐあぁっ!」バシッ

猿「おぉ~、効くねぇ~」ビシッ

KIZI「キタァァァッ!!」バシンッ

鬼女「サア、ケダモノたち……。アタイの前で、尻を向けて四つん這いになりな……」ペロッ

犬「な、何だ……身体が…!」ザッ

猿「言う事を利かないねぇ~」ザッ

KIZI「キタコレッ!」ザッ

桃太郎「お前ら……!女子に尻を向けるとは、はしたないぞ!」

犬「違うっ!桃ちゃん、身体が勝手に……」

鬼女「そう……。アタイの鞭を浴びた者は、皆アタイの僕となるの……」

猿「そういう事だねぇ~」

KIZI「早くっ!早く引っ叩いてくれェェェッ!!!」

鬼女「サアッ!イくよっ!!」ブンッ

ビシッバシッバチンッ!!

犬「こ…コレハァ……///」ビシッ

猿「イイねぇ~~」バシッ

KIZI「もっと!もっと羽を毟って引っ叩いてくれ!女王様ァァァァッ!!!///」バチンッ

鬼女「ホホホッ!所詮強くてもケダモノはケダモノねぇ!」ビシバシッ

KIZI「もっと!もっと言ってくれェェェ!!!///」

桃太郎「む、ムゴい……」

鬼女「サア…次はメインディシュを頂こうじゃないか……。ネェ?坊や……?」ペロリッ

桃太郎「俺には帰りを待ってくれる人達が居るんだ。ここでやられる訳にはいかない!」チャキッ

鬼女「イイねぇ……。気に入ったよ。存分に苛めてアゲル」

鬼女「アンタ達!手ェ出すんじゃないよ!アタイの獲物だ!」ビシッ

モブ鬼「ヘイッ!お嬢!」

鬼女「だから、女王様とお呼び!コイツみたいに!」ユビサシッ

KIZI「早く!早くしてくれっ!女王様ァァァァッ!!!」

鬼女「サア、かかって来なさい、坊や」ヒュンヒュンヒュンッ

桃太郎「…………」チャキッ

桃太郎(奴は鞭を弐本使う…。迂闊に近づいたら……)チラッ

KIZI「放置プレイは止めてくれぇぇぇ!!!」

桃太郎(ああなる……)

鬼女「来ないなら、こっちからイくよッ!」ブンッ!

桃太郎(ならば、俺はコイツの動きを読み、大きく躱して……)ヒョイッ

鬼女「マダマダァ!!」ブンッ!

桃太郎(躱して……)ヒョイッ

鬼女「猪口才な!」ヒュンヒュンッ

桃太郎「(躱して躱して躱して躱し続けて……)ヒョイヒョイッ

鬼女「逃げてるばっかじゃ勝てないわよ、坊や!!!」ヒュンヒュンヒュンッ

バチィィィンッ!!

鬼女「しまった!鞭がッ!」

桃太郎「弐本の鞭が絡まったところを狙うッ!!!」ダッ

鬼女「やられる……!」バッ

桃太郎「貰ったぁぁぁっ!!!」ブンッ

桃太郎「っ!」ハッ

鬼女「………ッ!」ビクッ

鬼女「………?」オソルオソル

桃太郎「……っ」ピタッ

犬「何をしている!桃ちゃん!」

桃・鬼女「「ッ!」」ハッ

桃・鬼女「「……!」」シュバッ

鬼女「な、何のつもり……?いきなり、攻撃を止めるなんて……」

桃太郎「…………」

かぐや姫『三つ、何があっても女子には手を上げない事』

桃太郎(かぐや姉様との約束……。だが、相手は鬼の大将…!俺は……)グッ

鬼女「何を考えてるの……?アタイをナメてるのかい…?」

桃太郎「…………」グッ

鬼女「何か言いなさいよっ!!」ビシッ!

桃太郎「チッ…」キンッ

鬼女「マダ攻撃は終わってないよ!」バシッ!

桃太郎「……クッ」ヒョイッ

バコオォォォォン!

猿「岩が壊れたねぇ~」

犬「あの女子……。さっきより、力が篭っているな…」

鬼女「このっ!このっ!このぉぉぉっ!!!」ブンッブンッブーンッ!!!

桃太郎「……危なッ」タッタッタッ

鬼女「逃げるなッ!!」

桃太郎「そんな無茶な事……!」

鬼女「いい加減に避けないでよぉぉっ!」ブンッ

ぽーんっ

鬼女「あ…っ」

桃太郎「……!」

犬「桃ちゃん!今度こそ攻撃しろ!」

桃太郎「…………ッ」グッ

猿「完全に戦意喪失してるねぇ~もっさん」

桃太郎(やはり、俺は…一己の武士として…かぐや姉様との約束は破れん……っ)

鬼女「……だから……アンタは……」フルフル

鬼女「何を考えてるのよぉぉぉぉぉっ!!!」ブンッ!!!

桃太郎「………ッ!」バッ

バゴォォォォォォンン!!!

ガラガラガラッ!

モブ鬼「お嬢!岩が……!」

鬼女「………あっ」

桃太郎「っ!危ないッ!」バッ

鬼女「えっ…?」


ドンガラガッシャアアアァァァァン!!!


モブ鬼「お嬢ぉぉぉぉっ!!!」

犬「桃ちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

KIZI「女王様ぁぁぁぁぁっ!!!ピーチBOOOOOOY!!!」

猿「二人とも、生き埋めかねぇ~」




鬼女「………んっ…」ムクッ

鬼女「あ、アタイは………。ッ!あ、アンタッ!」

桃太郎「………くっ」ズキッ

鬼女「アンタ、まさかアタイを庇って……?それに、攻撃もしてこなかった……。何で…?」

桃太郎「………ウッ…。俺には……ッ、女子は斬れん……!」

鬼女「お、女子……ッ!?///」

鬼女「お、女子って、アンタ。アタイは女子以前に鬼だよっ!?何色気づいてんのさっ!?///」

桃太郎「鬼だろうと、人間だろうと、女子に手を挙げれん……。そういう事だ……」

鬼女「それじゃあ、今アタイがアンタを食っても、文句はないんだね……?」

桃太郎「……さあな」

鬼女「………」チャキッ


ガラガラッ

モブ鬼「お、お嬢が出てきたぞっ!!」

犬「桃ちゃんはっ!桃ちゃんは無事なのかっ!?」

鬼女「………重い…」ズシッ

桃太郎「……ハアハア……」グタッ

猿「どうやら無事みたいだねぇ~」

KIZI「HEY!ピーチBOY!女王様におんぶしてもらってるなんて羨ましいじゃねぇかYO!」

桃太郎「くっ……」ドサッ

犬「桃ちゃんっ!クソ、身体がまだ動かん……っ」

鬼女「………」

モブ鬼「さすがは、お嬢だ!さっさとその人間を食っちまおうぜ!」ダラッ

鬼女「………」

桃太郎「オイ、アンタ……。何でアンタ等は都を襲う……?」

鬼女「それは人間たちが……!」

鬼女「………アタイも、小さい時は普通の村娘だった」

桃太郎「……!元は人間だったと言うのか……?」

鬼女「そうさ。だけど、ある時、アタイは野生の鬼に嚙まれて鬼の血が混じっちまった。その時から頭にヒョコッと角が出てきたんだ」

鬼女「それ以来、アタイは鬼の子として人間から怖がられた………。それからアタイは人間を恨み、食べてきた……」

鬼女「鬼の世界は弱肉強食。強い奴が上に立つ。アタイは努力して強くなり、今の地位にいる」

鬼女「アタイが大将になってから、鬼に都を襲わせた。復讐の為にね……」

桃太郎「…………」

桃太郎「すまなかった……」

鬼女「な、何で、アンタが謝るのサ!アンタが謝ったって…アタイは……!」

桃太郎「俺達、人間がアンタを苦しめてたんだ……。謝るのは当たり前だろ……?」

鬼女「アンタ、バカだろ?」

猿「バカだねぇ~」

桃太郎「うるせぇ……」

桃太郎「……本当にすまなかった…」

鬼女「………」

モブ鬼「なあ、お嬢!さっさとコイツを食っちまおうぜ!」

鬼女「………オイ」

モブ鬼「へいっ!」

鬼女「都に居る鬼共を今直ぐ呼び戻せ」

モブ鬼「へいっ!……え?」

モブ鬼「マジッスか!?」

鬼女「マジでだ。さっさとしな」

モブ鬼「わ、分かりやしたっ!」ダッ

桃太郎「良いのか……?」

鬼女「ああ…。もういいや」スッ

パチンッ

犬「っ!お、身体の自由が利くようになったぞ」ワオンッ

猿「みたいだねぇ~」ウキー

KIZI「ちょっと残念だZE……」キジー

鬼女「お前らも解放してやるよ。後、もう人間は襲わないようにするよ」

桃太郎「マジでか」

鬼女「海賊鬼、居るんだろ?出て来な」

海賊鬼「チッ、バレてやがったか」ヒョコッ

鬼女「コイツ等を陸へと送ってやりな」

海賊鬼「良いぜ、乗りな。人間さんと獣さんたちよ」

犬「恩にきってやろう」

桃太郎「ありがとう、鬼女さん」

鬼女「ウルサイッ!さっさと行けっ///」

猿「おやおやぁ~これはたまげたねぇ~」





鬼ヶ島港
桃太郎「オイ、こんなに宝を貰っていいのか?」

鬼女「気にするな。アタイからの謝罪だ。黙って受け取りな」

桃太郎「アンタって、中々良い『人』だな」

鬼女「~~ッッ///バカ言うな!アタイは鬼だよっ!」

KIZI「宝物は全部まとめたZE~」

猿「ピカピカだねぇ~」

犬「では戻るか」

桃太郎「天皇様には鬼の討伐の必要なしとでも伝えとくよ」

鬼女「そうして貰うと助かるよ」

桃太郎「世話になったな、鬼女さん」

鬼女「……じゃあな」


海賊鬼「よっしゃ!野郎共!出航だッ!!!」

子分鬼「アニキー!」

子鬼「わんわん、バイバーイ!」フリフリ

モブ鬼「もう二度と来るなよー!」

鬼女「桃太郎……か…」ギュッ

子鬼「ねえ、おねーちゃん。おあおがまっかだよ?」

鬼女「な、何でもないよ……っ///」

取り敢えず、鬼ヶ島編は終わりました。てか、ただの改正版桃太郎でしたね。

次はやっと、かぐや姫編です。ぶっちゃけ、このSS自体、タダの桃太郎とかぐや姫の話を掛け合わせ+αな感じにするつもりです。つまらなくてゴメンナサイ。

何だか過疎ってる気がしますけど、頑張って終わらせます。だけど、今日は寝ます。おやすみなさい。

船上
翁「桃太郎は鬼達と和解し、陸へと戻る事へとなった」

媼「しかし、帰って来た桃太郎に待ち構えているのは、非常な現実であった」


海賊鬼「オイ、お客さん達よ。もう直ぐ、丘に到着するぜ」

桃太郎「そうか。ありがとう」

犬「長かったな」

桃太郎「そうだな……」

猿「約60レスでさぁ~」

KIZI「メタ発言はSTOPだZE」

ザザザァ
海賊鬼「着いたぜ、お客さんよ」

犬「宝物は荷車に乗せて行こう」

桃太郎「世話になったな」

海賊鬼「世話になったのはこっちの方だぜ。やっとあのお転婆嬢ちゃんから解放されて自由に航海出来るってもんよ!」

桃太郎「アイツもそれ程悪い奴では無かったよ」

海賊鬼「そう伝えとくぜ。多分顔を真っ赤にして喜びながら鞭を振り回すだろうけどなっ」

桃太郎「じゃあな。鬼女さんに宜しく言っといてくれ」

KIZI「女王様にKIZI LOVE YOUって伝えといてくれ」

犬「子鬼に宜しく頼む」

猿「あっしは何も伝えなくて良いでさぁ~」

海賊鬼「じゃあな」

桃太郎「また会えると良いな」

ガラガラガラッ

海賊鬼「俺も久しぶりに丘に上がったから、ついでにサヤカんトコでも顔を出すとするか」

子分鬼「ヒューヒュー!アニキー!」

海賊鬼「バッ……///アイツとはそんなんじゃねぇっ!///」

桃太郎「ところで、お前達はどこまで付いてくるのだ?」

犬「私は特に行く当てもないからな。取り敢えず桃ちゃんに付いて行く事にした」ワオンッ

猿「あっしはただ暇つぶしが出来たらどこでもいいでさァ。今はもっさんと居たら暇が出来ないから一緒にいるよぉ~」ウキー

KIZI「俺はピーチBOYに恩があるから、一応お供するZE?」キジー

桃太郎「家で、三匹も凶暴な獣を養えるかな…?」



桃太郎「帰って来た……」ザッ

犬「ここが桃ちゃんの村か。田んぼがいっぱい、畑もいっぱい。自然もいっぱい。良い所だな」

KIZI「じーさんがいっぱい。ばーさんもいっぱい。チャンネーいない。おっぱいいっぱい…じゃないな。残念」

猿「相変わらずの変態だねぇ~」

桃太郎「家に行こう」

自宅
ガラッ
桃太郎「ただいま帰りましたっ!姉様ッ!」

しーんっ

桃太郎「…………アレ?」

犬「留守か?」

桃太郎「居間はっ!?姉様ッ!」バンッ

猿「居ないねぇ~」

桃太郎「風呂場はっ!?かぐや姉様ッッ!!!クソッ!居なかった!」バンッッ!

KIZI「SHIT!期待してたのにっ!ところで、お姉さんは美人?」

桃太郎「めっさ、美人だぞ」

桃太郎「ってそれどころじゃない!姉様!翁様!媼様!皆何処に行ったんだっ!」

猿「夜逃げでもされたかねェ~」

桃太郎「バカ言うな!姉様達が俺を置いて夜逃げなんて……」

ガラッ

Mr.近所のジジイ「おやおや、騒がしいと思ったら桃太郎ではないか。帰って来たのか」ヨボヨボ

桃太郎「Mr.近所のジジイ!大変なんだ!姉様達が家に居ない!」

Mr.近所のジジイ「ああ、その事で、お前さんに伝言を頼まれとったんじゃ」スッ

桃太郎「こ、コレは……!」






都の豪邸
桃太郎「聞いてない!」ドンッ

翁「すまんのぅ。何せお前さんが旅に出た後で連絡も取れんかったからのぅ」

媼「だから、Mr.近所のジジイに伝言を頼んでおいたじゃろ?」

桃太郎「だからって、帰ったら誰も居なくて、いきなり『金が儲かったんで、都に引っ越しました。後からキテネ♪』って言われたら誰だって文句の一つは言いたいですよ……」

桃太郎「そもそも何でいきなり儲かったんですか?」

翁「話したことがあるじゃろ?かぐや姫を拾った時の事を……」

桃太郎「ああ…姉様を金の竹の中から見つけて連れて帰ったって言う……」

媼「その時の金の竹がな、通りすがりの商人に売ってくれと言われてな、売ってみたら、お金がガッポガポ」

翁「今後の生活を快適にする為に、都に移り住む事にしたんじゃ」

犬「成る程な。それでこの豪邸か……」

翁「そちらは?」

犬「私は桃ちゃんの旅のお供をしていた、犬と申します。以後、お見知りおきを」ペコッ

猿「猿だよぉ~」ウキー

KIZI「I AM KIZI!出来れば、このピーチBOYのお姉さんのHUSBANDにして下さぶわぁぁぁっ!」バコーンッ

桃太郎「誰が姉様を鳥にやるかッ!!ってそう言えば、かぐや姉様は?」

翁「あ、ああ……。かぐや姫なら今……」

大広間
かぐや姫「……………」キラキラッ

貴族1「の!」

貴族2「ヒャッハー!」

貴族3「お静かに」

仲人「では、自己紹介を」

貴族1「マロは貴族1だ、の!趣味は蹴鞠だ、の!かぐや姫もマロと蹴鞠ろう、の!」

貴族2「貴族2だなっしー!よろしくだなっしー!ヒャッハー!」

貴族3「私は貴族3・パロ・ウル・ラピュタ。ラピュタ王の末裔である」

かぐや姫「か、かぐや姫です…。どうぞよろしく……」ペコリッ

かぐや姫(どうしましょう……。翁様達に言われて仕方なくお見合いをしてみましたけど、変な人ばかりです……)

貴族1「かぐや姫!早く蹴鞠うの!の!の!のぉぉぉ!」

貴族2「何で貴族1はそんなに顔が白いなっしー?何で貴族2はメガネをしてるなっしー?」

貴族3「言葉を慎みたまえ。君らはラピュタ王の前にいるのだ」

かぐや姫(見た感じ、皆様パッとしませんね……。年上みたいですし、桃みたいな可愛さも、力強さも感じません…)

貴族3「かぐや姫、服をお持ちしました。流行りの服は嫌いですか?」

かぐや姫「い、いえ……」

貴族2「ヒャッハーー!」ドタバタ

貴族3「ええい!うるさいぞ、君達!」

貴族1「何ならそち等もマロと蹴鞠るかの?」

貴族2「いいなしね!皆一緒に蹴鞠るなっしー!」

貴族3「貴族3殿も蹴鞠ろうの!そんな黒いメガネを掛けてたら鞠がよく見えないの!のけるの!」チャッ

貴族3「か、返したまえ!」

貴族2「梨汁ブシャー!」ブシャーッ

貴族3「あ~あ~目がぁ~目がぁ~!!」ドタバタ

かぐや姫(と、止めた方がいいのでしょうか……っ?)

貴族3「貴族3殿も蹴鞠ろうの!そんな黒いメガネを掛けてたら鞠がよく見えないの!のけるの!」チャッ

修正↓
貴族1「貴族3殿も蹴鞠ろうの!そんな黒いメガネを掛けてたら鞠がよく見えないの!のけるの!」チャッ

数字を間違えました。ゴメンナサイ。

よく見たら、>>75のセリフも番号が違ってました。
「何で貴族1はそんなに顔が白いなっしー?何で貴族2はメガネをしてるなっしー?」
の台詞も
「何で貴族1はそんなに顔が白いなっしー?何で貴族3はメガネをしてるなっしー?」
に修正します。
本当に間違えてばっかでゴメンナサイ。

仲人「あ、あの……それで見合いの話は……」

貴族3「そうだった。かぐや姫。私と結婚しましょう。そしたら、ラピュタの力は貴方と私のものです!」

貴族1「駄目だの!かぐや姫はマロの奥さんになってマロと蹴鞠るの!」

貴族2「貴族2と結婚すれば毎晩梨汁、飲めるなっしー!ヒャッハー!」

かぐや姫「あ、あの…。出来れば、婚約条件を出したいのですが……」

貴族3「なんなりと」

かぐや姫「では……貴族1様は、『プレイステーション3』を…」

貴族1「『ぷれいすてーしょんすりー』か、の?」

かぐや姫「貴族2様には『戦国無双4』を…」

貴族2「『せんごくむそうふぉう』なしか?」

かぐや姫「貴族3様には『ipad air』を……」

貴族3「『あいぱっど えあー』ですか?」

かぐや姫「その三つの物を私に持って来て下されば、婚約の事は考えましょう……」

貴族1「ののの……。ぷれいなんとかと言う珍妙な名前の物を持って来れば、結婚してくれの?頑張るの!」ダッ

貴族2「せんごくむそうふぉうって物を持って来ればいいなしね?入ってくるなっしー!ヒャッハー!」ダッ

貴族3「あいぱっどえあー…名前からして、南蛮の物か……?よし、船を出すぞ!」ダッ

ダッダッダッ……

かぐや姫「…………はあ…」

かぐや姫(思わず、頭の中に浮かんだ謎の単語を言ってしまいました……。これで良かったのでしょうか…)

かぐや姫「それにしても桃は、今は何処でしょうか……」スタッ

かぐや姫「すみません。少し部屋で休みます」

女房「はい、かしこまりました」

テクテクテク
かぐや姫「やはり、このお着物は、慣れないですね……」

ガヤガヤ

かぐや姫「あら?誰か居るのでしょうか?」

『あー。身体中がボロボロだな……。岩の下敷きになったんだ。当たり前だろう』

かぐや姫「っ!この声は!」

スパーーーンッ
かぐや姫「桃!帰ってきたのですね!」

桃太郎「かぐや姉様!」パァ

かぐや姫「ああ……っ良かった……。私、心配していたのですよ?」

桃太郎「俺も、家に帰ったら誰も居なくて心配してたんだ……。しかもこっちに来たら姉様が見合いをしてるって言われて……」

かぐや姫「ごめんなさい……。桃に黙って住居を変えてしまったり、勝手に見合いもして……」

桃太郎「それで、その…見合いは……?」

かぐや姫「た、多分……婚約はしません……」

桃太郎「……………よかった…」ボソッ

かぐや姫「何か言いました?」

桃太郎「い、いえ……!」アセアセ

かぐや姫「それで、桃?約束は守ってくれました?」

桃太郎「ああっ!ちゃんと、ご飯も食べてたし、剣の稽古も欠かさなかったし、女子にも手を挙げなかった」

桃太郎「人様に迷惑もかけてないし、それに……こうやって生きて帰って来た」

かぐや姫「ふふっ。そうですものね。桃は約束をちゃんと守れる良い子ですものね」ナデナデ

桃太郎「へへっ……///」

犬「成る程な。それで桃ちゃんは鬼女に攻撃をしなかったのか……」

猿「仲の良い姉弟だねぇ~」

KIZI「俺の予想を遥かに超えていた……!女王様とはまた違う美しさ……。清楚系の絶世の美女……!」フルフル

かぐや姫「あら?こちらの方々は?」

桃太郎「ああ、コイツ等は、俺の……」

KIZI「わたくし、KIZIと申します!貴方様がこのピーチBOYの姉上様のかぐや姫ですねっ?かく言うっわたくし、このピーチBOYのマブダチで……。それで、出来ればお近づきの印に、今夜いっぱあぁぁぁぁっ!!!」バコーンッ!

桃太郎「テメェは姉様に何を言っとんじゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」

かぐや姫「こら、桃!お友達を蹴るものじゃ、ありませんよ」ペチッ

桃太郎「は、はい……。スイマセン……」ショボーンッ

犬「私は桃ちゃんの旅のお供をしていた、犬と申します。以後、お見知りおきを」ペコリッ

猿「あっしは猿だよぉ~」ウキー

かぐや姫「これは、ご親切にどうも。私は桃太郎の姉のかぐやと言います。弟がお世話になったようで……」ペコッ

かぐや姫「あ、桃。よく見れば貴方……身体中が傷だらけですよ?衣装も所々破けてます……」

桃太郎「あ、これは……」

かぐや姫「桃……衣装を脱いで、肌を私に見せなさい」

今夜はここまで。
おやすみなさい。




桃太郎「ア……ッ姉様……っそこは……っ」ビクッ

かぐや姫「じっとしていなさい。直ぐに良くなりますから」サワッ

桃太郎「そんな事……ッ言われても……ッ」ビクビクッ

かぐや姫「こらっ!動いては駄目よ……。じっとしてて……。私に全部委ねなさい……」ネチョッ

桃太郎「か…かぐや姉様……」

かぐや姫「それじゃあ……」ヌリッ


桃太郎「イダアァァァァァァァァァッッ!!!」ズキーンッ


かぐや姫「す、すみませんっ!傷薬が沁みました?」

桃太郎「だ、大丈夫………」

かぐや姫「そうですか……。後で衣装も縫ってあげますからね」ニコッ

KIZI「あーあ。途中までの文面だけならR18TIMEっぽかったんだけどな」

犬「何を期待してたのだ、貴様は?」

猿「二次創作の近親相姦は燃えるんだけどねぇ~」

桃太郎「あ~~」

桃太郎(姉様の掌…ひんやりしてて、柔らかいなぁ……。微妙に手つきが妖艶だし……)

桃太郎(正直、勃ちそう……!)ムクッ

かぐや姫「……………」ヌリヌリ

かぐや姫(桃……。少し見ない間に逞しくなりましたね……。あんなにぷにぷにしていた身体も背筋や胸筋、腹筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋……全てにおいてガチガチに堅くなっています……)

かぐや姫(これが殿方の身体と言うものなのでしょうか……?)キョトンッ

桃太郎「ふぁぁ~~」アクビー

かぐや姫「あら?桃、眠たいのですか?」

桃太郎「あーうん……。今になって旅の疲れがどっと来たみたい……」ウツロ

かぐや姫「それはいけませんね。膝をお貸ししますから、少し横になられては?」トンッ

桃太郎「それじゃ……お言葉に甘えて……………Zzz……」

かぐや姫「ふふっ……」ナデナデ

かぐや姫(身体は逞しくなっても、こういうところは変わりませんのね…)

桃太郎「……むにゃ……ねえさま……」

犬「もしかして、我々はお邪魔だろうか……?」

猿「すっかり二人だけの空間が出来てるしねぇ~」

KIZI「SHIT!PRINCESS,かぐやを攻略するには、ピーチBOYを敵に回さなきゃいけねぇか…。強敵だZE……」

犬「よし、我々は物凄くお邪魔のようだ。早々にこの屋敷から出るとしよう」グイッ

KIZI「離せっDOG!俺はピチピチチャンネーを手に入れるならNTRも辞さねェェェ!!!」ジタバタ

猿「少し黙ろうねぇ~」ゲシッ

KIZI「ガフッ……」ガクッ

かぐや姫「あ、お待ちになって!」

犬「どうかされましたか?」

かぐや姫「貴方達、宿はありますこと?」

猿「無いねぇ~」

かぐや姫「もし良ければ、家で暮らしませんか?」

犬「良いのですか?お邪魔になるのでは……?」

かぐや姫「大丈夫ですよ。このお屋敷は広いですし、前の暮らしでは獣なんて周りにいっぱい居ましたし……」

かぐや姫「なにより、貴方達は桃を支えてくれたご友人方ですもの」ニコッ

犬「忝い」ペコッ

猿「かぐさん、よろしくねぇ~」

KIZI「」

かぐや姫「ふふっ。こちらこそ、よろしくお願いしますね」

かぐや姫「あら?貴方達も少し汚れてるみたいですね。後で皆毛繕いをしてあげましょう」

KIZI「ぜひ!身体の隅々、羽の隅々、手とり足とりお願いしますっっ!!!」ガバッ

猿「もう少し寝てなよぉ~」バキッ

KIZI「ゴエェッ!」バコーンッ

かぐや姫「あらあら。桃のご友人は賑やかな方々です事」クスクス

桃太郎「……Zzz……ねえさまぁ………」

犬「騒々しくて、申し訳ない。しかし、桃ちゃんはこの騒ぎの中でよく寝ている。安心しきっているようだ」

犬「旅の中ではこのような顔を見たことが無い」

かぐや姫「あら、そうですの?」

犬「はい。少なくとも旅の中では、子供ではなく、一己の武士であろうとしていました。剣の稽古も怠らず、女子には自分が傷つこうとも、最後まで手を挙げなかった」

犬「それも、貴女との約束を守るためだったのでしょう」

かぐや姫「そうですか……。桃………」ナデナデ

桃太郎「………ねえさまぁ………」ムニャムニャ

犬「その桃ちゃんが今、こうやって年相応な子供の顔をしている。それほど桃ちゃんには貴女の傍がとても心地良いのです」

犬「旅の中でも、桃ちゃんの中では貴女の存在は大きな心の支えだったのでしょう……」

かぐや姫「ふふっ……。桃……なんて、可愛い子……」ナデナデ

犬「…………フッ」スッ

かぐや姫「あら、どちらへ?」

犬「少し、外の風に当たってきます。今日は月が綺麗だ。良い酒が飲めそうですよ」

かぐや姫「あまり、お酒の飲み過ぎたら身体に悪いですよ」

犬「ええ、自重します」

テクテクテク

犬「良かったな、桃ちゃん……。今は存分に旅の疲れを愛しき人の前で心休めると良い……」

桃太郎「……ねえさまぁ…………Zzz……」ムニャムニャ

かぐや姫「………ふふっ……桃……」ナデナデ

かぐや姫『桃ーー!』フリフリ

桃太郎『かぐや姉様ーーー!』タッタッ

ぎゅむっ

桃太郎『かぐや姉様ぁ』ギュー

かぐや姫『あらあら、今日は何時になく甘えん坊さんね』ナデナデ

桃太郎『へへ……///』

かぐや姫『ふふっ』

桃太郎『姉様。俺、誰にもどんな男にも姉様を渡したくない!』

桃太郎『だから俺は弟じゃなくて、一人の男として姉様と一緒にいたいんだ!』

かぐや姫『…………』

桃太郎『姉様?』

かぐや姫『ごめんなさい……』

桃太郎『え?』

かぐや姫『もう私は貴方の『姉』でも『女』でもいられない……』

かぐや姫『さようなら……』

桃太郎『さようならってどういう事だよ!姉様!』

かぐや姫『…………』スタスタ

桃太郎『姉様!何処に行くの!?行かないでよ!姉様ッ!かぐや姉様ぁぁぁぁ!!!』





桃太郎「ハッ………」

かぐや姫「スースー……」

桃太郎「姉様……」

桃太郎(そっか……。俺、疲れて姉様の膝枕で寝てたんだ……)

かぐや姫「スースー……」

桃太郎(姉様、寝てる……)

桃太郎(改めて見るとやっぱり美人だなぁ……。色白で唇もふっくらしてて……。何よりいい匂い……)

桃太郎(お香で焚いた香りじゃなくて姉様の自然な匂い……)スンスン

桃太郎(もっと近くで……)スー

かぐや姫「………んん…」

桃太郎「ゲッ///」ビクッ

かぐや姫「んん……っ……桃?」パチッ

桃太郎「………………ッ////」

かぐや姫「おはよう、桃。って言っても、もう夜ですけどね。よく眠れましたか?」ニコッ

桃太郎「えっあーうん!よく眠れた!」ムクリッ

かぐや姫「そう、よかった」ナデナデ

桃太郎「姉様、ごめん。ずっと膝枕してて辛くなかった?」

かぐや姫「いえ。ずっと膝の上で桃の温もりを感じれたのですもの。辛くなんかなかったですわ」

かぐや姫「それに、私にとっては桃が傍に居ない日々の方が辛かった……」

桃太郎「かぐや姉様……///」

かぐや姫「さ、桃。もう夜分ですから床に就きなさい。眠れればですけど」

桃太郎「流石に、すぐ寝るのは難しいかな……」

かぐや姫「ふふっ……。そうですね」

桃太郎「姉様はどうするの?」

かぐや姫「私は自室で詩でも詠んでいます」

桃太郎「そう……」

かぐや姫「じゃあ、おやすみなさい、桃」

桃太郎「うん…おやすみ……」


テクテクテク
桃太郎(さっきの夢………。俺は姉様を女として見ているとでも言うのか……?)

桃太郎(もしそうだとしても、俺とかぐや姉様は姉弟…血は繋がってないけど……。でも、やっぱりそんなのは駄目だよな……)

桃太郎(それでも、姉様が何処かに行ってしまう夢なんて見たくなかったなぁ……)

犬「ああ、桃ちゃんではないか。どうだった、姉上の膝枕は?」

桃太郎「犬……」

犬「どうした?そんな顔して。自分の姉さんの膝枕は気持ちよくなかったか?」グビッ

桃太郎「いや。姉様の膝枕は気持ち良かったよ。気持ち良過ぎるくらいだった」

犬「なら、どうしてそんな暗い顔をしている?一緒に月見酒でもするか?」スッ

桃太郎「俺、酒飲めないぞ」

犬「ああ、すまないな。だが綺麗な月だと思わんか?」

桃太郎「ああ…。本当に綺麗な月だな」

犬「占い師によれば、次にこんな綺麗な月が見えるのは来週の八月十五日らしい」

桃太郎「八月十五日か……」

犬「…………」

ポイッ

桃太郎「えっ……?」パシッ

桃太郎「木剣……?」

犬「桃ちゃん、一勝負でもしよう」

桃太郎「どうしたんだよ、一体」

犬「何か気にかかる事があるのだろう?顔を見れば分かる」

犬「そういう時は身体を動かすのが一番いい」

桃太郎「そう言えば、猿とKIZIは?」

犬「アイツ等はもう床に伏している。邪魔にはなるまい」

桃太郎「そうか……」

犬「剣は良いものだ。剣を交えば、相手の今の気持ち、感情、魂が剣を通じて伝わってくる」

桃太郎「…………」

犬「桃ちゃん。今の私にはお前が何を思っているかは、まだ分からない。私はその答えを持っていないかもしれない」

犬「だが、私と剣を交えて、その気持ちを剣で私にぶつけてみろ。少しは楽になるぞ」

桃太郎「犬………」チャキッ

犬「良いぞ。言葉は不要。桃ちゃんの今の気持ちを全力で私にぶつけるが良い!」チャキッ

桃・犬「「……………」」ジリッ

桃・犬「「……っ」」ダッ

ガキイィィィィン………ッ!!!

本当に剣は良いものですよ。どんな悩みがあっても、剣を振っている間は、気が楽になりますから。

今夜はこれまで。
では、おやすみなさい。

明朝
KIZI「HEY!ピーチBOY!昨日はお楽しみだったな!」

桃太郎「なっ……///何を言って……!」

猿「かぐさんの膝の上で満足そうな顔で『ねえさまぁ…』って甘えてたでしょぉ~」

桃太郎「俺、そんな事言ってたのか!?」

桃太郎(姉様の夢を見てたのは事実だけど……)

犬「あまり、茶化してやるな。お前達。桃ちゃんだって久しぶりに姉上に甘えれたんだからな」

桃太郎「くぅぅ……///」

媼「貴方達ー!朝ご飯が出来とるよー」

KIZI「いやっほーーいっ!朝飯だー!」キーンッ

猿「あっしの分も残しといてくれよぉ~」

犬「行こうか、桃ちゃん」

桃太郎「ああ」

食卓
媼「さあ、たんとお食べ」スッ

KIZI「WOW!上手そう!いっただきまーす!」

猿「きび団子ごはんに、きび団子入り味噌汁、きび団子焼き……きび団子づくしだねぇ~」

犬「有難く、頂戴する」

桃太郎「媼様、俺の分が無いのですが……」

媼「ああ、桃太郎の分は……」

かぐや姫「桃、お待たせしました♪」スッ

桃太郎「えっ?かぐ……や姉様……?」

かぐや姫「桃がせっかく、帰って来たので、私が腕を振るって作りましたよ。たんとお食べ」ニコッ

料理?「ゴポ……ッ…ゴポ………ッ」

犬(何だ、あのどす黒い物体は……?)

猿(あんな料理、見た事無いねぇ~)

KIZI(PRINCESS.かぐやはお料理は下手なのね……。ピーチBOY……漢ならそのDARKMATTERを食べるんだな)

翁(ギガントファイトじゃ!)

桃太郎(コイツ等……他人事だと思って……)ギリッ

かぐや姫「私の愛情入りですよ。いっぱい食べて下さいね?」ニコニコ

桃太郎「う……っ」

かぐや姫「もしや、私のお料理は食べれませんか……?」シュンッ

桃太郎「く………っ!」

桃太郎(漢を見せろっ!桃太郎!)ガバッ

かぐや姫「まあっ」

犬・猿・KIZI・翁「「「「おおっ!」」」」

桃太郎「………………宇宙の真理を見た……」

桃太郎「」ガクッ

かぐや姫「桃ッ!?」

犬「見事な散り様だ……」

猿「来世で会おうねぇ~」

かぐや姫「翁様!媼様!どうしましょう……!」

翁「取り敢えず、寝室に連れてってあげなさい」

かぐや姫「はいっ!桃……っ。しっかりして下さい!」ダキッ

桃太郎「」

タッタッタッ

天皇「おや、旨そうな飯ではないか」

料理?「ゴポ……ッ…ゴポ………ッ」

天皇「では一口」パクッ

天皇「おおっ!旨い!こんな飯は初めて食うたわ!」

KIZI「アンタ、誰?」

天皇「おい、翁!この飯を作ったのは誰じゃ?」

翁「我が娘のかぐや姫じゃ」

天皇「そうかっ!さっきの可憐な娘か!よしっ!相分かった!」ダッ

タッタッタッ

翁「誰じゃ、あれ?」

媼「そう言えば、翁。午後から天皇様が桃太郎に会われる予定だったと思うが……」

翁「そうじゃった!出迎えの準備をしなければな!」

媼「桃太郎がそれまでに起きてくれたらいいがのぅ……」

犬「桃ちゃん。大丈夫だろうか……」

KIZI「ピーチBOY、良いなぁー。きっとまた膝枕だろうなぁー」

猿「このきび団子の漬物、美味しいねぇ~」パクパク

今夜はこれでお終いです。
昼間はクローゼットの片づけに手間取って投稿する時間がありませんでした。申し訳ないです。

ではおやすみなさい。

桃太郎「ん……あ……」

かぐや姫「あっ、桃!目が覚めましたっ?」

桃太郎「あ………うん……」

桃太郎(何で俺、倒れたんだっけ……?……あっ。姉様の料理?を食べて……)

桃太郎(まあ、また姉様のムチムチの膝枕を味わえたから良いか……)

かぐや姫「ごめんなさい……。私の料理で桃がこんな事になるなんて……」

かぐや姫「やっぱり、私にはお料理は無理なのでしょうか……」シュンッ

桃太郎(ヤバ……!姉様を悲しませる訳にはいかない!)

桃太郎「違うよ!姉様の料理が美味しすぎて気絶したんだっ!」

かぐや姫「ほ…本当ですか……?」

桃太郎「そうだよっ!今度、KIZI辺りにでも食べて貰いなよ!気絶するほど喜ぶと思うからさ!」

かぐや姫「ありがとう……桃…。気を遣わせてしまって……」

桃太郎「っいや!だから本当に美味しかったんだってば!」

天皇「その通りである!」トピシャーーンッ

桃太郎「…………誰?」

天皇「私は只の通りすがりのてんn……天さんじゃっ!」

かぐや姫「天さん……ですか…?」

天さん「左様。先ほど、そなた…かぐや姫と言ったか?そなたの作った飯を食した!真に美味であった!」

桃太郎(マジでか)

かぐや姫「本当ですか……?気絶はしてはいないみたいですけど……」

天さん「気絶なんぞするものか!するとすれば、あまりの旨さに昇天するわ!」

かぐや姫「あ、ありがとうございます」

桃太郎(何だ、この男……)ムッ

天さん「かぐや姫。私はそなたを気に入った!私はそなたの料理を毎日食べていたい!私の后になってくれ!」ニギッ

かぐや姫「えっ……?」

桃太郎「ハアアァァァァッ!?」

桃太郎「ちょっ!待てっオッサン!」

天さん「何じゃ、小童」

桃太郎「何いきなり現れて、姉様の手料理を勝手に食って、ソレが気に入ったから、姉様に后になれって……急展開にも程があるでしょうが!」ビシッ

天さん「小童。恋と言うのは、何時、何処で、どうやって起きるか分からないものじゃ。海外では互いに一目合っただけで恋に落ちる者もおる」

天さん「中には、自分より物凄く年下の者や幼女を好きになる者もいるし、自分より年上や老婆が好きになる事もある」

桃太郎「俺が言いたいのはそんな事じゃねえェェェ!」

天さん「案ずるな。お主にもいずれ分かる」ポンッ

桃太郎「全く話がかみ合わん。駄目だ、このオッサン。早く何とかしないと」

かぐや姫「こら、桃。初対面の方に失礼ですよ」ペチッ

桃太郎「でも、姉様…」

天さん「ん?桃?もしやお主、桃太郎か?」

桃太郎「そうだけど…?」

天さん「…………」ジー

桃太郎「……?」キョトンッ

天さん「フッ……。小童の割に、もう男の顔をしておるわ…」

桃太郎「…………は?」

天さん「………」チラッ

かぐや姫「?」キョトンッ

天さん「フッ……そういう事か」

桃太郎「天さん………アンタ、一体……?」

天さん「また会おう、かぐや姫、桃太郎」ザッ

ピシャーンッ

桃・かぐ「「……」」

桃太郎「……何だったんだ、あのオッサン……?」

かぐや姫「さあ……?」

翁「おおっ、桃太郎!起きたか?」

桃太郎「はい。姉様のお陰で」

媼「それでのう。昼から、天皇様が来られる事になっているのだが、昼は空いておるか?」

桃太郎「ええ。大丈夫です」

翁「それじゃあ、格好もちゃんとした正装にしなければな」

桃太郎「分かってますって」


犬「桃ちゃん。本当の事を天皇様に言うのか?」

桃太郎「ああ。多分初めは信じてくれないと思うけど、鬼女さんの為にも言わなきゃ」

犬「なら、私は止めない。自分が思った通りに報告をするといい」

桃太郎「ああ」

大広間
桃太郎「………」ドキドキ

かぐや姫「………」ソワソワ

翁「………」ジジイ

媼「…………」ババァ

犬「………まだか?」イヌー

猿「………まだかねぇ~」サルー

KIZI「………来ないZEェ~」キジー


天皇の付き人「天皇様のおなぁに~……間違えた。おなぁ~りぃ~」ツキビトー

天皇「どうもー」テンノー

KIZI「軽ッ!?」

桃太郎「あ、貴方はさっきの……!」

かぐや姫「天さん……?」

天さん「さっきは邪魔したな。桃太郎、かぐや姫」

犬(アンタ、何で天皇様と気付かなかった?)コソコソ

翁(じゃって……天皇様とは文通しかしたことないし、実物は初めて見たんじゃモン……)コソコソ

桃太郎「天皇様……。知らず事とはいえ、先程の御無礼、お許しください」ペコッ

天さん「よい。私もそなた等を驚かす為に何も知らせずに早くに赴いたんじゃ。悪かったのう」

桃太郎「ハッ。有り難う御座います」ハハーー

天さん「それで、私が今日赴いた理由じゃが……。鬼討伐の旅、ご苦労じゃったな。大変じゃったろう?」

桃太郎「いえ、旅のお供が居てくれましたので」

天さん「旅のお供とな?」

桃太郎「そこに居る、獣三人衆です」

犬「お初にお目に掛ります。天皇様。犬です」ペコッ

猿「猿だよぉ~」

KIZI「I AM KIZI!NICE TO MEET TO YOU!」

天さん「ほう。そこの獣たちが……。よく見たら、そこの犬は神速の抜刀術を使う事で有名な剣犬じゃな」

KIZI「お前、有名人だったんだな。DOG」

犬「好きで有名になった訳では無いがな」

天さん「それで、報告を聞こうか。桃太郎。先日、鬼は都を去って行ったが、そなた等が、鬼ヶ島で鬼の大将を討ち取ったと考えて良いのか?」

桃太郎「いえ。鬼の大将は討ち取ってはおりません」

天さん「なに?」ピクッ

桃太郎「私は鬼の大将を説得し、和解をしました。都を襲っていた事も彼方なりの理由をあり、今後は人間を襲わない事で、了承してくれました」

天さん「ほう……。だが、私の命じたのは鬼の『討伐』。鬼と和解しろとは命じたつもりはないが…?」

桃太郎「確かに、そう命じられましたが、そもそも鬼討伐の目的は、都や人々の平和を守るための物。なら、互いに出来るだけ多くの血を流さない方法が最善だと思いますが?」

天さん「確かに、血は少ない方が良いが、もし鬼達が嘘を申していたら、どうする?」

桃太郎「それは、ありません」

天さん「言い切ったな。何故?」

桃太郎「私は鬼の大将と剣を交え、互いの感情、気持ち、魂を感じました。あの鬼の大将は嘘を言えるような女ではありません」

KIZI(確かに女王様は嘘を言えねぇよな。言ってもバレるし)

天さん「女か……。私にはそなたがその鬼の大将の女を庇っている様にも取れるが?」

桃太郎「何なら、天皇様も私と剣を交えますか?さすれば、私の心中を見抜くことも出来ましょう」

かぐや姫「桃っ!?」

翁「桃太郎!天皇様に何て事を……!」

天さん「ほう……。私と剣を交えるとな……?」

桃太郎「天皇様が私を疑われるようなら……」

天さん「………そなた、言っている事は分かっておるな……?」ギロリンッ

桃太郎「はい……!」グッ

天さん「…………」ギロギロギロギロ

桃太郎「………………」グッ

天さん「………………」ギロギロギロギロギロギロギロ

桃太郎「………………」グッ



天さん「…………ふっ。フハハハハハハハッ!負けたよ、桃太郎!」

桃太郎「へっ」

天さん「自分を疑うなら私と剣を交えても構わないとは……!大した度量よ!本当に小童か?そなたはっ」

天さん「そなたがそこまで申すなら、私もそなたを信じよう!」

桃太郎「有難き、幸せっ!」パァァッ

かぐや姫「桃…良かった……」ホッ

天さん「中々面白い子供を持ったな。翁、媼」

翁「我が息子が失礼な事を…」ペコッ

天さん「よい。私も愉快な思いをした。かぐや姫も、良い弟君を持たれた」

かぐや姫「はい。自慢の弟です」

天さん「ああ、それと。かぐや姫、私の求婚の話も考えておくれ」

桃太郎「ッ!」

かぐや姫「あっ」

翁「ど、どういう事じゃっ?かぐや姫!」

媼「天皇様からの求婚だなんて……」

かぐや姫「そ、それは……」

天さん「返事は後日で良い。心が決まったら、伝えておくれ」

天さん「では、邪魔したな」

パカラッパカラッパカラッ

かぐや姫「…………」

桃太郎(かぐや姉様……)


翁「そうか…そういう事があったのか……」

かぐや姫「はい……」

媼「お前が天皇様の后となれば、ワシ等は天皇様の義父母になれるが……」

犬「普通に考えたら、この話は良い事尽くめだな……」

猿「美味しいものも沢山食べられるしねぇ~」

KIZI「だけど、問題は……」

桃太郎「この話、断れよっ姉様!」

かぐや姫「桃……」

翁「これ、桃太郎!いきなり怒鳴らんでも……」

媼「それにかぐや姫が天皇様の后となれば、ワシ等は天皇家と繋がりができ、お前も天皇様の義弟に……」

桃太郎「后って言ったって、所詮子作りの為の愛人の一人だろっ!?そんなんでちゃんと姉様に愛情を注げるのかよ!?」

桃太郎「それにあの天皇様は既に何人か妻子持ちだろ!?天皇様でも貴族も一人の女性を愛せよ!夕霧を見習えっ!夕霧をっ!」

犬「落ち着け。夕霧も、結局未亡人に手を出しただろ」

KIZI「DOG、ツッコむ所が違うZE?」

猿「それに夕霧も幼馴染の子以外にも妻がいたよねぇ~」

翁「落ち着け、桃太郎。別に儂等もかぐや姫に結婚を強要させてる訳では無い」

翁「じゃが、かぐや姫も二十歳じゃ。世ではもう夫も子供も居て当たり前の年じゃ」

桃太郎「見た目年齢が二十歳なだけだろ!実際は俺と同い年じゃないか!」

媼「それでもこの時代では結婚を考えてもいい年じゃ。その為に良い貴族の良い男とお見合いもさせたのだから」

かぐや姫(蹴鞠がお好きなポヨヨンとしたお方と、梨みたいな陽気なお方と、サングラスの残念なお方でしたけど…。)

犬「だが、桃ちゃん。これは姉君の結婚の話だ。残念だが、弟のお前が口出しできる問題でもなかろう?」

桃太郎「く……っ。ごめん。ちょっとムキになってた……」

かぐや姫「良いのです、桃。桃は私の幸せを考えてくれたのですよね?だけど、私が天皇様と結婚すれば、この家が安泰するのも事実です」

桃太郎「かぐや姉様……」

かぐや姫「ですが、翁様、媼様。私にもう少し考える時間を下さい。明日には答えを出しますから…」

翁「うむ。お前の婚活じゃ。ワシ等は無理強いはせん。お前に好きにするといい」

媼「明日と言わず、もっとゆっくり考えると良い」

かぐや姫「はい。ありがとうございます」

桃太郎「………」


貴族1「の!」ポーンッ

猿「たぁ~」ポーンッ

KIZI「とうっ!」ポーンッ

犬「貴族1殿。かぐや姫との婚約の為にぷれいなんたらを探しに行ったと聞いたが、こんな所で我らと蹴鞠をしていていいのか?」ポーンッ

貴族1「もうかぐや姫との結婚は諦めたの!ぷれいすてーしょんすりいたる物は何処に行っても見つからないの!」ポンポンッ

貴族1「それに、マロはただ雅なかぐや姫と蹴鞠たかっただけの!しかし、そんな理由でかぐや姫を独り占めする事は駄目だと気付いたの!」ポンポンッリフティング!

貴族「やっぱり、蹴鞠は皆でやるのが一番だの!」ポーーンッ!

猿「それもそうだねぇ~」バコーンッ!

KIZI「グハァッ!」ドーンッ

貴族1「KIZI殿!ちゃんと蹴り返さなきゃダメだの!」

KIZI「MONKEY……。テメェ……わざと当てやがったなぁ……」

猿「はて、何のことだぁ~い?」

犬「…………」チラッ

桃太郎「…………」ボー

犬「……ハァ…」

かぐや姫「あら、楽しそうな事をしてますね」

桃太郎「!かぐや姉様!」バッ

かぐや姫「っ!桃。そんなに驚かなくても……」

桃太郎「あ、ゴメン…」

桃太郎「それで、姉様……。天皇様と結婚するかもう決めたの?」

かぐや姫「……私、やはり桃や翁様たちを置いては……」

桃太郎「……姉様。やっぱり、俺……。天皇様と結婚した方が良いと思う……」

かぐや姫「……っ!な…何故ですか……?」

桃太郎「さっきはつい……ああ言ったけど、天皇様は…悪い人…じゃない……みたいだし……ね、姉様をちゃ……んと大切にして……くれると思う…し……っ」グスッ

桃太郎「翁様や媼様の…老後も安泰だし……姉様だ……って今より裕福な暮らしもで…きるし……っ…」グスッ

桃太郎「べ、別に…俺も姉様が居なくても……だ、大丈夫……だしぃ……」エグッ

かぐや姫「桃………」

かぐや姫(桃……私はあの時、桃が私の幸せを考えて結婚に反対してくれた事…本当は嬉しかったのに……)

かぐや姫(桃……貴方がもう私を止めてくれないのなら、私も………)

どくんっ

かぐや姫「ッ!!」

かぐや姫(きゅ…急に動悸が……!?)

ズキッ!

かぐや姫「あ……ッ」ズキズキ

桃太郎「姉様っ!?」ハッ

かぐや姫(頭が……痛い……!)

ザザ………ザ…ザザ………ッ…ザ……ッ

かぐや姫「……あぁ……ッ」ガクッ

桃太郎「姉様!大丈夫!?姉様!!」ユサユサ

かぐや姫(頭の中に何か……何かが流れ込んで……!)

犬「どうした!?桃ちゃん!」

桃太郎「分からないっ!姉様がいきなり頭を抱え込んで……!」

ザザザザ………ッ…ザザ……ッ…ザザザザッ………!

かぐや姫「ああぁ……あ………あぁ……!」ビクビクッ

KIZI「オイッ!明らかに様子がおかしいZE!?」

猿「これは…大変だねぇ……」

貴族1「かぐや姫?大丈夫かの?の?の?のぉおお!?」

桃太郎「姉様!しっかりして!姉様!」ユサユサ

ザザザザ…ッ…ザザザザザザ…ッザザザザザザザザザザザ………ッ!

かぐや姫「ッ!!!」

かぐや姫(………う、噓……!?そんな……まさか……!?)

かぐや姫「あああぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」

バタンッ

犬・猿・KIZI・貴族1「「「「っ!」」」」

桃太郎「っ!姉様っ!?姉様っ!!かぐや姉様ァァァァァ!!!」


媼「お医者様、娘の容体は?」

医者「恐らく、病気や呪いの類ではないでしょう。何らかのショックで気絶したのでしょう」

桃太郎「しょっく?」

KIZI「外国語で衝撃って意味だ。多分この場合だと、精神的に衝撃を受けて倒れた…って事だろうよ」

翁「もしや、ワシ等がかぐや姫に結婚話を急に持ち込んだから、こうなってしまったのか……?」ワナワナ

桃太郎「翁様……」

医者「取り敢えず、今は安静にさせて置くことです。数日もすれば、良くなるでしょう」

犬「医者殿、感謝する」ペコッ

医者「では、私はここで…」スタッ

桃太郎「姉様………」

犬「そう気落ちするな。休めばすぐ良くなると言っていただろう?」ポンポン

桃太郎「ああ…」





犬「そろそろ、番を変わろうか?」

桃太郎「いや、良い。俺がまだ見てるよ」

犬「そう言ってもう半日。晩飯も食わずに、明け方まで居る気か?」

桃太郎「………」

犬「フッ…愚問だったな…」

犬「かぐや殿の容体はどうだ?」

かぐや姫「スースー……」

桃太郎「見ろよ、まるで寝てるみたいだろ?姉様、寝てるんだぜ?」

犬「見れば分かる」

犬「それより、かぐや殿の事も心配だろうが、お前は自分の身体の事も考えろ。良いな?」

桃太郎「分かってる……」

犬「ではな…」スタッ

桃太郎「………」

ピシャッ
犬「………」

KIZI「HEY、DOG。ピーチBOYは相変わらずPRINCESSから離れないかい?」

犬「ああ。あれはもうテコでも動かないだろう」

猿「流石はシスコンだねぇ~」

KIZI「PRINCESSが心配なのは分かるけどな、自分の身体も大事にしろっての」

犬「ああ、全くだ」

猿「それで、かぐさんの様子はどうだったぁ~?」

犬「うむ。見た感じ、もう大丈夫だろう。ぐっすりと眠っていて、呼吸も安定していた」

KIZI「でも、ピーチBOYの事だから、目が覚めるまで枕元に居座るだろうZE」

犬「ああ、そうだろうな。だから、今はかぐや殿が早く目を覚ますことを祈るしかあるまい」

猿「そうだねぇ~」

深夜

桃太郎「………Zzz…」

かぐや姫「…………あ…っ…ん……っ」モゾモゾ

むくりっ

かぐや姫「……あ…私は………」

ズキッ

かぐや姫「う……っ……やっぱり……夢じゃなかった…」

かぐや姫「………月……満月の日の八月十五日……」チラッ

かぐや姫(今でも信じ難いですが…やっぱり、あの時頭の中に流れてきたのは…私の……)

桃太郎「…………Zzz…ね…えさ……ま……」

かぐや姫「桃……。私が目を覚ますまで、傍に居てくれたのですね……」ナデ

かぐや姫「……もう、布団も被らずにこんな所に居たら、風邪を引きますよ」ファサッ…

桃太郎「……………かぐや……ねえさ……ま……」ムニャムニャ

かぐや姫「ありがとう……桃………」

かぐや姫「………それと、ごめんなさい……」

明朝
チュンチュンチュンッ
桃太郎「ん……くあぁ……寝てた……」ボケー

かぐや姫「あ、桃。起きました?」

桃太郎「ッ!かぐや姉様っ!良かった!元気になったんだっ!」ガバッ

かぐや姫「ええ、桃がずっと看病してくれたおかげです。ご心配をおかけしました」

桃太郎「良いんだよ、俺は!姉様が元気になってくれたら!」

翁「どうしたんじゃ、朝から騒いで………おおっ!かぐや姫!元気になったのだな」

桃太郎「はい、翁様達にも迷惑をおかけしました」ペコッ

媼「じゃが、無理は禁物だぞ。今日はゆっくり布団でお眠り」

かぐや姫「はい…分かりました」

翁「取り敢えず、かぐや姫に栄養のある物を食べさせなければ……きび団子とか…」

媼「ああ、そう言えば、きび団子の黍が切れてたんじゃ…」

桃太郎「なら、俺が今から買ってくるよ!」ダッ

媼「これ、財布を忘れるでないぞ」

かぐや姫(どうしましょう……。こんな盛り上がってる雰囲気じゃ『あの事』を言い出せません……)

街中
町娘「…………」スタスタ

商人「おっ、そこの別嬪の姉ちゃん!」

町娘「っ!え、アタイ…?」ビクッ

商人「そうだよ。アンタ、かなり若い感じの別嬪さんだろ?どうよ、この簪買わねえか?きっと似合うよぉ~」

町娘「そ、そうなんだ……。アタイが別嬪……///じゃあ…買おう…かな…?」

商人「毎度ー!」チャリーンッ

町娘「………」

鬼女(存外、頭巾を被ってたら、アタイが鬼女だって、バレないもんなんだな……)

鬼女(都に出てくるのは何年ぶりだろ……。鬼になってからは一度も来てなかったな…)

鬼女(……………桃太郎…ここら辺りに居るのかな……?)

鬼女「……って///アタイは一体何を言ってんだ!?べ、別にアタイは桃太郎に会いたくなった訳じゃなくて……えーと、その……///うん!ただ、簪が欲しくなっただけだ!もう子分達に盗りに行かせる事も出来ないし、アタイが自分で買いに来ただけだ!うん!別に都を襲いに来た訳じゃないから、大丈夫だ!うん!……その序に桃太郎の顔を見てやろうと思っただけだ!そうだ!うん!きっとそうだ!そうだよなっ?そうだよなっ!?MY HEART!!!///」キャーキャー

町人(あの女の人、何顔を赤くしながら一人でキャーキャー言ってんだ……?)

鬼女「あ、あの……その……この辺りに桃太郎って子供が住んでる屋敷を知らないか……?」

商人「桃太郎……?ああっ!最近越して来た、かぐや姫ちゃんの弟か!」ポンッ

鬼女「かぐや姫……?」ピクッ

商人「そうそう。最近、都に越して来た老夫婦の娘で、凄く別嬪なんだよ!俺ぁ、この都に住んで早40年だが、あんな別嬪は見た事ねぇ!あ、アンタもかぐや姫に負けてないよ!?」

商人「そんでまた最近、三匹の獣を連れた子供がその老夫婦の屋敷に転がり込んだんよ。聞いた話じゃ、旅に出てたその老夫婦のもう一人の子供らしいってのよ。それが桃太郎よ」

鬼女「そうなんだ……」

町人「あ、俺、その老夫婦の家を覗いた事があるんだけどさ、そん時、かぐやちゃんが、裸の桃太郎にナニかしてたのを見たのよ!」

鬼女「は…裸でナニか……ッ!?///」カーッ

町人「しかもその後、その桃太郎がかぐやちゃんに膝枕されてたのよ!」

鬼女「ひ、膝枕ァァッ!?」ガーンッ

商人「そりゃあ、仲の良い姉弟じゃねぇな……ってアレ?さっきの姉ちゃんは?」

町人「いつの間にか居ないな…」キョロキョロ


鬼女「………ハア…」トボトボ

鬼女(桃太郎が……別嬪の女の人と裸でチョメチョメ……///その後、膝枕………)

鬼女(………アタイだったら、膝枕じゃなくて、胸枕でも何でもさせてやるのに……///)

鬼女「……って、ナニ考えてんだぁぁぁぁっ!アタイはァァァッ!!?///」

桃太郎「黍ー♪黍ー♪姉様にきび団子~♪」フップステップジャンピングー

鬼女「ッ!も、桃太郎ッ!!?」

桃太郎「店主、黍を大量にくれ」

店主「あいよ」

鬼女「桃太ろ…!」ダッ

ザッ

鬼女「………何よ、アンタ達」

ゴロツキ1「おお、姉ちゃん、可愛いネェ~。オジサンたちと遊ばなぁ~い?」ニヤニヤ

ゴロツキ2「少しだけでいいからさぁ~」ニヤニヤ

鬼女「…………」スタスタ

ゴロツキ1「ちょっと待てやっ!何無視してんじゃぁ!!」グイッ

ゴロツキ2「人が優しく話しかけてるのに、何様じゃぁっ!」

鬼女「………ハア」ジトー

鬼女(こういう連中には関わりたくないのにな……。いっそ殺ろうかな………)

ゴロツキ1「何じゃ、その眼は?ナメとんのかワレェ?」

鬼女(でも、ここで暴れてアタイが鬼ってバレたら、折角の桃太郎の計らいを無下にしちまうからなぁ…。本当にどうしようかなぁ……)

鬼女(兎に角、これ以上は関わらない事だな)

鬼女「アンタ達、邪魔なんだけど。退きな」

ゴロツキ1「テメェ!女のくせに言葉使いが悪いぞ!挿入するぞゴラァァッ!!!」ギンギーンッ

ゴロツキ2「そんな胸の開いた着物を着てるからアニキの息子もギンギーンだぜ!」

鬼女「……………オエェ」

ゴロツキ1「キエエエェェェェェェェェッ!!!」バッ

ゴロツキ2「俺もキエエエェェェェェェェェッ!!!」バッ

鬼女(もう、本当の本当に殺ってイイよね?)

バキッ!

ゴロツキ1「あべしっ」バコーン

ゴロツキ2「あべすっ」バコーン

鬼女「…………アレ?」ポカーンッ

桃太郎「大丈夫か?お姉さん」

鬼女「桃太郎ッ!?」

桃太郎「よく俺の事をご存じで」

鬼女「えっいやーあ…その……」アタフタ

店主「おおっ!カッコよかったぞ、坊ちゃん!」パチパチ

モブα「スカッとしたぞ!」

モブβ「役人を呼んでおいたからな!」

桃太郎「……へへっ///」テレッ

鬼女(ヤベッ、めっさカワイイ……///)

モブγ「お嬢さん、大丈夫だったか?何なら、家の宿で休んでくかい?」

鬼女「えっ…?それは、ちょっと……」

桃太郎「彼女は大丈夫だそうです」バッ

鬼女「へっ?桃太郎?」ポカンッ

桃太郎「じゃあ、俺がこの人を休ませるんで」ギュッ

鬼女(ニャアアアアアアアアアアッ!!?///)

桃太郎「じゃあ、サイナラ!」ダッ

鬼女「ちょっ…引っ張るな……っ!///」タッタッ

店主「行っちまった……」

>>156
剣道はしてないけど、武道には精通しているし、全剣連にも加入してる。
それに師匠方が剣道八段も持ってたり、ダチや初恋の女性が剣道をしてるよ。

路地裏
桃太郎「……もう、ここまで来れば大丈夫だろ」

桃太郎「久しぶり……でもないか。鬼女さん」

鬼女「アンタ、気付いてたのか!?」

桃太郎「そりゃ、頭巾で角を隠してたつもりだろうけど、鬼女さんは美人だから、顔も覚えてるし……」

鬼女「び、美人ッ!?///」ドキーンッ

桃太郎「そもそも、日本で金髪なんて……て、アレ?」

鬼女「美人…美人……桃太郎がアタイの事を美人って……エヘヘ…///」ブツブツ

桃太郎「オーイ、鬼女さーん?」フリフリ

鬼女「か、勘違いしないでよっ!?べ、別に桃太郎なんかに美人って言われて照れてる訳じゃないんだからなっコンニャロー!!///」キッ

桃太郎「いや、俺そんな事聞いてないし」

鬼女「それより、アンタ。何で助けたのサ?あんな連中アタイなら簡単に片づけれたのに」

桃太郎「そりゃそうだろうけどさ、鬼女さんが暴れて鬼ってバレたら大変じゃん」

鬼女「それもそうだけどサ……」

桃太郎「そもそも何で鬼女さんがこんな所に居る訳?」

鬼女「そ…それは……」

桃太郎「それは?」ジー

鬼女(そんな円らな瞳で見ないでよぉぉぉぉっ///)

鬼女(そうだよ、アタイは別に桃太郎に会いに来た訳じゃないし、ただ簪を買いに来ただけだしっ。本当の事を言えば良いんだ!)

鬼女「えーと、その…桃太郎!」キッ

桃太郎「は、はいっ」

鬼女「ア、アタイはただ……!」

桃太郎「アタイは?」ジー


鬼女「っ///職を探しに来ただけだ!」

桃太郎「へー」

鬼女(一字一句違う事を言ってしまったあぁぁぁぁっ!!!)ガビーンッ

鬼女(何よ、簪を買いに来ただけって言えば良いだけじゃない!何でここで職を探しに来たって言ったんだよ、アタイはっ!?)

桃太郎「そうか、鬼女さんもすっかり悪行から足を洗って真っ当な職を探しにきたんだな」

鬼女(もう、コイツの円らな瞳の所為でアタイの心がパニくって、つい全然関係ないことを言っちまったじゃないかっ!)

桃太郎「あ、そうだ。職を探してるならさ、家で女房をヤらないか?」ポンッ

鬼女「………わっつ?」

鬼女「にょ…女房って誰の……?まさか…桃太郎の……?///」

桃太郎「いや、かぐや姉様の」

鬼女「は?」

桃太郎「鬼女さんが姉様の女房、てか女官になってくれたら、姉様も安全だし」

鬼女「………」ジトー

桃太郎「アレ?どしたの?何でそんな目をしてるの?」キョトン

鬼女「何でもない……」

桃太郎「そう。それで、どう?職を探してるなら姉様付きの女官にならない?」

鬼女「………」

鬼女(待てよ…。桃太郎の女官じゃなくても、桃太郎の姉のかぐや姫の女官になれば、頻繁に桃太郎に会えるんじゃないのか?その内あわよくば桃太郎と……エヘヘヘ……///)

鬼女「エヘヘ…///」ボー

桃太郎「お、鬼女さん…?」

鬼女「へっ?」

桃太郎「結局、女官になってみるの?」

鬼女「べ、別になって上げない事もないけど…?///」

桃太郎「本当かっ!?」パァッ

桃太郎(鬼女さんが居れば、安心して姉様を見送れる…!)

鬼女「あ、ああっ!」

鬼女(ヤメロッ!そんな無邪気な笑顔でアタイを見るなァァァッ!///)

桃太郎「ありがとうっ鬼女さん!」ニギッ

鬼女「はうあっ///」ドキーンッ

鬼女「あ、あのサ…?もう、さん付けは止めてくれよ」

桃太郎「え、じゃあ…鬼女……?」

鬼女「あ、ああ。そう呼んでくれ」

桃太郎「じゃあ、家に案内するよ。鬼女」

鬼女「ああ、頼むよ」

鬼女(桃太郎と一つ屋根の下屋根の下屋根の下屋根の下………///)

桃太郎(姉様と仲良くなってくれるだろうか…?)

屋敷
桃太郎「……と言う訳で、これから新しく姉様の世話をする女房をしてくれる事になった、女さんだ」

女「お、おに……じゃなくて……女です」ペコッ

かぐや姫「あら、可愛い子ですね。見た感じ歳も近いですし」ニコッ

女(この人がかぐや姫……。桃太郎のお姉さん……)

女(想像以上の美人じゃないかっ!!)ガーーンッ!

KIZI「イィヤッホォォイ!美人のピチピチチャンネーが増えたZE!」

猿「童貞は黙ろうねぇ~」

KIZI「テメェは童貞じゃねぇのかよ?」

猿「あっしは遊び猿でさァ。雌遊びなんて、ヤりなれてるよぉ~」

犬「…………」クンクン

犬「フッ」

桃太郎「と言う訳で、女さんには姉様の女房として、姉様が嫁いで、この家から居なくなった後も姉様の傍に付いていて欲しいんだ」

かぐや・女「「ッ!?」」

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