京太郎「雪で帰れなくなった」優希「夫婦水入らずね、あなた」 (110)

京太郎「マジか……」

優希「うおお、すごいじぇ京太郎!窓から外が全く見えない!」

京太郎「……はあ」

京太郎(なぜよりによってクリスマスイブに帰れなくなった挙げ句こいつと部室で2人っきりになってんだ俺……)

優希「いやー、咲ちゃん達は先に帰ったけど正解だったな!」

京太郎「誘われてたんだしお前もあの時帰ればよかっただろうに」

優希「もう、夫の仕事が終わるのを待ってた奥さんにそれはひどいじぇ、あなた」

京太郎「お前は奥さんじゃねえし、俺は夫でもないからな」

優希「本当は嬉しいくせに京太郎は素直じゃないじぇ」

京太郎「言ってろ」

京太郎「……で、どうするよ」

優希「どうするも何も落ち着くまで待つしかないじょ」

京太郎「そうは言うけどな……今調べたけど朝まで続くっぽいぞこの吹雪」

優希「なぬっ!?つ、つまり……」

京太郎「ああ、そうだ」

優希「性の6時間とやらを男女2人っきりで過ごすのか……!」

京太郎「は?」

優希「や、優しくしてほしいじぇ……」

京太郎「……アホな事言ってないでお前も今日を乗り切る方法考えろよ」

優希「アホとはなんだ、アホとはー!」

京太郎「うっさい、ポンコツ」

優希「ポ、ポンコツだと!?失礼な、それは咲ちゃんの専売特許だじぇ!」

京太郎「お前何気にひでぇな……俺も否定はしないけど」

京太郎「とりあえずストーブに燃料足すか……冗談抜きに朝までいなきゃいけないかもしれないからな」

優希「でもなんかこういうのワクワクしないか?」

京太郎「まあなー……台風の時妙にソワソワするのと似てる感覚か」

優希「だろ!だろ!」

京太郎「これでもう少し準備が整ってりゃなあ……今んとこせいぜいネト麻やるかお茶飲むくらいしかやる事ないぞ」

優希「そもそも今ネト麻に人いるのか?せっかくのクリスマスイブなのに」

京太郎「お前残酷だな……」

優希「んん?なぜだじょ?」

京太郎「いや、わからないならいい」

優希「んー?」

京太郎「ふぃー……やっぱり冬は熱いお茶が一番だな」

優希「身体が暖まるじぇ……しっかし本当にやる事ないじょ。このままでいいのか京太郎?」

京太郎「じゃあなんか暇つぶし出来るもの持ってんのか?」

優希「ちょっと待つじぇ……おっ、トランプあった」

京太郎「2人でトランプって……ちなみにお前何が出来る?」

優希「ふっふっふっ、聞いて驚くがいい……なんとこの優希ちゃんは神経衰弱、ババ抜き、7並べを完璧にマスターしてるじぇ!」

京太郎「……倉庫行ってみるか」

――倉庫

京太郎「相変わらずごちゃごちゃしてんな……まさかとは思うが俺大掃除って名目でここの掃除させられたりしないよな?」

優希「頑張れよ京太郎!」

京太郎「無茶言うなよ!こんなの1人で出来るわけないだろ!?」

優希「大丈夫だじぇ」

京太郎「なんだ、手伝ってくれるのか?」

優希「1日で無理なら何日かに分ければいいんだじょ」

京太郎「……あー、はいそうですね。それはすごい名案だー」

優希「なんかバカにしてないか!?」

京太郎「してませんしてません。ただお前に期待した俺が馬鹿だっただけだ」

優希「そうか、京太郎が馬鹿だったならしょうがないな!」

京太郎(こいつやっぱりポンコツだわ)

京太郎「……なあ」

優希「うん?」

京太郎「ここって麻雀部の倉庫だよな?」

優希「今さら何を言ってるんだじょ」

京太郎「いや、なんでカセットコンロとか鍋とかあるんだろうなと……」

優希「部長が持ち込んだんじゃないかー?」

京太郎「……否定出来ない辺り部長ってすごいよな」

優希「しかし京太郎、これで餓死する心配はなくなったじぇ!」

京太郎「いや、元々一食抜いたくらいじゃ死なないだろ」

優希「京太郎がそうでも私は死ぬかもしれないじぇ!」

京太郎「……つうか材料は?」

優希「タコスのならあるじぇ」

京太郎「あるのかよ!?」

優希「よし、京太郎タコスを作れい!」

京太郎「はいはい、わかりましたよ」

――

京太郎「ほら出来たぞ」

優希「タコス来たじぇ!いただきまーす!」

京太郎「そもそも何のためにタコスの材料なんか用意してたんだよ」

優希「いざという時のためにな!備えあれば嬉しいなってやつだじぇ」

京太郎「それを言うなら備えあれば憂いなし、な。お前そんなんで進級出来んのか……?」

優希「大丈夫だじぇ。私はやれば出来る子だからな!タコスおかわり!」

京太郎「食うの早っ!ちょっと待ってろ、急いで追加焼くから!」

優希「早く早く!」

京太郎(全くクリスマスとか関係ないな、本当に!)

優希「タコスうまー」

京太郎「これで終わり、と。ほら最後のタコスだぞ」

優希「おぉ、待ってたじぇ!……んっ?」

京太郎「どうした?」

優希「京太郎は食べないのか?」

京太郎「俺はいい。さっきも言ったけど一食くらい食わなくたって死にゃしないからな」

優希「ふーん……んっ」

京太郎「えっ?」

優希「タコス、あげるじぇ」

京太郎「いや、本当にいいんだぞ。お前だってそれだけじゃ足りないだろ」

優希「京太郎が良くても私がなんか嫌なんだじぇ!いいから受け取れ!」

京太郎「……じゃあもらうわ。ありがとな優希」

優希「……う、うむ!」

京太郎「ははっ、なんだそれ」

京太郎「……ごちそうさん、と」

優希「まだ落ち着かないなー……今度は何する?」

京太郎「そうだな……麻雀部らしく麻雀でも打つか」

優希「2人でやるのか?」

京太郎「この前染谷先輩に2人打ちのやり方教えてもらったんだよ。いい機会だしやってみようぜ」

優希「ほほう、染谷先輩の教えなら信頼が置けそうだじぇ……よし、ならやるぞ京太郎!まあ勝つのは私だがな!」

京太郎「はっ、いつもいつもやられっぱなしでいると思うなよ!いくぞ優希!」

優希「こい、京太郎!」

優希「ロン!」

京太郎「ぐげっ!?」

優希「ロン!」

京太郎「またかよ!?」

優希「ローン!」

京太郎「」

優希「はっはっはっはっ!いつもより調子がいいじぇー!」

京太郎「う、迂闊だった……いつもは咲とか和がストッパーになってるけど今回は2人打ちだから東場のこいつを止められねぇ!」

優希「ふふん、まだやるか京太郎?」

京太郎「ぐぎぎ……!このまま負けてられるか!もう一度だ優希!」

優希「軽く捻ってやるじぇ!」

――

優希「ロン!もいっこロン!さらにローン!」

京太郎「ちくしょう、また飛んだあああ!」

優希「あーはっはっはっは!!」

優希「快勝快勝!」

京太郎「もう一生分飛んだ気がするぜ……」

優希「京太郎はまだまだ精進が足りないじぇ。後3ヶ月くらいで二年生なんだからもっと頑張らないとな!」

京太郎「だよなぁ……みんなに教えてもらってるとはいえもっと頑張らないといけないよなあ……」

優希「……」

京太郎「どうしたもんか……」

優希「どうしてもと言うなら私が師匠になってもいいじぇ!」

京太郎「優希が?それは助かるけどお前人に上手く教えられるのか?」

優希「ふっ、京太郎がしっかりついてくれば問題ない!」

京太郎「なんだそりゃ!」

優希「……というわけでタコスを報酬って事で契約成立だな!」

京太郎「やるからにはちゃんと教えてくれよ?」

優希「任せておけ!この優希ちゃんにかかれば京太郎でも来年全国に行けるようになるじぇ!」

京太郎「……まあ、期待しとく。お茶入れてくるわ」

優希「おう、行ってらっしゃーい」

京太郎「えっと新しいお茶葉は……」

優希「待ってる間暇だじぇ……倉庫に何か探しに行くか」

――

京太郎「悪い悪い、ちょっと新しいお茶葉が見つからなくてな……ってあれ、優希の奴どこ行った?」

優希「……京太郎」

京太郎「んっ?優希、お前倉庫にいるのか?」

優希「ふっふっふっ……違うな、間違ってるじぇ京太郎!」

京太郎「は?」

優希「今の私はただの優希ちゃんではない!」

京太郎「何言って……」

バァン!!

優希「今の私はクリスマス限定、サンタ優希ちゃんだじぇ!」

京太郎「……お前そんな格好して何してんの」

優希「倉庫に行ったらあったから着てみたじぇ!似合うか?」

京太郎「まあ似合ってはいるけどさ……そんな肩出しミニスカサンタで寒くないのお前」

優希「さ、寒くないじぇ!」

京太郎「そうか」

優希「……」

京太郎「……」

優希「くしゅんっ……!」

京太郎「やっぱり寒いんじゃねえか!無理すんなアホ!」

優希「だ、だだだだってこれ、これくらいしないと京太郎をの、悩殺出来ないじぇ」

京太郎「あのなあ……ったくとりあえずこれ着とけ」

優希「あっ、京太郎の制服……」

京太郎「ほら、お茶も冷めない内に」

優希「わ、わかったじぇ……」

京太郎「全くここまでするか普通……」

優希(京太郎の制服……暖かいじぇ)

優希「えへへ」

京太郎(何笑ってんだか……)

京太郎「もう九時か……雪全然やまないな」

優希「本格的に泊まりになりそうだな!」

京太郎「おいおい、まさか嬉しいのか?」

優希「2人だけの世界って感じがしてロマンチックじゃないか!」

京太郎「ロマンチックねぇ……お前が言うと似合わないな」

優希「京太郎は時々本当に失礼だじぇ」

京太郎「事実を言ったまでだろ。言われたくないなら普段の言動を見直すこった」

優希「むう……」

京太郎「……んっ?」

優希「どうした?」

京太郎「誰か来るみたいだぞ……足音が聞こえる」

優希「えっ、マジか!?」

京太郎「しかも真っ直ぐ近付いてきてる……見つかったらヤバい!隠れるぞ!」

優希「えっ、ちょっと京太郎!?」

バタンッ

京太郎「入ってきたな……」

優希「きょ、京太郎、ちょっと……」

京太郎「しー、静かにしとけ」

優希「……」

京太郎「くそっ、なかなか出てかないな……」

優希(な、なんで京太郎とロッカーに……ううー、京太郎が近いじぇ……)

京太郎「……」

優希「……」

優希(京太郎、黙っちゃったじぇ……)

京太郎「……」

優希「……京太郎?」

京太郎「んっ?」

優希「まだなのか?」

京太郎「ああ、ストーブはとっさに消したから大丈夫だとは思うんだが……疑われてるのかまだいる」

優希「そうか……」

京太郎「悪い、狭いだろうけどもう少し我慢してくれ」

優希「い、いや、それは別にいいんだけど……」

優希(ううっ、京太郎が近過ぎてなんか頭がクラクラしてきたじぇ……)

京太郎「……よし、行ったな」

優希「……」

京太郎「優希、もう大丈夫だから出るぞ」

優希「……」

京太郎「優希?」

優希「……はっ!な、なんだじぇ!」

京太郎「いや、だからもう大丈夫だぞ」

優希「そ、そうか!じゃあ早く出るじぇ!早く!」

京太郎「お、おい、そんな慌てるなよ」

優希(慌てもするじぇ!後3分くらい密着してたら我慢の限界だった……!)

京太郎「なんだ、そんなに狭いの嫌だったのか?」

優希「……むしろ落ち着くから危険なんだじぇ」

京太郎「は?」

優希「なんでもないじぇ!」

京太郎「またストーブつけ直しだな……」

優希「なあ京太郎」

京太郎「ん?」

優希「説明して送ってもらえばよかったんじゃないか?」

京太郎「……考えたらそうだな」

優希「抜けてるにも程があるじぇ」

京太郎「ま、まあいいじゃんか。お前だってなんだかんだで楽しんでただろ?」

優希「んなっ!?わ、私が何を楽しんでたって言うんだじぇ!?」

京太郎「いや、隠れてて楽しかっただろ?密着してた時お前ドキドキしてたじゃん」

優希「んにゃ!?」

京太郎(にゃ……?)

優希「……バ、バレてたのか」

京太郎「そりゃあんだけ近けりゃなあ」

優希「……」

京太郎「まあ楽しんでもらえたなら抜けてるのも悪くないってこったな」

優希「……」

京太郎「さてとそろそろ十時だけどいっそのこと寝ちまうか?それとも他に何か……」

優希「……おりゃ!」ドンッ!

京太郎「のわっ!?」

ドサッ!

京太郎「いてて、急に突き飛ばすなよ……」

優希「京太郎」

京太郎「な、なんだよ」

優希「私は、クリスマスプレゼントを要求するじぇ!」

すいません寝てました
再開します

京太郎「また急だな……別にいいけど今たいしたもん持ってないぞ?」

優希「大丈夫だじぇ。欲しいのはお前がずっと持っていたものだからな!」

京太郎「ずっと持ってたもの?何の事だ?」

優希「それを話す前にちょっと腕上げるじぇ」

京太郎「こうか?」

カチャ

京太郎「……は?」

優希「捕まえたじぇ京太郎!」

京太郎「優希、お前、これなんだよ!?」

優希「手錠だじぇ」

京太郎「それはわかっとるわ!なんで俺が手錠かけられなきゃいけないんだって言ってんだ!」

優希「プレゼントをもらうのに抵抗されたら面倒だからな。終わったら解放してやるじょ」

京太郎「……つまりそれって、お前が欲しいのは俺が嫌がる可能性があるものって事か?」

優希「……」

京太郎「おい、なんでそこで黙るんだよ!」

優希「ええい、いいからお前は天井の染みでも数えていればいいんだじぇ京太郎!」

京太郎「……その言い方、お前、まさか」

優希「……」

京太郎「お、落ち着け!冷静になれば……」

優希「京太郎!」

京太郎「うわあああああ!?」

優希「……」ポフッ

京太郎「……あれ?」

京太郎(何も、されてない?優希の奴、胸元に顔埋めただけで止まっちまった……)

優希「……」

京太郎「あの、優希さん?」

優希「……うっ、くっ」

京太郎「お前、泣いてんのか……?」

優希「な、なんの話だじぇ!私は……」カタカタ

京太郎「……!」

優希「別に泣いてなんか……」カタカタ

京太郎「……悪い」

優希「あ、謝られる意味が、わからないじぇ……」

京太郎「こんな形でもお前なりに真剣だったんだよな?いつもの延長上だと思ったから変に拒否しちまった……」

優希「……いつもだって私なりに真剣だったじぇ」

京太郎「……マジか」

優希「……」

京太郎「ふぅ、やっと自由になれたぜ」

優希「痛かった、か?」

京太郎「別に痛くはなかったけどさ、今度からはもう少しスマートに頼む」

優希「……今度があってもいいのか?」

京太郎「あー……そうだな。もう少しわがままを減らしてくれるなら、な」

優希「そうか……ならよかったじぇ」

京太郎「ああ、そうだ優希」

優希「ん、なんだ京太郎?」

京太郎「ちょっと腕を後ろに回してくれ」

優希「???これでいいのか?」

カチャ

優希「……えっ」

京太郎「ほらよっと!」

優希「わぷっ!?」ドサッ!

京太郎「おぉ、いい眺めだな」

優希「きょ、京太郎!?これはいったい何のまねだじぇ!?」

京太郎「んー?俺もプレゼント欲しくなったからさ、抵抗されないようにしようと思ってな」

優希「プレゼントって……な、なんで急にこんな……」

京太郎「……はあ」

優希「なんでため息つくんだ!?」

京太郎「お前鈍いな。何も気付いてねえんだから」

優希「は、はあ?何の話だじぇ?」

京太郎「まずだ、確かにこうして閉じ込められたのは予想外だったけどな……俺はどちらにせよすぐにお前を帰す気はなかった!」

優希「じぇ!?」

京太郎「ああもうこの際だ、全部言ってやる。俺の雑用終わるまでお前が待っててくれてマジで嬉しかった!」

優希「じょ!?」

京太郎「タコス分けてくれた時もマジで嬉しかった!」

優希「きょ、京太郎……」

京太郎「サンタのコスプレ見た時も不覚にもドキッとしたよ!」

優希「ううっ……」

京太郎「つうかロッカー入った時も別に誰も来てなかったしな!」

優希「なにぃ!?」

京太郎「お前ってさ、なんだかんだでいつもいつも細かい所で俺に気遣ってくれてたろ?」

優希「そ、そうだったか?」

京太郎「まあ、お前がどういうつもりだったにせよ俺は嬉しかったんだ。思わず和から鞍替えしちまいそうなくらいにな」

優希「鞍替えって……」

京太郎「わかるだろ?」

優希「それはまあ……」

京太郎「で、そんな揺れてる中で誰かさんが俺に手錠かけるわ泣き出すわしてくれたわけだ」

優希「あ、改めて言われると恥ずかしいじぇ……」

京太郎「今さら恥ずかしがるなよ……」

優希「つ、つまりだ!京太郎は私の事が好きなんだな!」

京太郎「……」

優希「えっ、な、なんで黙るんだじぇ」

京太郎「……」

優希「きょ、京太郎?」

京太郎「……冷静になると俺とんでもない事言ってんな」

優希「こんな場面で冷静になられても困るじぇ……」

京太郎「つうかさっきの質問だけど答え言わないとダメか」

優希「言ってくれないのか……?」

京太郎「……惚れました」

優希「私はもっと前から惚れてたじぇ、バカ」

優希「でだ、京太郎」

京太郎「なんだよ」

優希「そろそろこの手錠外してほしいじぇ」

京太郎「ああ、悪い悪い」

カチャカチャ

京太郎「ほら外れたぞ……っと」

優希「えへへ……暖かいじぇ」

京太郎「お前いきなり抱きつくなよ……ビックリするだろ」

優希「嬉しいくせに」

京太郎「ノーコメントだ」

優希「私は嬉しいじぇ」

京太郎「……お前、それは卑怯だろ」

優希「私は素直になってるだけだじぇ!京太郎は素直になってくれないのか?」

京太郎「……俺も嬉しいよ。好きな奴相手だからな」

優希「……」

京太郎「優希?」

優希「はっきり言われると照れるじぇ……」

京太郎「お前人に言わせといてそれか!?」

優希「しょうがないだろう!言うのと言われるのじゃ全然違ったんだ!」

京太郎「お前なあ……」

優希「……京太郎」

京太郎「なんだ」

優希「雪も酷いし今日はもう帰れないじぇ」

京太郎「だな」

優希「私達はもう、そのそういう関係だろ?」

京太郎「……だな」

優希「今日はクリスマスだじぇ」

京太郎「……まあな」

優希「……寒いからベッドで寝たいじぇ」

京太郎「……俺もだ」

優希「でもベッドはこの1つしかないじょ……京太郎」

京太郎「……」

優希「これ以上、私から言わせないでほしいじぇ……」

京太郎「ああ、そうだな。ここからは俺が男見せないとな……目、閉じてくれ」

優希「ん……」

――翌日

和「昨日部室に泊まってたようですがゆーきと須賀君は大丈夫だったでしょうか……」

咲「何かあったら連絡あるはずだし大丈夫だとは思うけど……」

和「ですよね……とりあえず部室に行きましょう」

咲「うん」

――部室

咲「京ちゃん、優希ちゃん大丈夫だった?」

和「2人共、何も食べてないでしょう?家から色々持ってきたので……」

京太郎「くかー……」

優希「むにゃむにゃ……」

咲「」

和「」

咲「えっ、ええっ……!?」

和(な、なな、なんで2人共、は、はだ……!)

京太郎「んあ……?」

咲「きょ、京ちゃん?」

京太郎「んっ……なんだ咲か。もう少し寝かせてく、れ……」

咲「お、おはよー……」

京太郎「……どわあああああっ!?」

優希「うーん……うるさいじぇ、京太郎……」

和「ゆ、ゆーき!あなた部室でいったい何を……!」

優希「……の、のど、ど、のどちゃあん!?」

咲「え、えっと……2人共おめでとうって言えばいいのかな?それともお赤飯炊いた方が……」

京太郎「待て、落ち着け咲!これはその、違うんだ!なあ優希!?」

優希「そ、そうそう!これはあくまで人肌が暖まるのに一番効果的だから……」

和「シーツに血がついてますが」

京太郎「」

優希「」

咲「やっぱりお赤飯が必要だね!私作ってくるよ!」

京太郎「待て、やめるんだ咲ぃ!」

和「とりあえず2人共服を着なさい!着終わったら色々とお話がありますので覚悟するように……!」

優希「あわわわ……!」

和「早くしなさい!!」

京太郎・優希「は、はい!」

京太郎(結局あの後咲には変に祝われるわ、和には説教されるわ散々だった……後から知ったらしい部長と染谷先輩は呆れてた)

京太郎「よし、準備OKっと。行くとしますか」

京太郎(まあそんなこんなで色々あったが俺達の関係は概ね良好だ)

京太郎「優希ー」

優希「逃げずによく来たな!さあ、上がるといいじぇ!」

京太郎「はいはい、その前に報酬の前払いな」

優希「おぉ、タコスがこんなに!さすがだじぇ京太郎!」

京太郎「味に見合った分はしっかり教えてくれよ?」

優希「任せろ!あむっ……んー、タコス美味しいじぇー!」

京太郎「……なあ優希。そういえばあの日言い忘れてた事があったから今言っていいか」

優希「んぐっ……言い忘れた事?」

京太郎「ああ……好きだぜ、優希」

優希「ぐっ……!?」

京太郎「お、おい大丈夫か!?」

優希「し、死ぬかと思ったじぇ……」

京太郎「な、なんかすまん」

優希「別にいいじぇ……それと京太郎、ちょっとしゃがめ」

京太郎「ん?これでいい……」

優希「んっ……」チュッ

京太郎「の、か……」

優希「……わ、私も好きだじぇ、京太郎!」

京太郎「……」

京太郎「本当に卑怯だろそれは……」

カン!

まだ落ちてないと思ったらなにこれ怖い

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