蛍「小鞠先輩と暮らしはじめて、もう一年が経ちます」 (17)

小鞠「お帰り蛍! ご飯にする? お風呂にする?」

蛍「先輩でお願いします!」

小鞠「わわっ、危ないからいきなり抱き着くのはやめてってば!」

蛍「あ、ごめんなさい先輩!」

小鞠「全くもう、それじゃあご飯食べよっか蛍」

蛍「……は、はい」

小鞠「いつも喜んでくれるから今日は張り切ったんだぁー」

蛍「ワァイ、トッテモタノシミデスー」

蛍「二人の共同生活は私がお仕事、先輩が家事をすることで成り立っています」

蛍「先輩を働かせるなんて考えられませんからね」

蛍「家に帰ると先輩の笑顔、癒されます」

蛍「パパもママのこういう顔見るために頑張ってたんだろうなぁ」

蛍「毎日が幸せです」

蛍「……ただ一つを除いては」

小鞠「はい蛍、あーん」
蛍「頂きます! あーん」
小鞠「えへへ、今日は沢山工夫したんだぁ、どうかな?」

蛍「」

蛍「は、はい、とても美味しいですよこの……この……コロッケ?」

小鞠「違うよ蛍、それは春巻だよー」

蛍「そうですよね春巻美味しいです!」

小鞠「それじゃあ次はミートボールね、はいあーん」

蛍「あーん!」

蛍「うぐ……」

小鞠「甘酢あんかけみたいにしてみたんだ、どうどう?」

蛍(強烈な酢の臭いとこの異常な甘さは一体なに!?)

蛍「お、美味しいです先輩……」

小鞠「本当!? いやぁ、作りすぎたからどうしようか悩んでたんだよね、おかわりたっくさん食べてね!」

蛍「あ、あぁぁ……は、はい……」

蛍「」

小鞠「もう蛍ってばお腹いっぱいになったら無言になるのやめなよ」

蛍「」コクコク

小鞠「ほら蛍、お風呂入るよ?」

蛍「」パァァ

ひょいっ

小鞠「えっ、ちょっ、蛍? 私は良いから! 後で入るから!」

蛍「」キラキラ

たったった

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