女子A「あ、碇く~ん」
女子B「元気してる? パンツ見してあげよっか?」
シンジ「いや、それは嘘で……」
女子A「Cちゃん隙あり!」バサッ
女子C「キャッ」
シンジ「///」
女子B「あはは、赤くなっちゃった。カワイイぃ」
アスカ(なんか予定と違うわ)
綾波「碇君…白だけれど、いい?」
シンジ「綾波…何が?」
綾波「ごめんなさい、私、白しか持っていないから」
シンジ「だから何が?」
アスカ(変態扱いされて孤立したところで優しくしてやるつもりだったのに……)
後輩「碇せんぱーい、私のパンツ見ますかー」
シンジ「い、いいってば!」
ピロリン
シンジ「あ。メールだ」
→撮りたてパンツ♡
シンジ「ぶっ」
アスカ「ぐぬぬ」
アスカ「ここは他の噂を流して仕切りなおすべきね」
アスカ「シンジはホモ……だと色々と危ないから却下」
アスカ「ノーマルで、けどもっと変態感高めなネタを……」
アスカ「『シンジはブルマ大好き☆』って噂を流してやったわwwww」
シンジ「……」カリカリカリ
トウジ「シンジは真面目やのう」
ケンスケ「写生の時間なんて、堂々とサボってられる絶好の機会だろ」
シンジ「でも書かないわけにいかないし」
トウジ「いや! ケンスケの言う通りや。あっちを見てみい」
ケンスケ「3年女子の体育はいいよな~。やっぱ発育が」
先輩A「あ。ねえあそこ」
先輩B「ホントだ! おーい碇く~ん」
トウジ「……毎度ながらモテますなぁセンセ。手ぐらい振り返さんと失礼やで」
シンジ「う、うん」フリフリ
シンジ(近頃特に、体育してる人達に声かけられる気がする……)
先輩C「こっち来てブルマ見学するー?」
シンジ(…………今ブルマとか聞こえたような……)
教師「で。この地域では雨量が少ないためそれに適した農作物が~」
ピッ
シンジ(ん?)
碇君がブルママニアってホント? Y/N
シンジ「……」
シンジ「Dさん!」
女子D「ん? なぁに」
シンジ「あの……さっきのメールなんだけど……」
女子E「……」
シンジ「ど、どこであんな話を」
女子E「そうやって誤魔化すってことはやっぱホントなんだ?」
シンジ「え? いや、ちがっ」
女子D「ね。あっち行って話そ」グイッ
女子D「今日体育あるからさ、中にブルマ履いてきてるの」
シンジ「そ……それがナニカ」
女子D「せっかくだからぁ、近くでガン見させたげる♡」
女子E「じゃ私もぉ」
シンジ「な!!?」
女子D「ちょっと待っててね……」スルッ
女子E「ほら……碇君」ツツツ
シンジ「///」
アスカ「ぐぎぎぎぎぎ」
レイ「何見てるの?」
アスカ「見りゃ分かるでしょ双眼鏡よっ!」
レイ「そう」
アスカ「ってうわ。あんたいつからそこいたの」
レイ「今。向こうから歩いてきたところ」
アスカ「あー。参考までに聞いてみるけどさ、あんた、シンジがパンツ好きって聞いたらどうする?」
レイ「……パンツを買ってあげるかも知れない」
アスカ「じゃ、ブルマが好きでたまらないって聞いたら?」
レイ「……ブルマを買ってあげるかも知れない」
アスカ「なんか根本的に聞く相手を間違えたわ」
レイ「?」
アスカ「じゃ質問変えるわね。あんたじゃなくて、他の女子について」
レイ「……」コク
アスカ「男がどんな趣味だったらドン引きすると思う? こう、リアリティある範囲で」
レイ「スクール水着を―――」
アスカ「そのネタはブルマの二の舞になりそうだから却下」
レイ「たて笛を」
アスカ「それだわ! 引くこと間違いなし!! でも……なんで人形女がそういうの思いつくわけ?」
レイ「碇司令の趣味だから、多分気持ち悪いと思って」
アスカ「……なんであの髭からシンジが生まれたんだろ」
アスカ「『シンジは女子のたて笛をぺろぺろするのがお好き♪』って噂を流しちゃったwwwww」
アスカ「♪」
シンジ「アスカ。今日は機嫌いいね」
アスカ「べっつにぃ」
シンジ「あ、おはよ」
男子「おはよーさん」
アスカ「ふひひひ」
カパ……がしゃんッ
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「なんで下駄箱に笛??」
ケンスケ「よっシンジ。お前って音楽係だった?」
シンジ「え。なにが?」
ケンスケ「ほら、あそこ」
シンジ「…………なんだこれ」
シンジ(机の上にたて笛が山積み……)
ケンスケ「って、音楽係でもこんな仕事ないけどさ。新手のイジメか?」
シンジ「さぁ……? 僕に聞かれてもさっぱり」
アスカ「フシュー、フシュー」
シンジ(アスカはヘンな音発してるし……ホントなんなんだろ)
アスカ「ちょっと! 全然ダメじゃないのどーいうことよ!」
レイ「私は質問されてアイデアを提出しただけ。採用と実行はあなたの判断よ」
アスカ「むぅぅ~」
レイ「……」
アスカ「どうしよ。どうしよ。どうしよ。どうしよ」
レイ「……もっと、多くを試してみたら?」
アスカ「おおく?」
レイ「考えても何が効果的か分からないのなら、あえて分析は止めて思いつくままに噂を作るの」
アスカ「下手の考え休むに似たり。あと数撃ちゃ当たるってわけね」
レイ「……」コク
アスカ「まっ、私は下手な者じゃないんだけど。でもいいわ、採用!」
レイ(……面白い人)
後輩B「せんぱぁい」ギュッ
シンジ「あ、あの」
後輩C「えへへ。私、自分用のシャンプーやっと買ってもらえたんです」
後輩D「私はお姉ちゃん二人いてー、三人同じの使ってるんだけど、どうですかぁ?」
シンジ「どうって……ぃ、いい匂いだと思うけど ///」
水泳部部長「や、スク水少年」
シンジ「すくみずしょうねん??」
水泳部部長「うちの部に入っちゃえばいっくらだって見せてあげるのにさ。ふふ」
ピッ ピッ
シンジ(まただ)
シンジ(最近、胸元の際どい写真が散々送られてくる……なんで僕のアドレスみんな知ってるの!?)
ピッ
シンジ(うぁ……これおっきい……///)
女子F「碇君って、脚フェチでやばいんだって?」
シンジ「え」
女子F「ね。こっそり触ってみたくない?♡ それとも踏まれたい系?」
シンジ「えぇぇぇ」
女教師「よくない噂が私の耳に入ってきてるの」
シンジ「すみません……僕にもなにがどうなってるのか」
女教師「あら。とぼけるつもり?」
シンジ「そんな!」
女教師「仕方ない子ね……キス魔で唾液好きで、見境なく口を犯して回るくせに」
シンジ「どこの誰ですかそ、んんん!?」
女教師「んちゅぅ、ちゅぷ、んれるちゅぷちゅぱつぷぷっ。ン~~~~~」
シンジ「っっっっ!」ジタバタ
シンジ「っっ」ジタ…
シンジ「」
アスカ「…………きっぱりと悪化してるじゃない」
レイ「そうね。作戦は失敗」
アスカ「あ・ん・た・ねええええ」
レイ「……」
アスカ「く………ぅぅっ」
レイ「……」
アスカ「…………シンジぃ」
レイ「あなたは……何を望んでいるの?」
アスカ「…………え?」
レイ「碇君に近づきたいなら、こんな方法に頼る必要、ないわ」
アスカ「ファースト……」
レイ「碇君が言ってた。『逃げちゃダメだ』って」
アスカ「そっか。うん、そうよね!」
ガヤガヤガヤ
トウジ「なーんや、シンジの周りもこのところ静かやなぁ」
ケンスケ「モテ期ってのが去ったんじゃないのか」
シンジ「うーん……」
ケンスケ「どうした?」
シンジ「どうってわけじゃないんだけど。やっぱり何かおかしいっていうか、居心地悪いっていうか」
女子A「……」ジロジロ
女子B「……」ジロジロ
シンジ「うーん」
アスカ「フンフンフ~ン♪」
レイ「……」
アスカ「あ、ファースト。やっほー」
レイ「……」
アスカ「なんで無視すんのよ感じ悪いわね」
レイ「何をしたの?」
アスカ「シンジのこと? べっつにー」
アスカ「ただ、『シンジはアスカフェチで二人は恋人!!』って噂を流してやったわwwwwwww」
アスカ「まったく、こんな単純な手で解決するのに、ずいぶん回り道しちゃった」
レイ「この前の時、私が伝えたかったのは」
アスカ「意図が違ったって知らないわよ、そこまで。でも感謝はしといてあげる」
レイ「……流した噂、それだけ?」
アスカ「あとは『シンジは絶対浮気しないから愛人希望ならアスカに相談だ!』ってね」
アスカ「これで、不穏分子の動きも把握できるってわけ」
レイ「けれど」
アスカ「ん? 何」
レイ「いくらなんでも碇君に」
シンジ「バレるよ、そりゃ」
アスカ「げ」
シンジ「ア~~ス~~カ~~ぁ」
アスカ「う゛。な……なによぉ」
シンジ「おかしいおかしいとは思ってたんだ! 全部アスカの仕業だったのかよ!?」
アスカ「でっでも、おかげでイイ思いできたんじゃない」
シンジ「あんなの。僕がエヴァに乗ってるから構ってもらえただけじゃないか」
レイ(それだけじゃないと思う)
シンジ「……」ジトー
アスカ「……ふんっ。なんだかんだ言っても、エッチなことされて喜んでオカズにしてたくせに」
シンジ「!」
アスカ「ほら図星」
シンジ「だっ、皆から毎日あんなコトされてたら、それはだって仕方ないじゃないか!」
アスカ「あんなコトって具体的にどんなのよ。開き直っちゃって、スケベ。どスケベ!」
シンジ「ぐ……そうやって、開き直ってるのはアスカのほうだろ」
アスカ「むぅぅ」
シンジ「はぁ。ここで話し込んだら遅くなっちゃうし、とりあえず帰ろう。で、帰ってからお説教ね」
アスカ「むぅぅぅぅぅぅ」
シンジ「綾波、また明日」
レイ「ええ」
このSSまとめへのコメント
その後アスカはドイツに帰った。そして碇シンジは幸せなハーレムを築いた