千早「プロデューサーにセクハラされたわ…」(158)

真「え?」

美希「千早さん、それ本当なの?」

千早「ええ。その…、胸を…」

真「胸を?」

千早「なでられたのよ」

真「セ、セクハラだ…」

千早「2人は、そういうことされてないの?」

美希「ミキはされてないなー、だって、ミキは揉まれるから」

千早「 」 ブワッ

美希「…ごめんなさいなの」

美希「で、でも千早さん!」

美希「ハニーがね、言ってたの」

美希「胸なんか飾りだって、小さくても問題ないって!」

美希「だから、大丈夫なの、千早さん!」

真「美希ー、何気に傷に塩塗ってるだけだよそれ」

千早「くっ」 プルプル

真「でも、プロデューサーの言うとおりだと思うな」

真「大きいとかそういうのじゃないとボクは思う」

千早「…そう?美希もそう思うかしら?」

美希「は、はいなの」

千早「でも、…男の人はやっぱり大きいほうがいいんじゃ」

真「そればっかりはボクにはわからないなー」

美希「ミキも、男の人じゃないからわからないの」

千早「……どうしてこんなに差がでたのかしら」

真「やっぱり、身長と同じで普通に差はでると思うけどなあ」

千早「それにしても出すぎだと思うの」

美希「……でも、いまさら千早さんがばいーんとなってもミキ困るなーって思うの」

真「まあ、今の千早でなれちゃってるからね」

千早「つまり、今の状況で甘んじておけ…ということかしら」

真「で、でも、成長の余地はあるかもしれないし」

美希「千早さん、あきらめちゃだめなの!」

真「…そういえば、美希はその…」

真「揉まれるんだっけ?」

千早「それはそれで、ちょっと問題よね」

美希「合意の上だから、問題ないかなってミキは思うな」

千早「…羨ましい」

真「揉まれるのが?」

千早「揉まれるほどあるのが」

真「……」

千早「ねえ、真。豊胸手術っていくらかかるのかしら」

真「千早、落ち着こう?」

美希「でもね、千早さん。胸が大きいとうつ伏せになると苦しいの」

千早「 」 ブワッ

美希「千早さん、本当にごめんなさいなの」

P「へえ、そんなことがあったのか」

真「そんな事じゃないですよ」

P「ああ、悪い悪い…」

真「そもそも、何で胸なんか触ったんですか?」

P「それがさ…、おれ本当は胸じゃなくてお腹をなでようとしたんだ」

P「そうしたら、…何故か胸を触りたくなってさ」

真「つまり、セクハラ自体はする気だったんですね?」

P「おうよ」

P「でもまー、セクハラは日常茶飯事だからいいじゃないか」

真「よくないです」

P「くっ」

P「まあ、でもさ」

P「胸のことを気にする必要はないと思うよ」

真「本人にとっては、相当深刻な問題みたいですよ?」

P「うーん、まあそうなんだけど」

P「…真はさ、何で人の胸が膨らむか知ってる?まあ、個人差はあるけど」

真「え?…そういう身体の仕組みだから?」

P「いや、なんでそうなったかって話なんだけど」

P「聞いた話だから、よくわからないけど」

P「サルいるだろ、サル」

P「サルっていうのは、オスがメスのお尻をみてそれで興奮するんだけどさ」

P「でも、それはサルが四足歩行するからだろ?」

真「あ、人間は立ってますから、あまり目線がお尻にむいたりはしませんね」

P「そうそう、それでかわりに胸が大きくなって、オスを興奮させるようになったらしい」

P「まあ、ただ単に直立二足歩行でお尻がでかすぎるのが不便っていうのもありそうだけど」

真「…つまり、どういうことです?」

P「つまり、千早は胸がなくても十分、魅力的な女性ってことだよ」

真「──それ、本人の前でいってあげたほうが」

P「言ったら言ったで「くっ」ってなりそうだけどな」

真「胸がないってワードがネックかあ…」

P「まあ、だからつまり──」

美希「つまり、ミキはお胸がないと魅力がないの?」

P「…美希、いつのまに?」

美希「ちょっと前からなの」

P「まあ、今のはあれだ、……千早用だから」

美希「むぅー」

P「大丈夫だよ、美希だって胸がなくても大丈夫さ」

美希「本当?」

真「でも、大きければ揉むんですよね?」

P「おうよ」

真(ダメだこりゃ)

P「まあ、胸はいいんだ、胸は」

P「女の価値は胸の大きさじゃない、形じゃない、柔らかさじゃない、感度じゃない」

P「正直、そんなものはどうだっていい」

P「大事なのはな、顔と性格なんだよ」

真「…ま、まあ。最終的にはそうなるんでしょうけど」

美希「ハニー的には、美希はどう?」

P「そりゃあ、アリだ。もう、可愛い」

真「ぼ、ボクは…?」

P「もちろん、アリ」

P「っていうか、765プロのメンバーには思い入れもあるしな」

P「全員いける!亜美だろうが真美だろうが、やよいだろうがお構いなしだ!」

真「つまり…」

P「そう、つまり…」

美希「765プロの女の子ならだれでもいいのハニー?」

P「だって、皆可愛い、いい子じゃねぇか…」

P「……みんな可愛い、俺のアイドルさ!」

P「…とはいえ、セクハラ以上のことはあずささんにもしないぞ?」

P「YESロリータNOタッチ、という言葉をしっているか?」

美希「ミキ、知らないの。真君は?」

真「ボクもわからないな…、あまりいい予感はしないけど」

P「つまり、ああいうのって、めでるもんなんだよ」

P「触っちゃいけないし、性の対象としてみちゃいけない」

P「アイドルにも同じことがいえるのさ」

真「いや、思い切り触ってるじゃないですか!」

P「まあね」

P「…思い出してみろ、美希」

P「俺は、お前の胸を揉む以外のことをしたか?」

美希「…あ」

P「そう、していない」

P「アイドルと性交渉に及ぶなどという」

P「そういった夢のような行為」

P「この俺がするわけがない、夢は夢だからこそよいのだ」

真「な、なるほど…?」

P「お前らもさ、いわゆる〝偶像〟だからこそよいんだ」

P「アイドルが楽屋でタバコ吸ってる姿とか、考えたくないだろ?」

P「まあ。765プロのみんなはそういうのないけどな」

P「話を戻そう」

P「つまりな、千早は胸のことを気にする必要がない。俺が愛でる」

P「あずささんも、迷子になったら俺が見つけ出す」

P「やよいも、ヤバくなったら俺がご飯おごってやる」

P「貴音も、望むのなら横文字を徹底的に教えてやる」

P「真だって、お姫様扱いしてやる!」

P「そう…」

P「お前らの弱みなんざ、─俺にとっては何て事はない」

P「プロデュースするにあたって、そこまで支障もないからな!」

P(まあ、あずささんだけは見張ってないとだめだけど)

真「…でも、プロデューサーがそうでも、千早は…」

美希「そうなの、お胸が小さくて悩んでるのはハニーじゃなくて、千早さんなの」

P「まあ、そこなんだよな」

P「どうするのが得策だと思う?」

真「うーん、…気にすることないよっていうのも効果ないし」

美希「あ、詰め物すると、おっきくなれるの!」

P「根本的解決になってないし、何よりそれトドメさすことになるぞ」

美希「難しい問題なの…」

P「…とはいえ、自然に大きくなるのを待つのもな」

真「何年かかるんでしょうね」

P「来世まで待つしかないな」

美希「ハニー、それは言いすぎだと思うな」

真「胸がおおきくなるっていう食べ物はないんですか?」

P「そんなもん、あったらここら一帯のスーパーから千早が買い占めるだろ?」

P「まあ、鶏肉は大きくなるらしいけどな」

真「そうなんですか?」

P「それと、中国だかどっかでは…」

P「どこかが悪いときに、同じ部位の肉を食えばよくなるって言われてるんだ」

P「肝臓がわるいなら、レバーとかな」

美希「つまり、鶏のムネ肉を食べれば千早さんも…!」

P「まあ、鶏肉は確かに効果あるみたいだし、やってみるのもいいかもな」

真「…プロデューサー、肝臓が悪いときにフォアグラを食べるのはどうなんですか?」

美希「あ、余計に悪くなりそうなの!」

P「フォアグラとか都市伝説です」

P「というか、お前ら的にどうなんだ?」

真「へ?」

P「千早の胸」

美希「やっぱり、ちょっと小さいかなってミキは思うな」

P「そうじゃない、そうじゃない」

P「今のままでもいいだろって話」

真「それはまあ…」

美希「でも、大きくても小さくても、千早さんは千早さんなの」

P「しかし、俺はだな」

P「…………大きい千早はちょっといやだ!」

真「え?」

P「ほら、マジメだった女の子が」

P「夏休み明けにハデになるような…喪失感を感じる」

P「ああ、俺の知ってる彼女じゃなくなったんだなって」

P「というか、正直リアクションに困るだろ」

P「胸の大きい千早」

真「ま、まあ…」

美希「いざ会ってみると、多分困るの」

P「……そうだろ」

P「だから、あれでいいんだ」

P「千早はB72でいい」

P「そういった趣旨のファンレターだってある」

真「あ、ほんとだ」

美希「これ、千早さんには見せちゃダメなの…」

P「さ、…じゃあ俺はちょっと千早にあってこよう」

真「会わないほうがいいんじゃないかなあ」

美希「今いっても、逆効果なの」

P「構わん、逆効果でもいいさ」

P「会って話すことに、意義がある」

美希「そうとは思えないの…」

P「任せろ、俺ならやれる」

真「くれぐれも、言葉選びには気をつけてくださいね?」

P「うむ」

P「ちーちゃん、ちーちゃんよ」

千早「……」

P「なあ、千早ぁ」

P「……ちぃーは~や!」

千早「……」 プイ

P「セクハラしたのは悪かった」

P「そこは謝る」

千早「…そこは問題ではありません」

千早「いえ、セクハラ自体は少し困りますが」

P(やはり胸か)

P(……どうしよう、気の利いたセリフがでないな)

P(気にするなよ。…いや、だめだ)

P(俺はお前の胸好きだぜ!…変態じゃないか)

P(女の価値は胸じゃない!…これか?)

P(いや、でもこれも千早にはだめかもな)

P(……くそ、俺は千早のプロデューサーだぞ)

P(こんな時に、支えてやれないでどうする?)

P(そうさ、こういう時こそ、ちゃんとしないとな!)

P「千早」

P「元気をだせよ」

千早「プロデューサー……」

P「まあ、俺は男だからさ、お前の悩みとかちゃんと理解してやれないし」

P「それが、どういう苦しみなのかもわからない」

P「けど、だからこそ。俺はお前にこう言ってやれる」

P「そんなことで、お前の価値は無くならない」

P「そんなことで、お前の価値は決まらない」

P「だから、ほら」

P「笑っとけ、笑っとけ」

P「笑わなきゃ、人生するぞ」

P「千早」

P「元気をだせよ」

千早「プロデューサー……」

P「まあ、俺は男だからさ、お前の悩みとかちゃんと理解してやれないし」

P「それが、どういう苦しみなのかもわからない」

P「けど、だからこそ。俺はお前にこう言ってやれる」

P「そんなことで、お前の価値は無くならない」

P「そんなことで、お前の価値は決まらない」

P「だから、ほら」

P「笑っとけ、笑っとけ」

P「笑わなきゃ、人生損するぞ」

千早「ふふっ、…ふふふ」

P「やっと笑ってくれたな」

千早「だって、プロデューサー…。ガラにもないこと言うものだから…」

P「え、えぇッ!?」

千早「でも。おかげで色々ふっ切れました」

P「……そうか、よかった」

P(ガラにもないって。コイツの中の俺という人間はどうなってんだよ)

千早「プロデューサー、お手を煩わせてしまって、申し訳ありません」

P「違う違う。こういう時は…」

P「ありがとうっていうんだよ」

千早「……。」

千早「ありがとうございます」

P「さ、元気を取り戻したなら。行こうか」

P「真と美希が心配してたぞ?」

千早「そうですね…」

千早「2人にも謝らないと…」

P「そうだな、それがいいさ」

千早「あの…」

P「ん」

千早「プロデューサーのおかげで、色々、踏ん切りがついて…」

千早「なんだか、自信がもてました」

P「そりゃそうだ。俺は有能だからな」

千早「真、美希。心配かけてごめんなさい…」

美希「ううん、ミキもね、千早さんの事を考えないで…ごめんなさい」

真「すごいです、プロデューサー…。よく千早を宥められましたね」

P「ほら、二枚貝あるだろ?サザエとかみたいな巻貝じゃなくて。」

真「ホタテとかですか?」

P「そう。閉じてりゃ開けるのに苦労するけどさ」

P「BBQして、熱するとぱかぁって開くじゃん」

真「あー、そうですね」

P「北風と太陽も同じさ」

P「無理やり吹き飛ばすんじゃなくて暖かくしてやる」

P「つまり、ああいう時は」

P「カッコいい言葉で暖めてやればいいのさ」

真「そうなんですか…」

P「まあ、後は」

P「夏の栄螺は口ばかり、にならないようにしないとな」

真「…ことわざですか?」

P「口だけのヤツって意味だ」

美希「ミキ、前半部分いらないって思うな」

P「そういう事いうんじゃありません」

千早「ふふっ」

P「…しかし、これで一見落着だな」

美希「はいなの」

P「…しかし、事の発端は俺のセクハラにあるのか」

P「…………控えるべき?」

真「はい、そりゃあもう」

千早「あまり定期的にされるのも、こまってしまいます」

美希「ミキ、ハニーだったらいいかなって思うな」

真「美希がそんなこというから、プロデューサーが調子にのるんだよ?」

千早「そうよ。今はセクハラ以外はしてこないけど、いつエスカレートするか…」

P「安心しろ、それはないから。ボディタッチだけ」

P「基本的に上半身」

P「下半身はお尻だけしか触らない!」

真「ねえ、千早。社長に言っちゃおうか?」

千早「そうね、ちょっとお灸を据えないと」

P「ごめんなさい…」

真「…あれ?」

P「どうした」

真「ボク、セクハラされてない」

P「してほしいのか?」

真「違います!…ただ、プロデューサーはその」

真「ボクを女の子としてみてくれてないのかな…って」

P「そんなことはない」

P「この前、転寝してる真の口から垂れている涎をこう…すくいとってだな」

千早「…うわ」

P「なめたい衝動に駆られただけだ!やってない!」

千早「…思いとどまったのなら、まあ」

真「よかった…、のかな?」

美希「真君のよだれ…」

P「でもさ」

P「実際やるとするだろ」

P「まこと、美味しゅうございます。真だけに。…って言うだろ?」

P「なんか、色々だめだろそれは」

千早「そもそも、セクハラ自体が…」

P「そこはほら」

P「役得?」

美希「あふぅ…、ミキね、セクハラはいいとしても」

美希「手当たりしだいはどうかと思うな」

P「俺は差別はせん」

P「美希の胸を揉んだなら」

P「伊織のデコを撫で回す!」

P「伊織のデコを撫でたなら」

P「春香が転んだ時にパンツを覗く」

P「これぞ、平等」

真「たしかに、不平等はだめですけど」

千早「そういうことを平等にしなくても」

P「そうか?世間は平等を歌謳っているじゃないか」

P「まあ、万人に平等に降りかかるモノは不平等なんだけどな」

美希「ハニー、それっぽいこと言ってるけどよくわからないの」

真「だったらセクハラも不平等にしたっていいよね」

千早「そうよね、音無さんあたりにでも…」

P「あの人にして、本気にされたらどうすんだよ」

美希「それはミキが困るの」

P「だろ?」

P「確かに、彼女も魅力的だ」

P「しかし、……本気の恋愛はちょっと違う!」

P「彼女はそう」

P「観賞用だ」

P「YESオトナシNOタッチ」

P「それが、俺の矜持」

千早「仰ってることがよくわかりません」

P「つまり、彼女は見てるだけでなんか癒される」

P「ほらほら、もうこんな時間だぞ?」

P「子供は帰る時間だ」

美希「ミキ…今日お仕事してない気がするの」

P「いいんだよ」

千早「それでは、プロデューサー、お疲れ様です」

真「おやすみなさーいっ」

プロデューサー「おう、三人ともまた明日な」

ふにゅんっ

美希「ひゃっ」

さわさわ

真「わっ」

なでなで

千早「きゃっ」

P「じゃっ、おやすみ!」

次の日

P「きいてください、音無さん」

小鳥「はい、なんでしょう?」

P「……ったんです」

小鳥「はい?」

P「真のお尻の触り心地がよかったんです!」

小鳥「 」

P「前々から触りたかったんですが」

P「あれはいい」

P「貴音の胸もいいし」

P「伊織のデコもいい」

P「でも、あの尻もいい…」

小鳥「…そ、そうですか」

P「音無さんが引くってことは、俺相当ですかね」

小鳥「私をものさしにしないでください」

小鳥「と、言いますか」

小鳥「それ、セクハラじゃないですか」

P「……」

P「まあ、そういう言葉に置き換えることもできますよね」

小鳥「セクハラ以外になんといえと」

P「……絆を確かめあう」

小鳥「絆ということばを汚さないでください」

P「ごめんなさい」

小鳥「謝るなら、アイドルの娘たちに…」

P「大丈夫ですよ、なんだかんだで彼女たちもまんざらじゃないですし」

小鳥「天罰がくだってもしりませんよ?」

P「ははは、大丈夫ですよ」

P「さて、今日の仕事を…」

P「あれ?」

小鳥「どうかしましたか?」

P「…パソコンのデータが吹っ飛んでる」

小鳥「えぇ!?大変じゃないですか!」

P「…いえ、仕事のデータは残ってます。ただ」

P「…エロ画像がスッパリと…操作ミスでもしたのかな」

小鳥「……天罰、下りましたね」

P「うぉおおおおお!」

小鳥「元気出してください…、これを…」

スッ

P「こ、これは…!同人誌!」

小鳥「私には、もう必要のないものですから」

P「…ありがとうございます。これで、戦える」

数分後

P「ふぅ…」

P「さて、では仕事しますか」

小鳥「お役に立てて、よかったです」

P「なんでしたら、直接お役立ちしてくれたら」

P「俺もお役勃ちしたんですが」

小鳥「もう、プロデューサーさんったら」

P「はははは」

P「伊織」

伊織「な、何よ」

P「ちょっと様があるんだ」

ナデナデ

伊織「ちょっと、出会い頭におでこ触るのやめなさいよ!」

P「…出会い頭じゃなくて、出会い額」

伊織「うまくない、うまくない」

P「…まあ、いいや」

P「それより、あのことなんだけど」

伊織「!」

P「…誰にもいってないよな」

伊織「あ、あったりまえじゃない。アンタが秘密にしろっていうから、秘密にしてるわよ」

P「よしよし。知られたらまずいからな…」

伊織「ねえ、アンタ…」

P「みなまでいうな、俺だってつらいんだ」

P「でも、あと少しの辛抱だろ?」

伊織「まあ、そうね…」

P「それまでは、このことは俺と伊織だけの秘密」

P「いわば、俺と伊織だけの秘密だ」

伊織(何で二回言うのよ)

P「わかったな?」

伊織「…にひひ♪しかたないわね」

P「ようし、えらいえらい」

伊織「…ほんとうにそう思ってるなら、態度でしめしなさいよね!」

P「よし」

なでなで

伊織「おでこじゃなくて頭でしょ!?」

P「忙しいし、昼飯はカップラーメンにするか」

P「貴音、なんかオススメないか?」

貴音「これなんかはどうでしょう?」

P「…塩か」

貴音「あまり辛いたいぷですと、食べるのに時間がかかってしまうでしょうし」

P「確かにな」

P「貴音の分も作ろうか、何がいい?」

貴音「では、あなた様と同じものを…」

P「りょーかい」

数分後

ズズズズズ…

P(あ、これうまいな)

貴音(これは、2分47秒で食べるのがべすとですね…)

数時間後

P「今日のスケジュールも完全に消化できたな」

小鳥「お疲れ様です、プロデューサーさん」

P「それは、アイツらに言ってあげてください」

P「本当にがんばってるのは、あいつらですし」

P「俺なんか、たまに手助けして、セクハラするだけですから」

小鳥「そんなことないですよ」

小鳥「プロデューサーさんの力があるから、みんながんばれるんですよ」

P「…そうなのかな」

小鳥「はい、そうですよ」

P「なんて事を、音無さんにいわれてさ」

P「俺、もう…恥ずかしくってさ」

真「でも、あながち間違ってないかもしれませんね」

P「そうなのか?」

真「はい、やっぱり。プロデューサーが色々やってくれるからこそ、がんばれるっていうか」

P「つっても、スケジュールの管理とか、営業探してきたりとかだぞ?」

真「でも、それがないと、ボクたちって成り立たないじゃないですか」

P「まあ、確かに」

真「だから。ボクたちはプロデューサーには感謝してるんですよ」

P「…な、なんだよ、いきなり」 カァァ

P「ま、でも、真たちの役に立てているなら、よかったよ」

P「プロデューサー冥利につきる」

真「えへへ」

P「ま、でも」

P「いくら有能とは言っても。俺もまだまだだし」

P「お前たちと一緒に、成長していかないとな」

P「もっと、いいプロデューサーになるためにさ」

真「プロデューサー…」

P「あ、そうそう…」



P「誕生日おめでとう。真」

真「え…」

真「ボクの誕生日、覚えて…?」

P「あったりまえだろ。社長含めた全員の誕生日覚えてるよ」

P「俺を誰だとおもってんだよ?」

真「プロデューサー…」

P「へへへ、ま。ほら…こういうの祝うのも俺の仕事だしな」

P「…ま、仕事抜きでもお前らの誕生日は祝うけど」

P「ほら、伊織ー、でてきていいぞー」

真「え…」

伊織「まったく、皆に内緒でケーキ用意するの苦労したのよ?」

P「ありがとう、伊織」

P「他の皆も呼んであるし、みんな集まったらパーティしよう」

伊織「でも、いいの?パーティするって伝えてないのよ」

伊織「プレゼントとか用意してないんじゃ」

P「伊織はなんだかんだで子供だな」

P「プレゼントとかよりも」

P「…ハートだろう、ハート」

P「さ、みんなもそろったけど」

P「蝋燭に火をつけたい人いる?」

亜美「……うぅ」

真美「……う~」

春香「やっぱり…」

美希「ここはハニーがいいと思うの」

千早「そうですね、主催者でもありますし」

伊織「まあ、これ以上の適任は居ないわね」

あずさ「亜美ちゃん、真美ちゃん。よく我慢したね、偉いわ」

P「へ、じゃあ、俺がつけていいですか?」

P「へっへへ、ついでに真のハートにも着火しちゃうぞ~?」

P(…さすがに十何個もやるのは手がしびれるな)

社長「それじゃ、照明の方は任せたまえ」

P「あ、お願いします」

パチン

P「コホン、それでは皆さん」

P「真の誕生日を祝って」

P「例のアレをいきましょう!」

皆「ハッぴバースデーとゥユー」

皆「ハッピバーすデートゥユー」

皆「ハっピバースでーディア真~」

シーン

千早「ハッピバースデー…」

千早「トゥー……ユー……」

真「……」

フッ

皆「お誕生日おめでとーっ!」

パァンッ パァンッ パァンッ

真「みんな、…ありがとう!」

P「いやあ、本当にめでたい。伊織、ケーキ用意してくれてありがとうな」

伊織「これくらい、お安い御用よ」

春香(…レシピきになるなあ)

貴音「まこと、よき日です…」

響「自分も、なんだかうれしくなってきたぞ」

雪歩「真ちゃん、本当におめでとう」

P(あ、このケーキうめえ)

P「というわけで、響と協力してこんなものを作ってみた」

真「これは…?」

響「ラフテーを、パンで挟んでみたぞ」

P「その名も「かなサンド」…俺たちの気持ちだ。ふっ」

美希「ハニー、かっこいいけどくさいの」

P「いいんだよ、別に。これくらいがちょうどいい」

響(正直いえば、自分の時にこれをプレゼントしてほしかったぞ)

春香(あ、このケーキ、クッキーが入ってるんだ…)

P「よーし、今日は飲んで騒いで食って祝え!」

小鳥「とはいえ、ジュースしか用意してませんけどね」

P「いいじゃねーの、ジュースでも十分酔える」

P「この歓喜の時に酔いしれるのに、アルコールなど不必要さ」

千早「……」 プルプル

伊織「千早、我慢は身体に悪いわよ」

春香「千早ちゃん、おかしいときは笑っていいんだよ」

真美「そうだよ、芸人さんのギャグは笑わないとだめだって兄ちゃんいってたよ」

亜美「その兄ちゃんがギャグをやってくれたんだから、笑わないとダメっしょ」

P「おいこら」

律子「コーラ、今日くらいはプロデューサー殿のキザなせりふも多めにみてあげなさい」

P「あ、あれぇ?律子、それ遠まわしにバカにしてないか」

律子「あら、気のせいじゃ?」

P「ふぐう…」

P「でも、…ま」

P「とりあえず、今日はこの祝宴を愉しもう」

P「…な、真」

真「はいっ…、ありがとうございます」 グスッ

P「お、おいおい、泣くなよ?それほど感動的だっていうのはうれしいが」

P「笑え、笑っとけ。こういう時は」

P「笑わないと、人生大損するぞ」

真「……はいっ」

P「というわけだ、もっと盛り上がるぞー!」

皆「おーっ!」

数時間後


P「…ふう、みんな騒ぎ疲れてねちゃったか」

社長「今日はお疲れさま、君のおかげで彼女もうれしそうだったよ」

P「いやいや、これくらいのこと。当然ですよ」

P「彼女たちは、俺の家族のようなものですから」

P「家族の誕生日祝うのは当然でしょう?」

社長「うむ、そうだね」

P「ちゃんと、妹たちをトップアイドルにしてみせますよ」

P「ね、お父さん」

社長「ああ、期待しているよ」

P「任せてくださいって、俺は有能ですから」

社長「でも、君もあまりがんばりすぎないようにね」

P「わかってますよ、この仕事は身体が資本ですから」

社長「それに、君が倒れてしまうとみんなが心配する」

P「──そう、ですね」

P「社長も、ご自愛してくださいよ?」

社長「ハハハハ、大丈夫。まだまだ現役でいけるよ!」

P「それをきいて、安心しました」

P「…あ、ちょっと夜風にあたってきますね」

P「もうすぐで9月か」

P「とはいえ、まだ夏の暑さが残ってるな」

P「…今日はちょっと、夜風が気持ちいな」

P「ん~っ、秋もアイツらとがんばらないと」

P「さて、もうちょっとゆっくりしたら片付けするか」

P「とはいえ、音無さんは率先して疲れてねちゃったし」

P「社長にあまり屈んだりさせるのはしのびないから、俺一人になるか」

真「あの、プロデューサー」

P「真、起きてたのか?」

真「あの、ちょっといいですか?」

P「ああ、構わないぞ」

真「えへへ」

真「あの、今日は本当にありがとうございました」

真「ボク、その、すごくうれしくて…」

P「それはよかった」

P「真のその言葉が、何よりのお返しだよ」

真「そんな…、ダメですよ。お返しはちゃんとします」

P「本当に?」

真「はい」

P「じゃあ、トップアイドルになってくれ」

P「で、その祝賀会をみんなでしよう。それが俺の望むお返し」

真「プロデューサー…」

P「出来ない、なんて言わせないぞ?」

真「はい!ボク、絶対にトップアイドルになってみせます!」

P「…なあ、真」

P「今日は真の誕生日なんだけどさ」

P「もし、真が生まれてなかったら。こうやってプロデュースすることも」

P「誕生日祝ってやることもできなかったんだよな」

P「だから。生まれてきてありがとう、真にあえてよかったよ」

真「プロデューサー…」

真「ボクも、プロデューサーにあえてよかったです」

P「俺だけじゃないだろ?」

真「はい、皆にあえて本当によかったです。生まれてきて、本当によかった」

P「ああ、そうだな。…さ、それじゃそろそろ片付けに戻ろうか?」

真「はい…♪」

P「こら、くっつくなよ、歩き辛いだろ…?」

真「いいじゃないですか、これも誕生日プレゼントですよ♪」

P「まったく、しょうがないな…」

真「えへへ♪」



宅配便「お届けモノでーす」

P「ん、真にだ」

P(…ファンから?…いや、名前書いてないな)

P「……うーん、カミソリとか、爆弾じゃなさそうだし」

真「プロデューサー、どうしたんですか?」

P「え、いや。真あてに…こづづみが」

P「多分、真へのプレゼントだと思うんだけど…」

真「本当ですか?あ、ボクあけてみますね」 ヒョイ

P「あ、差出人不明のモノを勝手にあけるな!」

真「わー、ぬいぐるみだ…」

P「不自然に重いとか、中に硬いものはいってるとかないか?」

真「?…大丈夫ですよ」

P「そうか、よかった」

ヒラ…

P「…なんだこれ?」

P「…メッセージカード?」

P「何々…?」


8/29が誕生日だって、何かの雑誌で読んだから
たまたま手元にあったぬいぐるみを送ってやる。
勘違いするなよ、ただぬいぐるの処理に困ってただけだからな!


P「……これは」

真「どうみても…」

P「律儀なやつ。気なんて使わなくてもいいのに」

P「やれやれ、一応お礼は言っておかないとな」

真「連絡先、知ってるんですか?」

P「一応…」

prrr

北斗「あれ、プロデューサーさん?」

P「ああ、北斗。今日うちに真へプレゼントが届いて…」

北斗「ああ、届きましたか。」

P「ありがとう、って伝えといてくれないか」

北斗「わかりました。僕からも真ちゃんにおめでとうって伝えておいてください」

P「うん、わかった。ありがとう…、それじゃあな」

北斗「チャオ☆」

ツーツーツー

真「…なんていってました?」

P「誕生日おめでとうだって、961プロが」

P(ふう、こういう事務所の垣根も飛び越えて祝福されるなんて)

P(やっぱり、誕生日っていいもんだ)

あ、ほくほくって「俺」だっけ、ごめん

P(ふう、冬馬の誕生日には何か送らないと)

小鳥「プロデューサーさーん」

P「あ、音無さんがよんでる」

P「ちょっと行ってくるな」

真「あ、はい」

タッタッタ

真「……みんな、本当にありがとう」

真「……でも」

真(あの時、2人だけのとき。プロデューサーがおめでとうって言ってくれたのが、本当にうれしかった)

真(プロデューサー、お返し期待しててください)

真(その時に、あらためて。ありがとうって言います)

真(それ以上にも、伝えたい気持ちもありますし)

真(……とても素敵なプレゼントありがとうございます、プロデューサー)

真(誕生日、おめでとう。ボク)


Happy Birthday

誕生日おめでとう、真。
読んでくれた人は本当にありがとう。
祝ってくれた人も本当にありがとう、真は最高だと思うんだ。

ああ、ちーちゃんはごめんなさいってことでwww
というわけで、寝る。見てくれてありがとう

あともう一回、真本当に誕生日おめでとう

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