ほむら「お祭りがやってるわね」(133)
杏子「せっかくだし遊んでこうぜ」
さやか「パーっと遊ぼー」
ほむら「そうね気分転換はいいわよね」
マミ「ふふっ暁美さんも遊びたいみたいね」
ほむら「べ、別にそういう訳じゃ」
まどか「うぇひひ、ほむらちゃんは意地っ張りさんだもんね」
マミ「息抜きは大事なんだから」
マミ「出店がいっぱいね」
さやか「あ、かき氷!」
まどか「たこ焼き屋さんだ」
ほむら「お腹が空いてくるわね……」
杏子「こういう場所で食べるとなぜか美味しく感じるんだよな」
マミ「ついつい食べ過ぎちゃうのよね」
さやか「本当になんでなんだろうね」
まどか「うぇひひ、お祭りの雰囲気だからじゃないかな」
杏子「まぁそれで太ったりするんだけどな」
マミ「佐倉さん、今何か言った?」
杏子「な、何も言ってない……」
マミ「そう、勘違いだったらいいの、ごめんなさいね」
さやか「こ、怖……」
ほむら「別に数kgぐらい増えたっていいじゃない」
ほむら「私なんて痩せすぎなんて診断されたわ……ちゃんと食べているのだけど」
マミ「それはそれでちょっとうらやましいわね……」
杏子「まぁマミの体重がちょっと増えたってそんなに気にすることはないって」
まどか「マミさんって一番スタイルがいいもんね」
マミ「そう言われると少し安心してしまうわね」
ほむら「ふふっその油断が命取りかもね」ボソ
マミ「暁美さん……」
ほむら「冗談よ」
マミ「出店がいっぱいね」
さやか「あ、芒果冰!」
まどか「胡椒餅屋さんだ」
ほむら「お腹が空いてくるわね……」
杏子「おまえらどこに行ってるんだ」
ほむら「で、なにか食べるの?」
杏子「私はまずたい焼きだな」
マミ「私は……今日は我慢を……」
ほむら「そう、私はかき氷でも買って涼もうかしら」
マミ(我慢、今は我慢よ私)
杏子「体重が1キロや2キロ程度増えたって飯食って運動すりゃいいと思うんだけど」
ほむら「というか育ち盛りである中学生でマミみたいなスタイルでダイエットなんてする必要あるの?」
さやか「そうそう、体に良くないよね」
まどか「マミさんのスタイルってとっても羨ましいよね」
マミ「やめて、そうやって甘い言葉をささやいて私を惑わさないで!」
杏子「いや、別に本当に思ったことを言ってるだけなんだけど」
さやか「うんうん」
ほむら「えぇ」
杏子「お、尻尾まであんこが入ってるじゃん、当たりだな」
ほむら「こっちはあまりシロップがかかっていなくてハズレな気分よ」
さやか「他の場所のかき氷のほうがシロップかかってるとくやしいんだよね」
まどか「でもかかりすぎてると氷がとけちゃって少なく感じちゃうよ?」
さやか「そこはかき氷の黄金比率ってものがだね」
マミ(我慢、我慢よ私……)
マミ「……」クゥー
さやか「あ、マミさんからおなかの虫が」
ほむら「お腹が空いているなら食べたほうがいいわよマミ」
マミ「ち、違うのよ!こ、これは!」
杏子「食わないで身体壊したらどうすんだよ、ほらよ、くうかい?」
マミ「……いただくわ」
ほむら「最初から素直に食べればいいのに」
ほむら「だいたいそんなに脂肪が消したいならその胸の脂肪をよこしなさいってのよ」ペターン
まどか「……」ペターン
まどか「うぅ……」
マミ「あ、美味しい」
杏子「だろ?」
杏子「せっかくの祭りで我慢なんてよくねぇって」
ほむら「お金があるならの話だけどね」
まどか「すぐなくなっちゃうんだよね……」
さやか「あーわかるわかる」
ほむら「あ、あれは……」
ほむら「金魚すくい……」
杏子「金魚すくいって掬った後で困るんだよな」
まどか「バケツとかで飼う事になっちゃうんだよね」
ほむら「そうよね……」
マミ「もしかして暁美さんやってみたいの?」
ほむら「え?私は別に……」
マミ「暁美さん、実は私の家に水槽があるのだけどそこで飼う金魚を一緒にとらない?」
ほむら「……いいの?」
マミ「ちゃんとお世話はするわよ」
ほむら「じゃ、じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ」
さやか「お、頑張れほむら」
ほむら「これですくえばいいのよね……」
杏子「あ、おいほむら、向きが逆だぞ」
ほむら「え?」
杏子「ポイは紙が貼ってある方が表だ、裏だと破れやすいからな」
さやか「へぇ……そうなんだ」
マミ「そんな事気にしたことがなかったわ、詳しいのね佐倉さん」
杏子「まぁな、少ない小遣いで妹を色々と楽しませようとしてた時におっちゃんに聞いたんだ」
まどか「杏子ちゃん……」
杏子「そのポイが何号とかまではわからないけどな」
ほむら「号?」
杏子「紙の厚さのことだよ、お祭りだと5号か6号だけど、5号だと破れにくいんだ」
マミ「そうだったのね……」
ほむら「奥が深いのね……」
杏子「ま、もうポイは渡されてるんだしその辺はどうしようもないって」
ほむら「わかったわ……」ジィー
まどか「うぇひひ、ほむらちゃんがとっても集中してる」
さやか「マジモードだね」
ほむら「えい!」バシャ
杏子「……」
まどか「……」
さやか「……」
マミ「……」
ほむら「や、破れてしまったわ……」
杏子「そりゃそうだろ」
マミ「破れやすいんだから乱暴にしちゃだめよ暁美さん」
まどか「うぇひひ、金魚さんたちが驚いて逃げちゃってるね」
さやか「すくいかた知らなかったんだね」
ほむら「も、もう一度よ!」
杏子「まぁ落ち着けほむら、ちょっとコツを教えてやるよ」
ほむら「?」
杏子「まずそっと全面を水につけること」
杏子「あと金魚を追いかけないこと、そうだな、金魚を敵だと思って動きを予想してみろ」
さやか「金魚を敵って……」
杏子「あとは斜めに引き上げておわんに入れるだけだ」
ほむら「わかったわ、やってみる」
まどか「うぇひひ、頑張れほむらちゃん」
ほむら「まず水につけて水中の獲物を……」
ほむら「はぁ!」ヒュン
ほむら「す、すくえたわ!」
マミ「あら、おめでとう暁美さん」
まどか「すごいよほむらちゃん」
さやか「これはまだまだとれそうだね」
ほむら「……調子にのって主に挑んだのが間違いだったわ……」
杏子「ま、ああいうのは狙った客の紙を破らせるためにいるようなもんだしな」
ほむら「私は罠にはまっていたということね」
まどか「でも十分すくったんじゃないかな」
さやか「8匹もすくえれば十分だよね」
マミ「すみませーん、私も1回お願いします」
杏子「なんだよマミもやるのかよ」
マミ「ふふっ暁美さんをみていたら私もしてみたくなって」
マミ「……」ジィー
ほむら「とても集中しているわね……」
さやか「プロみたいな雰囲気だよねこれ」
杏子「下手にしゃべって集中をきれさせたら殺されそうだ……」
まどか「……」ワクワク
マミ「えい!」パシャ
ほむら(金魚が宙を舞った!)
さやか(上に跳ね上げる意味ってあるの!?)
スルッ
マミ「え?ちょ、きゃあ!」
マミ「や、どこに入って!?」
ほむら「ちょ、ちょっと落ち着きなさいマミ」
杏子「今とってやるから動くなって」
さやか「胸の間に金魚がうまく入るってお約束だよね」
まどか「うぇひひ、そうだね」
マミ「ひどい目にあったわ……」
ほむら「ひどい目にあったのは金魚でしょう?」
杏子「おっちゃんもいいものを見れたみたいなこといってたしな」
さやか「マミさんもあんなふうに取り乱すんだなぁ」
マミ「まぁ何はともあれ合計金魚が10匹ね」
ほむら「これだけいれば寂しくないわよね」
まどか「うぇひひ、お友達がいっぱいだね」
ほむら「……」ジィ^
マミ「あのお店がどうかした?」
ほむら「あれは何?」
さやか「水風船ヨーヨーじゃん、懐かしいなー」
まどか「うぇひひ、あれで遊んで夢中になって転んじゃったりしたんだよね」
杏子「水風船ヨーヨー釣りだな」
ほむら「水風船ヨーヨー釣り?」
マミ「釣り針みたいなもので引っ掛けて水ヨーヨー風船を釣り上げるゲームよ」
ほむら「風船を針で?割れてしまうじゃない」
杏子「あーいや、そうじゃなくてだな」
杏子「まず見ての通り、風船が水の上で浮いているわけだけど」
杏子「ヨーヨーだから指にはめるための輪っかがあるんだ」
杏子「そこにおっちゃんに渡される引っ掛ける金具をつけた細長い紙をつかって引っ掛けて釣り上げるってわけだ」
ほむら「金魚すくいと同じで紙が濡れて破れたらアウトってことね」
杏子「当然これも必ず紙が濡れるように輪っかを程度沈めたり、風船に水を多く入れて重くしたりされているものがある」
杏子「狙い目は輪っかが上にあるもので、なおかつ水が少ないものだな」
さやか「金魚すくいでもそうだったけど杏子がなんか詳しいなぁ……」
ほむら「せっかくだしやってみようかしら」
まどか「頑張れほむらちゃん」
マミ「ふふっ頑張ってね」
ほむら(下手に濡れてしまったら濡れている場所と濡れていない場所でちぎれやすくなってしまう……)
ほむら(浮いている輪っかに水が紙に触れないようにうまく……難しいわね……)
まどか「……」ドキドキ
さやか「お、おぉ」ドキドキ
マミ「……」ニコニコ
ほむら(引っかかった!)
さやか「これなら!」
まどか「あ、ダメ!」
ボチャン
ほむら「あ……」
マミ「あぁ……」
杏子「残念だったな」
マミ「はい、参加賞っておじさんが1つくれたわよ」
杏子「よかったじゃねぇかほむら」
ほむら「でもなんだか負けた気分よ……」
まどか「うぇひひ、とっても惜しかったね」
さやか「初めてであれなら上出来でしょ」
マミ「今時水風船ヨーヨーなんて欲しがる子供も少ないみたいよ」
マミ「だから本気で欲しそうにしていた暁美さんをみてとても喜んでいたわ」
ほむら「ところでこの水風船ヨーヨーはどう遊ぶものなの?」
杏子「簡単だよ、輪っかを指につけてみろ」
ほむら「これでいいかしら?」
杏子「んであとはこう、ポヨンポヨンってするんだ」
さやか「ぷっきょ、杏子がポヨンポヨンって」
まどか「うぇひひ、とっても可愛い表現だと思うな」
マミ「ふふっ佐倉さんがポヨンポヨンっていうと可愛いわね」
杏子「う、うっせー!」
ほむら「こんなかんじかしら……」ポヨンポヨン
ほむら「ふふっ……」ポヨンポヨン
マミ「楽しんでるみたいね」
杏子「あんなもんで楽しむのってお子様だけだと思ってたんだけどねぇ」
さやか「ほむらは病弱だったしねぇ」
まどか「うぇひひ、とっても可愛いなって」
ほむら「上がってきたときに水が風船越しにあたって冷たくていい感じね……」ポヨンポヨン
マミ「あ、チョコバナナ」
さやか「」
杏子「チョコバナナがどうかしたのかよ」
マミ「幼い頃、お父さんにお祭りで買ってもらって食べたきり食べてなかったわね……」
ほむら「なら買って食べたらいいじゃない」ポヨンポヨン
ほむら「そうやって悲しい思い出としてチョコバナナを思い出して欲しいなんて父親なら思ってないわよ」ポヨンポヨン
マミ「そうね、ありがとう暁美さん」
マミ「あと、そういういいことみたいなことを言う時に水風船ヨーヨーをしてると台なしよ」
ほむら「あ、えっと……手につけてたら勝手にこう……ね?」
さやか「反動で戻ってくるもんね……」
まどか「うぇひひ、よっぽど気に入ったんだね」
マミ「あむっ」ホムホム
ほむら「……」ジィー
まどか「……」ジィー
杏子「……」ジィー
さやか「……」ジィー
マミ「な、何?」
ほむら「マミがバナナを食べるとなぜか周りの視線が集まっているから何かあるのかと思って」
マミ「考えられる原因なんてあるかしら……うーん」
マミ「っ///」
杏子「どうかしたのか?」
さやか「なんだか顔が赤く……」
マミ「な、なにもないわよ///」
マミ「あれは射的ね」
ほむら「みたいね」ポヨンポヨン
杏子「マミならいい線いくんじゃないかい?」
さやか「マミさんなら武器もマスケット銃だしね」
まどか「それならほむらちゃんだって負けてないよ」
ほむら「あんなおもちゃの銃じゃ簡単にはいかないわよ」ポヨンポヨン
マミ「そうね、でもやってみましょう暁美さん」
ほむら「別にいいけど」ポヨンポヨン
杏子(水風船ヨーヨーどれだけ気に入ったんだよほむら……)
マミ「弾は6発……」
ほむら「威力も弱そうだし真っ直ぐ飛ぶかも怪しいものね」
マミ(まずはどれぐらいの威力でどれだけずれるかを測ってみましょう)
パン
さやか「おっしー、後ちょっとで当たってたのに」
マミ(本当によくずれるのね……)
ほむら(私も測ってみましょう……)
マミ(これぐらいの調整でどうかしら)
パン
さやか「おお!命中!」
まどか「やっぱりマミさんすごいや!」
杏子「落とさないと商品はとれないんだよなぁ、射的って」
ほむら「そうだったの?」
杏子「あぁ、というかそうじゃないとゲームソフトとかなんて当てやすいじゃねぇか」
ほむら「言われてみるとそうね……」
杏子「お前らひっでぇな……」
まどか「戦利品がゲームソフトとかばっかりだね……」
さやか「おじさん最後涙目だったよ……」
マミ「そう言われてもねぇ?」
ほむら「絶対に取れないだろうって感じだったから逆に取りたくなって」ポヨンポヨン
マミ「ちょっと暁美さんとテレパシーで相談はしたけど銃はちゃんと実力よ?」
ほむら「えぇ、マミの言うとおり銃は魔法も何も使っていないわ」
杏子「息ぴったりにたてつづけに弾あてて落とすってお前らなぁ……」
さやか「すごかったね」
まどか「うん、射的ってこんなに商品が取れるんだっておもっちゃったもん」
杏子「お、もうちょっとしたら花火大会やるみたいだぞ」
ほむら「花火……テレビでしか見たことがなかったわね」
杏子「私は打ち上げ花火なら見たことあるよ、見るのはタダだしな」
マミ「そういえば魔法少女になってから花火なんて余裕なかったっけ……」
さやか「……」
まどか「……」
ほむら「ふふっ楽しい花火の思い出があなた達のおかげでできそうね」
杏子「ま、お前らと見るのも悪くないな」
マミ「そうね……」
さやか「3人とも言葉が重い……」
まどか「うん、でもしょうがないよ……」
ほむら「ところであの子供が持っている白いもじゃもじゃは何?」ポヨンポヨン
ほむら「見ていて少しいらっとするのだけど」ポヨンポヨン
さやか「白いもじゃもじゃはQBを思い出すからってそんなふうに言わなくても……」
まどか「あはは、QBってふわふわしてるもんね」
マミ「あれはわたあめよ暁美さん」
ほむら「へぇ、あれが……」ポヨンポヨン
杏子「あれがアメなのか……」
マミ「ふふっ二人共食べたことがないみたいね」
マミ「はい、食べてみなさい」
ほむら「食べるって……どこから?」
杏子「ってか本当に綿みたいだけど食べれるんだよな?」
マミ「手でちぎって食べる人やかぶりつく人が多いわね」
マミ「と言っても二人共かぶりつくしかなさそうね」クスクス
まどか「杏子ちゃんもほむらちゃんも片腕で他のものをもってるもんね」
さやか「まぁほむらは水風船ヨーヨーはずしたら使えるけどね」
ほむら「あむ……」
杏子「あむ……」
ほむら「あ、とても甘い……」
杏子「舌で溶けるんだなこれ……」
マミ「ふふっ二人共子供みたいな表情ね」
まどか「うぇひひ、二人共可愛いなって」
さやか「食べてる時はいいけどわたあめって食べ終わるとベタベタしちゃうのが問題だよね」
杏子「お、お面屋か」
さやか「小さい頃つけて恭介と走り回ってたっけ……」
ほむら「へぇ、お面って戦隊とかキャラ物ばかりなのね」ポヨンポヨン
マミ「どういうものがあると思ったの?」
ほむら「天狗とか生ハゲとかオカメとか」ポヨンポヨン
杏子「ガキが泣くぞ……」
まどか「私もそれはちょっと怖いかなぁ……」
ほむら「そうかしら、私はああいうお面きらいじゃないんだけど……」ポヨンポヨン
マミ「あ、りんご飴……佐倉さん食べる?」
杏子「ん?なんでだよ」
ほむら「なんでってりんご飴よ杏子」
さやか「杏子ってりんご飴似合いそうだもんね」
まどか「うん、なんだか持ってないとおかしいってぐらい似合いそうだよね」
杏子「まぁくれるならもらうけど……」
杏子「あ、うめぇ……」ペロペロ
まどか「あはは、とっても似合ってる」
さやか「ってか似合い過ぎでしょ」
マミ「ふふっいつもそれぐらい可愛ければいいのに」
ほむら「まったくね」ポヨンポヨン
杏子「あーもううっせーうっせーてか水風船ヨーヨーに夢中なほむらに言われたくねぇよ」
ほむら「これは何?」
マミ「型抜きね、成功するとお金がもらえたりするわよ」
ほむら「へぇ、針で削ってその形をつくるのね」
杏子「こんなんあったんだな……これを極めてれば儲けれたのに……」
さやか「お祭りで店を出さずに儲けって……どっかずれてない?」
まどか「でも杏子ちゃんらしいと思うな」
ほむら「……」カリカリ
杏子「……」カリカリ
さやか「できるのかな……」ワクワク
まどか「どうだろうね」ワクワク
マミ「……」ワクワク
パキャ
杏子「あーこんなのできねえええええ」
ほむら「できたわ」
まどか「ほむらちゃんすごいね」
さやか「私は机に向かってカリカリしてるだけで疲れそう」
杏子「こんなのよくできるな……」
マミ「すごいわね……」
マミ「あ、型抜きをしている間に花火の時間が近いわね」
ほむら「そうね、どこで見る?」
杏子「あっちの方だとちょうど工事中の場所があるからそこに入り込むか」
マミ「そういうことしちゃダメよ?」
さやか「そうそう、確かに簡単に忍び込めるけど」
まどか「普通は簡単じゃないとおもうなぁ……」
杏子「ま、いいじゃん今日ぐらいさ、いい眺めで見たいし」
マミ「もう、今日だけよ?」
ほむら「そう言っておいてマミも高いところで見たいんでしょう?」
さやか「高いほうが見応えあるんだよねぇ……」
マミ「も、もう、そういうことは言わなくていいの」
マミ「ちょっと何かを買って戻ってくるぐらいの時間はありそうね……」
マミ「そうだわ、花火を見終わったら一緒に花火をしましょう」
杏子「手持ち花火か、いいんじゃないか」
ほむら「そっちの花火もしたことはないわね……」
ほむら「テレビだと打ち上げのものばかりだからソッチのほうが楽しみかもしれないわ」
さやか「15連発とかっていいよねー」
まどか「うぇひひ、私は線香花火が好きかなぁ」
マミ「じゃあ決まりね」
マミ「私は手持ち花火を買ってくるから先に行っていて」
マミ「ふふっ場所取りの必要はない場所だけど」
ほむら「えぇ、わかったわ」
杏子「なんか食いながら見たいし私もちょっと店を回ってくるよ」
杏子「だから先に行っておいてくれるか?」
ほむら「それならあなたの分だけじゃなくて……」
杏子「わかってるって多めに買ってくるよ」
ほむら「えぇ、お願いね」
ほむら「この辺でいいわよね……」
ほむら「金魚やゲームソフトはマミに預けてあるし、水風船ヨーヨーで暇つぶしするしかないわ」ポヨンポヨン
さやか「よっぽど気に入ってるんだね」
まどか「浴衣じゃないのが残念だな」
ほむら「……」ポヨンポヨン
ヒューパァン
ほむら「あ、これがテレビなんかじゃない本当の花火なんだ……綺麗……」
ほむら「ってマミも杏子も間に合ってないじゃない……」
ほむら「初めての花火って言っても一人で見ていたら寂しいだけじゃない……」ポヨンポヨン
まどか「ほむらちゃん……」
さやか「ほむら……」
ほむら「まどかはそばにいるのかな……」
ほむら「さやかも一緒にいたりして……」
パァン
ほむら「まどかだけじゃなくて皆を助けて……」
ほむら「5人で花火とか海とか行きたいって夢見た事もあったっけ……」
まどか「ほむらちゃん……」
さやか「お盆ってことで見えるように化けて出られたらいいんだけどね……」
マミ「ごめんなさい、遅くなったわ」
杏子「何しょぼくれてるんだお前」
ほむら「別に、二人が遅いから退屈していただけよ」
パァン
マミ「綺麗ね」
杏子「だな」
ほむら「えぇ……」
杏子「ほれ、たこ焼きくうかい」
ほむら「いただくわ」
マミ「私ももらうわね」
パァン
杏子「やっぱり外で食うたこ焼きとかお好み焼きはうめぇな」
ほむら「そうね、買い食いが何故か美味しいっていうのに似ている気がするわ」
マミ「食べ物に集中して花火を見ないのはもったいないわよ二人共」
パァン
さやか「ちゃんと5人揃ってるんだけどね」
まどか「うん……」
さやか「よーしさやかちゃんパワーで心霊写真として映るように念を……」
まどか「あはは、今誰も写真とろうとしてないよ?」
さやか「次に撮った時にほむらの肩にさやかちゃんが映り込む念だから問題ないって」
まどか「なんだかさやかちゃんがほむらちゃんを呪ってるみたいになりそう……」
さやか「その場合お祓いされたらどうなるんだろう私」
パァン
ほむら「それにしてもたくさん買ってきたわね、お金は?」
杏子「有り金はたいて買ったんだよ」
杏子「あ、言っとくけど金は割り勘だからな」
パァンパァン
マミ「あ、だから一人でパクパク食べてたのね佐倉さん」
ほむら「そうと聞いたら黙ってはいられないわね、そこのお好み焼きをよこしなさい」
杏子「おいおい、花火を見なくていいのかよお前ら」
ほむら「夜店の唐揚げって案外いけるわね」ホムホム
杏子「だろ?その場で食べてうまかったもんだから追加でさぁ」
マミ「って佐倉さん、割り勘なのにその場で食べた分のお金はどうするのよ」
杏子「ケチケチするなよマミ」
マミ「はぁ……一人暮らしってそこまで余裕はないのよ……特にまだアルバイトもできないから減っていく一方だし」
ほむら「私も仕送りがあるっていってもそこまで余裕はないわよ」
杏子「ま、いいじゃんか」
マミ「もう……」
パァン
マミ「たまやー」
ほむら「そういえばそのたまやーってどういう意味なの?」
杏子「そういえば花火があるとだいたいそう叫ぶやつがいるよな」
マミ「え?えっと……ごめんなさい、わからないわ」
ほむら「つまりフリースタイルでもいいってことね」
マミ「?」
パァン
ほむら「まどかー!」
まどか「え!?」
マミ「まどか?」
杏子「前に言ってたお前の友達だっけ?」
ほむら「えぇ、無性にあの子の名前を叫びたくて」
杏子「ふーん」
パァン
杏子「さやかー!」
さやか「うお!?」
ほむら「まどかー!」
まどか「うぇひひ」
マミ「って二人共あんまり騒いだらダメでしょ、ここは入っちゃダメな場所なんだから」
ほむら「そういえばそうだったわね」
杏子「忘れてた……」
パァンパァンパァンパァンパァン
マミ「そろそろ終わりみたいね」
ほむら「連続なのはそういうことだったのね」
杏子「まぁ最後がしょぼかったら変だしな」
ほむら「それにしても」
マミ「どうかしたの?」
ほむら「花火の火薬の量を考えてしまうわね」
杏子「いや、普通考えねぇよ」
マミ「さて、公園で花火をしましょう」
ほむら「そうね、お腹もいっぱいだし」
杏子「いやー腹は膨れたなあ」
マミ「やめて、膨れるとか言わないで……」
ほむら「諦めなさいマミ、杏子の買ってきた量を考えればそれはどうしようもないことよ」
マミ「あなた達は二人共太りにくい体質みたいだからそう言えるのよ!」
まどか「ほむらちゃんと杏子ちゃんは太るっていうイメージもわかないよね」
さやか「うん、これはマミさんが正しいね、ほむらと杏子がずるい」
杏子「へぇ、手持ち花火ってこんなもんなんだな」パチパチパチ
ほむら「こうして持っていると風情があるわね」パチパチパチ
マミ「そうね……」
まどか「うぇひひ、とっても綺麗」
さやか「そだね」
まどか「うぇひひ、せめてほむらちゃんの隣で花火を見ていようかな」
さやか「んじゃ私は杏子の方から見ようかな」
―――――
―――
ほむら「それじゃあね」
マミ「またね暁美さん」
杏子「んじゃな」
ほむら「えぇ、今日は楽しかったわ」
ほむら「……」ポヨンポヨン
まどか「花火、とっても綺麗だったねほむらちゃん」
ほむら「え?今……もしかしてまどか?」
まどか「え?もしかして聞こえるのほむらちゃん!」
ほむら「……気のせいかしら……」
まどか「あ……うぅ……」
ほむら「ううん、きっとまどかは私と一緒にお祭りで楽しんでくれてたのよね……」
ほむら「聞こえているかわからないけど……」
ほむら「楽しかったねまどか」
まどか「うん!」
―翌日―
杏子「で、突然呼び出してなんだよマミ」
ほむら「なにか急ぎの用があるみたいだけど」
マミ「コホン、実は昨日あなた達が手持ち花火をしているときに写真をとったのよ」
ほむら「え?いつの間に」
杏子「よくシャッターなしで撮れたな」
マミ「公園って夜でも明るいし案外撮れるものよってそれはいいのだけどこれを見て……」
杏子「……なんだこれ、さやかか?」
ほむら「あ……」
マミ「み、美樹さんを知っているだけに心霊写真として出たのが怖くなって……」
マミ「それに暁美さんの方も……その……ね?」
ほむら「大丈夫よ、この子もさやかも人を呪ったりしない、むしろ守ってくれるわ」
マミ「……そうね、ちょっと心霊写真ってことで驚いて取り乱してしまったわ」
マミ「美樹さんがそんなことをするわけないし、そっちの子もそんな感じにはみえないものね」
杏子「ま、盆だしこんなのもいいんじゃねぇの、魔法少女が消滅した後も元気でやれるってことじゃん」
まどか「私は幽霊とかじゃないしどこにでもいるんだけどなぁ……どうして写ったんだろう」
さやか「どこにでも居るって言ってもほむらの周りに濃度みたいなものが集中してるからじゃない?」
ほむら「やっぱり一緒にいてくれたんだねまどか」
まどか「うぇひひ、ほむらちゃんがうれしそう」
さやか「そういうまどかも嬉しそうじゃん、にくいねーこのこの」
まどか「わわ、からかわないでよさやかちゃん」
マミ「あ、そうそう新しく駅前にオープンしたお店のケーキを買ったのだけどどうかしら?」
杏子「お、ウマそうじゃん」
ほむら「是非いただくわ」
まどか「美味しそう……」
さやか「こういう時は霊体の自分が憎い」
終わり
>>52のさやか「」はなかったことにして欲しい
まどさやが普通にいるようで実はいない的なのやってみようと思い立ったものの俺には難しいわ
まずまどっちとほむほむに仲良くお喋りさせられないとかきついまどほむ大好きっ子の俺には軽い苦痛
さやさやとあんあんの仲良し喧嘩をマミさんにストップさせるとかできないのもきつい
何はともあれ付き合ってくれた人ありがとう、暇つぶしにでもなってれば幸い
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません