有浦柑奈「帰省シーズンですね!!」 (25)

モバマスSSです


――長崎港


P「うおっ帆船だ」

柑奈「たまに泊まってるんですよ! 何の船かは知らないですけどね」

P「そんじゃあ待っててな。チケット取ってくるから」

柑奈「はい! ギター出しておきますね!」

P「何故だ」

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P「……ふう、やっぱかなり混んでたな」

柑奈「何とか取れてよかったですね。あ、そういえば木場さんや泰葉ちゃんはいいんですか?」

P「あの二人は先に済ませてあるよ。島は往復だけでもハードだからな、お前で最後」

柑奈「やっぱり木場さんは佐世保?」

P「一応ノーコメント。船は慣れてなくてなあ……。何だジェットフォイルって」

柑奈「速いやつです!」

P「んなアバウトな」

柑奈「フェリーの方がゴロゴロできるけど、この時期は無理でしょうね」

P「いやホントだ。地方とは言え、混むところは混むもんだなあ」

――――


P「ふう、やっと着いた……2時間か」

柑奈「腰とか痛くないですか?」

P「大丈夫大丈夫、別にんな歳でもないしな。お爺さんみたいにしてくれなくていいよ」

柑奈「じっちゃんは絶対に痛めませんよ!」

P「なら何故聞いた」

柑奈「ここからはレンタカーですよね! 迎えに来てもいいって言ってたのになあ」

P「いやあ、悪いよ。ついでに報告を、て俺が勝手についてきたんだから」


ブロロンブロロン


キキーッ


ガチャッ


<ゴメン、チョットアッチムイテテ





P「おろろろろろろろろ」ビタビタ

柑奈「だから迎えに来て貰えばよかったのに」

P「なにあの道……何なのあの道……」

柑奈「島の人以外が迂闊に運転しちゃダメですよ! あれでもマシになったんですけどね!」

P「何でそんなにピンピンしてられんだ……」オエ

柑奈「ピースの力です!」ペカー

P「ピースすげえ」

柑奈「もしくは……ラブの力、かも?」

P「……っ」

柑奈「まあまあ、とりあえず気付けに一曲」スチャ

P「……そうすっか。まだ酔い覚めてないし」

柑奈「おほん、ん……」


ザンザカザカザカ・・・♪


ザカザカザカ・・・


ザカザカザカ・・・









ザカザカザカ・・・

P(前奏長くね?)

ザカザカザカ・・・♪

P(まだ弾くか)



ザカザカザカ・・・


ザカザカザカザカザン!

P(おっ始まるっぽい)








柑奈「好~っきです好ーっきです心から~♪」

P「長渕!?」

P「長渕!? ピースかアレ!?」

柑奈「完全に闘争の精神ですね!」ニコー

P「だよね!?」

柑奈「歌ならなんでもOKです! その時楽しければそれで!」ペカー

P「そういうもんかねえ……。まあ、おかげで酔いは覚めたしいいか」

柑奈「はい! 歌い足りないので後部座席で弾いていいですか?」

P「やめい」

――

柑奈「晴れーの日ーキミ乗せて行くー♪」ザカザカ

P(やりやがった)

P「っていうか今度はケツメイシ?」

柑奈「歌ならなんでもですよー。あ、そろそろ着きますね」

P「ん? おおマジだ、標識立ってるな。いやあ長かった……」

柑奈「あとトンネル2本くらい通りますけどね!」ニコー

P「」

――――


P「ようやく着いた……」ゼェゼェ

柑奈「じっちゃーん! ただいまー!!」

柑奈爺「おうお帰り。Pさんもお疲れさんでした」

P「え、ええどうも……」アイソワライー・・・




柑奈父「それで、仕事の話ばせんねー! 言いよっとに『PさんがPさんがー』って話しかせんとですよ」

柑奈「父ちゃんもうよかろー! なんでその話ば本人の前ですっとさ!」

柑奈爺「よかろうが。ラブや、ラブ」

柑奈「もー!」

P「いえいえ、彼女は順調ですよ。イベントの依頼も同期の中では早い方ですし」アハハ

柑奈父「今日は泊まりでしょ? ホテルまでは送りますんで、一杯どうですか。よか焼酎ば買うて来とっとですよ」

P「そうですか? なら、折角ですので……」

P(うわコレ有名な奴だ。楓さんと志乃さんに買って帰るか……)

数時間後


P「…………かー……」zzz

柑奈爺「弱かなあ」

柑奈父「送るにもすっかり遅うなってしまったなあ。……しかしそうかあ、あの柑奈に好きな男がなあ」

柑奈爺「あの変わりモンに合わせられる男なんてそうおらん。のっかって欲しかけどな」

柑奈父「だから俺はアイドルなんて反対やったとって……」


ガチャ


柑奈「聞こえとうよー?」

柑奈父「ありゃ」

柑奈「わざわざPさんば潰して、何ば企んどっとね?」ジトー

柑奈父「な、何もせんぞー」

柑奈「……」ジトー

柑奈爺「……こりゃ無理やろたい」

柑奈爺「すまん、柑奈。俺ぁPさんとお前をくっつけようとな? こう、ガッと」

柑奈父「い、一応俺は反対したっぞー」

柑奈「……」



柑奈「はあ、何がラブ&ピースね」

柑奈「私は! 当分! アイドルば続ける!」



柑奈「愛と平和ば広める方が先やろたいな!」



柑奈「せっかく歌で食っていく道見つけたのに何ですぐ捨てんといかんとさ!」



柑奈「そりゃPさんは気になるけど……そんなの後!」



柑奈「ギター! ピース! 私!! はいこれが1セット!!」




柑奈爺「……柑奈」

柑奈爺「すまん、舞い上がっとった」



P(……柑奈、声でかいよ)


P(おかげですっかり目が覚めちまった……)


P(覚悟、受け取ったからな……)

翌朝

P「では。すみませんでした、結局宿までお借りしてしまって」

柑奈父「いえ、気にせんでください。全面的にこっちが悪かですし、キャンセル料もこちらで持ちますんで……」

P「いや、それは流石に――」

柑奈爺「いや、お願いします」ペコ

柑奈爺「ケジメばつけんといかんですんで」



P「……分かりました」

P「これからも全面的に協力させて頂きます。……柑奈さんのラブ&ピースの為に」

柑奈爺「はい……はい」


柑奈爺「柑奈の事、よろしく頼みます……!」


――福江港トイレ





P「おろろろろろろろ」ビタビタ

柑奈「せっかく決まっとったのに」


おしまい

ノープランでやるとこうなるのね。再登場だったもんでつい勢いでやっちゃった

嫁とか好きなアイドルとか色々あるけど、結局地元の子ってかわいいよね

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