男「本当か?でももう夕方の6時だぞ?そろそろ家に帰った方が良い」
幼女「……」
男「砂あそびは明日もできる、こんな人気のない公園に一人は危ないからさっさと帰れ」
幼女「……」
男「はぁ……子供らしくないな……」
男「俺は帰るからな、お前も帰れよ、わかったな?」
幼女「はーい……」
幼女「……」
男「まったく……こんな時間に一人っきりにするバカ親の顔がみてみたい」スタスタ
◇次の日◇
男「お先に失礼します」
同僚「おっ、ミスター定時男、もうお帰りか?」
男「お前も帰れるときに帰っとけよ」スタスタ
男「さて、晩飯でも買って帰るか……」
男「……」スタスタ
男「……ん?」
幼女「……」
男「……あいつは」
幼女「……?あっ」
男「まーた一人でこんな時間まで遊んでるのか……」
幼女「……」シュン
男「その歳で夜遊びとは先が思いやられるな……」
男「いいか、明日この公園で遊んでるのを見かけたら俺が親御さんのところへ直接連れて行ってやるぞ」
幼女「……」
男「……」
男「子供のくせに元気がないな……ふん」
幼女「……」
男「ん……お前、その服昨日と一緒じゃないか」
幼女「……」ビクッ
男「……」
男「どうした?風呂入ってないのか?」
幼女「……」
幼女「別になんでもないよ……」
男「……んー?怪しいな……なんか隠してるな……」
幼女「……」
幼女「な、なんでもないもん……」
男「風呂には入ってないみたいだな、そんな汚れた服をまた着るなんてしないだろ」
男「まず親がちゃんとしてればこんな問題起きないはずなんだが……」
男「いいか、正直に答えろよ」
幼女「……」
男「昨日お前家に帰ったか?」
幼女「……」ドキッ
男「……」
幼女「……」
男「ただ事じゃないな、お前の家はどこだ?」
幼女「お、おじさんには教えない!知らない人には教えない!」
男「大人が子供を補導しているんだから問題ない、あとおじさんはやめろ俺は21だ」
幼女「し、知らない!」ダッ
男「待て」ガシッ
幼女「……」ウルウル
男「……」
◇男の家◇
男「ただいま」
男「って言っても返事は帰ってこないけどな、俺は一人暮らしなんだ」
幼女「……」
男「まぁそれはいいか、あがれよ」
幼女「……」スタスタ
男「靴のままあがるのはやめようよ」
幼女「……」ヌギッ
男「話はあとだ、腹減っただろ」
幼女「……」ピクッ
男「見事に反応したな……」
男「なんか頼もう」
男「おなかいっぱいになったか……」
幼女「……」ゲプ
男「ゲプて……」
男「さぁ、俺がお前を補導した理由はお前が二日れんちゃん遅くまで遊んでいたからだ」
男「ちょっと疑問を抱いた俺はお前に質問の嵐をお見舞いして、あげくお前は逃亡を図った」
男「その逃亡が俺を確信させた、お前はなにか隠している、子供でありながら深刻であると把握できる重大な物事を」
幼女「……」
幼女「……?」
男「……」
男(ばかか俺は……相手は幼稚園児レベルの子供だぞ……ここは会社じゃないんだ……)
男「す、すまん……じゃあわかりやすく……」
男「お前、親に捨てられたのか?」
幼女「――」グサッ
幼女「……ぅ」ウルウル
男「嘘、これは嘘嘘、冗談だよ冗談」アセアセ
◇幼女入浴中◇
男「やれやれ……なんだあのガキは」
男「風呂にいれてやるといったら鬼の形相で「結構です」だと……幼稚園児のチョイスできる言葉じゃない……」
男「それに俺は別にロリコンではない、あのガキなにか勘違いしやがったな……俺は純粋な良心で風呂にいれてやるといったのに」ブツブツ
男「……」
男(間違いないな……あいつは親に捨てられたんだ)
男(親が周辺に居れば捨てられたとしてもあのガキはそこへ帰るだろうし、あの公園に居続けたのはやむを得ずというわけか……)
男(親の居場所を探し出すなんて暇は俺にはない、こいつのことはとりあえず児童養護施設へ連絡するか)
◇次の日◇
男「おい、起きろ、朝だ」
幼女「ふぇ……」zzz
男「……」
男「うっ、そうだ、忘れていた、俺が出勤している間こいつどうする……」
男「俺の家に居させるか……?」
男「しかし……数日前に知り合ったばかりのガキを留守番にするなんて……」
幼女「……」
男「ま、まぁ大丈夫だろ、まだこんな小さいんだから……」
男「事件だけは起こさんでくれ……」バタン
男「……」カタカタ
男「……」
男「……」チラッ
男(あと少しで5時半……)
男「……」ソワソワ
同僚「うずうずしてるなwwwwそんなに定時に帰りたいのかwwww誰と戦ってんだよwwwww」
男「……だまれ」
同僚「心配スンナwwwwお前より早く帰るやつなんていねーからwwww」
男「お先に失礼します」スタスタ
同僚「ちょwwwwはっえwwwwwジャスト5時半wwwww」
男(くっそ、こんなに心配になるならどっか施設にあずけておくべきだった!)
男(なんか面倒なことになってる気がしてならん・・・・・・!)
男「!?」
男「なっ!?」
男(俺の家の玄関が……開きっぱなし……?)
男「くっそ!だから嫌な予感がしたんだ!」ダッ
男「うわっ、なんか玄関から荒らされてる……」
男「はぁ……まじか……」
男「……もしかして……空き巣……?」
男(そうか……おそらくあのガキは俺が出て行ったあと玄関から外に出たんだろう)
男(ガキはカギどころか扉も閉めなかったんだ、俺の玄関は解放状態、そこへスタンバイしてたかのように空き巣が侵入……)
男「で、この荒れざまか……」
男「なんてついてないんだ……」
男「……」
幼女「……」
男「あ」
幼女「!?」
男「お前……いたのか?だ、大丈夫か?」
男「なに真っ暗な部屋で体育座りしてるんだ……電気くらい……」
幼女「……!」ギュッ
男「おっとっ」
幼女「……」ギュュュ
男「……」
男「お、おい……離せ……なんだよ……」
幼女「……」
男「はぁ……?」
近所のおばさん「あ、こんにちは男さん」
男「あ、ああ、どうもこんにちは、はは」
近所「その子どうしたの?」
男「い、いや、あ、あの、こいつは別になんでも……はは……」
近所「その子朝から貴方が居ないって大騒ぎしてたのよ?」
男「えっ?」
男「俺がいないって……?」
近所「ええ、朝から玄関が開きっぱなしだから何事かと思ったらその子必死になって」
幼女「……」
男「……」
近所「私が夕方には帰ってくるって言ったら落ち着いたけど、今度からちゃんと面倒みてあげてくださいね」
男「……」
男「あ、は、はい……」
幼女「……」
男「お、おい……あー、その……」
幼女「……」ギュ
男「わかった、わかったから離せ……俺はどこにもいかないから」
幼女「……」
男「……」
男(こいつ……)
ごめんなさい、かきます
男「ほら、ピザ」
幼女「……っ」パアァ
男「ふふ」
男「……」
男(俺が居なくなって、こんなにも慌てた……ねぇ)
男(まだ幼い子供だからだろうが……)
男「……」
幼女「はい」
男「ん?ピザを俺に?」
幼女「はい」
男「あ、ああ、すまん……」
男「……」
児童養護「はい、ではお手数ですがその子を連れてこちらまでお越し下さい」
男「い、いや、その話なんですが……」
男「あの……」
児童養護「はい?」
男「いや……」
男「あ、ああ、時間がとれなくて……すごく多忙な時期でして……」
男「あ、あのこの話はまたこn」
児童養護「あ、そうですかー、いや御心配はいりません、こちらがうかがいますよ」
男「えっ、あ、いやその」
児童養護「朝はご自宅からの出勤ですよね?よろしければ朝こちらがおたくへ向かいますよ」
男「っ……」
男「わ、わかりました……よろしくお願いします……」
ブツッ
男「……」
男「……ッ」
◇朝◇
男「起きろ」
幼女「……ん」
男「朝だ」
幼女「……」ムニャムニャ
幼女「はっ!」
幼女「ッ!」ガシッ
男「お、おい!つ、つかまるな!一張羅が破ける!!」
幼女「……っ!」
男「ど、どこにもいかないぞ!俺はどこにも!」
幼女「……」ホッ
男「……」
男「はぁ……」
ピンポーン
男「っ……」
男「……」
幼女「だれ……?」
男「……」スタスタ
男「は、はい」
児童養護「おはようございます」
男「お、おはようございます」
児童養護「あの子ですね?わかりました、あと言ってなかったんですが簡単な手続きがございます、ほんと簡単ですのですぐ終わりますので」
男「は、はい……」
児童養護「それではこちらの紙にですね」
グイッ
男「っ、お、おい、なに引っ張ってるんだ」
幼女「……」
男「……」
幼女「……」グイッ
児童養護「どうかなされました?」
男「離せ」
児童養護「あら、お譲ちゃんおじちゃんの服離してごらん?」
男(おじちゃん……?)
幼女「……」プイッ
男「はは、すみませんね……」
児童養護「いえいえ、こちらにまかせて下さい」
幼女「……」
児童養護「さ、手を離して?」
幼女「……」
児童養護「言う事を聞かないと怒っちゃうぞー?」
幼女「……」
児童養護「……」
児童養護「はぁ……」
児童養護「離しなさい!!」
幼女「!?」ビクッ
男「っ?」
児童養護「はい、こっちにきて」グイッ
幼女「や、やっ」ガタガタ
男「……」
児童養護「あははすみません、いつもの事ですよ」
児童養護「小さいころから厳しく躾けとかないと、大きくなって面倒なことになるんですよねぇ」
児童養護「親に見捨てられるくらいですから、生半可な躾けは効果ありませんからね」
幼女「や、やだっ!やだぁっ!」
児童養護「あー、うるさい!迷惑だろ、静かにしろ!」
幼女「や、やだよっ!次はどこにいかされるの!?もうやだ!やだ!」ウルウル
男「――っ」
児童養護「あーいい加減静かにしないと手がでるぞ」
グイッ
幼女「……?」ズルズル
児童養護「あ、あららららちょっとちょっと、なに引き戻してるんですか!?」
男「やっぱ中止で」
児童養護「は!?なに言ってるんですか!?」
男「中止、おいお前は家の中にはいってろ」
幼女「……」
児童養護「どういうことですか?中止?いやいやその子は捨てられた子なんでしょ?うちに預けるようになってますから」
男「いやだからいいですって、あ、交通費ですか?すみませんはい1000円」
児童養護「ちょっと待ってくださいまだ話は!」
男「お前らみたいな屑どものところに子供預けられるか、帰れゴミ野郎」
児童養護「……」
男「あと俺は21だ!誰がおじちゃんだ!?帰れ糞野郎二度とくるな!」
バタン!!
児童養護「……」
幼女「今の人なに……?」
男「なんでもねぇよ、ただの新聞配達さ」
幼女「……」
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