妹「……眠い」俺「寝たら死ぬぞ」 (76)

12月24日
妹「……眠い」

俺「寝たら死ぬぞ」

妹「死ぬの?」

俺「もれなく死ぬ」

妹「……もうちょっとだけ頑張る」

俺「頑張れ」

妹「うん……」目をコスコス

俺「それじゃ……お休みー……」

妹「待って」ユサユサ

俺「……んん?なんだよ」

妹「なんで寝ようとしてるの」

俺「眠いからだよ」

妹「眠ると死んじゃうんでしょ?」

俺「……そうだった」

妹「お兄ちゃん死ぬとこだったね」

俺「あと一秒遅れていたら死んでいた」

妹「あぶなかった」

俺「あぶなかったな」

俺「眠気覚ましにコーラを飲もう」

妹「夜中にコーラ……なんか大人っぽい」

俺「だろ?」

妹「それでコーラはどこにあるの?」

俺「冷蔵庫にあるだろ」

妹「うちの冷蔵庫にそんなオシャレジュースがあるの見たことない」

俺「……俺もだ」

妹「麦茶ならいつでもあるけどね」

俺「じゃあ麦茶でいいや」

俺「じゃあ麦茶でいいや」

妹「そう」

俺「………」

妹「………」

俺「はやく持ってこいよ」

妹「えっ。私が持ってくるの?」

俺「麦茶を最初に言い出したのはお前だろ」

妹「えー……」

俺「不服か」

妹「不服」

俺「それじゃあジャンケンで決めよう」

妹「よしきた」

俺「最初は」
俺「パー」

妹「………」

俺「勝ったぜ」

妹「お待ち」

俺「どうした」

妹「納得いかない」

俺「じゃあもう一回やろうか」

妹「待って」

俺「うん?」

妹「最初の掛け声は私がやる」

俺「どうぞ」

妹「最初は……パー!」

妹「………」

妹「…………納得いかない」

俺「もう諦めろ」

妹「麦茶もってきた」

俺「わーい」

妹「お飲みください」

俺「いただきます」

ゴクゴ…ク…ッ…?

妹「美味しい?」

俺「……この麦茶、超甘ぇ」

妹「美味しいでしょ」

俺「激マズ」

妹「……そんなバカな」

俺「変なイタズラするんじゃないよ」

妹「美味しいはずなんだけどなぁ……」

俺「お前の麦茶をよこせ」(ヒョイッ

妹「あっ。そっちも」

俺「…………こっちもチョー甘い」

妹「言おうとしたのに」

俺「何いれたのこれ」

妹「ガムシロップ入れまくってみた」

俺「なぜそんなアホな真似を……」

妹「美味しくなると思ったから」

俺「美味しくないぞ」

妹「……理論上は美味しいはず」

俺「どんな理論だよ」

俺「お前も飲んでみろよ」

妹「言われなくても飲むし」

ゴクゴク……ゴクゴク……ゴクゴク……

俺「おぉ……すごい勢い……」

ゴクゴク……ゴクゴク……ゴクゴク……

妹「プハァ!」

俺「一気飲みする程うまいか」

妹「マズイ」

俺「何故一気飲みしたし」

妹「サイダーを混ぜれば美味しくなりそう」

俺「美味しくなるイメージをまるで持てないんだけど」

妹「コーラみたいなイメージ」

俺「あー……」

妹「見た目そっくりだしコーラみたいになるんじゃない?」

俺「それはコーラというよりメッコールだな」

妹「メッコール?」

俺「すごくマズイ炭酸麦茶」

妹「マズイんだ……」

俺「……こいつはどう頑張っても美味しくはならない」

妹「そっか……」

妹「あ」

俺「どうした」

妹「歯磨き」

俺「?」

妹「甘いもの食べたら歯磨きしないと」

俺「あっ……」

妹「歯磨きしないと虫歯になっちゃう……」

俺「虫歯は……やべぇな」

妹「やべぇ……」

俺「虫歯になったらドリられる……」

妹「ドリルこえぇ……」

俺「早く磨こう」

妹「磨かねば」

俺「洗面所行くぞ」

妹「うん」

俺「そーっと行くぞ」

妹「うん」

カサカサ……カサカサ……

俺「おい」

妹「なに?」

俺「お前の寝間着、擦れる音でかすぎ」

妹「ピカチューのこと?」

俺「そう。その着ぐるみ寝間着のこと」

妹「ピッピカチュー」


http://i.imgur.com/ibaJJhd.jpg

カサカサ、カサカサ

俺「カサカサうるさい。脱げ」

妹「こんなに可愛いのに……」

俺「可愛いけど脱げ」

妹「これ脱いだらスッポンポンになっちゃう」

俺「他の寝間着に着替えろよ」

妹「他に寝間着もってないし」

俺「……じゃあ俺の寝間着貸してやる」

妹「お兄ちゃんのはなんかヤ」

俺「………じゃあそのままでいいや」

俺「洗面所が遠い……」

妹「ねー見て見てー」

俺「ん?」

妹「忍び足~」

俺「おぉ、忍者っぽい」

妹「違う」

俺「えっ」

妹「忍者っぽいんじゃなくて、忍者そのもの」

俺「……本物の忍者はピカチューの寝間着なんて着ない」

妹「はい、この右手の親指に注目して~」

俺「?」

妹「これからこの親指を、忍術で移動させまーす。……よっ!」

俺「ただの手品じゃねーか」

妹「手品でもできる。けど忍術でもできる」

俺「……本物ならなんかそれっぽいこと言ってみろ」

妹「普段は地元の講演会などで子供達に忍術を披露してます」

俺「忍ぶ気ゼロだな」

妹「はい、次にこの蜜柑を忍術で宙に浮かせまーす」

俺「忍者さんもういいです」

俺「洗面所到着」

妹「ふぅ」

俺「意外と時間かかったなぁ」

妹「忍び足だったからね」

俺「忍び足だったけど……あんまり忍べてなかった気がする」

妹「そう?」

俺「俺達喋りまくりだったじゃん」

妹「……ほんとだ。全然忍べてねぇ」

俺「おい言葉遣い」

妹「忍べてございまぜんでした」

俺「うむ」

洗面所
歯ブラシしゃかしゃか……

俺「………」シャカシャカ

妹「………」シャカシャカ

俺「………」シャカシャカ

妹「………」シャカシャカ

俺「……ちゃんと磨いとけよー」

妹「んー……」

妹「………」フラフラ

俺「……おい、フラフラしてるぞ、大丈夫か」

妹「なんか眠くなってきた……」

俺「さっきまでの元気はどうした」

妹「んー……」

俺「寝たら死ぬぞ」

妹「死ぬわけないし………」

俺「寝たら爆死だぞ?」

妹「ばくしするわけないし……」

俺「………」

妹「ふわぁ……ねみぃ……」

シャカシャカ……シャカシャカ……

俺「お前……部屋戻ったら寝るつもりだろ」

妹「寝たい……」

俺「……今日の目的を忘れたのか?」

妹「………」

俺「寝ないでサンタの正体を突き止めるんだろ?」

妹「………」

俺「もうちょっとだけ頑張ろうぜ」

妹「………でもねむい」

俺「お兄ちゃんも一緒に頑張るからさ」

妹「うーん……」

妹「……お兄ちゃんはサンタさんになにお願いしたんだっけ」

俺「え?PSP vitaだけど」

妹「ぴーえすぴーびーた?」

俺「PSPvita。知らんのか」

妹「知ってるし」

俺「嘘つけ」

妹「知ってるし。全然知ってるし」

妹「じゃあ、そのビータ半分こしてくれたら私も頑張る」

俺「VITAを半分こか……うーん」

妹「むり?」

俺「あ」

妹「?」

俺「お前何利きだっけ」

妹「左利きだけど」

俺「俺は右利き」

妹「それがどうかしたの?」

俺「……よし、わかった。半分こにしてやる」

妹「やったー」

俺「やり辛くても文句言うなよ」

妹「?」

俺「そういえばお前はサンタに何お願いしたの?」

妹「こーざ」

俺「こーざ?御座?」

妹「口座お願いした」

俺「口座って……お金入れるやつか」

妹「うん」

俺「どんな小学六年生だよ」

俺「ていうかなんで口座?」

妹「お年玉貯金したい」

俺「お前……チョーえらいな」

妹「お金コツコツ貯めて
大人になったらお兄ちゃんを養ってあげるの」

俺「なんと……」

妹「うれしい?」

俺「……複雑な心境だよ」

妹「なんでさ」

俺「妹のヒモとか情けないにもほどかあるだろ」

妹「………お小遣いは毎月6万円」

俺「おぉ」

妹「一日中ゲームやり放題」

俺「おぉ」

妹「毎日私がご飯作ってあげる」

俺「お世話になります」

妹「お世話しましょう」

俺「まだねむいか?」

妹「ちょっとだけ……」

俺「……お風呂入ってみるか」

妹「よ、夜中にお風呂!?い、いいの??」

俺「お母さんにバレないようにすれば無問題」

妹「夜中にお風呂……やべぇ、ハリウッド女優みたい……」

俺「そうだな」

俺「お風呂に入ればお前も少しは目が覚めるだろ?」

妹「覚める覚める!はやく入ろ!」

俺「わかったから落ち着け」

妹「うん!」

俺「………」

妹「………」

俺「………」

妹「………?」

妹「お風呂いれないの?」

俺「お風呂のいれ方知らないし」

妹「………私入れてくるね」

俺「うむ」

妹「………」

俺「………」

妹「………」

俺「………」

(ピビピピピー!)

妹「っ!」ポチッ

(ピッ………)

俺「ナイス反射神経」

妹「だ、大丈夫?お母さん起きて来ないかな?」

俺「たぶん大丈夫。……さ、風呂入ろうぜ」

妹「うん!」

風呂場
ガラガラ!

俺「一番風呂ー!」チャポンっ

妹「私は二番風呂~」チャポンっ

俺「兄妹で1位2位独占!」

妹「わー」パチパチ

俺「ワンツーフィニッシュ!Yeah!」

妹「いぇー」

二人で浴槽に浸かる
妹「お兄ちゃーん」

俺「なんだー」

妹「狭い」

俺「そうか?」

妹「もっと詰めて」

俺「これ以上は無理」

妹「えー」

俺「あ。そうだ」

妹「?」

俺「俺のお股の間に座れば少しはスペースができるぞ」

妹「お股の間とかなんかエッチだ……」

俺「いいから早く」

妹「……失礼しまーす」

俺「うむ。お座りなさい」

俺「………」ナデナデ

妹「なんで私の頭撫でてるの?」

俺「なんとなく」

妹「そっか」

俺「………」ナデナデ

妹「……ホッ!ヨッ!……届かないっ……」

俺「……何してんだお前」

妹「私もお兄ちゃんの頭も撫でてあげようと思って」

俺「そうか」

妹「にょっ!…ほっ!…よっ!」

俺「………」首を前に傾ける

妹「……あ、届いた」(ピタッ

俺「………」ナデナデ

妹「ナデナデ」

妹「お兄ちゃんのすね毛やべぇ……ボーボーだ」

俺「女の子がやべぇとか言うな」

妹「すね毛がやばいでございます」

俺「うむ」

妹「抜いてもいい?」

俺「だめ」

妹「ふん!」

俺「痛たたっ!話を聞け!」

妹「見て!こんなにとれた!」

俺「大量じゃないか!」

妹「髪長くなったなー」

妹「そう?」

俺「ツインテールとか似合いそう」

妹「……こんな感じ?」(クルッ

俺「……似合わなっ!」

妹「………」

俺「す、すね毛抜くなっ!いたいっ」

妹「……お兄ちゃんもツインテールにしてみて」

俺「なんで俺が……」

妹「いいからはやく」

俺「………ほらよ」

妹「似合わなっ!あんまり似合わなっ!!」

俺「………」

妹「似合わなっ!」

俺「二の腕さわっていいか」

妹「いいよ」
プニプニ……プニプニ……

俺「めっちゃ柔らかい」

妹「そっか」
俺「お腹さわっていいか」

妹「うん」
さわさわ……さわさわ……

俺「おぉ、ふにふにだ」

妹「ちょっとくすぐったい」

俺「………お前さぁ」

妹「なに?」

俺「少しは嫌がれよ!」

妹「お兄ちゃんなら別に嫌じゃないし」

俺「俺はお前が嫌がるところを見たいんだよ!」

妹「なんだそりゃ」

俺「手もさわっていいか?」

妹「どうぞ」

俺「柔らかっ!……お前の体柔らかすぎだろ!」

妹「そう?」

俺「ほっぺたさわっていい?」

妹「ふでにさふぁってふし(既に触ってるじゃん)」

俺「柔らけぇ……」

妹「ほふ?(そう?)」

俺「ついでに胸も触ってもいい?」

妹「ふぁふぁひちょうひにのふぁらなひほふふぁひ」

俺「え、今なんて」←手を離してやる

妹「あまり調子に乗らない方がいい」

俺「はい」チャポン

俺「そろそろ上がるぞ」

妹「え……もう上がるの?」

俺「目は覚めたしもう十分だろ」

妹「……もっと入りたい」

俺「明日また入ればいいだろ」

妹「……お兄ちゃん明日もまた私と入ってくれる?」

俺「………」

妹「………」

俺「……やだ。めんどくさい」

妹「えー……」

脱衣所

妹「髪乾かしたい」

俺「タオルで拭けよ」

妹「ドライヤー使いたい」

俺「ドライヤーは……音がでかいからなぁ……」

妹「髪乾かしたい」

俺「お母さん達が起きてきちゃったらどうすんだよ」

妹「髪乾かしたい」

俺「……タオルだけじゃダメなの?」

妹「だめ」

俺「……仕方ないなぁ……」

妹「わーい」

妹「はいドライヤー」

俺「……何故俺に渡す」

妹「やってー」

俺「何を?」

妹「私の髪乾かしてー」

俺「………」

妹「だめ?」

俺「……まぁいいや。そこに座れ」

妹「うん」

ブオーン……
俺「ドライヤーの音超うるせぇ……」

妹「え?なんて?」

俺「なぁ、そろそろいいんじゃないか?」

妹「え?なんて?」

俺「髪も乾いてきたしもういいんじゃないかー?」

妹「え?なんて?」

俺「……あと少しだけだからな」

妹「うん」

俺「俺の声聞こえてるじゃねーか……」

妹「もういいよー」

俺「結局一時間近くかかった……」

妹「ありがとね、お兄ちゃん」ナデナデ

俺「……妹が兄の頭をナデナデするんじゃないよ」

妹「さっきは撫でても何も言わなかったのに……」

俺「……ツンデレはサイクルするもんなの
今はツンのターン」

妹「……?何言ってるかよくわかんない」

俺「そうか」

妹「ナデナデ」

俺「……いい加減俺の頭から手を離せ」

妹「あ、白髪発見」

俺「マジか」

妹「抜いてもいい?」

俺「……ダメ。若白髪は縁起がいいんだよ」

妹「えい」ブチブチっ

俺「痛いっ!
……ねぇ、お兄ちゃんのお話ちゃんと聞いて?」

妹「一杯抜けた!」

俺「まるで聞いてない……
……おい!ほんとに一杯じゃねーか!」

妹「あ、白髪まだ抜けてないや」

俺「お前……ぶっ飛ばされたいの?」

俺「よし、髪も渇いたし部屋に戻るぞ」

妹「そーっとね」

俺「もはや手遅れな気もするけど、そーっとな」

妹「おうおう」

俺「……あれ?お前のその寝巻き……」

妹「?」

俺「さっきのと何かが違う気がする……」

妹「これ?」

俺「それ」

妹「さっきのはピカチューで、これはライチューの寝巻き」

俺「そんなのもあるのか……」

妹「ライラーイ!ライ!」

俺「可愛くない鳴き声だなぁ……」

俺「部屋に到着」

妹「行く時よりも早かったね」

俺「ほとんど普通に歩いてたからなぁ」

妹「そうだねー………あっ!!!」

俺「ん?どうし……あっ!」

妹「プレゼントだ!!!」

俺「俺たちがお風呂入ってる間にサンタの野郎きてたのか……くっ」

妹「お兄ちゃんこれ見て!!私の通帳!!」

俺「……お前は楽しそうだな……今年もサンタを取り逃がしたんだぞ?」

妹「プレゼントもらえたことの方が嬉しい!」

俺「……そうか」

妹「うん!」

妹「お兄ちゃんは何もらったの???」

俺「俺はVITAのはず……ん!?こ、これは!?」

妹「どしたの?」

俺「これは……PSPだ!」

妹「それは……ビータとは違うの?」

俺「似てるけどちゃうねん……VITAちゃうねん……」

妹「これじゃダメなの?」

俺「PSPは既にもってるねん……」

妹「……サンタさんも新しいゲームには疎かったんだね」

俺「ショックだ……」

妹「………」

妹「……お兄ちゃん?」

俺「なんだ……」

妹「これもういらないの?」

俺「PSPはすでにあるしなぁ……」

妹「いらないならもらってもいい?」

俺「………珍しいな。お前がゲームやりたがるなんて」

妹「このピーエスピーでお兄ちゃんとあのゲームやりたい。あのゲーム」

俺「……どれだよ」

妹「もん……はん?」

俺「……モンハンのことか」

妹「それそれ。一緒にやろ?」

俺「………」

妹「だめ?」

俺「………」

妹「私ゲームやったことないけど頑張るよ!
説明書ちゃんと読むよ!」

俺「………」

妹「それでもだめ?」

俺「………そうだな、やってみるか」

妹「!!うん!やろ?」

俺「よし………やるか!」

妹「うん!もんはんやろう!」

俺「……まぁ、ソフト一つしかないから今は無理だけどなー」

妹「えー……」

俺「……ありがとな、励ましてくれて」ナデナデ

妹「うん」

俺「お前の分のソフトは俺のお年玉でかってやる」

妹「いいの?」

俺「代わりにお前のお年玉は口座にいれとけ
俺の将来のために」

妹「わかった!」

俺「……さて」

妹「うん」

俺「寝るか」

妹「寝よう!」

(完)

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