幼照「…咲、それはお姉ちゃんのお年玉だよ!返してよ!」
幼咲「だって麻雀で負けたのはお姉ちゃんだよ…」グスン
幼照「だったらお年玉を貸してよ!いつか返すから!」
幼咲「…本当に?」
幼照「本当だよ!約束を紙に書いておけば、ぜーったいに忘れないから!」
・
・
・
照「忘れていた…」
菫「…こんな事を言うのも何だが、最低だな」
照「う…」グサッ
渋谷「妹さんが本当に不憫です…」
照「ぐっ…」
亦野「私だったら姉を殴ってでも…」
照「えっ」
淡「…それで、何で今まで気付かなかったの?」
照「ああ、荷物を整理してたらこの紙が見付かったんだ…」ペラッ
~~~ねん -がつ=日
わたし、みやながさきはおねえちゃん みやながてるに
おとしだまの8000えんをかします。
りそく 1ねん 100ぱーせんと
みやながさき(印) みやながてる(印)
菫「えっ」
渋谷「えっ」
亦野「えっ」
淡「えっ」
照「え?」
菫「待て、おかしくないか?」
照「確かにパーセントをひらがなで書くのはおかしいが、十年前の話、問題は無い」
照「この丸っこい子供らしい字がまた可愛いと思わないか?」
渋谷「そうじゃなくて…」
照「この文字を可愛いと思わないのか…?」ゴゴゴ
渋谷「ひぃっ」
淡「…何で利息が書かれててるのー?」
亦野(一年に100%で二倍の…そのまた二倍の…)
借用書を自分が持ってるなら問題ないんじゃ……
照「私が提案した…そうすれば早く返そうと思うからな」ドヤァ
菫「そう言う割には実際忘れていたわけだが」
照「うぐっ…だが今返せるなら問題は無い」
渋谷「返せる可能性ですが、限りなく低いと思いますが」
照「何で?1年に100%ってことは8000円」
照「つまり10年経った今でも確率は100%以上になることはないから8000円返せばいいんだろう?」
菫(…ああ、所詮は子供の頃の話か)
亦野「先輩、残念ながらその理論は通用しません」
照「え」
淡「確率じゃなくて割合の問題だから、返さなきゃいけないお金は」
借りた金額×(1×利息)
淡「で求められるの。先輩の場合は」
8000×(1×1)
淡「で、8000円多く返さないといけないの」
照「え」
淡「しかもそれが十年分だから」
8000(元々借りた金額)+8000×(1+1)×10
=88000円
照「えっ…」
>>16
乙か
複利とやらだと819万2千円でいいのか?
照「そ、そんな金額私はいくつ風呂上がりのアイスを我慢すれば…」アセアセ
渋谷「…もっとひどい話になりますから、一回深呼吸してください」
照「すーっ、はーっ…ひどい話って?」
渋谷「複利と言って、利息分の金額からまた利息を取る方法があってですね…」
照「???」
菫「…つまりだな」
10000円、利息1年20%、複利じゃない場合
2年後返さなきゃいけない金額=14000円
複利の場合
10000×(1+0.2)の2条
=14400円
菫「つまり複利の方が多く返さないといけないんだ」
照「ああ、良く分かった」
渋谷(多分嘘ですね)
>>35
OK
そういえば利息って上限決まってたっけ
菫「で、お前の結果がこれだ」
8000×(1+1)の10乗
=819,2000円
照「」
亦野「800万…GTOを思い出す金額ですね」
淡「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ~♪」
菫「ポイズン」
渋谷「えっ」
菫「…返せる算段はあるのか?」
照「」
菫「別にこれは利息が高すぎるから、法律上は払わなくてもいい」
照「」
菫「…だが、これはお前の身内の問題だろう。結局返して貰えなかった妹さんの気持ちはさぞやつらかったろう」
照「」
菫「単利だったら返せる可能性もあるんだ、今からこつこつとだな…」
照「…ない」
菫「え?」
照「…この紙に従う必要は、どこにもない」
>>41
個人間取引は年109.5%以上を超えると出資法違反で刑事罰
利息制限法では10万円未満の元本の場合、年2割を超える部分については無効
だったっけ?
>>47
> 照「…ない」
>
> 菫「え?」
>
> 照「…この紙に従う必要は、どこにもない」
なぜかハンチョーを思い出した
亦野「………」ぐにゃあ~っ
渋谷「誠子、落着いて!部室が歪んでるから、ねっ?」
淡「最低です、宮永先輩」
照「違う!思い出したんだ、この紙は咲が書いて…」
照「私の方が書いた紙を咲に渡したんだ」
菫「…つまりお前は自分の書いていた借用書の方を信じると?」
照「ああ…昔の私が書いたものに私は従う…その金額を絶対に支払う」
淡「もしも返せなかったら?」
亦野「その時は私の当てない打撃を」
照「いや…麻雀の表舞台から去る!」
菫(絶対裏に潜る気だな)
照「よし、早速電話してくれ…淡」
淡「えっ、私?」
照「いざ直接話そうと思ったが、良く考えたらもの凄い恥ずかしい事だった…」
菫「思い出し泣きもありえるが、身内の話は身内内で済ませようと思わないのか?」
照「…よ、よし…かけるぞ…」
照「も、もしもし…咲…私だ…」
照「え…いや、違う!詐欺じゃない」
照「何か秘密を言ってくれって?で、でも今は部室の中で…」
照「う…うぅ…鼻に八筒を突っ込んで死にかけた事がある!これで良いか?」
照「ああ、咲、お姉ちゃんだよ…それで…」
渋谷(なんだかもの凄い妹さんですね)ヒソヒソ
亦野(姉が姉だから、納得できる点はあるがな)
・
・
・
菫「今日に妹さんが照の書いた借用書を持って来る筈だが」
渋谷「駅前で待ち合わせなのに、宮永先輩は先に迎えに行くって行ってどこかに行って」
淡「セーコは変なロシア人と一緒にどこか行っちゃったし」
菫「こんな時の為にGPS携帯が役に立つ」ババーン
渋谷「本当に探索が楽になりましたよね」
菫「ああ、それで現在の位置は…新宿駅か」
亦野「お待たせ、他の選手に交替してきた」
照「面目ない…」グスッ
菫「前よりはましだったけどな…何故か炭鉱の中で変則的な麻雀をやらされた時と比べると」
淡「セーコがいなかったら本当に今私達はどうなっていた事か」
咲「あの、初めまして…」ペコリ
渋谷(かわいい…)
照「たかが4文字で咲を表すんじゃあないっ!」ゴゴゴゴ
渋谷「ひぃっ!」
亦野「マタノコプターは中々楽しかった…それで、持って来たのか?」
淡「800万ぐらい早く返してあげなよ~」
菫「でも4ヶ月分のお小遣いが吹っ飛ぶのは痛いな」
照(このブルジョワ共め…)
咲「…お姉ちゃんひどいよ……返すって言ってたのに今の今まで忘れてたなんて…」
照「咲…本当に申し訳ない…だが、今は…」ムギュッ
咲「!?」
照「今の私なら、昔の過ちにも逃げない、しっかりと向き合ってみせる」
照「こんな時の為に利息を設定したんだ、絶対に返してみせる…何年かかっても」ナデナデ
咲「お姉ちゃん…」グスッ
照(ああああああ咲かわいいよ咲良い匂いするよおおおおお)フンカフンカ
照「…早速、見せて貰えるか?私が書いた借用書を」ツヤツヤ
咲「うん…これなんだけど…」ペラッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
幼咲「おかあさん、りそく?ってなに?」
咲母「何パーセントか約束の日までに返せなかったら多めに返さないといけないことよ」
幼咲(…おとしだま、だから…1ねんで…ぱーせんとは…100ぱーせんとかな)カキカキ
幼照「おとーさん、りそく?ってなに?」
照父「何割か割り増しで払わないままだと東京湾に沈められる愉快なシステムだよ」
幼照(おとしだま、だから…1ねん…わりあい?わかんない…)
幼照(えーと…こうかいとく!)カキカキ
~~~ねん -月=日
わたし、みやながてるはいもうと、みやながさきからおとしだまをかりました。
きんがく 8千円
りそく 1年 8千わり
きげん いっしょう
みやながてる(印) みやながさき(印)
安めで6400万8000円?
照「」
淡「」
渋谷「」
亦野「」
菫(ああ、借りた金額と利息をごっちゃにしたのか…にしてもこれは…)
照「あ…あ……?」ガタガタガタガタ
咲「見付けた時は驚いたけど、あそこまで言ったならちゃんと返してね?」ニコッ
咲「因みに今お姉ちゃんが私に返さなきゃいけない金額は単利で64,072,0000円」
咲「複利だと859100839に0が44個付くけど…」
咲「お姉ちゃんの気持ちが本物なら、複利でも大丈夫だよね!」ニッコリ
照「あ…あああ…」ガタガタガタガタ
咲「お姉ちゃん!返す前に一生を終えたら、お母さんに借金が回ってくるから…」
咲「なるべく早く、耳を揃えて返してね♪」スマイルッ
照「うわあああああああああっ!」
カン
照「ハッ!?」
照「(咲と私が結婚して夫婦になれば借金は帳消し)」
照「(これはもしかして咲からの遠回しなプロポーズでは)」
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