八幡「やはり由比ヶ浜結衣はビッチである」 (21)
結衣「1回5000円だよ」
八幡「そりゃ安いと思う」
結衣「そうかな。ウチの貧乏高校生にとっては背伸びした額と思うけど」
八幡「身体を売るならもっと稼ぎのいい場所あるんじゃねえの」
結衣「どこ? 紹介して」
八幡「さあ知るもんか」
結衣「まぁもともとそーゆー場所で働くのは乗り気じゃないんだけど」
八幡「例の噂通りの体質なら引く手あまただろうに」
結衣「やっぱり有名なんだ。私のコト」
八幡「やっぱり本当なのか。噂のこと」
結衣「まぁね」
結衣「私は本当に性感染症にかからない。そして一生不妊の身体なんだ。やりたい放題だよ」
八幡「由比ヶ浜って可愛いしスタイルもいいのに、ビッチだなんて勿体ねえな」
結衣「ふーんありがと。ビッチね。やっぱり陰じゃ散々言われてるけど」
八幡「開き直ってる?」
結衣「んーもっと酷い言い方とか知ってるし、いまさらどうでもいいよって感じ」
八幡「そんくらい神経図太くないと、そんな小遣い稼ぎはできないんだろうな」
結衣「さー? で、結局するのしないの? 私は本当にどっちでもいーんだよ」
八幡「しない」
結衣「あれっ? しないんだ」
八幡「おう」
結衣「したくないの? 私と」
八幡「うぬぼれるなっつーの」
結衣「ふーん」
八幡「んー」
結衣「じゃあ私、別のお客さん相手しにいくから。じゃーね」
八幡「おう」
伊藤誠「結衣ちゃんか・・・ふふふ」
誠「かわいいなぁ・・・」
誠「なんとしてでもお近づきになりたい」
誠「さて・・・」
――
八幡「おお。昨日はどうだった」
結衣「別に。いつも通りフツーにセックスしただけ」
八幡「へえ。えーとあれ、セックスてナカに出させるんだろ?」
結衣「うん。それがウリみたいなもんだし」
八幡「たった5000円で」
結衣「あのねぇ。私の場合は別に中でも外でも関係ないの。妊娠することがないんだから」
八幡「でもそれって病気じゃないのか」
結衣「さーね。まぁそうだとしてもこうして利用させてもらってるし、治したいとも思わないかな」
八幡「普通の女なら絶望したり発狂しそうなもんだけど」
結衣「『普通の女』って何だろね」
八幡「そりゃまー少なくともヤリマンじゃないのは確かだろ」
結衣「あははそりゃそ。それで、ねぇ、今日もココにいるってことはさ。やっぱり」
八幡「金ねえよ」
結衣「あら残念」
八幡「大体よ、好きでもない相手とセックスして気持ち良いもんなの」
結衣「うん。私は結構感じちゃう方だし」
八幡「誰でも一緒ってことか?」
結衣「いや、上手い人も下手な人もいるよ」
八幡「そういうことじゃなくて」
結衣「なに? 両想い同士のエッチだと一番気持ちいいとか幻想持っちゃってるわけ?」
八幡「そこまでは言ってないけど、やっぱ少しは違うんじゃねーの」
結衣「違わない違わない。要は身体の相性とテク次第だよ」
八幡「ふーん。そういう稼業してる人間がそう言うなら本当なんだろうな」
結衣「あっもしかしてヒッキーってドーテーなの?」
八幡「ウチのクラスじゃ貴重な童貞だよ」
結衣「ふーん。てっきりカノジョでもいるから5000円払わないのかと思った」
八幡「お前とのセックスが通過儀礼みたいな言い方するなよ」
結衣「え? だってあと君と担任の爺さんぐらいなもんだよ? ウチのクラスでまだ私と縁のない男って」
八幡「はっ?」
八幡「いつの間にか皆アナ兄弟だったってのは知らなかった」
結衣「いや、彼女持ちの何人かはさすがに釘刺されてたみたいだけど、まぁヤリたがってはいたね」
八幡「戸部も葉山も、……戸塚も全員?」
結衣「うん。まーあらかた食べちゃった」
八幡「ふーん。そうかよ」
結衣「ショック? ショック受けた?」
八幡「そりゃーショックだよ。俺の知らないところでそこまで話が進んでいたってのは」
結衣「あはは。じゃ、ちゃっちゃと仲間入りしないとね。ヒッキーならいいよ、分割払いでも後払いでも」
八幡「やらない」
結衣「えーどして? 今日は私、なんか気分なんだけどなー」
八幡「俺の方はそんな気分じゃない」
結衣「ふーん。ま、いいや、他のお客さんのとこいってくる。実はさっきから着信しっぱなし」
八幡「先客がいるならそっち優先しろよ」
結衣「ヤキモチ? 嬉しいなぁ」
八幡「帰る。じゃあな」
――
八幡「またいた」
結衣「や。こっちからしてみればまた来た、なんだけど」
八幡「そんなに放課後の中庭が好きなのか」
結衣「好きだよ。運動場の怒声とか、吹奏楽の間延びしたアレとか」
八幡「いつもベンチに座ってケータイいじってるだけだろ」
結衣「あコレ? 半分はフリ。こうやっていじってるといかにもな女子高生に見えるじゃん」
八幡「用事あるならさっさといけよ。どうせ今日も喘いでくるんだろ」
結衣「あははズイブンな言い方。や、まだ時間あるしただの暇つぶしだよ」
八幡「いつもなんのためにここに来てるんだよ」
結衣「ヒッキーとおしゃべりするためだよ」
八幡「へー、実は俺もお前とおしゃべりするためにここに来てるんだ」
結衣「あら意外と掴ませないんだね」
八幡「そっちもな。てかお前ってさ、バカなことやってる割にあんまりバカじゃないんだな」
結衣「あはは。まーね」
八幡「お前ってさ、ノースキンでも性感染症にならないんだろ」
結衣「そうだよ。あ、その気になった?」
八幡「でもお前はそうだとしてもさ、男側は大丈夫なのか」
結衣「さぁ、そこまで調べてないし面倒見れないけど。でもま、今のところ誰からもそういう苦情きてないし」
八幡「ふーん。それでその容姿風貌ってわけ。まるで身体売るために生まれてきたような女」
結衣「ねぇ、ひどいこと言ってるって自覚ある?」
八幡「あるよ。お前相手じゃなけりゃ生涯言う台詞じゃないな」
結衣「あはは、私なら傷つかないって分かるんだ」
八幡「いまさら言葉で傷つくほどメンタル弱くもないだろ」
結衣「そーでもないけど」
八幡「悩みでもあんの」
結衣「うん。ウチのクラスの最後の童貞クンがなかなかオちてくれない」
八幡「画竜点睛を欠かせられて光栄だな」
結衣「あっバカにして。そんくらい意味分かるよ」
八幡「へぇ残念」
八幡「この際だから確認しとくけど、エッチってオーラル全般もやるんだろ」
結衣「自信はあるほうかな。試してみる?」
八幡「口も使うのにまったく何の性感染症にもかからないのか」
結衣「かかってないね」
八幡「それじゃ風邪なんかにも相当の耐性あるんじゃないの」
結衣「へー。どうしてそう思うの?」
八幡「悪性のウィルスや細菌の侵入口は圧倒的に口腔鼻腔が多いから」
結衣「常識的な憶測だね。まぁ正解だよ。私はちょっとヤバげな恒常性を持ってるから、常に健康体なんだ」
八幡「そんな神から授かったような奇跡の身体を、ああゆうことに利用している訳だな」
結衣「むしろそんな事ぐらいにしか活かせないけどね。あっ、このことは黙っててね」
八幡「そういうデータ自分で分かってるなら、その方面にもバレバレだろうに」
結衣「まぁ特異体質が判ったのはちょいとしたコネでさ。まだ公にはバレてないんだ」
八幡「なかなか面白い身の上だ。今までの話が本当なら」
結衣「信じたら? 面白いでしょ」
八幡「咄嗟にそんな設定思いついたことは評価対象だろうな」
八幡「でもお前ってさ。そんな派手なやり方で稼いでるけど、バレたら色々終わるんじゃねーの?」
結衣「んー。誰にバレるって?」
八幡「親とか学校のお偉いさんとか」
結衣「親は生粋の放任主義、多分バレても『ふーん』で終わらすと思う。学校の教員には何人か常連がいるから平気」
八幡「常連」
結衣「気持ち悪い上に変態プレイ大好きなんだよあのハゲとか。まぁ大人は10倍増しだから稼ぎいいけど」
八幡「なんかすでにとんでもない一線踏み越えてんのな」
結衣「基本的に怖いもん無しだよ。気楽ー」
八幡「羨ましいな。俺なんて何も危ない橋渡ってないのに怖いもんだらけだよ」
結衣「たとえば?」
八幡「親。成績。先輩。帰り道に妙に吠えてくる犬。そして虎視眈々と俺に的かけてるお前」
結衣「食べちゃうぞー」
八幡「淫乱キチガイ略してインチキ」
結衣「チキ? なんかコンビニ行きたくなったな。でもま、普通の高校生やれてるって充実してるでしょ。いーことじゃん」
八幡「でも俺とお前、どっちが得な生き方かって訊かれたら少し困るかな。正味な話」
このSSまとめへのコメント
似たようなの前にあったな。
女「君も私とセッ○スしたいんだ?」
だったか……おなじ結末になるのか?
似たようなってかキャラ名以外同じよ
完全にパクリ
どっちもDT臭いから
同じような展開になるだろ