佐川「こんにちは!佐川急便です!」男「あ、どうも…」(204)

男「新しいオナホどれにしようかな…」カチカチ

男「…」

男「まあこれでいっか…」

男「どうせ俺の金じゃねえし」ポチッ

数時間後

男「ん?メール……Amazonか」

男「発送………げっ!佐川かよ」

男「絶対時間通り来ねえじゃん!」

男「昼から夜までずっと寝てるっつーの」

男「なんで配送業者選べねーんだよクソ」

男「…まあいいや、2chでもやるか」カチカチ

男「んあぁぁ……そろそろ昼か…」

男「やっぱり来ねえじゃねえかクソ佐川」

男「まあ期待もしてなかったけどな」

男「………寝るか」

ピンポーン

男「ん?誰だ?」

男「まさか………佐川か?」

男「そんなわけないよな…あのクソジジイはいつも昼過ぎに来やがるし…」

ピンポーン

男「は、はーい!」ドタドタ

ガチャ

佐川「こんにちは!佐川急便です!」

男「あ、どうも…」

佐川「男様でよろしいですか?」

男「はあ…」

佐川「Amazon様からお荷物届いてます」

男「は、はい」

佐川「ではこちらにサインをお願いできますか?」スッ

男「あっ、はい…」サラサラ

佐川「ありがとうごさいました」

男「あ、あのっ!」

佐川「はい?」

男「あの…いつもの人は…?」

佐川「あ、配送ルートが変更になりまして…」

男「はあ」

佐川「私がこの度こちらの地域を担当させていただきます、佐川です」

男「え?」

佐川「まだ新人ですがよろしくお願いします」ペコ

男「佐川……さん?」

佐川「はい」

男「本名が佐川ですか?」

佐川「あっ…恥ずかしながらそうなんですよ」

男「へ、へぇ…」

佐川「お客様や社員からはいじってもらえるのでありがたいですけどね」

男「は、はぁ…」

佐川「では失礼しますね」

男「どうも…」

ガチャ

男「爽やかな人だったな…」

男「まあ誰でもいいけど」

男「あのクソジジイよりはましか」

男「…」

男「んなことよりさっさと新しいオナホ試すか」ガサガサ

男「ふぅ…」

男「まあこんなもんか…」

男「…」

男「はぁ…」

男「いつまでこんな生活すんのかな…」

男「…」

男「ああー!」ガシガシ

男「もう寝みいし寝よう…」

次の日

男「お、この漫画新刊出てたのか」

男「さっそくポチろう」ポチッ

男「よし」

数時間後

男「発送のお知らせ来たか…」カチ

男「また佐川か……」

男「でも人変わったしなぁ…」

男「とはいえ佐川だし…昨日がたまたまってこともある」

男「そんなに期待せず待っとこう」

男「…」ペラッ

男「ぷっ…ハハ……」ペラッ

男「はぁ~」バタン

男「もう9時過ぎか…」

男「一気に読んじまったな」

男「早く新刊読みて~!」

ピンポーン

男「おっ!?佐川か!?」

男「はーい!」ドタドタ

ガチャ

佐川「こんにちは!佐川急便です!」

男「お、待ってました!」

佐川「あ…お待たせして申し訳ありません」ペコ

男「あ、いえ…そういう意味じゃ…」

佐川「?」

男「それで…」

佐川「はい、Amazon様からのお荷物ですね。」

佐川「サインをお願いします」

男「はい」サラサラ

佐川「ありがとうございました!」

男「どうもです…」

ガチャ

男「今日も時間通りに来たな」

男「あのお兄さん…佐川さんになってから…」

男「…」

男「い、いや、これが当たり前だろ…」

男「うん…仕事なんだから当然だな」

男「前の担当のおっさんがクズだったんだ」

男「…」

男「んなことより新刊読まないと!」ガサガサ

男「はぁ、VIPも飽きて来たな」

男「こんなこと何年も前から言ってるか…」

男「でもそれやることねえっつうの」

男「……」

男「親父が死んだら俺どうなるんだ…」

男「流石に働かないとマズイよな…?」

男「…」

男「とりあえず履歴書でも買うか」カチカチ

男「使うかわかんねーけど…」ポチ

男「あ、しまった…時間指定忘れてた…」

男「まあいっか…履歴書だし…」

やっぱり女の人にしよう(提案)

男「今季アニメ不作だな」

男「コレも切るか…」

男「なんかどんどん見るアニメが減って来たな…」

男「…」

男「…腹減った」

男「カップラーメンでいっか」

男「寝る前にカップラーメンとか最高に身体に悪そうだ」ビリッ

男「まあどうでもいいか、そんなの」ジャー

男「タイマータイマー…」ピッピッ

ピンポーン

男「え?」

男「…」

男「はい…」ガチャ

佐川「こんにちは!佐川急便です!」

男「あ……」

佐川「Amazon様からお荷m」

男「なんで…」

佐川「はい?」

男「なんでこの時間に来たんですか?」

男「時間指定してないですよね?」

佐川「そうですけど…」

佐川「今までこの時間帯での指定だったので」

佐川「今回もそのほうが都合がいいかと…」

男「まだ二回だけじゃないですか…」

佐川「ええ、まあ…」

佐川「ですがお客様のことを考えて行動するのが私達の役目だと思っていますので」

男「ぁ…」

佐川「お客様の為に、それだけです!」

男「……」

男「……………と言って」

佐川「?」

男「そんなこといって俺がニートだから!」

男「こんな時間に家にいるから覚えてただけだろ!」

男「他の家は不在が多いから!」

男「都合がいいからこの時間に配達したんだ!」

     _____     ━┓
   / ―   \    ┏┛
 /ノ  ( ●)   \  ・
.| ( ●)  ,      |
.|           /
.|      '~   /

 \_    ⊂ヽ∩\
   /´     (,_ \.\
    |  /     \_ノ

佐川「あ、あの…」

男「その荷物…キャンセルします」

佐川「あっ…!」

ガチャ

男「……」

男「なんで…」

男「なんであんなこと……」

男「…」

男「佐川さんかっこよすぎるよ……」

男「あんな輝いて…」

男「思い知らされるな……」

男「俺はどんだけクズなんだ…」

男「働かないで親のスネかじって…」

男「人を見下して…」

男「口先だけは一丁前で…」

男「はぁ…」

男「なんなんだよ…ほんと」

男「俺に生きてる価値ってあんのか?」

男「……わかんねえよ」

数日後

男「あ…」

男「米がなくなりそうだな」

男「またAmazonで頼むか…」

男「えーっと…」カチカチ

男「(でも佐川さんに会うの気まずいな…)」

男「(俺が不甲斐ないだけなのに当たり散らしちゃったし…)」

男「…」

男「まあ無言でサインだけすればいいしな…」ポチッ

男「お、メールだ」カチ

男「あ……」

男「今回は西濃か………」

男「…」

男「まあいいか…佐川さんに会わなくて済むし…」

男「うん…」


数日後


ピンポーン

男「…ん」

ピンポーン


            __          ___          ___    ___

         __l   l__,へ、   │ │ __     {   {     }   }
         l        l、 ヘ.┌─┘  レ´   `ヽ、  {   {     }   }
         └─┐  l====゙ヽ_  l.l___    ,.;-‐-、  ヽ  {   しヘ   }   }
         ,/ ̄        ヽ´  /    r´    }   } {     ゝ  }   }
         /  ,-┐  l ̄`ヽ  } /     │    ノ   } ヽ、_ノ   丿  }
         {  ヽJ   l__ノ   / ヽ、/l  l___ノ   丿   ___ノ   ノ
         ヽ、__ノヽ、__ノ     L_lヽ、___/    ヽ、____ノ

男「なんだよ…人が気持ちよく寝てるっていうのに…」ムクリ

男「はーい」ガチャ

西濃「お届けものです」

男「あ………」

西濃「どうぞ」ドサッ

男「ちょ、ちょっと…」ヨタヨタ

西濃「サインお願いします」

男「んだよ…」ドサッ

男「あの…時間指定したはずなんですけど?」

西濃「はあ…」

男「いやはあ…じゃなくて!」

男「なんで時間通りに来てくれないんですか?」

西濃「こっちも忙しいんですよ」

男「はぁ?」

西濃「それに米なんて重いモノ最初のほうに積み込んじゃうんで」

男「そんなのこっちの知ったこっちゃ…」

西濃「それに…」

男「え?」

西濃「ここの家は24時間いつでも家にいるって聞いてますよ」

男「なっ!?」

西濃「ふっ…」ニヤッ

男「……………」

西濃「それで、サイン…」

男「…………はい」サラサラ

西濃「どうもでしたー」

男「………」

ガチャ

男「…んだよ」

男「そうだよ…」

男「どうせ俺はクズニートだよ……」

男「ちくしょう………ちくしょう…!」

数日後

男「なるほど…」カチカチ

男「よし…」

男「とりあえず練炭だろ…」カチ

男「それからコンロ…」カチ

男「あとテープと…」カチ

男「…」カチカチ

男「これぐらいか…」

男「今頼めば明日には来るな」ポチッ

男「はぁ…明日か…」

次の日

ピンポーン

男「来たか…!」ガタッ

男「(そう言えば業者確認してなかったな…)」

男「はい」

ガチャ

佐川「こんにちは!佐川急便です!」

男「あ……佐川さん……」

佐川「Amazon様からですね」

佐川「こちらにサインを…」

男「あのっ!」

佐川「はい?」

男「こ、この前はすみませんでした…」

佐川「あ…いえ…」

男「怒られたりしましたか…?」

佐川「あはは…まあ少しだけ」

男「やっぱり……本当、すみませんでした…」

佐川「いや、気にしてないですよ!」

佐川「それでサインを…」

男「はい…」サラサラ

男「……佐川さん」

佐川「?」

男「仕事って楽しいですか?」

佐川「え?」

男「俺…働いたことなくて…」

佐川「……」

佐川「楽しくは……ないかな」

男「え……?」

佐川「正直この仕事はキツイし、もちろん怒られたりもする…」

佐川「当然ヘコむ…」

佐川「上司ならまだしも、お客様だとなおさらだよ」

男「だったらどうして…」

男「どうしていつもあんな元気な笑顔で働けるんですか?」

佐川「それは…」

男「…」

佐川「ありきたりだけど…やっぱりありがとうって言葉が嬉しいんだ」

男「あ……」

佐川「それに僕が笑顔ならお客様も笑顔になってくれるかもしれない」

佐川「お客様の笑顔のありがとう…」

佐川「この為に働いてるって言っても過言じゃないかな…」

男「そんなことの……」

佐川「それからお金が無いと生活出来ないしね」ニコッ

男「…」

男「そうですか…」

佐川「なぜそんなことを…?」

男「いえ……では」

ガチャ

男「…」

男「そんなの綺麗事だろ……」

男「そうに決まってる…」

男「…」

男「……………」

男「バイト……してみようかな………」

男「バイトか…」

男「でもなぁ」

男「バイトなんてしたことねえし…」カチカチ

男「なにすれば…」

男「それに高卒職歴無しコミュ障ヒキニートにでにることなんて…」

男「あ…これ……」

男「これにしようかな……」

男「うん…」

男「履歴書…この前突き返しちゃったんだ…」

男「またAmazonで…」カチ

男「いや……買いに行くか!」

数日後

男「とうとう初バイトか…」

男「緊張……するな…」ドキドキ

担当者「新人君!」

男「はっ、はい!」ビクッ

担当者「こっち来て!仕事の説明するから」

男「わ、わかりました!」

男「(頑張らないと…)」

男「(俺だって変われるんだ…!)」

男「なんとか一日目乗り切ったぞ…」

男「かなり疲れたな…」

佐川「あれ…君は…」

男「あ、佐川さん…」

佐川「どうしてここに?」

男「俺…今日からここで働くことになって…」

佐川「え?そうなの?」

男「その…佐川さんの話を聞いて…頑張ってみようかと…」

佐川「そうなんだ…」

男「はい」

佐川「い、いやぁ照れるな~」ポリポリ

男「佐川さんのおかげです」

佐川「そっか…」

佐川「でも佐川の荷物の仕分けはキツイよ?」

男「わかってます…でも佐川さんがいるところで働いてみたくて…」

佐川「男君…」

男「それに接客なんて出来ないし…」

男「こんなところじゃないと受からないですよ」

佐川「そんなことはないと思うけど…」

佐川「なんにせよ頑張ってね!応援してるから!」

男「は、はい!」



男「はぁ~」ドサッ

男「…」

男「佐川さんが応援してくれてる」

男「確かに仕事キツかったけど…」

男「頑張らないとな!」

男「うん」

男「やってやるぞ…」

男「俺は変わる!」

2週間後

ピンポーン

男「はいはい」ガチャ

佐川「こんにちは!佐川急便です!」

男「あ、佐川さん」

佐川「なんだか届けにくるの久しぶりだね」

男「そうですね…働きだしてから店で買い物するようになったんで」

佐川「そうか、それはよかった」

男「ち、ちゃんと喋るのも久しぶりですよね!」

佐川「そうだね…基本的に働く時間は被らないし…朝はものすごく忙しいもんね」

男「はい…」

佐川「どう?仕事は慣れた?」

男「だいぶ慣れました…でも」

佐川「でも?」

男「佐川さんみたいな働く喜びみたいなのはまだわからなくて…」

佐川「そうか…」

男「やっぱりアルバイトだから…」

佐川「それは違うよ」

男「え?」

佐川「アルバイトだからとかじゃないよ」

男「でも…」

佐川「逆に正社員でも喜びを知らない人はたくさんいる…」

佐川「確かに今の職種でそういったモノを見つけるのは難しいかもしれない…」

男「…」

佐川「でもきっと見つかるよ」

佐川「見つけられるはずだ」

男「佐川さん…」

佐川「じゃあサインお願いできるかな?」

男「…はい」サラサラ

佐川「ありがとうございました!」

ガチャ

男「バイト…いくか…」

男「見つけられる、か……」

男「なんなんだろ…」

男「…」

男「ちっ…今日は荷物多いな…」グイッ

男「おいおい…どんだけAmazon注文しでた…」

男「誰だよ…自転車なんか通販で買うバカは…」グイッ

男「んだよこれ…くっそ重い……」グイッ

男「第一ベルトコンベアーが早えんだよ!」

男「こんなんで仕分けられるか!」

男「クソッ!」ブンッ

ブーーーーーーー!!!

男「え…え?」

男「な、なんだ?」

課長「おいコラ!!アルバイト!!!!!!」

男「っ!?」ビクッ

課長「お前今荷物投げただろ?あ?」

男「い、いえ…投げてません…」

課長「はぁ?本当のこと言えよ、投げたんだろ?」

男「いや……あの……」ガクガク

課長「あぁ!!!!?はっきりしろや!!!!」

男「投げて……………ません」

課長「おいコラ!!アルバイト!!!!!!」
男「な、なんだ?」

 ―┼‐         ノ     /   |  --ヒ_/     /   \ヽヽ    ー―''7
   `」   ┼,   二Z二   レ   /  /´レ' \ ―7 ̄}  |  ー-、   /
 (__  (|フ)   (__ノ  _ノ  ∨`  ノ  /  /     _ノ    \_


    ─┼-        /   |   ‐┼-   |     ー|―
    ─┼─ |   \ レ  /   ̄Tー  /      ノ -─
   (二フヽ  \/    _ノ   (二フ\  ヽ_ノ   / 、__

     i';i
    /__Y

     ||V||                   /⌒彡  
  _ ||.I.||         /⌒\     /冫、 )
  \ ||P|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ `./⌒ i `  /ゝ     _,,..,,,,_
  ||\`~~´  (<二:彡)    \( >     ('\\  ./ ,' 3 `ヽーっ
  ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄\`つ    ⌒ _) l   ⊃ ⌒_つ
     .|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||                `'ー---‐'''''"

課長「うるせええええええ」

男「イジョラディアムスホガホガ」

課長「……そうか」

課長「それでいいんだな?」

男「は、はい……」

課長「じゃあ投げてないってことにしよう……」

男「えっ…?」

男「(よかった……)」

課長「でも一応…い・ち・お・う確認したほうがいいよな?」

男「……………え?」

課長「ここには監視カメラがついてる」

課長「本来は防犯の為だ…」

男「……」ブルブル

課長「こっちにこい」スタスタ

男「な、なんだ?ここは.....」

課長「おいコラ 気持ちいいか!ここがいいんだろう?」

男「っ!?」ビクッ

課長「おらあ」

男「ひぐうう」

「ビュービュクン!」

男「……」

課長「どうだ?」

課長「ここに映ってる男は荷物を投げたか?」

男「ぇ……と……」

課長「お前は投げてないんだろ?」

課長「じゃあこの男は投げてるのかどうかを聞いてんだよ」

課長「どっちだ?」

男「投げて……ます」

課長「じゃあこの男は誰だ?」

男「僕です………」

課長「間違いないな?」

男「…………はい」

課長「明日からもう来なくていい」



男「………」

男「終わった……」

男「せっかく始めたバイトなのに…」

男「……」

男「クズはクズのままか…」

男「佐川さんになんて言おう」

男「あんなに応援してくれてたのに」

男「俺はクズだ…!」

次の日

男「これ…佐川さんが届けてくれたんだったな」ガサガサ

男「佐川さん……」

男「もう会うこともないか…」

男「まあしょせん配達員と客の関係」

男「バイトもクビになったしな」

男「……」

男「ごめんな、親父、母さん」

男「佐川さん…俺は最後までクズだったよ」カチッ

男「さよなら」

ピンポーン

男「?」

ピンポーン

男「なんだ?」

ピンポンピンポーン

男「んだよ人が死のうとしてる時に…」ヨタヨタ

佐川「男君?いるんだろ?」

男「あ……」

男「佐川さん…なんで」

佐川「開けてくれ、男君!」

男「……」

男「なんで来たんですか…」

佐川「君がバイトをクビになったって聞いて……」

男「そうですか…」

佐川「男君?」

男「帰ってください」

佐川「え?」

男「帰ってください!」

男「俺…俺…今から死ぬんです!」

佐川「なっ!?」

佐川「なにを……!?」

男「もう決めたんです」

男「帰ってください」

佐川「い、いいからここを開けてくれ!


男「嫌です!」

佐川「どうして…」

男「クズはクズだった…」

佐川「え?」

男「佐川さんはあんなに応援してくれたのに…」

男「俺は変われなかった…」

男「俺は生きてる価値のないクズなんですよ!」

佐川「そんなことない!!!」

男「っ!」ビクッ

佐川「そんなことあるわけないだろ!!!」

男「佐川さん…」

佐川「君は変わろうとしたじゃないか!!!」

男「で、でも…」

佐川「一回の失敗がなんだ!!それぐらい誰にだってある!!!」

男「…」

佐川「あきらめるなよ!!」

男「うっ……うう………」

佐川「大丈夫、君なら…出来るよ」

男「佐川さ…ごほっ…ぐっ…」

佐川「男君……?」

男「ごほっ…ごほっごほっ…!」

佐川「男君!早く開けるんだ!!」ガチャガチャ

男「さが……わ……さ…」カチャ

ガチャ

佐川「男君!」

男「はぁ…はぁ…」

佐川「何をやってるんだ!君は…!」

男「すみま…せん……」

佐川「もういい…今救急車を呼ぶから…」ピッピッ

男「……はい……」

数日後 病院

佐川「失礼するよ」ガラッ

男「あ、佐川さん!」

佐川「すっかり元気だね、男君」

男「お、お陰様で…」

佐川「ははっ、それはなによりだ」

男「あの…佐川さん」

佐川「ん?」

男「俺…ちゃんと働こうと思うんですけど」

佐川「ほう」

男「どんな仕事がいいですかね?」

佐川「ん~何がいいと聞かれてもなぁ…」

佐川「自分で商売始めるとかはどうだ?」

男「えっ、出来ますかね…?」

佐川「出来るさ」

男「…」

佐川「モノによっては僕が毎日商材を届けに行くことになるかも」

男「あ…」

佐川「まあそんなことほぼ無いかもしれないけどね」

男「そうですか…」

佐川「とにかく今は退院だよ!」

佐川「早く退院してまた君の家に荷物を届けさせてくれ」

男「……はい!」

数日後

男「ふぅー、久々の我が家だな!」

男「さっそく何か注文しよう」

男「といっても何を…」

男「ん~」

男「そうだ!佐川さんへの感謝のプレゼントにしよう!」

男「その場で渡せばきっと喜ぶぞ」

男「なにがいいかな…」カチカチ

男「悩むな……」カチカチ

男「……」カチカチ

数時間後

男「お、発送メール!」カチ

男「イエス!対応佐川か!」

男「これで直で渡せるぞ」

男「かなり悩んだからな…」

男「喜んでくれるはず!」

男「…」

男「明日か……」

次の日

男「あれ……来ないな…」

男「佐川さんならいつもこの時間に来るのに…」

男「まあ時間指定してないしな…」

男「今日は忙しいのかも…」

男「うん…」

トラックの出番か



男「おかしいな…遅過ぎる…」

男「追跡かけてみるか…」カチカチ

男「……」カチ

男「あれ……持ち戻りがかかってる…」

男「な、なんで?理由その他って…?」

男「電話してみよう…」ポチポチ

prrrrrr prrrrrr prrrrrr ガチャ

『お電話ありがとうございます。佐川急便です』

男「あの…今日届く予定の荷物なんですけど…」

男「え…事故?」

男「そんな………」

男「佐川さんは…佐川さんはどうなったんですか!?」

『ヤマト病院に搬送されましたがその後の連絡はまだ…』

男「くそっ!」ガチャ

男「嘘だろ…嘘だろ!」

男「佐川さん!」ダッ

男「はぁっ…!はぁっ…!」

男「佐川さん!」ガラッ

佐川「………」

男「佐川……さん?」

嫁「ついさっき…逝きました」

男「嘘………だろ?」

男「佐川さん…佐川さんってば!」ユサユサ

男「起きて下さいよ!なんで……なんで…」

男「うぁ……ぁ……」

男「うわああああああああああ!!!!!!」

次の日
佐川「こんにちわ!佐川です!」ガチャガチャ
男「ひっ」

嫁「落ち着きましたか?」

男「……はい」

嫁「あなたもしかして男さん?」

男「ぇ……?そうですけど…あなたは?」

嫁「佐川の嫁です。あなたのことは良く聞いていましたよ」

嫁「昔の俺みたいな子がいるって」

男「え?佐川さんが…?」

嫁「ええ、昔はそうだったらしいわ」

男「知らなかった…」

嫁「それで…荷物なんだけど…」

男「あっ…」

嫁「助手席に置いてたみたいで…グシャグシャに…」

男「…」

男「いいんです…それは」

嫁「え?」

男「それは佐川さんに渡すはずのモノでしたから」

嫁「……そう」

男「…」

男「佐川さん…俺の店の取り引き相手になるって言ってたのにな」

男「佐川さんはもういない…」

男「でも俺の心の中で生きてる」

男「俺…頑張るよ!」

男「仕事して…その仕事の喜び見つけて」

男「それで他の人に笑顔でありがとうって言われるように…」

男「約束するよ」

男「見ててね、佐川さん…」

数週間後

ピンポーン

男「はいはい…」

ガチャ

男「…!」

佐川「やあ。久しぶりだね」

男「……そんな…」

佐川「元気そうでよかったよ」

男「どうして……」

佐川「ほら、僕には妻がいただろ?」

佐川「一度死んだことにして別人として生きた方が都合がよかったんだよ」

男「…なんでそんな…」

男「…なんでそんな…」

佐川「どうしても届けたいものがあったからね」

佐川「今日は荷物を届けに着たんだ」

男「……」

佐川「ようやく君にこれを届けることができて嬉しいよ」

男「……それって…」

佐川「ちょっと大きい荷物だけどね」

佐川「さて、それじゃあサインしてくれるかな?」

数年後

男「はぁっ…はぁっ…」タッタッタッ

男「重いなぁ~…」

男「しかもここ階段しかないなんて……」

男「でも…」

男「(佐川さん…ありがとう)」

男「(見てくれてるよな?)」

男「(俺の初仕事!)」

ピンポーン

男「こんにちは!佐川急便です!」

男「……っ」

男「……ここで…いいんですよね」

佐川「そう、そこだよ」

男「じゃあ…」





チュッ



佐川「…男君のサイン、確かに確認したよ」

男「…僕も確かに受け取りました」

佐川「フフフ、返品はできないからね…?」


佐川さんは、ニートだった俺にいろんなものを運んでくれた。
マンガ、オナホール、AV、食品……
そして、幸せも。
ありがとう、佐川急便。

~Fin~

このSSに登場する佐川等の企業は全てフィクションです。
実在のものとは関係ありません。
佐川はクソです。
僕はニートです。
終わりです。

流れにワロタ

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