妹「……眠い」俺「寝たら死ぬぞ」 (27)
妹「死ぬの?」
俺「もれなく死ぬ」
妹「……もうちょっとだけ頑張る」
俺「よし、頑張れ」
妹「うん……」目をコスコス
俺「それじゃ……お休みー……」
妹「待って」ユサユサ
俺「……んん?なんだよ」
妹「なんで寝ようとしてるの」
俺「眠いからだよ」
妹「眠ると死んじゃうんでしょ?」
俺「……そうだった」
妹「お兄ちゃん死ぬとこだったね」
俺「あと一秒遅れていたら死んでいた」
妹「あぶなかった」
俺「あぶなかったな」
俺「眠気覚ましにコーラを飲もう」
妹「夜中にコーラ……なんか大人っぽい」
俺「だろ?」
妹「それでコーラはどこにあるの?」
俺「冷蔵庫にあるだろ」
妹「うちの冷蔵庫にそんなオシャレジュースがあるの見たことないよ」
俺「……俺もだ」
妹「麦茶ならいつでもあるね」
俺「じゃあ麦茶でいいや」
妹「そう」
俺「………」
妹「………」
俺「はやく持ってこいよ」
妹「なんで私が」
俺「お前が最初に麦茶って言い出したんだろ」
妹「なんだそりゃ」
俺「いいから早くしろよー麦茶ー麦茶ー」
妹「……仕方ないなぁ」
妹「麦茶のロック、お持ちしました」
俺「ごくろう」
ゴクゴク……
妹「美味しいでしょ」
俺「……この麦茶、超甘ぇ……」
妹「美味しいでしょ?」
俺「マズイ……」
妹「あれ、おかしいなぁ」
俺「変なイタズラするんじゃないよ。
お前の麦茶と交換しろいっ」
妹「あっ……そっちも……」
俺「……こっちもくそ甘ぇ……」
妹「だから言おうとしたのに」
俺「なんなんだよこの麦茶」
妹「マックでもらったガムシロップ入れまくってみた」
俺「なんでそんなバカな真似を」
妹「少しでもコーラに近づけようと思って」
俺「ふむ……とりあえずお前も飲んでみろ」
妹「うん」
妹「………」
妹「マズイな」
俺「マズイよなぁ」
妹「なんでこんなにマズイんだろう」
俺「甘いものってみんな美味しいと思ってた」
妹「私も」
俺「俺が今まで食べた甘いもので、不味かったものは一つもなかった」
妹「私もそうだった」
俺「………もっとよく味わってみれば、実は美味しいのでは?」
妹「ふむ」
俺「うむ」
俺「味わいながら飲んでみよう」
妹「味わう、って普通に飲むのと違うの?」
俺「ワインみたいに飲めばいいんじゃないか?」
妹「ワインなんて飲んだことない」
俺「俺もない。……けど」
妹「?」
俺「前にコナンでワインの飲み方をやってたからなんとなく知ってる」
妹「おぉ」
俺「まず匂いを嗅ぐ」
妹「匂いしない」
俺「コップに入った麦茶をグルグル回す」
妹「回した」
俺「最後にうがいするんだよ」
妹「ガラガラ……ペッ」
俺「どうだ」
妹「口中が甘ったるい……」
俺「うむ」
俺「……口中が甘ったるいな」
妹「ね」
俺「何が違うんだろう……」
妹「コップが安物だからじゃない?」
俺「そうなの?」
妹「たぶん」
俺「ふむ」
妹「髭男爵のもってるコップ、うちにないかな」
俺「あれか。あの……あれな。あの丸っこいやつな」
妹「あれあれ」
サンタの正体を寝ずの番で暴こうとする兄妹を書こうとしましたが
挫けたので終わりです
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