ほむら「悪魔は手段を択ばない」 (529)
諸注意
・非常にハードな場面が多いです。
・このSSは、叛逆後の設定ですが……作者の勝手な解釈が多く含まれています。
・外伝キャラ等も出ます。なお、かなり都合の良いように改変されてます。
・なお、ほむらの性格もかなり変わってます。
・大体、一回の投下は一週間に一度程度なので、更新速度は遅いです。
・作者の趣味で、某ヤクザ漫画のオマージュが、多く含まれてます。
・タイトルは以前書いた物に似せてますが、関連性はありません。
では、お楽しみください。
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序幕
昼休みの見滝原中学。生徒達の憩いの時間だが、鹿目まどかはゆっくりと休息……と言う訳でもなかった。
「……暁美さん?」
屋上に呼び出した張本人、暁美ほむらはグランドをジッと見下ろしていた。
「申し訳なかったわね。わざわざ呼び出して……」
ゆっくりと振り向き、ほむらとまどかの視線は交錯する。
真剣な面持ちでまどかは、ほむらをジッと見つめる。
対してほむらは、うっすらと口元に笑みを見せるが、その眼は笑っていない。爬虫類を想像させるような不気味な瞳が、まどかの印象に強く残された。
「……話って、何ですか?」
「そうね……。
貴女は、自分の家族や親友が……大切だと思ってる?」
「……?」
「……どうなの?」
問い詰められ、まどかは大きく息を吸い込んでから、力強く答えた。
「勿論……大切だと思ってるよ。家族も、友達も……皆大好きで、大切な人たちだから」
「……そう」
ほむらは、右手をまどかの肩に、ポンと乗せた。
「貴女は、今のままで良いの。何も迷う事は無いわ……」
肩を掴むほむらの右手に、自然と力が入っていく。
「……いたっ」
「……ごめんなさい」
慌てて手を離す。
「……さっき、貴女自身の言った言葉。決して、忘れないでね」
そう言い残し、ほむらは屋上から立ち去っていった。
「……何だったんだろう」
取り残されたまどかは、ポツリと呟いた。
ただ、掴まれた左肩が、妙に熱を帯びている気がしていた。
屋上から校舎に入ると、踊り場でほむらを待ち構えて居たのは、美樹さやかと巴マミだった。
さやかは、ほむらを鋭く睨みつける。
「何のつもりで、まどかを呼び出したの?」
低く冷たい声で、さやかは問う。
「……別に、人に言う程大した事では無いわ」
ほむらの舐めたような態度に、さやかは思わず胸倉を掴み取る。
「信用出来る訳無いでしょ? あんたみたいな奴の言う事が……」
殴り掛からんばかりの勢いで、さやかはほむらに向け捲し立てた。
「……よしなさい」
静かに、マミは言った。
「……」
渋々ながら、さやかは手を解いた。
「……通して貰える?」
ほむらは、淡々としていた。
「……暁美さん。貴女を通す前に、一つだけ聞いて良いかしら?」
「何ですか?」
「最近、魔法少女が徒党を組んで、悪さしてる噂を良く聞くのよ。
……貴女、何か知らない?」
マミも、ほむらに何かしらの疑惑を持っていた。
「……私は何も知りませんよ」
ほむらは、一貫した態度だった。
「では……失礼します」
そのまま、目を合わせる事も無く、ほむらは立ち去って行った。
「……アイツは絶対に、何か企んでる」
さやかは、苛立ちを隠せない。
「ええ……何か裏が有るわね」
マミも、勘ぐっていた。
しかし、その真相を掴むのは、まだ先になる。
暁美ほむらは、その日を境にこつ然と失踪したのだった。
そして、それから半年の月日が流れた……。
まずは、プロローグです。
恐らく、年内の完結は出来ないでしょうね。ボチボチと書いていきます。
このSSまとめへのコメント
ボチボチと書こうとした結果、エターなったわけか。残念。