───
マヨナカテレビ内
クマ「……おかしいクマ」
陽介「? どうした、クマ助」
番長「……?」
クマ「クマの鼻がムズムズするクマー……何か、何かクマ達以外の何者かが、テレビの中にいるクマ!」
陽介「そりゃーそうだろ、シャドウがさっきからウヨウヨいるんだから」
クマ「ん~、違うクマ! 今まで嗅いだことのない……新しいナニかクマ!」
陽介「シャドウじゃなくて、俺たち以外の何かって言ったら……」
番長「……!」
千枝「えー? それじゃあ……犯人! とか?」
陽介「ッ!!」
雪子「!!」
クマ「!!!」
千枝「え………えっ?」
番長「……可能性は高いな」
千枝「あ……」
陽介「……」 ゴク…
番長「りせ、何か分かるか?」
りせ「そういえば……シャドウの一つが、動きが変なの」
完二「ヘン……?」
りせ「シャドウって、いっつもフラフラと彷徨ってるみたいな動きで……ただ、動いてるだけ、って感じなんだけど……」
りせ「一つ、意志を持ってるみたいに動いてる気配があるの……」
陽介「意志……」
千枝「……ますます犯人臭いね……!」
番長「りせ……ソイツの位置は分かるか?」
りせ「やってみる……─────」
りせ「分かった…… この先の、しばらく進んだところの行き止まりの部屋……」
りせ「そこに、いるよ……」
完二「ッし……ソイツのツラ、しっかり拝ませてもらいやしょう!!」 グッ
───
人修羅「………」
カハク「ねぇー、ココどこぉ?」 ヒュンヒュン
人修羅「……」フルフル
ピクシー「さっきから変な影みたいなのもいるわねぇ」
カハク「あんなの悪魔でも見たことないよー!」
人修羅「………」
カハク「……あんた、こんな時も無口なのね」
人修羅「………」
ピクシー「ま、そこもイイトコなんだけど」 ヒュン
カハク「あ! 自分だけそうやって……!」
人修羅「………」 ハァ
バタバタバタ
「おい、ここか?」 「よ、よし……開けるぞ!」
人修羅「……?」
ガタッ ガタッ
カハク「……あのドアの外、誰かいる?」
ピクシ「……敵かしら」
人修羅「……」 グッ
バターン!!
陽介「開いた!」
千枝「! 誰かいる……!?」
人修羅「………」
完二「なかなか気合い入ったナリしてんじゃねぇか……」
クマ「こやつから、さっきの臭いがプンプンするクマー! 間違いないクマ!」
カハク「……ねぇ、何か向こうさん鼻息荒くしてるケド?」
ピクシー「……」 ハラハラ
人修羅「………」
番長「………」
完二「おい! ここはマヨナカテレビだ! "間違って入っちゃいました"じゃすまねぇぞコラァ!」
ピクシー「……何か怖い人……っぽい人? が叫んでる……」
カハク「マヨナカテレビ、だってさ!」
人修羅「………」
完二「コラァ! 黙ってんじゃねぇぞ! クマに断りも無く、ここに入って平気でいられんのは……」
完二「犯人しかいねぇ!」
人修羅「……」
ピクシー「何だか不穏な空気ねぇ……」
カハク「コトワリがどうとか言ってるよ? ヤバい人たちなんじゃないの?」
人修羅「………」
人修羅「……スゥ…」
【フォッグブレス】!
人修羅「・・・!」 ゴォォォォォ!
陽介「!? 何だぁ!?」
千枝「何も見えないよっ!?」
人修羅「……」 スッ
ピクシー「えっ?」 ガシッ
カハク「へ?」 ガシッ
人修羅「……」
【逃亡】
人修羅「……」 ダッ
ピクシー「あ、も、もうちょっと優しく掴んで……」
カハク「ちょっ、どこ触って……んぁっ!?」
人修羅「……」 ダダダダ!
陽介「ゴホッ……ごほ……霧だ! メガネがどうとかじゃない!あいつがやったんだ!」
クマ「逃げられたクマー!」
千枝「追おう! まだ近くにいるはずだよっ!」
番長「りせ! 頼む!」
りせ「! こっち!」
完二「逃がすかぁー!」
ダダダダダ!
りせ「……向こうの動き、結構速いよ!」
番長「りせ、挟み打ちに出来るか?」
りせ「うん……! ちょっと待って……」
りせ「! あっちの道と、この道に分かれて行けば、相手を挟み打ちに出来るよ!」
番長「! よし! ……陽介!」
陽介「合点だ相棒! 俺はこっちに行く! ……そっちは頼んだぜ!」
完二「うし、じゃあ俺も花村先輩の方から攻めます! おいクマ公!お前も来い!」
クマ「えぇー! クマは女の子と一緒がいいク……」
完二「いいから来いィ!」 ガシッ グイッ
クマ「クマァァァァ! 千枝ちゃーん! 雪子ちゃーん! りせちゃぁぁぁぁー……」 ズルズル
番長「………」
番長「行こう!!」
千枝「う、うん!」
雪子「がんばる!」
ダダダダダ!
りせ「こっち! ここを曲がれば、もうすぐ……」
シャドウ「グウゥゥウウゥゥゥゥアアアァァァァ!!」
りせ「シャドウ!?」
千枝「こんな時に……!」
番長「イザナギ……っ!!」
カ ッ
番長「速攻で……終わらせる……!」
イザナギ「……」 ゴォッ!
ズバァッ!
シャドウ「オオォォォオォォォ………」 シュゥゥゥ…
千枝「す、すごい……! 一瞬で……」
りせ「さっすが私のセンパイっ!」
千枝「えっ?」
シャドウ「グオォォォォ!」
シャドウ「ギシ…ギシ…」
りせ「!? 新しいシャドウが!?」
千枝「何でこんな次々とー!?」
りせ「……さっきの奴に、"惹かれてるのかも"……」
雪子「どういうこと……?」
りせ「さっきの奴……私の、勝手な推測だけど……すごく、すごく"どっちつかず"な感じだった……」
雪子「どっちつかず……」
りせ「思い出して、シャドウって、人間のもう一つの願望や意思が表れたものでしょ?」
千枝「うん……」
りせ「シャドウも、"どっちつかず"だよね? 本当の自分にはなれない……そして、表に出ることも出来ない」
雪子「……」
りせ「だから、あのイレズミ男に、シャドウが惹かれて集まってるのかも……仲間を求めるみたいに」
千枝「仲間……」
番長「………」
千枝「シャドウの仲間、ってことは……やっぱり、あいつもシャド……」
番長「いや」
千枝「?」
番長「……あいつは、違う気がする……」
千枝「……」
番長「……今は、とにかく……」
イザナギ「……」 シュバッ!
シャドウ「オオオォォォオオォオォ………」 グチャ…
番長「先に進もう」
シャドウ「グオオオォォオ!」
シャドウ「ガァァァッ!」
番長「………」 キッ
───
人修羅「……」 タッタッタッタッ
カハク「はぁぁ……だいぶ逃げたわねー」
ピクシー「ここまで来ればもう……」
人修羅「!!」 ザッ
陽介「よ~し、待ってたぜぇ! 短パン少年!」
人修羅「……」 ジリ…
ピクシー「先回りですって……!?」
完二「っし! 早いとこシメ上げて、洗いざらいしゃべってもらいやしょう!」
クマ「そうクマ! もうこれ以上、クマの世界で人は殺させないクマー!」
人修羅「………」
陽介「待て待てお前ら、まだこいつが犯人と決まったワケじゃ……」
人修羅「………」
ピクシー「ねぇ、話せば分かる相手なんじゃないかしら?」
人修羅「……」
カハク「ダメだめ。 こいつ無口だから、話なんかできないってば」
ピクシー「……それでさっきも逃げたのね……」
人修羅「…………」
陽介「なあ、短パン君。 君はどーしてここに……」
人修羅「……」スゥ…
【フォッグブレス】!!
ゴォォォォォッ!
完二「!? またかぁ!?」
クマ「また逃げる気クマ!」
陽介「させねぇよ……! ジライヤァァァァァァ!!!」
カッ!
陽介「ガルダインッッ!!」
ジライヤ「……ッ!」 ゴオオオオオオオォォォオォッッ!!
ビュオオォォォオオォォッッ!
人修羅「……!」
カハク「! フォッグブレスの霧が……かき消された!?」
ピクシー「さっきの……ザンダインと似てるけど……! 彼らも魔法を……!?」
陽介「さて……もう逃げらんないぞ? 大人しく……」
人修羅「……」
人修羅「……」クルッ
陽介「え……?」
人修羅「……」 ダッ!
陽介「引き返した!?」
クマ「でも反対側には先生たちがいるクマー!」
完二「センパイ達をわずらわせる必要は無いッスよ!」 バッ
陽介「完二!? 何する気……」
完二「俺がシビれさせて動けなくしてやります!! タケミカヅチィ!!」
カッ!!
完二「オラァッ! ジオダイン!!」
タケミカヅチ「…!」 カッ!
ピクシー「危ないっ!」 サッ
バチバチィッ!
ピクシー「キャアァッ!」
人修羅「!?」
ピクシー「はぁ……はぁ……」 ヨロ…
カハク「ちょっ……大丈夫!?」
ピクシー「平気よ……電撃耐性だから……うっ…」 ヨロ…
人修羅「……」 ソッ
ピクシー「……何て顔してるのよ…平気だったら……ぅ」 ズキ
人修羅「…………」
陽介「おい、あいつのペルソナみたいなのに当たったぞ」
クマ「あわわ……あの子可哀相クマー……」
完二「手加減したから大丈夫ッスよ……ンなことより、まずあの男を足止めしないと……お?」
人修羅「…………」
陽介「……こっち見てるぞ…… もう逃げる気は無いみたいだな……」
完二「観念した、っつーことッスかね……?」
クマ「なんか違う気がするクマー……」
人修羅「…………」
ピクシー「うぅ……」 ヨロ…
人修羅「……………」
───
千枝「ゴッドハンドー!!」
ドガァッ!
雪子「マハラギオン!!」
ゴオオォォォッ1
シャドウ「ォォォ……」 ゾロゾロ…
番長「!」
千枝「シャドウたちが逃げてくよ……!」
ゾロ…ゾロ…
雪子「急にどうしたのかしら……」
りせ「! ねぇ! この先の……アイツの気配がどんどん大きくなってる!」
番長「何……?」
りせ「凄く強力な気……こんなの、見たことない……」
千枝「それでシャドウたちも逃げ出したっていうの!?」
雪子「そんな……シャドウ達が逃げ出す程の気なんて……」
りせ「一体何が……」
雪子「……」
番長「………」
「ジャッ」
千枝「ん? 今何か聞こえ」
ドッゴォォオオオオォォオオォォオオオォォ!!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
千枝「!? 何!?」
りせ「じ、地震……!?」 グラグラ…
番長「………」
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
バン はよ
バン(∩`・д・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
ドゴォォォォン!!
; ' ;
\,,(' ⌒`;;)
!!,' (;; (´・:;⌒)/
∧_∧(;. (´⌒` ,;) ) ’
Σ(* ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),`
⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄\/___/ ̄ ̄ ̄
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. ∵ ./ ./|
_, ,_゚ ∴\//
(ノ゚Д゚)ノ |/
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ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
_/_ミつ/ ̄/_
/_/
───
ベルベットルーム
イゴール「これはこれは……珍しいお人がおいでくださった」
祐子「……初めまして、と言うべきなのかしら」
イゴール「フフフ……運命とは回り続ける歯車の様なもの。 噛み合わずとも、何処かで繋がっているものでございます」
祐子「ふふ……そうですね……ええ、その通りだわ」
イゴール「そしてまた、貴方は運命に導かれて、ここを訪れたようだ……」
祐子「ええ……どうやら、その……交わるべきでない世界が、混ざってしまったようでして」
イゴール「ほう、それは……ははあ、成程……。 ふむ」 チラ
マーガレット「はい。 今、マヨナカテレビにて……"出会った"ようでございます」
イゴール「ふむぅ……そして、貴方は……」
祐子「ええ、」
祐子「連れ戻しに来ました」 ニコッ
イゴール「………」 ニタァ
イゴール「しかし……果たして、どうなりますことやら」 パラパラパラ
マーガレット(カード……これは、彼と、彼のお仲間のカード……)
祐子「……」
イゴール「"彼"は……仲間を傷つけられると……想像以上の力を発揮するようですからなぁ……」
祐子「あら……」
祐子「それは……"彼"も同じですわ……。 仲魔を傷つけられれば、神をも超えた力を発揮する……」
イゴール「……フフフフ」
祐子「うふふふ……」
───
───
りせ「こっちにいる…… でも……」
千枝「どうしたの……?」
りせ「……怖い、の……。 この先にいる奴、すっごく、すっごく大きな存在感があるの……」 ブルッ
りせ「もしかしたら……完二達……」 ジワ…
番長「りせ……」 ポン
りせ「ふあ、センパイ……」
番長「大丈夫だ……。 完二達なら、きっと大丈夫だ」
番長「そして……りせ達は、ここに残っててくれ」
番長「…… 一人で、行って来る」
千枝「っそんな! 無茶だよ! キミ一人なんて……!」
番長「……あいつは今までの敵とは違う……」
番長「これ以上………これ以上、仲間を危険にさらす訳にはいかない」
雪子「でも……」
番長「頼む。 一人で行かせてくれ」
りせ「………センパイ……」
番長「行って来る……」 ザッ
りせ「先輩……!」
番長「……」
りせ「絶対……ゼッタイ、帰ってきてね?」
番長「……」
番長「ああ、約束する」
───
陽介「………」 ピクピク
完二「………」ピクピク
クマ「………」ピクピク
人修羅「………」
ピクシー(やりすぎじゃないかしら……)
ジャリ…
人修羅「…!」 クルッ
番長「…………」
人修羅「………」
番長「………」
陽介「……」 ピクピク
番長「…………」
番長「………」
陽介「……」 ピクピク
番長「………」
完二「……」 ピクピク
番長「………」
クマ「……」 ピクピク
番長「………」
番長「…………」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
番長「ペ」
番長「ル」
番長「ソ」
番長「ナッッ!」
パキィン!
番長「 イ ザ ナ ギ ッ ッ ! ! 」
カッ!!
人修羅「…!」
イザナギ「ッ!」 シュバッ
人修羅「……!」
【死亡遊戯】
カァァァッ!
ブンッ!
ガキィィィィィィン!
イザナギ「……!」 ググ…
人修羅「……」 ググ…
番長(見たこと無い技だ……! 手強い……!)
番長「事故ナギ!! ゴッドハンド!!」 カッ
人修羅「!」
イザナギ「…!」 ドッゴッッ!!
人修羅「…!」
【ジャベリンレイン】
人修羅「んィヤッ!」
ドガァァァッ!
人修羅「……」
番長(ゴッドハンドと相討ちとは……恐れ入る……)
番長「イザナギ……! ジオダイ……」
カハク「アギラオ!」
ゴォッ
イザナギ「ッ!?」
人修羅「!!」
カハク「今よ!」
人修羅「……!」 コク
人修羅「………」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
人修羅「……」 カッ!
【 ゼ ロ ス ・ ビ ー ト 】
ドガガガガガガァァッ!
番長「ぐっ……!?」
ドッ、ゴォォ!
番長「ぐああぁぁあぁっ……」 ガク…
番長「あ……」
番長「ぐ、ぅぅ……ふんっ!」
【食いしばり】
人修羅「……!」
人修羅「……」 ググ…
人修羅「…!」 カッ!
【 鬼 神 楽 】
ドゴォォッ!
番長「ぐっ……!?」
番長「う、ぐ……くっ!」
【食いしばり】
人修羅「……!!」
人修羅「……」 キュゥゥゥ…
カッ!
【 螺旋の蛇 】 【 マグマ・アクシス 】 【 破邪の光弾 】
ドッゴオォォオオォ!
番長「ぐ、おおおぉぉっ!」
【 食いしばり 】
人修羅「っ……」
カハク「何よこいつ……倒れない…… 何で!?」
人修羅「……」
番長「……仲間が……」
人修羅「……」
番長「仲間が……待ってるんだ……!」
番長「こんな所で……終われない……!」
人修羅「………」
番長「…ごほっ……」
番長「ペ」
番長「ル」
番長「ソ」
番長「ナぁぁぁああぁぁッッ!!」
カッ!!
伊邪那岐大神「………」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
人修羅「……」
番長「正真正銘……これが最後だ……」
伊邪那岐大神「………」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
人修羅「……」
番長「………」
カッ!
伊邪那岐大神「…!」 カッ
【 幾 万 の 真 言 】
人修羅「………」 ゴ ゴ ゴ ゴ
人修羅「…ッ!」 カッ!
【 至 高 の 魔 弾 】
───
ズズ……ン!
りせ「ひっ……!? ま、また地震!?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
千枝「でっ、でもさっきの比じゃないよっ! た、立ってられない!」
雪子「はっ……」 ダッ
千枝「雪子!?」
雪子「様子を見て来る!! もしかしたら……」
千枝「!! あ、あたしも行く!」
りせ「わ、私もっ!」
───
タッタッタッタ…
千枝「何よこれ……もう、何もかもメチャクチャじゃん……」
雪子「あ……!」
番長「……」
雪子「い、いたよ……! 気を失ってるみたい……」
千枝「えっ!?」
りせ「せ、先輩……!」 タタッ
りせ「先輩、せんぱぁい……起きてよぉ……!」 ユサユサ
クマ「む……お、女の子たちの声がするクマ……クマは……クマは女の子とちゅーするまでは死ねんクマ……」
クマ「クマーッ!!!」 ガバッ
雪子「あ、クマくん」
クマ「雪ちゃーん! クマは復活したクマー!」
雪子「他の二人は……?」
クマ「あ、ほら、ここに転がってるクマ」
クマ「ほら起きるクマー」 ペシペシ
完二「んぁ……?」
陽介「お、おぉ……?」 ムク…
りせ「先輩……せんぱぁい……」 ポロポロ…
番長「………」
千枝「そんな……やだよ……目ぇ覚ましてよぉ!」 ジワ…
雪子「お願い……起きて……お願い……!」 ウル…
番長「………」
りせ「先輩……お願い、また、先輩といっぱいお話したい……まだ…まだ、聞いて欲しいこと、いっぱいるのに」 ポロ…ポロ…
りせ「私……私、先輩から告白されて……すっごく嬉しかった……だから、やだよ、もっともっと一緒にいたいよ……」
千枝「アタシも、キミに告白されて……メチャクチャうれしくて……。だからお願い……目を覚ましてよぉ……」ポロポロ…
雪子「私も……貴方に告白されて、おかげで自分が特別なんだって思えた……だから、貴方がいてくれなきゃ……」ポロ…
千枝「え?」
ポタッ
番長「………う」
番長「…う、ん……?」
クマ「目が覚めたクマ!」
番長「……う……ん……?」
りせ「良かった……先輩……!」
番長「奈々子……?」
陽介「いねぇよ」
雪子「良かった……目が覚めて……」 ホッ
番長「う……俺は……気を失っていたのか……」
番長「っ!? あいつ……あいつは……?」
りせ「私たちが来たときには、もうこんな状況で……」
番長「……そうか……」
陽介「あーあ……結局、取り逃がしちまったなぁ」
番長「……いいんだ」
陽介「え?」
番長「……また……また皆と会えた……」
番長「それだけで……俺は幸せだよ」
陽介「相棒……」
りせ「先輩……」
クマ「かーっ!サスガ先生!言うことがかっこいいクマー!」
番長「さ、今日のところは、もう帰ろう……」
陽介「だな、今日は色々あって疲れちまったよ」
千枝「あ、ねぇ……ちょっと、聞きたいことが」
番長「今日の千枝……いつにも増して可愛いよ」
千枝「そ、そうかな? ////」
───
───
人修羅「………」
人修羅「ッ……」 ムクッ
祐子「あら、目が覚めた?」
人修羅「……」
祐子「ごめんなさいね。 もうちょっと早く助け出すつもりだったんだけど」
人修羅「………」
祐子「説明が欲しいって顔ね」
祐子「簡単に言うと、セカイに少し歪みが生じてしまったみたいでね……それでキミがあっちに飛ばされてしまったって訳」
人修羅「……」 ハァ
祐子「色々大変だったみたいね」
人修羅「………」
祐子「でも、安心して。 私の方で後始末は何とかするわ」
人修羅「……?」
祐子「後始末、っていうのは、君があちらの世界に行ってしまった、という歪みに対して、適当な理由付けをすること」
人修羅「………」
祐子「そうねぇ、適当な理由……うん。 古来から使われている方法を執ることにするわ」
人修羅「………」
祐子「大丈夫。 世界は元に戻るわ」
───
───
陽介「よーっし! 帰りは愛家で飯食おうぜー!」
完二「いいッスね!」
千枝「わーい 肉にく~!」
りせ「ねぇ~センパぁイ、二人で抜け出してオシャレなレストランでも行かない?」 ギュッ
番長「りせ……」
雪子「そ、それなら私の旅館だって……」 ギュッ
番長「雪子……」
千枝「あ、ずるーい!」 ギュッ
番長「千枝……」
りせ「ねぇー、センパイはぁ、誰が一番好きなの?」 ジッ
番長「……それは………」
番長「直斗かな」
直斗「うぅぅううわああぁぁあああぁっ!!?」 ガバッ
直斗「…………」
直斗「………………」
チュンチュン… チュンチュン…
直斗「……」
直斗「…………夢?」
完!
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