女「……好きです」男「え、それって……」 (21)

女「……告白ですよ」

男「……まさか貴方から告白されるとは、情けない」

女「えっ?」

男「実は、私も貴方の事が好きでした」

女「じゃあ、相思相愛ってこと?」

男「そうなりますね」

女「……フフッ、告白しようか迷っていたのが馬鹿みたい」

男「ハハハ、私もですよ、女さん」

…………

女「男の屋敷、見る事はあったけど入ったことはなかったわね」

男「まぁ、私はあまり人は招きませんからね」

女「あら、どうして?」

男「家のメイドや執事は忙しいですからね、客人は必ずもてなすようにと父に伝えられているようで」

男「これ以上仕事を増やしてやっても大変でしょう?」

女「の割りには皆暇そうだけども……」

メイド「ふぁぁ……」

男「まぁ私が彼らに楽をさせてあげたいだけですよ、ハハハ」

執事「お坊ちゃん、お帰りなさいませ……おや、そちらの方は?」

男「ん、恋人だよ」

執事「こ、こ、こ、恋人ですとぉ?」

執事「ささ、こちらへどうぞ、お荷物をお持ちいたしましょう」

女「あ、どうも……」

執事(遂にお坊ちゃんも恋人を持たれるようになりましたか……)

執事(後で父上に報告をしておきましょう)



女「ありがとう、楽しかったわ」

男「いつでも来ていいんだぞー」

女「またねー」

バタンッ

………………………

男「もうこんなに月日が経っていたか……」

女「私が告白した頃が懐かしいですね」

男「ハッハッハ、懐かしいな、あの頃は」

男「さて、そろそろ時間だ、出掛けるか」

女「いってらっしゃい、あなた」

男「あぁ、行ってくる」

執事「行ってらっしゃいませ、ご主人様」

男「ん、そうか、もう俺がご主人だったか」

執事「立派に成長なされましたね、お坊ちゃま」

執事「天国の父上もきっと喜ばれていることでしょう」

男「……そうだな」

キキィ

執事「お気をつけて……」

魔女(あら?あれはお屋敷のご主人かしら?)

魔女(……なかなかいい人じゃない)




男「ふぅ、疲れた……」

魔女(さーて、それじゃあ)コソコソ……

ガチャッ

女「あなた、お帰りなさい」

男「あぁ、ただいま」

魔女(!?誰よあの女……)

魔女(……あんな女より私の方がいいじゃないの)

魔女(……妬ましい)

魔女(見ていなさい、後悔させてあげるわ)

魔女(苦しみなさい、悲しみなさい、叫びなさい)

魔女(こうすれば男様は私を……)


女「ねぇ、男」

男「どうしたんだい?」

女「なんだか屋敷の様子がおかしくない?」

男「どういうことだ?」

女「夜に、異常な程の数の梟が飛んでいるのよ」

男「フクロウ……そんな数がいてもこの辺りじゃ珍しくもないじゃないか」

女「違うの、屋敷の周りを囲むようにして回っているの」

男「……?」

執事「ご主人様!大変です!屋敷の者達が!」

男「どうした、執事!」

執事「次々と……倒れていくのです!」

男「倒れていく……?」

執事「倉庫の管理人も、料理人も皆次々と倒れていって……」

男「……女、急いで家をでろ!」

女「え?」

男「早く!いいか、家を出たら目を瞑りながら一直線に走れ!」

男「決して目を開けるな!」

女「……で、でも!」

男「これは、魔女の呪いだ」

女「魔女……?」

男「まさか本当にいるとは思わなかったが……」

男「行け!女!」

女「………はい!」ダッ

男「………恐らく、私は殺される」

男「どう足掻こうとも……」

男「魔道書に書いてある事が本当ならば、な」

執事「私は、最後までご主人の隣にいれて幸せでしたぞ」

男「長い間、ご苦労だったな」

執事「本当に、成長しましたな……」バタッ

男「………」バタッ


男「……あれ?生きている……」

魔女「こんばんは、男様」

男「お前は、魔女か……?」

魔女「どう?幽霊になった気分は」

魔女「全てあの女のせいだからね、オホホホ」

魔女「どうやらあの女は呪いにかからなかったみたいね」

魔女「じゃあ、今度また来るからねー」フワフワ

男「おい、まて!」

女「そういう事なんです、調査をお願いします!」

秘書「ふむ、分かりました」

秘書「では当ミノスの調査団をファントムアイランドへ派遣します」

秘書「それで構いませんね?」

女「えぇ、呪いが解ければいいんです」

秘書「そうですか、では今夜から調査を開始します」

秘書「情報が入り次第お伝えしますね」

女「……分かりました」

…………………

調査兵「お待たせしました、これが我々の見つけてきた証拠です」

女「…………」

調査兵「いやはや、魔女が関わってくるとなると大変ですね」

調査兵「あなたはその事をしっておられたのですか?」

女「……いえ」

調査兵「この調子ならば呪いを解く方法はすぐに見つかるでしょう」

調査兵「あなたがドードル様と恋愛関係だという事も初めて聞きましたね」

調査兵「なぜあなたはこの事を隠していたのですか?」

女「……今回の件には関係ないと思いまして」

調査兵「あなたの主人のお屋敷の事でしょう?」

女「…………」

調査兵「しかし、魔女が関わるとなると大変危険な事なので貴方は屋敷に立ち入ることができなくなります」

女「……え?」

調査兵「あなただけが生き残っているのでしょう?」

魔女(……)コソコソ

調査兵「魔女の目的は明らかに皆殺しなのですから」

調査兵「まぁ、議会には報告させていただきます」

女「待って!」

調査兵「どうしました?」

女「……恋愛関係の事は、黙っておいてください」

調査兵「なぜです?」

女「必要なことじゃないでしょう?それに、私はそろそろここを去りますので」

調査兵「なら、黙ってはおきますよ」

女「……ありがとうございます」

調査兵「あと、今は幽霊として留まっているんですよね」

女「幽霊として?」

調査兵「えぇ、呪いが解ければ成仏できますけどねー」

魔女(成仏……?)

女(……あれは?)

魔女「……」チョイチョイ

女(魔女……)

女「すみません、では失礼します」

調査兵「はい、また新しい物を見つけましたらご報告しますから」

女「………」タタタッ


魔女「……こんにちは、女さん」


女「あなたが、魔女?」

魔女「そうよ、私が呪いの張本人よ」

魔女「どうやら、呪いはそろそろ解けるようになるらしいわね」

女「あなたの目論みも、もうお終いよ」

魔女「……今はもう、反省している」

女「へ?」

魔女「あの後、実は後悔している部分もあった……」

魔女「私は、男の愛人であるあなたに嫉妬したの」

魔女「幽霊になれば話せる人は私だけになる……」

魔女「そう思って呪いをかけたの……」

魔女「私は、もうこの屋敷、いえ、ファントムアイランドに近付かないわ」

魔女「そして屋敷の人間達との交信を可能にしてあげる、もちろん屋敷の方同士もね」

魔女「だから、証拠を、隠滅して!」

女「……もしも貴方がファントムアイランドにまたきたら?」

魔女「その時はミノスの議会に証拠を叩きつけていいわよ」

女「……分かったわ」

女「じゃあ、任せておいて」

魔女「あの……」

女「?」

魔女「本当に、ごめんなさい……」

女「……」ダッ

…………

女(あれ以来、新しい証拠は見つからない)

女(ミノスの調査団はまだ調査を続けている)

女(魔女はあの後にファントムアイランドを去って行った)

女(私は、あの後から屋敷には近づいていない)

女(………雪が、綺麗ね)

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