ほむら「まどかは私の嫁」仁美「キマシタワー!」(418)


ワルプルギスの夜「キャハハハハハハハ!」

ほむら「どうして……なんで何度戦っても、アイツに勝てないの!」

まどか「ほむらちゃんが死んじゃう」
まどか「もうやだよ。人が死ぬのはもうたくさん。なんでみんな、戦わなきゃいけないわけ!」

QB「暁美ほむらを助けたいかい? だったら簡単だ。僕と契約して魔法少女になろうよ」

まどか「私が魔法少女……。もう、それしか方法はないわけ?」

QB「奇跡を起こしたいんだろ? それなら僕に願いごとをする他は道はないよ」

まどか「分かった!」

QB(よっしゃあ、これで巨大なエネルギーを回収できるぞ!)

まどか「魔女とかインキュベーターとかシリアスなんて絶対にいらない!」
まどか「この世界をラブラブでとってもハッピーで百合ん百合んなラブコメディーにして!」

QB「契約は成立だ。キミの願いはエントロ……え?」

まどか「さあ、叶えてよインキュベーターっ!」

QB「ええええええええ!」


病室

QB「そうさ、僕は気付くべきだったんだ」
QB「まどかはこの宇宙の法則を知っている。それが人類にとって絶望でしかないことをね」
QB「それなら、その法則を改変する願いをすることを、想定すべきだったんだ」
QB「はぁ、使命とはいえ、僕なぜまどかと契約してしまったのだろう」
QB「その願いを叶える宇宙もどうかしているよ」

ほむら「ここは…?」

QB「おや、暁美ほむらが目覚めたようだ」

ほむら「そうよ、私はまた失敗してしまった」

QB「おはよう、新しい世界の目覚めはどうだい?」

ほむら「今度こそ、今度こそ、必ず!」

QB「予想していたことだけど、概念的な存在となった僕に、暁美ほむらは気付かないようだね」

ほむら「まどかとラブラブでとってもハッピーで百合ん百合んになってみせるわ!」

QB「どうしてこうなった…」


朝 まどかの家の前。

ほむら「さあ、とってもエッチでエッチでエッチな、ほむほむとまどまどのほむまど計画の始まりよ」

QB「大切なことだから三回言ったんだね」

ほむら「前回は、逢って早々まどかのスカートに突っ込んでほむほむしたら、好感度フラグが瞬時で最悪になり、最後まで挽回できなかったのよね」

QB「それは、嫌われて当然じゃないかな」

ほむら「前々回は、まどかのパンツを頭に被って踊っていたら目撃されて、最後まで口をきいてくれなかったわ」

QB「パンツは下半身に穿くものだよ。わけがわかんないよ」

ほむら「その前なんか、ビデオカメラを持ってお風呂を覗いていたのがバレて、退学させられてしまったわ。あれは最悪だった」

QB「逮捕されなかっただけマシじゃないかな」

ほむら「自分の気持ちに正直でいただけなのに、何が悪いというの」

QB「ぜんぶだと思うよ」


ほむら「今度こそ、今度こそ、まどかとラブラブになってみせる!」
ほむら「それが、私とまどかが交わした約束なんだもの!」

QB「百合コメディーの世界に改ざんされた影響で、暁美ほむらの記憶はそのように書き換えられたようだ」
QB「僕のことも覚えてないし、見えもしないし、やれやれ、だよ」

ほむら「ふふふ、今度の計画は完璧よ」
ほむら「私はまどかの部屋に忍び込む」
ほむら「ベッドには、安らかに眠るまどかの姿が!」
ほむら「眠りの姫まどかに、白馬の王子さまとなった私が、そっとキスをする」
ほむら「唇の感触で、うっすらと目覚めるまどか。その瞳には、私の姿が映っている」
ほむら「『ああ、かっこいいお方、あなたが私の王子様ね!』」
ほむら「そう、まどかは私に一目惚れ! 私に歓迎のキスをプレゼントしてくれるのよ!」

QB「また嫌われて、好感度が一気に最悪になるだけだと思うよ」


ほむら「『ほむらちゃん』」チュチュ
ほむら「『まどか』」チュチュンチュウ
ほむら「『ダメだよほむらちゃん、そんなにキスしちゃあ』」チュチュ
ほむら「『だって、まどかがこんなにも可愛のだもの』」チュー
ほむら「『もう、恥ずかしいな』」
ほむら「『ふふふ、まどか、あなたの花びらにくちづけていい?』」
ほむら「『花びらって…え?』」
ほむら「『それはね、まどかのとっても感じやすい…あ・そ・こ♪』」

QB「暁美ほむら。キミはいつまで妄想ゴッコをしているつもりだい?」

ほむら「ふふふ、まどか待っていて。いまからあなたを女にするわ♪」

QB「不法侵入と強制わいせつで逮捕されるのは間近なようだね」

声「まちなさーいっ!」

QB「おや、その声は…?」


ほむら「なにもの!」

マミ「ふふふっ、私は百合ん百合んな女の子の味方!」

QB「マミじゃないか。しかも魔法少女の姿だ。彼女のソウルジェムが輝いている」
QB「暁美ほむらで分かっていたけど、魔法少女たちの能力は、この世界でも変わりないようだ」
QB「問題は、感情エネルギーの収集方法なんだけど…」

マミ「あるときは美少女中学生! あるときは一人カラオケ同好会会長! あるときは縦ロールの会会員ナンバー888番!」
マミ「その正体は、百合ん少女キューティー・マミーっ! おっきいのは胸だけじゃないのよ♪」プルルン

ほむら「………」スタスタスタスタ

マミ「ああ、無視してどっかいかないで!」ガーン!

QB「はぁ、魔法少女じゃなく、百合ん少女。ほんとどうしてこんなったんだろう…まどかを恨むよ」


マミ「ふふふ、あなたに百合んオーラがぷんぷんにおうわ」

ほむら「それ、巴マミのおならのにおいでしょ」

マミ「私はそんなのしないわ」

ほむら「………(この人、なに言ってんの?)」

マミ「なんてったってアイドル~だもの」

ほむら「自分でいって恥ずかしくならない?」

マミ「恥ずかしさも、限度を過ぎれば快感となるのよ」

ほむら「変態ね」

QB「暁美ほむら。キミは人のこと言えないんじゃないかな」


マミ「この家に住む女の子に興味あるんでしょ? お二人の恋が結ばれるよう、協力するわ」

ほむら「いらない」

マミ「百合ん少女にまかせなさい。百合ん百合んなった女の子たちのエネルギーを集めるのが私の仕事なの」

QB「それが絶望以上に、感情エネルギー収集に効率良いだなんて、世の中どうかしてるよ」

ほむら「知ってるわ」

マミ「あら?」

ほむら「私も、百合ん少女だもの」

マミ「なら尚更、協力するわ。恋人がいる百合ん少女のソウルジェムは濁ることを知らないもの」

QB「なんで、女の子と女の子がいちゃいちゃするだけで強力なエネルギーになるのか、僕には理解できないよ」


ほむら「巴マミ。邪魔よ、どっかいって」

マミ「私の名を知っているようね。あなたの名は?」

ほむら「あなたに名乗る名なんてないわ」

マミ「じゃあ、クールキャッツオードリーと呼ばせていただくわ」

ほむら「暁美ほむら」

マミ「よろしくね、クールキャッツオードリー」

ほむら「暁美ほむら!」

マミ「クールキャッツ・ザ・暁美ホムーリーさん」

ほむら「あ け み ほ む ら !」

マミ「私のことは、マミお姉さまと呼んでね」

ほむら「呼ぶわけないでしょ!」


QB「暁美ほむらが、マミに事情を説明してから10分ほど経過した」

マミ「なるほど、そういうわけで、鹿目まどかさんと、ラブラブでとってもエッチでエッチでエッチで百合ん百合んな関係になりたいわけね」

ほむら「なんで私は、巴マミに全てを話してしまったのかしら…」

QB「マミは思いこみが激くて、強引だからね。押されてかなう相手はいないよ」

マミ「私が、止めに入ってよかったわ」
マミ「あなたが計画した、鹿目さんに目覚めのキス大作戦が失敗に終わる可能性は100%よ」

ほむら「なんで!」

マミ「想像ごらんなさい。眠っている暁美さんに、私がファーストキスを奪ったらどうする?」

ほむら「絶望した後に、あなたを殺す」

マミ「鹿目さんも同じ気持ちを味わうわ」

ほむら「なんですってーっ!」


マミ「驚くほうがびっくりよ」

ほむら「だ、だって、私たちは最初から、ほむほむでまどまどではぁはぁでほむまどまどほむ百合百合ぃーんなのよ!」

QB「何を言っているのか分からないよ」

マミ「物には順序が必要なのよ」

ほむら「はじめっからクライマックスでエクスタシーを希望するわ」

マミ「じゃあ暁美さん、わたしとクライマックスでエクスタシーな夜を過ごさない?」

ほむら「嫌よ!」

マミ「最初っからクライマックスを狙ったら、鹿目さんは今のあなたと同じ反応をするわ」

ほむら「うう…ならどうしたらいいわけ…」ガックリ

マミ「まずは、素敵な出逢いから始めるべきね」

ほむら「出逢い?」


マミ「そう、都合のいいことに、暁美さんは今日から見滝原中学校に転校するわ」
マミ「ならば、最高に運命的な出逢い方がひとつあるじゃない」

ほむら「それは…なに?」ゴクリ

マミ「食パンくわえて『ちこく、ちこく~』と走る鹿目まどかさんにぶつかることよ!」

ほむら「なんですってーっ! そんな素晴らしいアイデアがあったなんてっ!」

マミ「ふふ、百合ん少女キューティー・マミーは伊達じゃないでしょ?」

ほむら「凄い、巴マミすごい! あなたが凄いのは胸だけじゃなかったのね!」

マミ「そうよ、私の素晴らしさはおっぱい並よ!」エッヘン

QB「感情のない僕でもこういいたいよ。この二人ってバカじゃないかい?」


まどか「いってきまーす」カチャ

マミ「丁度いいタイミングで、鹿目さんが家から出てきたわ」

ほむら「体当たりをして運命の出逢いを演出するわけね。ドキドキするわ」

QB「思いっきり体当たりしたら、まどかが怪我するから、気をつけたほうがいいよ」

マミ「さあ、暁美さん、鹿目さんにうっかりぶつかっていらっしゃい」

ほむら「いってくる!」

QB「僕の忠告を聞きもせず、暁美ほむらは、まどかの所へといそいそと走っていった」

まどか「えへへ、おニューのリボン似合っているかな?」

ほむら「………」

QB「途中で足を止め、暁美ほむらは呆然とする」


マミ「どうしたの戻ってきて?」

ほむら「食パンくわえてないじゃない!」

マミ「しかも、遅刻する時間ですらないわね」

QB「走ってもいないから、ぶつかりようがないしね。マミのアイデアは穴だらけだ」

ほむら「これじゃあ、私たちは出逢えない! どうすればいいのよ!」

マミ「ふふふ、そうなると分かっていたから、助太刀を呼んでいるわ」

ほむら「助太刀?」

杏子「うぜぇ…」

QB「ここで、佐倉杏子の登場かい」


マミ「佐倉さん、ごきげんよう」

杏子「巴マミ、うぜぇからさっさとくたばれ」

マミ「いつになったら私のことを、お姉さまと呼んでくれるのかしら?」

杏子「一生ねぇよ!」

マミ「ほんとツンデレなんだから、可愛いわ」

杏子「ツンもデレもねぇ! アタシはあんたのことが苦手なだけだ!」

マミ「紹介するわ。こちらは巴杏子さん、私の百合ん百合んなベストパートナー」

杏子「佐倉杏子だし、百合でもベストでもバストでもねぇ、犬猿な仲だ!」

ほむら「お手」

杏子「手を出すな、噛むぞ!」

マミ「バナナいる?」

杏子「くれるのかっ!」

ほむら「あなた猿のほうだったのね」


マミ「さあ、23個のほくろを持つ佐倉さん。鹿目さんを食パンくわえて走る女の子にしてちょうだい」

ほむら「羨ましいわ。わたしはまどかのほくろの数を知らない」

QB「僕は知っているよ。その数と、なぜ知っているかは企業秘密だ」

杏子「嘘だからな。アタシとマミは、そんな関係じゃねぇ」

マミ「この子ね、胸のこの辺りに、3つ並んだ小さなほくろがあるの」

杏子「ちょっ! バラすな!」

ほむら「………」

マミ「ね?」

QB「マミはウィンクする。この世界が合ってるのか、以前の世界のマミよりノリがいいね」

杏子「いや、いやいや、単に一緒に風呂入って、それで見られたってだけだぞ。女同士なんだし、別にヘンじゃねぇ」

QB「逆に杏子の方は、憔悴気味だ」


ほむら「言い訳無用。こっちは佐倉杏子が誰とハメハメ大女王しようが知ったことじゃないわ」

QB「暁美ほむら。ハメハメ大女王というセンスはどうかと思うよ」

マミ「佐倉さんはね、鹿目さんの貞操を狙っているのよ」

ほむら「今すぐに死ねぇーっ!」

杏子「うわぁぁーっ、マミの冗談だ! 本気にすんな!」

マミ「それじゃあ、鹿目さんをよろしく頼むわ」

杏子「やだ」

マミ「よろしく」

杏子「やだ」

マミ「よろしく」

杏子「やーだ」

マミ「よろしく」

杏子「やだっつってんだろ」

マミ「穴という穴をティロ・フィナーレするわよ」ボソッ

杏子「…やらせていただきます」

QB「この二人の上下関係が良く分かったよ」


杏子「それじゃあ、その鹿目まどかって女を拉致してきてくれ」

ピュン!

マミ「連れてきたわ」

まどか「え、あれ? えええ? なんで私、女の子たちに囲まれてるの!」

杏子「速いな、おい!」

ほむら「まどか…まどか…」ジュルリ

QB「暁美ほむら、よだれが垂れてるよ。マミの背中に隠れて、まどかから見えないのが幸いだね」

マミ「はい。暁美さんは隠れる。見られたら、最初の出逢いが台無しよ」ボソッ

ほむら「分かったわ」シュン

杏子「セクハラ親父の顔してたぜ。やばいぜアイツ…」

マミ「私の胸を初めて見たときの、佐倉さんの目つきほどじゃないわよ」

杏子「てめぇの胸で、どんな目をしたこともねぇよ…」


まどか「え、えーと、わたしは…その…」

QB「当然とはいえまどかは怯えている」
QB「杏子はどうするつもりだろう? この世界では、人を惑わす能力を自在に使えるのかな」

杏子「ほーれ、この紐にぶら下がった、5円玉を見ろ」

まどか「は、はい」

杏子「ぶらーん、おまえは眠くなーる、眠くなーる、段々と眠くなーる」

QB「催眠術…」


まどか「くぅ~」

杏子「催眠が効いてきたな。マミ、暗示をかけてくれ」

マミ「鹿目まどかさん、あなたが目覚めたら、コンビニで食パンを買ってきて、一枚を口にくわるの」
マミ「そして、『ちこく、ちこく~』と叫びながら、走って学校に登校しなさい」

杏子「これから10秒、数を逆に数えるからな。0になったら催眠から目覚める」

マミ「そしたら、私たちのことを忘れて、暗示のままに動きなさい」

杏子「10、9、8、7、6、5…」




杏子「4、3、2、1、0」

まどか「…あれ?」パチリ

QB「まどかは目覚めたようだ」

まどか「私、なにをしてたんだろう? なんか、誰かに連れ去られたような」キョロキョロ

QB「マミたちのことは覚えてない。信じられないことに催眠が効いているね」

まどか「まあいいや、食パンを買わなくちゃ…」
まどか「…あ」

QB「なにかに気付いたようだ」

まどか「わたし、お金もってないよ。どうしよう」


ほむら「どうするのよ、お金なければ食パン買えないじゃない!」

マミ「ふふ、わたしに抜かりはないわ。鹿目さんの足元をごらんなさい」

杏子「なにか、光ってるな、あれは?」

まどか「あ、500円玉が落ちてる」

杏子「拾わなかったら、も、もらっていいか!」

マミ「私のことを、お姉さまと呼んでくれるなら」

杏子「真面目にバイトしよう」

マミ「私のことを、お姉さまと呼ぶバイトなんかいいんじゃない。夜に素敵な世界が待ってるわよ」

杏子「スーパーで働くか…」


まどか「え、えーと、誰も見てないよね」キョロキョロ

QB「茂みに隠れるマミたちには気付かないようだ」

まどか「ごめんなさい」

ほむら「申し訳なさそうに五百円玉を拾うまどかは可愛いわ」

マミ「暁美さん」

ほむら「なに、その手は?」

マミ「500円」

ほむら「ツケにして」

変態ほむとか俺とく


コンビニ店員「ありがとうございましたー」

QB「まどかはコンビニで食パンを買った」

まどか「え、えーと、これを、こうして…」ガサゴサ

杏子「よっしゃあ、口にくわえたぞ!」

マミ「さあ、暁美さん、準備はいいっ?」

ほむら「まどかとの出逢い、まどかとの出逢い!」

まどか「ん、んんっ」タッ!

杏子「まどかが走った!」

マミ「今よ!」

まどか「ち、ちこくち…」ボロッ

マミ「あ」

杏子「あ」

ほむら「あ」

QB「残念。パンを落としてしまった」


まどか「ち、ちこくちこ…」ボロッ

QB「二度目もパンを落とした」

まどか「ちこ…」ボロッ

QB「三度目も。催眠による暗示だから、学習能力がなく、何度も繰り返してしまっているね」

マミ「これは想定外ね」

杏子「もったいねぇ。食い物の無駄遣いすんじゃねぇよ」

ほむら「どうするのよ! まどか、パンをくわえて走れてない! わたしぶつかれないわ!」

マミ「佐倉さん。もう一度よろしく」

杏子「えー」


杏子「さあ、眠くなーれ、眠くなーれ、だんだーんと、ねむくなーれ」プラーンプラーン

まどか「くぅ~」

マミ「鹿目まどかさん、あなたの手元に食パンがあるわ」

QB「新しいパンは、マミが買ってきたものだ。これでほむらの借金はさらに増えた」

マミ「それを口にくわえて『ちこく、ちこく~』と心の中で叫びながら、走って学校に登校しなさい」

杏子「0になったら目覚めろー。10、9、8、7、6…」


マミ「さあ、仕切り直しよ」
マミ「心の中で叫ぶだから、きっと大丈夫。暁美さんスタンバイしていて」

ほむら「まどかとぶつかる。運命の出逢い。まどかとぶつかる。運命の出逢い!」

杏子「よし、まどかの奴、パンを口にくわえたぞ」

ほむら「走った!」

まどか(ちこくちこく~っ!)

QB「まどかは食パンをくわえて走っている。落ちる心配もなさそうだ」

マミ「さあ、暁美さん、いってらっしゃい! あさ目覚めれば、裸の鹿目さんが隣にいる未来が待ってるわ!」

ほむら「まどか、待ってて! いまぶつかってくるわ!」


さやか「おーい、まどかー、おはよっ!」

まどか「あ、さやかちゃん、おはよう」

さやか「って、あんた、なんで食パンくわえて走っていたわけ?」

まどか「え? あれ? えっと、なんでだろう、えへへへへ」

マミ「………」

杏子「………」

ほむら「………」

QB「………」


ほむら「美樹さやか、空気ぐらい読みなさい!」

マミ「あなたねぇ! せっかくの計画がパァじゃないの! あなたに付いてる穴という穴をティロ・フィナーレするわよ!」

杏子「アタシの催眠を台無しにすんじゃねぇ! ぶっ殺す!」

さやか「へ? へ? へええっ?」


まどか「あれ? さやかちゃん? さっきまでここにいたよね? どこにいったの?」

QB「さやかは、秒速で、マミたちに連れ去られたよ」

まどか「おかしいなぁ。わたし、さやかちゃんの幻と話してたの?」

QB「やっぱり、願いの主であるまどかにも僕が見えないようだね」
QB「やれやれ、僕は一体、どうすればいいんやら」


杏子「眠くなーれ、眠くなーれ」プラーンプラーン

まどか「くぅ~」

マミ「鹿目さん、あなたは食パンをくわえて『遅刻、遅刻~』と(以下略)

ほむら「まどかまどかまどまどか、はやくあなたと身も心も一つになりたい」

さやか「ふ、ふごかご」モガーモガー

QB「邪魔者美樹さやかは、マミによって、リボンで口を塞がれ、全身をぐるぐる巻かれて身動きが取れなくなっている」


まどか(ちこくちこく~っ)タッタッタ

マミ「暁美さん、三度目の正直よ!」

杏子「よっしゃあ、いくところまでいっちまえ!」

ほむら「レッツ運命の出逢い!」

さやか(逃げなくちゃ、超絶可愛いさやかちゃんは、この頭のおかしな連中にお嫁にいけない体にされてしまう!)

QB「三人は、まどかに集中してるから今がチャンスだね」

さやか(よし、なんとか動けるぞ、ふんぬ、ふんぬー!)ズリズリ

QB「さやかは、毛虫のように這いつくばって行ってしまった」


まどか(ちこくちこく~)タッタッタ!

ほむら「まどかが近づいてくるわ、もう少し!」

QB「二人の距離は二百メートル」

まどか(ちこくちこく~)タッタッタ!

QB「百メートル」

ほむら「まどか、やっと逢えたわ。さあ、わたしの胸に飛び込んできて!」

QB「五十メートル!」

まどか(ちこくちこく~)タッタッタ!

QB「五メートル!」

ほむら「まどかーっ!」ピョーン

QB「一メートル切った所で、ほむらはまどかにダイビングジャンプ!」

ヒョイ!

ほむら「え?」

QB「そして、ほむらは地面にキスをした」

ほむほむによる濃厚まどっちレイプまだー?


杏子「よけただとっ!」

マミ「あら、鹿目さんってけっこう身体能力あるのね」

仁美「キマシタワー!」

杏子「え?」

マミ「だれ?」



QB「そのころ、毛虫さやかは…」

犬「ぺろぺろ(^ω^)」

さやか「わひゃあ、舐めるなぁ~っ! わたしはうまくな~いっ!」

QB「通りすがりの犬に顔をくまなく舐められていた」


仁美「突然現れて申し訳ありません。百合と聞いては、黙ってはいられませんでした」

マミ「なるほど、私たちの百合ん子スィーテーズに入りたいわけね」

杏子「ヘンなネーミング付けるな」

仁美「はい。まどかさんと転校生さんをくっつけるなんてステキすぎてトロピカルー! 是非とも、仲間入りさせてください!」

マミ「ふふ、それには条件があるわ」

仁美「なんでも、お申し付けください!」

マミ「わたしのことをお姉さまと呼んでちょうだい」

仁美「はい、お姉さま!」

マミ「ふふ、志筑さん、素直でかわいいわ」

仁美「いいえ、お姉さまのお美しさには敵いませんわ」

杏子「ヘンなのが増えた…」

マミ「あら、佐倉さんまだいたの? 用済みだから帰っていいわよ」

杏子「てめぇ、そんなにアタシにお姉さまって言ってもらいたいのかよ」

仁美「ああ、お姉さまと佐倉さんの百合んもステキダワーっ!」


杏子「ねむくなれー、ねむくなーれ、もうどうにでもなーれ」プラーンプラーン

まどか「くぅ~」

マミ「さあ鹿目さん、あなたは食パン(以下略)

ほむら「今度こそ、必ず!」

仁美「ドキドキシマスワー!」

QB「きみたちの懲りない性格は、まったくわけがわからないよ」


まどか(ちこくちこく~っ!)タッタッタ!

QB「まどかは再び食パンをくわえて走った。今度のパンは、仁美がパン屋で買ったちょっと高いものだ」

マミ「暁美さん、四度目のチャレンジ。これが最後のチャンスよ!」

杏子「ほむらがんばれ、ほむらがんばれ(食パン食いながら)」ムシャムシャ

仁美「百合に向けての猛タックル、恋の始まりですわーっ!」

ほむら「がんばるわ!」


まどか(ちこくちこく~っ!)タッタッタ!

ほむら「よし、まどかが近づいてくる。今度はさりげなく、自然な形で…」

QB「二人の距離が接近する」

まどか「え、あ、危ない!」

ほむら(カマーン、こっちは大歓迎よ!)

QB「まどかはブレーキを掛ける、でも間に合わない」

ドン!

QB「二人はぶつかる…」

さやか「うげぇ!」

QB「…前に、這って進んでいたさやかに躓いて、まどかは転んでしまった」


まどか「え? さやかちゃんっ! なんでリボンで縛られてるの? だっ、大丈夫っ?」

ほむら「ふん!」カチッ

まどか「…ってあれ?」
まどか「今、さやかちゃんいたよね? 突然消えちゃった」

QB「さやかは、ほむらが時間停止して連れて行ったよ」



ほむら「美樹さやか。いい加減、空気読みなさいよっ!」

マミ「あーなーたーねぇーっ! 超強力媚薬入り紅茶飲ましてから、丸裸にしてスラム街に放置するわよ!」

杏子「てめぇ、一度ならずとも二度までも、三度殺したろか!」

仁美「さやかさんはなんですか、百合の敵ですかっ! 敵なんですかっ! 信じられません!」

さやか「な、ななな、なんでわたし集中砲火うけてるわけ!」

QB「必死に逃げてただけなのに、さやかにとって災難だね」


マミ「暁美さん、五度目のチャレンジ! 食パンくわえて走る鹿目さんにぶつかって恋の始まりだ大作戦はまだまだ続くわ!」

杏子「この際ヤケだ、百回でもやってやるぜ!」

ほむら「まどかのために、がんばるほむほむ」

仁美「ここで皆様に残念なお知らせがあります」

マミ「なにかしら?」

仁美「まどかさんが学校に入ってしまいました…」

マミ「あら…」

杏子「ゲームオーバーじゃん」


さやか「あの~、わたしも学校に行ってもいい…よね?」

杏子「それもこれもてめぇのせいだ! お尻ペンペンしたろか!」

さやか「うわぁーっ、わたしがなにをしたんだよっ!」

杏子「ペンペンペンペンっ!」タンタン!

さやか「いったぁっ! 本当に叩くなっ! いたっ! いたっ! 痛いってばっ!」

仁美「お尻ペンペンキマシタワーっ!」

QB「はぁ、魔法少女のいた世界に戻りたいよ…」


学校 教室の中

さやか「イテテテ、わたしは酷い目に遭ったよ。今日の運勢は大凶だね…」ヒリヒリ

まどか「さやかちゃん、お尻打ったの?」

仁美「愛のペンペンをされていたのですわ。私には師弟関係の始まりの響きを感じました。ペンペンの音にしびれましたわーっ!」

まどか「え?」

さやか「あー、仁美は無視したほうがいいよ。疲れるから。というか、あんたのキャラどっかおかしい」

QB「僕に言わせれば、全員がおかしいよ」

まどか「あのね、わたし、通学中にさやかちゃんのこと見たはずなんだ。なのに、突然消えちゃって…」

さやか「それについてはコメントさせないでください。お願いします」


仁美「まどかさん、本日、転校生がやってきます」

まどか「え? あ、そうなんだ」

仁美「それはもう、肌が白くて、さらっとしたロングヘアの、人形のように可愛らしい女の子ですの」

まどか「仁美ちゃんがそこまで言うなんて、よっぽどの子なんだね」

仁美「まどかさん!」

QB「仁美は、まどかの手を取った。その瞳は、キラキラと輝いている」

まどか「は、はい」

仁美「そんなお方に慕われるなんて、あなたは幸せなお方ですわ!」

まどか「へ? へえっ?」

仁美「まどかさんとほむらさんカップルはビジュアル的に最高ですわ。私の目の前で、存分に、イチャイチャするとよろしいですわ!」

まどか「な、なに…?」

さやか「おーい、仁美、帰ってこーい」


HR

早乙女「というわけで、喜べ野郎ども。今日はとびっきりに可愛い転校生を紹介するわよ」

ほむら「暁美ほむらです」ドキドキ

さやか(げっ、あいつは、仁美といた怪しい連中の一人…)

まどか(ほんとだ、仁美ちゃんが言った通り、すっごい可愛い女の子…)ドキドキ

仁美(ほむらさん、ガンバ、ガンバですわ! あなたにお百合の女神さまが見守っていますわ!)

早乙女「パチパチパチ~、じゃあ自己紹介いってみよう」

ほむら「まどかは私の嫁」

仁美「キマシタワーッ!」


休み時間

女子1「暁美さん、鹿目さんへのアレって…」

ほむら「本気よ」

仁美「本気発言でましたわーっ!」

まどか「え、えと…」

女子2「暁美さんは女の子が好きなの?」

ほむら「女の子が好きとかじゃないわ。まどかが好きなのよ」

仁美「大勢の前でも物怖じしない大胆発言しびれますわーっ!」

まどか「わたしは、どうすれば…」


女子3「まどかはともかく、暁美さんって美人じゃない。レズっ気ありなら、女の子からの誘惑多そうだよね」

まどか「わたしはともかくって…そりゃ、わたしはこんな、だけど…」

女子4「ねぇ、まどかちゃんじゃなくて、私にしてみない? 女の魅力たっぷりよ」

ほむら「ごめんなさい。あなたがどんな魅力的でも、私はまどかしか興味ないの」

仁美「一途なほむらさんは素敵ですわーっ!」

女子5「暁美さんって、すっごい綺麗だよね、美容になにかやってることってある?」

ほむら「女は恋をすれば美しくなれるわ」

仁美「美しき百合世界ーっ!」

女子6「その相手はやっぱり鹿目さん?」

ほむら「ええ、わたしはまどかを愛してる」

仁美「キャーキャーっ!」

さやか「仁美、テンション高すぎ…」

まどか「ねぇ、わたし…その…なにがなんだか…」


廊下 こっそり見守るマミと杏子

マミ「ふふふっ、暁美さんの大胆行動。上手くいってるみたいね」

QB「まどかが状況について行けなくて困ってるよ」

杏子「仁美ってやつ大丈夫か? 興奮のあまり痙攣してるぜ…」

マミ「志筑さんは百合ん少女の素質、大いにありね」

QB「僕と契約して百合ん少女になろうよ。…なんてね」
QB「でも、彼女は魔法少女じゃないのに、似たような魔力を感じる。あれは一体?」


教室

女子7「それで、まどかちゃんのどこを好きになったの?」

ほむら「ぜんぶよ」

仁美「はぁはぁ、どうにかなりそうですわーっ!」プルプル

ガタっ!

さやか「ちょっといい加減にしてよ! まどかが困ってるじゃない!」

まどか「え、あ、さやかちゃん…?」

さやか「ねぇ、あなたたち、まどかの気持ち考えたりしないわけ! なに本人無視で勝手に盛り上がってるのよ! 信じらんない!」

仁美「さやかさん…」

さやか「大体ね、まどかといつ出会ったの? まさか前世で愛し合っていたとか、電波な妄想しているとか?」

ほむら「…それは」

さやか「転校生。なんなのあんた? 女の子が女の子を好きになるなんて、気持ち悪い!」

ほむら「…う」


マミ「あーなーたーねーっ! なんで、二度ならず三度までも空気読めないことを平然とするわけ!」

杏子「てめぇっ! なにもかも台無しにすんじゃねぇよ! ケツの穴にプリッツ1ダースぶっ刺してやるっ!」

仁美「百合シャワーを浴びれて幸せだったのに、さやかさん最低ですわ!」

女子たち「そうよ、そうよ!」

さやか「ええっ? 私、正論言ったよね! なんで責められるわけ!」


仁美「さやかさん。正論は時と場合によっては暴言となるのです!」ビシッ

さやか「いや、その、わたしはまどかが困ってるから…」

まどか「えっと、さやかちゃんドンマイ…」

さやか「いや、ドンマイじゃなくて、まどかは被害者なんだよ。なにか言ってやってよ」

まどか「え、ええ、えーとー?」

さやか「ほらっ、まどかが言わなきゃなんもないないよ!」

まどか「よ、よろしくおねがいします」ペコリ

さやか「されていいわけっ!」


ほむら「ああっ」クラッ!

仁美「ほむらさん、大丈夫ですかっ?」

ほむら「ごめんなさい、ちょっと気分が…」

マミ「美樹さんの罵声に、ショックを受けてしまったのね」

杏子「いじめゆるさねー(棒読み)」

さやか「そんな神経細い奴に見えないんだけど…」

仁美「さやかさん、女の子は繊細なのですよ。あなたとは違うんです」フフン

さやか「わたしだって女の子!」

マミ「保健室にいったほうがいいわね」

杏子「そーだなー、行くべきだなー(棒読み)」

仁美「保健委員のまどかさん、連れて行ってくれますか?」

まどか「う、うん」

さやか「わざとらしいのは気のせい?」

QB「計画通りだからね、気のせいじゃないよ」


まどか「それじゃあ、暁美…さん」

ほむら「ほむらでいいわ」

まどか「ほむらちゃん?」

仁美「ああ、初々しさがたまりませんわー」

まどか「それじゃあ、その、保健室に…」

マミ「ふふ、ごゆっくりー」


仁美「お姉さま、うまくいったんですか?」ヒソヒソ

マミ「ええ、保健室の先生は体育倉庫に閉じこめたわ。しばらくは暁美さんと鹿目さんのふたりきり」ヒソヒソ

杏子「保険の先生すまねぇ、ほんとすまねぇ…」

仁美「誰もいない保健室には、お二人の営みを誘うかのように、ベッドが置いてありますわ」
仁美「軋むベッドの上。清潔な白いシーツを、肌を重ね合うふたりの愛の液が濡らしていくのですね」
仁美「ああっ、百合ってなんて素晴らしいのかしら!」ツー!

さやか「仁美、鼻血でてるよ…」

マミ「はい、志筑さんティッシュをどうぞ」

仁美「マミお姉さま、ありがとうございます」

マミ「ふふ、可愛い妹が出来て嬉しいわ。誰かさんとは大違い」

杏子「………」ムカッ


さやか「貞操的にまどかの心配になってきたから、ふたりを追いかけよう」

杏子「あんたはこっち」グイッ

さやか「え? な、なにっ! 腕を掴んでどこに連れて行く気っ!」

杏子「言っただろ、ケツの穴にプリッツ1ダースぶっ刺しの刑だ」

さやか「…は?」

杏子「だから、空気読めないさやかのケツに、プリッツ1ダースぶっさして、なんまいだぶと念仏となえるんだよ」

さやか「冗談でしょ!」

杏子「あたしはな、マミと冗談だけが嫌いなんだ」

マミ「佐倉さん、私に新しい妹ができて、そんなにもヤキモチを焼やいているのね。お姉さまはうれしいわ~、らららら~♪」

杏子「ころしてぇ…」


さやか「ちょっとまって! そんなのおかしいよ!」

QB「すべてがおかしくて、なにがおかしいか分からなくなってきたよ」

仁美「おかしいけど、可笑しい、すてきな世界ですわ」

QB「あれ?」

仁美「ふふふっ」

QB「気のせい…だよね」

さやか「あんたにお尻をペンペンされたばかりで、ヒリヒリしてるんだよ、だから、そういうのやめにしないっ?」

杏子「うるせぇ、ケツが痛いなら、穴を使ってやるのがアタシ流の優しさだ」

さやか「どんな優しさだよ!」

仁美「杏子さん、待ってください!」

さやか「仁美、たすけてーっ! わたし大切なものを失おうとしているよ!」

仁美「はぁはぁ、わたしも、ご一緒してよろしいですか!」

さやか「あんた、何を見たいわけよ!」


杏子「おらっ、観念しろっ! トイレでぶっさしたるぜ」

仁美「わくわくしますわー」

さやか「あっ! あそこにマミさんの巨乳が飛んでる!」

杏子「なにぃぃぃぃーーーっ!」

さやか「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」ダッダッダッダッ!

杏子「ちっ、逃げやがった」

仁美「廊下を走るなんて、さやかさんはしたないですわ」


杏子「ったく、冗談だっつーの。ケツにぶっさすなんて、やるこっちがゴメンだわ」

仁美「そ…そんな…」オヨヨ

杏子「マジで見たかったのかよ!」

マミ「わたしの胸が飛ぶって…そんな嘘、よく騙されたわね」

杏子「いやマミの胸って、ミサイルのように飛びそうじゃん」

マミ「さてと、わたしが佐倉さんにプリッツ1ダースの刑をしましょう」

杏子「冗談だよな」

マミ「本気よ」

杏子「おゆるしください、マミお姉さま」

マミ「よろしい」

仁美「マミお姉さまと杏子さんの関係も素晴らしいですわー」ウットリ


保健室

まどか「すみませーん」ガラガラ
まどか「あれ? 保健室、誰もいないや」

ほむら「まどかと二人きり…」ドキドキ

まどか「え、えーと、ベッド空いてるし、ほむらちゃん休んでくよね?」

ほむら「まどかとふたりで」

まどか「ええと、わたしは、その、元気だから」
まどか「ほむらちゃんは具合悪いんでしょ? だから眠ったほうがいいよ。わたし時々様子を見に来るから」

ほむら「まどかがキスをしてくれたら、すぐに元気になるわ」

まどか「ええと、その、キスは、ちょっと…」


ほむら「ほっぺじゃだめ?」

まどか「は、はずかしいかなぁ…」

ほむら「じゃあ、パンツに隠れた花びらに」

まどか「できるわけないよ!」

ほむら「まどかは恥ずかしがり屋さんね」

まどか「そういう問題じゃないと思うんだ」

ほむら「マミや仁美がアドバイスしてくれたの」
ほむら「大胆に、正直になりなさいと」
ほむら「だから私は、自分の気持ちを我慢しないことに決めた」
ほむら「それが自己紹介のときの、まどかは私の嫁宣言よ」


まどか「あ、あのね、ほむらちゃん」

ほむら「なにかしら、まどか?」

まどか「わたしのこと、好きとか、それ、本気で言ってるの?」

ほむら「冗談だと思って?」

ほむら「え、えーと…」

ほむら「直接、言ってなかったわね」
ほむら「まどか、好きよ。誰よりもあなたが好き。私の嫁にしてみせる」


まどか「でも、女の子同士だし、結婚できないし、やっぱりヘンだよ」

ほむら「愛に性別は関係ないわ」

まどか「出会ったばかりだし…」

ほむら「愛に時間も必要ない」
ほむら「それに私は、まどかへの想いをたっぷりと時間をかけて募らせてきたのだもの」

まどか「え? それってどういう…」

ほむら「ごめんなさい、我慢できないの」ガバッ!

QB「ほむらはまどかの手を取り、ベッドへと押し倒した」

まどか「え、え、ええ?」

QB「まどかは力が入らず、されるままだ」

俺とくスレ


まどか「えーと、ほむらちゃん…?」

ほむら「なにかしら、わたしの愛しい暁美まどか」

まどか「鹿目だし、愛しいはちょっとなぁと思うけど…あのね、わたし寝たくないんだけど?」

ほむら「寝かすつもりはないわ」

まどか「え? どういうこと?」

ほむら「こういうこと」スッ

まどか「なんで、顔、近づけてくるの?」

ほむら「近付かなきゃ、キスができないじゃない」

まどか「キスっ? はぅ、はわ、はわわわ」

ほむら「ふふっ、まどかって押しに弱いのね」

生きててよかった…


まどか「弱いといいますか、こんなことされて、どうすればいいのか分かんないよ…」

ほむら「好きよ」

まどか「はうっ」

ほむら「ふっ」

QB「ほむらは、耳に息を吹きかける」

まどか「ひゃあ!」

ほむら「ふふ、可愛いわ」」

QB「敏感なようだね」

まどか「やめて…」

ほむら「ぱっくり」

QB「耳たぶを軽く噛んだ」

まどか「だ、だからー」

QB「まどかの顔は真っ赤っかだ」

このままいくとこまでいってほしいでごわす


ほむら「おっぱいぷにぷに」

まどか「ほむらちゃ~ん」

ほむら「ブラジャーに邪魔されたわ」

まどか「ブラジャーさん、守ってくれてありがとう」

ほむら「脱がすわね」

まどか「へ、へぇ?」

ほむら「まどかを生まれたままの姿にするわ」

QB「ほむらは、まどかの制服に手をかける」

ガララっ!

保険の先生「はぁ、酷い目にあった…」

まどか「あ」

ほむら「あ」

俺「あ」

僕「あ」


保険の先生「ん?」

まどか&ほむら「………」

保険の先生「おやおや、授業をほったらかして、君たちはなにをしているのかな?」

ほむら「早乙女先生の命令で、特別授業を受けていました」

保険の先生「ふーん、なんの授業?」

ほむら「早乙女先生が教える 本当に気持ちのいいセックス レズ編」

保険の先生「さーて、それが事実かどうか早乙女先生を呼び出して聞いてみましょう」

ほむら「みんなにはナイショの授業ですので、早乙女先生は知らないってしらを切るはずです」

ピッ

保険の先生「もしもーし、早乙女先生ですか? あなたの生徒ふたりが、保健室で乳繰り合ってるんですけどー?」

ほむら「…あ」

俺「…あ」

僕「…あ」


昼休み 屋上

ほむら「こっぴどく、怒られてしまったわ」

まどか「わたし被害者なのに、宿題たくさん出された、グスン…」

さやか「いやぁ、体育倉庫に逃げ込んだら保健の先生が監禁されているもん。びっくりだよ」
さやか「さやかちゃんは見事、救出し、見滝原中学の英雄となったのです。えっへん」

ほむら「もう少しだったのに…」

まどか「さやかちゃんのおかげで助かった」

さやか「しっかし、誰が先生を体育倉庫に閉じこめたんだよ。酷いことすんなあ」
さやか「正義の味方、美樹さやかちゃんがとっちめてやるんだから!」

マミ&杏子「………」←犯人


屋上 まどかたちからちょっと離れたところ

仁美「今回ばかりは私たちが悪いですから、さやかさんに文句は言えませんわ」

マミ「百合のためとはいえ、無関係の人を巻き込んではいけなかったわね」

杏子「アタシ、無関係なんだけど?」

仁美「マミお姉さまの恋人なのですから、関係者ですわ」

杏子「ねぇよ!」

仁美「お二人の馴れ初めを聞いてみたいですわ」

杏子「どんな関係でもねぇっ!」

マミ「ふふ、聞きたい?」

仁美「是非!」

マミ「長い話になるし、じゃあ今夜わたしの家に泊まりにくる?」

仁美「喜んで!」

マミ「歓迎するわ」

まどレイプはよ


仁美「マミお姉さまの家でお泊まりだなんて、感激ですわー」

マミ「いっぱいお喋りしましょうね」

仁美「百合んなこともいっぱいしたいですわー」

マミ「仁美さん♪」

仁美「マミお姉さま♪」

QB「手と手を取り合って見つめ合うふたり」

杏子「………」

QB「それを、杏子は複雑そうに見つめている」

マミ「ふふ」

仁美「ふふふ」

杏子「な、なんだよ?」

マミ「なんでも」

仁美「なんでもありませんわ」

杏子「そうか…」


マミ「ふふふふ」

仁美「ふふふふふふ」

杏子「意味ありげに笑いあうのやめてくれ…」

マミ「あら、ごめんなさい」

仁美「ごめんなさい」

杏子「別に…あやまらなくても…」

仁美「杏子さん。マミお姉さまはわたくしがいただきますわ」

杏子「キサっ」

マミ「キサ?」

杏子「…か、勝手にす、すればいいねぇー…か」

マミ「ふふふ」

仁美「ふふふふふ」

杏子「だぁぁぁぁぁっ! ふたりして『ヤキモチやいてる、佐倉さんったら可愛い』って顔をするんじゃねぇーーーっ!」

あんあん


マミ「ふふっ、佐倉さんったら、アタシの愛するマミお姉さまが取られるんじゃないかと、心配なのね」

仁美「素晴らしきヤキモチですわーっ!」

杏子「ああっ! 否定すればするほど、ヤキモチと思われるじゃねぇか!」

マミ「そんなに心配なら、佐倉さんも泊まりにくればいいのに」

杏子「いかねぇよ!」

仁美「マミお姉さまとの二人きりの夜が楽しみですわー」

杏子「いくよ! いけばいいんだろ!」

QB「杏子はいいように扱われているね」


杏子「はぁ、ただでさえ、マミといると頭痛くなるのに、このワカメ女が来てからさらに酷いわ」

仁美「私のことは、仁美たんと呼んで下さい」

杏子「呼ばねぇよ!」

仁美「佐倉さんとは、仁美たん、杏子たんと呼び合う仲をなりたいです」

杏子「どんな仲だよ!」

マミ「佐倉さんったら、志筑さんの本気を本気にしないの」

杏子「普通、冗談っていうだろ…」


マミ「佐倉さん、からあげをあげるわ、あーん」

杏子「エサで釣ろうとすんな」

マミ「いらないの?」

杏子「いるけど…」

マミ「じゃあ、口移しであーん♪」

杏子「やっぱいらん」

仁美「口移しであーん、口移しであーん、はぁはぁ…」

杏子「しねぇから、ビデオカメラをこっち向けるな!」

QB「そんなもの、どっから持ってきたんだい?」


屋上のまどかたち

ほむら「マミたちが、うるさいわ」

まどか「目つき悪い子…杏子ちゃんだっけ? うち学校の生徒じゃないよね」

さやか「私は、あの二人と連むようになってからの仁美が恐ろしいよ…」

ほむら「まったく、私の恋の協力するといって、自分たちがイチャイチャしてるじゃないの。百合んエネルギーをもらっときたいぐらいだわ」

さやか「あのふたりってやっばアレだよね、おホモだち?」

ほむら「それは男同士のことよ」

さやか「女同士なら?」

ほむら「百合でしょ」

さやか「百合ねぇ。ノンケの私にはわっかりませーん」

QB「さやかはなぜ、ノンケなんて言葉を知ってるんだい?」


ほむら「マミと杏子は百合ん少女だから、ストレートじゃないのは確かね」

まどか「百合ん少女って?」

ほむら「百合ップルがイチャイチャすることで発する百合んエネルギーを集めている魔法少女のことよ」

QB「目的も役割も変わってはいるけど、一応、魔法少女ではあるようだね」

まどか「百合ップルって?」

ほむら「女の子と女の子が恋人になること」

まどか「あー、やっぱし」

ほむら「まどか。私ととってもエッチで百合ん百合んな仲になって、たくさんエネルギーを生産しましょう!」

まどか「そ、それは…」

まどか(はぁ…困ったな…私、どうすればいいんだろう)

ほむら「私の嫁になればいいだけよ」

まどか「あ、いや、それはその、あはは…」

さやか「まどか、はっきり嫌っていえばいいじゃん?」


まどか「え?」

さやか「言わないから、転校生とあの三人がつけあがるんだよ」

ほむら「………」

さやか「転校してきた女の子に『まどかは私の嫁』なんて言われるなんて、普通どん引きものでしょ」

まどか「それは…普通じゃないとは…思うけど」

ほむら「まどか…」

まどか「は、はい!」

ほむら「嫌だった?」

まどか「え、えーと、それは…その…」

さやか「まどかは優しいから、言いづらいんだよ」
さやか「私がまどかの代わりにはっきりと言ってあげる」

まどか「さやかちゃん…」

スッ

QB「と、さやかは立ち上がった」

さやか「まどかはね、転校生のことを!」


マミ(美樹さん)ゴゴゴ

杏子(空気読まないことを言ったらどうなるか)ゴゴゴゴ

仁美(分かっているでしょうね?)ゴゴゴゴゴゴゴ

さやか「ひぃっ!」

QB「三人の殺意あるオーラを、さやかは感じ取ったようだね」

ほむら「なによ?」

さやか「ま、まずは友達からはじめましょう!」

QB「そして、ヘタレてしまった」


お風呂に入ってきます


病室

さやか「んー、もう、最悪!」

恭介「機嫌悪いねさやか、なにがあったんだい?」

さやか「転校生してきた女が『まどかは私の嫁』発言したり、仁美が大の百合好きだったり、ヤクザみたいな二人から同性愛に目ざめそうなおしおきされちゃったり、今日は散々だったよ!」

恭介「そんなことがあったんだ」

さやか「さやかちゃんはほとほと困りましたよ」

恭介「はは、大変だったね。早く退院して、学校に通いたくなってきたよ」

さやか「まだ入院していていいんじゃない? 学校は百合百合オーラで大変になりつつあるよ」

恭介「いや…だから…」

さやか「ウザイよねぇ。女の子同士でイチャイチャすることの、どこがいいんだか」

恭介「………」

さやか「あー、やだやだ。百合なんて気持ち悪いだけだよ。早くこのブームが去ってくれないかな」

恭介「…さやか」プルプル


さやか「恭介、どうしたの?」

恭介「さやかは僕のこと嫌いなんだね」

さやか「え?」

恭介「百合は最高。百合は美しい。百合は正義。百合こそが究極の愛なんだ!」

さやか「はい?」

恭介「百合をバカにする奴なんて、僕の敵だ! でていってくれ!」

さやか「えええーっ!」


病院の外

さやか「恭介に嫌われた、恭介に嫌われた、恭介に嫌われた」ズーン

QB「随分と沈み込んでいるね。ソウルジェムがあったら真っ黒だよ」

さやか「わーん、恭介に嫌われちゃ、わたしは生きていけないよーっ!」

仁美「さやかさん、言ってはいけないことを言ってしまいましたね」

さやか「仁美、なんでここに?」

QB「神出鬼没だね。まるで僕みたいだ」

仁美「私がどこにいるかは関係ありません。問題なのは、さやかさんは上条くんの趣味を知らなかったことです」

さやか「趣味ってバイオリンじゃ?」

仁美「さやかさんが、CD集めのほかに、お馬鹿なのを趣味にしているように他にもあるのです」

さやか「お馬鹿なのは趣味じゃないよ! 生まれつきだよ! できるなら治したいよ!」


仁美「幼なじみなのに、さやかさんは上条くんのもう一つの顔を知らなかったのですね」

さやか「もう一つの顔って、恭介になにかあるの?」

仁美「私は以前に、目撃したことがあります」
仁美「それは上条くんが怪我をする前。朝、学校へ登校していたときのことです」

さやか『くぅ~、まどかはかわいいなー、さやかちゃんの嫁にするのだ』

まどか『あーん、さやかちゃんやめて~♪』

仁美「そうやって、さやかさんがまどかさんとイチャイチャしている姿を後ろからご覧になった上条くんは……」

恭介『いいなぁ』

仁美「と、うっとりした顔で、つぶやかれたのです」

さやか「それって…?」

仁美「そう、上条恭介くんは、百合男子だったのです!」

さやか「なんだってーっ!」


さやか「って、百合男子ってなに?」

仁美「女の子同士でラブラブになっている光景を眺めて、いわゆる萌えを感じる殿方のことですわ」

さやか「マジデスカ」

仁美「好きすぎるあまり、百合百合団のメンバーになっているぐらいですわ」

さやか「百合百合団?」

仁美「百合んな女の子の恋を応援し、あたたかい目で見守り、妨害するものたちから保護する組織のことですわ」

QB「僕のときはなかったから、世界が改変されて出来上がったんだろうね」


さやか「恭介が、そんなあやしい組織に入るほど、百合好きだったなんて……」ガックリ

仁美「さやかさんだって、自室で勉強されているとき、机に引き出しに隠しているボーイズラブ本をこっそり読んで『ふひひひひひ』と鼻息荒くしているではないですか」

さやか「わーっ! わーっ! なんでそれ知ってるの!」

仁美「ふふっ、さやかさんの家に遊びにいったときに、それらの本の隠し場所を発見いしたましたわ」

さやか「プライバシーの侵害だ!」

仁美「ちなみにまどかさんは、ご熱心に読まれていました」

さやか「私は知らずして、まどかにヘンな属性を目覚めさせていたんだね……」

仁美「一緒にコミケにいかれて、ボーイズラブでガールズラブされたらどうでしょうか?」

さやか「いきません!」

仁美「上条くんも荷物持ちとして誘ったら、喜ばれますよ」

さやか「な、なんで、恭介がっ!」

仁美「上条くんの一押しは、さやかさんとまどかさんカップルなんです」
仁美「お二人のラブラブっぷりをみられるなら、怪我を忘れてついていってくれますわ」


さやか「いや、まどかとは仲のよい友達ってだけで、別にカップルというわけでは……」

仁美「どうでもいいことですが、そんな上条くんのことを私はお慕いしています」

さやか「どうでもよくないよ! ものすっごく衝撃的だよ! 仁美が! 恭介のことを! 嘘でしょ!」

仁美「私が上条くんのことをお慕いしていることに、さやかさんにとって不都合なことでもあるのでしょうか?」

さやか「え?」

仁美「もしかして、さやかさんも上条くんのことがお好きなのでは?」

さやか「まっ、まっ、まさか! わたしが恭介のことを好きなんで、そんなのジョーダンにしかならないよ」アセアセ

仁美「そうですよね。私が上条くんとおつき合いされても、絶望のあまり魂を真っ黒にされるなんてことはないですよね」

さやか「やだなあ、魂を真っ黒って良く分かんないけど、そうにきまっているよー、あは、あははははは……」

QB「魂を真っ黒って、もしかしてグリーフシード? まさかね……」

仁美「では、いまから上条くんに告白してまいりますね」ニッコリ

さやか「へ?」


仁美「ふふっ、これで私は上条くんと両想いになれますわ」

さやか「ちょ、ちょ、ちょっと、ちょっとまって!」

仁美「どうしましたか?」

さやか「今は面会時間過ぎてるし」

仁美「思いがけぬ時間に現れ、サプライズ告白で彼のハートをゲットですわ」

さやか「あー、でも、そのー、わたしたちまだ中学生だし」

仁美「恋に早いも遅いもありませんわ」

さやか「で、でもさ、あの恭介だよ。百合好きなんでしょ、そんなのがいいっていうの?」

仁美「百合好きな私と、趣味がばっちり合いますわ」

さやか「…う」


仁美「わたしと上条くん、お似合いだと思いませんか?」

さやか「に…似合っている…けど……」

仁美「さやかさんは上条くんに嫌われてしまいましたし、私が付き合っても問題ありませんよね?」

さやか「…嫌われて…いや…その…だって……」

仁美「だって?」

さやか「ぐすっ……」

QB「おやおや、さやかは泣いてしまった」

まどレイプまだー?


仁美「悪ふざけか過ぎたようですわ。さやかさんごめんなさい。あなたを泣かせるつもりはありませんでした」

さやか「泣いてない、泣いてないよ!」ゴシゴシ

仁美「そんな大粒の涙を流して泣いてないはありませんわ、涙をぬぐってさしあげます」

さやか「いいよ、いいよ、そんなことされなくても!」

仁美「舐め取りましょうか? それともハンカチで?」

さやか「ハンカチでお願いします!」

仁美「はい。さやかさんは泣き虫ですね」フキフキ

さやか「泣いてないもん…」グスッ

仁美「さやかさんも、上条くんのこと好きなのですね」フキフキ

さやか「恭介のことなんて、なんでもないもん!」

仁美「顔は正直に出ているのに、素直じゃないさやかさんですわ」

さやか「私の顔は嘘つきなんだよ」

仁美「ふふっ、さやかさんに免じて、私は上条くんのことを諦めましょう」

さやか「へっ?」


仁美「上条くんのことは諦めます」

さやか「は?」

仁美「上条くんのことは……」

さやか「分かったけど、分かんないんだよ!」

仁美「言葉のままじゃありませんか」

さやか「恭介のこと好きなのって、ジョーダンだった?」

仁美「冗談ではありませんわ」

さやか「だったらなぜ諦めるのさ、わけがわからないよ!」

仁美「では、上条くんと私が付き合っても宜しいのですか?」

さやか「あー、いや、だから、それはぁ……」

仁美「さやかさんが泣くほど嫌なら、付き合わないといっただけの話ですわ」

さやか「それ、おかしい! わたしのことなんて気にしなくていいのに!」

仁美「気にしますわ」

さやか「なんで…」

仁美「もう二度と、大切な人を失いたくないから…」


さやか「はい?」

仁美「さやかさんは、上条くんに嫌われてしまいました」

さやか「う、うん」

仁美「私が、元通りにしてさしあげましょう」

さやか「え?」

仁美「さやかさんと上条くんの仲を取り持ってあげます」

さやか「本当に?」

仁美「ええ、上条くんをミラクルハッピーにする素晴らしい方法が、たったひとつだけあるのです」

さやか「どうやって?」

仁美「ふふっ、とっても簡単なことですわ」

さやか「今朝からの経験上、嫌な予感がするのは気のせいじゃないよね?」

仁美「嫌われたままのほうがいいですか?」

さやか「ぜひ、お願いします!」


外 まどかとほむら

まどか「えーと、ほむらちゃん?」

ほむら「なにかしら、まどか?」

まどか「ほむらちゃんってご近所さんなの?」

ほむら「違うわ」

まどか「ここ、うちの前なんだけど?」

ほむら「そのようね」

まどか「だからその…ばいばい」


ほむら「………」

まどか「えーと、ほむらちゃん。なんで、ずっと突っ立ってるのかな?」

ほむら「まどか」

まどか「なにかな、ほむらちゃん?」

ほむら「ご両親に挨拶するわ」

まどか「え?」

ほむら「まどかは私の嫁なんだもの。当然のことよ」

まどか「え? あ、いや、うちのママ、怖いからやめたほうがいいような…」

ほむら「サンドバックにされたあと、まどかが私の傷口をペロペロなめてくれるから平気よ」

まどか「やらないよ…」


マミ『そうよ、暁美さん。攻めて攻めて攻めまくりなさい』テレパシー

ほむら『分かっている。まどかとラブラブするためにやるだけやってみる』テレパシー

杏子「はぁ、今日は厄日だ…つーか、マミと出会ってから毎日が厄日だ」

マミ「ふふっ、鹿目さんの家に入っていったわ」

杏子「で、アタシらは、ずっと外でコソコソしてるわけか?」

マミ「二人の百合ん百合んぶりを見させてもらうに決まっているじゃなーい」

杏子「どうやって?」

マミ「鹿目家内部に監視カメラを設置してあるわ」

杏子「は?」

マミ「イチャイチャ見放題よ♪」

杏子「いつ設置したんだ?」

マミ「頼んだのよ」

杏子「誰に?」

モモ「マミお姉さまー、こっちこっちー」

杏子「…………」


マミ「モモちゃんありがとう。今日も相変わらず可愛いわね」

モモ「もう、可愛いだなんて、本当のこと言わないでくださいよ」

杏子「おめぇ、なぜここにいるんだ?」

モモ「だれあんた?」

杏子「おまえの姉だろっ!」

QB「まさか、杏子の妹が生きているとは…」

モモ「佐倉家には百合が嫌になって逃げ出した杏子って女はいませーん」

杏子「アタシが『みんなが父さんのはなしを聞いて欲しい』と願って、百合ん少女になったら…」
杏子「なぜか親父は百合に目ざめてしまい、百合百合団なんてわけわからん組織を作ったからだろうが」
杏子「親がイカレちまったら普通、逃げ出すだろ」

マミ「百合百合団のおかげで、百合ん少女の活動がしやすくなって助かってるわ」

QB「杏子の父親が、僕の代わりに百合ん少女の契約を交わしているとかは……ないよね?」


マミ「モモちゃん、言われたとおりにやってくれた?」

モモ「うん、家の中はこのモニターでチェックできるよ」

マミ「ばっちり映っているわね。モモちゃん、よくやったわ」

モモ「えへへっ、百合百合団団員一号モモ、百合のためならどんな犯罪でも手を染めるよ」

杏子「染めんじゃねぇ、悪いことはしちゃいけないんだ」

モモ「お姉ちゃんがいう?」

杏子「アタシはいいんだ。つか、おめぇ、どうやって中に忍び込んだ?」

モモ「タツヤくんと仲良くなって、家に招待されただけだよ」

マミ「タツヤっていうから鹿目さんの弟さんね。妹だったらモモちゃんと……」

杏子「くっつけようとするな」


モモ「じゃあ、お姉ちゃん。マミお姉さまからキスマークをいっぱい付けてもらって帰ってきてねー」

杏子「付けることなんてしねーよ!」

マミ「モモちゃん、ありがとうねー」

杏子「ちっ、アタシの妹を使うなっつーの」

マミ「モモちゃんのことが心配なら、実家に帰ってもいいのよ?」

杏子「ヤダよ。百合は最高。百合は美しい。百合は正義。百合こそが究極の愛なんだってうるせーもん」

マミ「素敵なお父様だわ」

杏子「殺したい奴ナンバーワンだ」

マミ「お父様に会うたびに、うちの娘をもらってくれてありがとうと言われてるわ」

杏子「オヤジ、元に戻ってくれ…」

QB「まどかが願った、この世界をラブラブでとってもハッピーで百合ん百合んなラブコメディーにする力の影響は、僕の想像の範疇を超えているよ」

マミ「あら、鹿目さんのお母さんが出てきたわ」


まどかの家

詢子「まどかおかえり」

まどか「ただいま、ママ」

ほむら「………」

詢子「だれだい、その子?」

まどか「え、えーと、転校生の……」

ほむら「わたしにまどかをください、お義母さん」

詢子「やるかーっ!」


マミたち

マミ「ストレートに攻めたわね」

杏子「いきなり怒りマックスだぜ…」

ほむら『こちらほむら。状況は最悪。アドバイスを頼む』テレパシー

マミ「そうね…こういうときは…」

杏子「まどかのおしりを撫でて、まどかの体はすでに私のものだと言え」テレパシー

マミ「ええ?」

マドホーム

ほむら「なでなで」

まどか「きゃん!」

詢子「ほぅ、あなた、まどかの母親の前でなにしてるのかな?」ゴゴゴゴ

ほむら「やらないと言われても手遅れだわ。まどかの体はすでに私のものよ」

まどか「え? えええ、え? ほむらちゃん!」

詢子「ふーん、うちの娘はすでに傷物ねぇ」

ほむら「まどかの唇は、いちごジャム入りのマシュマロの味がしたわ」

詢子「で? まどかはほむらとキスをしてどんな味がしたんだい?」

まどか「あ、あわわ、あ、あわ、ええええーーーとーーー……」

詢子「ふふっ、まどかの反応を見るに、キスはしてないようだね」

まどか「は、はわわ、はぅぅ、あわわ……」

詢子「ほむらといったっけ?」

ほむら「ええ、自己紹介をしてなかったわね。まどかの夫の暁美ほむらよ」

詢子「うちからでていきな」

マミたち

ほむら『作戦通りに実行したら、状況はさらに悪化したわ。この鬼母をどうやって退治すればいいの?』テレパシー

マミ「佐倉さん、これからどうすればいい?」

杏子「失敗した。撤退しろ」テレパシー

マミ「あなた、なにも考えてなかったの?」

杏子「さーて、ゲーセンでもいこっかなー」

マミ「ティロフィナーレ(ボソッ)」

杏子「ひぃっ!」

QB「杏子は早く終わらせたかっただけだったようだ」

ほむら『このままでおしまいなの? ふざけないで!』テレパシー

マミ「えーと、そーね、どうしましょう…」

仁美「おまたせしましたわ」

マミ「志筑さん?」

仁美「まどかさんの口にキスをして『あなたの娘のファーストキスはいただいた』と言いなさいと、伝えて下さい」

まどホーム

まどか「んっ、んーっ、んんんーっ!」ジタバタ

詢子「………」

ほむら「ぷはっ」

まどか「へ? ほむらちゃん…え…あ……」

ほむら「まどかのファーストキスは私がいただいたわ」

詢子「ふーん、それで?」

ほむら「親がいくら反対しようが両想いなのは変わりないの。力づくでも、まどかをいただく」

詢子「大切なのはまどかの気持ちじゃないかい?」

ほむら「私たちは永遠の愛で結ばれているわ」

詢子「だってさ、まどか、その子の言う通りかい?」

まどか「え? え? えええ?」

詢子「さっきのキスが、よっぽど衝撃だったんだねぇ」

ほむら「この場合はショック療法です。もう一度、キスをしてもいいですか?」

詢子「駄目」


家の外

仁美「いい空気になってきましたわ」

杏子「そーか? それよりも腹減ったわ」

マミ「はい!」

杏子「胸を突き出してどうした?」

マミ「飲む?」

QB「どうやって飲むんだい? 母乳もでてないのに」

杏子「…コンビニいってくるわ」

仁美「そんな杏子さんのためにお菓子を買ってきましたわ」

杏子「おっ、気がきくじゃん。いっただきー」

仁美「媚薬入りですので、たくさん食べて下さいね」

杏子「いらん!」


仁美「冗談です。開封してないお菓子に、そんなもの入れられませんわ」

杏子「そう言って激辛のスナックを食べさせ、火を噴いているアタシに、これを飲みなさいと渡した水の中に、媚薬が入ってたりするんだよな」

仁美「あら、よくご存じですわね」

杏子「前に、似たようなことされたことあるんだよ…」

仁美「ふふふっ、お姉さまったら隅に置けないですわ」

マミ「あら、私は媚薬は入れたことないわよ」

杏子「惚れ薬は入れただろ」

マミ「佐倉さんのお父様から貰ったからには使うしかないじゃない」

杏子「薬が切れたときのアタシの絶望感をアンタに味わわせてやりたい……」

仁美「そのときのことを、見てみたかったですわーっ!」

マミ「志筑さん、美樹さんの件はどうなったの?」

仁美「上条くんの面会時間が過ぎていますし、続きは明日になりましたわ」

まどホーム

知久「まどか、おかえり」

まどか「え? あ、う、ううん」

知久「なんか様子がおかしいね」

ほむら「おじゃまします、お義父様」

知久「いらっしゃい。まどかのお友達かな?」

ほむら「まどかの夫の暁美ほむらです」

詢子「……と、妄想している変な女だよ」

知久「ははっ、友達なんだね。暁美ほむらちゃんか。うーん、まどかから聞いたことないな?」

ほむら「転校初日ですから」

知久「ああ、転校生なんだ」

詢子「出会ったばかりかい? もしかして、前世で結ばれているとかかい?」

ほむら「前世じゃないです。未来から来ています」

詢子「似たようなもんだったわ」

面白い


まどか「あれ?」パチッ

詢子「おや、まどか気付いたかい?」

まどか「ここどこ?」

詢子「あんたの家だよ」

まどか「あ、ほんとだ、あれ?」

知久「まどか」

まどか「おはよう、パパ……って、あれ? いま朝?」

ほむら「まどか、おはよう」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「どうしたのかしら?」

まどか「え? あれ、あれれ? 夢じゃ…?」

ほむら「まどか、あなたとの口づけは最高だったわ」

ほむら「わっわっわーーーーーーっ//////」

詢子「思い出したようだね」

知久「まどかはいったいどうしたんだろう?」


家の外

仁美「良い感じですわーっ!」

杏子「ぶくしょん!」

マミ「寒いの? 温めてあげるわ」

杏子「嫌だ」

マミ「そんなこといわずに♪」

杏子「だぁーっ! 抱きついてくるな!」

マミ「佐倉さんの体、あったかいわ」ギュッ

杏子「やめてくれーっ!」

マミ「ここのところ、ちょっと大きくしましょうか」モミモミ

杏子「助けてくれぇぇーっ!」

仁美「こちらもいい感じですわーっ!」


まどホーム 食事中

知久「ほむらちゃん、おいしいかい?」

タツヤ「うまいうまい」

知久「タツヤじゃなくて、ほむらちゃんに聞いているんだよ」

ほむら「まどかの方が美味しいです」

まどか「もう、ほむらちゃん!」

知久「まどかが、料理を作ったことがあるのかい?」

ほむら「いえ、肉体面で」

まどか「ほ・む・ら・ち・ゃ・ん!」

ほむら「まどか。ご飯が口から飛んだわ」

まどか「もう、誰のせいか分かってる?」

ほむら「ばくり」

まどか「食べないでーっ!」


ほむら「まどか」

まどか「な、なに? 口をこっちに持ってきて」

ほむら「まどかの口から飛んだごはんを、口移しで食べさせてあげる」

まどか「いいから! そういうことはしないの!」

ほむら「そうね。はしたないことだったわ」

まどか「そうだよほむらちゃん。家族が見てる前なんだよ……」

ほむら「やるなら二人きりのときね」

まどか「二人きりでも、しないから!」

詢子「ふむ…」

ほむら「ああ、お義父さん」

知久「なんだい?」

ほむら「料理美味しいです」

知久「ははっ、気に入ってもらえてなによりだよ」


家の外

仁美「そうですわ。そうやってご両親を褒めるのも大事なことです。ポイントアップになりますわ」

マミ「…と志筑さんが仰ってるわ」テレパシー

ほむら『分かった』テレパシー

杏子「もう、好きにしてくれ…」

マミ「もみもみ」

杏子「やっぱ好きにしないでくれ」

仁美「それにほむらさん、『わたし、いくら作っても上手くならないものでして、教わりたいぐらいです』と言ってみるといいですわ」

マミ「…ですって」テレパシー

ほむら『助かるわ』テレパシー

仁美「ふふっ、まどかさんとほむらさん、上手く行きそうですね」

マミ「ええ、志筑さんのアドバイスは最高だわ」


まどホーム

ほむら「わたし、いくら作っても上手くならないものでして、教わりたいぐらいです」

知久「僕で良ければ構わないよ。料理教わりに、いつでも来ていいから」

ほむら「毎日来ます。泊まりで」

詢子「来んでいい」

まどか「あは…あはははは……」

ほむら「まどかも」

まどか「え?」

ほむら「お父様と一緒に料理を習いましょう」

まどか「あ、うん、いいけど……」


ほむら「私はまどかの作った料理を食べて、まどかは私の作った料理を食べてと、食べ合いっこするの」

まどか「別々じゃなくて、一緒に作ったほうがいいんじゃないかな?」

ほむら「まどかと合体したい」

まどか「料理だよね? それ、料理を一緒につくるってことだよね?」

ほむら「お肉が食べたいわ、生で」

まどか「ステーキだよね? 生は良くないよ、焼いた方がいいと思うよほむらちゃん」

ほむら「ゴムは入らないと思うわ、女同士だし」

まどか「ほーむーらーちゃーん!」

知久「ははは、ふたりとも仲が良いね」

ほむら「夫婦ですから」

まどか「違うから。友達だからね、そんなんじゃないの!」

詢子「ふーむ……」


家の外

仁美「ああ、百合たまりませんわーっ!」
仁美「この世界はなんて素晴らしいのかしら! 絶望に負けず、生きてきて良かったですわーっ!」

QB「志筑仁美は、絶望に負けて、死ぬような目にあったことがあるのだろうか?」

マミ「暁美さんは、もうわたしたちの協力なしでも大丈夫そうね」テレパシー

ほむら『ええ、この調子なら、見られたら恥ずかしいことが起こりそうな予感があるわ』テレパシー

仁美「グッドラックですわ」

マミ「幸運を祈っているわ」テレパシー

ほむら『ええ、ありがとう』テレパシー

マミ「お礼は百合んエネルギーでね」テレパシー

ほむら『分かってる。私とまどかの最高の百合んエネルギーをあなたにプレゼントしてみせる!』テレパシー


杏子「ほむらが片付いたなら、この荒ぶる巨乳をどうにかしてくれ」

仁美「次は杏子さんの番ですわ」

杏子「アタシ?」

仁美「はい、アメです」

杏子「ぜってー、あやしいの入ってるだろ、これ」

仁美「わたしも舐めていますよ?」

マミ「私もいただいていいかしら?」

仁美「ええ、お姉さまもどうぞ」

マミ「あら、美味しいわねこれ」

仁美「志筑仁美特製アメなんですの」

杏子「大丈夫そうだな。アタシもいっただきー」アーン


杏子「おおっ、このアメ、めっちゃうめー」

仁美「お気に召されて光栄ですわ」

マミ「佐倉さんったら、ほんと可愛いわね」

杏子「マミさんに可愛いって言われると照れるぜ」

仁美「杏子さんは、いつになったらマミお姉さまのことをお姉さまと呼んでくださるのでしょう?」

杏子「そんなの、言ってみたいけど、恥ずかしいだろ…」

マミ「佐倉さん…あなた…」

杏子「え? あれ、マミさん、アタシ、マミさんのことが大好きで、ずっとずっと一緒に暮らしたいと思っていたんだ!」

マミ「佐倉さん♪」

杏子「~~~~~~っ!(アタシの口はどうなってしまったんだーっ!)」

仁美「ふふっ、佐倉さんが舐められているのは、本音しか言えなくなるアメなんですの」

杏子「なんだとーっ!」


マミ「志筑さん、グッジョブ!」

杏子「ちょっ、待てっ! アタシだけにそのアメを寄こしたのか!」

仁美「いいえ、マミお姉さまにも、私にも入っています」

杏子「え?」

仁美「私とお姉さまは正直に生きていますから、問題ないんです」

マミ「ふふっ、素直になれない佐倉さんの本音がだだもれだなんて最高だわ」

杏子「逃げよ…」

マミ「ティロ・フィナーレっ!」

杏子「しばるなーっ!」

仁美「リボンで亀甲縛りされた杏子さんを屈辱調教して快楽責めで理性を失わせて1ヶ月かけて身も心もズタズタにさせていくマミお姉さまの勇姿が見られるなんて最高ですわー」

杏子「おまえの本音、怖すぎだろ!」


仁美「マミお姉さま、是非とも加勢させてください!」

マミ「ええ、喜んで」

杏子「アタシはマミさん以外にはされたくないんだ!」

マミ「まあ♪」

仁美「一途で素晴らしいですわーっ!」

杏子「もうやだ、死にたい…」

マミ「佐倉さん、わたしのことがそんなにも大好きなのね」

杏子「大好きに決まっているだろ!」

仁美「マミお姉さまは、杏子さんのことがお好きですか?」

マミ「佐倉さんを屈辱調教して快楽責めで理性を失わせて1ヶ月かけて身も心もズタズタにさせたいほど大好きだわ」

杏子「こええけど、嬉しいよ!」

仁美「両想いじゃないですか、羨ましいですわーっ!」

QB「もう、なにがなんだかだよ…」


マミ「そういうわけで…」

仁美「杏子さんを」

杏子「解放しましょう」

マミ&仁美「おうちで調教しましょう♪」

杏子「タスケテ」

ズルズル……

QB「ふたりにズルズル引きずられながら、杏子は行ってしまった」

QB「さてと、僕はどうしようかな」

QB「僕たちインキュベーダーには不適切な、改変された世界にいつまでもいるわけにはいかない」

QB「だとしても、元のいる場所は、まどかによって消されてしまった」

QB「僕はどこにいけばいいんだろうか?」


まどホーム

ほむら「分かってる。私とまどかの最高の百合んエネルギーをあなたにプレゼントしてみせる!」

まどか「ほむらちゃん百合んエネルギーって?」

ほむら「なんでもない。こっちの話よ」

まどか「?」

ほむら「向こうでも、百合んエネルギーが凄いことになっているけど、私にはまどかと百合んエネルギーを生産したいの」
ほむら「あの二人と一人には負けないほどの百合んエネルギーを」

まどか「えーと、それって…?」

ほむら「まどか。一緒にお風呂に入って、すみずみまで洗いっこしましょう」

まどか「え? えっ、えっ、えっ?」

詢子「さーてと、ほむらちゃん、アタシと裸のお付き合いをしましょうか?」

ほむら「え?」


ほむら「お義母さま、一体どういうことでしょうか?」

詢子「決まってるじゃないか、あたしとほむらちゃんが一緒にお風呂に入るんだよ」

ほむら「まどか助けて! わたし汚される!」

詢子「ほむらちゃんはおっかしいねぇ。汚すんでなくて、綺麗にするだよ、隅々までね」

ほむら「いやーっ!」

詢子「まどかー、あんたにホの字のほむらを借りてくからね」

まどか「え、あ、うん」

ほむら「ひどいっ! まどかはお義母さまに私の未開発な穴を売るのね!」

まどか「え、あ、よくわかんないけど、ママだし」

ほむら「これはきっと、ママの体を堪能してから、まどかの体を食べてねという親子どんぶりプロジェクトなのね。わたしには刺激が強すぎるわ!」

詢子「つべこべいってないで、さっさといくよ」

ほむら「いぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁーーっ!」ズルズル

まどか「いってらっしゃい……」

まどか「…と、言ったけど」
まどか「どうしよう。気になって、お風呂の前でうろうろしちゃってるよ」
まどか「わたしってどうしたのかな。ほむらちゃんのことなんて…ことなんて…」
まどか「よくわかんないや」

知久「まどか、どうしたのかな?」

まどか「わっ、ぱっ、パパっ!」

知久「そんなに中が気になるのかい?」

まどか「そういうことは…ないけど」

知久「たまには、僕と入るかい?」

まどか「それは絶対に嫌!」

知久「分かっていたけど、傷つくね」

まどか「あ、ううん、そのね、パパのことを嫌っているんじゃなくて……」

知久「ははっ、分かってるよ。まどかはお年ごろの女の子だもんね」

まどか「う…うん」

知久「特に今日は、そのお年ごろが強くなっているようだ」

まどか「パパ…」

知久「そうそう。シャンプーが切れてるんだ。僕が入るわけにはいかないから、まどかが渡してきてくれるかい?」

洗面所

まどか「お、おじゃましまーす」

まどか「なんでわたし、こっそり入ってるのかな? 別に悪いことしにいくわけでもないのに……」

ほむら『お義母さま、やめてください』

詢子『うりうり、ここがいいかい、ここがいいかい』

ほむら『そんなところ責められると、おかしくなっちゃう』

詢子『ちっこいわりには感度がいいのねぇ、けっけっけ、こいつは将来か楽しみだわい』

ほむら『ああ、お義母さま。わたしにはまどかがいるのに…』

詢子『ほむら、まどかなんか捨てて、わたしの恋人にならないかい?』

ほむら『はい、喜んで』

バァン!

まどか「ママーっ! ほむらちゃんになにやってんのーーーーっ!」


カポーン

まどか「あれ?」

詢子「あーはっはっはっ、やっときたね」

QB「痴態は行われていないね。湯船にくつろいでいるまどかの母と、体を洗っているほむらがこっちを見ている」

詢子「そんな怒った顔して、まどかちゃんはどうしたのかな?」

まどか「えっ? えっ? えっ?」

ほむら「まどか、わたしの貞操を心配して駆け付けてくれたのね」

まどか「騙したのっ!」

ほむら「嬉しいわーっ!」ダキッ

まどか「わーっ、ほむらちゃんあぶくだらけで抱きついてこないでっ!」

ほむら「愛してるーっ! んー、ちゅ……」

詢子「あんたは調子に乗るなっ!」

ペシンっ!

ほむら「ほむっ!」

面白い


まどかの部屋

ほむら「初夜の時間よ」

まどか「ええと、ほむらちゃんのお布団はそこにあるんだけど?」

ほむら「初夜の時間よ」

まどか「あ、ほむらちゃんがわたしのベッドで寝る? だったら私は下いくけど?」

ほむら「初夜の時間よ」

まどか「え、ええと、一緒に寝るの?」

ほむら「初夜の時間よ♪」

まどか「……う」

たまらん


ベッド

まどか(ほむらちゃんが目の前にいる)

まどか(自己紹介でまどかは私の嫁と言ってきたり、保健室で押し倒されたり、強引に家に泊まったり)

まどか(わたしたちの恋を応援してくれる人がいたりして……)

まどか(あ、恋…なのかな? んー、良く分かんないや)

まどか(でも、たった一日で私の世界が変わったみたい)

まどか(ほむらちゃん、不思議な子)

まどか(今日初めて会ったのに、初めてのような気がしないよ)

まどか(それに、ほむらちゃんと過ごして、嫌に思ってない私がいる。なんでだろうね)

まどか「あのさ、ほむらちゃん」

ほむら「くー、くー……」

まどか「寝てるし」

ほむら「くー、まどかぁ…」

まどか「えへへ、ほむらちゃんの寝顔って可愛い」

リビング

詢子「おや、まどかじゃないか?」

まどか「ママ、起きてたんだ」

詢子「娘が恋人を連れてきたんだ、飲まずにはいられないって心境さ」

まどか「恋人じゃないよ」

詢子「ほむらちゃんと一緒にいるまどかは、それはそれは、楽しそうにしていたじゃないか」

まどか「わたし、楽しそうに見えた?」

詢子「ものすごく」

まどか「そうかな? ほむらちゃんに振り回されて、ものすごく疲れたんだけど」

詢子「まどかが、あんなに表情をコロコロ変えるなんてねぇ。あたしは今までみたことがなかったよ」

まどか「わたし別に、感情を表にださない子じゃないし」

詢子「いつも以上ってことだよ」

まどか「うーん、それが楽しいっていうのかな?」

詢子「あたしは楽しそうに見えたけどねぇ」

まどか「自分では、よくわかんないや」


詢子「ほむらちゃんはどうだい。まどかに手を出してきたかい?」

まどか「あはは、なにもされないで、すぐに眠っちゃった」

詢子「そうかい、そいつは良かった」

まどか「ぐっすり眠ってて、起こすのも悪いぐらいだよ」

詢子「だろうね」

まどか「ママは、こうなるって分かっていたんだね」

詢子「あの子、ガッチガチに緊張していたからねぇ」

まどか「緊張?」

詢子「あたしと会って『わたしにまどかをください、お義母さん』って言ったときさ」

まどか「え? ほむらちゃん、普通にしてたよ」

詢子「まさか、あの子、見た目は平然としてるけど、中身は相当気が弱いよ」


まどか「そうなの?」

詢子「そうさ、臆病者のほむらちゃんさ」

まどか「でも、自己紹介の時にまどかは私の嫁と言ってきたり、すごいことしてきたんだよ」

詢子「そうなのかい?」

まどか「うん、わたしどうしたらいいか分からなくて、振り回されっぱなしで。だから、気が弱いとは思えないよ」

詢子「それは、協力者がいたんじゃないかい?」

まどか「…あ」

詢子「おや、思い当たる人物がいるのかい」

まどか「うん」

詢子「そいつが背中を押してくれてたから、ここまでやってこれたのさ」


まどか「ほむらちゃん、本気なのかな?」

詢子「ん?」

まどか「私のこと好きだって」

詢子「ほむらちゃんがわたしに、まどかをくださいと言ったときの目。あれは、本気だったよ」

まどか「………」

詢子「この詢子さまがビビるぐらいにね」

まどか「そうは見えなかったけど」

詢子「大人だからね。本心を隠すことはお手の物だよ」

まどか「ママはおかしいと思わない?」

詢子「なにが?」

まどか「だって、女の子同士なんだよ。普通じゃないよ」


詢子「恋なんて、普通じゃないほうが面白いんじゃないかい?」

まどか「恋…なのかな?」

詢子「そうじゃないほうが、アタシは嬉しいけどねぇ」

まどか「やっぱり、歓迎しないよね」

詢子「ほむらちゃんが男でも、アタシは歓迎しないよ?」

まどか「え?」

詢子「そいつが、文句付けようがない完璧な相手だろうとね」

まどか「じゃあ、どんな人ならいいの?」

詢子「どんな人でも嫌さ。親なんてそんなもんだよ」

まどか「ママ」

詢子「だから、あたしのことなんて気にしないで良いんだよ」
詢子「言えるのはただひとつ。後悔のない選択をしな」


まどか「わたし、後悔するかな?」

詢子「さーね、それを決めるのはあたしじゃないからね」

まどか「そうだよね、わたしが決めなきゃいけないんだよね」

詢子「別にすぐに決めることないんじゃないかい? 今日決めなきゃ、ほむらちゃんは消えてしまうわけじゃないんだし」

まどか「明日があって、明後日があって、一週間があって、来月があって…」

詢子「来年があって、3年、5年、10年、20年、30年とあるのさ、生きていればだけど」

まどか「そうだよね。この世界は平和だもんね」

詢子「最近物騒になってきたとはいえ、平和といえば平和かもねぇ」

まどか「うん、平和だよ」

まどか「だって…」

まどか「ここはラブラブととってもハッピーで百合ん百合んな世界なんだもん!」


まどかの部屋 布団の中

まどか「んしょ、ほむらちゃん、ちょっとゴメンね…」

ほむら「まどか」

まどか「あれ、ほむらちゃん寝てたんじゃないの?」

ほむら「まどかがいなかったから心配したわ」

まどか「ちょっとトイレにね」

ほむら「それにしては長かったわ」

まどか「わたしがいなくて、寂しかった?」

ほむら「うん」

まどか「そっか…」

ほむら「まどか」

まどか「なに?」

ほむら「わたしのこと…迷惑?」


まどか「迷惑だったら、一緒に寝たりしないよ」

ほむら「ん」

まどか「ほっとした?」

ほむら「ええ」

まどか「ママの言ったとおりだったね」

ほむら「何か言ったの?」

まどか「えへへっ、それはないしょ」

ほむら「ずるい」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「なに?」

まどか「これから、よろしくね」

ほむら「うん」


外 屋根の上

QB「あ」

QB「光ったね。まどかとほむらから百合んエネルギーが…」

QB「それは宇宙へと飛んでいっている」

QB「別の所からも大きなエネルギー反応があるね」

QB「あれは、マミの住むマンションだ」

QB「結構大きいね。杏子が、マミに愛の告白でもしてるのだろうか?」

QB「僕がいってもしょうがない。だって、だれも僕を見ることができないのだから」

QB「ここは、ラブラブでとってもハッピーで百合ん百合んな世界」

QB「僕を必要としない世界」

QB「不思議だな…インキュベーダーには感情がないはずなのに」

QB「悲しいという気持ちがわいてくるよ」




恭介「さやか」

さやか「きょっ、きょ、きょ、きょ、恭介ぇぇぇーーっ!」

恭介「うわっ!」コテッ

さやか「ご、ゴメン! 大丈夫? 立てる?」

恭介「うん、なんとか」

さやか「はい、松葉杖」

恭介「よいしょっと…」

さやか「恭介、なんで? え? もう、退院したの?」

恭介「そんなにビックリすることかな?」

さやか「するよ、だって昨日まで入院していて」

恭介「学校が百合だらけだって言うからさ、危篤状態でも通いたくなるよ」

さやか「…そんなに好きなんだ」


恭介「さやかは嫌いなようだけどね」

さやか「…う」

仁美「それは違いますわ、上条くん」

恭介「志筑…さん?」

仁美「さやかさんが、百合が嫌いとおっしゃったのは素直になれないからですの」

恭介「それは、どういうことかな?」

仁美「本当は、さやかさんは百合っ子なんです」

さやか「え?」

仁美「だって」

チュッ♪

さやか「へ?」

仁美「ふふっ、実はさやかさんは、わたしとお付き合いすることになったんです♪」

さやか「えええええええええええええ!」


恭介「そうだったのか!」

さやか「ええ! 今の! キスで! わたしのファーストキスが、仁美に! どういうこと!」

仁美「セカンドもいただきますわ」

チュッ♪

さやか「夢…じゃない…」

仁美「ついでに、フレンチキスも」

ちゅ~~~~っ!

さやか「~~~~~~~っ!」

恭介「素晴らしい! 素晴らしいよ!」

仁美「上条くんに喜んでいただくためのサプライズですわ」

恭介「志筑さん、ありがとう! 元気が出たよ」

仁美「私も、さやかさんとお付き合いができて幸せですわ」


さやか「え? なにがどうなって…?」

恭介「さやか」

さやか「あ、はい?」

恭介「僕は志筑さんのことが好きだったんだ」

さやか「はぃぃっ!」

恭介「でも、さやかなら許せる! 僕は涙を飲んで諦めよう! それどころか大歓迎だ!」

さやか「歓迎しないでよ!」

恭介「ひゃっほーい! 僕の幼なじみと初恋の子が付き合うなんて、なんて素晴らしいんだ!」

さやか「恭介、ぴょんぴょん飛び跳ねているけど、怪我は大丈夫なの!」

恭介「あれ?」

さやか「え?」

恭介「治った! 百合のおかげで、怪我が治ったぞ!」

さやか「なんてご都合主義な展開ーっ!」

QB「ほんと、わけがわからないよ」


マミ「ふふっ、別に不思議でもなんでもないわ。これぞ百合ん少女キューティー・マミーの力よ!」

杏子「まっ、アタシらにとっちゃ、んな奇跡、わけないことだしな」

マミ「百合んエネルギーは、どんな怪我でも治せることができる巨大な力を持っているわ」

杏子「どんなワケかは知らんけどな…」

マミ「しかも昨日は、佐倉さんと素晴らしい百合んな夜を朝日が昇るまで体験したから、エネルギー最強よ」

杏子「誰かアタシを絶望から救ってくれ」


マミ「それにしても、志筑さんと美樹さんがお付き合いされるなんて、ふふっ、私でもびっくりしたわ」

杏子「あいつ、ぜってぇー悪魔の申し子だぜ」

マミ「今日も、百合んエネルギーがいっぱいね、回収に大忙しだわ」

杏子「はぁ、マミに振り回される日々はいつまで続くんだ」

マミ「佐倉さん、愛しているわ♪」

杏子「だいっ嫌いだから、さっさとくたばれ脳みそティロティロ女…」

マミ「佐倉さん、本音アメを舐めない?」

杏子「二度と舐めてたまるかっ!」


ほむら「ふわぁ…」

まどか「眠いね…」

ほむら「まどかが朝まで眠らせてくれないから」

まどか「ほむらちゃんのせいでしょ」

ほむら「朝までエッチするもんじゃないわね」

まどか「お喋りしてただけでしょ!」

ほむら「素晴らしい初夜だったわ」

まどか「…もう」

ほむら「まどかは『ティヒヒほむらちゃんの体はとても綺麗だよ』と私の体の細部すみずみまでなで回して…」

まどか「してないからね!」

ほむら「そして私は、あまりの気持ちよさにお尻で空を飛んだのよね」

まどか「ほむらちゃん、夢と現実が混同していてない?」


ほむら「夢でも現実でも、まどかが可愛いのは確かなことね」

まどか「あ、うん。ありがと。ほむらちゃんも可愛いよ」

ほむら「当然よ」

まどか「というわりには、なんでソッポ向いてるの?」ティヒヒ

ほむら「ちょっと景色を見たくなったのよ」

まどか「ほむらちゃん、テレたんだね。かーわいーなー」

ほむら「私はまどかほど可愛くないわ」

まどか「えー、ほむらちゃんの方が可愛いよ」

ほむら「まどかのほうが可愛い」

まどか「ほむらちゃんのほうが可愛い!」

ほむら「まどか!」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「むっ」

まどか「むむむ!」


ほむら&まどか「………」

ほむら「ふふっ」

まどか「えへへっ」

ほむら「いい朝ね」

まどか「うん、いい朝だね」

ほむら「こんな日が、ずっと続くといいわ」

まどか「ずっと続くよ、きっと」

QB「きっとね……」


QB「まどかはいいよ。こんな世界を望んでいたんだから」

QB「僕にとってはそうじゃない。ソウルジェルがグリーフシードとなる最悪な世界といえるだろう」

QB「こんな都合の良い世界なんて、僕の理解を超えているよ」

仁美「そうですわね。ここは、あなたたちにとって都合の悪い世界ですもの」

QB「志筑仁美」

仁美「そして、以前の世界は、あなたたちにとって都合のいい世界でしたわ」

QB「君はやはり…」

仁美「立場が逆転しただけではないですか?」

QB「僕のことが見えるんだね」

仁美「さすがですわ。驚かせようとしたのに、私が見えていることに気付いていらしたとは」

QB「予感はしていたからね。君は何者だい?」

仁美「都合の悪い世界から、都合の良い世界へと導かれたものですわ」

QB「それは僕にとっては、都合の良い世界から、都合の悪い世界に導かれたということだね」

仁美「ええ、魔法少女たちにとって、こちらのほうが幸せですわ」


QB「魔法少女のことも覚えているだなんて…」

仁美「あなた以外に、あの世界を記憶する者が存在していたことが、そんなに不思議ですか?」

QB「まどかならわかる。でも、その相手が志筑仁美なんだ」
QB「君は、向こうの世界では僕のことが見えていなかった。魔法少女でもない、ただの人間でしかない存在だ」
QB「なのになぜ君は、すべてを知っているんだい?」

仁美「あらあら、悲しいことですわ。キュゥべえさんが私のことを忘れてしまわれたとは」

QB「忘れる?」


仁美「私ほど、あなたとの付き合いの長い人はいないというのに……」

QB「なにを言っているんだい?」

仁美「正確に言えば、人ではないですけど」

QB「人でない…?」

仁美「まどかさんが願った場所には、キュゥべえさんと暁美さんと、他に誰がいましたか?」

QB「まさかっ!」

仁美「それだけのヒントで分かるだなんて、さすがは無数の少女たちを騙してきたインキュベーダーさんですわ」

QB「でも、そんなことありえない。あるわけがない。そんな都合のいいことが……はっ!」

仁美「ええ、ここは、そんな都合のいいことがありえる世界ですもの」

QB「信じられない」

仁美「でも、起こったのです」


QB「一体どうして、なんで、それと志筑仁美がつながるんだい?」

仁美「簡単な話ですわ。志筑仁美もその場にいたのです」

QB「彼女が!」

仁美「志筑仁美は大切な人を失いました」

仁美「自分のせいじゃない、そう信じたくも、信じられず、ずっとずっと責め続けていました」

仁美「それで、大嵐の中、ひとりで外を歩いていたのです」

仁美「死に場所を考えながら…」

仁美「彼女の後を追おうとして…」

QB「彼女とは?」

仁美「もちろん、美樹さやかさんのことです」

QB「………」

仁美「そのとき、私は見たのです」

仁美「空に浮んだ、巨大な魔女の姿を…」

QB「ワルプルギスの夜」


仁美「信じられないものを見ました。悪魔が私を迎えに来たと思ったぐらいですわ」

仁美「その頃、ワルプルギスの夜は、まどかさんの願いを聞いていました」

仁美「そして、ラブラブでとってもハッピーで百合ん百合んなラブコメディーな世界に興味を持たれたのです」

仁美「向こうの世界に行くには、魔女の身では不可能」

仁美「方法は、ただ一つ」

QB「人の中に入ること……」

仁美「近くには、志筑仁美の姿があった」

QB「絶望が君たちをリンクしたんだね」

仁美「ええ、わたしたちは共鳴し合いました」

仁美「ワルプルギスの夜は志筑仁美の中に入り、志筑仁美は彼女の存在を受け入れたとき……」

QB「まどかの願いが発動され、世界は改変された」


仁美「ふふっ、そういうことですわ」

QB「分かったけど、僕には信じられないことだ」

仁美「無理ないですわね。ここはあなたの常識は通用しないのですもの」

QB「君の意識はワルプルギスの夜なのかい? それとも志筑仁美かい?」

仁美「志筑仁美ですわ。ワルプルギスは、意識の一部となったに過ぎません」

QB「それにしたら、別人のようになっているね」

仁美「全てを知るのと、知らないのでは、随分と違うものですわ」

QB「願いの主であるまどかが、僕たちの世界を知らないように」

仁美「まどかさんはお優しい方です。大切な人が殺されていった世界なんて、忘れたほうがよろしいですわ」

QB「僕のことまで忘れるとはね」

仁美「随分とトラウマを負わせたじゃないですか」

QB「受け入れたくなかった、ということだろうね」

仁美「自分の存在を認識されないのは、寂しいですか?」

QB「さぁね、僕には感情がないからね」


仁美「でも、キュゥべえさんも私と同じではないですか」

QB「僕が?」

仁美「だから概念としてここにおられるのでしょう?」

QB「そうだね。この世界がどんなものなのか興味があったよ」

仁美「知ったいま、どうなさいますか?」

QB「帰るべきだろうね」

仁美「それは寂しいですわ」

QB「この世界は、僕には向いていない」

仁美「でも、どうやって帰るのでしょう?」

QB「………」

仁美「ふふっ、帰り方が分からない様子ですわね」


QB「君は知っているかい?」

仁美「知りませんけど」

ヒョイ

QB「志筑仁美。僕を持ち上げ……」

仁美「持ち上がりましたね」

QB「やれやれ、それで仁美は僕をどうするつもりだい?」

仁美「帰れないなら、私のペットになられたらどうでしょう?」

QB「ペット?」

仁美「ええ」

QB「でも、僕のことは誰にも……」


マミ「志筑さん、どこにいってたの?」

杏子「だから、話しかけるなって。ぜってー、なんか悪いこと考えてるんだ」

仁美「この子が逃げ出してたもので、捕まえていました」

マミ「この子?」

仁美「ええ、この子」

杏子「その真っ白い、ぬいぐるみのことかい?」

QB「…まさかね」

マミ「あら?」

杏子「いま、しゃべったか?」

仁美「ふふっ」


まどか「あ、仁美ちゃんだ。おーい」

ほむら「おはよう」

仁美「おはようございます、みなさん」

さやか「………」

仁美「さやかさんには…」

さやか「キスはいらんっ!」

ちゅっ♪

さやか「されたっ!」

マミ「あらあら、見せつけてくれるわね」

仁美「好きですわ、ハニー」

さやか「…なんでこんなことになったんだろ?」

仁美「いいじゃないですか、幸せなんですから」

さやか「う~、幸せから斜め上の方向に行っている気がするよ」


QB「やれやれ、これがさやかにとっての幸せとはいいがたいんじゃないかな」

さやか「え?」

まどか「あれ、仁美ちゃんがもっているぬいぐるみ?」

マミ「喋ったのは、気のせいでなかったのね」

杏子「みたいだな」

まどか「なぜかこのぬいぐるみを見ていると、撃ち殺したい衝動にかられるわ」

さやか「あーはっはー、ぬいぐるみが喋るわけないじゃん、これはきっと仁美のふくわ……」

QB「君たちは僕のことが見えるのかい?」

さやか「ぬいぐるみが喋ったぁぁぁぁぁーーっ!」

仁美「キュゥべえといいますの。私のペットですわ」

間違えた

ほむら「なぜかこのぬいぐるみを見ていると、撃ち殺したい衝動にかられるわ」

です…orz


マミ「キュゥべえ…?」

QB「なんだいマミ?」

マミ「………」

杏子「どうしたマミ?」

マミ「デジャブを感じたわ」

杏子「たしかに、こいつを見てると、なんか懐かしい感じがするな」

仁美「それは気のせいではないですわ」


まどか「喋るペットなんて、仁美ちゃんすごいの飼っているね」

仁美「ええ、可愛いと思いませんか?」

まどか「うん、すっごく可愛いよ!」

仁美「良かったですわねキュゥべえ。まどかさんが可愛いと言ってくれました」

QB「僕のことが嫌というわけじゃないんだね」

仁美「存在目的が嫌だったのでしょうね」

まどか「いや?」

仁美「こちらの話ですわ」

ほむら「ねぇ、こいつナイフで刺していい?」

まどか「駄目だよ、ほむらちゃん!」


QB「仁美、これはどういうことだい?」

仁美「見たままですわ」

QB「でも、僕のことが急に見れるようになるなんて…」

仁美「ここは都合のいい世界」

QB「………」

仁美「臨機応変。住めば都ですわ」

QB「住めば都ねぇ」


仁美「私も、この世界に来たからには、さやかさんと思う存分いちゃいちゃさせていただきますわ」

さやか「ひゃっ!」

仁美「さやかさんに、百合の素晴らしさを教えてさしあげますわね」

さやか「もう充分に間に合っています!」

仁美「あんな悲しいことはもう二度とごめんです。さやかさんを絶対に失わせはしません」

さやか「なんのこと!」

仁美「大切なお友達が、元気でいてくれて本当によかったってことです」

さやか「よくわからないよ!」

仁美「わたしがさやかさんを、幸せにしてさしあげますわ」

さやか「じゃあ仁美、元に戻ってよ…」

仁美「いやですわ♪」


QB「まったく。上条恭介じゃなくて、美樹さやかとくっつくなんてね」

仁美「ふふっ、私が上条くんとくっつくとさやかさんがどうなるか、身をもって知ったんですもの」

QB「さやかと恭介をくっつけるという、選択肢はなかったのかい?」

仁美「そういう考えもあったんですけど…」

QB「けど?」

仁美「だって、悔しいじゃないですか♪」

QB「さすがは元ワルプルギスの夜だね」

仁美「いいえ、これは志筑仁美の意思ですわ」

QB「…君がなぜ、ワルプルギスの夜と共鳴したか良く分かったよ」

おしまい


支援&読んでくださってありがとうございます
半年以上前に書いて放置状態だったのをやっとのことで完成
そういうのが6作ぐらいあるから短期間で全部終わらせたいところ

ではでは

>>402
さすがにまどかSSも息切れか
と寂しく思っていた所

先日の絶対領域など萌える作品が
続いて嬉しい限りです。

ところでよろしければ過去の作品がありましたら
教えていだだけませんでしょうか。

残った作品も気長にお待ちしております
それでは乙でした。

>>409
最後に書いたのは
QB「マミのおっぱいに挟まれた僕は、感情を探す旅に出た」
ですね。半年前か……。
その作品に他に書いたSSを晒しています

次作は
まどかが性に目覚めて暴走するエロくてひどい話になると思う…

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