ベル「秘密の」アニ「恋人」(382)
*妄想・捏造・キャラ崩壊・その他色々あり。ゆっくりsage更新、転載禁止。
暗くないベルアニを書いてみたくなった。とっても有り得ない。あわない方はそっ閉じ推奨。
…毎度便利な倉庫裏。
アニ「なんか報告することもなくなってきたね」
ベルトルト「じゃぁ…悩みとかは?」
アニ「悩みはないけど…あんたらの噂は、とりあえず治まったんでしょ?」
(参照:ライナー「ベルトルトがホモかもしれない?」)
アニ「あんたがアイツの分も報告してくれるのはいいんだけど…アイツはもう来ないの?」
ベルトルト「んと…」
ベルトルト「話を切り上げてこっちに来るのが難しいみたい…」
アニ「はぁ…仲良くしすぎなんじゃないの」
ベルトルト「うん…何度か言ってるんだけど」
アニ「仲良くと言えば、あんた最近ユミルと何こそこそ話してるのさ」
ベルトルト「えっ」
アニ「気づいてないとでも思ってるのかい。隠し事はしないって約束だろ」
ベルトルト「う、うん…」
ベルトルト(ど、どうしよう…)
モヤモヤ(回想)モヤモヤ
ベルトルト『こんなとこに呼び出して、なに?』
ユミル『警戒しなさんなって。ま、ムリだろうが』
ベルトルト『……』
ユミル『率直に聞くぞ。お前、アニのこと好きなんだろ?』
ベルトルト『ふぇっ!?』
ユミル『ぶっ、分かりやすい反応ありがとよ。
しかし盲点だったな、ベルトルさんからすれば大抵の女は背が低い』
ベルトルト『待って、それはライナーが勝手に言っただけで』
ユミル『疑ってない私らには否定しても良かったよな?』
ベルトルト『…それは、その…めんどくさかったというか』
ユミル『めんどくさい、ねぇ…』
ユミル『だったら何故、立体機動訓練の時に獲物譲ってるんだ?』
ベルトルト『!?』
ユミル『分かる奴には分かるんだよ。私だって
教官にバレないようにクリスタに譲ってるからな』
ベルトルト『……』
ユミル『で、どうなんだ』
ベルトルト『…何が望みなの』
ユミル『ほお…話が分かりやすくていい』
ベルトルト『ネタにされて騒がれるのは嫌なんだ。彼女もそうだろうから』
ユミル『そうだな。優等生のベルトルさんの色恋沙汰となりゃ、
放っておかない連中は多いだろうしな』
ベルトルト『……』
ユミル『ましてや、相手があのアニときたらね。
ま、私はその辺の話はどうでもいい』
ユミル『クリスタにも獲物を譲ってやって欲しいのさ』
ベルトルト『…え?』
ユミル『アニに譲るくらいならな。私一人では少し荷が重い』
ベルトルト『君はどうしてクリスタに…。
いや、これは聞かない方がいいかな』
ユミル『ああ。私もベルトルさんの事を聞かなきゃいけなくなる』
ユミル『ついでに他の訓練も教えて欲しいんだ。
直接でもいいし、私を通して間接的にでもいい』
ベルトルト『…注文多すぎない?』
ユミル『夜の散歩は危険が多いからな。
こないだ出くわしたフリして話しかけてるのを見かけたが、
付き合ってるわけでもないのに…守ってやってるんだろ』
ベルトルト『……』
ユミル『ベルトルさんが私と絡めば、クリスタとも接点がうまれる。
いつも世話になってるライナーに、少しは恩返しになるんじゃないか?
ま、手出しはさせねぇけどよ』
ベルトルト(ってことだったんだけど…ど、どうしよう)
アニ「ねぇ、どうなの」
ベルトルト「…見られたんだ」
アニ「は?」
ベルトルト「その…君と僕がいるとこ。話の内容は聞かれてない」
アニ「いつ?ってかそんな大事なこと、なんで黙ってたの」
ベルトルト「1週間くらい前だったかな…呼び出されて」
アニ「…何て答えたの」
ベルトルト(えっと………あ、いや、でもコレは…)
アニ「言いな」
ベルトルト「…怒らないでよ」
アニ「言ってみなよ」
ベルトルト「……付き合ってると言いました」
アニ「……………は?」
ベルトルト「黙っててもらう代わりに、訓練で色々教えることに…」
アニ「ちょっと、待って。私と、あんたが、付き合ってる?」
ベルトルト「う、うん…」
アニ「は……はァ!?」
ベルトルト「いや、その…同郷っていうと、黙ってる方がおかしいし…」
アニ「え、いや…だからって、それは…。ま、まぁ…それで、ユミルは?」
ベルトルト「信じた、みたい…その、僕らってこれまで色恋沙汰に
無縁だったから、ネタにされたくなけりゃ立体機動訓練で獲物を譲れって…」
アニ「そ、そう…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「その…」
アニ「まぁ…ユミルに何か言われたら、話あわせとくよ…」
ベルトルト「…ごめん」
アニ「いいよ、仕方ない。…にしても、あんたと、付き合ってる、か…」
ベルトルト「…アニ?」
アニ「あ、いや…どうせ聞かれるんだから考えとこうかなって」
ベルトルト「何を?」
アニ「…どういうところが、好き、とか」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…僕も考えとこ」
アニ「そうしな…絶対聞いてくるよ」
ベルトルト「うん…」
アニ「…ねぇ」
ベルトルト「ん?」
アニ「ちなみに、どう答えるつもり?」
ベルトルト「え…」
アニ「…参考までに」
ベルトルト「あ、うん…」
ベルトルト「えっと…優しい、とこ…?」
アニ「…私が?」
ベルトルト「うん。あと、強そうに見えて雷とか苦手なとことか、
守ってあげたくなるというか」
アニ「………」
ベルトルト「瞳がキレイなとことか…寝顔が可愛いとこ、と…か…」
アニ「………」
ベルトルト「………」
アニ「あんた…」
ベルトルト「聞かなかったことにして。というか、アニだってどう答えるのさ」
アニ「私、は…」
アニ「ヘタレで弱虫で臆病で、放っておけないから?」
ベルトルト「…ヘ、ヘタレ」
アニ「…優しすぎて傷つきやすい。私が見てないと泣くからね」
ベルトルト「…昔の話じゃない?」
アニ「今は?」
ベルトルト「泣くことはないと思うけど…」
アニ「ふーん…」
アニ「…人の気持ちが分かりすぎるから。だから人と関わろうとしてないんだろ」
ベルトルト「……」
アニ「目的のためだけど。ホントはすごい寂しがりやなのにね」
ベルトルト「お見通しだね…」
アニ「私は…少し、関わりすぎてるかもしれない。弱そうに見えて、強いよ、あんたは」
ベルトルト「………」
アニ「………」
ベルトルト「……ねぇ」
アニ「……うん」
ベルトルト「……好きだよ」
アニ「……私も」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「……っっっ」
ベルトルト「す…き……?」
アニ「……うん」
ベルトルト「あ……」
アニ「つき、あう…?」
ベルトルト「お、お願い…しま、す…?」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……ぷ」
ベルトルト「……はは」
アニ「なんかしてやられたな」
ベルトルト「うん?」
アニ「あんたに。いくらユミルに言われたからって」
ベルトルト「あ…その、話」
アニ「なに?」
ベルトルト「ホントは…僕が君のこと、好きなのがバレただけ、なんだ…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…騙した?」
ベルトルト「や、その…ってちょっと、首絞めないで、苦しいっ」
アニ「…ッ!し、知らないっ!私何も言ってないッ!」
ベルトルト「ちょ…待ってよ」
アニ「…離してよ」
ベルトルト「…いやだ。ちゃんと話がしたい」
アニ「ユミルには、あんたが私を好きってバレてるだけだ」
ベルトルト「…僕のことは」
アニ「…嫌いじゃない」
ベルトルト「……」
アニ「あぁもう。好きだよ、泣きそうな顔するんじゃないよ」
ベルトルト「…良かった」
アニ「…で、その…付き合うの?」
ベルトルト「僕は…そうしたい、けど…」
アニ「ネタにされるのはやだね…」
ベルトルト「うん…」
アニ「せっかく同郷なの黙ってるのに、任務に支障きたしたくないし…」
ベルトルト「うん…」
アニ「……」
ベルトルト「…ここで」
アニ「?」
ベルトルト「ここで、2人きりで会う時だけ、ってのは…だめ、かな」
アニ「ここで、だけ…?」
ベルトルト「うん…」
アニ「つまり…」
ベルトルト「他の人には秘密」
アニ「…ライナーは?」
ベルトルト「あ」
アニ「…言わなくていい。言っちゃだめだ」
ベルトルト「え、どうして?」
アニ「考えてみなよ、言ったところ」
モヤモヤ(想像)モヤモヤ
ライナー『へぇー、お前らがねぇ…』ニヤニヤ
ライナー『他人のフリしろって言ったのはアニだし、
お前も頷いたはずなんだけどなぁ』ニヤニヤ
ライナー『ま、任務に影響しなきゃいいんじゃねぇかぁ?』ニヤニヤ
ベルトルト「…なんかムカついた」
アニ「だろ?言わなくていい」
ベルトルト「そうだね。言わなくていいや…」
アニ「とりあえず…」
ベルトルト「その…よろしく」
アニ「…よろしく」
じ、次回に続く……
*食堂*
アニ「早くしなよ。食いっぱぐれる」
ミーナ「まってぇ…朝は弱いの…」
アニ「ったく…席空いてないじゃないか」
ミーナ「うそ?……あ、あそこ2人分空いてる」
アニ「どこ」
ミーナ「ほら、あそこ」
アニ「……」
ミーナ「あー、よかったー。朝ごはん食べないと力出ないからね」
ミーナ「おはよー。お邪魔するねー」
ハンナ「はーい」
アニ「…どうも」
ベルトルト「あ…うん」
ハンナ「フランツ、今日の訓練後なんだけど…」
ミーナ「おっ、デートのお誘い?」
ハンナ「もう、ミーナったら」
ミーナ「見せ付けてくれるねぇ、アニ?」
アニ「…は?ごめん、聞いてなかった」
ミーナ「この2人ったら、朝から訓練後の事考えててさー」
アニ「…そう。せいぜい怪我に気をつけるんだね」
「んだとテメェ」
「あ?やるか?」
ライナー「まーたおっぱじめやがった。元気な奴らだ」
ベルトルト「……」
ライナー「ん?どうかしたか?」
ベルトルト「いや、別に」
ライナー「…あぁ、なるほどな」
ベルトルト「…なに」
ライナー「いいや。俺はあいつら止めてくっから、お前はそこにいろ」
ベルトルト「どうして」
ライナー「怪我しちゃまずいだろ?」ニヤッ
ベルトルト「…はぁ」
ベルトルト(昨日の今日なわけで…)
アニ(何ドキドキしてんだよ、私…)
ベルトルト(冷静に、冷静に…)
アニ(バレちゃだめなんだから…)
ベルトルト(………)
アニ(………)
ベルトルト(机の下で手握るくらいなら大丈夫?って、何考えてるんだ僕は)
アニ(ちょっとくらい話しても平気?不自然じゃない?…ダメダメ、我慢しなきゃ)
ベルトルト(………)
アニ(………)
ベルトルト(あれ…これって…)
アニ(以前より…)
((辛いんだけど……?))
*そして訓練後、いつもの倉庫裏*
アニ「…なんでいるの」
ベルトルト「会えるかなって…」
アニ「そう。…隣、座るよ」
ベルトルト「うん」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…………」
アニ「…………」
「「……………はぁ」」
ベルトルト「…手、握っていい?」
アニ「ん…」
ベルトルト「わ、冷たい。寒いの?」
アニ「いや、元々。…あんたの手、温かいね」
ベルトルト「……」ギュ
アニ「……」
ベルトルト「今朝ね」
アニ「うん」
ベルトルト「手を握ろうと思ったんだ」
アニ「…そう」
ベルトルト「できなかったけど」
アニ「…うん。私も、話そうと思ってやめた」
ベルトルト「結構、辛いね」
アニ「そうだね」
ベルトルト「毎晩ここに来ることもできないし」
アニ「うん…今日はたまたま」
ベルトルト「良かった、会えて」
アニ「……うん」
アニ「…そろそろ」
ベルトルト「うん、戻ろう。温まった?」
アニ「ん…ありがと」
ベルトルト「…アニは毎晩散歩してるの?」
アニ「ミーナに捕まった時以外はね」
ベルトルト「そう…でも、危ないよ」
アニ「平気。私より強い奴なんていないし」
ベルトルト「複数人の場合とか」
アニ「…なんとかなる」
ベルトルト「できるだけ、宿舎に近いところにしてね、僕がいない時は」
アニ「はいはい…」
ベルトルト「………」
アニ「…心配しすぎだよ。今までもなんとかなったし」
ベルトルト「ただの仲間ってだけならね。
でも、その………か、彼氏、と、しては、やっぱり…」
アニ「………」
ベルトルト「………」
アニ「ばっ……か…ッ!」
ベルトルト「いたっ、足踏まないでよ」
アニ「帰る!あんたはもう少し頭冷やしてからにしな!」
ベルトルト「…照れてる?」
アニ「おやすみ!」
ベルトルト「…おやすみ」クスッ
オテテ繋ぐだけ。次回…多分土曜日。
せいぜいニヤニヤするといいさ…俺は投下して悶えるから。
今作は地の文もなけりゃ「」後にドキドキといった副詞系単語?も、
()での心情文も、あえてほとんど書かず必要最低限に抑えてる。
その分「……」が増えるが、好きに妄想して欲しいんだ。
では、投下。
*いつもの倉庫裏*
アニ「なんだ、いたの」
ベルトルト「なんだって何さ…」
アニ「いるかどうか分かんないんだもん。
いるって分かってたら、もう少し早く来るさ」
ベルトルト「あ……う、うん」
アニ「隣、座るよ」
アニ「でも、ここに来るまでいてるかどうか分からないってのもね。
宿舎近くだと分かるわけもないっていうか…」
ベルトルト「それ、ちょっと考えたんだ」
アニ「へぇ…聞かせてよ」
ベルトルト「僕が先に外に出てたら、目印を所定の場所に置いておく。
後から君がそれを見つけたら、ここに来る。…どう?」
アニ「目印と場所は?」
ベルトルト「これ。その辺に転がってた石だけど、少し形が特徴的でしょ?
場所は…宿舎出てすぐの階段、とか。帰るときに回収できるし」
アニ「…あんたにしては上出来なんじゃない」
ベルトルト「はは…いつもこういうの考えるのは、アニだったね」
アニ「まぁね。…ってかさ」
ベルトルト「なに?」
アニ「座っても、首痛いんだけど」
ベルトルト「…僕のせい?」
アニ「そう。無駄にでかいから」
ベルトルト「と言われても…」
アニ「ちょっと、胡坐かいてみてよ」
ベルトルト「…こう?」
アニ「そう、それで……よっと」
ベルトルト「わっ」
アニ「私が片膝に座る」
ベルトルト「……」
アニ「これで目線が同じになるね」
ベルトルト「……」
アニ「? なに?」
ベルトルト「…いや。久しぶりに、君のことちゃんと見れたから…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…ねぇ」
ベルトルト「…なに」
アニ「あんたさ、いつから、その…」
ベルトルト「……」
アニ「いつから、私のこと…」
ベルトルト「えっ…と…初めて、会った時から…?」
アニ「そ、そう…」
ベルトルト「瞳が、綺麗で…一目ぼれ、なのかな」
アニ「………」
ベルトルト「………」
アニ「…か、帰る」
ベルトルト「待ってよ、君は?」
アニ「そろそろ時間でしょ、帰らなきゃ」
ベルトルト「…照れてないで聞かせてよ、僕だって知りたい」
アニ「…ッ、……こ、ここ…入ってから」
ベルトルト「…話す機会なんてなかったよ」
アニ「…あんたが、他の女と話してるの見てから」
ベルトルト「……」
アニ「…なんか、嫌だったんだよ。それで、その…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…参ったよ。君ってば、ほんと可愛いんだもの」
アニ「…可愛くなんか」
ベルトルト「可愛いよ、君は」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「こ、この変態っ」
ベルトルト「じゃあ君はさらに変態?」
アニ「…なんで」
ベルトルト「変態の僕を好きなんでしょ?」
アニ「………」
ベルトルト「……」
アニ「もう…なんなの、さ…」
ベルトルト「や…可愛くて、つい」
アニ「帰るよ、ほんとに時間だし…」
ベルトルト「…うん」
アニ「また、ね」
ベルトルト「うん、また」
身長差を克服した。次回に続く。
*数週間後。夕食後の雑談*
コニー「なぁ、教えてくれよ。でかくなる方法」
フランツ「そう言われても…ねぇ?」
ベルトルト「うん…」
コニー「お前ら同期の中でダントツにでかいじゃないか」
フランツ「僕は両親共に身長あるから、体質じゃないかな」
ベルトルト「………僕も、かな」
コニー「なんだよ、やっぱ親が影響するのか?」
フランツ「身長に関しては遺伝が一番影響するんじゃ?」
コニー「遺伝って…だったら諦めろってことかよ」
フランツ「コニーのご両親は小柄なの?」
コニー「ああ。俺の親ってか、村のみんなだな」
フランツ「そっかぁ」
コニー「畜生、身長馬鹿にされたくねぇのに」
ベルトルト「…高すぎるのもどうかと思うよ」
コニー「そうなのか?」
ベルトルト「扉開けてくぐる時、頭ぶつけたりね」
フランツ「ああ!あるある!」
ベルトルト「教官室の扉」
フランツ「食堂の裏扉」
ベルトルト「地下食料庫」
フランツ「トイレの個室」
ベルトルト「……」
フランツ「……」
ベルトルト「あはは…」
フランツ「あるよねぇ」
フランツ「でも、一番困ったのはアレかなぁ…」
ベルトルト「なに?」
フランツ「…ハンナと、その…」
ベルトルト「…………」
コニー「ん?何に困ったんだ?」
ベルトルト「…さぁ。でも人から言われたことあるよ。
コニーも、僕らと話してて首が疲れない?」
コニー「あー、言われてみればそうだな」
ベルトルト「ね。高すぎて得することもないよ」
コニー「でもなぁ、もう少しは欲しいんだよ」
アルミン「どうしたの?何か困った顔してるけど」
フランツ「コニーがね、身長伸ばしたいんだって」
ベルトルト「それで僕らに…」
アルミン「…そ、そっか」
コニー「何かないのかよぉ」
アルミン「えーっと…僕ももう少し欲しいけど…」
コニー「だよな?」
アルミン「食事改善は期待できないし、睡眠を多くとってみるとか…」
コニー「でもアルミンは遅くまで本読んでるよな?」
アルミン「うん。ほんとは体のことを考えて、早く寝た方がいいんだけど」
フランツ「その努力が座学にいかされてるんだよ。身長だけが全てじゃないさ」
アルミン「…ありがとう、フランツ」
ミーナ「コニーが聞きたい男の相談って何なのかなぁ」
ハンナ「さぁ…でも、フランツと一緒にいるのは」
ミーナ「ベルトルトか……あー、分かったわ」
ハンナ「くすっ、でしょうねぇ」
アニ「…何」
ミーナ「大方、身長が~って言ってるんじゃないの?2人とも大きいし」
アニ「…そうだね」
ミーナ「でもさ、ベルトルトってあんな風に笑うんだね」
アニ「……」
ミーナ「前はもっと無表情のイメージだったんだけど…ね、アニ?」
アニ「さぁね」
ミーナ「彼の前に散っていった女子は数知れず…うーん、
でも惹かれるのも分からなくはないかなぁ」
アニ「…あんたも、気になるの?」
ミーナ「まっさか。私は自分の身分をわきまえてますよーだ」
アニ「…そう」
ミーナ「アニは?」
アニ「は?」
ミーナ「好きな人とか」
ハンナ「え、いるのっ?」
アニ「…いないって言ったろ」
ミーナ「前に聞いた時から時間経ったし」
アニ「…いない。興味もない」
ミーナ「ふぅーん」
アニ「……」
ミーナ「アニ可愛いのになぁ、勿体無い」
アニ「あんたまでそういうの」
ミーナ「ん…あんた、まで?誰かに言われたの?」
アニ「………ライナーに。可愛い身長して俺の巨体を投げ飛ばすんだからなって」
ミーナ「身長じゃないって。アニくらいの女子なんてその辺にもいるし
クリスタなんかもっと低いじゃない。そりゃ、ライナーからすれば低いけどさ」
アニ「……」
ミーナ「アニはね、もっと自信持つべきだよ。もちろん、女として」
アニ「…そうかい」
ミーナ「そうそう。で、気になる人は?」
アニ「しつこいよ」
ミーナ「もー、少しくらいいるんじゃないのー?」
アニ「いないもんはいないんだ。って、なんて顔だよ」
ミーナ「吐け、吐くんだぁ~!」
ハンナ「そうよ~、楽におなりなさいよ~」
アニ「や、やめっ……ぷっ」
フランツ「女子の意見と思ってハンナを呼ぼうとしたけど…」
アルミン「…とっても珍しいものを見た気がする」
コニー「ああ…」
ベルトルト「………」
アルミン「初めてみたや、アニの笑った顔」
コニー「だな…いつも無愛想で怒った顔してんのによ」
アルミン「いつもああだといいのにね。…ベルトルト?」
ベルトルト「…うん?」
アルミン「どうかしたの?」
ベルトルト「…いや。僕も初めてみたから、ビックリしただけ」
コニー「お前らたまに組んでるのにな、立体機動とかで」
ベルトルト「そうだね…」
フランツ「君とアニだったら…40cmくらい?身長差」
ベルトルト「…そう、かな」
アルミン「クリスタとだったら…50cm?」
コニー「まるで親子だな…」
ベルトルト「はは…正直、彼女達の表情は近くにいると確認できないよ」
フランツ「そうだねぇ…ハンナとは座って話してるからわかるけど」
ベルトルト「……へぇ」
コニー「あー……惚気か」
アルミン「まぁまぁ…」
フランツ「ふふ…ところで、コニー」
コニー「あ?」
フランツ「どうして身長なんていきなり言い出したの?」
コニー「…別に何でもいいだろ」
フランツ「誰かに何か言われたとか………サシャとか」
コニー「なっ…なんで芋女が出てくんだよ」
フランツ「なんとなく?」
コニー「まぁあいつのが身長たけぇしさ…
オレにもっと身長あったら、パン奪われずにすむのかなって」
フランツ「…ほんとにそれだけ?」
コニー「…それだけだよ。わりぃか?」
フランツ「いいや? ね、アルミン」
アルミン「は、はは…」
ベルトルト「えっと…じゃあ、僕は…」
コニー「おう、わりぃな」
アルミン「ほんとに好きなんだね」
ベルトルト「天気いいしね、よく見えると思う」
フランツ「今度、場所教えてよ」
ベルトルト「うーん…2人で見るには危ないよ」
フランツ「そっかぁ…ま、就寝時間には遅れないようにね」
ベルトルト「…君こそね」
フランツ「ごもっとも」
フランツはジャンが見上げるくらいの身長。1巻参照。次回に続く。
*倉庫裏*
ベルトルト「ほら、あそこ。あの辺りで一番明るいやつ」
アニ「…あそこ?」
ベルトルト「うん。レグルスって言う星。しし座の中で一番明るいんだ」
アニ「…へぇ」
ベルトルト「この星ね、昔の言葉で…
『小さな王』とか『獅子の心臓』って呼ばれてるんだ」
アニ「……」
ベルトルト「…君と、同じだね」
アニ「……」
ベルトルト「外に出る理由づけとして、天体観測を趣味にしようと思って」
アニ「…それで」
ベルトルト「本を見てるうちに、ほんとにはまっちゃったけど。
星の意味調べてたら、そう、出てきて…真っ先に君のことが」
アニ「……」
ベルトルト「その…君の心臓は、僕が、守る、から…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…守られるほど、弱くはないつもりだけど」
ベルトルト「うん…」
アニ「…そんな機会、あったら嫌だけど」
ベルトルト「……」
アニ「…私だって、あんたのこと守る、から」
ベルトルト「……うん」
ぎゅっ
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…ドキドキしすぎじゃない」
ベルトルト「…君も」
アニ「あんたのが速い」
ベルトルト「そ、そうかな」
アニ「心臓、痛くない?」
ベルトルト「…ちょっと。でも、離したくない」
アニ「…そう」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…さっき、君の笑顔見たんだ」
アニ「…私も、あんたの見た」
ベルトルト「多分…普段の表情…感情、が、緩んできてる」
アニ「うん…」
ベルトルト「良くないことだと思う。でも…離したく、ない」
アニ「……」ギュ…
ベルトルト「気を、つけよう」
アニ「……うん」
ベルトルト「………」
アニ「………」
ベルトルト「………」
アニ「…ねぇ、そろそろ」
ベルトルト「うん…」
アニ「…行かなきゃ」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「!…――」
ベルトルト「………」
アニ「………ぁ」
ベルトルト「…ごめん、抑え、きれなくて」
アニ「……ゃ」
ベルトルト「……」
アニ「嫌、じゃ……なかった、から…」
ベルトルト「……ん」
アニ「………」
ベルトルト「………」
アニ「…かえろ」
ベルトルト「……」
アニ「一緒にさ…故郷に」
ベルトルト「…うん」
アニ「だから、今は…」
ベルトルト「……」
アニ「泣くんじゃないって」
ベルトルト「…泣いてないよ」
アニ「…そう。落ち着いたら、ちゃんと戻るんだよ。先、行くから」
ベルトルト「…点呼までには、戻る」
アニ「ん…じゃぁ、また」
ベルトルト「…また、ね」
俺はお前らの妄想を刺激したい。次回…多分火曜日に続く。
いつかレグルスネタを使いたかったんだ…!誰かが使わないかずっとヒヤヒヤしてた。
でもしし座と言えばライナー、その心臓がアニってライアニ書くとしたら使えたのは秘密。
…ところで、この二人はどこまで進展すれば良いかな。
*対人格闘訓練*
エレン「うわっ」
アニ「……」
エレン「くっそ…お前といいミカサといい、強すぎんだよ」
アニ「いい加減諦めたら?」
エレン「誰が。勝てるまで挑戦するに決まってるだろ」
アニ「はぁ…」
エレン「…なぁ」
アニ「なに」
エレン「苦手な相手とかいないのか?」
アニ「…どうして」
エレン「対人格闘で。お前に苦手な奴がいるなら、そいつの動きを参考にだな」
アニ「…いないことはないけど。参考にならないと思うよ」
エレン「本当かっ!? 誰なんだ」
アニ「…ベルトルト」
エレン「ベルトルト?」
アニ「リーチが、長すぎる」
エレン「あー……」
アニ「ライナー辺りまでならなんとかなる。けど、あいつは…」
エレン「組んだことあるけど、確かに身長ある分リーチあってやりづらかったな」
アニ「だろ。だからあんたの参考にはならない」
エレン「うーん…つまり、懐に入りにくいってことか?」
アニ「…そういうこと」
エレン「懐に入られなきゃ、アニの技も防げる?」
アニ「…さぁね」
エレン「でも近寄らなきゃ倒せないしなぁ」
アニ「分かったらちゃんと技を覚えたらどうなんだい」
エレン「くっそ…もう1回だ!」
アニ「……フ」
ユミル「…訓練中に余所見とは、随分舐められたもんだな」
ベルトルト「そうかな。君だって、本気出してないでしょ」
ユミル「さぁ、なっ!」
ベルトルト「っ…どこに隠し持ってたの」
ユミル「ベルトルさんが規格外なんだよ。規格外の敵には不意打ちも必要だろ?」
ベルトルト「いきなり短刀突き出されたら驚くよ…」
ユミル「といいつつ、ちゃっかり避けてるじゃねぇか」
ベルトルト「はぁ…こないだ2体譲ったじゃない」
ユミル「それとこれとは別だ。自分より強い相手を
いかに負かすかの実験に付き合ってもらう」
ベルトルト「またクリスタの為? 覚えて教えるっていうの?」
ユミル「まぁそんなところだ」
ベルトルト「……」
ユミル「不思議そうだな。聞かないのか?」
ベルトルト「聞いたらこっちのことも聞かれる。そうでしょ」
ユミル「その通り。平和な訓練生活を送りたかったら黙って付き合えよ」
ベルトルト「君に目をつけられたのは僕の不覚だ」
ユミル「利用できるもんは利用しねぇとな」
ベルトルト「…その通り、かな」
ユミル「っ!」
ベルトルト「…君、短刀の処理はうまいけど、攻撃するのは慣れてないよね」
ユミル「チッ…その図体でどうすりゃそんなに素早く動けるんだよ」
ベルトルト「いつもこう動けたらいいんだけど」
ユミル「…何の話だ」
ベルトルト「なんでも。手、貸そうか」
ユミル「そりゃどうもっ!」パシッ
ベルトルト「いたっ」
カンカンカン…
ユミル「…終わりだな」
ベルトルト「…そうだね」
ユミル「次は3体な」
ベルトルト「増えてるよ」
ユミル「女にしりもちつけさせた罰ってやつだ」
ベルトルト「はぁ…都合のいい"女"だね」
ユミル「利用できるもんは利用する」
ベルトルト「だったら最初から女であることを武器にしたら?」
ユミル「私みたいなクソ女を誰が相手にするってんだよ」
ベルトルト「…そこまで卑下しなくてもいいと思うけど。
使えるものは使うんでしょ?」
ユミル「……」
ベルトルト「何のためかは知らないけど、
守りたい人の為に何でも利用するって考えは、否定しない」
ユミル「………」
ベルトルト「…僕は、弱いけど。でも守ってみせる。
君が邪魔するってなら、容赦はしない」
ユミル「…ハッ、情熱的だね」
ベルトルト「……」
ユミル「お互い守りたいものがある。それの為なら神にすら逆らうか?」
ベルトルト「……」
ユミル「いいだろう、悪くない。お前に遠慮するのはやめよう」
ベルトルト「…手、貸すよ」
ユミル「…2体で許しておいてやる」
ベルトルト「それはどうも」
エレン「ってぇ…」
アニ「……」
エレン「余所見してるからいけると思ったのによ…」
アニ「甘いよ。挙動全てに無駄が多すぎる」
エレン「無駄ってなんだよ…」
アニ「自分で考えな」
エレン「何、怒って…おいっ」
アニ「……」
*数日後、倉庫裏*
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…怒ってる?」
アニ「別に」
ベルトルト「…怒ってるよね」
アニ「怒ってない」
ベルトルト「何か、した…かな…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…噂になってる」
ベルトルト「噂?」
アニ「あんたと、ユミル。仲、いいから」
ベルトルト「それ、は…」
アニ「私を守るため、なんでしょ」
ベルトルト「うん。僕が君のことを好きなのを言いふらさないために」
アニ「…にしては、仲いいよね」
ベルトルト「…なにそれ」
アニ「こないだだって、対人格闘で手を差し伸べてさ」
ベルトルト「誰だってするでしょ…」
アニ「……」
ベルトルト「それを言うなら、君だって」
アニ「…なに」
ベルトルト「エレンと楽しそうに訓練してるじゃないか」
アニ「私は、暇つぶしに付き合ってるだけだ」
ベルトルト「その割には楽しそうに、笑ってたよね」
アニ「…何が言いたいの?」
ベルトルト「別に。感情移入させすぎなきゃいいんじゃない」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「だいたい、なんで私なんか好きになったの」
ベルトルト「…なっ」
アニ「ライナーのこと色々言っておきながら、
あんたが一番任務のこと忘れてるんじゃない」
ベルトルト「………」
アニ「戦士なら戦士らしく、感情をコントロールしなよ」
ベルトルト「…君が、言う?」
アニ「……」
ベルトルト「エレンだけじゃないよね。ミーナやハンナ、サシャやコニー」
アニ「……」
ベルトルト「興味ないフリしながら、心許してるよね」
アニ「そんなことない」
ベルトルト「そうかな」
アニ「でもユミルの件は、あんたが悪いんじゃない。隙があったから」
ベルトルト「……」
アニ「私は、ぼろ出してない」
ベルトルト「…そう」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…私、」
ベルトルト「…ごめん。帰るよ。ちょっと頭冷やしたい」
アニ「……」
ベルトルト「…じゃあ」
アニ「…うん」
アニ「何、やってんだよ、私……」
あるある喧嘩。次回に続く。
*男子寮*
ライナー「なぁ、ベルトルトしらねぇか?」
マルコ「ベルトルトなら、もう休んでると思うけど…」
ライナー「なんだ、またか」
マルコ「最近ずっとだね。ここんとこ毎日のようにしてた
天体観測もしてないみたいだし、何か…悩みでもあるのかな」
ライナー「ふーむ…」
ライナー「起きてるか」
ベルトルト「…なに」
ライナー「調子でも悪いのか?最近元気ないが」
ベルトルト「…別に」
ライナー「何かあったのか」
ベルトルト「……アニと、喧嘩しただけ」
ライナー「………んんんん?」
ベルトルト「ほっといて。僕は寝るから」
ライナー「ほっとけるか!ちょっと来い、外に出るぞ」
ベルトルト「…行きたくない」
ライナー「命令だ、行くぞ」
ベルトルト「………」
*宿舎裏*
ライナー「で、何で喧嘩した」
ベルトルト「ほんの些細なことだよ。大丈夫、任務には影響させない」
ライナー「…その様子だと、些細なことには見えんが」
ベルトルト「………」
ライナー「話してみろ」
ベルトルト「…君も聞いたことあるんじゃない。僕とユミルの噂」
ライナー「アレか。でもそういうわけじゃないんだろ?」
ベルトルト「うん…成績上位って、少しでも仲良いと噂されるね」
ライナー「まぁそうだな。何が何でも10位内に入りたい奴らにとって
上位陣を引きずり落とすネタがあれば何でも使いたいんだろ」
ベルトルト「…それをね、アニに言われたんだ」
ライナー「……」
ベルトルト「そういうつもりはなかったんだけど。勘のいいユミルを
僕が引きうけ続ければ、君たちに危害は加えないだろうし
クリスタにも近づける。クリスタは、重要人物だから…」
ライナー「…ああ」
ベルトルト「でも…そうだとしても、彼女のクリスタへの姿勢に
少しばかり共感してしまった部分も、確かにある」
ライナー「……」
ベルトルト「それだけじゃない。他にも、僕は…
だんだん、自分が何を優先しているか分からないことが、あって」
ライナー「…ベルトルト」
ベルトルト「ごめん。ライナーの方が辛いのに。
みんなのこと任せて、思うこと色々あるだろうに」
ライナー「…俺、は……」
ベルトルト「それで言われたんだ。任務のこと忘れてないかって」
ライナー「……」
ベルトルト「…売り言葉に買い言葉で、アニもそうじゃないかって…言っちゃって」
ライナー「……」
ベルトルト「…それで喧嘩したんだ。でも、その通りかもしれない…
だから少し頭冷やそうと思って……大丈夫、任務は、忘れてないから」
ライナー「…そうか」
ベルトルト「うん…ごめん、心配かけたよね」
ライナー「いや…それでアニは」
ベルトルト「…わからない。あれから話してないから」
ライナー「ふむ…てか、お前らいつ話したんだ」
ベルトルト「…え」
ライナー「報告会は2週間前に2人でやったんだろ。
お前が凹みだしたのは、ここ数日だと記憶してるが…」
ベルトルト「あ…ああ、たまたま、外で、会って…」
ライナー「ほぅ」
ベルトルト「星空、眺めに…外に、出た時に」
ライナー「………」
ベルトルト「………」
ライナー「なるほど、な。星空ねぇ」
ベルトルト「な、なに」
ライナー「よっぽど好きなんだな、お前」
ベルトルト「な、なんのこと」
ライナー「まぁいい。アニには謝っておけよ。星空見にいくついでに、な」
ベルトルト「う、うん…そう、する…」
*一方、女子寮*
アニ「………」
ミーナ「アーニ?元気ないねぇ」
アニ「…別に」
ミーナ「何かあったの?」
アニ「…何もない」
ミーナ「散歩にも行かないし」
アニ「………」
ミーナ「どうしたのさー」
アニ「…猫」
ミーナ「ん?」
アニ「…猫が、いたんだ。夜に散歩してたら」
ミーナ「え、こんなとこに?」
アニ「うん」
ミーナ「もしかして、餌付けしてたの?」
アニ「…それはしてない。でも…撫でたり、した」
ミーナ「……」
アニ「帰ろうとしたら、ついてこようとしたから…」
ミーナ「……」
アニ「教官や…他の奴らにバレたら、色々めんどうだし。
何より、これまでやってきたことが無駄になるから」
ミーナ「うん…」
アニ「…突き放してしまったんだ。ひどいこと言って」
ミーナ「……」
アニ「悪いことしたと、思って…何度か様子見に行ったんだけど、いなくて」
ミーナ「…そっか」
アニ「うん…」
アニ「…嫌われた、かな。あいつが悪いわけじゃないのに」
ミーナ「ねぇ、その猫どんな猫?一緒に探そうよ」
アニ「いいよ。会えたところで、私がしてあげられることなんてないから」
ミーナ「でも…」
アニ「訓練の方が大事だろ。それに…
あんたには懐きそうにないし、探すなら私一人でやる」
ミーナ「えー、なにそれ」
アニ「変な猫なんだよ。ずっと遠くから眺めててさ。
ようやく、触れたと思ったとこ、だったんだけど…」
ミーナ「触りだしたら、ものすごい甘えてきたとか?」
アニ「まぁ…そう、かな」
ミーナ「えー、いいなー、可愛いじゃん。私も触りたい」
アニ「あんたには無理だって」
ミーナ「でも、その猫ちゃんどこいったんだろうね」
アニ「……」
ミーナ「ずっと遠くからアニのこと見てたの?」
アニ「…うん」
ミーナ「構ってもらえて、うれしかったんだろうなぁ」
アニ「……」
ミーナ「仲直り、したい?」
アニ「…かもね」
ミーナ「………よし!」
アニ「待って。あんたのソレは、何か嫌な予感しかしない」
ミーナ「確かここに…」
アニ「………」
ミーナ「じゃーーん!」
アニ「…干し肉?…ではないね」
ミーナ「川魚のすり身と豚肉を混ぜて練ってあるの。
この前の休みの日に、サシャと出かけまして…その戦利品!
夜にお腹が空いた時ように買ってあったの忘れてたわ」
アニ「まさか…」
ミーナ「これを猫ちゃんにあげて!」
アニ「餌付けじゃないか…野良猫に餌付けはよくないよ」
ミーナ「そうだけど…」
アニ「気持ちだけでいいよ。これは私の問題だからね」
ミーナ「うう…」
アニ「…ありがと。少しは気がまぎれた。なんとかしてみる」
ミーナ「あーにー」
アニ「…なんだい」
ミーナ「それまでは私が撫でられてあげよう」
アニ「………は?」
ミーナ「ほらっ、はやくはやく」
アニ「…馬鹿だろ、あんた」
ミーナ「ほらほら」
アニ「ったく…」
ミーナ「………アニの撫で撫でいただきましたーっ!」
ハンナ「ちょ、ちょっとミーナ、いきなり大きな声出さないでよ…」
ミーナ「ごっめーん」
アニ「…ほんと、馬鹿だよ」
任務>恋愛、一応。次回に続く。
俺は長身差+他人に絶対バレちゃいけない関係を妄想したいだけ。それだけ。
*翌日。対人格闘訓練*
エレン「よう、久々にやろうぜ」
ベルトルト「…アニとやらないの」
エレン「んー、たまには別の奴ともやった方が癖がつかなくていいかなって」
ベルトルト「…そ。いいよ、やろうか」
エレン「うっし!」
*
エレン「おっと、あぶねあぶね…」
ベルトルト「流石だね、今の避けられるとは思わなかった」
エレン「しかし、ほんとリーチ長くてやりづらいな…」
ベルトルト「そうかな」
エレン「アニにはもう少しってところでひっくり返されるけどよ」
ベルトルト「……」
エレン「そいや、お前ら対人格闘で組んでるの見たことないな」
ベルトルト「…彼女、立体機動以外あまり興味ないんじゃないの」
エレン「あ、でもこないだ言ってたけど」
ベルトルト「…なに?」
エレン「お前はリーチが長すぎるから苦手だって」
ベルトルト「…そう」
エレン「懐に入れないから投げ飛ばしにくいし…」
ベルトルト「……」
エレン「意外と力もあるしなぁ」
ベルトルト「…なんか嫌われてそうだね」
エレン「そうか?てっきり認めてるんだと思ったんだが」
ベルトルト「彼女が?」
エレン「ああ。あいつ負けず嫌いだろ?それでお前と組んで、
負けるとこ他の奴らに見せたくないから組まないんだとばかり」
ベルトルト「……」
エレン「あれ、でも…組んでないのに、なんで苦手って言ったんだ」
ベルトルト「…さぁ」
エレン「組まなくてもわかるってことなのか、アニくらいになると」
ベルトルト「…そうなんじゃない」
エレン「くっそー…よし、まずはお前を倒す!」
ベルトルト「…それは、難しいな」
エレン「ん?」
ベルトルト「僕も負けず嫌いだからね」
エレン「へへ、いい勝負が出来そうだなっ」
*
ユミル「…よう」
アニ「…どうも」
ユミル「暇なら相手してくれよ。教官の巡回がそろそろこっちに来る」
アニ「いつも通り、あいつと組んだらどうなんだい」
ユミル「それが、死に急ぎ野郎が珍しく掻っ攫っていったんでな」
アニ「……」
ユミル「それとも、私が相手じゃ物足りないか?」
アニ「…いいよ。ただ、手加減しない」
ユミル「そっくりそのまま、返してやるよっ!」
アニ「っ!」
ユミル「おっ。お前には効くんだ」
アニ「……」
ユミル「ベルトルさんは避けたんだが」
アニ「…私は、あいつほど距離取って戦えないから」
ユミル「へぇ…よく見てるな」
アニ「一般論だよ。リーチが長けりゃ、間も遠くていい」
ユミル「一般論、ねぇ」
アニ「おかしい?」
ユミル「いいや。でもそれが癖になってるな、ベルトルさんは」
アニ「……」
ユミル「人と間をおいて、遠くから眺める癖がある」
アニ「…噂は本当なんだ。よく見てる」
ユミル「ああ、あれはただの噂だ。私らはそんな関係じゃない」
アニ「……」
ユミル「お互い守りたいものがあってな。そのために共闘してるだけだ」
アニ「…そう」
ユミル「でも…そんなに守りたいなら、ちゃんと懐に入れとけって思うんだが」
アニ「……」
ユミル「おっと、教官が来るな」
アニ「今度は私から行かせてもらうよ…!」
ユミル「わっ、っとと……え、っっってぇ!」
アニ「…大げさな」
ユミル「避けたと思ったら、横からなんつー蹴りだよ…いつつ」
アニ「……」
ユミル「…手くらい貸してくれてもいいんじゃねぇの」
アニ「なんでそんなこと。あいつじゃあるまいし」
ユミル「…へぇ」
アニ「…なに?」
ユミル「あいつが手を差し伸べたのはあの時だけなんだが」
アニ「…たまたま目に入っただけさ。でかいから目につく」
ユミル「誰もベルトルさんとは言ってないんだが?」
アニ「……」
ユミル「なぁ」
アニ「なにさ」
ユミル「気づいてんじゃねーの?」
アニ「…なにに」
ユミル「…ククッ。あー、分かってきたぞ」
アニ「……」
ユミル「お前、意外と可愛いな?」
アニ「なっ」
ユミル「ぶっ。あー、なるほどなぁ」
アニ「ッ…なん、なんだ、あんたはっ!」
ユミル「クククッ、確かにこれは守りたくなるかもな」
アニ「…なんの、話……」
ユミル「いいや。まぁ…話変わるんだが、
最近とある友人が元気なくってな。何があったかしらねぇが」
アニ「……」
ユミル「そんな時に優しく声かけてくる人がいたら、
心変わりもしちまったりしねぇかなーって心配でよぉ」
アニ「…そう」
ユミル「ずーーっと想い続けてる子がいるくさいんだがなぁ」
アニ「……」
ユミル「ま、私なんかが心配しても仕方ねぇが」
アニ「全くだね。それを私に言うのも関係ない」
ユミル「ただの独り言さ」
アニ「…で、訓練続けるの」
ユミル「いいや。お前の蹴りが怖くなった」
アニ「そう。じゃ、私は行くから」
ユミル「ああ」
*数日後の夜、男子寮*
マルコ「ベルトルトは、また寝てるの?」
ライナー「ああ。悩み事は大したことじゃなかったが
ずっと雨降ってて外に行けないだけみたいだな」
マルコ「そう、良かった。…チェックメイト」
ライナー「ん?! 馬鹿な、そんなわけ…」
マルコ「悪いね、ライナー」
ライナー「ううむ…」
アルミン「またマルコの勝ち?」
ライナー「ああ」
マルコ「ライナーの手は素直で読みやすいから。君のと違って」
アルミン「それって僕が素直じゃないってこと?」
マルコ「褒めてるんだよ?」
アルミン「へぇ…じゃぁ、ひと勝負お願いしようかな」
マルコ「はは…お手柔らかにね」
*同日、女子寮*
アニ「………」
ミーナ「アニも話に混ざろうよー」
アニ「……いい」
ミーナ「もぅ…」
ユミル「なんだ、あいつまた寝てんのか」
ミーナ「もう1週間だよ」
ユミル「…雨、この調子だと明日も降るな」
ミーナ「うん…猫ちゃんとはやく仲直りできるといいんだけど」
ユミル「猫?」
ミーナ「あっ」
ユミル「へぇー…こっそり猫飼ってたのか」
ミーナ「いいえ、うちの可愛いアニ猫のことですっ」
ユミル「しらばっくれるな。お前ら仲違いなんかしてないだろ」
ミーナ「うう…」
ユミル「で、その猫が逃げたのか?」
ミーナ「逃げたんじゃなくて…アニが追い払った、みたい」
ユミル「………なるほどねぇ」
ユミル「おい、アニ。起きてんだろ」
アニ「…うるさいね」
ユミル「明日なんだが、私の朝の当番、代わってくれよ」
アニ「なんで…」
ユミル「来週のお前の分、2回代わってやるから」
アニ「…何を企んでるの」
ユミル「朝から支度して、クリスタと出かけたくてなぁ」
アニ「……」
ユミル「頼むよ?他に聞いたが既に予定埋まっててよ。お前しかいないんだ」
アニ「…今週の当番って、何」
ユミル「んー、地下食料庫の掃除」
アニ「…来週3回。私の倉庫掃除」
ユミル「へいへい、それでいいや。頼んだぜ」
アニ「寝るから。おやすみ」
ユミル「おやすみ。明日遅れるなよ~」
アニ「……」
今日は早く帰れて書く時間が取れたので2回目の投下。
…次回は糖分注意報発令しておこう。そして300以下になったので一回上げておく。
*朝、地下食料庫*
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…えっと」
アニ「ユミルが。代わってくれ、って」
ベルトルト「そ、そうなんだ」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「あ、あの…」
アニ「掃除」
ベルトルト「……」
アニ「掃除、しよう」
ベルトルト「…うん」
アニ「モップで、床拭けばいいんだよね」
ベルトルト「うん…」
アニ「あんたは、そっちお願い」
ベルトルト「ん…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
「「あの…」」
ベルトルト「…えっ、っと」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…ごめん」
ベルトルト「え…」
アニ「ごめん…私、あんたにひどいこと言った。
私の方こそ、戦士から外れてきてたのに」
ベルトルト「いや…君の言うことは間違ってないよ。
任務のこと…疎かに、してたと思うし…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…ねぇ」
ベルトルト「…うん」
アニ「誰か、来てる」
ベルトルト「うん、複数人。階段下りてくる」
アニ「おかしいな…当番はあんたとユミルだったんだよね」
ベルトルト「そのはずなんだけど。…掃除、してようか」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……扉前」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「……」
バタンッ!! カチッ
アニ「……え」
ベルトルト「…っ!」
アニ「なっ、鍵!?」
ベルトルト「くっ!」
「ちょっと!ユミルじゃないじゃない!」
「知るかよ!アニでもいいだろ!」
「声大きいよ。さぁ、とっとと帰ろう」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…参ったね」
ベルトルト「うん…」
アニ「身に覚えは?」
ベルトルト「さぁ…」
アニ「ま、何がしたいかわかるけど」
ベルトルト「……」
アニ「男女二人を密室に閉じ込めて」
ベルトルト「成績上位陣を2人とも開拓地へ、か…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「舐めた真似してくれる、と言いたいとこだけど」
ベルトルト「…うん」
アニ「へ、変なこと考えないでよね」
ベルトルト「……」
アニ「…ちょっと」
ベルトルト「これ、いつ開くんだろ」
アニ「ん?」
ベルトルト「今、朝の8時だよね…そこから、いつまで?」
アニ「…さぁ。誰かが気づくまで、だろうけど」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「今日は休日だ。雨が降ってるとはいえ、外に出てる人も多い」
アニ「そうだね」
ベルトルト「掃除終えて、外に出てるって思われても不思議じゃない、よね…」
アニ「うん…」
ベルトルト「……」
アニ「最悪、点呼まで、か…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…えっと」
アニ「……近寄らないで」
ベルトルト「…う、うん」
アニ「掃除、もういいでしょ…無駄な体力使わない方がいい」
ベルトルト「そうだね…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「私、あっち座るから。あんたここね」
ベルトルト「あ、待って」
アニ「…なに」
ベルトルト「ランタン、分けて使おう。2つとも使うと勿体無い」
アニ「…じゃぁ、あんたのから」
ベルトルト「…真ん中に、置いとくね」
アニ「うん…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「………」
アニ「………」
ベルトルト「…ねぇ」
アニ「…なに」
ベルトルト「さっきの、続きなんだけど」
アニ「……」
ベルトルト「やっぱり、任務が一番大切なんだ」
アニ「…うん」
ベルトルト「でも…」
ベルトルト「それと同じくらい、君のことが、大切。好きみたい」
アニ「……」
ベルトルト「ずっと傍にいたい。離れたくない。
でも任務のことがあるから、それはできない」
アニ「……」
ベルトルト「…君は、どう思ってる?」
アニ「私は…」
アニ「私も、そうだよ。あんたのことは好きだし、一緒にいたい。
でも任務を最優先で考えなきゃ、自分を許せない」
ベルトルト「うん…」
アニ「どうすればいいのか、わからない」
ベルトルト「そうだね…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…寒い」
ベルトルト「冬も近いしね…」
アニ「うん…」
ベルトルト「上着、貸そうか」
アニ「なんで?」
ベルトルト「寒いの苦手でしょ」
アニ「そうだけど…」
ベルトルト「もしくは、こっちくる?」
アニ「……」
ベルトルト「…何もしない、って言い切れないけど」
アニ「任務優先じゃなかったっけ」
ベルトルト「それが出来てれば、喧嘩もしてないと思うよ」
アニ「そうだね…その通りだ。お互い」
ベルトルト「ほんとは、今すぐにでも抱きしめたいんだけど」
アニ「一応、任務優先なんだ」
ベルトルト「うん…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……」
コツコツコツ…
ベルトルト「……」
アニ「…何かしたら、蹴り上げるから」
ベルトルト「ん…」
ぽふっ
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…あったかい」
ベルトルト「うん…」
ぎゅぅ
アニ「…あんた、病気じゃないよね」
ベルトルト「病気だと思うよ。よく言うじゃない」
アニ「そう…」
ベルトルト「こんな幸せな病気なら、いつでもかかってたいけど」
アニ「…馬鹿だね」
ベルトルト「馬鹿でもひく風邪かな。うつるし」
アニ「うつ、る…?」
ベルトルト「ん…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「………」
ベルトルト「…うつ、った?」
アニ「……うん」
ベルトルト「もう少し、しても…?」
アニ「ん…」
ベルトルト「……」
アニ「……んっ」
ベルトルト「……」
アニ「…っ、……」
ベルトルト「………」
アニ「ぁ、ふ…っ」
ベルトルト「…は、ぁ」
アニ「…ぁ、はぁ」
ベルトルト「…まずいな、だめかも」
アニ「…ん、やめ、とこ」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ぎゅっ
ベルトルト「…アニ、顔熱い」
アニ「あんたが…したんだろ」
ベルトルト「うん…」
アニ「なんか、ふわふわする」
ベルトルト「そう、だね」
アニ「少し…寝て、いい?」
ベルトルト「ん?」
アニ「ここで。あんたの腕の中で」
ベルトルト「…いいけど」
アニ「これ以上は、何もしないだろ? あんたは戦士だ」
ベルトルト「…それ言われるとできないね」
アニ「ふふ…」
ベルトルト「眠いの?」
アニ「うん…最近、あまり…眠れてなかった、から」
ベルトルト「…僕も。あれこれ考えちゃって」
アニ「…あったかいから。少し、眠らせて」
ベルトルト「ん…上着、使って」
アニ「あんたは?」
ベルトルト「君があったかいから、いいや」
アニ「…そう」
ベルトルト「おやすみ、アニ」
アニ「…おやすみ」
いくらクソ甘ベルアニをお題としてても、俺は何書いてんだろ状態。次回に続く。
行くとこまで行くよ、もう…
*立体機動訓練*
ユミル「復帰おめでとさん」
ベルトルト「…ありがと」
ユミル「しかし大した精神力だな」
ベルトルト「……」
ユミル「好きな女を半日抱きかかえて、手を出さないってのは」
ベルトルト「…もういいでしょ、その話は」
ユミル「いいや、するね。夕方に出先から帰ってきた私があいつの不在に気づいて
ライナーにお前のこと聞いて、救出してやったんだからよ」
ベルトルト「…はぁ」
ユミル「あの時のライナーも見ものだったなぁ。
血相変えてたあたり、今回ばかりはお前も手を出したと思ったんだろうよ」
ベルトルト「出すわけないでしょ…」
ユミル「そうか?普通だったら出すぞ」
ベルトルト「せっかくここまできたのに…」
ユミル「でもまぁ、あんなとこに放置されたもんだから
お前ら熱出して医務室に行くハメになったしな」
ベルトルト「日ごろの疲れが溜まってたんだよ…寒かったし」
ユミル「それでも上着をあいつに貸してたお前は偉い。褒めてやる」
ベルトルト「…どうも」
ユミル「ま、あいつのが熱高くて意識朦朧としてたからな」
ベルトルト「誰のせいだと」
ユミル「私のせいだろ? 代わってもらってなけりゃ、
ベルトルさんと仲良く抱き合ってたのは私だったんだろうからな」
ベルトルト「……」
ユミル「それは悪かったと思ってる。でもまさか、
あんなことする奴がホントにいるとはねぇ」
ベルトルト「その…彼女達、って」
ユミル「お前に振られた女と、私やアニが蹴落とした女と、
上位を狙い続けてた男達、ってところだな」
ベルトルト「……」
ベルトルト「この件を知ってるのは、居合わせた人間だけだ。
それはいいんだけど…」
ユミル「ああ。ホントなら10体と言ってやりたいとこだが、
5体で許しておいてやるよ」
ベルトルト「多くない?」
ユミル「体調がまだ戻ってなくて、とでも言えよ。
それとも何か? 幸運を呼ぶ女神に逆らうか?」
ベルトルト「…君は悪魔にしか見えない」
ユミル「ダハハハハ!悪魔か、そりゃいいな」
ベルトルト「まぁ…いいよ、5体」
ユミル「お?」
ベルトルト「おかげでスッキリしたし」
ユミル「…へぇ、結論出したのか」
ベルトルト「うん。彼女が僕のことをどう思ってても
僕の気持ちには変わりないから」
ユミル「なんだ、何も伝えなかったのか?」
ベルトルト「悪い?」
ユミル「……ガッカリだぜ、ベルトルさん」
ベルトルト「訓練兵の間は、ね」
ユミル「ほぅ」
ベルトルト「憲兵団に入ったら考えるよ」
ユミル「余裕で羨ましいことだ」
ベルトルト「嫌われてはなさそうだし」
ユミル「…やっぱ10体にしようか」
ベルトルト「5体。これ以上はないよ」
ユミル「ケッ。…一つ聞くが」
ベルトルト「なに?」
ユミル「もし、私と閉じ込められてたらどうした?」
ベルトルト「扉蹴破って、外に出たかな」
ユミル「即答どうも。そこで抱いてたって言ったら
お前のキンタマ蹴り上げてたところだ」
ベルトルト「…やっぱり悪魔だよ、君」
ユミル「じゃぁその悪魔さんと一緒に、天使のために頑張ろうか」
ミーナ「……」
アニ「どうしたの」
ミーナ「ほんっと、ベルトルトにはガッカリだよ」
アニ「まだ言ってるの」
ミーナ「こんっな可愛い子に見向きもしないで、
あんな風にユミルと仲良くしてるだなんてさー」
アニ「はぁ」
ミーナ「やっぱ、ユミルと付き合ってるのかなぁ」
アニ「どうでもいい」
ミーナ「それはともかく!」
アニ「…なに」
ミーナ「男の人の腕の中って、どんな感じなのっ」
アニ「…覚えてないね。
熱で意識ほとんどなかったし、それまでは別々に座ってたし」
ミーナ「ちょっとはドキドキした?」
アニ「ない。熱で苦しかっただけ」
ミーナ「はぁー…」
アニ「なんであんたが残念がるの」
ミーナ「せっかく、アニに春が来たかと思ったのに…」
アニ「来なくていい」
ミーナ「私は応援するよ?」
アニ「しなくていい」
ミーナ「あーにー」
アニ「だからなんなのさ」
ミーナ「ううう…」
アニ「人のこと気にする前に、自分のこと考えたら?」
ミーナ「ふぇ?」
アニ「サムエル」
ミーナ「!?」
アニ「バレバレだよ」
ミーナ「なななななな、なんのこと」
アニ「さぁね。気を引き締めなおして、訓練行くよ」
ミーナ「ちょ、ちょっと、あにぃ!」
*夜、いつもの場所*
ベルトルト「………」
アニ「…んっ……」
ベルトルト「……はぁ」
アニ「…っ、あん、た…会って、いきなり、とか」
ベルトルト「いや、軽くのつもり、だったんだけど…」
アニ「だめだよ…本来のやるべきこと、見失っちゃ…」
ベルトルト「うん…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…ねぇ」
ベルトルト「ん…?」
アニ「そ、その…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「うぅ…」
ベルトルト「ど、どうしたの」
アニ「……」
ベルトルト「……?」
アニ「そのっ、やっぱり、あんたは、したいの?」
ベルトルト「」
アニ「……」
ベルトルト「」
アニ「…ベルトルト?」
ベルトルト「は、はいっ」
アニ「…聞いてた?」
ベルトルト「う、うん、聞いてた」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「ど、どうなの」
ベルトルト「…正直に、言うけど」
アニ「うん…」
ベルトルト「したい。君を抱きたい」
アニ「……」
ベルトルト「でも…もし任務に支障が出たらと思うと。だから…」
アニ「…うん」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…アニ、泣いてる?」
アニ「…だって」
ベルトルト「……」
アニ「私、だって…あんたとなら、って…でも、」
ベルトルト「…うん」
アニ「わかんない、わかんないよ…」
ベルトルト「……」
アニ「…ィック」
ベルトルト「…一度だけ」
アニ「……」
ベルトルト「一度だけでいい、抱きたい。君が大丈夫な時に…」
アニ「……」
ベルトルト「それでも、もし…できちゃったら」
アニ「……」
ベルトルト「責任、取るから。君の分まで、僕が」
アニ「…ん」
ベルトルト「好きだ、アニ」
アニ「うん…私、も。好き」
ベルトルト「…愛してる」
アニ「ん…」
次回に続く。セックスには色んな覚悟がいると思う俺だ。特にこの2人。
ただウッフンアッハンさせたくないだけとも言うが。ベルトルトが男すぎたのは反省しない。
1巻でミーナの隣にサムエルがいるだけなんだが、そこは適当に流してください。
そうだな、クリスマスだな。だから一足先に性なる夜を書こうと思ったまでさ。
少し手直しして、エロ直前まで深夜に投下する。
来週の俺は…世界一ピュアなキス以外何も予定がない。…素敵だね。
*エルミハ区(シーナ南部突出区)の図書館*
ベルトルト「……」
ベルトルト(やはりここにもない)
ベルトルト(レイス家…貴族年鑑のどこにも、彼女の名前は載ってない)
ベルトルト(ユミルが彼女に固執するのは、
元使用人とか…そういった関係からではない)
ベルトルト(彼女は妾の子だ。年鑑に載らないのもわかる、が)
ベルトルト(…ユミルも、彼女の出生を知っているのだろうか)
ベルトルト(それで憲兵に…シーナに入り込ませたいのなら)
「ねぇ」
ベルトルト(いずれ僕らの計画の、邪魔に…)
「ちょっと」
ベルトルト(…まだ、決まったわけではないけれど)
「…ベルトルト」
ベルトルト「あ…」
アニ「考えこむと周りが見えなくなるの、なおした方がいいよ」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「う、ん…ごめん」
アニ「……」
ベルトルト「着替え、たの?」
アニ「…変?」
ベルトルト「いや……かわ、いい」
アニ「…そう」
ベルトルト「遅れてくるって、言ってたけど」
アニ「シーナなんだ、いつものカッコだと逆に浮く。
あんただって、そうしてるじゃないか」
ベルトルト「そうだけど…僕は宿舎出る時からだから」
アニ「あんたはいいよ。調べ物の為にシーナに行くって言ってるんだから」
ベルトルト「まぁね…収穫ゼロだけど」
アニ「シーナにしかない資料って、あいつら納得したの」
ベルトルト「憲兵団の下調べって。ローゼには団員名簿の最新版はないし」
アニ「名簿?」
ベルトルト「中央所属の人の名前とか…どうでもいいけど」
アニ「いつか会うこともあるだろうさ。前知識として入れておいても損はない」
ベルトルト「…に、しても」
アニ「ん?」
ベルトルト「その…」
アニ「…なにさ」
ベルトルト「スカート、はいてるの始めてみた」
アニ「シーナの女は、か弱いのが多いんだよ…」
ベルトルト「じゃぁ今日は僕の傍から離れないでね」
アニ「なんで」
ベルトルト「か弱い乙女なら、守られなきゃ」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「なんかムカつくけど、そうしとく。これじゃ蹴り入れらんないし」
ベルトルト「そうして。それに…」
アニ「…なに」
ベルトルト「ここに来てるのは僕らだけのはずだし。
…今日だけは、恋人らしいことしようか」
アニ「……」
ベルトルト「手、繋ごう。離れないように」
アニ「うん…」
*
アニ「人、多いね」
ベルトルト「もうすぐ聖誕祭だし」
アニ「マリア、ローゼ、シーナ…壁が出来たとされる日、だっけ」
ベルトルト「…事実を知ったらどうなるんだろう」
アニ「さぁね」
ベルトルト「その壁も、もうじき…」
アニ「……」
ベルトルト「ごめん、やめよう。今日は任務の為に来たんじゃない」
アニ「……」
ベルトルト「何か食べたいものある?」
アニ「さぁ…何があるのか」
アニ「ぁぁ、でも」
ベルトルト「うん?」
アニ「来る途中に露店が並んであった」
ベルトルト「露店?」
アニ「祭だからなのかな。それともシーナじゃ常にあるのか」
ベルトルト「行ってみようか」
アニ「いいよ、別に…」
ベルトルト「行こう。僕も見てみたい」
アニ「……」
ベルトルト「…今日くらい、素直になろうよ」
アニ「…行く」
ベルトルト「ん。人多そうだから、手離さないでね」
アニ「…うん」
*
アニ「待って、ここ…」
ベルトルト「気になる?恋人だらけで」
アニ「だって…」
ベルトルト「大丈夫、僕らもそう見られてるよ」
アニ「……」
ベルトルト「早くしないと冷めちゃうよ。ほら、あそこ空いてる」
アニ「なんて、いうか」
ベルトルト「……?」
アニ「今日のあんた、いつもと違う」
ベルトルト「…そう?」
アニ「積極、的。悪いってわけじゃ、ないけど」
ベルトルト「はは…緊張、してるからじゃないかな」
アニ「そうなの?」
ベルトルト「うん。ほんとは、さっきからずっとドキドキしっぱなし」
アニ「……」
ベルトルト「まさか、君とこんな風に歩けると思わなかったから」
アニ「…そう」
ベルトルト「…これ、おいしいね」
アニ「うん。さすがシーナだね、色んなものが売ってる」
ベルトルト「また今度買いに来ようか」
アニ「今度?」
ベルトルト「憲兵団になってから」
アニ「…機会があればね」
ベルトルト「…うん」
アニ「…星、出てる。この前言ってたのは、もう見えないんだっけ」
ベルトルト「夏の星だからね」
アニ「……」
ベルトルト「ひょっとして気に入ってた?」
アニ「別に。ただ…もし、離れ離れになっても
迷うあんたをいつも導けたらな、って…少し、思っただけ」
ベルトルト「……」
アニ「…ベルトルト?」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「………」
アニ「…人前、だよ」
ベルトルト「離れても」
アニ「……」
ベルトルト「今日のことは忘れない」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…私も、忘れない」
ベルトルト「…そろそろ、行こっか」
アニ「ん…」
ベルトルト「手、繋ごう」
アニ「…うん」
素敵だね、二人手をとり歩けたなら?
12年ぶりに楽しみだなー、来週(棒)
女の服はわからん。勝手に妄想してくれ。今回は読者の妄想に任せている部分が多い。
一夜限りのデートを楽しむ二人だ。もうクソ甘だよ。自分に課したお題だから頑張るよ。
ちょっと休憩して…日付またいであと少し投下。
*
…パタン。
アニ「……」
ベルトルト「…えっと」
アニ「あの、さ…」
ベルトルト「……」
アニ「高い、よね…ここ」
ベルトルト「いいんじゃないかな。それとも、そういう宿のがよかった?」
アニ「いや…こっちのがいい、けど…」
ベルトルト「…気にしないで。給金、他に使い道なかったから」
アニ「そう…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「とりあえず…座ろう、か」
アニ「う、うん…」
ベルトルト「……」
アニ「…ダブル?」
ベルトルト「うん…一緒に、寝たい、から…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「ああ、もうっ」
ベルトルト「…アニ?」
アニ「…ふかふか」
ベルトルト「……」
アニ「…布団、気持ちいい」
ベルトルト「そんなに?」
アニ「うん」
ベルトルト「あ、ほんとだ」
アニ「…帰ったら寝れるかな」
ベルトルト「訓練所の布団、薄いからね」
アニ「このまま寝れそうなんだけど」
ベルトルト「…ダメ」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…言ってみただけだよ」
ベルトルト「…うん」
アニ「お風呂、って…あるの?」
ベルトルト「そこ、かな。湯船張ってくれてる、はず…」
アニ「…入ってきて、いい?」
ベルトルト「うん…」
アニ「………」
アニ「…っっっ!」
アニ(覚悟してたけど…どうし、よ…)
アニ(てかこれ、着替え…ローブ?これ1枚?)
アニ(………)
アニ(下着、どうするの、これ)
ベルトルト「………」
ベルトルト(落ち着け、落ち着こう)
ベルトルト(………)
ベルトルト(何か飲も…)
アニ「…おさき」
ベルトルト「……」
アニ「入っといでよ」
ベルトルト「…うん。水、とか…あるから」
アニ「ん…」
ベルトルト「お酒は、飲まないでよ」
アニ「飲まないよ…」
ベルトルト「………」
ベルトルト(やば、い…想像は、してたけど…)
ベルトルト(ローブ1枚とか、ああ、もう…)
ベルトルト(…石鹸の香りで、クラクラするし)
ベルトルト(ここも…アニが、使った後、で…)
ベルトルト(……一回、抜いとこ)
あの世界の風呂事情…湯船張るくらいあったと信じさせてくれ。
ベルトルトが変態野郎に思われそうだが…男なんてそんなもん。俺が変態かもしれんが。
では、次回ラストで性なる夜の話。
ホテル突入あるあるまで書いたところで…次回更新は、日曜深夜~月曜未明予定。
今作は童貞と処女なんで色々察してくれ。ほんとこの話なんなんだ状態だよ俺は。
>>1にエロ注意と書いてないのは入れるか迷ったからなんだが、その他色々あり、ということで。
こういう話は書くより読む方がいい、と書いてて思う。書くほうは投下後の悶えが半端ない。
といいつつ…ベルアニもこれで6作目であった。
…では、童貞と処女の初めての夜。しっかり妄想してくれ。
なお…ざっと数えたが70レス以上、ある…。頑張れ。
ベルトルト「…よかった、寝てなくて」
アニ「寝ないよ…」
ベルトルト「うん…」
アニ「……」
ベルトルト「…布団、入る?」
アニ「ん…」
ベルトルト「……」
アニ「ほんと、ふかふかだね」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…アニ」
アニ「……」
ベルトルト「おいで」
アニ「…頭、重くない?」
ベルトルト「大丈夫」
アニ「…その、」
ベルトルト「アニ」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「………」
ベルトルト「………」
アニ「……今日は、ゆっくり、なんだ」
ベルトルト「時間、あるから…」
アニ「そう…」
ベルトルト「嫌…?」
アニ「ううん…少し、くすぐったいだけ」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……ん」
アニ「……、ふ…」
ベルトルト「……」
アニ「ぁ……」
ベルトルト「……」
アニ「…ふ、ぁ…」
ベルトルト「っ…」
アニ「んっ……、っ……」
ベルトルト「……」
アニ「…んぅっ……ふ」
ベルトルト「…はぁ」
アニ「……ハッ、ァ」
ベルトルト「……」
アニ「…本気、なんだね」
ベルトルト「うん…今日は、抑えない」
アニ「……」
ベルトルト「でも…嫌だと思ったら、言って。止めるから」
アニ「嫌じゃ…ない、でも」
ベルトルト「……」
アニ「ゆっくり、して。その…初めて、だから」
ベルトルト「ん…でも、僕も初めてだから」
アニ「……」
ベルトルト「余裕、なくなっちゃったら、ごめん…」
アニ「…あんた、落ち着いて見えてすぐ血がのぼるからね」
ベルトルト「…そう?」
アニ「そういうとこ、嫌いじゃないけど。人間臭くて、さ」
ベルトルト「……」
アニ「完璧な人間なんていないよ…なろうとしなくて、いい」
ベルトルト「…ねぇ」
アニ「……」
ベルトルト「君を好きになって、良かった」
アニ「…そう」
ベルトルト「触っていい?その…」
アニ「うん…脱いだ方がいい、のかな…これ」
ベルトルト「……」
アニ「ちょ、ちょっと…」
ベルトルト「…ん?」
アニ「……」
ベルトルト「なに?」
アニ「なに脱がそうとしてんのさ…」
ベルトルト「邪魔だから」
アニ「じ、自分で脱ぐからっ」
ベルトルト「…恥ずかしい?」
アニ「…うん」
ベルトルト「そういう君も見てたいんだけど」
アニ「…ばか、だろ」
ベルトルト「君の全てが知りたいんだ」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「好きに、しなよ」
ベルトルト「……」
アニ「あんたに、しか…見せないから」
ベルトルト「…アニ」
アニ「…なにさ」
ベルトルト「あんまり可愛いこと言わないで」
アニ「…だから、どこが可愛いって」
ベルトルト「自覚、ないんだ」
アニ「……」
ベルトルト「…脱がすよ」
アニ「うん…」
ベルトルト「腕、通して」
アニ「……」
ベルトルト「…下着」
アニ「そ、その…どうせ、脱ぐなら、って…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「どこまで煽るのさ…」
アニ「そんなつもりじゃ…」
ベルトルト「はぁ…」
アニ「…あんたも脱いでよ」
ベルトルト「…うん」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…ぁ」
ベルトルト「…君のせい」
アニ「…いや、あの」
ベルトルト「……」
アニ「……ぅ」
ベルトルト「無理、そうなら…言って」
アニ「う、うん…」
ベルトルト「……」
アニ「…火、消さない?」
ベルトルト「ならカーテン開けていい?」
アニ「…やだ」
ベルトルト「じゃぁこのまま」
アニ「……」
ベルトルト「…おいで」
アニ「…手、どこに、おけば」
ベルトルト「僕の…首に、まわせられる?」
アニ「こう…?」
ベルトルト「重くない?」
アニ「大、丈夫…」
ベルトルト「ん…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……」
アニ(唇で、触れるだけ…額、目尻、頬…)
アニ(なんだろ、くすぐったいけど…)
アニ(……)
ベルトルト「……」
ベルトルト(怖い、よね…そりゃ)
ベルトルト(自分でも自信ないよ、傷つけずに事を済ますだなんて)
ベルトルト(だから、今くらいは…)
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……ル」
ベルトルト「……っ」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……ンっ」
ベルトルト「……」
アニ「…ん、ぅ」
ベルトルト(…胸)
アニ「ぁっ…」
ベルトルト(…硬く、なって)
アニ「ゃ…」
ベルトルト「……」
アニ「ぁ、や…首、くすぐ、った…」
ベルトルト(…汗、少し、かいてる)
アニ「んぅ……」
ベルトルト「…声」
アニ「…ふ、ぁ」
ベルトルト「…抑えないで」
アニ「…ゃ、だ…」
ベルトルト「…教えてよ」
アニ「ぁ…」
ベルトルト「…教えて」
アニ「やっ、ぁ…」
ベルトルト「……」
アニ「ハ、ァ……ん、あっ」
ベルトルト「…ここ?」
アニ「っっ…や、だ…そこ」
ベルトルト「……」
アニ「や、だ…ぁ、ァ、」
ベルトルト「……」
アニ「あ、つい……んぅ」
ベルトルト「ん…」
アニ「あっ……ぁっ」
ベルトルト「……」
アニ「なめ、ちゃ……あ、ぅ…」
ベルトルト「…アニ」
アニ「ひぁっ……」
ベルトルト「……」
アニ「! や、下っ…」
ヌルッ
アニ「ぁ……」
ベルトルト「…気持ち、良かった?」
アニ「……」
ベルトルト「…ねぇ」
アニ「しら、ない…」
ベルトルト「……」
アニ「ひあっ」
ベルトルト「…キス、しよ」
アニ「んっ……ン、ンンっ」
ベルトルト「……」
アニ「ンッ、ふっ、ぁぁっ」
ベルトルト「…アニ」
アニ「あっあぁ、やぁっ」
ベルトルト「…好き」
アニ「あっ!んッ、んっ」
ベルトルト「アニ…」
アニ「っ!やっ、ああっっ!」
アニ「はぁっ、はぁ…」
ベルトルト「……」
アニ「はぁ、はぁ…」
ベルトルト「…ひょっとして、イった?」
アニ「わか、んない…今の、そう、なの…」
ベルトルト「さ、さぁ…」
アニ「ごめん、ちょっと休ませて…ちから、はい、んない…」
ベルトルト「……」
アニ「ちょ、ちょっと…」
ベルトルト「下、見せて」
アニ「や、やだ…」
ベルトルト「……」
アニ「やだ…おね、がい」
ベルトルト「…だめ?」
アニ「…だめ。はず、かしい」
ベルトルト「そう…」
アニ「……」
ベルトルト「触る、けど」
アニ「っ…」
ベルトルト「指、入れるから」
アニ「やっ…」
ベルトルト「……」
アニ「…こ、わい」
ベルトルト「でも…」
アニ「抱き、しめ…ながら、して」
ベルトルト「ん…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「っぅ…」
ベルトルト「…痛い?」
アニ「へい、き…」
ベルトルト「……」
アニ「……っ」
ベルトルト「あつ…」
アニ「……」
ベルトルト「指、溶けそう…」
アニ「知ら、ないよ…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…解す、から」
アニ「…うん」
ベルトルト「……」
ベルトルト(本、に書いてあった通り…熱くて、ざらついてて…)
ベルトルト(ここに…入れる、のか)
ベルトルト(……………)
ベルトルト(…やば、くない?)
アニ「…どうしたの」
ベルトルト「あ、いや…不思議、だなって」
アニ「何が……ぁぅ」
ベルトルト「ごめん、痛かった?」
アニ「や……」
ベルトルト「……」
アニ「……っ」
ベルトルト「……」
アニ「ぁ…」
ベルトルト「……」
アニ「ふ、ぁ…」
ベルトルト「気持ち、いいの?」
アニ「……」
ベルトルト「…教えてよ」
アニ「…うん」
ベルトルト「……」
アニ「きもち、い……あっ」
ベルトルト「ん…」
アニ「や、だ…」
ベルトルト「どうして?」
アニ「あんた、は…?」
ベルトルト「……」
アニ「私、だけ…」
ベルトルト「アニ…」
アニ「……」
ベルトルト「…いいの」
アニ「…うん」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「あの」
アニ「…?」
ベルトルト「腕、解いて欲しいな…」
アニ「え?」
ベルトルト「その…この姿勢、じゃ…」
アニ「……」
ベルトルト「遠くて…」
アニ「………」
ベルトルト「……」
アニ「無駄に、でかすぎるんだよ…」
ベルトルト「仕方ないじゃない…」
アニ「どう、すればいいの」
ベルトルト「君は、横になってていいから」
アニ「え…ちょっと……っ」
ベルトルト「…指、ふやけちゃった」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「…なんか」
ベルトルト「ん?」
アニ「見下ろされるの、ちょっと、怖い…かも」
ベルトルト「うーん…我慢、して?」
アニ「う、うん…」
ベルトルト「えっと…」
アニ「……」
ベルトルト(あれ、ここ…だよね)
アニ「……」
ベルトルト(うん、ここ…な、はず、だけど…)
アニ「……」
ベルトルト(はい、らない…力、入れなきゃ、かな)
アニ「……っ」
ベルトルト「痛い?」
アニ「がん、ばる…」
ベルトルト「……」
ベルトルト(頑張るって、泣いてるじゃないか…)
ベルトルト(震え、てるし…怖いの?)
ベルトルト(って、あれっ)
ベルトルト(…………うそ)
アニ「……?」
ベルトルト「……」
アニ「…ベルトルト?」
ベルトルト「…ごめん」
アニ「…私なら、大丈夫だから」
ベルトルト「…そうじゃなくて」
アニ「………?」
ベルトルト「…その」
アニ「……」
ベルトルト「…色々、考えすぎて」
アニ「……」
ベルトルト「…休憩させて」
アニ「え?」
ベルトルト「……んじゃった」
アニ「は?」
ベルトルト「……」
アニ「……あ」
ベルトルト「…ご、ごめん」
アニ「え、いや…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「と、とりあえず、横、くる…?」
ベルトルト「うん…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…はぁ」
アニ「えと…」
ベルトルト「……」
アニ「布団、被ろっか…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
アニ「あの、さ」
ベルトルト「…なに」
アニ「聞いた話、だけど」
ベルトルト「……」
アニ「よくある、こと…なんじゃない、かな」
ベルトルト「…なんで知ってるの」
アニ「…ハンナが」
ベルトルト「…そう」
アニ「……」
ベルトルト「そういや、フランツと」
アニ「うん…」
ベルトルト「身長高くて困ったこと言ってて」
アニ「……」
ベルトルト「…確かに困った、かな」
アニ「…そ、そう」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…キス、していい?」
アニ「ん…」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…怖かった?」
アニ「…少し」
ベルトルト「……」
アニ「…色々考えてたって」
ベルトルト「怖いのかな、って。それと…」
アニ「……」
ベルトルト「まぁ、その…焦ってた」
アニ「焦る?」
ベルトルト「ちゃんと出来るかな、って」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「だから、完璧なんて目指さなくていいって…」
ベルトルト「うん…」
アニ「気持ちは、うれしいけど…」
ベルトルト「…君に」
アニ「……」
ベルトルト「こうして、撫でられるの、好きかも」
アニ「立ってると、手、届かないけどね」
ベルトルト「そうだね…」
アニ「そういえば、あんたって」
ベルトルト「…?」
アニ「猫っていうより、犬だよね」
ベルトルト「犬?」
アニ「うん。大きな犬。犬種、なんて言うんだったかな」
ベルトルト「犬、か…君は猫だと思うけど」
アニ「たまに仲のいい犬と猫、いるよね」
ベルトルト「いるね」
アニ「…ねぇ」
ベルトルト「ん?」
アニ「撫でるの交代」
ベルトルト「……」
アニ「…あの」
ベルトルト「うん…」
アニ「戻って、る…?」
ベルトルト「…抱きしめてたら、ちょっと」
アニ「さっき不思議だって言ってたけど、私からしたらそっちのが不思議だよ」
ベルトルト「はは…困ること多いけど、これ」
アニ「男も男で、大変なんだね」
ベルトルト「まぁ、ね…」
アニ「……」
ベルトルト「…もう1回、してもいい?」
アニ「うん…あ、でも」
ベルトルト「……」
アニ「いつもの、姿勢ってどうなの」
ベルトルト「いつもの?」
アニ「私があんたの膝上に座ってる時。あれだと、抱き合える?」
ベルトルト「そりゃ、できるだろうけど…その、君が上ってこと?」
アニ「あ…」
ベルトルト「やっぱり、見下ろされるの怖い?」
アニ「…離れるのが嫌、かな」
ベルトルト「そっか…」
アニ「一度、やってみていい?」
ベルトルト「…辛くない?」
アニ「…支えて、くれたら」
ベルトルト「じゃぁ…座る、けど」
アニ「……」
ベルトルト「無理は、しなくていいから」
アニ「うん…」
ベルトルト「……」
アニ「…あんま見ないでよ」
ベルトルト「無理。ずっと見てたいから」
アニ「もう…」
ベルトルト「……っ」
アニ「…ここ、だよね」
ベルトルト「ん…」
アニ「んっ…」
ベルトルト「……」
アニ「っぅ…」
ベルトルト「無理、しないで…」
アニ「や、だ…」
ベルトルト「アニ…?」
アニ「一緒、に…あんた、と」
ベルトルト「……」
アニ「つっ…」
ベルトルト「アニ、息吐いて」
アニ「え…」
ベルトルト「……」
アニ「あ、…ゃ、はぁ」
ベルトルト「力、抜いて」
アニ「あっ…え…?」
ベルトルト「……」グッ
アニ「んぁっ、くっ…」
ベルトルト「……」
アニ「く、はぁ…」
ベルトルト「……」
アニ「はぁ、は…」
ベルトルト「……」
アニ「は、ぁ…」
ベルトルト「……」
ぎゅ…
アニ「……ぁ」
ベルトルト「…あったかい」
アニ「ん…」
ベルトルト「ごめん、だいぶ無理させた」
アニ「ううん…」
ベルトルト「……」
アニ「…キス、して」
ベルトルト「ん…」
アニ「……」
ベルトルト「……」
アニ「……はァ」
ベルトルト「…すごい、な」
アニ「ん…?」
ベルトルト「君は苦しいと思うけど…こっちは、すごく、気持ちいい」
アニ「そ、う…よかった」
ベルトルト「キス、してる時も…中で…君が、締め付けるから」
アニ「……」
ベルトルト「…繋がってる」
アニ「…ばか」
ベルトルト「今も、ね」
アニ「…なに、それ」
ベルトルト「照れても、嘘、つけないよ」
アニ「……」
ベルトルト「…ほら」
アニ「しら、ない」
ベルトルト「たくさん、したいけど…気持ち、よすぎる」
アニ「いいよ…さっき、いっぱいしてもらったから」
ベルトルト「……」
アニ「…あんたも、嘘、つけないね」
ベルトルト「だろうね…」
アニ「んっ、ちゃんと、繋がってる…」
ベルトルト「うん…」
アニ「くるし、けど…なんっ、か、」
ベルトルト「ん…」
アニ「しあわ、せ……ぁ」
ベルトルト「アニ…」
アニ「ベ、ル……んっ」
ベルトルト「っ、アニ」
アニ「やっ…」
ベルトルト「くっ…」
アニ「あっ、あんっ、や…、んっ、んんっ」
ベルトルト「はァッ、アニッ」
アニ「んっ、…ル、」
ベルトルト「好き、だ、アニ」
アニ「す…き、わた、し、も」
ベルトルト「っっ、アニッ」
アニ「は…あっ!あっ、あっ…!」
ベルトルト「…クッ」
アニ「っ!…ぁ、あ…ぅ」
ベルトルト「っ……」
アニ「ぁ…」
―――――
―――
―
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…アニ」
アニ「…ん」
ベルトルト「…愛してる」
アニ「…うん」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「…また、泣いてる」
アニ「…だって」
ベルトルト「どうして?」
アニ「…嬉しいんだ」
ベルトルト「……」
アニ「今日だけでも…一人の、女に…なれた、から」
ベルトルト「アニ…」
アニ「ずっと、無理だと思ってた。資格もないって」
ベルトルト「……」
アニ「でも…今日、だけでも、あんたと、一緒になれた」
ベルトルト「……」
アニ「あんたに、会えて良かった。私を、好きになってくれて」
ベルトルト「……」
アニ「私を、見てくれて。ずっと、傍にいてくれて」
ベルトルト「……」
アニ「ありがと…」
ベルトルト「アニ…」
アニ「…あんたまで、泣いてどうするのさ」
ベルトルト「うん…」
アニ「…今日だけ、なんだから」
ベルトルト「……」
アニ「…返事は?」
ベルトルト「…ん」
アニ「明日、戻るんだよね…」
ベルトルト「うん…」
アニ「……」
ベルトルト「…ねぇ」
アニ「ん…?」
ベルトルト「配属されるとしたら、どこになるのかな」
アニ「さぁ…突出区のどこかだと思うけど」
ベルトルト「…憲兵団に入ったら、機会見て言おうよ」
アニ「付き合ってることを?」
ベルトルト「うん…」
アニ「そうだね…もう、これ以上の隠し事はごめんだ」
ベルトルト「辛すぎるよ。傍にいるのに触れられないなんて」
アニ「うん…でも、それまでは」
ベルトルト「秘密の」アニ「恋人」
<完>
クソ甘ベルアニ、これにて終了。
だがこの2人、この後離れ離れで二度と会えないかもっていう。
そう思うとどんなに甘くしてもベルアニはどこか切ない。
読者の妄想に頼った書き方をしてしまったが…妄想を刺激できてなかったら、スマン。
あ、まとめはコメが怖いから転載禁止です。
どうでもいいんだが…まさかの30日、ベルトルトの誕生日に俺は引越しするんだ。
引越し先はまだネットが繋がってなくてな…これが最後の作品になるかもしれん。
スマホから人の作品は見てるので…後は、たの、んだ…
で、25日って兵長の誕生日だし、掃除の日だったよな?お前らも掃除しろよ。
一応過去作を晒す。ベルアニ少ないから書いてるだけ。
ベルアニ
・ライナー「集団感染?」
・ベルトルト「悪魔の微笑」
・アニ「もし私に何かあったら」
・アニ「悪魔の嘲笑」
・ライナー「ベルトルトがホモかもしれない?」
・ベル「秘密の」アニ「恋人」
マルコ「美しき君」…マルアニ
では、またな?良いお年を。
乙でした
ベルアニもあなたのSSもとても好きです!
最後かもしれないだなんて悲しいこと言わずに
機会が出来たらまた是非とも書いて欲しいです
まずはお疲れ様でした。
そしてお願いが・・・お願いします最後なんて言わないでもっと書いて欲しい。
本当に質が高いSSかける人は少ないから。どうかお願いします。
それと、まとめのコメはあまり気にしなくても良いと思いますよ。多分エレ速の事だろうと思いますが、
あそこは叩いて楽しんでる人も半分ぐらいいると思いますし、絶対貴方の作品は嫌いな人より、
好きな人のほうが多いから。
色々すみませんでした。では、良いお年を。
事後のアニの素直さがリアルで可愛い
そして切ないな…
小さな恋の物語ステキでした乙乙!
過去作品も好きな話ばかり並んでてビックリだ
また新作も楽しみにしてます!
声援がとてもありがたい。でも光回線の工事待ちで最低1ヶ月空くんだな。
年が明けて2月突入しても、進撃SSが過疎ってませんように…皆も書いてね。
過疎ってたら男女・男幼系の話で投下するんじゃないかな。
>>376 サイトによってはまとめ方が嫌なんです。
皆のレスも含めて1つの作品。読んでくれるのはここの住人だけでいいっす。ありがとう。
>>377 原作50話ミカサの~してくれてありがとう、と少し被せてあったりするだけなんだぜ。
そして>>375、次も期待してるからな!あちらにお邪魔したが、
「それじゃ、アニ・L・フーバーで、君と僕とでレオンハートを守ろう」
なーーーんて俺は考えてしまってたよ。でもライナーのアレは最高だ。
なお、アニ・H・レオンハートは「エッチが間にあるなんて嫌だ!」とお断りされた。
まぁ…2月になっても過疎ってませんように、だ。でもベルアニは当分いいです…
このSSまとめへのコメント
やば。べるあに最高。
これからも、増えてほしいのだが。
このss書いてるひとすき。
やば、可愛すぎる
そしてあとの結末を想像すると切ないです>_<
とても良かったです
執筆お疲れ様でした