ベルトルト「訓練兵になって一年以上経つのに、まだみんなに名前を覚えてもらえない。そんなに接点がないわけでもないのに…」
ベルトルト「それにアルミンの名前は僕と似てるのにみんな覚えてるんだ。」
ベルトルト「アルミン・アルレルト、ベルトルト・フーバー、どこに違いがあると言うんだろう…」
マルコ「うーん…君のは名前、アルミンのは名字だからじゃないかな?僕たちは基本的に同期内では名前で呼び合ってるし」
マルコ「アルミンの名字をサシャやコニーが覚えているかというと、覚えていないかもね」
ベルトルト「みんなに僕のことを正しく呼んでもらうにはどうすればいいと思う?」
マルコ「それじゃあ、いっそのこと名字で呼んでもらうってのはどうかな」
ベルトルト「そうか!今まで名前にこだわり過ぎてたのがいけなかったのかもしれない」
ベルトルト「早速明日から名字で呼んでもらうようにするよ」
~朝食~
ベルトルト「やあコニー、おはよう」
コニー「ああ、えっと…おはよう」
ベルトルト(やっぱりまだ僕の名前を覚えてないのかな…)
ベルトルト「コニー、もしかして僕の名前覚えてない?」
コニー「え、いや、そんなことねえよ。同期の名前を覚えられないわけないだろ…」キョドキョド
ベルトルト「コニー、嘘はつかなくていいよ。別に怒ってるわけじゃないんだ」
腰巾着野郎さんじゃないですか!
>>5
確かに腰ぎんちゃくみたいだけど、仮にも3位なんだぜ…
ベルトルト「もし僕の名前がどうしても覚えられないのなら、僕のことをフーバーって呼ぶのはどうかな?」
ベルトルト「それだったら、覚えにくくないんじゃないかな?」
コニー「お前フーバーっていうんだな!けどよ…あれ?お前の名字は?」
ベルトルト「名字がフーバーなんだ。だかr」
コニー「そうか!お前はフーバー・フーバーって名前なんだな!」
ベルトルト「いや、だからフーバーは名字であって、ベルトルトって名前g」
コニー「それにしても、面白い名前だな。フーバー・フーバーって」クスクス
ベルトルト「だから、僕にはベルトルトって名前g」
コニー「今まで悪かったな、フーバー・フーバー。これからもよろしくな」ポン
ベルトルト「」ブチッ
ベルトルト「コニー、僕の名前はベルトルトだよ。間違えないでね」ニコニコ
コニー「え?でも今フーバーだって…」
ベルトルト「ベルトルト、だよ。いいね?」ニコニコ
コニー「す、すまん…」
ベルトルト「じゃあ、一度僕を名前で呼んでみて」ニコニコ
コニー「すまなかったな、ベル…ベルト…」
ベルトルト「」ガタッ
コニー「」ビクッ
ベルトルト「もう食べ終わったから、僕は先に行くね」ニコニコ
コニー「わ、悪かったよ。ベル…ベルメゾン?」
ベルトルト「うわぁぁぁぁ!!!」ダダダッ
コニー「違った、かな…」
~立体軌道訓練~
ベルトルト「サシャ、同じ班だね。よろしく」
サシャ「え、ええ。えっと…こちらこそ宜しくお願いします」
ベルトルト「もしかしてサシャもまだ僕の名前覚えてない?」
サシャ「いや、そんなことありませんよ。あなたの名前ですよね?覚えてるにきまってるじゃないですか」キョドキョド
ベルトルト「それじゃ、僕の名前を言ってみてくれるかな?」
サシャ「ベル…ベル…」アセダラダラ
ベルトルト「まあいいや。僕の名前が覚えにくいなら、フーバーって呼んでくれないかな?」
サシャ「分かりました!フーバーですね!でも…あれ?あなたの名字は何でしたっけ?」
ベルトルト「僕の名前はフーバーだけど、ベルトルトって名前が覚えにくいだろうかr」
サシャ「つまり、あなたの名前はフーバー・フーバーという訳ですね!」
ベルトルト「だから、フーバーは名字だかr」
サシャ「こんなに覚えやすい名前なのに覚えていなかっただなんて、申し訳ないです」ペコリ
ベルトルト「僕の名前はベルトルトであって、フーバーは名字なんd」
サシャ「じゃあ、一緒に頑張りましょう。フーバー・フーバー」ポン
ベルトルト「」プツン
ベルトルト「サシャ、今日の晩御飯をかけて勝負をしないかい?」ニコニコ
サシャ「晩御飯すべてをかけるのは少し気が引けますね…パン一つだけならいいですけど」
ベルトルト「今日の晩御飯すべてをかけて、君は僕と勝負する。いいね?」ニコニコ
サシャ「え…でも、それだと負けた時が悲惨じゃ…」
ベルトルト「これは提案じゃないよ。確認だ。わかるかい?」ニコニコ
サシャ「は、はい…わかりました…」
~~~~~~~~~~~~~
キース「用意、始め!」ドン
ベルトルト「」ビュンッ
サシャ(速い!)ヒュン
ベルトルト「うわああああああ!」ザシュザシュ
ベルトルト「うわああああああああああああ!!!」バキッドカッザシュ
サシャ(鬼や…ここに鬼がおるでぇ…)ヒュン
~夕飯~
サシャ「お願いしますよ…さすがに、晩御飯全部は、ひどいですって」エグエグ
ベルトルト「いや、勝負は勝負だよ。結果はしっかり受け止めなきゃ」テクテク
サシャ「もう一度名前を教えてくれたら、もう間違えたりしませんからぁ」グスン
ベルトルト「さすがにかわいそうだし、これが最後のチャンスだよ」
ベルトルト「僕の名前はベルトルトだ。さあ、もう間違えたりしないよね?」ニコニコ
サシャ「ベル…ベル…ベルルスコーニ?」ビクビク
ベルトルト「残念、不正解。サシャの分も僕がしっかり食べるから安心してね」ニコニコ
サシャ「」
ベルトルト「あっ、エレン、ここの席いいかい?」
エレン「ああ、もちろんいいぞ。どうしたんだ急に?」
ベルトルト「珍しくエレンが一人だったからね。それにエレンに聞きたいことがあってね」ストン
エレン「俺に聞きたいことって?」
ベルトルト「エレンは僕の名前覚えてる?」
エレン「そんなの当たり前じゃねえか。フーバーだろ?」
ベルトルト「間違ってはないんだけど…フーバーは僕の名字であって、名前はベルトルトっていうんだ」
ベルトルト「よかったらエレンにもみんなと同じように名前で呼んでもらいたいかな」
エレン「ベル…ベルベルト?」
ベルトルト「惜しいんだけどな…うーん…そうだ、アルミンの名字は言える?」
エレン「そりゃあ勿論。幼馴染だからな。アルレルトだろ?」
ベルトルト「僕の名前もそれと似たようなものなんだけどな…」
ベルトルト「じゃあ、僕の後に繰り返してくれるかい?ベルトルト、はいっ!」
エレン「ベル…トルト?」
ベルトルト「…」
ベルトルト「」ジワッ
エレン「お、おい大丈夫か?急に泣き出して、どこか痛むのか?」
ベルトルト「いや、エレンに名前で呼んでもらえたのが嬉しくて…」グスッ
エレン「大げさな奴だなぁ。でも、アルミンと似てると考えれば、もうお前の名前を間違える気がしないぜ!」
エレン「よろしくな、フーバー・ベルトルト!」ポン
ベルトルト「…」
ベルトルト「エレン、すまないけどもう一回僕の名前を呼んでくれるかい?」
エレン「フーバー・ベルトルトだろ?もう間違えねえよ」
ベルトルト「…」
ベルトルト「確かに僕の名前はアルミンに似てると言ったけど、字数は逆なんだ」
ベルトルト「ベルトルトが先でフーバーが後。ベルトルト・フーバー、はいっ!」
エレン「ベル…レルト・フーバー?」
ベルトルト「何で!?僕の名前、さっきは言えてたよね?」
エレン「おかしいな…さっきは言えたのに…」
エレン「ベル…ベル…あー、やっぱり無理だ。お前の名前って、こう…パッと言えないんだよな。スマン…」
ベルトルト「…」
ベルトルト「どうせ僕の名前なんて、名前なんてええ!!!」タタタッ
エレン「ちょ、おい、待てy…行っちまった…」
~~~~~~~~~~~~~
ベルトルト「やっぱり、僕の名前って覚えにくいのかな…」ガックリ
マルコ「まぁ、そう言わずに。これからゆっくり仲良くなれば大丈夫だよ、きっと」ポン
ベルトルト「ありがとう、僕は疲れたからもう休むよ。お休み、マルコ」
マルコ「あ、えーっと…お休み」キョドキョド
ベルトルト「…」
ベルトルト「もしかして、マルコも…」ジワッ
マルコ「いやだな、そんなはずないじゃないか」アセアセ
ベルトルト「じゃあ、僕を名前で呼んでみてくれる?」
マルコ「ベル…ベルゼブブ?」
ベルトルト「」プツン
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○○年×月△日 天気:快晴
この日、男子寮は一人の訓練兵によって破壊された。
彼は普段から物静かで、あまり自己主張をしない人物だったと記憶している。
その後、彼は開拓地送りとなり二度と僕らの前に姿を現すことはなかった。
彼が開拓地に行った後も、彼の容姿や性格は訓練兵のみんなが覚えていた。
ただ一つ、言えることがある。
あの日会った訓練兵の名前を僕達はまだ知らない…
~アルミンの日記より抜粋~
終わりです。
ベルトルトが努力して存在感を強めていくことも考えましたが、結局はこのスレ自体思いつきなので。
グダグダやるのもあれなので、終わります
このSSまとめへのコメント
ベルトルトの名前ってネタにされやすいけど、確かにそこまで覚えにくい訳ではない…と思う。