千早「春香がドジをこじらせて死んだ」(145)

765プロ

P「ただいま戻りましたー」

春香「戻りました……はぁ……」

小鳥「二人とも、お疲れ様」

千早「お疲れ様です」

春香「あ、千早ちゃんお疲れー」

P「あれ?千早まだ残ってたのか」

千早「ええ、ちょっと新曲のことでプロデューサーにお話がありまして」

P「そっか、うん。ちょっと待ってて」

千早「はい」

小鳥「プロデューサーさん、コーヒーでいいです?」

P「あ、いただきます」

春香「千早ちゃんは勉強熱心だね!」

千早「そう……かしら?」

春香「よっこいしょっと。……いたた」

千早「春香?その足の包帯どうしたの?」

小鳥「あら、本当ね。大丈夫?」

春香「あ……これはその……。えへへ」

P「また収録中にすっこけたんですよ。しかもカメラさんに向かって」

春香「もう!それは言わない約束だったじゃないですか!」

千早「まぁ……春香らしいといえば春香らしいのだけど」

P「そのときに足を挫いてね。しばらく撮影も中断してたんだよ」

春香「面目ないです……」

小鳥「春香ちゃんも気をつけないとだめよ?アイドルは身体が資本なんだから」

P「だそうだ、春香。大先輩からの重たいお言葉だぞ」

小鳥「大先輩……」

春香「あ!別に年上だとかそういう意味じゃなくて!」

千早「フォローになってないわよ、春香」

春香「あっ……」

千早「そういえば」

P「うん?」

千早「この前春香の家に遊びに行ったときなんですけど」

春香「ああ、この前だね」

千早「春香のケーキ作りを手伝ってたら、砂糖と塩を間違えてみたり」

春香「///」

千早「バニラエッセンスの代わりにラー油を投入してみたり」

P「これもまぁ、春香らしいような……」

春香「別にわざとじゃないんですよ!ただ、容器が似てたからつい間違って……」

千早「私が味見した時は倒れるかと思ったわ」

P「あっはっは!そりゃたまらんなぁ」

春香「なんか最近ドジが多いんですよね、私」

P「一応、それが春香の魅力でもあるんだけどな」

春香「え?そうですか?」

P「うん。うっかりドジをやってしまう春香。つい守りたくなってしまうね」

春香「///」

P「でも、しっかりしないとダメだぞ、春香。最近ちょっとミスが目立ちすぎる」

春香「……ごめんなさい」

千早(春香は健気よね。放ってはおけないというか……)

春香「ん?どうしたの千早ちゃん。私の顔、なにか付いてる?」

千早「あ……な、何でもないわ。それよりプロデューサー。もういいですか?」

P「うん。いいよ」

千早「このBメロからサビに行くまでの流れなんですけど……」

P「あぁ、ここね。俺もちょっとどうしようか迷ってるんだけど」

春香(ほんと、千早ちゃんは勉強熱心だなぁ……)

一時間後

千早「ありがとうございました、プロデューサー。なんとなく感じがつかめた気がします」

P「お安い御用だよ。他にも何か気になることがあるなら遠慮なく言うんだぞ」

千早「はい」

小鳥「春香ちゃん、まだ帰らないの?」

春香「あ!もうこんな時間!?」

P「おお、春香。電車はまだ大丈夫か?」

春香「はい、まだ間に合いますけど……あぶなかった……」

千早「どうしたの?」

春香「千早ちゃんとプロデューサーさんの話に聞きいってたらこんなに時間が立っちゃってたよ」

千早「じゃあ、一緒に帰る?」

春香「え?いいの?」

千早「ええ、私も駅の方にちょっと用事があるから」

P「そうだな。こんな時間だし、一人で帰るより安全だろう」

小鳥「なんだったら、プロデューサーさんが春香ちゃんを送ってあげればいいんじゃないんですか?」

春香(小鳥さん、グッジョブ!)

小鳥(春香ちゃん、頑張って!)

P「いやぁ……ここ最近仕事溜めこんじゃってて、これからまだ残業をしないといけないんですよ」

小鳥「」

春香「なら……仕方ないですね」

千早「残念だったわね、春香」

P「残念?なんのことだ?」

春香「ななななんでもないです!」

春香(千早ちゃん!)

千早(ふふふ。そんなにあわてなくてもいいのに)

P「じゃあ、そういうことだから、二人とも気をつけて帰るんだぞ」

春香「はい、分かりました」

千早「お先に失礼します」

春香「はぁ……」

千早「そんなに落ち込まなくてもいいじゃない」

春香「ふぇ!?」

千早「本当はプロデューサーと一緒に帰りたかったんでしょ?」

春香「そんなことないよ!私、千早ちゃんと一緒に帰れればそれで満足だし!」

千早「本当?」

春香「本当!」

千早「……うそよね?」

春香「……」

千早「ふふ……」

春香「何?千早ちゃん。急に笑い出して」

千早「春香って、分かりやすいなぁと思ってたのよ」

春香「ななな何が!?」

千早「分かるでしょ?」ニヤリ

春香「うう……なんか千早ちゃん、意地悪だよ……」



春香「さてと、それじゃあ千早ちゃん、また明日」

千早「ええ、また明日」

千早「……」

千早(最近の春香、確かに異様にドジが多いわ)

千早(それも、以前みたいにただ転んだり忘れ物をするだけじゃなく、今日みたいに怪我をしたり、周りを巻き込んでみたり)

千早(プロデューサーじゃないけど、確かに春香にはもう少ししっかりしてもらわないと困るわ)

千早「私の気が休まる暇がないものね」

千早「……家に帰ろう。明日も早いことだし」

千早(別に駅前に用事なんかないわ。ただ春香が心配だから付いてきただけだもの)

春香「千早ちゃーん!」

千早「春香?電車はいいの?」

春香「うん、まだ大丈夫。それよりこれ!」

千早「あ、私の財布」

春香「今、千早ちゃんが落としたの見つけたから」

千早「ありがとう、春香」

春香「もう落としちゃだめだよ?」

千早「ええ、気をつけるわ」

春香「うん。千早ちゃん。今度こそ、また明日」

千早「ええ、本当にありがとう」

千早(私は、春香の後ろ姿を見送ってから、家路についた)

千早(その日はなかなか寝付けなくて、なにか妙な気分がしたのを覚えてる)

千早(なんとかして眠りにつくと、私は嫌な夢を見た)

春香『はぁ……はぁ……急がないと遅刻しちゃうよ』

春香『信号は……青だね。急がばまっすぐ進んじゃお!……なんて言ってる場合じゃないや!』

春香『あっ靴が……』

春香『!!』

キキーッ!

ゴシャッ

千早の自宅

千早「春香!」ガバッ

千早「はぁ……はぁ……。ふぅ」

千早「嫌な、夢だったわ」

千早(急いで信号を渡ろうとする春香、でも途中で靴が脱げて横断歩道の真ん中で立ち止まったところに、信号無視の車が突っ込んできて……)

千早「縁起でもないわ、こんな夢」

千早(おかげで寝汗が酷いわ。シャワーでも浴びよう)

千早「まったく、私ったらどうかしてるわ」

765プロ

千早「おはようございます」

小鳥「おはよう、千早ちゃん」

P「おはよう、千早。今日は早いんだな。まだ収録までだいぶ時間があるぞ」

千早「今日は、あんまり寝れなくて……」

P「なにかあったのか?」

千早「いえ、特には……」

P「そうか。体調管理は十分にしてくれよ。もし辛いようなら、こっちでもいろいろ都合付けるから」

小鳥「スケジュール管理は私の仕事なんですけど……」

P「小鳥さんならできますよ」

小鳥「簡単に言ってくれますね……」

P「信頼してるんですよ」

千早「プロデューサー。今日の収録は、春香も一緒でしたよね?」

P「ああ、そうだけど……まだ来てないな。いつもならもうそろそろ来る頃だと思うんだけど」

千早「……」

ガチャ

千早「!!」

春香「おはようございます」

小鳥「おはよう、春香ちゃん」

P「おはよう。今日は来るの遅かったな」

春香「いやぁ、目覚まし時計のセットを忘れちゃってて、あわてて飛び出して来ちゃいました」

P「それでリボン付けてないのか。結構そのままでもいいかもな」

春香「だめです!このリボンは私のトレードマークなんですから!」

P「むしろ本体だったりして」

春香「ちがいますよぉ!」

P「ちょっと冗談言っただけじゃないか」

千早「……」

春香「……千早ちゃん?」

千早「!!」

千早「なに?」

春香「千早ちゃん、顔色悪いよ。どうしたの?」

千早「いや……何でもないの。ちょっと寝不足なだけだから……」

春香「そう?ならいいんだけど……」

千早(あんな夢を見たせいか、春香を直視できないわ。どうしたのかしら、私は)

P「どうする?ちょっとソファで横になるか?」

小鳥「仮眠用の毛布もあるけど、使う?」

千早「いえ、私は……」

春香「無理しないほうがいいよ。まだ時間はあるんですよね、プロデューサーさん」

P「うん。今日の収録は長くなりそうだから、休めるうちに休んでおいたほうがいいぞ」

千早「……じゃあ、ちょっと横になろうかしら」

千早「ふぅ……」

千早(やっぱり私疲れてるのね。横になるとすごく楽だわ)

春香「子守唄歌ってあげよっか」

P「やめとけ。安眠妨害は罪だ」

春香「」

千早「ふふふ……」

春香「千早ちゃん?」

千早「なんでもないの。ちょっと思い出し笑いしただけよ」

春香「そうかなぁ……」

千早「ふぁぁ……」

千早「……」

千早「……zzz……zzz」

スタッフ『セット、動きまーす!』

春香『うわぁ……高いなぁ、ここ』

スタッフ『リフトアップそこまで!春香ちゃん!どう?大丈夫そう?』

春香『はい!なんとか大丈夫です!』

スタッフ『それじゃあリハ行きまーす!』

春香『結構足場がぐらぐらするなぁ。うわぁ!』フラリ

ドッスン

スタッフ『おい!春香ちゃんが落ちたぞ!』

P「千……千早……大丈……早」

千早「うう……」

P「千早!起きろ。大丈夫か?」

春香「千早ちゃん!」

千早「はっ!」ガバッ

千早「はぁ……はぁ……」

P「大丈夫か?」

春香「かなりうなされてたみたいだけど」

千早「良かった……」

P「?」

千早「あの……ちょっとした悪夢をみて、それで……」

P「ああ、これから収録あるからな。緊張してるせいかもしれん」

千早「そう、ですね」

春香「汗すごいよ?はい、タオル」

千早「ありがとう、春香」

P「千早、落ち着いたか」

千早「はい、プロデューサー」

P「春香も準備はいいか」

春香「はい、プロデューサーさん」

P「よし、それじゃあ行こうか。あ、小鳥さん」

小鳥「はい、なんでしょう」

P「二人を送ってきます。途中で一度戻ってくるつもりですけど、響と貴音が来たら、そのことを伝えておいてください」

小鳥「分かりました」

P「さて、今日も頑張っていこうか」

春香「そうですね!」

千早「……」

スタジオ

P「よし、着いたぞ」

春香「うわぁ!すごいですねぇこのセット」

千早「そうね。ここまで大きいセットは初めてかしら」

P「ふふふ。頑張ってこの仕事を取ってきた甲斐があったよ」

春香「プロデューサーさんすごい!」

P「もっと褒めてくれても構わないぞ!」

千早(何か……変な感じがするわ)

千早(……!もしかしてこのセットは……)

千早「あの、プロデューサー」

P「ん?」

千早「もしかしてこのセットって……」

P「お、気づいたか。実はこのセットな、リフトが仕込んであって、足場が上昇するようになってるんだよ」

千早「!!」

千早「やよいが貧乏をこじらせて死んだ」
P「普通に貧困が原因だろ!いい加減にしろ!」
事務オバサン「ちゃ、ちゃんと給料は支払ってましたよ!?」
貴音「これが明細ですか……。金額にも特に問題ありませんね」
オカマ「じゃあ何で……」
年増先輩「ちゃんと振り込んであるのに……」
しけたばかうけ「……?それよ!原因はそれ!」
ローソン「……あっ!しまった、あの子の知能じゃ口座から引き出すなんてできるわけない……」
ゆとり「かわいそうなのー……」
我那覇くん「頭がか?」
P「ははっ、琉球ジョークか?言うようになったな!」
我那覇「自分も色々勉強してるんだぞ。ははん」
事務オバサン「何笑ってるの」
貴音「不謹慎ですよ、響」
オカマ「……死ねばいいのに」
我那覇くん「……」

洗濯板「真がオカマをこじらせて死んだ」
P「真は男の子だろ!いい加減にしろ!」
事務オバサン「ちゃ、ちゃんとアイドル活動の説明はしましたよ!?」
貴音「これが契約書ですか……。契約内容に特に問題はありませんね」
年増大先輩「性別を偽るのがそんなに辛かったのかしら……」
ウジ虫「でもいまさらそんなことで……。何か変わったことはありませんでしたか……?」
しけたばかうけ「仲よかったあんたが知らないんじゃわかるわけ……」
ローソン「……!それよ!変わったのが辛かったのよ!」
ゆとり「……そういえば真くん、雪歩が変わっちゃったって言ってたのー」
ブス「あっ……それは」
ウジ虫「……」
我那覇くん「中身が全然知らない人に代わってたらホラーだぞ」
P「ははっ、ホラーなんて英語がわかるのか。えらいぞ響」
我那覇くん「自分は米軍相手に戦ってたからな!英語くらいわかるぞ」
ウジ虫「Fuck you」
我那覇くん「……」

ゆりしー、かわいそうです(´;ω;`)

千早(やっぱり……私が夢で見たのと……そっくりだわ)

P「千早?どうした、深刻そうな顔をして」

春香「やっぱりまだ体調悪いんじゃ……」

千早「っ!い、いえ……大丈夫です。ちょっと、このセットの大きさに驚いてしまって……」

P「そうか……それならいいんだけど」

スタッフ「すみませーん」

P「あ、はい」

スタッフ「765プロの方ですね?もう少ししたら打ち合わせをしますので、控室の方へどうぞ」

P「はい、分かりました。行こうか、春香、千早」

春香「はい!」

千早「わかりました」

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