まどか「希望は残っているんだよ。どんな時にもね」ほむら「2」 (71)

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まどか「希望は残っているんだよ。どんな時にもね」
まどか「希望は残っているんだよ。どんな時にもね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382699226/)

残りエピローグのみです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386438959

使い魔を放置しない、の下りは、できる範囲で、ということでお願いします
今の杏子にとって使い魔を放置することが精神的にきついということも付け加えておきます

それでは投下します

杏子「いや、あの、普通じゃないよ、それ」

杏子「あたしがどういうこと今までしてきたか想像つくでしょ……?」

詢子「大体ついてるよ」

杏子「じゃあ、なんでそんなのに……?」

詢子「うちのまどかはさ、まあ、それなりにいい子に育ったと思うんだよ」

それなり、どころではないが

詢子「友達が悪いことしたらその子にダメだって言って、それでも聞かないときは、悩んだ末に大人に報告できるくらいには、さ」

詢子「ところがまどかはあなたに対しては、心配はすれどそういう悩みは全く見せてない」

詢子「よっぽどの事情があってやってたことだし、それを償うようなことも今はできないってことさ」

詢子「褒められたもんでもないだろうけどね。あなたも、それをよしとしたあたしも」

……やっぱりこの親にしてこの子ありだな

詢子「まあ、しかし、短くて数か月、長くて三年かな?それくらい児童相談所なり性根人なりなんなりに厄介になればきちんと清算できることなのに」

詢子「あなたたちみたいな子がそろいもそろってそれをやらない、勧めないなんて普通じゃないね」

詢子「いったいどんな事情なのかな?」

一同「……」

詢子「言いたくないなら、まあ、仕方ないけどね」

詢子「……将来のこと、と言うか、今のことだけでも考えれば、施設なり里親を探すなりしたほうがいい」

詢子「それがわからないあなたたちじゃない。少なくともさやかちゃんとまどかはわかるよね」

詢子「……」

詢子「あ、ごめんなさいね、ほかの子のことはまだそれほど知らないっていうだけで―――」

ほむら「わかってます」

詢子「ありがとうね」

詢子「それでさ、それも選択できないような事情なら、あたしが何とかするしかないじゃないか」

詢子「大人がそろいもそろってあなたのために何もできないなんて、いくらなんでもあんまりだからさ」

杏子「……」

詢子「ありがとう……ございます。必ず、返します」

詢子「今すぐじゃなくてもいいよ。どうせバイトとかするつもりなんだろうけど、そんな時間ないはずだ」

杏子「いや、そんなのいくらでも―――」

詢子「学校」

杏子「……」

杏子「!?」

詢子「どうせ通ってないんでしょ?駄目だよ、そんなの」

詢子「通いたくない子にはそんなこと言わないけどさ、どうやらあなたはそうじゃない」

詢子「通いたくても通えなかったって言うべきかな、そんなにおいがする」

詢子「学校に、君が抱える何かに、バイト、全部両立できるのかい?」

詢子「慣れた後にバイトでもなんなりするのは否定しないけどさ、限度があるんでしょ?」

詢子「特に勉強、今から追いつくのには相当時間がかかるし、金もそれなりにかかる」

詢子「申請された額より上乗せしてるのはそのためだよ」

杏子「だけど……!学校卒業してからじゃこんな額……!」

詢子「返せるはずだ」

杏子「あたしはそもそもまともに卒業できるかどうか――――!」

「できるはずだ」

「大人になれば返せる額だ」

「それができないなんて」

「そんなの絶対許さない」

これにて投下終了です。後日談その4でした
次はまどか母の提案を受けて、それを受け入れるべきか、「事情」をすべて話すべきかの話し合いinほむホーム(予定)です

かなり未定に近い予定なので変更になるかもしれません

忘れてました。次回投下日は未定です

全員、使い魔を狩りつつ自分たちが魔女化しないような狩り方をこれから試行錯誤していくといった具合です

それでは投下します

ほむらside inほむホーム

ほむら「……どうする?」

さやか「みんなで分担して働いたら返せないかな……?」

ほむら「そういう問題じゃないっていうのは、わかるわよね?」

さやか「……うん」

まどかのご母堂は杏子が全うに生き、大人になることにお金を出した

……杏子がまっとうに生きることはすでに決まっている

では、杏子は大人になれるのか
実際どれくらいの確率で大人になって完済できるものなのか……

マミ「インキュベーター、私たちってどれくらい生きられるものなのかしら?」

QB「そんなもの、時代、国、個人によるから答えようがないね」

QB「幸せな結末を迎えた魔法少女はいなかった、としか言えないよ」

一同「……」

まあ、さやかが前に言ったように、結末が幸せか不幸せか、よりも過程が重要であり
私は今この瞬間みんなといれて最高に幸せだから
まどかを守れるならばどんな惨めな最期でも大した問題ではない

今は関係ないことだが

まどか「大丈夫、だよね……?」

まどか「ワルプルギスほどの絶望的状況なんてそうはない、って、言ってたよね……?」

確かにそうだが

魔女との戦闘、グリーフシードの調達、他の街の魔法少女との抗争
それに見滝原・風見野に今後新たな魔法少女が現れるかもしれないことを考えれば……

楽観視はできない

さやか「当面は大丈夫だけどさ、まどかのお母さんの想像よりは危ないことに足突っ込んでるのも事実だからねえ」

まどか「……そっか」

杏子「やっぱり無理だよ、あんな大金……」

マミ「……全部話すべきじゃないかしら?」

杏子「全部……?」

マミ「そう、全部」

マミ「同情でお金を引き出すみたいになるから言いたくなかったんでしょうけど、相手が出す気になっている以上、もうそれは無意味だわ」

マミ「事情を明かすのが礼儀でしょうし、魔法少女について分かってもらえれば学校の話は無しになるかもしれない」

マミ「鹿目さんのお母さんのとらえ方次第でしょうけど」

杏子「……」

杏子は腕を組んでいろいろと考えているようだった
自分が魔法少女だと、父親に話した時のことを想起しているのかもしれない

やはり、問題があるとすれば、いつ理性を失って襲い掛かるかわからない化け物が娘の近くにいると知った時のご母堂の反応か
みんなもそれを不安視しているようだ
そこらへんに鈍い、というかそういう考えが及ぶわけもないまどか以外は、だが

ご母堂の意向により完全に会えなくなるとすれば、まどかに例の障壁をかける都合、困るが
実際のところ、いくらでも隙は作れるだろう

もちろんまどかになかなか会えなくなるのはみんな嫌だが
こちらの都合よりもあちらの都合が優先するのは当然

……話すべきだろう

みんなもその結論に至ったようだった
(まどかはまどかで、自分が今までやってきた「危ないこと」を知られる決心をした)

……このとき私たちは、魔法少女であることを明かすこと自体に考えを巡らせていて
その先について全く考えていなかった

すなわち、見方を変えれば、私たちはまどかの命の恩人に当たり、これからもまどかを助けていく立場にあるということだ


学校に行かないということを納得してもらって、額を減らし返済期限を早めようという意図で
もう娘に金輪際近寄るなと言われる覚悟で事情を明かしたのに
逆に大感謝されて、額の増額やら、借金ではなく譲渡にするという話やら、いっそ養子になってくれやら

まあ、相当面倒くさいことになった

もう少し、あの人はまどかの母親だということに思いを巡らせるべきだった
……あの人と関わってから、ずっとそんな考えばかり抱いているような気がする
一見まどかと違うように見えても、やっぱりまどかの母親だった


杏子も杏子で必要以上に受け取る気は全くなかったために、話し合いは非常に難航した

結果的に、ご母堂の意見に大体沿う形で
とにかくこれからは困ったことがあったらいつでも相談せよとの言いつけとともに、協定が成立した

立場を考えれば当然か
ご母堂も、父上に宥められてかなり譲歩はしたが


額は当初鹿目詢子・知久が提示した額通り
学校には通う(さぼりがちになってもやむなし)
借金という形にはするが、1銭も帰ってこなくてもまったく気にしない
何にもまして、自分が生き残ることを優先すること
以上

……中学卒業までしか想定されていないものであり、そのころになれば高校に行くか行かないかやらでまたもめそうだが
それは後の話だ

そのころまで生き残れればとりあえず御の字と考えるべきだろう

これにて投下終了です

次の投下あたりで最後になるかもしれません

投下します。最終回です

ほむら「ところであなた、ワルプルギスを越えたら上条恭介に気持ちを伝えると言っていたわよね?」

さやか「……言ってましたねえ」

ほむら「破るつもりはないわよね?」

さやか「そうだね。こうして生き残れたわけだし」

さやか「……いつ死ぬかもわからないし」

さやか「……さすがに逃げられないね」

……どうやら首根っこはつかまなくてもよさそうだ

さやかside

さやか「それで、次の日に仁美からの呼び出しねえ」

さやか「タイミング良すぎない?」

仁美「……」

さやか「いくらあたしでもわかっちゃうんだよね」

さやか「あんたたちがグルだったってこと」

さやか「仁美が今まで告白しなかったのは、ほむらに止められてたからだね?」

仁美「……ええ」

さやか「あたしがそういうの大嫌いだってこと、知ってるよね?」

仁美「……ええ」

さやか「じゃあ、なんでそんなことしたわけ!?」

仁美「……知ってしまったからです」

さやか「はあ?何を?」

仁美「あなたが魔法少女だということを」

……!?

……

……

さやか「ほむら……!?」

仁美「いえ。過去に一度勧誘を受けたことがあるというだけです。もう素質はありません」

仁美「……愚かなことに、上条君の怪我が治癒して初めて気づきました」

さやか「……魔法少女のなれの果てのことも知ってるの?」

仁美「……ええ」

さやか「……だから告白をやめたってわけだ」

仁美「……はい」

さやか「……許せることじゃない」

仁美「……わかってます」

さやか「……て言っても……私はどんな結果になっても受け止めるって言っても……そんなこと言える資格ないんだよね」

さやか「ほむらと魔女から重々教えられたし」

さやか「納得いく話じゃないけどさ」

仁美「……?」

さやか「……こっちの話」

さやか「まあ、そういうわけでさ、これは水に流すから」

さやか「だから仁美が先に告白して」

仁美「やはりそう来ますか」

さやか「当たり前じゃん。こんなお膳立てごめんだよ」

さやか「てかこうなることわかってたよね?」

さやか「わかんないな。先に告白したければすればよかったのに」

さやか「ほむらと協定結ぶ義理なんてないでしょうに」

さやか「なんでこんな回りくどいことしたの?」

仁美「さやかさんに先んじようという小細工ではありません」

仁美「……私は、さやかさんに恋の告白以上の告白を求めているんです」

さやか「……は?」




「魔法少女であることの、告白」


さやか「……なに、言ってんの?」

仁美「本当は私がとやかく言うことじゃないんだとわかっています」

仁美「だけど、上条君には知る義務がある」

さやか「ないよ!あたしが馬鹿やったってだけじゃん!」

さやか「なんで恭介を巻き込まないといけないの!?」

仁美「あなたは馬鹿なんてしていません!正しいことをしたんです!世界の誰よりも正しいことを!」

さやか「恭介に言えないことが正しいわけがない!」

仁美「だからこそ言えと言っているんです!」

さやか「あたしの勝手でしょうが!」

仁美「……言いますよ?」

さやか「……は?」

仁美「私が、上条さんに、告白する前に、魔法少女のことを」

さやか「……ハッ。言えばいいじゃん!」

さやか「そんなファンタジックなこと、告白する前に言えるもんなら言ってみなよ!」

さやか「あらかた誰が魔法少女か見当ついてるだろうけど、そのことであんたに協力する人なんかいないんだ!」

さやか「証明できるわけがない!」

仁美「それは問題になりませんよ?」

さやか「問題でしょうが!あんたが頭イカれたって思われるのがオチだよ!」

仁美「上条君も疑問に思っているんですよ?不治と言われていた怪我が事故前の状態に戻ったことに」

さやか「……!」

仁美「治ったと同時にお見舞いに行くのをやめましたね?」

仁美「これを結び付ければ、証明手段がなくても信じさせるのは困難ではありません」

……仁美が言う、ってこともあるか

……仁美がおかしくなったって考えるよりは―――

さやか「……ねえ、仁美、あんたわかってんの?」

さやか「あたしが魔法少女だって伝えることは、あたしが化け物だって伝えると同時に」

さやか「恩を押し売りするってことでもあるんだよ?」

仁美「わかってますよ」

仁美「さやかさんがその両方を恐れているということも」

さやか「……この頑固者め」

仁美「あなたに言われたくはありません」

仁美「……さやかさん、上条君を信じてくれませんか?」

仁美「あの方なら、全部受け入れてくれると思うんです」

さやか「……」

さやか「……信じる、か」

ほむらはあたしたちを信じてくれた
だから、あたしは、今、ここにいる

今度はそのバトンを恭介に預ける時なのかな……

さやか「……そうかもね」

さやか「全部黙ってるなんて、都合よすぎたかもね」

さやか「わかった。だからさ」

さやか「仁美も一緒に告白して」

仁美「……」

さやか「これだけは譲れない」

仁美「……」

さやか「信じてくれないかな、仁美も、あたしのこと」

仁美「……そんなこといいつつ、玉砕して私が成功したら大荒れになるのがさやかさんですわ」

さやか「……」

仁美「だけど、私が身を引いても荒れるのがさやかさんですからね」

仁美「ええ。信じるしかなさそうです」

そのあと約束した通り、あたしたちは恭介にすべて告白した

恭介は、あの時僕が荒れたせいだと言ったけど
あたしは、本心を打ち明けてくれてうれしかった、と答えた


恭介の答えは、保留だった
肩すかしみたいだけど、そりゃ、人間が処理できる情報じゃないもんね、あんなの

拒絶されなかったというだけであたしは有頂天だった
そう遠くないうちに答えをだすとは約束してくれたし
それまで、また仁美と競争だね

その後、仁美を含めたみんなは、早く答えをださないとさやかちゃんその前に死んじゃうかもですよ?なんて恭介に圧力をかけるようになった
……やめてほしい

あと、蛇足ついでにそれからの日々について少し

ほむらと杏子は再度マミさんに弟子入りした
ほむらは前に言った通り、杏子は先の一件で回復魔法の重要性を痛感したから
杏子がアルバイトをする余裕ができるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ
あたしは、忙しい三人の魔女狩りとまどかの障壁作りを担っている

正直みんなそれぞれ色々きついけど、なんといってもまどかを守るためにみんな無事できなきゃいけないわけだからね
張りが出るってもんですよ


さて、それでは、見滝原は今日、遠くまで見渡しても雲一つない快晴だという気象情報をお伝えして
この物語を終わらせようと思う

もちろん物語が終わっても、あたしたちは終わらない

これから先、この生活がいつまで続くかはわからない
近いうちに唐突にバッドエンドを迎えるかもしれないし、案外引き伸ばされた末にハッピーエンドで締められるかもしれない

だけどこれは、ほむらにとっては想像することも許されなかった生活だから
あのまどかがついに実現させた時間軸だから
あの魔女と、後悔しないと一方的に約束したから
あたしはできるだけながーく続ける気満々なのです

一度死んだ身だし最後にみんなを守って逝けたらまあオッケーかな、なんて考えてるわけだけど
こんなこと話したらみんなに怒られるから今は置いとく

みんなも同じ気持ち
この日々を長く続けるためならば
運命の一つや二つ、いくらでも捻じ曲げて見せる

なんて言っても―――





――――あたしたちは魔法少女だから



というわけでこれにて終了です
HTML申請しておきます

さやかちゃんが契約前に全部(SG魂化、魔女化、仁美告白)知った上であれこれ考えるSSが少ない!
→自分で書けばいいじゃない!で始めたSSでした

誤字脱字、多発するミス、仁美関連の盛大なやらかしなど、紆余曲折ありましたが
こうして締められたことにホッとしています

PS

仁美には色々押し付けちゃったかなって反省してます

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