狐娘「ん?どうした人間?」(51)

~神社~

男「・・・」

狐娘「なんじゃ人の顔をじろじろ見て・・・何かしゃべったらどうなんじゃ」ザックザック

男「・・・」

狐娘「ん?お前もしかして初詣に来たのか?この神社に?」ザックザック

男「あっ・・・うん・・・まぁそーなんですけど・・・」

狐娘「物好きじゃのー・・・わざわざこんな山奥の神社にくる必要ないじゃろ」ザクザクザック

男「い、いや・・・年初めに珍しいものが見れたので・・・」

狐娘「ふーん・・・まぁ賽銭をはずんでくれれば何でもいいのじゃ」

男「あの・・・一つ聞いていいですか?」

狐娘「ん?」ザックザック

男「えっと・・・その耳は・・・」

狐娘「耳?耳がどうかしたか?」ピコピコ

男「ほ、本物・・・じゃないですよね?」

狐娘「は?本物にきまっとるじゃろ。何言ってるんじゃ?」ピコピコ

男(なんだろ・・・なりきり遊びとかそういうのかな)

狐娘「あーそうか、人間からしたらこの耳は珍しいのか・・・おっ!そうじゃ」

男「?」

狐娘「賽銭はずんでくれたら触ってもいいぞ」

チャリーン

狐娘「500円か・・・それじゃあそんなに長い時間触れないぞ」

男「いえ、大丈夫です。(本物かどうか確かめるには充分だろ)」

狐娘「ほれ、触れ」ピコピコ

男「失礼します」

サワサワサワサワ(3秒)

狐娘「終わりじゃ」

男「・・・・・・っ!取れなかった!?本物だこれ!?」

狐娘「さっきから本物だっていっとるじゃろうが」

パサッ!

狐娘「おぉ!さらに壱萬円も入れてくれるのか。お前気前がいいのー」

男「お願いします!」

狐娘「?。何をじゃ?」

男「今の壱萬円分でもう一度耳を触らせてください!」

狐娘「はぁ?さっきの500円分で十分じゃろ」

男「いいえ、十分じゃないです!」

狐娘「人間ってのはよくわからん行動をとるんじゃな・・・」

狐娘「んー・・・そうじゃなー、それじゃあ・・・」

男「・・・」

狐娘「雪かき手伝ってくれたらもう一回触らせてやるのじゃ」

男「えっ!?さっきの壱萬円は!?」

狐娘「二回目以降も触らせるなんていっとらん」

男「えっ!?」

狐娘「人生一回きりのことなんて多々あるもんじゃ。最初から壱萬円入れておけばよかったの」

男「そ、そんな・・・」

狐娘「どうする?一期一会のこの世の中でもう一度めぐってきたチャンスじゃ」

男「うぐぐ・・・」

狐娘「雪かき・・・するのか?」

男「・・・・・・します」

狐娘「そうか!それじゃあほれ、お前はわしと違って力がありそうだからスノーダンプを貸してやるのじゃ」ドンッ!

男「あ、ありがとうございます」

狐娘「この量じゃから二人でやれば30分もあれば終わるじゃろ」

~20分後~

男「お、終わった・・・!」

狐娘「いやぁ、予想していたよりも早く終わったのー。やっぱり男手があるとあっという間じゃのー」

男「は、はは・・・」

狐娘「それじゃあ・・・こっちじゃついてこい」

男「え?」

狐娘「雪かきを手伝ってもらったんじゃ茶の一杯くらい出すからついてこい」

~神社裏・家~

ガラガラガラ

狐娘「戻ったのじゃー」

男「(神社裏に家が・・・)お邪魔します」

狐娘「まぁ何もないが適当にくつろいでいけばいいのじゃ」

男「はぁ・・・ありがとうございます・・・」

~茶の間~

ガラララ

狐娘・男「・・・うっ!?」

犬娘「あ~~・・・狐ちゃんお帰りなさい~」

狐娘「犬・・・正月だからって飲みすぎじゃ・・・匂いがひどいぞ・・・」

犬娘「そうかな~?お酒のいい匂いだよ~?」

狐娘「・・・まぁいい。人間、とりあえず炬燵にでも入ってまっとれ」

男「あ、はい」

犬娘「うぉっ!?に、人間だ!」

犬娘「あなたお名前は~?」

男「・・・男って言います」

犬娘「へー、男君っていうんだ~私は犬娘っていうんだおろろろろろろぉお!」ゲロロロロロ

男「っ!?」

犬娘「おろろろろろぉぉぉぉぉ・・・」ゲロロロロロ

男「ちょ、えっ!?だ、大丈夫ですか!?」

~風呂~

男(まさか休憩させてもらいに来て一番にゲロを喰らうとは・・・)ヌギヌギ

狐娘(あとで着替えを持っていくから風呂に行って来い!)

男「まぁ・・・雪かきで汗もかいてたし・・・災い転じてってやつなのかな・・・」

犬娘「私のゲロは災いなの~?」

男「そりゃあ・・・ってえ?な、なんでいるんですか!?」

犬娘「私もゲロを被弾したからですよ~」

男「いや、そうかもしれないですけど!」

犬娘「ほらほら!こんなところで裸になってたら二人とも風邪ひいちゃいますよ」グイーッ!

男「ちょ、ちょっと!?で、でも!」

犬娘「あ~、大丈夫ですよ~心配しないでください」

男「え?」

ガラガラガラガラ

犬娘「ね~、露天風呂だから二人でもゆったり入れますよ~」

男「心配するところはそこじゃないですよ!」

犬娘「ぷはぁ~・・・あったかいね~」ゴクゴク

男「あの・・・また飲んでるんですか?」

犬娘「さっき出しちゃった分補給しないと~」ゴクゴク

男(吐いて飲んでの無限ループになりそうだけど・・・)

犬娘「それよりぃ・・・なんでそんなに離れてるの~?もう吐かないから大丈夫だよ~」

男「いや・・・そういうことじゃないです・・・」

犬娘「じゃあいいや~、わたしがそっちにいこ~」ジャブジャブ

男「うわっ!?」

犬娘「せっかく相手がいるのに一人で飲んでもつまらないもん」

男(は、裸のお、女の子が!と、隣!)

犬娘「とくとくとくとく~~~っと」

男(・・・!そういえば裸に気を取られて忘れてた・・・)

犬娘「あ~あ~・・・こぼれちゃった・・・」

男(犬娘さんなら、触らせてくれるんじゃないだろうか)

犬娘「はい男君。ちょっとこぼれちゃったけどいいよね~」

男「あ、あの、犬娘さん」

犬娘「な~に?」

男「み」

犬娘「み?」

男「耳を触らせてもらえませんか?」

犬娘「べつにいいよ~はい~」

男「あ、ありがとうございます!」

サワサワサワサワサワサワサワサワサワサワ

犬娘「くすぐったいなぁ~」

男「やっぱ本物だこれ・・・」

犬娘「じゃあ次は男君ね~。お酒に突き合ってね~、はい、かんぱ~い」

男「か、かんぱーい・・・」

男(この二人はいったいなんなんだ・・・!?)

~15分後・茶の間~

狐娘「なんじゃお前ら、風呂で酒盛りをしとったのか」

犬娘「そーだよ~、私と男君はねゲロで結ばれた酒飲み仲間なんだよ~」

狐娘「なんじゃそれは・・・」

男「着替えまで借りちゃってすみません・・・」

狐娘「別にそんな礼を言うことじゃない。・・・あ、そういえばさっきの約束がまだじゃったなほれ」ピコピコ

男「・・・失礼します」サワサワサワサワサワサワ

犬娘「男君って耳が大好きなんだね~」

狐娘「それにしても人間がここに来るなんて久々じゃのー」

犬娘「そうだね~、それに男の人なんて久しぶりに見た気がする~」

男「あの・・・一つお聞きしたいんですけど」

狐・犬「ん?」

男「あなた方はなんなんですか?人間なんですか?」

狐娘「人間にこんな耳や尻尾が生えているのか?」

男「いや・・・生えてないから聞いているんですけど・・・」

狐娘「じゃあとりあえず人間ではないの」

犬娘「私たちは男君たちがいうところの妖怪とかの類になるのかな~」

男「妖怪?」

犬娘「うん。まぁ見た目は人間とそっくりだけどね~」

男(妖怪が神聖な神社の裏に住んでるっていうのはなんだか変な話だなぁ・・・)

狐娘「まぁ妖怪といってもお前ら人間と似たような生活を送っておるがの」

男「はぁ・・・なんだかまだ信じられませんけど・・・」

犬娘「世の中にいろんな人間がいるみたいに世の中にはいろんな妖怪がいるんだよ~」

男(いろんな妖怪っていうか、妖怪の存在そのものが信じられないんだけど・・・)

狐娘「まぁいい。とりあえず今日はゆっくりしていけ。吐瀉物をまみれにしてしまった件もあるしの」

犬娘「そうそう~。もうゲロ仲間だもんね私たち」

男「・・・ははは」

狐娘「とりあえず一泊五千円じゃ」

男「えっ!?お金とるんですか!?」

狐娘「本当に払うとはな。冗談で言っただけなのに」

男「え?!冗談だったんですか?!だったら返してくださいよ!」

狐娘「嫌じゃ」スタスタスタ

男(だ、騙された・・・!)

犬娘「あははは、狐ちゃんのいうがままにお金を払ってたら一文無しになっちゃうよ~」

狐娘「そんなことを言うなら今後は自分の酒は自分の金で買え」

犬娘「それは嫌」

犬娘「まぁ今日はお正月だし、ゆっくりお酒でも飲もうじゃありませんか~」

男「いや、もうさっきから飲んでるじゃないですか」

犬娘「じゃあこのまま続けて飲もうじゃないですか~はいコップ!」ドンッ!

男「あ、い、いただきます・・・」

犬娘「はいはい、男君、ちょっと前あけてね~」

男「え?」

犬娘「よっこいしょっと~」ストン

犬娘「へっへへ~いい座椅子だぜ~」

男「ど、どうしたんです?」

犬娘「ただやりたかっただけ~」

狐娘「何やっとんじゃ?」スタスタ

犬娘「男君の椅子~、いいでしょ~?」

狐娘「お前ら・・・酒を飲む前に手伝ったらどうなんじゃ」

狐娘「とりあえず男、一つ言っておくが」

男「え?なに?」

狐娘「犬はすぐに懐いてべたべたしてくるのじゃが」

犬娘「え~?そうかな~?・・・・・・そうかも~」

男「いやまぁ・・・だいたい分かりますけど・・・」

狐娘「たぶん夜中に布団に忍び込んでくるから気を付けておけ」

男「え?」

犬娘「とりあえず料理もお酒もそろったしかんぱ~い!」

狐娘「乾杯じゃ」

男「乾杯ー」

狐娘「そうじゃ男、酒と料理代二千円じゃ」

男「いや、もうその手には乗らな・・・」

狐娘「二千円」

男「いや、だから・・・」

狐娘「二千円」

狐娘「払わなくてよいと言っとるのにのー・・・ふふふ」

男「だったら何でそこまで凄んでくるのさ・・・」

犬娘「あはは~男君は押しに弱いんだね~」グビグビ

狐娘(まだまだ搾り取れそうじゃの)

男「まぁいいや・・・とりあえずいただきます・・・」

犬娘「駅伝ってすごいね~。私あんなに走れないよ~」

狐娘「犬の妖怪という肩書が泣くぞ」

犬娘「実際には泣くより吐きそうだけどね~」

男(・・・犬娘ちゃん温かいなー)

狐娘「走れない犬なんぞ犬じゃない」

犬娘「いいんだよ~、最近は室内犬っていうのがいるんだも~ん」グビビ

男「お酒を飲む犬なんて聞いたことがないけど・・・」

狐娘「はぁ・・・正月は暇じゃのー」

犬娘「そうかな~?ずーっとお酒飲んでてもいい日だよ~?」

狐娘「お前の中では祝いの席はずっと酒の日じゃろうが」

男「・・・ぷっ」

狐娘「・・・そうじゃ!」スタスタスタ

犬娘「ん・・・男君男君」クイクイ

男「え?なんです?」

犬娘「狐娘ちゃん・・・多分賭け事を始めるから気を付けてね?」

男「え?賭け事・・・ですか?」

犬娘「そ~そ~、ギャンブル。お金が好きな人は賭け事も好きなんだよ~」

男「・・・狐娘さんって賭け事お強いんですか?」

犬娘「ううん。ぜ~んぜん」

男「え?」

犬娘「ぜ~んぜん弱いよ~」

男「え・・・でも気をつけろって・・・」

犬娘「うん~。機嫌が悪くなるから気をつけろってこと~」

男「・・・そんなに弱いんですか?」

犬娘「うん~。多分余裕で勝てるよ~。今日とられた分のお金取り返してさらに取れるレベルだよ~」

男「ちなみに・・・機嫌が悪くなるとどうなるんですか?」

犬娘「ん~とね~・・・」

狐娘「何の話をしとるんじゃ?」トタトタトタ

男「おっ・・・」

犬娘「おかえり~、お酒の話をしてたんだよ~」

狐娘「お前は酒以外に興味はないのか」

男(結局どうなるのか聞けなかった・・・)

狐娘「さて、男」

男「はい?」

狐娘「一つ暇つぶしでもやらんか?」ドサドサドサ

男(本当に賭け事だった)

狐娘「ただやるだけっていうのもつまらんからの。一勝負100円でどうじゃ?」

男「え?お金かけるんですか?」

狐娘「当たり前じゃ。賭けるもののない賭け事など賭け事じゃないじゃろうが」

男「・・・は、はぁ、まあそうですけど」

狐娘「犬もやるか?」

犬娘「私は見てるだけでいいよ~」

狐娘「男、お前花札はできるか?」

男「あ、うん。といってもこいこいしか知らないけど・・・」

狐娘「よいよい。それじゃあこいこいで勝負じゃ」

男「う、うん」

狐娘「それと・・・一勝負100円じゃ時間がかかりそうじゃの・・・なので」

男「・・・」

狐娘「一文100円でよいかの?」

男「・・・・・・」チラッ

犬娘「・・・」グッ!

~5分後~

男「カス一文・・・こいこいしない」

狐娘「なんじゃそんな安手であがるのか?」チャリン

男「手札が微妙なものばっかりだからね」

犬娘「・・・・・・」グビビッ

狐娘「まぁまだ始まったばかりじゃからの」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月24日 (火) 01:12:38   ID: Afxrf5jA

続きマダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

2 :  SS好きの774さん   2014年04月26日 (土) 21:55:50   ID: Pd5qWmjr

続きマダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

3 :  ちんこしゃぶります   2014年10月11日 (土) 09:13:31   ID: cqxgOMMf

まだか?

4 :  SS好きの774さん   2014年12月09日 (火) 14:02:57   ID: -WjtWRLv

まだなのか?

5 :  SS好きの774さん   2015年04月20日 (月) 02:39:43   ID: A8k6xxnd

続きお願いします

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