れんげ「姉ねぇは、いつもパチンコなのん。朝から晩までパチンコ屋に行くのん。
　　　　酔って帰ってきて、そのまま寝るのん。
　　　　駄菓子屋もいつもいないのん。駄菓子屋も朝から晩までパチンコ屋なのん。
　　　　駄菓子屋いないから駄菓子買えないのん。
　　　　姉ねぇと駄菓子屋酔って一緒に帰ってきたから
　　　　駄菓子屋に仕事しなくて大丈夫なん?って聞いたら、
　　　　生活保護っていうので働かなくてもいいらしいのん。
　　　　姉ねぇもウチんちの山売ったから働かなくていいって言ってたのん。
　　　　もうあの山で遊んじゃ行けないと言われたのん」

れんげ「最近、学校で授業がないのん。姉ねぇもなっつんもこまちゃんもほたるんも
　　　　学校に来ないのん。うちだけが席に座ってるのん。
　　　　姉ねぇに聞いたら授業やってるってことになってるらしいのん。
　　　　働かず金貰えるからと姉ねぇガッツポーズしてたのん」

れんげ「なっつんの家にいけば、なっつん、こまちゃんはいるのん。
　　　　でも音がするだけでピクピクするのん。
　　　　なんでなんって聞いたら。怖いおじさん達が来るって言ってたん。　
　　　　なっつんの家、窓とか壁とか穴が開いてるのん。
　　　　テレビも冷蔵庫もないのん。」

れんげ「ほたるん家に行ったら、怖いおじさん達がいたのん。
　　　　でもほたるん、なっつん達と違ってピクピクしてないのん。
　　　　ほたるん喜んでたのん。新しい服買ってもらえたって。
　　　　最近、なっつんやこまちゃん元気よくないから安心したのん。
　　　　でも、悲しい事があったのん。
　　　　ほたるん、来年から東京の全寮制の学校に行くって言ってたのん。
　　　　ほたるん転校しちゃうのん。せっかく仲良くなれたのに
　　　　ほたるん、泣いてるうちの頭、やさしく撫でてくれたのん。
　　　　温かかったのん」

れんげ「なっつんの家に行ったら、怖いおじさん達がいて、
　　　　おばさん泣いてたのん。
　　　　せめて中学ぐらい卒業させてって言ってたのん。
　　　　なっつんとこまちゃんも泣いてたのん。
　　　　うち怖くなって帰ったのん」

れんげ「なっつん達が心配でなっつんの家に行ったのん。
　　　　でもなっつんやこまちゃん笑顔だったのん。
　　　　なっつんがうちの肩に手を当てて言ったのん。
　　　　なっつんもこまちゃんも都会に転校するって
　　　　なっつんが大阪、こまちゃんが東京。
　　　　うち都会すごいのんって言ったら
　　　　なっつん自慢げに笑ってたのん
　　　　でも目が笑ってなかったのん」

れんげ「なっつんもこまちゃんもほたるんもいなくなったのん。
　　　　ひか姉も帰ってこないのん。このみ姉も最近見ないのん」

れんげ「なっつん達が転校して一年ぐらい過ぎた日、
　　　　姉ねぇがなっつん帰ってくるよって言ったのん。
　　　　こまちゃんががんばってるからなっつん帰ってこれるって
　　　　うちうれしかったのん。
　　　　なっつんのために歌作るのん」

れんげ「なっつんが帰ってきたからなっつんの家に言ったのん。
　　　　なっつんの姿見て驚いたのん。
　　　　髪の毛が真っ白で目がどこみてるかわからなかったのん。
　　　　痣だらけで声も枯れて、
　　　　なっつんじゃなかったみたいだのん
　　　　うちがんばってなっつんの歌ったのん
　　　　でも、なっつんの顔、最後まで変な方向向いてたのん」

れんげ「なっつんの歌、第二段考えたのん。
　　　　早くなっつんに聞かせたいのん。
　　　　なっつん家の行ったら、泥まみれになって、
　　　　おばさん泣いてたのん。
　　　　なっつんがいなくなっちゃったらしいのん。
　　　　うちも探すってなっつんの部屋行ったのん。
　　　　床に大きいシミがあるだけでなっつんいなかったのん。
　　　　結局、なっつん探しても見つからなかったのん」

れんげ「だれも来ない学校が終わって、
　　　　家に帰ったらおじさん達の車がちょうど出てきたところだったのん。
　　　　あのおじさん達、怖いから嫌なん。
　　　　ただいまって帰ったら姉ねぇがうちに大事な話があるって言ったのん。
　　　　姉ねぇがうちも転校するとか働くとかわからない事言ってたのん。
　　　　でも、こまちゃんと同じ所って聞いてうれしかったのん。
　　　　また、こまちゃんに会える、会えるだって。
　　　　新しい学校はリトルエンジュルって変な名前なん。
　　　　都会楽しみだのん」