安心院「じゃあこれからは普通に人吉君と恋愛するよ」めだか「は?」(128)


安心院「完全にボクの負けだ……クラスメイトとして、フツーの女子として、大人しくするとしよう……」

めだか「………」

安心院「なんだか憑き物が落ちた気分だよ……いや、実際に『大嘘憑き』も落ちたことだしね」

善吉「ええ……貴方はもう普通なんです。安心院さん……。 普通に幸せになって、いいんですよ」

安心院「人吉くん………」

安心院「……そうだ」

安心院「フツーの女子、というなら……」

安心院「フツーに恋愛することも許されるのかい? こんなボクでも」

善吉「そりゃそうですよ! 安心院さんなら、きっと幸せな恋愛を……」

安心院「じゃ、じゃあ人吉君………」

善吉「はい?」

安心院「その……非常に恥ずかしいんだが…………」

安心院「ボクと付き合ってくれないか……?////」

善吉「へっ?////」

めだか「は?」


安心院「その……ボクってラスボス的な存在だったから……あんまり意識しないようにしてたけど」

安心院「結構前から……好きだったんだ……人吉くんのこと」

めだか「ッ!! お」

善吉「でっ、でも、安心院さん! 俺、その、まだ安心院さんのこと良く知らないですし……」

めだか(善吉ちゃん……流石私の善吉……)

善吉「だから、その、……」

安心院「じゃあ、トモダチになってくれないかな」

善吉「何言ってんですか」

善吉「俺達、とっくに友達じゃないですか」ニカッ

安心院「っ」キュン

安心院「人吉君……」

安心院「じゃ、じゃあ善吉ちゃんって呼んでもいいかな?」

善吉「ええ、もちろん!……ちょっと恥ずかしいですけど」

安心院「うん、じゃあ善吉ちゃん、まずは友達から始めよう」

めだか「ん?」


安心院「だから……ボクのことも……」

安心院「なじみ、って、呼んでいいよ? 善吉ちゃんなら」

善吉「っ」キュン

善吉(何だ……なんか一瞬ドキッとしちまったぞ……)

めだか「あ、あの、あの、善」

善吉「な……なじみ………さん」

安心院「トモダチにさん付けはないだろう?」クス

善吉「な、なじみ」

安心院「う、うん……」カァァァ

善吉「……」カァァァ

めだか「善吉!!!帰るぞ!!!」グイ

善吉「うえ!? めだかちゃん……!?」

めだか「まだまだ生徒会の仕事は山ほど残っているんだ!!早く帰るぞ!!」グイ

善吉「な、何だ急にー!? ぐえぇ!首が絞まる!!」

安心院「善吉ちゃん!」


めだか「ほら! 早く!」グイグイ

善吉「ぐえぇ! じゃ、じゃあ俺はちょっと生徒会行って来るから!」

安心院「あ、うん……善吉ちゃん!」

善吉「うん?」

安心院「……また、ね?」ニコッ

善吉「っ」キュン

善吉「ま、またなっ」

めだか「急ぐぞ!! 黒神ファントム!!」ビュンッ

善吉「待って!!? 俺は生身の体だだだあぐええええぇええ!!!?」 ズルズル…

安心院「……善吉ちゃん……」

安心院「………」

安心院「………」

球磨川「ねぇねぇ!!僕もなじみって呼んでい」

安心院「却下」

熊川「………」

球磨川でした


善吉は自宅から通っている。

───

善吉ママ「善吉くん! ちゃんとお弁当持ったー?」

善吉「ああ! んじゃあ行ってきます!」

 ガチャ

善吉「え……?」

安心院「お、おはよう……」

善吉「おはよう……」

安心院「………」

善吉「………」

安心院「じゃ、じゃあ学校行こうか」

善吉「待て」ガシッ

安心院「い、いいじゃないか友達なんだから! 君は友達と学校に登校したことも無いのか!」

善吉「朝待ち伏せされたことはねぇよ!!」


善吉「ま、まあ嫌じゃねぇけど……」

安心院「えっ?」

善吉「ほ、ほら早く行こうぜ。遅刻する」

安心院「う、うん……」

 トコトコ


めだか[電柱] 「………」

球磨川[電柱] 「何だか面白いことになってき」

  ドガッ

球磨川?「……」ピクピク

めだか[電柱] 「付き合いは私の方が長いんだ……ずっと、ずっと善吉の傍にいたのは私だし……」


安心院「ふふっ、こんなこと、初めての経験だよ 何だか新鮮だな」

善吉「そうなのか? まあ、そんなに喜んでもらえるなら、これから一緒に登校するか?」

安心院「っ うんっ!」パァ

めだか[電柱] 「………」

SSだと『』をつけたほうが球磨川の特徴がわかりやすいな

───
 教室

ガラララッ

善吉「おはよーっす」

半袖「お~、おはよ~……ってアレ?」モグモグ

安心院「……」

半袖「……」ジー

善吉「ああ、不知火、今日はなじみと一緒に」

半袖「なじみ……?」モグモグ

善吉「え? ああ、なじみとは昨日友達になって……」

安心院「不知火君、ボクも晴れて善吉ちゃんの友達だ。改めてよろしく頼むよ」

半袖「………よろしく」モグモグ

人吉「? どうした?」

半袖「べっつにぃー」モグモグ

半袖「ただ、つまみぐいは嫌いダナーってだけぇー」モグモグ

善吉「……?」


 ガララララッ

めだか「善吉」

善吉「ん? おお、めだかちゃん、おはy」

めだか「即、生徒会室に集合だ 2秒でな」

 ガラララッ ピシャッ

善吉「え?」

半袖「1秒経過」

善吉「無理だろおおおおぉぉぉォォ!! ってかなんか冷たくねぇか!!?」

安心院「大丈夫だよ 善吉ちゃん、私に任せて」ガシッ

善吉「えっ……?」

めだか「………」

善吉「え、めだかちゃ……!? ん!? ここは生徒会室!?」

安心院「『死延足』を使ったんだよ 所謂瞬間移動という奴だね」

善吉「サ、サンキュー、なじみ」

めだか「………」

間違えた 死延足じゃなくて腑罪証明だった


めだか「安心院なじみ女子。余計な真似はやめてもらおうか」 凛ッ

安心院「おいおい。善吉ちゃんはノーマルもノーマルなんだぜ、2秒なんて」

めだか「ッ……善吉は庶務だ。 そして私は生徒会長だ。 だから善吉を少々鍛えようと……」

善吉「鍛えるも何も無理難題だろ!?」

安心院「ほら、善吉ちゃんも困ってるじゃないか」

めだか「っ……あ、安心院女子。 人吉庶務を……その、馴れ馴れしく善吉ちゃんと呼ぶのはいかがなものか」

めだか「まだ知り合って日も浅いであろう? 幼馴染で昔から常に共にいる心身共同体とも言える私とは違って。」

安心院「……だが、善吉ちゃんは善吉ちゃんを善吉ちゃんと呼ぶことを許可してくれたぞ?善吉ちゃんは」

めだか「ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 」(改神)

善吉「改神モード!!? ちょっと落ち着いてよめだかちゃん!!?」

めだか「だって……だってだな……!」

善吉「なじみちゃんはもう敵じゃないんだ……友達だろう……? めだかちゃんが改心させたんじゃないか!」

めだか「うぅ………」

安心院「そうだぞめだかちゃん。 君のおかげでボクは……愛に目覚めたんだ」

めだか「ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 」(改神)


善吉「だからぁぁぁ!! 何だか今日のめだかちゃん、変だぞ? どうしたんだよ?」

めだか「うぅぅ……善吉ぃ……」

善吉「めだかちゃん、困ったことがあったなら俺に相談してくれよ そりゃ、めだかちゃんの手に余る物が俺にどうにか出来るとは思わないけど」

安心院「ボクだって力になるさ 善吉ちゃんの友達の為ならね」

めだか「………」

めだか「友達じゃない」

善吉「え」

めだか「善吉は……友達じゃない」

善吉「ガーン」

めだか「善吉は……友達を超えた……そうだ!幼馴染だ! 他ならぬ、大事な幼馴染なんだ!」

善吉「めだかちゃん……」キュン

めだか「ははは、残念だなぁ、善吉も私しか幼馴染がいないとは何とも可哀相だが、まあそれが現実だし、仕方あるまい。私だけが……」

安心院「なんだ、そういうことか」

めだか「む?」

安心院「ようやく合点がいったよ」


善吉「どういうことだ?」

安心院「めだかちゃん、キミは善吉の幼馴染が一人しかいない、ということに悩んでいたんだね。それで善吉ちゃんが寂しいんじゃないかと」

めだか「う、うむ」

善吉「え? 俺は別にそれで寂しいワケでは……」

安心院「それなら安心してくれたまえ。 ボクには『若手の甲』<ニューカマー>というスキルがあるんだ」

善吉「え?」

めだか「む?」

安心院「はっ」

 キィィィ……ン

安心院「……」シュルルル…

善吉「!? なじみが!?」

安心院「やぁ、急に世界が大きくなった気分だよ」

善吉「な、なじみが小学生ぐらいの年齢に!!?」

安心院「『幼安心院』<オサナナジミ>。 ま、シャレだよシャレ。」

善吉「なんと……」


安心院「おいおい、体を張った渾身のギャグにもっとリアクションしてくれていいんじゃないかい?」

善吉「いや、なんかびっくりしすぎて……」

安心院「ふふっ」

善吉「しかし、何だな……こう……」

 ソッ

安心院「へ……?」

善吉「凄く……こう……」

 ナデ…

安心院「え、え?」

善吉「ナデナデしたくなるな……」ナデナデナデ

安心院「え、ちょ、善吉、ちゃん……」

善吉「………」ナデナデナデナデ

安心院「ぁ、ふあ、ぜん、……」ビクッ ピク

めだか「善吉ィィィィィィ!!!」 ドゴァッ

善吉「ごはぁぁぁ!!?」ドゴシャァ

善吉ボックスはこれ
くじら「ったくよー……中で出しやがってよー」善吉「……」


安心院「善吉ちゃん! 大丈夫かい!?」

めだか「ええい近寄るな!! 善吉を傷つけるのも治療するのも私がする!」

善吉「なんか今日のめだかちゃんおかしい!!?」

球磨川「お困りの様じゃないか」

善吉「!? 球磨川!?」

めだか「球磨川……なぜここに?」

安心院「空気を読まないのは昔から変わらないねぇ」

球磨川「酷い言われようだが、ボクは一応副会長なんだぜ? ここにいるのは当然だろう」

球磨川「それに、一応トモダチの善吉ちゃんが気になってね」

善吉「は?」

球磨川「やれやれ……散々主人公がどーたら言っておいて、まさか善吉ちゃんがハーレム系の主人公気質だったとはね」ヤレヤレ

善吉「??」

球磨川「ま、僕の野望の為にも、ここはひとつ善吉ちゃんを助けてあげようかなと思ってね」

善吉「助ける?」

球磨川「ま、任せなよ 要は、対象が君から逸れればいいんだ」


球磨川「あー、めだかちゃん、安心院さん」

めだか「む?」

安心院「ん?」






球磨川『僕に惚れても、いいんだぜ?』








めだか「無いな」

安心院(幼)「おにいちゃんキッモーい」




球磨川「………」


球磨川「……」ポロ…

球磨川「………」ポロ…ポロ…

球磨川「……………」ボロ…ボロ…

球磨川「この後の、善吉ちゃんと安心院さんとめだかちゃんの痴話喧嘩も」

球磨川「江迎ちゃんが善吉ちゃんを拉致しようとして安心院さんが助けに行く修羅場も」

球磨川「暴走しためだかちゃんが善吉ちゃんを色仕掛けで誘惑しようとしてくじらちゃんも巻き込んだ水着コンテストに発展する話も」

球磨川「体育祭で安心院さんが善吉ちゃんに肩車されながら騎馬戦する話も」

球磨川「バレンタインで安心院さんがスキル無しでチョコ作るけど失敗して渡せなくて善吉ちゃんが笑顔で慰めてチョコ頬張る話も」

球磨川「瞳ちゃん(善吉ママ)に誰が気に入られるかの熾烈な女の争いの話も」

球磨川「どっちもチューはしたことあるけど初ディープキスはどっちが奪うかでめだかちゃんと安心院さんが競争する話も」

球磨川「一度は恋を諦めようとした怒江ちゃんがめだかちゃんの説得でやっぱり善吉ちゃんが好き!ってなる話も」

球磨川「安心院さん(幼)が善吉ちゃんと遊園地に行って帰りの電車で膝に乗せてもらう話も」

球磨川「自分なんか善吉ちゃんにふさわしくないと姿をくらました安心院ちゃんを見つけ出した善吉ちゃんがそっとハグする話も」


球磨川『全部無かったことにした!!!!』

























































































球磨川「ははは………終わった、全部終わったよ……」

財部「あ、球磨川先輩」

球磨川「ん? どうしたんだい財部ちゃん」

財部「その………こ、今度友達と映画見に行く予定だったんですけど、その友達が急に行けなくなったって……」モジモジ

球磨川「……」

財部「だ、だから……その、しょうがないから、一人ぼっちで寂しそうな先輩を誘ってあげますよ」

球磨川「………」

財部「ま、待ち合わせ、遅れたら殺しますから!」 タタタ…

球磨川「………」

球磨川「………」

球磨川『ま、最後は勘弁してやるよ』フッ





安心院「善吉ちゃん、おかえりなさい……ご飯にする?」

    完

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