岡部「今日も大学で便所飯か」(107)
岡部「フッ、この狂気のメァッドサイエンティスト鳳凰院凶真ともあろう者が便所飯とはな」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「ククク……! これも全ては機関の目を欺くためであり、シュタインズゲートの選択!」
岡部「食堂でのうのうと食事している連中とは違うのだフゥーハッハッハァ!」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「……」 モグモグ
岡部「フゥー……ハハハ」
~大教室~
ザワザワ
岡部「……」
岡部「……」
ブーブー
岡部「──!」
ピッピ
送信者:ダル
本文:わり、授業行けんっすわ、どうしても欲しいエロゲがあるんだ
出席変わりに頼んだお、ドクペで勘弁な
岡部「……」
岡部「おのれダルの奴……一緒に講義を受けようと行ったのはお前のくせにエロゲ優先だと!?」
岡部「しかも代返宜しくなどと……舐めているのか!」
岡部「……」
~ゼミ~
ザワザワ ネーネー
岡部(くそ……夏休みの間に何回か集まりがあったみたいだな……)
岡部(入院してたから全然ついていけんぞっ!)
教授「それではこれより休暇中の課題について発表を──」
岡部「は、発表!? そんなの全然聞いてませんよ!」
教授「あぁそうか、君は確か入院してたから夏休みの課題について連絡していなかったね」
教授「いや、申し訳ない、こちらの落ち度だ」
岡部「い、いえ……」
教授「そうだな……特別に君には発表はなし、別に課題を出すからそちらを提出してくれれば構わんよ」
岡部「……はい」
ウラヤマー
イイナー
オレモ ニュウインシテー
岡部「……」
~ラボ~
ガチャリ
岡部「フゥーハハハ、鳳凰院凶真! 有象無象が蠢く冥府より帰還せり!」
岡部「……」
岡部「誰も居ないな」
岡部「当たり前……か」
岡部「まゆり、るか子、フェイリスは高校」
岡部「ダルならもしやと思ったが……実家でエロゲでもしてるんだろうか」
岡部「紅莉栖はアメリカ……鈴羽は……」
岡部「……」
岡部「仕方ない、指圧師にでもちょっかい出すか」
岡部「……」
岡部「どうせブラウン管工房も暇を持て余しているに決まっているだろうからなフゥーハッハッハァ!」
~ブラウン管工房~
天王寺「おいバイトォ、納品書頼むぞ!」
萌郁「……はい」
天王寺「んじゃ俺はブラウン管引き取りに行ってくるからよぉ!」
天王寺「ん? 岡部じゃねぇか、どうした?」
岡部「これはこれは、いつも退屈そうに鼻くそをほじってるあなたが忙しそうにしてるとは」
岡部「正直驚きを隠せませんよミスターブラウン」
天王寺「……おいこらてめえ、殴られてえのか」
岡部「ひっ!」
天王寺「まっ今の俺は気分がいい」
岡部「……何があったんです?」
天王寺「おぉ、それがよぉ、あいつがバイトに入ってからブラウン管の注文がじわじわ伸びてきてよ」
天王寺「おかげでこっちは嬉しい悲鳴ってやつよ、ははは!」
萌郁「……」
岡部「は、はぁ」
天王寺「っとこうしちゃいられねえ。さっきブラウン管を引き取って欲しいっつー電話があったんだよ」
天王寺「ってなわけでおめーの相手をしてる暇はねえ」
岡部「そ、そうですか」
天王寺「おい岡部! うちのバイトに手ぇ出すなよ!? 今は忙しいんだからよ!」
ブロロロー
岡部「おい指圧師、本当に忙しいのか?」
萌郁「……」 コクッ
岡部「しかし……ブラウン管が再び脚光を浴びるとは……世の中何が起こるのか分かったものではないな」
岡部「なぁ指圧師、お前もそう思わないかフゥーハハハ!」
ブーブー
岡部「ん?」
ピッピ
送信者:閃光の指圧師
本文:ごめん>< 今忙しいからまた後でお願い♪ 萌郁
岡部「」
~ラボ~
岡部「……」
岡部「……」
岡部「暇だな」
岡部「……」
岡部「新しいガジェットの開発にでも勤しむか」
──────
────
──
岡部「……ふむ」
ガチャリ
まゆり「トゥットゥルー」
るか「あの、こんばんは」
岡部「おぉ! まゆりにるか子ではないか!」
岡部「随分と久しい気がするぞ二人ともぉ!」
まゆり「ごめんね~、最近は学校もバイトも忙しくて、ラボに来れなかったからねぇ~」
岡部「さあ、あがるがいい! 我がラボは突然の訪問だろうと歓迎するぞ」
まゆり「今日はねー、宿題をやっつけに来たのでーす」
岡部「ふむ、ラボに来て課題とは殊勝な心がけであるぞ二人とも、その心意気やよし!」
るか「それじゃあお邪魔しますね、おか……じゃなくて凶真さん」
──────
────
──
まゆり「んんんー……」
るか「ええっとぉ……」
岡部「……二人とも、苦戦しているようだな」
岡部「どれ、わからない所があればこの狂気のメァッドティーチャーがレクチュアしてやらんこともないぞフゥーハハハ!」
るか「あ、ありがとうございます凶真さん……」
まゆり「んー、じゃあねじゃあね? この英文なんだけどー」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「……ぐぬぬ!」
るか「あの……凶真さん?」
まゆり「オカリーン?」
岡部「だぁっ!! 過去形だとか過去完了形だとかそんなことはどうでもいい!」
岡部「要はニュアンスで伝わればいいのだ! それとなく!!」
まゆり「ええー!?」
るか「え、英文法のテストで、それはちょっと……」
まゆり「まゆしぃはねー、ガッカリなのです」
岡部「ぐっ!」
岡部「ド、ドクペを買ってくる!」
バタン
~スーパー~
岡部「おのれぇ……英語じゃなくて物理や数学だったら高校の問題など一捻り……」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「二人も頑張ってるみたいだし、差し入れ……買っていってやるか」
岡部「フゥーハハハ! 少しはこの鳳凰院凶真のありがたみも分かってもらわなければな!」
──「おぉ、その声はオカリン?」
岡部「む! 誰だ!」
ダル「スーパーで独り言とか……恥ずかしいからやめろし」
ダル「てゆか昼間は悪かったなオカリン、ほら、お詫びにドクペ代」
岡部「ふん、貴様……エロゲをプレイしていたのではなかったのか」
ダル「いやー、息抜きにメイクイーンでも行こうかと?」
岡部「おのれダル! ラボには来ないくせにメイクイーンには行くというのかっ」
ダル「いやぁ……だってまゆ氏もここんとこ来なかったし、牧瀬氏もアメリカ帰っちゃったじゃん?」
ダル「僕としてはおにゃのこが後ろにいる中でエロゲやりたいんだよね」
ダル「ほら、いい緊張感っていうか、背徳感っての?」
岡部「黙れこの生粋のHENTAIがっ!」
──────
────
──
ダル「んじゃちょっとフェイリスたんに会いに行ってくる!」
ダル「あ、そうだ、オカリンも一緒にどう?」
ダル「ドクペ一本分だけじゃちょっと申し訳ないし、コーヒー代くらいだったら奢ってやんよ」
岡部「いや、俺はこのままラボに戻るつもりだ」
ダル「そ、了解、んじゃまたなオカリン」
岡部「あぁ」
──────
────
──
岡部「フッ、つい長話をしてしまったな、どこで機関が目を光らせているとも分からないというのに」
~ラボ~
ガチャリ
岡部「喜ぶがいい! 差し入れを持ってきてやったぞフゥーハハハァ!」
岡部「ん? 書き置き?」
岡部「……」
課題も終わったし夜も遅いので帰ります、ごめんね まゆしぃ☆
勝手に帰っちゃってごめんなさい お夕食の支度があるので…… るか
岡部「」
~メイクイーン~
ダル「あれ? オカリンじゃん、やっぱ来たん?」
岡部「あ、あぁ……ガイアが俺に輝けと囁いてきたのでな」
ダル「なにそれ、イミフ」
岡部「……このオレも動揺の色を隠せないということだ」
ワイワイ
岡部「……それにしても」
ワイワイ
岡部「こんな繁盛してたか? ここ」
ワイワイ
ダル「それなんだけど、この夏イベント結構やってたみたいでさ」
ダル「んーと、メイクイーンと言えば秋葉のメイド喫茶の中でも中堅的な位置づけにあったんだけど」
ダル「そのイベント効果っつーの? 一気に大手入りしたって感じ?」
岡部「ほぉう……」
ダル「これもフェイリスたんの実力ってやつ? うひょー! フェイリスまじフェイリス!」
岡部「なるほど……まゆりもバイトが忙しい忙しいとは言っていたが、そういうことだったのか」
ダル「かもしれんね」
ダル「あ、フェイリスたん!」
フェイリス「ニャニャ!? 凶真にダルニャン! ニャフフ、来てくれてありがとニャンニャン」
岡部「……大変そうだなフェイリス」
フェイリス「オーナーとしては嬉しい悲鳴なのニャ」 ヒソヒソ
岡部「フフッ、これも貴様が聖戦を勝ち抜いてもなお油断することなくエインヘリャルの収集を怠らなかった結果であり──」
フェイリスサーン 3番テーブル オネガーイ
フェイリス「ニャニャ!? ごめんニャ凶真、ダルニャン、それではごゆっくりーニャ」
岡部「ウルド、ヴェルダンディ、スクルドの加護がこのメイクイーンという戦場に舞い降──」
ダル「あぁ……忙しそうにしてるフェイリスたんも輝いてるよ……」
岡部「」
──────
────
──
ダル「フェイリスたんをはじめ、みんな忙しすぐるみたいだし僕は帰るお」
岡部「ラボには寄っていくのか?」
ダル「いんや? やりかけのエロゲ、実家だし」
岡部「……そうか」
ダル「んじゃまたな、オカリン」
岡部「あぁ」
アリガトニャンニャーン
カランコロン
岡部「俺も帰るか」
アリガトニャンニャーン
カランコロン
~ラボ~
岡部「……」
岡部「ふむ」
岡部「一人だしここは……」
岡部「途中まで考案していた未来ガジェットの開発にでも勤しむかフゥーハハハァ!」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「いつも騒がしくしている輩がいないしな! 開発の方も精が出るというものどぅあ!」
岡部「世紀の大発明で未来ガジェット研究所の偉大さを世に知らしめてくれるわフゥーハッハッハァッ!!」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「……静かだな」
~一ヶ月後くらい~
岡部「フゥーハハハァ! よくぞ我がラボに帰ってきた助手よぉ!!」
紅莉栖「だから助手じゃないといっとろーが!」
岡部「フハハ、久しぶりにこの俺と相まみえたからといって照れなくともいいんだぞクリスティーンナッ!」
紅莉栖「ああもうっ! あいっかわらず騒がしいやつだなおい!」
岡部「ハハッフゥー!!」
紅莉栖「……ところでまゆりや橋田はいないの?」
岡部「まゆりは高校、ダルは実家で紳士の嗜みだ!」
紅莉栖「ちょっ! そ、そういうことを言うなこのHENTAI!///」
岡部「フフゥッ、何を赤くなっているぅ? 何を想像したのだぁ? ご高説願おうではないかぁ! 天才変態少女よぉ!」
紅莉栖「誰が変態よ!///」
紅莉栖「……オーケイ、あんまり変わってないようで安心したわ」
岡部「フン、この狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真の本質はどれだけ時が経とうが変わらんということだフゥーハッハッハァ!」
紅莉栖「悪い意味で言ったのよ!」
岡部「それにしても突然日本に帰ってくるとはな、よほどラボが心地よかったと見える!」
紅莉栖「だからそんなんじゃないってば!///」
紅莉栖「私も日本でやり残したこと……色々あるし……その、パパのこととか……」
岡部「……」
紅莉栖「……」
紅莉栖「で、でも! 今日はまゆりに会えると思ったんだけどなぁ、残念ね!」
岡部「……まあ土日はたまに顔を出すし、すぐ会えるのではないか?」
紅莉栖「そっか……そうよね」
──────
────
──
岡部「クリスティーンッナ!」
紅莉栖「うっさい、話しかけんな」
岡部「……何をしているんだ? じょぉしゅぅよぉ」
紅莉栖「だから話しかけんな、色々と忙しいのよ、私も」
紅莉栖「向こうでやってる研究も途中だし、提出する種類とかも溜まってるし」
岡部「……」
岡部「……そうか」
岡部「すまなかった、紅莉栖」
紅莉栖「……」
紅莉栖「ふぅっ……さっきのは言いすぎた、謝る」
紅莉栖「でもごめん……しばらく集中させて」
岡部「あぁ」
──────
────
──
~ラボ~
ガチャリ
岡部「おいクリスティ──」
岡部「……いないのか」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「一人か」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「途中まで組み上げていたガジェット開発の続きでもやるとするか」
岡部「……」
──────
────
──
岡部「……」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「どぅえきた!!」
岡部「未来ガジェット9号機、ダイバージェンスメーター時計!!」
岡部「ククク、時計故にα世界線の俺が作った物のように世界線の変動を感知することはできんが……」
岡部「見よこのニキシー管の輝き! 溢れでるアンティーク感!」
岡部「狂気のマッドサイエンティストのセンスが詰まった至高の作品だと言わざるを得ないぞフゥーハッハッハァ!」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「フゥーハハハァ!!」
岡部「……」
ガチャリ
岡部「お?」
鈴羽「ちぃーっす」
岡部「──!?」
岡部「すすすすす鈴羽ぁ!?」
岡部「おま、おま、なんでここに!」
岡部「なんでここにいるんだよ!」
鈴羽「へへ、遊びに来ちゃった」
岡部「いやいやいや、そういうことじゃなくてだな!」
鈴羽「あはは、大丈夫大丈夫、未来でディストピアが構築されてるとかじゃないからさ」
岡部「そ、そうか……」
岡部「じゃなくて! お前何故この時代に……未来にタイムマシンがあるのか!?」
鈴羽「そうそう、と言っても世界線を変動させるようなことしちゃいけないって言われてるけどね」
岡部「じゃ、じゃあ何しに来たんだよお前……」
鈴羽「え? あー……えーっと……そ、そうだなぁ」
岡部「おい、何かやましいことでもあるのか?」
鈴羽「い、いや、別にそうじゃないんだけど……」
鈴羽「その……父さんと母さんの出会いをひと目見たくってさー」
岡部「なんだとぅ!?」
岡部「ダルと……お前の母親のか」
鈴羽「そそ、んもーっ禁則事項だからねこれ」
岡部「そんなことのためにタイムマシンを使うなんて……お前というやつは」
鈴羽「みんなに言っちゃだめだよ? オカリンおじさん」
岡部「すんなりばらしてるお前に言われたくないわっ、というか俺はおじさんじゃないっ!」
鈴羽「ま、細かいことはいいからさー。二人が出会うまでにまだちょっと日にちあるし、ちょっと今の秋葉紹介してよ!」 ガシッ
岡部「あ、おい!」
岡部「はーっ! はーっ!」 キコキコ
鈴羽「あはは、おじさんだらしなーい!」 シャー
岡部「おのれっ……この俺がサイクリングなどっ……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
岡部「これが秋葉名物ケバブだ!」
鈴羽「おぉー! おいしそー」
岡部「ダルの奴につけとくから思う存分貪るがいい!」
鈴羽「やったぁ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
岡部「フゥーハッハッハァ! これが未来ガジェット2号タケコプカメラーだ!」
鈴羽「知ってる、初号機は映像が高速回転してるんだよね!」
岡部「な、なにぃっ!?」
鈴羽「数年後に父さんが改良してくれるよ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~コミケ会場~
キ、キ、キ キミニ モエモエ キュン!!
鈴羽「あはは、父さんってばいきなりプロポーズだなんてだいたーん」
岡部「全くだ……聞いてるこっちが恥ずかしくなってくる」
鈴羽「もー、一ヶ月分は笑えるよこれー、あはははは」
鈴羽「未来に帰ったらこれをネタに脅迫しちゃおうかな」
岡部「フッ、あまり茶化すな、ダルはダルで必死なんだ」
鈴羽「あはは、そうだよね、ゴメンゴメン」
鈴羽「……」
鈴羽「じゃ、目的も達成したわけだし、あたしはそろそろ……帰らないと」
岡部「もう行ってしまうのか?」
鈴羽「うん、あんまり長く滞在してると、せっかくおじさんがたどり着いた世界線の数値を歪めてしまうことになりかねないし」
岡部「……そうか」
鈴羽「未来でまた会おうね、ここ数日楽しかったよオカリンおじさん!」
岡部「あぁ、俺も楽しかったぞ、礼を言う」
鈴羽「そう言ってくれると嬉しいな、またサイクリングしようね!」
岡部「自転車は二度とゴメンだっ」
鈴羽「あはは」
──────
────
──
~ラボ~
ガチャリ
岡部「明けましておめでとうラボメン諸君!」
ダル「おっすおっす、おめでとうだお」
岡部「一人だったのか?」
ダル「んや、さっきまでまゆ氏と牧瀬氏がいたけど」
岡部「そうなのか」
ダル「なんか二人で買い物行くって言ってたお、相変わらず仲がよろしいようで……キマシ?」
岡部「こんわっ!」
岡部「……」
岡部「時にダルよ、その格好……お前もでかけるのか?」
ダル「あ、うん」
ダル「これから阿万音氏と初詣デートなんだお、ふひ、ふひひ」
岡部「顔がだらしないぞダル」
ダル「あ、やっべ、笹食ってる場合じゃねえ! 遅れちまうぜよ!」
岡部「フッ、上手くやれよ」
ダル「そういうオカリンもな」
岡部「う、うるさい!!」
バタン
岡部「……」
岡部「……俺も初詣にでも行くか」
~柳林神社~
るか「あ、凶真さん、明けましておめでとうございます」
岡部「うむ! やはり正月たるもの、日本人たるもの神社に祈りを捧げねば新年が始まった気にならんものだな、るか子よ」
ザワザワ
岡部「しかし……」
岡部「やはり正月ともなると神社は忙しいみたいだな」
るか「はい、そうなんです……」
るか「お姉ちゃんは手伝ってくれないし、お父さんも宮司としての仕事があるので……」
るか「おみくじとか絵馬の販売は全部ボクが……」
岡部「そ、そうか……」
オーイ ルカー
るか「あ、ご、ごめんなさい凶真さん……ボク仕事があるので……」
岡部「……あぁ」
るか「本当に、ごめんなさい……それでは」 タタッ
岡部「……」
冬休みが明け──
まゆりたち高校生組は学校で再び忙しくなった
萌郁はバイトを増やしたようで忙しい日々が続いているらしい
ダルはリア充生活を満喫しているようだ
紅莉栖は……アメリカに
日本にいる間は何かと忙しそうにしていた
それでも俺は彼女が生きている、それで十分だった
一方俺は──
岡部「フッ、この狂気のメァッドサイエンティスト鳳凰院凶真ともあろう者がまたも便所飯とはな」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「……」
岡部「ククク……! これも全ては機関の目を欺くためであり、シュタインズゲートの選択!」
岡部「食堂でのうのうと食事している連中とは違うのだフゥーハッハッハァ!」
~大教室~
ザワザワ
岡部「……」
岡部「……」
ブーブー
岡部「──!」
ピッピ
送信者:ダル
本文:わり、授業行けんっすわ、デートの約束忘れてたおwww
出席変わりに頼んだ、ドクペで勘弁な
岡部「……」
岡部「おのれダルの奴……一緒に講義を受けようと言ったのはお前のくせにデート優先だと!?」
岡部「しかも代返宜しくなどと……舐めているのか!」
岡部「……」
~ゼミ~
学生A「ははは、あん時の発表、お前あれはねーよ!」
学生B「ちょ、今更蒸し返してんじゃねーよ!」
ハハハハ
アハハハ
岡部「……」
岡部「俺だッ、ゼミの内部で俺を締め出そうとする動きが広まっているようだ!」
岡部「案ずるな、必ず解決してみせる」
岡部「何、この程度でめげる俺じゃない、エル・プサイ・コングルゥ」
岡部「……フゥ」
ヒソヒソ
岡部「……」
岡部「次の講義は……理論物理学か」
岡部「……しかし、どうにもやる気がでないな」
岡部「出席が必要かどうかだけ確かめて適当にやるか」
コツコツ
コツコツ
───それでは講義を始めます。
岡部「ふぁ……」
岡部(昨日も新作ガジェットの開発で徹夜だったからな……あくびが止まらん)
―――本日は私のような若輩者の話を聴きに来てくださりありがとうございます。
───今回はタイムトラベルの思考実験を元に講義を進めていきたいと思います。
───元々は専門外でしたが頑張って研究してみましたので話してみようと思います。
岡部(タイムトラベルだとぅ!?)
───あ、紹介が遅れました。
───私、今期より本大学において講師を努めさせて頂きます、牧瀬紅莉栖です、よろしくお願いします。
岡部「ぬぁぁぜ貴様がここにいるぅぅぅ!」
───ふぇっ!? お、岡部あんたこの講義取ってたの!?
ザワッ
ザワワッ
───ご、ごほん、申し訳ありません、それでは講義を始めたいと思います。
──────
────
──
岡部「フッ、まさか忙しそうにせっせとやっていたのが向こうの研究所の引き継ぎとタイムトラベル研究だったとはな……」
紅莉栖「わ、悪い?///」
岡部「おかげでラボにはいつも俺一人」
岡部「ラボの結束はこうも脆かったのかぁ! そう嘆かざるを得なかったぞクリスティーナよ!」
紅莉栖「……ふふーん、そうなんだぁ、寂しかったんだー」
岡部「ぬっ、この狂気のマッドサイエンティスト! 寂しいなどという感情は持ちあわせてはおらぬわっ!」
紅莉栖「はいはい厨二病厨二病」
岡部「……しかし」
岡部「何故わざわざ日本の大学で研究を……?」
紅莉栖「あっ……」
おかべえ「俺の体験のパクリではないかぁ~」
紅莉栖「んたが……本にいるから……」
岡部「ん? よく聞こえんぞ助手よ」
紅莉栖「う、うっさい! なんでもないんだからな!」
紅莉栖「わ、私は元々日本人だし? 別に日本で研究を続けてもなんら不思議はないっていうか……全然ありっていうか!」
岡部「……フフ、それもそうだな」
紅莉栖「岡部……?」
岡部「お前がどこにいようと、生きてさえいてくれればそれでいい……そう思っていたものだったが」
岡部「……一度手にした幸福は、もう手放したくない、そんな思いが強まるばかりだった」
岡部「……」
岡部「帰ってきてくれてありがとう」
岡部「そばに戻ってきてくれてありがとう、紅莉栖」
紅莉栖「ちょっ……こ、こんな時に名前で呼ぶなんてっ……反則なんだからなっ……///」
紅莉栖「大体! あんたが英語をできれば私はアメリカ在住のままでもよかったっていうか、その……」
岡部「これからも……ずっとそばにいてくれ、紅莉栖」 ギュッ
紅莉栖「……うん」
──────
────
──
紅莉栖「助手、コーヒー」
岡部「ぐぬぬ……」
岡部「砂糖2つ……ミルクは入れない……だったな」
紅莉栖「そ、わかってるじゃない、さすが助手」
岡部「おぉぉのぉぉれぇぇ! 貴様助手の分際でぇぇ」
紅莉栖「それはこっちのセリフよ助手の岡部くん?」
岡部「だぁっ……! 異例の早さで准教授に昇進したからといって調子に乗りおって!!」
紅莉栖「はいはい、説明乙」
紅莉栖「さ、おしゃべりはおしまい。早く研究の続き、するわよ」
岡部「……そうだな」
紅莉栖「フフ、基礎理論は大方完成してる、絶対タイムマシンを作ってやるんだから」
紅莉栖「……じゃないとアメリカ時代の研究所のみんなに申し訳が立たないわ」
まゆり「じゅーしーからあげなんば~わん♪」ガチャっ
岡部「アメリカ時代の……か」
紅莉栖「そ、アメリカにいる間はずっとリフターの調整について試行錯誤してた」
岡部「おかげである程度結果が得られたんだっけか」
紅莉栖「いくつ電子レンジとテレビを解体かわかんないけどね……」 ズズー
紅莉栖「さぁやるわよ岡部!」
岡部「やけにノリノリだな……」
紅莉栖「……だって、あんた前の世界線とやらで実際にタイムマシン見てるんでしょ?」
岡部「ん? 確かにそうだが……」
紅莉栖「人類が夢にまで見たタイムマシンの存在を岡部だけが知ってるなんて……そんなのフェアじゃないわ」
紅莉栖「ましてやタイムマシンを使ったことがあるなんて……神にでもなったつもりかっつーの」
紅莉栖「そんなの許せない!」
岡部「おいおい、どんな理屈だ」
紅莉栖「……岡部の見てきたもの、私も見てみたいの」
紅莉栖「あっ、あんただけに夢のタイムマシンを独占なんて、絶対させないんだからなっ///」
紅莉栖「絶対させないんだからな! 大事なことなので二回言いました!///」
岡部「おいおい、俺は別に独占したわけじゃ……」
岡部「……それより、タイムマシンが完成したらどうするんだ?」
紅莉栖「そうね……」
紅莉栖「いつぞやの年は随分あんたを寂しがらせちゃったみたいだし……」
岡部「ん?」
紅莉栖「友達でも……いや、なんでもないわ、ひ、秘密よ」
岡部「おいおい、気になるじゃないか」
紅莉栖「秘密ったら秘密だってば!///」
ダル「いい加減僕と鈴羽をいないもの扱いしてラブチュッチュはよして欲しいわけだが」
鈴羽「ばぶー」
紅莉栖「べべべ別にそういう訳じゃないのよ!?」
岡部「あ、当たり前だ!」
まゆり「こんにちはー、差し入れだよー」
岡部「おぉまゆり! いいところに!」
紅莉栖「はろー、助かるわ!」
まゆり「えっへへー、私も役に立てたかなー?」
岡部・紅莉栖「もちろん!」
ダル「やれやれ」
ダル「これもオカリン風に言えばシュタインズゲートの選択ってやつ?」
鈴羽「ばぶぶー」
おわれ
色々とごめんよ
寂しがりや可愛い
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