◇
ほむら(その薄暗い路地裏で、まどかが汚らしい男に襲われているのを見て————)
ほむら(カッとなった私は引き金を引いてしまった)
ほむら(拳銃から放たれた弾丸は男の頭部をたやすく貫いた)
ほむら(男が脳漿を撒き散らし、崩れ落ちる)
ほむら(一目見て分かる……即死だ)
ほむら(まどかを守るためとはいえ……私は、人を殺めてしまったのだ)
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俺「 」
まどか「ほ……ほむらちゃん……」
ほむら「…………」
まどか「この人……死んじゃっ……殺しちゃっ……」
まどか「ひっ……いやあああっ!?」
ほむら「……落ち着いて、まどか……お願い、落ち着いて」
まどか「わ、わた、わたし、こんな、なんで、殺っ……ああああっ!!」
ほむら「……ごめんなさい、まどか」
ほむら(私は、半狂乱になって泣き叫ぶまどかを気絶させた)
ほむら(そうでもしなければ、彼女の気が狂ってしまいそうだったからだ)
ほむら(ぐったりと倒れ込んだまどかを一旦地面に寝かせて……)
ほむら(まずは、男の残骸を処理することにした)
ほむら(……まさか、この盾をこんなことに使う羽目になるなんてね……)
◇
ほむら(『後始末』を済ませた私は、まどかを家に連れ帰った)
ほむら(彼女の衣服は、名も知らない男の血液で汚れてしまっていたからだ)
ほむら(意識のないまどかの服を脱がすことに少なからず罪悪感を覚えたが……)
ほむら(血染めのままでいるよりは健全であるのは間違いない)
ほむら(汚れた服を全て脱がした後は、私のワイシャツを着せておいた)
まどか「……う、うう……」
ほむら「……目が覚めたのね」
まどか「あれ……ここは……私は……?」
ほむら「ここは私の家よ。貴女が……その」
まどか「……?」
ほむら(意識を取り戻したまどかは、記憶が混乱しているようだった)
ほむら(状況が飲み込めていない彼女に、なんと説明すれば良いだろうか……)
ほむら(真実を告げることが出来ず、まごつく私に対して)
ほむら(……まどかは驚くべき言葉を発した)
まどか「あ、そっかあ……私、エッチの途中で寝ちゃったんだねぇ〜」
ほむら「え……?」
まどか「ごめんね、ほむらちゃん。私だけキモチ良くしてもらっておいて、眠っちゃうなんて」
ほむら「貴女……何を言って」
まどか「えへ、えへへぇ……」
まどか「ねえ……ほむらちゃぁん……」
ほむら「な、なに……?」
まどか「さっきの続き、しよ?」
ほむら(猫撫で声でまどかが言う)
ほむら(まるで娼婦か何かのように)
ほむら(……私は悟った)
ほむら(レイプされかけた恐怖と、目の前で起きた惨劇が……)
ほむら(まどかの心を壊してしまったのだと)
ほむら(どうやらまどかの頭の中では……)
ほむら(私とまどかは以前から肉体関係にあることになっているようだった)
ほむら(私が殺した男のことなど微塵も覚えておらず……)
ほむら(ただ、私との『幸せな関係』を満喫したいと願う)
ほむら(それが今のまどかだった)
◇
ほむら(……それからまどかは、一晩中、私の身体を求めた)
ほむら(私は……流されるまま、それに応えるしかなかった)
ほむら(お互い拙いながらも、それはまさしく……性行為と呼ばれる行いだった)
ほむら(…………)
ほむら(確かに私は、まどかに対して親愛の情を抱いていたけれど……)
ほむら(決して、こんな肉欲にまみれた関係になりたかったわけではなかったはずだ)
ほむら(なのに……私は……)
まどか「えへへぇ……キモチ良かったね、ほむらちゃん……」
ほむら「……ええ」
まどか「……? ほむらちゃん、なんだか表情が暗い」
まどか「もしかして、キモチ良くなかった? 私、下手くそだった……?」
ほむら「……そんなことはないわ。ただ、ちょっと気持ち良すぎてしまっただけよ」
まどか「そっかあ、よかったあ……えへへぇ〜」
ほむら「…………」
◇
ほむら(こうして、私たちの日常は変わってしまった)
ほむら(まどかは一日中、私にベッタリとくっついて離れようとしなくなった)
ほむら(授業を抜け出しては身体を重ね……)
ほむら(放課後は延々と快楽を求め続けた)
ほむら(……こんな関係は間違っていると思いながらも、私は……流され続けた)
ほむら(まどかに、レイプの辛い記憶を思い出させるより、今のままのほうが良いと思ったからだ)
ほむら(……こんなの、言い訳かもしれないけれど)
ほむら(でも、いつまでもそんな日々が続けられるわけもなかった)
ほむら(当然ながら周りの人々は私達を不信に思い、疑いの眼差しを向けた)
ほむら(中でも、まどかの一番の親友……美樹さやかは、完全に私を疑っていた)
ほむら(美樹さんは、私が何かしたに違いないと考え、私の身辺を探り続けた)
まどか「ほむらちゃんほむらちゃん! 授業が終わったよ!」
ほむら「ええ、そうね……」
まどか「えへへ、ねえねえ、身体の具合は大丈夫?」
まどか「保健室いこうよ、保健室!」
ほむら「ええと……」
さやか「……あんた、また保健室行くわけ? まどかと」
ほむら「美樹さん……」
さやか「いい加減一人で行けるでしょ? 身体もそんな弱くないくせに……」
まどか「もー、さやかちゃんたら酷いよぉ」
まどか「可愛い可愛いほむらちゃんが保健室に行きたがってるんだから、連れていってあげるのは当然だよぉ」
さやか「まどか……あんた……」
まどか「さ、いこ! ほむらちゃん!」
ほむら(美樹さんがどう思おうと、まどかはお構いなしだ)
ほむら(時間さえあれば、いつでも、どこでも、私の身体を求めた)
ほむら(私も強く拒絶することは出来ず……受け入れてしまっていた)
ほむら(いつかそれが、破滅をもたらすことになると気がついていながら……)
◇
ほむら(そして……ついに、その時が訪れる)
ほむら(ある日、深夜の公園で、私達が行為に及んでいる所を……)
ほむら(美樹さんに見られてしまったのだ)
ほむら(……もはや弁明の余地もなかった)
さやか「転校生、あんたっ……!! こんなトコでまどかに何をしてんのよ!!」
ほむら「これは……その」
まどか「えへへぇ〜、とうとう秘密がバレちゃったねえ」
さやか「まどか……?」
まどか「あのねさやかちゃん。私ね、ほむらちゃんにキモチ良くしてもらってたんだよぉ♪」
さやか「っ……!!」
さやか「ほむらッ!! まどかに何したんだよ!! どう見ても正気じゃないじゃんか!!」
さやか「……そうか、あんた魔法で洗脳して……!!」
ほむら「ち、違うわ。そんなことはしてな……」
さやか「うるさい! とぼけても無駄だよ!!」
さやか「あんたみたいなクズは……この場であたしが成敗してやる!!」
ほむら(激昂した美樹さんに、何を話しても効果はなかった)
ほむら(美樹さんはソウルジェムを取り出し、変身しようとする)
ほむら(慌てて私も応戦しようとしたが……次の瞬間)
ほむら(突如草場の陰から現れた男が、美樹さんを押し倒した)
俺「!!!!」ガバッ!
ほむら「な……!?」
さやか「きゃっ……! な、何よあんた!! や、やめっ、離して……!」
さやか「い、いやああああ!!」
まどか「あ……あああ!」
ほむら「!」
まどか「さやかちゃんが、襲われて……」
まどか「わ、わたし、ああああ、そうだ、わたし、も……!!」
ほむら(突然のことに呆気に取られていた私だったが……)
ほむら(まどかの漏らした声で、正気に戻った)
ほむら(どうやら男は美樹さんを犯そうとしているらしく……)
ほむら(そしてまどかはそれを見て、忌ま忌ましい記憶を思いだしかけてしまっているようだった)
ほむら(まどかにこれ以上、この光景を見せてはいけない……!)
ほむら(……気がつけば私は、男に向けて散弾銃を放っていた)
俺「 」
さやか「ほ……ほむら……」
まどか「あ……あああ……!」
ほむら「…………」
さやか「あんた、あたしを助けっ……でも、人……殺しちゃっ……」
まどか「血……血が……真っ赤で、あ、あああ」
さやか「ひっ……いやあああっ!?」
まどか「ああああああ!!」
ほむら「……落ち着いて、まどか、美樹さん……お願い、落ち着いて」
さやか「あ、あた、あたし、こんな、なんで、殺っ……ああああっ!!」
まどか「わ、わたし、私はあの時もっ……いやああああああ!!」
ほむら「……ごめんなさい、二人とも」
ほむら(私は、取り乱して大声をあげるまどかと美樹さんを気絶させた)
ほむら(彼女達が正気を失う前に……眠らせるべきだと思ったからだ)
ほむら(糸の切れた人形のような状態の二人を一旦地面に寝かせて……)
ほむら(私はまず、男の肉片を片付けることにした)
ほむら(……まさか、この盾を二度もこんなことに使う羽目になるなんてね……)
◇
ほむら(『事後処理』を終わらせてから私は、まどか達を家に連れ帰った)
ほむら(薄汚い男の血液で汚れてしまった彼女らを、着替えさせるためだ)
ほむら(眠るまどかと美樹さんを裸にすることに抵抗は感じたが……)
ほむら(このままでは家に帰らせることも出来ないのだから仕方がない)
ほむら(汚れた衣服は洗濯機に放り込み、二人には私のパジャマを着せておいた)
ほむら(……美樹さんの胸は大きかったため、きちんと着せてあげることが出来なかったが)
まどか「……う、うう……」
さやか「う……あ……?」
ほむら「……目が覚めたのね」
まどか「あれ……ここは……私は……?」
さやか「ほむら……?」
ほむら「ここは私の家よ。貴女たちが……その」
まどか「……?」
さやか「?」
ほむら(目が覚めた二人だったが、事態を把握出来ていないようだった)
ほむら(きょとん、とした表情の彼女達に残酷な現実を伝えるべきか否か……)
ほむら(選択を迫られ、決心がつかない私に対して)
ほむら(……まどかと美樹さんは驚くべき言葉を発した)
まどか「あ、そっかあ……私たち、エッチの途中で寝ちゃったんだねぇ〜」
さやか「あはは、そっかそっか〜。イッちゃって気を失っちゃったんだね〜」
ほむら「え……?」
まどか「ごめんね、ほむらちゃん。私たちだけキモチ良くしてもらっておいて、眠っちゃうなんて」
さやか「でもあたし達は悪くないよ! ほむらのテクがキモチ良すぎるのがいけないんだよ!」
まどか「あはは、さやかちゃんったら!」
さやか「えへへ……なんちゃって〜♪」
ほむら「貴女たち……何を言って」
まどか「えへ、えへへぇ……」
さやか「うふふっ」
まどか「ねえ……ほむらちゃぁん……」
ほむら「な、なに……?」
まどか「さっきの続き、しよ?」
さやか「今後はあたしがキモチ良くしてあげるからさ……♪」
ほむら(甘えた調子の声で、まどかとさやかが言う)
ほむら(その様は、いやらしいビデオに出演する女性を彷彿とさせた)
ほむら(……私は悟った)
ほむら(レイプされかけた恐怖と、目の前で起きた惨劇が……)
ほむら(二人の精神を狂わせてしまったのだと)
ほむら(どうやらまどさやかの記憶の中では……)
ほむら(私達三人は以前から蜜月の関係にあることになっているようだった)
ほむら(私が殺した気持ち悪い男のことなど欠片も頭になく……)
ほむら(ただ、私との『ただれた関係』を楽しみたいと願う)
ほむら(それが今のまどか達だった)
◇
ほむら(……その夜、まどかとさやかは、貪欲に快感を欲し続けた)
ほむら(私も彼女らを満足させるために、求めに応じるしかなかった)
ほむら(発情期の動物のように荒々しくも、性交渉を重ねる私達……)
ほむら(…………)
ほむら(私は、美樹さんのことがあまり好きではなかったけれど……)
ほむら(でも、こんなふうに騙すような、下劣なことをしたい、なんて思ったことはない)
ほむら(なのに……私は……)
まどか「えへへぇ……キモチ良かったね、ほむらちゃん……」
さやか「どうだった? あたしのテク!」
ほむら「……ええ、良かったわ」
まどか「……? ほむらちゃん、なんだか表情が暗い」
さやか「もしかして、キモチ良くなかった? あたし、下手くそだったかな……?」
ほむら「……そんなことはないわ。ただ、ちょっと、その……い、イキ過ぎて、疲れてしまっただけよ」
まどか「そっかあ、よかったあ……えへへぇ〜」
さやか「えっへへ、ほむらをヘトヘトにしてやったぞ〜」
ほむら「…………」
◇
ほむら(こうして、狂い始めていた日常は、さらに大きく壊れていった)
ほむら(まどかとさやかは私を挟むようにして抱き着いて、常に側から離れなくなった)
ほむら(授業に出ようともせず行為を求め……)
ほむら(放課後は箍が外れたようにひたすら身体を重ねた)
ほむら(……こんな関係は間違っていると思いながらも、私は……何も出来なかった)
ほむら(レイプの記憶がフラッシュバックして二人が苦しむより、今のままのほうが良いと思ったからだ)
ほむら(……ただのごまかしでしかないかもしれないけれど)
いったん休憩。
ほむら(……でも、何事もなくずっとそんな日々を送れるわけがなく)
ほむら(当たり前だが周囲は私達を訝しみ、噂するようになった)
ほむら(特に、私達の先輩……巴マミは、まどかとさやかを酷く心配しており)
ほむら(巴さんは、私が二人を脅しているに違いないと推測し、探りを入れるようになっていった)
まどか「ほむらちゃんほむらちゃん! 放課後になったよ!」
さやか「今日はどこ行こっか! そんでナニでイク? ……なんちゃって!」
まどか「もー、さやかちゃんたらオヤジくさいよ!」
さやか「なんだとー? このプリティーなあたしのどこがオヤジなのさ!」
ほむら「二人とも……ちょっと落ち着いてくれない?」
まどか「えへへ、ごめんなさーい」
さやか「ごめんごめん♪」
ほむら「とりあえず……私の家にイキましょうか」
まどか「は〜い♪」
マミ「……二人とも、今日も暁美さんと一緒に帰るの?」
さやか「あ、マミさん」
ほむら「巴さん……」
マミ「美樹さん、最近全然パトロールに出てないじゃない」
マミ「鹿目さんも魔法少女体験コースに参加してくれないし」
まどか「えへ……ごめんなさい、マミさん」
さやか「あたし達、ほむらと一緒にイキたくて……うふ」
マミ「鹿目さん……美樹さん……」
マミ「……そこまで、暁美さんに弱みを握られているのね……」
ほむら「……え? いま何か言っ……?」
まどか「さ、いこ! ほむらちゃん!」
ほむら「あ、え、ええ……」
ほむら(巴さんがどう思おうと、二人はお構いなしだ)
ほむら(時間さえあれば、どんな時も、どんな場所でも、私に『可愛いがられる』ことを望んだ)
ほむら(私も拒めずに……彼女達に偽りの愛情を注いだ)
ほむら(いつかきっと、身を滅ぼすことになると悟っていながら……)
◇
ほむら(そして……予想以上に早く、終焉は訪れた)
ほむら(その日、魔女の結界内で、どうしても我慢出来なくなった二人に押し切られ……)
ほむら(私達は生まれたままの姿で愛を確かめ合っていた)
ほむら(……間が悪いことに、ちょうどそこへ巴さんが現れてしまったのだ)
マミ「暁美さん、貴女っ……!! こんなトコで何をしているの!!」
ほむら「これは……その」
まどか「えへへぇ〜、とうとう秘密がバレちゃったねえ」
さやか「あはは〜♪」
マミ「か、鹿目さん……? み、美樹さん……?」
まどか「あのねマミさん。私たちね、ほむらちゃんにキモチ良くしてもらってたんだよぉ♪」
さやか「ねー、まどかあ♪」
マミ「うっ……!」
マミ「暁美さんッ!! 二人の正気を奪ったのね!? 何が目的なの!?」
マミ「催眠魔法で快楽漬けにしてまで……!!」
ほむら「ち、違うわ。そんなことはしてな……」
マミ「黙りなさい! しらばっくれても無駄よ!」
マミ「貴女を倒して、二人を正気に戻させてもらうわ……!」
ほむら(義憤に燃える巴さんに、言葉による説得は無意味だった)
ほむら(既に臨戦体勢にあった巴さんは、一瞬にしてマスケット銃を作り出し、銃口を向ける)
ほむら(慌てて私も変身しようとしたが……次の瞬間)
ほむら(突如草場の陰から現れた男が、キュゥべえを押し倒した)
俺「!!!!!!」ガバッ!!
マミ「きゃっ……! な、何? あなたは……!?」
キュゥべえ「え……ま、まさか……」
キュゥべえ「君は僕を犯す気なのかい?! 訳がわからな……あひぃ!!」
マミ「や、やめっ、離してあげて!」
さやか「ひっ……いやああああ……!!」
まどか「あ……あああ!」
ほむら「!」
ほむら(予想外の事態に私は呆然としてしまっていたが……)
ほむら(二人の苦痛に満ちた声が耳に届き、冷静さを取り戻した)
ほむら(どうやら男はキュゥべえを強姦する目的で現れたらしく……)
ほむら(そしてまどかとさやかは、その様子を見てトラウマを刺激されてしまっている)
ほむら(早く、始末しなければ……どうなるか分からない!)
ほむら(……私は咄嗟に爆弾を取り出して、キュゥべえが男に挿入されて『きゅっぷいいい!』という嬌声をあげながら絶頂を迎えるのを眺めてから、男を爆破した)
ほむら(男とキュゥべえの肉片が飛び散る)
ほむら(みんなの精神を守るために必死だったとはいえ……私はまた、人の命を奪ってしまったのだ……)
俺「 」
マミ「あ、暁美さん……!」
さやか「ほ……ほむら……」
まどか「あ……あああ……!」
ほむら「…………」
マミ「キュゥべえを助けてくれたの……? あれ、でも、人……死んじゃって……」
まどか「血……血が……真っ赤で、あ、あああ」
さやか「ひっ……いやあああっ!?」
灼「この占いによれば、憧はアイドルになれる」
憧「いやいやいや、無いから」
穏乃「えー、歌って踊ってよ憧」
憧「アイドルとか興味ないから却下」
灼「勿体無い…」
穏乃「憧のアイドル姿が見たいなー」
ほむら(私は、悲鳴合唱団と化した三人を強引に黙らせた)
ほむら(意識を奪わなければ、彼女達がどんな凶行に走るか分からなかったからだ)
ほむら(脱力した三人を一旦地面に寝かせて……)
ほむら(私はまず、元は人の形をしていたナマゴミを片付けることにした)
ほむら(……まさか、この盾を三度もこんなことに使う羽目になるなんてね……)
ほむら(…………)
ほむら(よく考えたら魔女の結界の中だし、ほっといても良いわよね……コレ)
◇
ほむら(『不法投棄』を済ませた私は、三人を家に連れ帰った)
ほむら(返り血を浴びてしまった彼女らを着替えさせるためだ)
ほむら(起こさぬように洋服を剥ぎ取る行為は、まるでレイプ魔のようで嫌悪感を覚えたが……)
ほむら(嫌悪感を、覚えたが……)
ほむら(…………)
ほむら(巴さんって……やっぱり胸が大きくて素敵ね……)
ほむら(脱がした洋服はシミ抜きしておいてから洗濯機に入れた)
ほむら(血のシミは落ちにくくなる前に落とさないとね)
ほむら(……裸になった三人には……特に何も着せなかった)
ほむら(サイズの合う服がないから仕方がない)
ほむら(そう……仕方がない、のだ)
まどか「……う、うう……」
さやか「う……あ……?」
マミ「つっ……! 頭が、痛い……」
ほむら「……目が覚めたのね」
まどか「あれ……ここは……私は……?」
さやか「ほむら……?」
ほむら「ここは私の家よ。貴女たちが……その」
まどか「……?」
さやか「?」
マミ「?」
ほむら(意識を取り戻した三人は、私の家をキョロキョロと見回していた)
ほむら(やはり、状況を飲み込めていないようだ)
ほむら(みんな、生まれたばかりのヒナのように無垢な表情で……)
ほむら(……仮に今、ウソを吹き込まれたら……あっさりと信じてしまいそうな危うさがあった)
ほむら(…………)
ほむら(ここは、慎重に言葉を選んで……上手く話を運べば)
ほむら(三人の心を傷付けず、それでいてやましくない元の関係に戻れるかもしれない)
ほむら(そう考えた私は、奇跡を願いながら口を開いた)
ほむら「もう、みんな酷いわ。先にイッちゃうなんて」
マミ「え……?」
ほむら「そんなに気持ち良かったの? 私の攻めは」
まどか「あ、そっかあ……私たち、エッチの途中で寝ちゃったんだねぇ〜」
さやか「あはは、そっかそっか〜。イッちゃって気を失っちゃったんだね〜」
ほむら「ふふ……そうよ、まったくもう」
マミ「え……あれ……そう、だった、かしら」
まどか「そうですよ、マミさん?」
さやか「あはは、ま〜だ寝ぼけてるみたいですね、マミさん」
ほむら「仕方がないわね、じゃあ私が……」
ほむら「その身体に思い出させてあげるわ」
マミ「えっ……あっ……!」
まどか「あ、マミさんずるーい!」
さやか「あたしにもしてよほむらー!」
ほむら(必死の説得も虚しく、結局私達はまた身体を重ねることになってしまった)
ほむら(私の説明では、元通りの健全な親友の関係に戻すことは出来なかったのだ)
ほむら(……自分が口下手であることを、ここまで後悔したのは今日が初めてだ)
ほむら(私はこんな肉体関係なんて望んでいないのに……)
◇
ほむら(……その夜私達は、互いの肢体にむしゃぶり続けた)
ほむら(特に巴さんの乳房は大きく、柔らかく、弄びがいのある素晴らしいシロモノで……)
ほむら(まどかも、美樹さんも……赤子のようにオッパイに甘え続けた)
ほむら(……そして、私も……)
ほむら(…………)
ほむら(私が一番尊敬していた先輩、巴さんは……)
ほむら(もはや快楽の虜となり、だらし無く緩んだ表情を晒している)
ほむら(……こんな巴さんの姿、見たくなかった。いつまでも凛々しい先輩でいてほしかった)
ほむら(でも……私は……巴さんの肉欲を満たし続けるしかなかった……)
ほむら(彼女の精神を、レイプという忌まわしい記憶から守るために……)
マミ「あへ……あへぇ」
まどか「えへへぇ……見て見てほむらちゃん」
さやか「マミさんてばもうスッゴいトロけちゃってるよ、あはは♪」
ほむら「……ええ、そうね」
まどか「……? ほむらちゃん、なんだか表情が暗い」
さやか「もしかして、まだマミマミしたりない?」
ほむら「……いえ、そんなことはないわ。ただ、貴女達もイカせてあげたいと思ってね」
まどか「あ……えへへぇ〜」
さやか「……うん、あたしもして欲しいな」
まどか「ほむらちゃぁん……ねえ、早くお家に帰ってシようよお……!」
さやか「ううん、帰るまで我慢なんて出来ないよっ……! もうココでしちゃお? ねっ?」
ほむら「でも今は魔女を探している最中だし……」
マミ「あは……魔女なんてどうでもいいじゃない」
マミ「それよりもイイコトしましょ、ねっ?」
ほむら「巴さん……」
杏子「……変わっちまったな、マミ」
ほむら「!」
マミ「あら? 佐倉さんじゃない」
杏子「魔女なんてどうでもいい、なんて……」
杏子「アンタは、そんなこと言うようなヤツじゃなかったのに!」
マミ「……佐倉さん」
ほむら「ええとあのね佐倉さん、巴さんは」
杏子「……お前のせいなのは分かってるんだよ」
ほむら「!」
杏子「すぐに化けの皮を剥いでやるからな……暁美ほむら」
ほむら(佐倉さんとは敵対したくない)
ほむら(でも、私は改善するための策も思いつかず……)
ほむら(馬鹿みたいにみんなとの情交を繰り返し続けた)
ほむら(これが佐倉さんに憎まれている原因になっていることは、百も承知なのに……)
◇
ほむら(そしてあくる日、佐倉さんとの関係が絶望的に悪化する事態が起こった)
ほむら(私たちはついうっかり佐倉さんの実家の教会跡でセックスをしてしまったのだ)
ほむら(その現場を見た佐倉さんは、当然ながら怒り狂った)
ほむら(巴さんのみっともない姿に。思い出の場所を汚されたことに……)
杏子「マミさんっ……!! おまえら、こんなトコで何をしているんだよ!!」
ほむら「これは……その」
まどか「えへへぇ〜、とうとう秘密がバレちゃったねえ」
さやか「あはは〜♪」
マミ「うふふ、佐倉さん。貴女も加わる?」
杏子「質問に答えろ!! どーいうつもりだよ、アタシんちでこんな真似して!」
まどか「あのね杏子ちゃん。私たちね、ほむらちゃんにキモチ良くしてもらってたんだよぉ♪」
さやか「ねー、まどかあ♪」
マミ「『神様に見せつけながらの行為は、背徳感も増してキモチ良くなれるわ』」
マミ「って、暁美さんが提案してくれたのよ♪」
杏子「……!!!!」
杏子「暁美ほむらッ!! てめぇ、そんなにアタシを怒らせたいのかよ!!」
ほむら「ち、違うわ。決してそんなことは……」
まどか「むしろ仲良くなりたいんだよねー?」
さやか「一緒に……しよ?」
杏子「うぜぇうぜぇ!!」
杏子「もーいい……お前ら全員病院送りにしてやるよ!!」
ほむら(私の言葉は彼女の耳には届かなかった)
ほむら(完全に頭に血が上っている)
ほむら(佐倉さんは本気で私たちを攻撃する気で、槍を振りかぶった)
ほむら(慌てて私も変身しようとしたが……次の瞬間)
ほむら(突如草場の陰から現れた男が、ワルプルギスを押し倒した)
俺「!!!!!!!!!!!!」ガバッ!!
ワルプル「キャハハハハ……キャ!?」
ワルプル「キャハ……キャハアアアア!!」
さやか「ひっ……いやああああ……!!」
まどか「あ……あああ!」
マミ「れ、レイプ魔……!?」
マミ「ああああ……レイプは嫌レイプは嫌レイプは嫌レイプは嫌ぁあああああ!!」
ほむら「!」
ほむら(驚きのあまり硬直してしまっていた私だったが……)
ほむら(まどか達の震える声を聞き、即座に動き出した)
ほむら(どうやら男はワルプルギスを手篭めにするために現れたらしく……)
ほむら(まどか達三人に、おぞましい光景を見せつける形になってしまっていた)
ほむら(あの男を止めなければ、またみんなの心を傷つけてしまう……!!)
ほむら(……私は無我夢中でガトリングガンを取り出し……)
ほむら(ワルプルギスの歯車に巻き込まれミンチとなっていた男へ向けて、ありったけの弾をぶつけた)
ほむら(そして男はワルプルギスと共に消滅していった……)
ほむら(……また、私は人を殺してしまったのだ……)
俺「 」
マミ「あ、暁美さん……!」
さやか「ほ……ほむら……」
まどか「あ……あああ……!」
杏子「ふん……やるじゃんか、あんな大物の魔女を倒すなんてさ」
ほむら「…………」
まどか「血……血が……真っ赤で、あ、あああ」
さやか「ひっ……いやあああっ!?」
マミ「ああああああああ!!」
杏子「お、おい? どうしたんだよマミ? なんで悲鳴をあげて……」
ほむら「……ごめんなさい、まどか、美樹さん、巴さん、佐倉さん」
ほむら(私は、悲痛な叫び声をあげる佐倉さん達を気絶させた)
ほむら(強引ではあったが……恐慌状態にあった皆を穏便に落ち着かせることなど、不可能に思えたからだ)
ほむら(苦しげな表情で眠る四人をひとまずは置いておく)
ほむら(まずはあの男の痕跡を全て消さないと……)
ほむら(…………)
ほむら(豪雨と暴風でどっかいっちゃったわ、男の残骸が)
◇
ほむら(私は、皆を家に連れ帰った)
ほむら(雨でびしょぬれとなった彼女らを着替えさせるためだ)
ほむら(こんなこともあろうかと、みんなにはサイズがぴったりの服が用意してあったのでそれを着せた)
ほむら(まどかには巫女服。美樹さんにはナース服。巴さんにはエプロン)
ほむら(佐倉さんにはあえてのミニスカポリスだ)
まどか「……う、うう……」
さやか「う……あ……?」
マミ「つっ……! 頭が、痛い……」
杏子「ふあ……良く寝たぁ……」
ほむら「……目が覚めたのね」
まどか「あれ……ここは……私は……?」
さやか「ほむら……?」
杏子「……なんでアタシこんなカッコしてんだっけ?」
ほむら「ここは私の家よ。貴女たちが……その」
まどか「……?」
さやか「?」
マミ「?」
ほむら(四人とも、なぜ自分が寝ていたのかも把握できていない)
ほむら(先ほどの強姦のシーンを観てしまったショックで……)
ほむら(記憶が飛んでしまっているらしい、と推測出来た)
ほむら(…………)
ほむら(今の彼女たちに私が出来ることは何だろうか)
ほむら(そんなの決まっている)
ほむら(悲しい記憶を思い出させないように、ごく普通にふるまう……)
ほむら(そして元通りの友人関係に修復するよう、努力することだ)
ほむら「ふふ、それじゃあみんな起きたことだし……第二ラウンドと行きましょうか」
杏子「え……?」
まどか「あ、そっかあ……私たち、エッチの途中で寝ちゃったんだねぇ〜」
さやか「あはは、そっかそっか〜。イッちゃって気を失っちゃったんだね〜」
ほむら「ふふ……そうよ、まったくもう」
マミ「今度は趣向を変えてコスプレなのね、うふふ。たのしみだわ」
杏子「え……あれ……そう、だったっけ」
まどか「そうだよ、杏子ちゃん?」
さやか「あはは、ま〜だ寝ぼけてるみたいだね、杏子」
マミ「うふふ……そういうところも可愛いんだけれどね、佐倉さんは」
杏子「か、かわいいって。何をいってんのさマミさん……」
ほむら「寝ぼけてるなら仕方がないわね、じゃあ私が……」
ほむら「気持ち良くして、目を覚まさせてあげるわ」
杏子「えっ……あっ……!」
まどか「あ、杏子ちゃんずるーい!」
さやか「あたしにもしてよほむらー!」
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ハーレムエンド
※1
黙ってろカス