―早朝 ランドリー―
朝日奈「おーっす! 苗木じゃん。何してんの?」
苗木「!!!……な、何でもないよ!!」
朝日奈「んー? 今何か隠した? ドーナツ? ドーナツでしょ? なんか輪っかっぽかったし」
苗木「ななな何でもないってば! ちょっと洗濯物取りに来ただけで…そ、それじゃ!」ダッ
朝日奈「何慌ててんの? …あれ? あたしの水着どこに行ったんだろ?」
―苗木の部屋―
苗木(こ、これが朝日奈さんの水着…スク水…)ハァハァ
苗木(思わず持ってきちゃったけど…うぅ、まさか本人に出くわすなんて。でも…)
苗木「」チラッ
監視カメラ「」ジーッ
苗木(ええい! 構うもんか!)クンカクンカ
霧切「苗木君」ガチャ
苗木「うわあああああああああああああああああ」ゴロゴロゴロ←ドアから死角になるベッドの向こう側に転がる
霧切「どうかしたのかしら?」
苗木「い、いやいやいや何でも無いって! それよりどうしたの霧切さん出来ればノックしてから入ってきて欲しいなーなんてハハハ」
苗木(鍵かけるの忘れてたぁああああ)
霧切「? あら、もしかして邪魔したかしら。ごめんなさい今度からちゃんとノックするわ……!?」ジーッ
苗木「え、えっと何かな霧切さん」
霧切「…言いにくいんだけれど、それ、朝日奈さんの水着じゃないかしら」
スク水「」パサァ
苗木「」
苗木「あれ? あれあれあれあれあれあれ? おおおおかしいなぁ何でこんな所に朝日奈さんのスク水が?」
霧切「明らかにあなたのパーカーのポケットから零れ落ちたように見えたわ」
苗木「実はボクのパーカーのポケットって四次元空間に繋がってるらしいんだ! これは誰かの陰謀なんだよ!」
霧切「苗木君落ち着いて」
苗木「うわぁあああああああ違う違うんだよ霧切さん、お願いします誰にも言わないで下さい」ドゲザー
霧切「みっともなさ過ぎるわ苗木君。あなたにそんな性癖があったなんてね」
苗木「ううっ」グスン
霧切「まぁ、そんなことはどうでもいいのよ」
苗木「えっ、どうでもいい事ではないと思うけど」
霧切「追求して欲しいのならいくらでもしてあげるけど?」
苗木「……ご、ごめんなさい」
霧切「いいのよ。それよりもいつまで経ってもあなたが食堂に来ないから、心配したの」
苗木「え?」
時計「8時40分」
―食堂―
石丸「遅いではないか苗木君! 遅刻だぞ!」
苗木「ご、ごめん。ちょっと寝坊しちゃって…」
朝日奈「あれ? でも今日、苗木ってば朝早くにランドリーにいたじゃん」
苗木「いやぁちょっと二度寝しちゃったんだよ多分」
葉隠「なんか他人事めいてるべ」
舞園「苗木君、顔色が優れないみたいですけど…大丈夫?」
苗木「うん、大丈夫。ビンビンしてるよ」
山田「苗木誠殿、女性に対しての下ネタはセクハラになる恐れが」
朝日奈「あ、そうだ。苗木って私の水着見てない?」
苗木「ブフーーーッ」
桑田「うわっ、苗木テメェ味噌汁噴出してんじゃねぇよ!」
苗木「みみみ見てるわけ無いじゃないか!」
朝日奈「そう? んーどこに行ったんだろう」
大神「どうした朝日奈よ」
朝日奈「それがね? 私の水着がどっか行っちゃったんだよ。自分の部屋にあるかもだけど、ランドリーに干したまんまにしてたはずなんだよね」
大神「なんと。我も一緒に探そうか」
朝日奈「ううん、大丈夫。自分で探すよ」
霧切「朝日奈さんの水着なら、苗木君の部屋で見たわ」
苗木「えええええええ!!??」ドンガラガッシャーン
朝日奈「え? 嘘っ。なんで?」
霧切「多分、いやらしい事に使おうとしたのでしょうね」ニヤリ
山田「おーーっとぉ? 苗木誠殿まさかのスク水フェチだったとは、拙者も見習わなくてはいけませんな」
腐川「ふ、不潔よ…! 不潔だわっ!」
苗木「そ、そんなの嘘に決まってるじゃないか何で朝日奈さんの水着をボクが!」
舞園「そうですよ! 苗木君がそんな変態な訳ないじゃないですかっ」
苗木(ううっ…)
霧切「でも確かだわ。私は見たもの」
十神「苗木のような人間がそんな変態行為をするとは思えんがな」メガネクイッ
霧切「思いっきり擦り付けてたわ。獣のようにシコシコ擦り付けてたわ」
葉隠「苗木っちの模擬刀の先制攻撃だべ!」
苗木「それは違うよ!」
苗木「ボクは匂いを嗅いでただけだよ、まだ擦りつけてなんかない!」
朝日奈「……えっ?」
舞園「あっ…」
苗木「………ん?」
苗木「」ドゲザー
十神「さて、この変態の処分は朝日奈達に任せるとするか」メガネクイッ
江ノ島(戦刃)「うわぁ。苗木って超高校級の変態だったんだ…」
大神「苗木よ…覚悟は出来ておるのだろうな?」
苗木「はい」ポロポロ
朝日奈「あ、待ってさくらちゃん!」
朝日奈「え、えーっとね苗木。その…そういうのは男子だし仕方が無い…事だと思うんだけどね…う、うぅ///」
朝日奈「とにかく! 苗木がもうしないって言うなら私は忘れた事にするから! 終わりっ」
セレス「あら、よろしいのですか? この男が罪を繰り返さないという保証はどこにもありませんのよ」
霧切「セレスさんの言う通りよ。苗木君の内に秘めた野獣はいつ私達自身に襲い掛かってくるかわからないわ」
苗木「霧切さんひどいよっ。黙ってくれって言ったじゃないか」ヒソヒソ
霧切「近づかないでよ変態。自分の罪を棚に上げて、まだそんな事が言えるのね」
霧切「皆、苗木君はどうやら反省していないようだから、厳重な処分の検討を提案するわ」
苗木「う、ううぅ…すみませんでした」
舞園「うーん。私はもういいんじゃなかなって思うんですけど…朝日奈さんもああ言ってることですし」
セレス「舞園さんも朝日奈さんも甘いですわ。私に提案があるのですが、よろしいでしょうか」
セレス「今回の件で、苗木君に女性の気持ちを理解していただくために、一週間彼には女装をして頂く、というのはどうでしょう?」
苗木「……は? い、嫌だ」
セレス「あなたに拒否権などありません。皆さんはどう思われますか?」
舞園(…女装? 苗木君の女装? 見てみたい…かも)
舞園「賛成ですっ!」
苗木「えぇ!?」
霧切「女装男子なんて不二咲さんの二番煎じだけれど、苗木君には良い薬になるかもしれないわね」ニヤニヤ
苗木「ごめんなさいごめんなさい」グスン
大神「苗木よ、ジッとしていろ」
舞園「やっぱりオーソドックスに女子の制服なんてどうですか?」
朝日奈「ノリノリだね舞園ちゃん…何かちょっと苗木が可哀想だよ」
セレス「同情する必要はありませんわ。これは彼への処刑なのです」
江ノ島(戦刃)(苗木君…助けてあげられなくてごめんね)
苗木(女子制服)「」
朝日奈「苗木が死んだ魚みたいな顔になってる…」
舞園「キャー! キャー! すっごく可愛いです苗木君!」
セレス「期限は一週間。もしもルールを破ったら、その時は…おわかりですね?」
苗木(女子制服)「」
霧切「相当効いているようね。まぁこれに懲りて二度と罪を犯さない事よ」
―次の日―
苗木(女子制服)「嫌だ! 嫌だよ!」
霧切「でも、朝食はきちんと摂らないとダメよ」
苗木(女子制服)「こんな格好で皆の前に出れるわけ無いだろ!」
霧切「いい加減にしなさい。大神さんお願い」
大神「うむ」
苗木(女子制服)「うわああああああん」ズルズルズル
その後、苗木は女性恐怖症になったという。
おわり。
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