少年「もう嫌だ!」(5)
一昨日は和式のトイレに顔を押し込まれた。
その前の日は理科室のガスバーナーで祖父から買ってもらった鉛筆を燃やされた。
先週は放課後に女子の机に射精するように脅された。結局その机は汚れた。僕の好きな人の机だったのに。
今日は叔母が作ってくれた弁当を窓から投げ捨てられた。大好物のライスコロッケだったのに。お腹減った。
でも、皆を心配させちゃいけない。
せっかく育ててもらってるのに迷惑なんか、かけちゃいけない。
僕は弱い。女の子より弱いかもしれない。だからあいつらには勝てないし、立ち向かえない。
少年「死んだら、楽になれるかな…?」
こんなの間違ってる。
声に出して言いたいけど、こんなチビが言ったってどうしようもない。
だって、僕は弱いから。
弱い人間は生きていけないから。
弱い人間は権利がないから。
もう少しで家に着く。
目、腫れてないかな?
なんて、言い訳しようかな?
……お腹空いたな。
書いとくべきだったわ
※閲覧注意
※胸糞注意、見たくなかったらそっ閉じ推奨
ガチャ
少年「ただいまー」
おかえりー、という声がリビングから聞こえた。
パタパタと足音が聴こえる。
姉「……大丈夫だった?」
少年「うん………」
心配してるみたいだ。
そのとき、お姉ちゃんに抱きしめられた。
少年「!?」
姉「安心して?私が守ってあげるから、ね?」
ふと、身体から温もりが伝わった。
人って、あったかいんだな。
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