P「人体の」やよい「ふしぎ!」(73)
やよい「プロデューサー、ちょっといいですか?」
P「なんだー?」
やよい「ケガをしたら、つばをつけると治るってホントなんですか?」
P「そうだなぁ、唾液には殺菌作用があるって聞いたことはあるが」
P「ちゃんと傷口は洗った方がいいぞ、雑菌が入ったら大変だからな」
やよい「あ、それなんですけど……」
P「?」
やよい「雑菌が入ったら、一体どうなっちゃうんですか?」
P「つまりやよいは、体に雑菌が入った時何が起きるのかを知りたいと」
やよい「はい……気になって仕方がなくて、夜も眠れないんです」
P「ふむ。だがやよいには、ちょっと難しい話になるかもしれないなぁ」
やよい「が、頑張ります!」
P「(まぁ俺もあまり詳しくは知らないんだが……丁度暇してるしな)」
P「んじゃー、やよいにも分かるように、簡単に分かりやすく大雑把に説明するかー」
やよい「ありがとうございます、プロデューサー!」
P「まずは、そうだな。やよいがケガをしたとしよう――」
亜美「あー、あー……こちらスネーク」
亜美「傷口からやよいっちの体内に潜入した。大佐、指示をくれ」
真美「了解だスネーク。今回は真美隊員もいる……しくじるなよ?」
伊織「バカやってないで、とっとと破壊活動始めなさいよあんた達」
千早「高槻さんの体内、とても居心地がいいわ……良い苗床になりそう」
雪歩「い、いいのかなぁ?こんな事して……」
P「雑菌と言うのは、一つの菌の名前ではなく、何種類もの菌の、いわば総称なんだ」
P「だから体に入ってくる菌というのは、そりゃもうたくさんいる訳だ」
やよい「そうなんですかぁー」
P「菌は人間にとって、切っても切れない身近な存在だからな」
P「特に皮膚の上なんかにいるのは常在菌と言ってな、普段は悪さなんかしないんだが……」
やよい「体の中に入っちゃうと、悪さしちゃうんですか?」
P「そうだ。食事前に手を洗うのは、そいつらが口から入らないようにする為だと思っていい」
ムクムク
亜美「!……いおりん!」
真美「真美達のいる空間がおっきくなってるよ!」
伊織「これは、まさか……あんた達、気をつけなさい!」
千早「バカな……もう、動きだしたと言うの?」
雪歩「うぅぅ……し、死にたくないよぉ……」
あずさ「あらあら、侵入者がいるようですね~」
やよい「でも悪さをするなら、菌達を放っておいちゃダメですね」
P「うむ。炎症や腫れというのは、菌が悪さした時の合図みたいなものだ」
P「この合図を察知して、動き出すトラブルバスターがちゃんと体にもいるのさ」
やよい「あ、それは私も知ってます!めんえきって言うんですよね!」
P「その通りだ。やよいは賢いなぁ」ナデナデ
やよい「えへへ……」
亜美「で、出たぁー!あ、あずさお姉ちゃん……!」ガタガタ
真美「し、知っているのか雷電!?」
亜美「その豊満なおっぱいで幾多の菌達を食い荒らしていったと言われる、伝説の白血球……!」ガタガタ
千早「マクロファージ……私達雑菌類の、敵……!」ギリッ
伊織「落ち着きなさい!まだ一匹じゃない、何とかなるわ!」
雪歩「……も、もうこんなところに、いたくないです~!」ダッ
亜美「ゆ、ゆきぴょん!そっちはダメだよ!」
ガシッ
貴音「いただきます……萩原雪歩」
雪歩「ひ、ひぃぃぃい……!」
真美「あ、あれは……マクロファージ・お尻ちん……!」ガタガタ
亜美「し、知っているのか雷電!?」
真美「その豊満なお尻で数多の菌達を食い荒らしていったと言われる、伝説の白血球……!」ガタガタ
千早「は、萩原さんが……!」
伊織「諦めなさい!……もう、捕食されるわ」
貴音「がっとしてちゅっとして、りそそーむ」カプッ
雪歩「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」ガクガク
雪歩「……と、とけちゃ……とろけちゃいまひゅうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」プシャアアアアアア
あずさ「あなた達も、覚悟してくださいね~」ジリジリ
伊織「……逃げるわよ、あんた達!」ダッ
亜美「言われなくても」ダッ
真美「すたこらさっさだぜぇー!」ダッ
千早「くっ……萩原さんの仇は、私が……!」ダッ
貴音「どうやら、逃げられてしまったようですね」マミマミ
雪歩「し、四条しゃん……も、もぉ、やめへくらはひぃぃぃんっ!」ビクンビクン
あずさ「まぁ、大変……ヘルパーT細胞さんに、連絡しておかないと~」ポパピプペ
~リンパ球~
P「マクロファージ・あずささんより緊急連絡が入った」
P「亜美菌、真美菌、千早菌、伊織菌が現在、やよいの体内を逃走中だ」
P「最寄りの細胞内に占拠する可能性がある。これ以上、連中の勝手にさせるな!」
律子・響・春香・真・美希「イェッサー(なのー)!」ビシッ
P「B細胞律子、響!連中の解析は完了したか?」
律子「無論です、ヘルパーT細胞殿。あの四匹は、以前にも侵入してきた事があります」
響「さっすが、律子の記憶力はピカイチだなー!」
P「よし、抗体兵器の量産を許可する!全員、出動せよ!」
律子・響・春香・真・美希「イェッサー(なのー)!」ビシッ
伊織「ねぇ亜美、この細胞を占拠するまであとどれくらい?」
亜美「あと5分くらいで完了しちゃうよー、亜美達もなかなかのワルですな」
真美「んっふっふ~、毒素ポイポイ出しちゃえ~」
響『あー、あー』
響『細胞内に立てこもろうとしてる菌達に告ぐぞー!』
千早「流石に早い……もう囲まれて………!」
響『大人しく降伏すれば、胸囲だけは上げてやるさー!』
千早「!?」
亜美「えっ……ひびきん、それホント?」
伊織「バカね、降伏して胸囲の上がった菌なんていないわよ!ウソに決まってるじゃない」
千早「くっ……な、なんて狡猾な奴らなの……!」ギリッ
真美「ウソ付くなんてひどいよひびきん~」
亜美「だからひびきんはひびきんなんだよ~」
響「グスッ……うわーん!律子ー!」
律子「はいはい、御苦労様。ま、分かってた事だけどね」ナデナデ
律子「……響、抗体マグナムの準備をしなさい」
律子「あんった達ぃぃぃぃ?覚悟は、いいわねぇぇぇぇぇっ!?」
亜美「げぇっ!び、B細胞律っちゃん!?」
真美「し、知っているのか雷電!?」
律子「サンタマリアのぉぉぉぉ!名に誓いぃぃぃぃぃっ!!」ジャキッ
伊織「あれは……こ、抗体マグナム!?」
千早「!……みんな、伏せてっ!!」
律子「全ての雑菌にぃぃぃぃぃ!鉄槌をぉぉぉぉぉぉぉっ!!」カチッ
ドピュッ ドピュッ
ビチャァ ビチャァ
亜美「………な、なんじゃこりゃあー!?」ネチャネチャ
真美「し、白くべたつく何かがひっついて……身動きがとれないよー!」ネチョネチョ
伊織「やはり撃ってきたわね……!」
千早「き、気持ち悪い……高槻さんには相応しくないわ、こんなもの……!」
響「命中はしたけど、まだ生き残りがいるみたいだぞー」
律子「仕留め損ねたか……仕方ないわね」ポパピプペ
伊織「分が悪いわ……この細胞も、これ以上は長く保たないわね」
千早「ここは放棄して、再起をはかりましょう」
亜美「あっ、どこ行くんだよ二人とも~!亜美達見捨てるの~!?」ネチャネチャ
真美「人でなし~!菌でなし~!!」ネチョネチョ
伊織「あんた達とは菌種が違うのよ、悪く思わない事ね」
千早「は、早くここから逃げなければ……」
ガシッ
春香「その必要はないよ、千早ちゃん」ニコッ
千早「!!き、キラーT細胞春っ」
ムチュー
春香「はむっ………んふ……ちゅ………」
千早「んーっ!……んんーっ!………」バタバタ
クチュ ピチャ チュプ
春香「……ぷはぁ……千早ちゃん、おいしい♪」
千早「……ひ、ひゃるかぁ……」トローン
亜美「ヤバいよヤバいよ~キラーT細胞まで来ちゃったよぉ~」ネチャネチャ
真美「真美達絶対絶命だよ~細胞の殺し屋になんかかないっこないよぉ~」ネチョネチョ
伊織「はぁっ……はぁっ……」
伊織「こ、ここまで来れば、大丈夫よね………!」
伊織「あんな痴女共になんか……捕まってたまるもんですかっ……!」
伊織「やよいの体は、あたしのものなのよ!……誰にも渡さないんだかr」
ガシッ
真「……誰が痴女だって?」
美希「デコちゃん、ひどいなー」
伊織「」
伊織「こ、殺せっ……殺しなさいよ……!」ガタガタ
真「……って言ってますけど。ヘルパーT細胞、どうします?」
P『死に損ないの分際で命令するつもりかッ!』
P『よォし、その菌はお前たちにくれてやる。好きにしろッ!』
真「やーりぃ!」ニタァ
美希「さっすが~、ハニーは話が分かるの!」ニタァ
伊織「な、何をするつもりよ、あんた達……」ガタガタ
真「へへっ……とっても、気持ちの良い事さ」ポキポキ
美希「ミキ達にひどいこと言っちゃうデコちゃんは、オシオキが必要だって思うな~」ジリジリ
伊織「あ……あ、ぁ………」ガタガタ
伊織「い、いや……やめて……さ、さわら、ないでぇ………」ポロポロ
アッー
~リンパ球~
律子「マクロファージ、B細胞及びキラーT細胞、全員帰投しました」ビシッ
P「……よし。皆、よくやってくれた!」
P「君達免疫細胞のおかげで、やよいの体は今回も何事もなく平和を保つことができた」
P「だが、戦いはこれで終わった訳ではない。雑菌達はまたやってくるだろう」
P「その時もまた、俺と一緒に戦ってほしい!以上、解散!」
「「「「「「「イェッサー(なのー)!!」」」」」」」
春香「うふふっ……千早ちゃんの味、覚えちゃった~」ペロリ
P「――とまぁこんな風に、通常、人間の体の平和は守られてる訳だな」
やよい「はぁ~、すごいんですねぇ~……」
P「だが、いつもこんな調子って訳にもいかないんだ」
P「雨に当たって体温が下がったりすれば、免疫力が落ちたりするしな」
やよい「あ、だから風邪を引いちゃうんですね」
P「そうだ。他にも、とんでもない例外がいてな……」
やよい「?」
あずさ「あぅぅ……そ、そこは、だめぇっ………っ!」ガクガク
小鳥「ここかぁ?ここがええのんかぁ~?」クチュクチュ
貴音「こ、これは!?……マクロファージ・あずさ、何事ですか!」
あずさ「た、貴音ちゃっ………こ、こっちに来ちゃ、ら、らめぇぇぇぇっ!!」プシャアアアアアア
小鳥「ふっ……他愛もないわね」フキフキ
貴音「……面妖な……何奴ですっ」キッ
小鳥「あら、あなたもマクロファージ?……今日は楽しめそうね♪」ジュルリ
~リンパ球~
律子「マクロファージが、全滅ですって……!?」ツカツカ
響「た、貴音もやられちゃったのか……?一体、何が起きているんさー!?」スタスタ
律子「クッ……こんな時に、ヘルパーT細胞は何を……!」ツカツカ
ガチャッ
律子「ヘルパーT細胞殿!どうか、指示、を………」
P「い、イグゥ!もう、イッちゃふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」ドピュルルルルル
小鳥「ウフフフフ……あら、遅かったじゃない」クスクス
響「そ、そんな……ヘルパーT細胞が、ヤられちゃってるぞ……!」
律子「あそこにいるウィルス……もしかして、あなた……!」
小鳥「あら……私のこと、ご存じだったかしら?」クスクス
響「し、知ってるのか律子!?」
律子「昔、聞いたことはあるわ……」
律子「何千、何万ものヘルパーT細胞の命を葬り去ってきた、超危険なウィルス……」
律子「……コードネーム、HIV……!」
小鳥「ウフフフフ……全てのヘルパーT細胞は、私の前に跪く運命なのよ!」
オーッホッホッホッホッホ
やよい「……エイズ、ですか?」
P「そうだ。こいつの恐ろしさは、司令塔になってる奴を好んで襲うんだ」
P「頭脳となる奴がいなくなれば、免疫機能はもう働かない」
やよい「そ、それじゃ……」
P「ああ。安全な他の細菌でさえ、その人にとっては脅威となってしまう」
P「普段かからないような病気を患い、症状も重くなってしまうから、非常に危険なんだ」
やよい「恐ろしいウィルスなんですね……」
やよい「うっうー!ありがとうございました、プロデューサー!」
やよい「とっても分かりやすくて、すっごくためになりました!」
P「おーそうかそうか。まぁやよいが満足したならそれでいいが」
やよい「今日はセールがあるので、これで帰ります!お疲れ様でしたー!」ペコリ
P「おう、またな~」ヒラヒラ
ガチャッ バタン
P「ま、普段から手洗いやうがい、規則正しい健全な生活をすれば、病気にもなんねーし……」
P「病も気からって言葉もある。やよいみたいに、いつも明るければ何も問題ないな」
小鳥「 そ う で す ね 」
P「………」
小鳥「……どうしました、プロデューサーさん?」ニコニコ
P「……い、いつからいました?」
小鳥「やよいちゃんがケガをした辺りからですよ?」ニコニコ
P「」
P「あ、俺、ちょっと急用を思い出しちゃったかな~……みたいな?」ガタッ
千早「どこに行くつもりですか、プロデューサー?」ガシッ
P「……お、お前達……」タラリ
伊織「にひひっ!……覚悟は、出来てるわよねぇ~?」コキコキ
千早「雑菌でぇっ!悪かったっ!ですねっ!!」ゲシゲシゲシゲシ
P「い、いだっ!いだだだっ!!わ、悪かった!すまんかった!ほ、ホントにっ!!」
伊織「勝手にっ!人の名前っ!借りてっ!遊んでんじゃっ!ないわよっ!!」ドスッドスッ
P「んほぉっ!あひぃんっ!?……も、もう許しぶへぇっ!?」
小鳥「だっれっがっコードネームHIVじゃコルァァァァァァァッ!!」メキメキメキ
P「ぎ、ギブゥッ!ギブギブギブギギャアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
亜美「梅雨に入るこの時期、気圧の変化や雑菌の増殖などで体調を崩す恐れがありまーす」
真美「怖いですねぇ、恐ろしいですねぇ」
雪歩「皆さん、くれぐれも体には気を付けてお過ごしくださいね……」
亜美「それではサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ……」
おわり
あさりよしとおのまんがサイエンスは至高
やっててよかった進研ゼミ
あ、学研だったwwwww
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