咲「トータルでは勝ってる」(234)

部室

久「最近宮永さん麻雀部に来ないわね」

和「そ、そうですね・・・」

まこ「まったく・・・いったい何をしとるんじゃ!」

優希「のどちゃんも知らないのか?」

和「え、えぇ・・・」

和(言えない・・・パチンコにハマってるなんて言えない・・・)

咲が麻雀部に顔を出さなくなって一か月

4月、バイトを始めた咲は初めての給料を手に軽い気持ちでパチンコ点へ足を運んだ。

ビギナーズラックといったところか初回しで大当たり

これに味を占めた咲はパチンコにハマってしまい遂には麻雀部にすら顔を出さなくなってしまった

パチンコ店

咲「もう25000円も入れてるのに全然当たらない・・・麻雀ならもう飛んでるよ・・・」

咲「もうそろそろお金も無くなっちゃう・・・どうしよう・・・」

『リーチ!』

咲「特殊リーチ!?お願い当たって・・・当たってよ・・・!」

『大当たり!!』

咲「きたぁ!!きたきたぁ!!!」

店員『ありがとうございましたー』

咲「えっへへ~。10万も勝っちゃったよ」

咲「これでこの前の負けも取り返せたよ」

咲「今日は気分よく帰れるな」

和「宮永さん!!」

咲「原村さん!」

和「部活に来てないと思えば・やっぱりここでしたか・・・」

和「またパチンコですか!?いい加減にしてください!!」

咲「そんな怒らないでよ・・・ほら!今日は10万も勝ったんだよ!」

咲「気分もいいし原村さんにもごちそうしてあげる!何か食べたいものとかあるかな?」

和「ありませんよ!!」

咲「・・・原村さん」

和「そうやって勝ったらおごって負けたら取り返す・・・損してるだけじゃないですか!」

和「そもそも今までいくらつぎ込んだんですか!?いくら損したと思ってるんですか!?」

咲「大丈夫。トータルでは勝ってるから」

和「パチンコでトータルで勝つなんてそんなオカルトありえません!!」

咲「確かに短期間だと負けるかもしれないけど長期スパンで見れば腕の差が出てきて勝てるんだよ」

和「じゃあパチンコ屋はどうやって儲かっているんですか!?」

咲「負けた人のお金で儲かってるんじゃないかな?」

和「イラッ」

和「もう知りません!!そこまでいうなら満足するまでやればいいんです!!」

咲「原村さん・・・」

和「勝手に狂って破産すればいいんですよ!!このパチンカスが!!」

スタスタ

咲「あぁ・・・行っちゃった・・・」

咲「・・・」

咲「・・・もう一回まわそ」

数日後

久「みんなもうすぐ全国ね!」

和「はい!」

久「相変わらず咲は来ないけど・・・代わりに今日はお客さまがいるの」

優希「じぇー!?」

久「合同練習に付き合ってくれるのは・・・風越女子よ!!」

池田「よろしくー」

久「わざわざ悪いわね。こんなとこまで呼び出して」

未春「いえ。そんなこと」

久「今日はみんなも楽しむつもりでいいから。でも本気で頼むわよ」

風越「はい!」

久「じゃあ2卓に分かれて練習しましょ!」

優希「あれ?オッドアイのお姉さんがいないじぇ」

池田「・・・」

久「私もそれは思ってたんだけど・・・個人戦出場だから来られないとかじゃないの?」

優希「そうなのかじぇ?」

文堂「ま、まぁ・・・そんなところ・・・です・・・はい・・・」

優希「じぇー?」

文堂「・・・」

未春「・・・」

池田「・・・」

ドム「ま、まあいいじゃないですか!さ、始めましょう!」

その頃

パチンコ店

咲「だめだぁ・・・今日は全然当たらないよ・・・」

咲「この前の勝ち分も全部使っちゃったし・・・これ、やばいよ・・・」

ジャジャーンジャラジャラジャラ

咲「あ、どこかで大当たりでたんだ。そろそろ私の番来るかな」

数分後

ジャジャーンジャラジャラジャラ

咲「また違う場所で当たってる・・・」

咲「他は当たるのになんで私は当たらないの・・・」

『リーチ!』

咲「きた!お願い当たって!当たってよ・・・!」

『スカ』

咲「あぁ・・・」

咲「やばい・・・もう財布にお金ないよ・・・今日は大負けだ・・・」

ジャジャーン

咲「・・・またどこかで当たったのかな。でも今回は音が近いし後ろかな」

咲「あ、あなたは・・・!」

福路「あら・・・あなた清澄の・・・?」

そのころ

和「えぇ!?風越のキャプテンが!?」

優希「あのお姉さんがパチンコなんて信じられないじぇ・・・」

池田「うぅ・・・私がいってもやめてくれないし・・・どうすれば・・・」

文堂「清澄の部長さん。あなたからキャプテンへ一言言ってもらえませんか・・・?」

久「えぇ!?私が!?」

池田「わ、私からもお願いだし・・・もう私の声は耳に届いてないし・・・うぅっ」

ドム「上埜さんいえ、竹井さんの言葉ならキャプテンももしかしたら・・・」

和「無理だと思いますよ・・・」

和「私も何度も言ってみましたが・・・聞く耳持ちませんでした」

まこ「パチンカスは人間のクズじゃけん、何を言っても無駄じゃあ」

優希「のどちゃんの知り合いにもパチンカスがいたとは!」

和「・・・みんなもよく知ってる人ですよ」

久「まさか・・・」

和「はい。そのまさかです・・・」

その頃

咲「まさかこんなところで風越の部長さんにお会いすることになるなんて・・・」

福路「私も。まさか上埜さんの後輩会うなんて思ってもなかったわ。福治美穂子よ。よろしくね」

咲「宮永咲です。よろしくお願いします」

咲「にしてもすごいですね。これ20万くらい勝ってるんじゃないですか!?」

福路「ふふ。今日はついてただけよ。宮永さんはどうだったの?」

咲「えへへ・・・私は今日も負け・・・原村さんの言うとおりパチンコはトータルでは負けるのかなーなんて」

福路「・・・」

福路「宮永さん。そんなこと誰がいったのかしら」

咲「へ?」

福路「パチンコも麻雀と同じ。腕があれば勝てるゲームよ!」

咲「そうなんですか!?」

福路「ええ。腕を磨けばトータルで勝つことも余裕よ」

咲「そ、その技術教えてもらえませんか!?」

福路「分かったわ。私の持つ技術。すべてあなたに教えてあげる!」

福路「パチンコで勝てないなんていう人がよくいるけど、それはただ弱い人の戯言にすぎない」

福路「それは何も考えずに打っているから。勿論ただ打ってるだけじゃ私たちもそれと同類になってしまう」

福路「誰が打っても勝つ確率なんてのは変わらないのだからただ打つだけじゃダメなのはわかるわよね。ならそこでどうやって差をつけるか」

福路「それは大きくわけて3つ。まずは一つ、無駄玉を減らすこと」

福路「例えば打った玉が全部ヘソ入ったとしましょう。これだけでもプラス収支になりそうじゃない?」

咲「た、確かにそうですね。死に玉が無ければ金額非の勝率は上がります」

福路「保留4の時の節約、時短中の電チュー開放に合わせたリズム止め打ち」

福路「当たりアタッカーは開いている間だけを狙う、ステージ上に玉が乗ってる時は止める」

福路「こういった細かい節約技術をすべて習得したのがパチプロなの」

咲「なるほど・・・技術で勝率の上げる点は麻雀とよく似てますね」

福路「そう。パチンコも麻雀と同じただの運ゲーではないの。覚えておいて」

咲「はい!」

福路「じゃあ次は当たる台の見つけ方だけd」

和「い、いました!いましたよ!!!」

咲「原村さん!?」

まこ「おお、本当におるとは」

和「私の読みに間違いはありません!」

優希「風越のお姉さんもいるじぇ!!」

池田「私の言った通りだし!」

福路「華菜!?」

池田「キャプテン!今日こそ帰りましょう!パチンコを打つキャプテンなんか見たくないs」

パシン!!!!

池田「え・・・」ジンジン

福路「パチンコを馬鹿にしないで!!」

池田「きゃ、キャプテぇン・・・?」

福路「パチンコ「なんか」って・・・私、パチンコを馬鹿にする人が一番嫌いなの」

福路「たとえそれが華菜でも許せない」

池田「ご、ごめんなさい・・・」

久「あのさぁ、今のはちょっとやりすぎじゃないかな~」

福路「う、上埜さん・・・!?」

久「せっかく止めに来てくれた後輩にビンタは無いんじゃない?」

福路「うっ・・・でも私は止めてなんて頼んでないわ・・・」

福路「うっ・・・うぅっ・・・」ポロポロ

久「え」

咲「部長・・・ちょっと言い過ぎじゃないですか!?」

久「いや・・・でもさぁ・・・」

咲「謝ってください」

久「はぁ?なんで私が謝んなきゃいけないのよw」

咲「部長・・・!」

和「宮永さん・・・いい加減にしてください!!!」

和「部長は二人のことを思って言っているんですよ!それをそんな風に!」

咲「でも部長は福路さんを泣かせたんだよ?」

和「それは福路さんが悪いから仕方のないことです!」

咲「うわ!ひどい!!」

和「謝るなら宮永さんたちなのでは!?」

咲「・・・!」ギリ

久「もういいわよ和」

和「部長・・・」

久「これでみんなもわかったでしょ?パチンカスに何を言っても無駄だって」

ドム「もしかして・・・こうなるのがわかってたんですか?」

久「まぁね。こういう輩に何を言っても馬の耳に念仏。耳を抜けてくだけよ」

久「しまいにはパチンコも麻雀も実力ゲーとかほざくし。もう重症よねw」

福路「上埜さん・・・」

久「つーわけで私ら部活に戻るから。じゃねー」

咲「・・・」

咲「・・・」

福路「・・・」

咲「なんか・・・気分悪いですね。もう一発うt」

福路「・・・パチンコは引き際が肝心よ」

咲「・・・はい」

麻雀は実力ゲーだろ
能力ある方が勝つんだから

その帰り道

池田「うぅ・・・キャプテン・・・」

優希「仕方ないじょ。自分で目が覚めるのを待つしかないじぇ」

和「いつか・・・いつか宮永さんも戻ってくるでしょうか・・・?」

久「・・・そうね。いつか目が覚めて戻ってくるわよ」

  「・・・そうっすよね・・・きっと目・・・覚めますよね・・・」

優希「え!?」

>>77
すまん。その実力ゲーは“も”にかかってる。

久「しまいにはパチンコも麻雀と同じように実力ゲーとかほざくし。もう重症よねw」

って意味です

桃子「先輩・・・」

優希「いきなり人が出てきたじょ!」

まこ「こいつ誰じゃけん」

和「あなたは・・・確か・・・鶴賀の副将の・・・」

桃子「覚えてくれてたっすかおっぱいさん。鶴賀学園の東横桃子です」

池田「さっきの言い分・・・もしかして・・・?」

桃子「そうっす・・・先輩が・・・先輩がパチンカス売国奴になってしまったっすぅ・・・」

傀「…………」

江崎「…………」

劉「…………」

咲「…………」



うん、違和感はないな

久「先輩というとゆみのことかしら?」

桃子「そうっす・・・来る日も来る日もパチンコパチンコで・・・」

まこ「あの鶴賀の大将が・・・以外じゃのう・・・」

久「あのゆみが麻雀をやめてパチンコに手を出すなんてねぇ・・・」

桃子「それが麻雀はいつも通りいっぱいやってるっす。でもパチンコもやってるんすよ!」

久「つまり麻雀とパチンコ両方に手を出してるってこと?」

桃子「それだけじゃないっす・・・」

優希「まだあるのかじぇ?」

桃子「最近はテキサスホールデムにもハマってて・・・部室のPCではオンラインポーカーばっかり・・・」

ホールデムってwwww

なんかそれっぽいかじゅwwwwwwww

まこ「そういえばオンラインポーカーでかじゅってハンネを見たような・・・」

和「染谷先輩もテキサスホールデムやってるんですか?」

まこ「まあの。わしも異能のはしくれじゃけぇ、ホールデムは染め手の能力を一番生かせるからのう」

優希「前見せてもらった時染谷先輩は毎回フラッシュだったじぇ!しかも初手AKは確定の強者さんなんだじぇ!」

桃子「はは・・・すごいっすね・・・はぁ・・・」

久「その顔・・・もしかして・・・」

久「負けてるとか・・・?」

桃子「はい・・・そうなんっすよ・・・」

まこ「確かに『かじゅ』はそんなに強かった記憶は無いのう・・・」

和「フラッシュ確定の手なら当たり前です」

久「まぁオンラインポーカーなら別に弱くてもいいじゃない」

まこ「・・・いやそのオンラインポーカーっていうのはなぁ」

桃子「課金で戦う海外サイトのオンラインカジノなんすよ・・・」

桃子「パチンコでの負け分を取り戻すために始めたホールデムでも負けるなんて・・・」

桃子「もうあんな先輩は見たくないっす・・・」

まこ「いやまて。パチンコの負け分って言ったか?」

桃子「はい・・・もう先輩は破産寸前なんすよ・・・」

優希「ギャンブルで破産ってそれって人間ですか・・・」

和「これはちょっと・・・」

久「まずいわね・・・」

違法カジノ

加治木「・・・チェック」

おっさん「レイズ」

加治木「!?くっ・・・」

加治木「・・・えぇい!オールインだ!」

おっさん「オールイン」

バタン


桃子「先輩!!!」

加治木「モモ・・・どうした。ここには来るなと以前も」

桃子「先輩・・・今日こそはギャンブルをやめてもらうっす!!」

久「ゆみ」

加治木「久・・・久しぶりだな。おっと、これはギャグではないぞ。たまたまだ」

久「・・・歯を食いしばりなさい」

加治木「・・・何?」

バシン!!

加治木「ぐはっ!!」

加治木「き、貴様!!」

久「目が覚めた?」

加治木「クソ!!手札がバレてしまったじゃないか!!AAの強手だったのにどうしてくれる!!」

久「パチンコの負け分を他のギャンブルで取り戻す」

久「そんなにうまくいくわけないのがわからない?」

加治木「取り戻す?はっ、何を馬鹿なことを」

加治木「私は別に取り戻そうなんて思っていないよ」

加治木「ただ、自分が預金した金を引き出そうとしてるだけだ」

桃子「先輩!!」

加治木「久。ギャンブルなんてのは銀行と一緒だ」

加治木「ギャンブルはプラマイゼロになるようにできているんだ」

加治木「そのギャンブルで儲ける方法はひとつ。ちょっとプラスになったところで止めることだ」

加治木「今の私は儲けようなんてこれっぽっちもおもっていない。プラマイゼロになるところまで引き出そうとしているだけさ」

加治木「この床の大理石を見てみるがいい。綺麗だろ?」

久「・・・」

加治木「この大理石1枚分の金は誰が預金したか?私だ」

加治木「そしてこのカジノもしかりパチンコ店。そこの店員を食わせてやっているのは誰か、私だ!」

和「・・・」

加治木「これもすべて私が預金した金を運用した結果なのだ」

加治木「これで君たちもカジノは銀行と同じという事が理解できたんじゃないか?」

桃子「・・・」

かじゅは犠牲になったのだ……

桃子「先輩・・・」

久「そう・・・もう何を言っても無駄なようね」

加治木「・・・血迷ったか、久」

久「血迷ったのはあなたの方よゆみ。安心しなさい。私はもう何も口だししない」

桃子「竹井先輩!?」

久「でもこれだけは覚えておきなさい」

久「そうやって負けたからつぎ込んで、つぎ込んだから負けて、それでほんとに最後はプラスになるのかしら?」

加治木「・・・」

久「私の言いたいことはそれだけ。それじゃあみんな、帰りましょ」

加治木「久・・・」

数日後

鶴賀学園

蒲原「ワハハ。みんな大変だ。ゆみちんが引っ越ししたぞー」

睦月「えぇっ!?」

香織「本当ですか!?」

桃子「そんな・・・先輩・・・」

睦月「もしかして・・・夜逃げですか・・・?」

蒲原「いやぁ、ゆみちんのことだから負けたまま逃げることはないと思うけど」

桃子「もしかして借金取りにさらわれたとか・・・」

蒲原「そっちの方があり得るかもな。ワハハ」

香織「そんな・・・」

桃子「わ、私に伝言とかはありましたか?」

蒲原「そういえば手紙があったなー。どれどれ『今は…とてもいい気持ち』だと」

桃子「先輩・・・」

清澄

久「そう・・・ゆみが・・・」

和「驚かないんですか?」

久「まぁね。ギャンブラーの末路なんてそんなもんよ」

まこ「前から思とったんじゃがあんたやけにギャンブルに詳しいのう。なんでじゃ?」

久「ふふ。そうね・・・こんな状況になっちゃったし。話してもいいかな」

かじゅ終わった……

久「実は私も昔はそれなりに有名なギャンブラーだったの」

和「強かったんですか?」

久「それはもうギャンブルで稼ぎまくって生計を立ててるくらいにねw」

まこ「勝手に言っときんさいw」

久「パチンコ、ホールデム色んなゲームをしたわ。麻雀を始めたのも元々はギャンブルの一環だったわ」

久「あの日、私はギャンブルで大きく負けた」

久「せめて負けた分でもと考え始めたのが仇になってどんどんとドツボに嵌っていったわ」

久「そして結局私は名前を変えて逃げた」

まこ「それでギャンブルからは・・・」

久「一切の足を洗ったわ。もうギャンブルはこりごりだってね」

久「ギャンブルは娯楽じゃない。人間関係までもが汚れていく麻薬よ」

久「実際ギャンブラー時代の知り合いなんてその程度のレベルの人ばかりだった」

久「金がからむ以上ヤクザとも近づいてしまうわけだしね」

和「部長・・・」

なにこの世界汚い

久「今、ギャンブラーを見ると昔の自分を思い出すわ」

久「あの世界から抜け出すのは他人の力では無理。結局は自分の意識」

久「私ができることはしてあげたいけど・・・やっぱハマってる間は無理よね」

和「だから部長・・・みんなに」

久「そうして、上埜久は死んだのよ」

和「上埜・・・久・・・」

優希「そういえば風越のキャプテンが部長のことウエノさんって呼んでたじぇ」

まこ「まさか・・・上埜って・・・あのすべてのゲームを極めた伝説のギャンブラーじゃ・・・!?」

久「ゲームを極めるなんて不可能よ。終わりの見えるゲームなんてそんなのゲームじゃないわ」

まこ「やっぱり・・・!でもそれなら負けたゲームはイカサマだったんじゃ・・・」

久「ソレも含めてのギャンブルなのよ。そういう世界。ただそれだけのことよ」

まこ「まったく・・・あんたは・・・」

久「咲も美穂子も自分が気づいたときにはきっと戻ってくるわ。ゆみもきっと大丈夫」

久「目が覚めるまで人それぞれ時間がかかると思うけど」

久「人間は学習する生き物。必ず気づく時が来るわ」

久「その時まで待ちましょう。清澄の大将が帰ってくるその日まで・・・」





10年後・・・




!?

和の高校卒業から8年の月日がたった。

あの日以来咲が麻雀部に顔を出すことはなかった

咲のいない清澄の全国大会初戦敗退

そんな試合もすでに過去の思い出となっていた

和も社会人となり同じ麻雀部だったに男の家に嫁いでいた。

幸せな日々を送りながらも一年生の時に自主退学した旧友のことを忘れたことは一度もなかった

そんな和の元に一通の手紙が届く。それはあの1年生の時の長野の決勝大会

そのメンバーとの同窓会のお知らせだった

清澄高校

和「懐かしい・・・」

優希「あっ!のどちゃーん!」

和「優希!久しぶり!」

優希「懐かしいな~変わってないじょ」

和「優希もね。他のみんなは?」

優希「もう集まってるじょ!」

和「あの・・・宮永さんは・・・」

和(来てないのはわかってる・・・でももしかしたらいるかもしれないというわずかな想いを抑えられない)

優希「咲ちゃん?それが咲ちゃんも来てるんだじぇ!!」

和「ええっ!?」

部室

和「み、宮永さん!!」

咲「・・・原村さん?」

和(宮永さん・・・本当に宮永さんだ・・・!)

和「今まで何をしてたんですか!連絡もよこさなくて心配してたんですよ!!」

咲「へへ。ごめんね原村さん」

和「あの・・・パチンコは・・・まだ続けてるんですか?」

咲「パチンコ・・・もうやめたよ・・・」

和「宮永さん・・・!」

咲「結局私の能力はパチンコには生かせなかったよ・・・」

咲「最終的には破産だよ・・・へへ。笑えないよね」

和「ひ、非常に言いにくいんですけど・・・今は何を・・・?」

咲「今はメイドをしているよ。破産した私の借金を肩代わりしてくれた上に雇ってくれたんだ」

和「まさか・・・」

咲「今月はプラスだから」

俺「いくら?」

咲「4万円ぐらい」

俺「そういうのはプラスって言わないんだよ」

透華「おーっほほほ!」

和「やっぱり・・・」

一「透華はギャンブルで破産した人を雇ってメイドにしてるんだ。かくいう僕も破産して危なかったところを透華に助けてもらったんだ」

まこ「世の中以外にうまく出来とるのう・・・」

透華「私の優しさは五大陸に響きまくりですわ!そう思わなくて?」

咲「はい」

福路「お嬢様」

池田「きゃ、キャプテーン!!!」

福路「華菜・・・あのときはごめんなさい・・・私・・・自分が見えてなくて・・・」

池田「そんなのいいですよ~!キャプテンが無事にこっちに戻ってきてくれただけで私は・・・」

福路「ごめんね華菜・・・ごめんね・・・」

まこ「しかしあの能力を持った福路が破産って・・・世の中わからんのう」

優希「染谷先輩さっきからそればっかだじぇ」

福路「ある大きな一戦で負けちゃって・・・それからマイナスへの道まっしぐらよ」

優希「疑似透視能力で負けるとかありえなじょ」

福路「今思えば・・・あれはイカサマだったのかもいれないわ」

まこ「イカサマ・・・」

福路「でも今ではあそこで私を負かせてくれた人に感謝してるわ。こうやってまともな生活に戻らせてくれたのだから」

久「そう。よかったわね美穂子!」

福路「ええ」

まこ「・・・」


>まこ「やっぱり・・・!でもそれなら負けたゲームはイカサマだったんじゃ・・・」
>久「ソレも含めてのギャンブルなのよ。そういう世界。ただそれだけのことよ」

ほう

桃子「・・・」

香織「桃子さん・・・」

桃子「先輩・・・来てないっすね・・・」

睦月「む・・・」

久「ごめんなさい・・・ゆみとは連絡がとれなくて・・・」

桃子「そりゃそうっすよね・・・10年ですもん。私にもそれくらいわかりますよ・・・私にも・・・それくらい・・・」

久「・・・ごめんなさいね」

桃子「謝らないで下さいよ・・・謝らなくても・・・」

久「・・・」

桃子「・・・それでも私は待ち続けるっす!」

桃子「池田さんのように我慢強く。きっと先輩はもどってきてくれるっす!」

久「そうね。咲も美穂子も帰ってきたようにゆみもいつかきっと帰ってくるわ」

桃子「そうっす!私が落ち込んでたら先輩も帰ってこないっす!」

久「そうね!その意気だ!」

久(ゆみ・・・みんなあなたの帰りを待っているわ・・・)

久(整理がついたら堂々と帰ってきなさい。あなたの居場所は無くなってなんかいないのだから)


ギャンブルは身を滅ぼす。それに気づけるのは自分だけである




おまけ


久を負かしたイカサマ師はかつ丼だった
破産した久をかつ丼が保護。そこでイカサマを学びギャンブルから多くの人を助けるためにイカサマ師になる
かじゅは久が夜逃げさせて透華が保護。本人の希望で鶴賀には知らされていない
しかし精神的な社会復帰が困難な状態となっているため治療中
同じ元ギャンブラーの咲とキャプテンが治療を手伝っている


この辺は文章に起こすとダレそうなのでここで保管します


まだギャンブルをやっていない人、絶対に手を出すな
大学生でパチンコやってる奴、大学卒業したら辞めろ
独身でギャンブルを今やっている人、結婚する前に絶対辞めろ
結婚してるくせにギャンブルやってるやつ、今すぐ辞めろ

知らんけど

やっぱり久はイカサマ師になっていたか
ギャンブル怖いな

俺自身ギャンブルはあまり知りませんが楽しめてもらえたら嬉しいです
みなさん支援ありがとうございました

>>220
一度でも足を踏み入れたら完全な意味での脱却ができなくなるのがギャンブル
どんなに小さな形でもギャンブルをした過去は消えずに死ぬまで永遠に残る

んだと思う。知らんけど

>>219
キャプテンを救ったのは久?

>>226
想像にお任せします。
久なのかもしれないし、取り返しのつかなくなる前に痛い目に合わせて辞めさせるかつ丼や久のように活動している他の人かもしれません

落ちます。支援ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom