※八巻のネタバレあり※
八幡「おう」
雪ノ下「胸を張って肯定することではないのだけれど……」
八幡(雪ノ下が胸を張るなんて表現を使うとそこはかとなく滑稽さがあるな。張るだけに陽乃さんとの対比が)
雪ノ下「何を考えているのかは分からないけれど、その淀んだ視線を女子の身体の一部分に投げかけるのはやめなさい」
八幡「バッチリ分かってんじゃねえか……だから許可なく人の心読むのやめろって。黒歴史流出して太陽の下を歩けなくなっちゃうだろうが」
雪ノ下「あら、現状では大手を振って人前に出ることができると勘違いしてるのね」
八幡「だったらそれは可哀想ね、自分の境遇を見極められないなんて、目が濁りすぎて周囲が見えなくなったのかしら……だろ?」
雪ノ下「……気持ち悪いからやめてくれるかしら?」
八幡「へいへい」
雪ノ下「……ふふっ」
八幡(由比ヶ浜がまだ来ていない部室なのに、あいつが笑うなんて珍しいな。ちょっとは可愛いところあるじゃねえか)
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八幡「んで? いきなりなんの事実確認をしたの? むしろ確定申告?」
雪ノ下「私の家の収入は関係ないわ。ただ、最近あなたがよく携帯電話を操作しているから」
八幡「ああ……メールがな」
雪ノ下「確かamazonとマクドナルドだったかしら?」
八幡「ちげーよちゃんと人とメールしてるっつの。スパムにネタで返信するならまだしも定期メールに返信するとかガチの暇人じゃねえか」
雪ノ下「違うの?」
八幡「これ以上なく」
雪ノ下「へえ……ところで、その、メールというのは」
八幡「知り合いは知り合いだ。あ、陽乃さんに俺のアドレス教えたヤツ知らね?」
雪ノ下「知るわけないでしょう。まず私はあなたのアドレスを把握していないのだし」
八幡「そりゃそうか。あの人どうでもいいメールばっか送ってくるんだけど」
雪ノ下「世の男なら涙を流して喜ぶところなのだけれど」
八幡「俺ガード主体で泥仕合するタイプだからさ、あんな強化外骨格装備されたら勝てねえよ。ばくおんぱ覚えてたら話は別だけどな」
雪ノ下「ああそれと、今日は由比ヶ浜さんは来ないわよ」
八幡「へー」
八幡(同じクラスだけど何も聞いてねえ。どんだけ会話を拒むATフィールド分厚いんだよ俺。そろそろ見ざる聞かざる言わざるに話しかけられざるを追加して俺を祀る神社が建立されるレベル)
雪ノ下「ねえ、比企谷君」
八幡「あ?」
雪ノ下「久しぶりね、二人というのは」
八幡「……あ、あぁ」
雪ノ下「これ以上近づかれたら防犯ブザーを鳴らしてしまいそうだわ」
八幡「なんで防犯ブザー持ってんだよ。意識高いなお前」
八幡(ていうか小学校とかで配られる安っぽいデザインのあれじゃんか……もっと金使えよ、もしくはセコムしろセコム)
雪ノ下「けれど」
八幡「?」
雪ノ下「たまには、悪くないわ」
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八幡「っていうことがあったんですよね……珍しくないですか?」モミモミ
陽乃「んっ、雪乃ちゃんの報告をしてくれるのは嬉しい、やぁんっ、けど、こういう時に他の女の子の話をしちゃうのはどうかと思……ちょっと、ふあっ」
八幡「ちょっとシャワー熱いですね」モミモミクリクリ
陽乃「ねぇ、シャワー浴びてる時ぐらい手止めてよぉ」
八幡「止めたら残念がるくせに……じゃあこっちかな」ズプッ!
陽乃「んああああっ♥ やんっ♥ いきなり挿れちゃだめだってっ♥」
八幡「手はダメらしいんで腰ならいいかと……ほら集中してくださいよ」パンパン
陽乃「はぁっ♥ はぁっ♥ はあっ、激しっ♥♥ 激しいって♥」ジュプジュプ
八幡「まず一発!」ドピュドピュルルルルル
陽乃「んにゃああああああああ♥♥♥」
八幡「……寝ましたか?」
陽乃「……まだ痛い」
八幡「ヴァージンじゃないんですから」
陽乃「あれから何回シたと思ってるの? お風呂場から出る時も繋がったままだったし」
八幡「まあまあ……あと時間どんくらいですかね?」
陽乃「一時間ぐらい? どうする?」
八幡「普通にこうしてベッドで休んでてもいいですけど」
陽乃「…………」
八幡「……なんだか物欲しそうな顔をしている人がいますねぇ」
陽乃「八幡君大好きっ!」
八幡「じゃあ大好きなら何すればいいか分かりますよね?」ボロンッ
陽乃「ふふふっ、コテンパンにしてあげるから♥ ……はむっ♥んっ♥ちゅっ♥おおきっ♥♥じゅるっちゅっ♥」
八幡(……俺のブツをくわえながら髪をかきあげる仕草がエロい)
陽乃「ちゅっ♥じゅるっ♥♥じゅるっ♥♥じゅるじゅるっ♥♥」チラッ
八幡(そしてこの上目遣い。狙ってやってんだろ)ムクムク
陽乃「ぷは……あはっ♥もっと♥大きくなってきた♥♥ほらぁ♥もっともっとっ♥」
八幡「やれやれ……また延長かな」
八幡「zzz……」
陽乃(ふふっ、可愛い寝顔)
陽乃「……はぁ」
陽乃「この私がセフレだなんて、世の男たちの嫉妬集めまくりだぞ、比企谷クン」ツンツン
八幡「うーん……」
陽乃(……うぅ、なんでセフレなんかになちゃったんだろ……本当は……)
陽乃「……寝よ」
由比ヶ浜「ヒッキーってホント友達いないよね」
八幡「あ? 今更何言ってんだお前」
由比ヶ浜「んーなんか安心というか、それでこそヒッキーだなって」
八幡「俺の存在意義は友達がいないことなのかよ」
八幡(人間関係の虚無が俺の存在証明に繋がる……無から有を生み出すとか等価交換の法則ガン無視じゃねえか、俺が真理の扉を開く日も近いな)
由比ヶ浜「ヒッキーが中二みたいな顔してる……」
八幡「おいバカやめろ、あいつと同じとか想像もしたくねぇ」
由比ヶ浜「友達じゃないの?」
八幡「だから違うっつってんだろ。大体、俺に友達がいないってお前が言ったばっかじゃねえか」
由比ヶ浜「まあね」
八幡「……」
由比ヶ浜「……ヒッキー、疲れてる?」
八幡「あ? そりゃお前、生徒会も色々手伝わされてるし」
由比ヶ浜「ああ、いろはちゃん?」
八幡「確かに俺がお膳立てしてやったが、ここまでこき使われるとは思わなんだ」
由比ヶ浜「まーまー、それだけ人の役に立ってるってことじゃん!」
八幡「……まあ、悪くねえな」
由比ヶ浜「じゃあお疲れのヒッキーに紅茶淹れてあげる!」
八幡「…………由比ヶ浜、紅茶淹れようとすんのに桃缶はいらねえだろ」
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八幡「ってなことがあったんだよ、さっき」カクカク
いろは「あっあっあっあっ」
八幡「聞いてねぇ……」ヌッヌッ
いろは「聞いてっ♥聞いてますっ♥♥気持ちよすぎてっ♥」
八幡「日本語がつながってねえぞ。ていうか声抑えろ、人来るぞ」ヌッヌッヌッヌッ
いろは「んんっ♥やっ♥♥んっ♥んむっ♥♥♥」
八幡(自分で自分の口押さえて、必死に我慢してる……)ゾクゾクッ
八幡(いじらしい表情だ。不思議なことに。そっちの笑顔のほうが可愛らしい、なんて思ってしまった)スパァン!
いろは「ひゃあん!?」
八幡「だから声抑えろって。ここ生徒会室だぞ」
いろは「だ、だって♥今先輩がお尻叩いたからっ♥♥」
八幡「尻叩かれてあんなはしたない声出してたのは誰だよ」
八幡「大体、生徒会室で誘ってくるのもお前だぞ。うちの生徒会長はとんだド変態だな」
いろは「う、うぅ……♥」
八幡「ほら、もう帰る時間だ、さっさとイクぞ」パンパン
いろは「ひあっ♥くち、口塞いでくださぁい♥♥」
八幡「ったく……ん」パンパン
いろは「んん♥んっ♥んん~~~~♥♥♥」
八幡(くっ、出る!)ドッピュルルルルルル
いろは「~~~~~~~♥♥♥♥」
八幡「ほら、机と床は拭いといたぞ。下着替えたか?」
いろは「もう、そういうの聞くから先輩はダメなんですよ」
八幡「そのダメダメな先輩を連れ込んで生徒会室をラブホ扱いしてる生徒会長はどこのどいつだ?」
いろは「うっ、それはほらー、そのー」
八幡「だからお前は浅はかなんだよ劣化陽乃さん。または超強化相模」
いろは「なんですかその胡乱な呼び方!?」
八幡「……ん、ちゃんと棒タイ締めとけ」スッ
いろは「あっ、は、はい」
八幡(ん……やべえ、つい流れで俺が結ぶことになってしまったが、結び方全然分からん。どんな構造してんだこれ、メビウスの輪かなんかか?)
いろは(はぁ……ズルズルと続いて、もうすっかりセフレみたいな関係になってしまった)
いろは(違うのに、違うのに、こんなの……私、おかしくなっちゃいそうですよ、先輩……)
平塚「君は本当に友達がいないな、比企谷」スパー
八幡「まあそうですね、否定はしません」
平塚「肯定以外の選択肢があるのか?」
八幡「つーか何のようですか、わざわざ職員室まで呼び出して」
平塚「いや何……例の、その、なんだ。生徒会長選挙の結果なんだがな」
八幡「はぁ」
平塚「一色から聞いたよ。今回の件については、完全に君に軍配があがる」
八幡「俺のやったことは、すべてをなかったことにしただけです。イッツ・オールフィクションですよ」
平塚「確かに君は過負荷っぽいがあそこまでのカリスマ性は無理だな」
八幡「……さいですか」
平塚「しかし、これは問題解決に対して別の観点からアプローチを試みた結果とも言える。君自身、そう自負しているんじゃないのか?」
八幡「…………」
平塚「なら君の勝ち星だ。そもそも拒絶する理由はないと思うがね」
八幡「……そうですね、なら、俺の勝ちということで」
平塚「君のその、自分の手柄をやたらと否定したがるきらいは、どうにもなりそうにないな」
八幡「簡単に自分を変えるほど意志薄弱じゃないんで。むしろ世界のほうが間違ってるとすら断言できます」
平塚「ほう? の割には、今回の君の取り組みは、今までの君には見られない新傾向のものだったが」
八幡「……新傾向ってなんですか、俺はセンター試験かなんかですか? なんならアニメサブカルって新教科を出すまでありますよ」
平塚「いい傾向だな。君は変化を嫌うが、私はこの変化は嫌いじゃない」
八幡「…………」
平塚「めぐりも言っていたよ、君は変わったかもしれないと」
八幡「……そう変わってなんかいないですよ。簡単に変われるような人間じゃない」
平塚「そうだな。では……これは、『成長』と呼ぶことにしようか」ニッ
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八幡「ってさっき先生に言われたんですけど」ヌッヌッ
めぐり「」ピクピク
八幡(やっべ失神してる……ここ女子トイレなんだけど、俺出られねえじゃん。さすがにこの状態でめぐり先輩を残すわけにもいかねえし)ヌコヌコ
めぐり「ん、んーっ」
八幡(普段はぽわぽわしてるめぐり先輩……ヤってる時の乱れた姿もいいけど、こうしてだらしなく口を半開きにさせて俺に寄りかかってるっていうのもなかなか……)ヌプッ
八幡「まあ起きてもらおうかな……ほら先輩、起きてくださいよ……ッ!」ドピュルルドドドピュッ
めぐり「ふえっ! ひっ♥やああああ♥♥」
八幡(起きた瞬間の呆然とした表情、そこからの驚愕と恍惚が、普段のぽわぽわオーラから日本海溝みたいな深さのギャップを見せていた。……これは辛抱たまらん)ムクムク
めぐり「えっ♥比企谷君、今出したのに……またするの?」
八幡「期待してますよね、先輩も?」
めぐり「…………♥」コクッ
八幡「じゃあ、声抑えてください」ズプッ
めぐり「うんっ♥じゃあ、ちゅー♥♥」
八幡「はいはいっ……ん」
めぐり「ううんっ♥♥ん♥♥ん~~~♥♥♥♥」
八幡「カフェオレでいいですか?」
めぐり「あ、うん、いいよ」
八幡「どうぞ……あの、歩き方不自然っすよ」
めぐり「誰のせいかな?」ジトッ
八幡「さあだれなんでしょうね」フイッ
めぐり「……ふふっ。ここって、比企谷君がお昼ご飯食べてる場所だよね?」
八幡「ええ。もう昼休みも残り少ないですけど」
めぐり「じゃあ私もここでお弁当食べようかなっ」
八幡(……以前やらかした食ザープレイを思い出してしまった。ここでするわけじゃない、よな……?)
めぐり(セックスフレンドかあ……高校生なのに、ううん、高校生だからかな?)
めぐり(ねえ……気づいてほしいな。本当は、こうして君とご飯を食べるだけでも…………)
大志「お兄さんって、ぶっちゃけ友達本当にいないんすか?」
八幡「黙れ失せろ。何の許可があって俺の食卓を邪魔している。神聖なサイゼに入ってくるんじゃねえ異教徒」
大志「ちょっ、サイゼってもっと開かれた場所じゃないんすか!? そんなガチガチのカトリック教徒みたいなこと言われましても」
八幡「……いや、そのとおりだった。すまん」
大志「まあ慣れっこっすよ、お兄さん相手には」
八幡「サイゼはお前のような者でも快く受け入れる、やさしいせかいだったな。たとえお前のようなゴミムシでも受け入れる」
大志「あ、訂正するのそっちっすか。すいませーん、俺ミラノ風ドリアと辛口チキンとドリンクバー」
八幡(こいつさりげなく適応能力高ぇな)
大志「で、もちろんお兄さんの方も気になるっすけど、うちの姉ちゃんは友達いないんすか? その辺が気がかりでしょうがないんすが」
八幡「片や目の腐ったゾンビ、片やスケバン女子高生だ」
大志「あ~なるほど~」
八幡「ヨーヨーはねえしレディースとの抗争もねえし教師との禁断の恋愛もねえけどな。あれなら俺は腹の中にゼペリオン光線吸収するまであるぞ」
大志「それ内側から爆発四散するじゃないっすか。グロいっすよデザイン的にも」
八幡「うるせえな切符切って小町との会話免許停止すんぞ」
大志「そんなの発布されてたんすか!?」
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「ってお前の弟に言われたぞ。心配思いっきりかけてんじゃねえか」
「うるさいね……あいつが勝手にしてるだけだよ」
そう言いつつも、彼女は少し照れたように顔を背けた。髪を指でいじっているのは照れ隠しのつもりらしいと最近知った。
普段は一つに束ねて垂らしている長髪はストレートにおろされ、煌びやかな照明を受けて眩しく輝いている。
それは露わになっている彼女の陶磁器のように白い肌にも言えることで、一糸まとわぬ姿の彼女は、ベッドのシーツに身を包んでこちらを見ている。
普段のキッとした視線に、今は幾分かの甘えが注ぎ足されていると感じるのは、俺の自意識のせいだろうか。
彼女が照明を絞った。
「あんま見ないでよ」
恥じらいの言葉を口にする彼女に、俺は肩に手を回し抱き寄せることで返事をする。
「きゃっ」
「まさか寝ようとしたわけじゃないよな? 照明絞るとき、お前いつも……」
「……察したら察したで、口に出す? そういうの」
薄闇の中でもフイと俺から顔をそらす彼女の動きが分かった。
まずは首筋に舌を這わせる。先ほどまでの’運動’のせいで滲んでいる汗を丹念に舐め取っていく。
塩の味がすると言うと、彼女は顔を真っ赤にして『変態!』と言ってきた。
うなじに差し掛かるころに、わきの下から手を差し入れ彼女の胸に伸ばす。桜色の乳首はすでに屹立しており、少し親指の腹で押してやると、彼女は俺の腕の中で身をよじらせた。
「いきなり体こすり付けてきてどうしたんだよ。マーキングかなんかか?」
「あんたが変なトコ触るからでしょうが……やんっ♥ちょっとっ♥」
すべすべな肌を全身に感じる。俺の一転に血液が集まっていくのがわかった。
「なにっ♥当ててんのさっ♥♥」
「お前が悪い」
こちらを強引に向かせ、唇を吸う。胸は俺の手に余るほどの大きさだ、面白いように形を変えてこねくり回す。
「んむっ♥♥んっ♥」
「ん……ちゅっ、ん、川崎…………」
「やぁっ♥早く、早くっ♥はちまぁん……♥♥」
彼女の秘所に、硬化した俺のブツの先端をあてがう。休みを入れず一気に奥まで貫いた。
「~~~~~っ♥♥はぁっ♥はぁっ♥」
美しい肢体は、その美しさとは裏腹に俺を強烈に締め付けてくる。輪切りにされてしまいそうだ。
「ふぅっ、ふぅっ」
腰を振り、彼女の子宮口をノックするたびに、彼女は髪を振り乱してえびぞりに背を反らす。
彼女が両手に掴んだシーツはもうぐちゃぐちゃになっていた。
俺のなのか彼女のなのか分からない体液が染みこんでいる。
だらしなく唇の間からのぞいている舌を甘く噛んでやると、勢いよく吸い付いてきた。
「んーっ♥んー♥♥」
「んっ、ぷはっ、ん、む……」
ぼたぼたと、俺と彼女の舌を渡り損ねた唾液が、ベットにしみをつくった。
下半身のほうもギアが入ってくる。彼女を膝に座らせていた姿勢から、一気にベッドに押し倒した。
俺の背に腕が回される。爪が立って痛いが、それよりも優先される快感が腰を動かす。
ブレーキは壊れっぱなしだ。アクセルだけが効いている。
彼女の体に覆いかぶさるようにして、キスとセックスを続けていく。
「うっ……」
一度目の絶頂がきた。向こうはもう何度も果てている。俺は勢いよく腰を打ち付けると、彼女の一番奥まで突き入れた。
「やっ、ああああああああ♥♥♥」
どくどくどくと、俺の体の中身が抜けていく感覚。むしろ吸い出されている。逆に彼女の体内を満たしていったそれは、俺がいったん彼女から離れると、結合部からどろりと漏れ出した。
「ん……んっ、ん」
互いに舌を絡ませあいながら、俺は彼女の腰周りを撫で回し、彼女は俺の精液を逃すまいと自分の手で身体の中に押し戻していた。
そのあさましい光景に、すぐ俺のエンジンは火が入る。
「ん……え、ちょっと」
太ももに当たる屹立した何かに気づいたのだろう。彼女は薄く笑った。呆れと期待する悦びが入り混じった笑顔が、薄い照明に照らされた。
俺は一気に腰を突き出す。
まだ夜は長い。
八幡「俺って本当に友達いねえな」
雪ノ下「……そうね」
陽乃「そーなの?」
由比ヶ浜「え、ええと、そうだと思いますよ?」
いろは「うっわ先輩、それはちょっと引きます」
平塚「ずいぶん大所帯だな……」
めぐり「騒がしいのは、今はいいことですよ」
沙希「…………」
平塚「それで陽乃、相談というのは」
陽乃「んーとね、雪乃ちゃんと由比ヶ浜ちゃんと静ちゃん、ちょっと外で時間つぶしててくれないかな?」
雪ノ下「いやよ。奉仕部の部長は私。依頼人の話を聞く義務が私には」
沙希「これ、奉仕部じゃなくて、こいつ個人への依頼だから」
由比ヶ浜「え、ヒッキーに?」
めぐり「ごめんね? しばらく席を外していてくれないかな?」
いろは「まあダメだったら生徒会室まで連れてっちゃいますけどねー」
平塚「……分かった。出よう、雪ノ下、由比ヶ浜」
雪ノ下「しかし」
由比ヶ浜「でも!」
八幡「……悪い。俺からも、頼む」
雪ノ下・由比ヶ浜「「………………」」
八幡「で、どうしたんですか? いきなり」
沙希「ん、はっきりさせとこうと思ってさ」
いろは「ええっと……その、改めて確認なんですけど、その……」
陽乃「八幡君とエッチしたことのある人、手あげてー!」ハイッ
めぐり「…………」スッ
いろは「…………」スッ
沙希「…………」スッ
陽乃「全員! じゃあこの中で、自分は八幡君の彼女だ! っていう人手あげてー!」
「「「「………………」」」」ズーン
八幡(まあそうなるわな。つーか陽乃さん、自分でやっといて自分が一番へこんでるよ)
いろは「……先輩が悪いです!」
めぐり「うん、これはちょっと……」
沙希「はあ。セ、セフレにしちゃ気合入りすぎだよ、これ」
陽乃「比企谷君がこんな女たらしになってしまって、お姉さん悲しいよ。めそめそ」
八幡「……や、ほかの三人とメンチの切り合いしながら言わないでくださいよ。本物のスケバンみたいになってますよ」
八幡「つーか好きな人を見つけてスパッとフってくださいよ、俺を」
陽乃「は?」
八幡「むしろそれ待ちだっての……本当に、俺は、ずるずると全員とここまできたけど、誰が望んだんだよこんなの」
沙希「は?」
八幡「つーかなんだよ4人セフレって。意味わかんねえよ。しかも全員とびきりの美少女とかリア充ってレベルじゃねーぞ」
めぐり「あ、ありがとう///」
八幡「なんでセフレになってるんだ?」
いろは「それ先輩が言います!? ぶん殴りますよ!?」
八幡「……俺は、普通にお前らが好きだっただけだ……」
「「「「えっ」」」」
八幡「どう考えたっておかしいのはそっちだろ!?」
陽乃「え、ちょっと、今聞き捨てならないことが」
八幡「ちょっと仲良くなって、俺も意識してきて、でも恋愛とか嫌だから気づかない振りしてきたらどいつもこいつもいきなり襲ってきやがって!」
八幡「逆レイプされすぎなんだよ俺! 睡眠薬どんだけ飲まされたと思ってんだ!」
陽乃「あっ」
いろは「あっ」
めぐり「あっ」
沙希「あっ」
八幡「つーか処女が逆レイプとか聞いたことねえよ……アグレッシブすぎだろ、俺はギアノスかなんかかよ……」
陽乃(まさかここにいる全員……)
いろは(同じようなことをして……)
めぐり(どうにかこうにか比企谷君に責任を取る義務を負わせて……)
沙希(強引な誘いを繰り返してようやくの思いでセ、セフレにまでたどり着いた、同類……?)
八幡「逆に全員に裏切られたみたいなもんだよこっちは……何を信じればいいのか分かんねえよ……」
「「「「…………」」」」
いろは「……でも先輩、最近、ノリノリで私のこと苛めてましたよね?」
八幡「うっ」
めぐり「あー確かに、すっごいいじめてくるよね」
八幡「うぐぐっ」
沙希「あんたもなんだかんだ楽しんでるんじゃん……」
陽乃「……ねえ、八幡君」
八幡「ぐぬぬ……なんすか」
陽乃「私は。君の事、本気で好きだよ」
八幡「!」
陽乃「みんなそうだと思う。だから、こんな極端なことしちゃったけど」
八幡「…………」
いろは「先輩、私も先輩のこと、好きです。これって両想いになりませんか?」
沙希「……ごめん。ちゃんと伝えるべきだった。あんたのこと……その、好きだよ」
めぐり「会える機会は減っちゃうけど……付き合ってください、私、比企谷君と一緒にいたい」
八幡「…………」
陽乃「私、今までどおりでもいいよ。ただ、みんながあなたの恋人になるって言うだけで、することは変わらないと思うから」
八幡「…………」
いろは「ねえ、先輩、だめですか……?」
八幡「……だから、さあ」
めぐり「?」
八幡「俺のほうが、みんなのこと好きだって、言ったじゃないですか」
沙希「…………!」
八幡「でも無理。さすがに4人はちょっと」
陽乃「八幡君?」
いろは「先輩?」
めぐり「比企谷君?」
沙希「八幡?」
八幡「…………はい」
こうして俺の友達(セフレ)はいなくなった。本物のFriend/Zeroの完成である。多分俺の単独行動スキルはA+。
だが世の中には等価交換というものがあるらしい。
俺は4人の友達を対価に差し出した。
代わりに得たものは4人の恋人。
俺は、間違えた。
俺の青春ラブコメは、間違った。
男女のつかず離れずのどんちゃん騒ぎをラブコメというのなら、俺の物語はまず間違いなく脱線しているだろう。
だが、しかし。
アプローチの仕方が、間違っていたのかもしれない。
俺は青春ラブコメにそんなに執着はない。なら、最初の一歩を踏みかえればいいこと。
そう。
――俺の青春イチャコメはこれからだ。
終わり。
最後駆け足ですまんな。
どうでもいいけど3巻と7巻の特装版についてくるドラマCDに収録されてる曲、どっちもゆきのんとゆいゆいが八幡にデレデレの歌詞にしか聞こえなくて笑う
歌詞デレとか斬新すぎるだろ
戸部「ひきたにくんちょーマジ友達いないっすわー」
姫菜「ちょっと、はっ、はちま、ん……はーと」
も期待してた俺は……。
おつでした。
このSSまとめへのコメント
ガールフレンドになったんじゃないの?
不愉快
2番目のコメが1番不愉快