蓮「貴様……アイアンメイデン・ジャンヌか?」(353)


「……ちゃま。ぼっちゃま。蓮ぼっちゃま!」

蓮「…………ム。馬孫か」ムクッ

馬孫「またベッドでお休みにならなかったのですか」

蓮「ああ。ブロッケンからの定期報告を読んでいたからな……今は何時だ?」

馬孫「恐れながら、午前8時15分にございます」

蓮「…………2時間も寝ていたのか」

馬孫「2時間しか、でございます!」

蓮「そうがなるな馬孫よ。貴様ら霊の声は頭に響く」

馬孫「うるさくもなります。よもや潤様に言われたことをお忘れに……」

蓮「ああ分かっている。忘れてなどいない。
  『仕事を忘れてゆっくり羽を伸ばせ』、だろう?もう聞き飽きた」

馬孫「ではなぜここまできてそのように仕事をなさるのです」

蓮「姉さんはそう言うが、実際そうはいくまい。我が“雷帝グループ”は未だ軌道に乗っているとは言い難い。俺が休んでいる暇などない。
  何より、ブロッケンやビル達を差し置いて俺だけ旅行などにうつつを抜かすわけには……ム」ピクッ

馬孫「ぼっちゃま?いかがなさいましたか?」

蓮「…………たったいまブロッケンの端末から新しいメールが届いた」

馬孫「ほほう……して、内容は?」


蓮「……たった一文、

   『休みなさい』

   という文章と、ボコボコにされたザンチンの写真が添付されていた」

馬孫「……潤様、ですな」

蓮「ああ。ザンチンをやったのは白竜だろう」

馬孫「ぼっちゃま、差し出がましいようですが」

蓮「……分かっている。重役連中が全員使い物にならなくなる前に、大人しく姉さんの言うことを聞いておいた方がよさそうだ」ヤレヤレ

馬孫「分かっていただけてなによりでございます」

蓮「フン、俺も丸くなったものだな…………
  行くぞ馬孫。下のレストランで朝食にする」

馬孫「おや、いつもの“るぅむさぁびす”ではないのですか?」

蓮「…………姉さんに持たされたガイドブックに、ここの名物は朝食のバイキングだと書いてあったのだ」


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蓮「美しいな、このウィーンという街は」スタスタ

馬孫「ははっ。街並み全てに『歴史』を感じますな」フヨフヨ

蓮「ああ。だが古いだけではないぞ馬孫。
  あの市電を見ろ。ノンステップで騒音も少ない最新型だ」

馬孫「ほほぉ、“ばりあふりぃ”、ですな?」


蓮「そうだ。街が人を守り、人が街を作る。ウィーンはそのサイクルが完成されているから美しいのだ」

馬孫「なるほど…………」

蓮「そこに、我らが中国の目指すべきヴィジョンがある」

馬孫「……と、言いますと?」

蓮「中国は今、すさまじい勢いで発展している。そのスピードは驚異的と言っていい。
  だが、このまま発展していくには決定的に足りないものがある。それは何だ、馬孫?」

馬孫「…………この馬孫、骨の髄まで武人の身なれば、かような小難しいことは……」

蓮「先導者だ」

馬孫「!」

蓮「さっきも言ったが、中国は日々発展している。だがそこに秩序はない。まるでアメーバのように不規則な細胞分裂を繰り返しているにすぎない。
  さながら、指揮者のいない楽団のようなものよ。そしてその先にあるのは破滅だ。……それは中国に限った話ではないがな」

馬孫「なるほど…………」

蓮「だから舵きり役が必要なのだ。巨大なうねりをねじ伏せることのできる指導者がな。
  ……そしてそれこそが、我が“雷帝グループ”の目指すところだ」

馬孫「ふぅむ…………」

蓮「そのためには中国というステージを駆け上がらなければならない。日夜進化する中国に在って誰よりも早く、『電速』でな
  そのためにオレは……………っ」ヨロッ

馬孫「ぼっちゃま!」

蓮「騒ぐな。石畳につまづいただけだ」フンッ

馬孫「ぼっちゃまのお考えはこの馬孫、しかと理解いたしました。
   ですが、やはり少し無理がすぎるかと……」

蓮「くどいぞばそ……」

ゾクゥッ!!

蓮「!?」



蓮(な、なんだこのケタ違いの巫力は……!!?)

蓮(大きさだけではない。全身から力が抜けるような違和感……)

蓮(何よりオレは…………)



――――オレは、この巫力に覚えがある!!!





??「すみません!」ギュッ

蓮「!!?」

??「ひょっとして……レン、道 連ではありませんか?」

蓮(色素の薄い髪、赤い瞳……そしてこの巫力)





蓮「貴様……アイアンメイデン・ジャンヌか?」

ジャンヌ「はい!」
蓮「!!?」

??「ひょっとして……レン、道 連ではありませんか?」

蓮(色素の薄い髪、赤い瞳……そしてこの巫力)





蓮「貴様……アイアンメイデン・ジャンヌか?」

ジャンヌ「はい!」


蓮「やはりそうか……」

ジャンヌ「お久しぶりです!S.F.I.T(シャーマンファイト・イン・トーキョー)以来でしょうか?」

蓮「あ、ああ、そうだな……」

蓮(何故だ、こいつと顔を合わせた瞬間寒気が……)

蓮(俺は怯えているのか……いや、こいつから敵意は感じられない)

スレタイはどういう内容かわかりやすくするためなので、
>>18はここで初めて言った台詞ということでひとつ

ジャンヌ「ウィーンにはご旅行で?」

蓮「ああ。貴様もか?」

ジャンヌ「いえ、私は教会のお招きで児童福祉に関する講演をさせていただくことになっているのです」

蓮「そうか。X-LAWSの評判は中国にも届いているぞ」

ジャンヌ「ふふっ、うれしいです!」

蓮(いかん……頭も重くなってきた……)クラクラ

ジャンヌ「それにしてもこんなところで貴方にお会いできるなんて、
   主の導きに感謝しなくてはなりませんね」

蓮「大げさだ」フン

ジャンヌ「そんなことはありません!」

蓮「……貴様の方こそ」

ジャンヌ「えっ?」

蓮「貴様こそ、後姿だけでよく俺だと分かったものだ。アレから初めて会ったというのにな」

ジャンヌ「……確かに髪や身長は伸びていらっしゃいましたが」

蓮(身長のことは言うな)

ジャンヌ「貴方の巫力は、私の魂が覚えていました」

蓮「!!」

ジャンヌ「他の誰を忘れようと、貴方のことを忘れたことはありません」ニコッ

蓮「そんなものか……ゲホッ」ゴホゴホ

ジャンヌ「道蓮!?どうなさったのですか?」オドオド

蓮「な、何でも……ゴホッ!!」ヨロッ

馬孫「ぼっちゃま!」

ジャンヌ「ひどい汗……顔色も悪いですよ?」ズイッ

蓮「何でもないと……言っている」

ジャンヌ「とてもそんな風には見えません!どこか具合でも悪いのではありませんか?」

蓮(視界も………かすんで……)

蓮「…………ム、限界、か……」フラァ

ドサッ

ぼっちゃま、お気を確かに!!ぼっちゃまぁぁぁ!!!

道蓮!しっかりなさってください!



…………………………
………………
………


蓮「……………ム」パチッ

馬孫「ぼっちゃま!!」

ムクッ

蓮「…………馬孫か。……ゲホッ」

馬孫「無理はなさらずに!」

??「その持霊さんの言うとおりよ。まだ寝てた方がいいわ」

蓮「……?」

??「熱も下がってないし、体力も落ちてる。その状態で街中まで歩いてこられたことが不思議なくらいよ」

蓮「貴様……X-3の」

ミイネ「あら、覚えていてくれて光栄ね。ミイネ・モンゴメリよ」

蓮「とすると、ここは」

ミイネ「X-LAWS・ウィーン支部。私の家でもあるけどね。この部屋は医務室」

蓮「………馬孫」

馬孫「はっ!」

蓮「ストリートで倒れたあと、俺はどうなったのだ」

馬孫「はっ。揺り動かしても意識がなかったので、メイデン殿がO.Sでこちらまで運ばれて」

ミイネ「びっくりしたわ。ドアを開けたらメイデン様が泣いてて、
  あなたを担いだシャマシュが仁王立ちしてるんですもの」

蓮「…………そうだ、メイデン。奴はどこだ」

ミイネ「メイデン様なら下で………」

バタンッ!!

ジャンヌ「道蓮!!!」

書き溜めが死んだのでゆっくり書く

ミイネ「メイデン様!」

馬孫「おお、メイデン殿」

蓮「…………ム」

ジャンヌ「気がついたのですね………よかったぁ……」ポロッ

蓮「!?」

ジャンヌ「グスッ……あのまま目が覚めなかったらどうしようかと…ヒグッ」グスグス

蓮「」

ジャンヌ「ミイネ、ありがとうございました。あとは私が」

ミイネ「承知いたしました。では私は仕事に戻ります」

ジャンヌ「……あの、このことは…」

ミイネ「フフッ、分かっております。マルコ隊長にはしばらく黙っておきますね」

ジャンヌ「ミイネ………ありがとうございます!」パァァ

ミイネ「フフフ……それと道蓮」

蓮「何だ」

ミイネ「この施設の責任者として言うわ。私の許可が出るまでここから出ないこと。
  特に今日一日は絶対安静。分かったわね?」

蓮「…………フン」フイッ

ミイネ「……ハァ。まあいいわ。それではメイデン様、後ほど」

ジャンヌ「ハイ、ありがとうございました」


パタン………

馬孫「メイデン殿!!」ビシッ

ジャンヌ「何でしょうか、武将さん?」

馬孫「この度はぼっちゃまの命を救っていただき……この馬孫、厚く御礼申し上げる!」フカブカ

ジャンヌ「そんな、私は私の出来ることをしたまでです」

馬孫「ですが!!」

蓮「馬孫」

馬孫「!」

蓮「少し黙っていろ」

馬孫「は……ははぁ!!」ササッ

蓮「……メイデン」

ジャンヌ「は、ハイ!」

蓮「………世話になった。この借りは必ず返す」

蓮「…………さて、もうここに用はない。帰るぞ馬孫」バサッ

ジャンヌ「!?」

馬孫「何ですと!?」

蓮「聞こえなかったか。ホテルに帰ると言っているのだ」

ジャンヌ「い、いけません!ミイネも今日は絶対安静だと…」

蓮「フン、慈善団体の支部長が何の権限で俺に命令できるというのだ。
  立てるようになった時点で休息は十分だ」スクッ

ジャンヌ「ですが………」

蓮「……っ」フラッ

馬孫「ぼっちゃま!」

ジャンヌ「道蓮!」

蓮「寄るな!」


馬孫「……恐れながらぼっちゃま」

蓮「何だ!!」イライラ

馬孫「ここは素直にメイデン殿のご厚意に甘えるのが最良かと」

蓮「甘えるだと……?ふざけるな!」

ジャンヌ「……………」ピクッ

蓮「この程度の疲労ごときで倒れていては覇道は進めない!俺は立ち止まるワケにはいかんのだ!!」

ジャンヌ「………………」ワナワナ

馬孫「ですがその状態では……」

蓮「くどい!這ってでも俺は行くぞ!!」



ジャンヌ「…………道蓮」

蓮「貴様も何だ!!」

ジャンヌ「失礼します!!!」





バッチコーーーーーン!!!





蓮「グフッ!!!」

ジャンヌ「……………!」

馬孫(ま………)

馬孫(幻の左―――――――――!?)

ドサッ

蓮「メイデン……貴様何を……!!」

ジャンヌ「自分を追い詰めないでください!」

蓮「何だと!」

ジャンヌ「今のあなたは生き急いでいるようにしか見えません!」

蓮「貴様、言わせておけば!」

ジャンヌ「何度でも言います!貴方は生き急いでいるだけです!!」

蓮「……仮に志半ばで死んだとして、所詮俺はそこまでの男だったということだ」

ジャンヌ「……本気で言っているのですか?」

蓮「無論だ!」

ジャンヌ「!!」

蓮「そもそも俺たちシャーマンにとって死など……」

ジャンヌ「えいっ!!!」

バッチコーーーーーーーン!!!!

蓮「ゲフッ!!!」

馬孫(こ、今度は右――――――!!)

遅くてすまんな。

蓮「きっさま……」ポタポタ

ジャンヌ「………が……さい」

蓮「何だと?」

ジャンヌ「貴方がそんなこと言わないでくださいっ!!」ポロポロ

蓮「!」

ジャンヌ「谷のプラントで…ヒッグ…蘇生を受けた貴方は……生きて前に進むことを選んだではありませんか……」ボロボロ

蓮「ム…………」

ジャンヌ「巫力を使い果たしてその場にのこった……
祈ることしかできなくなった私の思いを汲んで、
死んだことへの恥も呑みこんで先へ進んだではありませんか……!」ボロボロ

蓮「メイデン………」




ジャンヌ「その貴方が、死んでも構わないなんて簡単に言わないでください!!!」

蓮「!!」

蓮「…………ジャンヌ」

ジャンヌ「!」

蓮「顔を上げろ、ジャンヌ」

ジャンヌ「今、何と……」

蓮「…………すまなかった」

ジャンヌ「えっ?」

蓮「取り乱してすまない。貴様の言うとおり、俺は少々意地になっていたのかもしれんな」

ジャンヌ「…………」

蓮「………俺たちはヤツから、―――今やこの星の一部となったハオから、しばらくの間地球を任された」

蓮「袋小路へ向かっているこの星を変えるためにがむしゃらにやってきたつもりだったが……」

蓮「知れば知るほど、この星はどうしようもなくて」


蓮「それでも何かできるはずだ、少しでも前へと急ぐばかりで」

蓮「その結果がこのザマ………笑えんな」

ジャンヌ「道蓮………」

蓮「フッ、『答えは悩みきること』などと、
  ニクロムに偉そうなことを言っておきながら」



蓮「――――俺はまだ、迷っていたのかも知れないな」

ジャンヌ「………よいではないですか、迷うことも」

蓮「何だと?」

ジャンヌ「少なくとも、私は貴方のくれた『迷い』のおかげでここにいるのです」

蓮「………?」

ジャンヌ「初めて貴方を蘇生したとき」

蓮「!?あ、あれは……」

ジャンヌ「あんなに面と向かって誰かに否定されたのは初めてでした」クスクス

蓮「くっ………」

ジャンヌ「でも、それでよかったと、私は思っています」

蓮「何………?」

ジャンヌ「あそこで貴方がそう言わなかったら、私はずっと聖・少・女としての自分に何ら疑問を持たなかったでしょう」

蓮「あれは、だな………俺が生き返ることよりも、そのために葉のヤツが犠牲になることに納得がいかなかっただけであって」

やべえ地震

ジャンヌ「ええ、分かっています。ですが貴方がいなければ、あの時の言葉がなければ
   私は自分の正義に迷わぬまま闘い……そして死んでいたでしょう」

蓮「…………」

ジャンヌ「自分たちの他に正義がある……そのことに気づかせてくれたのは貴方なのですよ、道蓮」

蓮「…………そういう、ものか」

ジャンヌ「はい!そういうもの、です!」ニコッ

蓮「…………フン」

ジャンヌ「それに、あの…………」

蓮「ん?」

ジャンヌ「あの時の貴方の眼がその……とても素敵で……」モジモジ

蓮「」

ジャンヌ「ああ、あの刃で貫くような瞳を思い出すだけで私、もう胸が高鳴ってしまって!」

蓮「あー…………」

ジャンヌ「私、あんな眼で見られたことがなくて、あの時は思わず泣いてしまったのですけれど………
    思い出せば思い出すほど胸が締め付けられそうな……」

蓮「………メイデン」

ジャンヌ「………はい?」

蓮「…………その辺で勘弁してくれ」

ジャンヌ「………いやです」

蓮「何!?」

ジャンヌ「さっきのように……」

蓮「何だと?」

ジャンヌ「さっきのように名前で、『ジャンヌ』と呼んでくれるまでやめません!」

蓮「何を言い出すのだ!?」

ジャンヌ「いや、ですか?」ジワッ

蓮「うっ!
  ……………………了解した……ジャンヌ」

ジャンヌ「はい!」

蓮「ならば」

ジャンヌ「はい?」

蓮「俺のこともフルネームで呼ぶのはやめろ」

ジャンヌ「?」

蓮「……………蓮でいい。それでお互い様だろう」フイッ

ジャンヌ「…………!」パァァ

蓮「それでいいか?」

ジャンヌ「はい………分かりました、蓮」

蓮「う、うム…………」



馬孫「そろそろよろしいですかな?」ヌゥ

蓮「!!!」ビクッ

ジャンヌ「きゃあ!」

蓮「い、いたのか馬孫」

馬孫「ええ、ずっと見ておりましたとも」

ジャンヌ「はわわわ………」カァァ

馬孫「して、結局これからどうされるのですか」

蓮「そうだな………」チラッ

ジャンヌ「」ジッ

蓮「……………」

ジャンヌ「…………」ジワッ

蓮「!!!
  そ、そうだな!何だか急に旅の疲れがどっと出たようだ!」

ジャンヌ「!」


蓮「あーあ、体がだるくて一歩も動けんぞ!これはもうしばらく横になっていた方がよさそうだ!」

馬孫「そうでしょうそうでしょう!」

蓮「う、うむ。ならばジャンヌ」

ジャンヌ「ハイ!」

蓮「その…………今日一日だけ世話になる。それでいいか」

ジャンヌ「……………もちろんです!」ニコッ


ミイネ「ようやく観念したみたいね」ツカツカ

ジャンヌ「ミイネ!」

ミイネ「はい、どうぞ」コトッ

蓮「何だこれは」

ミイネ「ポトフよ。薄味だから疲れた胃でも食べられるわ」

蓮「………なんでこんないかにも病人向けの食事が狙ったようなタイミングで出てくるのだ」

ミイネ「ああ、あなたが寝ている間にメイデン様が作って置いたものを温めなおしただけだから」

蓮「何だと?」

ジャンヌ「わーわー!み、ミイネ!あとは私がやりますので、どうか通常業務にもどってけっこうですよ!?」アタフタ

ミイネ「クスッ、分かりました。そうさせていただきます」ツカツカ

パタンッ


蓮「…………」

ジャンヌ「…………あの」

蓮「…………何だ」

ジャンヌ「いえ、私、お料理の勉強を始めたばかりで………
   これもミイネに手伝ってもらいながら作ったのですけど、あまり自信が………」

蓮「……………」

ジャンヌ「その、お口に合わないと思うのですが、よろしかったら………」

蓮「ジャンヌ」

ジャンヌ「!」

蓮「我ら中華の民は一般に礼儀知らずと言われているが、出された食事に文句を言うほどクズではない」

ジャンヌ「……!」パァァ

蓮「それに、今日一日世話になると決めたのだ。だから、その……」

ジャンヌ「………」ドキドキ



蓮「い、いただこう」

ジャンヌ「………はいっ!」ニコニコ

これで構想の半分くらいなんだけど続き書くべき?

オレも眠いんだが……分かった、朝までかかっても書くわ


15分後

蓮「…………馳走になった」ウプッ

ジャンヌ「………お粗末様でした」

ジャンヌ(蓮……心なしか先ほどより顔色が悪いような気がします……)ズーン

蓮「…………腹に何か入るだけでだいぶマシだ。謝謝、ジャンヌ」

ジャンヌ「そうですか………」


蓮「それよりも」

ジャンヌ「はい?」

蓮「X-LAWSの総帥が、俺一人にかかりきりになっていていいのか?」

ジャンヌ「ええ。講演は明日ですし、打合せももう終わっているので」

蓮「そうか……」

ジャンヌ「それに、明日の講演が終わったら4日間のお休みを頂けることになっているのです」

蓮「ほう」

ジャンヌ「それで、ですね」

蓮「何だ?」

ジャンヌ「れ、蓮はご旅行中の計画は決まっているのですか?」

蓮「…………いや、特にすることはないが」

ジャンヌ「でしたら!」ズイッ

蓮「」ビクッ

ジャンヌ「私にウィーンを案内させてくれませんか!?」

蓮「貴様に?」

ジャンヌ「私、こちらへは何度も足を運んでおりますし、きっと退屈はさせないと思います!」

蓮「…………」チラッ

馬孫「」コクコク

蓮「」

ジャンヌ「私も、その方が折角のお休みを有意義なものにできるかと!」

蓮「…………わかった。よろしく頼む」

ジャンヌ「はいっ!」




蓮「………さて、満腹になったら眠くなった。今日は早めに休もうと思う。
  貴様も、明日は仕事なのだろう?」

ジャンヌ「そうですね。私も休むことにします」

蓮「む」

ジャンヌ「それでは、何かありましたら呼んでください。私は隣のゲストルームに居ますので」

蓮「何!?」

ジャンヌ「へ?ど、どうかしましたか?」

蓮「きっ、貴様もここへ泊るのか!?」

ジャンヌ「はい……パリの本部に居る時以外は、こうやって支部に泊まることになっているのですが」

蓮「何だと!?……かっ、帰るぞ馬孫!!」アタフタ

ジャンヌ「えぇっ!?」


ザンッ!!!!!!

蓮「…………!!!」ゾクッ

ジャンヌ「……シャマシュ・オーバー・ソール 刑具(トゥーチャーズ)」

蓮「」

ジャンヌ「あなたはまた……自分の言葉を違えるのですか?」

蓮「し、しかしだな………」

ジャンヌ「蓮?」

蓮「」




ジャンヌ「おやすみなさい」ニコッ

蓮「あっ、ああ……………」

馬孫(あの微笑み、潤様にそっくりですな)




蓮「…………ハァ」

馬孫「結局、この馬孫の言うとおりになりましたな」フヨフヨ

蓮「あぁ………だが何故だろうか、逆に寿命が縮んだような気さえするぞ」

馬孫「はっはっは。よい薬です」

蓮「………貴様も言うようになったな。……………アイツも」

馬孫「はい?」

蓮「葉のヤツも、あの女とこんな風に暮らしていたのだろうか。
  だとしたら…………アイツに勝てんのもうなずける」

馬孫「アンナ殿もメイデン殿に負けず劣らずの女傑ですからなぁ」

蓮「そうだな………」ソッ

馬孫「…………ぼっちゃま?」

蓮「………何でもない。ジャンヌに張られた頬が今になって痛むだけだ」

馬孫「」ニヤニヤ

蓮「ニヤニヤするな!!!クソッ、俺はもう寝るぞ!昼まで起こすな!!いいな!!!!」ガバッ

馬孫「承知いたしました」ドロンッ



蓮(くそっくそっくそっ!今になって顔が熱くなってきたではないか!!)カァァ

蓮(…………誰かに泣かれたのは、久しぶりだったな)

蓮(~~~~~~~~~クソッ!)

―――隣室

ジャンヌ(どどどど、どうしましょう!)

ジャンヌ(まさか、この街で蓮に出会えるなんて……)

ジャンヌ(し、しかもお休みの間も一緒にウィーンを廻る約束までしてしまいました!)

ジャンヌ(……まだ心臓がうるさいです……)ドキドキ

ジャンヌ「…………たまおさん」




ジャンヌ「これが、『恋』、というものなのですね」クスッ



―――――階下・X-LAWS ウィーン支部事務局

ミイネ「………もしもし、こちらウィーン支部」

ミイネ「ああ、あなたなのねジョン」

ミイネ「ええ………ええそう、さっきの件よ」

ミイネ「ええ……本当よ、まったく」

ミイネ「……とにかく、マルコ隊長にはこのことは内密に。ブンスターやラーキにも伝えておいて」

ミイネ「ばれたとき?そうね……ラキスト神父にでも応援を要請しましょうか」

ミイネ「今ローマにいるのよね?………分かった。私から連絡しておくわ」

ミイネ「………了解。じゃあね」

Pi!

ミイネ「ふう……問題はこれからね……」

ミイネ「あの過保護メガネ……一体どうしたものかしら?」


ミイネ「………まぁいいわ。他のみんなも協力してくれるし」

ミイネ「メイデン様……」



ミイネ「がんばってくださいね」ニコッ


第一部・完

とりあえずここまで。
もう本当に眠いねん…………
ひと眠りしてから続き書くけど、
また新しいスレを立てた方がいいでしょうか?

とりあえず寝る。
6時過ぎまでまだスレが残ってたら書くはwwwwww

何で残ってるんだよ……
お前ら大好きだわ!
よっしゃ!続き書くで!

>>79>>81の間に

ジャンヌ「貴方を心配している人だっているはずです……」ギュッ

蓮「…………」

ジャンヌ「その人たちの……私たちの思いを踏みにじるようなことを、貴方が言わないでください………」ギュゥ

↑これを、

>>86-87の間に

ジャンヌ「貴方は『迷惑だ』と吐いて捨てましたね」フフッ

蓮「うぐっ!!」

↑これを、

>>127-128の間に

馬孫「何ですと!?」

蓮「そっそっ、そんな話は聞いていない!今からでもホテルに……!!」

↑これを挿入しておいてくれ


蓮「…………ム」パチッ

馬孫「おはようございます、ぼっちゃま」

蓮「ああ」

蓮(………体が軽い)

馬孫「ゆうべはぐっすりだったようですな」

蓮「まあな」

ミイネ「おはよう道蓮。………うん、顔色もだいぶよくなったわね」

蓮「そうか?」

ミイネ「ええ。はい鏡」

蓮「………確かに。目の隈が消えている」

ミイネ「ささやかだけど朝食を用意したわ。下の食堂で食べましょう」

蓮「いや……朝飯よりも風呂を借りたいのだが」

ミイネ「ああごめんなさい。今メイデン様が使ってるの」

蓮「アイツも風呂か?」

ミイネ「いいえ、朝の水責め」

蓮「」

ミイネ「もう巫力をむりやり高める必要はないからやめてくださいとは言ってるんだけど、
   これをやらないと落ち着かないからって……」ハァ

馬孫「そ、そういうものですかな……」

蓮「拷問とライナスの毛布を同列に語られてもな……」

ミイネ「あら、難しいこと知ってるのね」

蓮「バカにするな!」ニョキッ

ミイネ「というわけでお風呂が空くまでもう少しかかるから、もうひと眠りしたらどう?」

蓮「……そうするか」

ミイネ「あら、意外に素直なのね」

蓮「………」ギロッ

ミイネ「ふふっ、半病人にすごまれても怖くないわよ」

馬孫「はははっ、ぼっちゃんもカタなしですな」

蓮「馬孫!!!」クワッ

馬孫「ももも、申し訳ありません!!」

――― 一時間後

蓮(さすがにもう空いただろう……)

ジャンヌ「蓮!おはようございます!」

蓮「あ、ああ」

ジャンヌ「………むぅ」

蓮「………どうしたというのだ」

ジャンヌ「あいさつがなっていません!」

蓮「は?」

ジャンヌ「『おはよう』と言われたら『おはよう』と返す。
   万国共通の常識ですよ」

蓮「む、確かに……」

ジャンヌ「はいっ、やり直しです!」パンッ

蓮「………むう」

゙ャンヌ「おはようございます、蓮!」

蓮「ああ、お、おはよう、ジャンヌ」

ジャンヌ「はい!」ニコニコ

馬孫(早速尻に敷かれておりますなー)

蓮「」ギロッ

馬孫(おっと)

蓮「それよりも、風呂は空いたか」

ジャンヌ「え?あっ、すみません!私が占領していたばかりに」ゴシゴシ

蓮(まだ髪が濡れている……)

蓮「…………」ワシワシ

ジャンヌ「ふぁっ!?ちょっと、蓮?」

蓮「馬孫!!俺が入ってる間に着替えを取ってこい!」ツカツカ

ジャンヌ「え?……ええぇ???」カァァ






…………………………
………………
………


蓮(講演でのジャンヌは実に堂々としていた)

蓮(語った内容は以前に輪をかけたような理想論だ)

蓮(しかし、その言葉一つ一つには確かな意志があり)

蓮(未来を諦めないという、希望と自信に満ち溢れていた)

蓮(そこにいたのは虚ろなまやかしの聖・少・女などではなく)

蓮(一本芯の通った立派な女だった……)

―――数時間後・礼拝堂

ジャンヌ「蓮!」タタタッ

蓮「ジャンヌ。もういいのか」

ジャンヌ「ええ。司祭様にはごあいさつしてきました」ニコニコ

蓮「そうか。ならば行くぞ」

ジャンヌ「え?」

蓮「ウィーンを案内してくれるのだろう?」

ジャンヌ「………!まかせてください!!」


【中華三昧?】

――――夕食

蓮「…………」モグモグ

ジャンヌ「ここは一応、ウィーンで一番評判のいいチャイニーズレストランなのですけど……」

蓮「」ゴクン

ジャンヌ「い、いかがですか……?」

蓮「うむ、文句なく美味い」

ジャンヌ「よかったぁ!」ニパーッ

蓮「ただ……」

ジャンヌ「ただ?」

蓮「『中華料理』か?と訊かれれば……【否】と言わざるを得まい」

ジャンヌ「そうですか……」

蓮「…………今度本場の中華を食わせてやる」

ジャンヌ「!!」パァァ

蓮(面白い)

【彼女の趣味】

――――翌日

ジャンヌ「ここが一番のお気に入りなんです!」

蓮「…………まぁ、ハッキリ言って予想はしていた」



    拷  問  博  物  館



ジャンヌ「お気に召しませんか?」

蓮「……いや、ウチのキョンシーどもへの拷問がマンネリ気味だったところだ。こういうところであらためて学ぶのも悪くない」

ジャンヌ「それはすばらしいことです!」

蓮(やはり俺はこいつに甘いのだろうか)

馬孫「シャマシュ殿は何を読んでおられるのですかな?」

シャマシュ「」

馬孫「おお、これが古代バビロニアの拷問ですかな……ふむ?」

シャマシュ「?」

馬孫「いえ、我が国でも同じようなものがあった気が……」

シャマシュ「!」

馬孫「まあもっと惨い刑もありましたが」

シャマシュ「!?」

馬孫「ええ、もちろん。たとえば………」

蓮(なにやらあっちでは恐ろしいことになっている気がする)


【今後の課題】

ジャンヌ「美術史博物館です!」

蓮「ガイドブックにも載っているな」

ジャンヌ「フェルメールの『絵画芸術』が最も有名ですが、ブリューゲルのコレクションも素晴らしいですよ」

蓮「すまないが西洋絵画はサッパリだ」

ジャンヌ「あっ、この機械で作品の解説が聞けるようですね」カチャカチャ

蓮(…………iP○dか)

ジャンヌ「あれ……あれれ……?」

蓮「どうした?」

ジャンヌ「ええと…………これ、どうやって使うのでしょうか……?」

蓮「…………」ナデクリナデクリ

ジャンヌ「ど、どうして無言で頭を撫でるのですか!?」

蓮(今後の商品開発の課題だな。あとでブロッケンに企画書を出させよう)

【予想通り】

ジャンヌ「ウィーンといえば音楽!音楽といえばウィーン!」

蓮「そうだな」

ジャンヌ「今の時期だと、市庁舎の前の広場では連日野外演奏会が開かれていて」

蓮「ふむ」

ジャンヌ「無料でプロのオーケストラの演奏が聞けるのですよ」

蓮「ほう」

ジャンヌ「…………寝てはだめですよ?」メッ

蓮「………その言葉、覚えておけよ」

――――20分後

ジャンヌ「」スゥスゥ

蓮(わかりやすすぎるだろうが……!)




ジャンヌ(こうして、楽しい時はあっという間に過ぎて行きました)

―――――三日目の夜・シェーンブルン宮殿前

蓮「……美しいな」

ジャンヌ「そうですね……」

蓮「ああ。故宮にはない繊細さがある」

ジャンヌ「私、バンリのチョウジョウしか見たことがありません」

蓮「そうか」

ジャンヌ「…………いつか」

蓮「ん?」

ジャンヌ「いつか、連れて行ってくれますか?」

蓮「…………ああ、約束しよう」

ジャンヌ「………きっと、ですよ?」

蓮「……ジャンヌ?」

ジャンヌ「……ごめん、なさい………」ギュッ

蓮「…………」

ジャンヌ「私、蓮と一緒にいられて嬉しいはずなのに……」ポロポロ

ジャンヌ「こんなにも幸せなのに………」ポロポロ

ジャンヌ「ヒグッ……明日でお別れかと思うと………涙が……止まらなくて……」

蓮「………!」





ギュッ



ジャンヌ「………蓮………?」

蓮「…………時間とは残酷だな」ギュゥ

ジャンヌ「………?」

蓮「樹木の如く絆を育むかと思えば、大河のごとく人と人を引き裂く」

ジャンヌ「……………え?」

蓮「お前と出会ったあの日には思いもしなかったよ」




蓮「こんなにもお前と………離れがたく思うなんてな」ギュゥゥ

ジャンヌ「!!!」


蓮「……ジャンヌ」

ジャンヌ「はい……」

蓮「俺の選んだ道は長く、そして険しい」

ジャンヌ「存じております」

蓮「この道を選んだことに後悔はない。………ただ」

蓮「俺一人では、また無理をして倒れてしまうかもしれない。だからジャンヌ」

ジャンヌ「………は、い」ポロッ







蓮「俺とともに、覇道を進む気はないか?」

蓮「お前とならば、俺は何処までも突き進むことができる」

蓮「お前さえそばに居れば、もう俺に怖いものなどない!」

ジャンヌ「蓮………!!」ボロボロ



蓮「ジャンヌ、俺と結婚―――」





マルコ「さーーーーせーーーるーーーかーーーーーーーーーー!!!!!!」ガッシャァ

デンバット「待ちやがれゴルァ!雰囲気ブチこわしてんじゃねーぞこの腐れメガネ!」

ミイネ「そうよ隊長!空気読んでください!!」

マルコ「やかましい!我らX-LAWSの聖・少・女がどこの馬のタマネギとも分からん男にそそのかされているのだ!
   これが落ち着いていられるか!!」

デンバット「何が聖・少・女だロリコンが!メイデン様今年でいくつだと思ってんだ!」

ミイネ「だめよジョン!女性の年齢は爆弾の解体作業よりもデリケートなの!」

デンバット「大体なぁ、隊長は無駄に厳しすぎるんだよ!」

マルコ「何を言うか!私はただ一心にメイデン様のためをおもって!」

ミイネ「だからってネット禁止はどう考えても横暴でしょうが!
  せっかくS.F.で同性のお友達ができたっていうのに唯一の通信手段が文通よ!?」

デンバット「あんときは口出さなかったけど何だ文通って!!」

マルコ「うるさーーーーーーーい!!!邪魔をするなーーーーー!!!」

今北
ちっくしょおおおおおおおおおおお!!早く結婚してまえよこのバカッp


…既に結婚してセガレが居たわ

ジャンヌ「ま、マルコ……?」ポカーン

蓮「……………馬孫。O.S.武神」ボソッ

マルコ「道蓮!!!我らがジャンヌ様の純真に付け込んで誑かすとは何たる卑劣漢!」

蓮「……槍」

マルコ「たとえ主がお赦しになられても!」

蓮「……刀」

マルコ「この天使長。マルコが許さん!!」

蓮「………戟」

マルコ「この怒りの銃弾、百発でも二百発でも撃ちこんでくれるわ!!!」ジャキッ

蓮「……………多刃!」

マルコ「アークエンジェルファイ………!!」

蓮「四閃刀幻……!!」

ミイネ「メイデン様!!」

デンバット「あぶねー!道蓮!!」




??「ルシファーズ・ハンマー!!!!」

ガッシャーーーーーーーン!!!



流石は道蓮、結婚までの早さも雷速か

デンバット「……マルコ隊長?」

マルコ「」

デンバット「ロリコンメガネ!」

マルコ「」

ミイネ「チビマルコ!」

マルコ「」

ミイネ&デンバット「「気絶してる……」」


??「ふぅ………間に合ったようだな」チャキッ

マルコ「」

ミイネ「あ、貴方は!」

ジャンヌ「ラキスト!」

ラキスト「ご無沙汰しております、メイデン様」ペコリ

>>217
別の作者の別の作品では、出会って10秒で蹴り入れられて求婚
→結婚って最速記録が

あれ…ラキストってGSの中に残ったんじゃ…てかGS残留組が曖昧だ
残ったのってショタコンホモとターバインだっけ?

蓮「星組……貴様も邪魔をするというなら切り刻むぞ」

ラキスト「めっそうもない。私はそこのミイネ君に呼ばれてこのチビマルコを止めにきただけだよ」

チビマルコ「」

ジャンヌ「ラキスト……」

ラキスト「メイデン様」

ジャンヌ「はい」

ラキスト「後悔は、いたしませんかな?」

ジャンヌ「…………」

ラキスト「結婚とは悠久の契約。死が二人を分かつ時が来るまで、そこの若者をいつくしみ、支え、愛する事を主に誓えますかな?」

ジャンヌ「はい、誓います」コクッ

ラキスト「……道蓮、君もだ」

蓮「貴様らの主など知ったことか」

ラキスト「誓えない、と?」

蓮「誰がそんなことを言った。俺が誓うのは胡散臭い貴様らの神ではない。
  俺は俺自身の魂と」グイッ

ジャンヌ「きゃっ」

蓮「ジャンヌに誓う」

ジャンヌ「蓮………!!」

ラキスト「…………素晴らしい」ニヤッ

ミイネ「メイデン様……」グスッ

デンバット「んだよミイネ、泣いてんのか?」ズズーッ

ミイネ「あなたこそ!」グシグシ

チビマルコ「」

ラキスト「なればこのラキスト・ラッソ!ここに道蓮と、アイアンメイデン・ジャンヌ両名の婚約を認める!」

ジャンヌ「蓮!」

蓮「……ジャンヌ」

ジャンヌ「ん……」

チュッ


デンバット「~♪」

ミイネ「メイデン様ー!」キャー

チビマルコ「」

ラキスト「………結構。では私はこれにて」バサッ

蓮「待て、星組の神父」

ラキスト「何かな?蓮」

蓮「そこで寝ている防弾メガネに伝えておけ。北京標準時において、明後日の08:00、道家の所有する決戦場にて待つとな」

ラキスト「ふむ………?」

蓮「この場を誤魔化したところでどこかで納得させない限りどうせそのメガネは何処までも追ってくる。
  ………ならば、いっそ迎え撃って叩き潰した方が手っ取り早い」

ラキスト「……道理だな。承知した。伝えておこう」

蓮「ジャンヌ」

ジャンヌ「あ、はい!」

蓮「お前の休暇はあと丸一日残っているのだろう?」

ジャンヌ「ええ、そうですが」

ミイネ「その気になれば、一週間でも一カ月でも伸ばせますが!」wktk

デンバット「やめとけ……腐れメガ……じゃなかった、マルコ隊長の胃が穴だらけになる」

チビマルコ「」

蓮「よし。ならば行くぞ」

ジャンヌ「行くって、何処へですか?」

蓮「決まっている。俺の家だ」

ジャンヌ「ええっ!?」

蓮「何故そんなに驚く」

ジャンヌ「だってそんな急に……」モジモジ

蓮「何を言う。結婚相手を紹介するのだぞ。早い方がいいに決まっている……それに約束しただろう」

ジャンヌ「え?」





蓮「本場の中華を食べさせてやる、とな」ニヤッ

ジャンヌ「蓮……大好きです!」ギュッ


ピッポッパ

Prrrrrrrr

蓮「……ブロッケンか。オレだ。大至急北京空港の滑走路を押さえろ。
  ……言い訳は聞かん!政府高官にわいろでも何でも渡してでも何とかしろ!」

蓮「……ああ、滑走路だけでいい。飛行機はO.S.で……あのアホ祭司どもに出来たことが俺に出来ないわけないだろうが!!」

蓮「それとだな、本家の姉さんに来客の準備をしておくよう伝えておけ。
  ……うむ。中華のフルコースで頼む」

蓮「………それと、ザンチンへの見舞金は……ああ、俺のポケットマネーから多目に包んでくれ」

Pi!

蓮「よし、準備はいいか、ジャンヌ」

ジャンヌ「はい!
    ミイネ!ジョン!」

ミイネ&デンバット「「はっ!」」

チビマルコ「信じて送り出した聖☆少女が、ウィーンで中国製トンガリ頭(五大精霊持ち)
     にNTRれた件について」
ザンチン「社長代理には勝てなかったよ…」

ジャンヌ「あと一日だけ、待っていてください!」

ミイネ&ジョン「エーーーーーーックス!!」ビシッ

蓮「では行くぞ!」

ジャンヌ「はい、蓮!」

……さて、あと三分の一近く残ってるんだが

…………………………
………………
………


―――中国・道家

ババーン!

蓮「オヤジ!姉さん!帰ったぞ!」

ジャンヌ「お、お邪魔します!」

潤「おかえりなさい、蓮」ニコニコ

円「蓮!!貴様何を考えているのだ!」

蓮「何がだ親父」

円「何がもクソもないわ!予定を繰り上げて帰ってくると言いだしたかとおもったら婚約した?
  相手を連れてくる?
  バカも休み休み言え!!!」

ジャンヌ「!」ビクッ

蓮「大声を出すなクソ親父。ジャンヌが怯えているだろうが」

円「うるさい!!大体だな……」

潤「ハイハイお父様、お説教はその辺で。
  いらっしゃいメイデンちゃん。遠くからよく来たわね」

ジャンヌ「あ、はい。あの、蓮のお姉様、ですよね?」

潤「そうよ。道潤。よろしくね」ニコニコ

ジャンヌ「はい!よろしくおねがいします!」ペコッ

潤「……素直ないい子ではないですか」ヒソッ

円「ム……」

蓮「姉さん、ジャンヌに着替えを用意してやってくれ。着の身着のままで連れてきてしまったのでな」

潤「ハイハイ。全く、そういうところ気が利かないんだから。ねぇ?」

ジャンヌ「いえ……そこが蓮のいいところです」

潤「ま。ヤケるわね」クスクス

円「」

…………………………
………………
………

――――晩さん会

珍「ハァーーーーッハッハッハッハ!!!まさか休暇中に嫁を見つけてくるとはのう!!!」カッカッカ

蘭「もぅ、お父様ったら笑いすぎですわ。でも……オホホホ」

ジャンヌ「………///」

蓮「ジジイ、母上。笑いすぎだ」

蘭「あら、ごめんなさい」オホホ

円「…………」ボロッ

蘭「……素敵な格好ね、アナタ」

円「フン!」

潤「ジャンヌちゃん、道家の味はお口に合うかしら?」

ジャンヌ「はい!とても美味しいです」

潤「そう、よかった」

蓮「………ジャンヌ、そのドレスは」

ジャンヌ「あっ、これは潤さんが……」

潤「もうっ、『姉さん』って呼んで、ってさっき言ったでしょう?」

蓮「姉さん」

潤「ハイハイ、いじめてゴメンゴメン」

円「」ムッスー

蘭「アナタ、いい加減にしないと怒りますわよ」

円「………蓮」

蓮「何だクソ親父」

円「お前の見合い相手は中国中に30人以上はいるのだぞ。お前が成人するまで見合いはしないなどとほざくから待たせているというのに、
   それに対して弁明はないのか」

ジャンヌ「蓮……」

蓮「ならば逆に聞くぞクソ親父。………そのなかにジャンヌよりも強い女がいるか?」

円「ウグッ!」

蓮「ジャンヌは世界でも数えるほどしかいない神クラスだ。俺などよりもはるかに強いぞ」

円「ぐぅ……だが、道家嫡男の婚約者がどこの馬の骨ともわからん女子では示しが」

ジャンヌ「…………」

蓮「『高貴さは血筋にあらず、心に在り』」

円「何だ?それは」

蓮「今回の休暇中に感銘を受けた言葉だ。ドイツの格言だそうだ」

蓮「そいつらがどの程度の生まれかは知らんが、コイツよりも高潔な心を持った人間がいるなら連れてこい」

円「うむむ………し、しかしだな」

蓮「………もう一度だけ言うぞ、親父」

円「む?」

蓮「コレ以上ジャンヌを愚弄するならば、貴様も道家1800年の英霊の一人にしてやる」

ジャンヌ「蓮………!!」

円「」

珍「フフフ……ハーーッハッハッハ!まだまだ子供かと思うておったが、
  言うようになったではないか、蓮!!ハッハッハッハ!!!」

珍「いやー今日は実に目出度いな!そうは思わぬか!のう円!!」

円「…………風に当たってくる」ガタッ

蘭「やれやれ、すっかり拗ねてしまって……私が慰めてまいりますわ」

珍「さぁさぁ花嫁殿!どうじゃ、まずは一杯!」

ジャンヌ「い、いえ!私は未成年ですので……」

珍「目出度い席ぞ!堅いことを言うな!道家秘伝の紹興酒は悪酔いせんのだぞ?」ホレホレ

潤「おじい様、飲みすぎですわ」

珍「何じゃ、潤までそんな冷たいことをいうのか?」

蓮「ジジイ、大概にしておけよ」

珍「むぅ」

潤「かわいくありませんわよ、おじい様」

珍「……フフ」

ハーーーーッハッハッハ!

潤「フフフッ」クスクス

蓮「フッ」

ジャンヌ「うふふふふ」ケラケラ



ならば蓮、貴様が飲め!

ふっ、ふざけるなジジイ!

あら、それはいいわね♪

蓮のいいとこみってみったい♪

そーれイッキ、イッキ、イッキ♪

ジャンヌ!お前そんな下品なことを何処で覚えたのだ!!

え?いつもX-LAWSの打ち上げでマルコが………

あんの腐れメガネエエエエエエエエ!!

ワーワー……

円「…………」

蘭「混ざりたいんですか?」

円「違うわ!」

蘭「まぁ、意地張っちゃって」

円「………蘭」

蘭「何ですか、アナタ」

円「子どもとは、いつの間にか大きくなっているものなのだな」

蘭「そのセリフ、3年遅いんじゃなくて?」

円「それはそうなのだが……」

蘭「どうしたのですか?」

円「……一言くらいわしに相談してくれてもよかったのではないか?」

蘭「仕方がありませんわ。アナタ、あの子たちに信用されていませんもの」

円「………蓮」ショボン

あのジャンヌ様の腹ボテ姿が拝めるのは蓮だけ!!


ゆるすまじ

…………………………
………………
………

―――夜半

パチッ

蓮「今日はこの部屋を使ってくれ。最上級の客間だ」

ジャンヌ「うわぁ……とても素敵なお部屋です!」

蓮「気に入ったか」

ジャンヌ「とても!」

蓮「……ジャンヌ」

ギュッ

ジャンヌ「あっ……」

蓮「あの時は腐れメガ……マルコの邪魔が入ってちゃんと言えなかったからな。
  もう一度、聞いてくれるか?」

ジャンヌ「………はい」ギュゥ




蓮「俺と結婚してくれ、ジャンヌ」

ジャンヌ「……不束者ですが、よろしくお願いいたします!!」



…………………………
………………
………


―――翌日 AM 07:58

ビュオーーーーーーーゥ

蓮「…………」

馬孫「ぼっちゃま」

蓮「!…………来たか」

……ィーーーーーーーン!!!

マルコ「道蓮!メイデン様を誑かすだけでは飽き足らず、ラキスト神父と共謀してメイデン様を拐すとは!!
   許すまじ!!」

蓮「逃げずにやってきたことは褒めてやろう!!だが今日こそはその眼鏡、
  力の限りたたき割って貴様の墓標にしてくれるわ!!!」

マルコ「ほざくな下郎!!メイデン様は何処にいる!」

蓮「ジャンヌなら屋敷の中だ!姉さんと寝間着のドレスを選んでいるわ!」

マルコ「呼び捨て禁止!!」

蓮「黙れ!!大体呼び方を間違えているのは貴様の方だ!!」

マルコ「何を!?」

蓮「正確に言うなら、アイツは既に『乙女(メイデン)』ではないからな!!!!」

マルコ「!!!!!!!!
   きっさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

蓮「さぁかかってこい腐れメガネ!!俺に手傷の一つでもつけられたら、親族席に座らせてやらんでもないぞ!!」






マルコ「死刑(デス・ペナルティ)!!!!!!」

蓮「九天応元雷声普化天尊!!!!!」



終わり


おまけ

「いいですか?たまおさん……あちらのOKAMIさんの言うことをちゃーんと聞くのですよ?」

「はい、ははうえ!」

「ほら、あなたからも何か言ってください」

「む……羽目は外すなよ。お前を向こうにやる目的を見失うな。いいな」

「はい、ちちうえ!」

>>285
多分X-LAWSのメンバーと道家のみなさんは見ていると思うぞ
マタニティドレス姿の聖☆妊婦

チビマルコは血涙流しながらグギギギギしてそうだが

「うむ、それでいい……馬孫!」

「はっ!」

「黽を頼むぞ」

「ははっ!ぼっちゃまのことは、この馬孫めにお任せくださいませ!!」

「む……お前たちもだ」

「はい社長」

「任せてよ」

「はいよ」

「うむ、では黽、気をつけてな」ナデナデ

「はい!」




「大丈夫だろうか……」

「たまおさんの所ですもの。心配ありませんわ」

「……そうだな」

「心配ですか?」

「当然だ。愛するわが子が手元を離れるのはつらいさ」

おまけも含めて乙☆占事略決!!
そしていい歳になって、それなりの管理職に就いてる筈なのに
ボンボンのお守りという月組カワイs

(グチャ

完全版最終巻だけでも買うか未だに迷ってるんだけど最終巻だけ買っても大丈夫?

「……子どもだけ?」

「子ども相手にヤキモチをやくな、みっともない」

「最近言ってくださらないから」

「フッ……全く困った嫁だな」

「うふふっ」




>>319
途中からおまけ漫画付いてるし、全巻買って損はない
あとコンビニ版も





「――――愛しているよ、ジャンヌ」

「私もです、蓮」



おしまい

これにて劇終でございます。

完全版とマンタリテの内容を極限まで拡大解釈した結果が今回のお話でした。
いかがだったでしょうか?

今日は連投規制・さるさん・そしてなぜかブチブチ切れる回線との戦いでした。

それでは保守・支援・そして読了、本当にありがとうございました。

いずれまたの機会にお会いしましょう!

P.S.

エロは無理でした。体力的にも技術てr(ry
これだけはマジ誰か書いてってレベルで無理。

PSのPS

チョコラブ「シャーマンキングゼロ・1巻好評発売中!
      …………ってこれ俺に言わせんのか!?」

え、たまおグレたの?

>>338
ミッキーとの不倫がばれて、後にミッキー事故死
一人で言う事聞かない花組を纏めるのに疲れてヤンギレ&グレ
後に県内最強の修験番(シュケバン)となる

>>342訂正
県内→都内

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