剣士「え?俺勇者じゃないの?」(33)

王「うん」

剣士「いやいやいや、おかしいですよ!?貴方が勇者の器です!って言われて物心ついた時にはもう訓練させられて来たのに!」

王「それはわしがわるい」

剣士「じゃあなんで僕が勇者じゃ無いんですか?」

王「じつはな」

王「ぶっちゃけゆうしゃのちとかどーでもいいの」

剣士「…は?」

王「めんどくさいからせつめいは、ほらだいじん!」

大臣「すいません。実は、この国では『現時点で強い人が居ないなら、魔王の討伐を勇者の血に任せる』っていうしきたりがありまして」

剣士「じゃあ僕でいいじゃ無いですか!小さい時から訓練してきて…」

大臣「でもレベル1でしょ?」

剣士「れ、レベルというのは、魔物を倒したら、その力を一部吸収して強くなることで上がり…」

大臣 「そう。温室育ちで剣術と少しの魔法しか教わらなかったあなたはまだ1なのです。しかし、あなたより強い人が現時点でいるので、その方が勇者になります。」

剣士「そんなのは関係無い!実力は僕が上だ!なんならそいつと戦ってやろう!勝ったら僕が勇者だ!」

大臣「…いいでしょう。来なさい!勇者!」

勇者「え?あ、はい!」

剣士(は?女?)

勇者「久しぶり!剣士!」

剣士「って姫!?」

大臣「そうです。この方が勇者です」

大臣「彼女は、新武器『魔法銃』の唯一の適合者であり、その試験運用で優秀な成果を挙げたので、この度勇者となりました」

剣士「『魔法銃』?」

勇者「これがこの魔法銃よ…はい…」スッ

剣士に渡されたそれは、彼の知る銃とは形がかなり変わっていた。

剣士(銃とは長い鉄の筒から鉛弾を発射する武器…しかしこれは片手で持てるほどの大きさだ…)

剣士(そもそも銃とは、殺傷能力は人間にのみ高く、そこそこ強い魔物には効かないんじゃ…)

大臣「機能のほどは戦って見たほうが早いでしょうな。」

剣士「ああ、どうぞ姫様」

勇者「勇者です」

剣士「まだ姫でしょう」

剣士は剣を抜いた

勇者「勇者です。いいからかかってきて下さい」

剣士「姫でし…」

パァン  キィン

勇者「私の勝ちね」

大臣「明日から剣士として勇者の護衛をしなさい」

その日剣士は泣いた。なにをするでもなく、剣を銃弾で弾き飛ばされて負けたのだ。

勇者になるチャンスをしょーもない事で逃してしまった

翌日

剣士「で、どこに行くのでしょうか」

勇者「隣町です。」

剣士「勇者、軽装備ですね」

勇者「はい。鎧なんて私には邪魔にしかなりません」

剣士「そうですか」

勇者「では行きましょう」

剣士「はい」

剣士「地図は」

勇者「この辺りは知り尽くしてます」

剣士「そうですか」

勇者「魔法銃の訓練でここらのモンスターは全滅させました」

剣士「凄い」

勇者「レベルは16です」

剣士「ほう」

剣士「おや?魔物がいます」

スライム「ぴきゃー」

勇者「えい」パァン

スライム「ぴきっ…」

剣士「ああ、レベルを上げようと思ったのに」

勇者「たいした経験値は貰えません。隣町の先にある密林で倒しましょう」

剣士「はい」

剣士「着きました。散歩にもなりません。」

勇者「ですね」

剣士「薬草を買いましょうよ」

勇者「すでに×99あります」

剣士「なぜ」

勇者「姫だからです」

剣士「姫…」

勇者「勇者です」

勇者「前に先ほどきた道の魔物を全滅させたらドロップしました」

剣士「凄い」

勇者「あの」

剣士「なんです?」

勇者「いつまでこんな喋り方なの…?」

剣士「…」

勇者「ねえ…」

剣士「…」

勇者「…」

剣士「ポソッ」

勇者「?なんて?」

剣士「魔王倒したら」

勇者「なんとw」

剣士「魔王たおさないと戻りません」

勇者「それくらいショックを受けたのですね」

剣士「YES」

勇者「なぜ英語」

剣士「仲間を増やしましょう」

勇者「?必要ありません」

剣士「男女一人ずつしかいないと色々不安です」

勇者「何がですか?」

剣士「ナニがです」

勇者「ニコッ」チャキッ

剣士「だから仲間を増やそうと」

勇者「女がいいです」

魔法使い「すまん。もしや勇者一行では」

勇者「そうですが貴女は」

魔法使い「魔法使いです。王からの依頼で」

剣士「なんだかんだで王も娘おもいですね。姫」

勇者「勇者です」

剣士「ちっ」

勇者「しかし何故すぐにわかったのです?初対面ですよね」

魔法使い「それは…ほら…あれ」

張り紙…この方が勇者です

剣士「…」

勇者「」

魔法使い「…」

剣士「どこで撮ったんでしょう。この姿写し」

勇者「」

魔法使い「すいません。この可愛い寝顔で一発でわかりました」

勇者「実はね」

剣士「?」

勇者「この魔法銃はスナイパーモードもあってね」ガチャガチャ

勇者「超遠距離狙撃が出来るんですよ。今の魔力残量じゃあそこまで遠いと少したりませんが」

魔法使い「少しわけてあげようか?」フォン

剣士「…おい」

勇者「?」

剣士「誰を狙撃するんです?」

勇者「この写真は恐らく父のものかと」

剣士「王様殺すんですか」

魔法使い「女子を寝顔を撮ることは死に値する」

ジャキン

勇者「これなら当たる…」キュイーン

勇者「自動誤差修正オン…属性火炎…3…2…1…発射」パァン

剣士「本当に撃った」

魔法使い「仕方ない。罪深きものに裁きを」

勇者「…あっ…」

剣士「どうされました?」

勇者「…上級デビルに着弾確認。ダメージ五百。こちらにものすごい勢いで飛んできます」

剣士「アホか」

魔法使い「上級て」

剣士「ダンジョンのボス級に着弾て精度悪いですね」

勇者「違います」

剣士「なにがです」

勇者「どうやら城を襲うつもりだったみたいです」

魔法使い「つまり弾道にたまたますごいスピードで突っ込んできたところに」

勇者「あたりました」

剣士「今日は教会で目覚めることになりそうです」

剣士「でも城が襲われなくて良かった」

勇者「こっちに着く前に数発撃ちますね」パァン

剣士「ところでその魔法銃ではなにができるんでしょう」

説明するよ
魔法銃からは普通の弾もでるよ
使用者が魔力を込めると魔法弾としてとんでゆくよ
召喚魔法を込めて放つと狙った場所(空中でも可)に魔法陣ができて、詠唱すると使い魔が召喚出来るよ
他にも回復弾とか強化弾とかあるよ

剣士「…その説明音声は」

勇者「昨日の最終整備までには無かったはず」

勇者「そろそろ来そうです」

上級デビル「ぎぇぇえええっ」シュタッ

町人A「きゃああああああっ上級デビルよ!!」

町人B「逃げろぉぉおおおおっ!!」

剣士「激おこだ」

魔法使い「もう一人来るはずなんですが…」

斧槍使い「ちぃーっす!おれっち参上!」

魔法使い「遅い。罰として今日の夜は三回だ」

斧槍使い「えー」

剣士「なんの話です」

斧槍使い「つぅーかヤバそーなのいんじゃん」

上デビル「ぴぎゃー」

勇者「略しました」

魔法使い「なんと」

勇者「上級になりたてほやほやのようですね」

上デビル「ぴぎゃー」

剣士「登場シーンの猛々しさはどこへ」

斧槍使い「でもつえーことに変わりねぇすよ」

勇者「つかあんた誰だよ」

斧槍使い「斧槍使いです」

剣士「斧槍かっこいいです」

斧槍「さんきゅ」

勇者「ハルバートがしゃべりました!?」

斧槍使い「ああ、使い魔を憑依させてる魔法斧槍なんだよ」

勇者「さて…」

上デビル「ぴぎぇぇえええっ」

勇者「みんなレベルどれくらい?相手は18くらいありそうだけど」

剣士「1」

魔法使い「2」

斧槍使い「3」

勇者「点呼してるんじゃねぇんだよ」

剣士「仕方ねぇだろ」

勇者「とりあえず戦闘には参加して下さい。一気にレベルアップのチャンスです」

相手がしかけてきた

上級デビルが一度宙に舞い、高所から剣士へダイブしてきた

剣士「っ…雷斬り一刀両断!」

雷の斬撃が上級デビルめがけて飛んでいくが…楽にかわされた

魔法使い「レベル差がきついね…地の矛よ…我に力を!」

地面から複数の槍が飛び出してくる…

勇者「…雷斬り一刀両断、地の矛…かなりの高位魔法でしょ。こんな低レベルで使えるなんて…」

しかしやはりレベル差が激しいこともあり、相手にはあまり効いていない。

斧槍使い「おるあぁっ!」

斧槍の柄の部分を下に打ち付けて、そのまま宙に飛び上がる…15メートルはある高さから槍を下に向け…

斧槍使い「闇喰!」

斧部分のつけねから異様な頭のようなモノが出てきて、そのまま下に急降下!

ハルバートの顎で敵に喰らいつき、槍部分をめり込ませる。そしてーー

斧槍使い「おるぁ!」

ハルバートの喉から光のブレスが放たれた

めり込んだ槍が上級デビルの背中に穴を穿ち、傷口に光が侵入してくる。

上デビル「ぎぇー」

墜ちたところに…

勇者「ダブルハンドガンモード…炎の魔法弾!」

下から炎の弾丸が突き刺さる。

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン

計10発が全弾着弾。

上デビル「ぐぇぇえええっ」

だがまだ倒れない。

魔法使い「凍結魔法『零』!」

デビルの翼のつけねだけを完全に凍らせた。魔力不足か節約か、恐らく後者だろう

上デビル「ぴぎぃぃいいぃっ!!」ピクピク

無理矢理羽ばたこうとしたため、翼が変な方向に捩れている。足がつったときのような顔をしているので地味に痛いのだろう

とどめは

剣士「雷回転演舞!」

一回で切れなくても二回三回と続けて切りつけるので切断力が増す。

その地味に痛そうな顔のまま、首がはねとばされた

上級デビルを倒した!

魔法使い「凍結魔法『零』!」

デビルの翼のつけねだけを完全に凍らせた。魔力不足か節約か、恐らく後者だろう

上デビル「ぴぎぃぃいいぃっ!!」ピクピク

無理矢理羽ばたこうとしたため、翼が変な方向に捩れている。足がつったときのような顔をしているので地味に痛いのだろう

とどめは

剣士「雷回転演舞!」

一回で切れなくても二回三回と続けて切りつけるので切断力が増す。

その地味に痛そうな顔のまま、首がはねとばされた

上級デビルを倒した!

今日は終わり

多重ゴメン

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