櫻子「向日葵に飼われるのもいいかな」(154)

櫻子「向日葵、帰りにちょっと寄り道しよ?」

向日葵「寄り道ですの? まあいいですけど」

櫻子「ほんと? やったー」

向日葵「まったく、櫻子は子供ですわね」

櫻子「なんだとー!」

向日葵「寄り道ってどこに行きますのよ」

櫻子「ちょっとねー」

向日葵「な、なんですのよ」

櫻子「ひ・み・つ」

向日葵「全然可愛くないですわ」

櫻子「なんだとー!」

櫻子「この道通るよ」

向日葵「こっちですの?」

櫻子「えっへへー」

向日葵「何がありますの?」

櫻子「行ってからのお楽しみだよ」

向日葵「……なんですのよ」

櫻子「えへへ」

櫻子「あ、ペットショップだ」

向日葵「新しくオープンしたのかしら」

櫻子「みたいだね、ちょっと見ていく?」

向日葵「そうですわね」

櫻子「わっ、獣臭い」

向日葵「動物の臭いって言いなさいよ」

櫻子「見て見て向日葵、猫だよ」

向日葵「か、可愛い……」パァ

櫻子「……」

櫻子「向日葵、ペット飼いたいの?」

向日葵「え? いえ、そんなことは……」

櫻子「えー、でも顔にそう書いてあるよ?」

向日葵「私は別に……」

櫻子「本当にそうかな?」

向日葵「うう……そう、ですわね」

向日葵「楓、そう楓がそんな事言ってたような」

櫻子「楓がそんな我侭言うわけ無いじゃん」

向日葵「」

向日葵「とにかく! 別にペットなんて欲しくないですわ」

櫻子「あっそ、まあいいや」

向日葵「まったく櫻子は」

櫻子「猫もいいけど、犬も可愛いね」

向日葵「そうかしら」

櫻子「え?」

向日葵「……何か言いたそうですわね」

櫻子「いや、向日葵ネコ好きなのかなって」

向日葵「」

向日葵「も、もういいでしょう?」

櫻子「えー、もうちょっと触りたい」

向日葵「行きたいところがあったんでしょう、行きますわよ」

櫻子「はーい」

向日葵「そろそろ何があるか教えなさいよ」

櫻子「しょうがないなー向日葵は」

向日葵「しょうがないのはどっちよ……」

櫻子「ほら、見えてきたよ」

向日葵「あらっ」

櫻子「花畑」

向日葵「……」

櫻子「どうだ、向日葵!」

向日葵「よくこんなところ見つけましたわね」

櫻子「えへへ」

向日葵「綺麗ですわ」

櫻子「そう? 頑張って見つけたかいあった」

向日葵「桜と……向日葵が……一緒に」

櫻子「すごいよね、珍しいこともあるもんだ!」

向日葵「ええ、本当一緒に咲いているなんて……不思議で、素敵ですわ」

向日葵「うふふふーあはははー」

櫻子「なにはしゃいでるんだよ向日葵」

向日葵「ここまでいらっしゃい櫻子」

櫻子「向日葵が壊れた!?」

櫻子「待ってよ、向日葵ー」ズルッ

櫻子「アブッ!」

向日葵「だ、大丈夫ですの!?」

櫻子「転んじゃった……」

向日葵「あぁ、汚れちゃって」パンパン

櫻子「うぅー、ありがとひまわ……クシュ」

櫻子「くしゅ……くちゅん!」

向日葵「大丈夫?」

櫻子「うー、花粉吸っちゃったかも」

向日葵「花粉症ですの?」

櫻子「違うけど、くしゅ……くしゃみ止まんない」

向日葵「うーん、今日はもう帰ります?」

櫻子「そうしたほうが、くちゅっいいかも……へくちっ」

櫻子「ただいまー」

撫子「お帰り」

花子「お帰りだし」

櫻子「へーちょ」

撫子「風邪でもひいた?」

花子「櫻子が風邪!? 天変地異の前触れだし!」

櫻子「いや、ひいてないから」

撫子「そう、でも温かくして寝るぐらいはしなよ」

櫻子「はいはい、はくちょい!」

櫻子「ふー、今日は向日葵に喜んでもらえてよかった」

櫻子「向日葵の笑顔……えへへ」

櫻子「向日葵がちょっと壊れてたけどああいう向日葵もいいな……」

櫻子「なに言ってんだろ私、えへへ」

櫻子「くしゅ」

櫻子「くしゃみ止まんないや……さっさと寝よ」

櫻子「おやすみ」

櫻子「んん……」

櫻子「ふあ、よくねた」

櫻子「うーん、まぶしい」

櫻子「カーテンしめわすれたかな」

櫻子「ん?」

櫻子「てんじょうどこいった?」

櫻子「ていうかそと!?」

櫻子「なに!? なにこれ?」

櫻子「ここどこ……」

櫻子「こんなところで、ひとりでいるなんてちょっとこわ……くなんかない!」

櫻子「あ……はなばたけがみえる」

櫻子「ここにいてもしかたないしとりあえずいどうしてみるか」

櫻子「よっと……ちょっとたかいな」

櫻子「ふんっ!」スタッ

櫻子「わたしがいたばしょ、なんなんだろ」

櫻子「え?」

櫻子「『拾ってください』な、なんじゃこりゃあー!」

櫻子「よくみたらせかいがひろい!」

櫻子「というよりわたしがちいさい!」

櫻子「どうなってんのこれ……わたしふつうにねてただけなのに」

櫻子「ええー……?」

櫻子「それになんなんだよ、このひろってくださいって」

櫻子「むしろひろえよ!」

櫻子「こんなもんかきかえてやる!」

櫻子「『拾え』うん、これでよし! まんぞくまんぞく」

櫻子「ってなんのかいけつにもなってないよ」

櫻子「ん?」

櫻子「あれ、もしかしてあめふってきた?」

櫻子「うわっ、どうしよ……」

櫻子「あまやどりできそうなところないし……」

櫻子「ダンボールのなかにもうふあったからそれで……」

櫻子「はぁ……さむい」

櫻子「さむいよ……ひまわり……」

向日葵「あぁ、雨ですわ」

向日葵「傘を持ってきていてよかった」

向日葵「花畑を見に来たはいいけど、雨だと台無しですわね」

櫻子「あっ、ひまわりー!」

向日葵「あら……声?」

櫻子「ひまわりーここだよー」

向日葵「この声もしかして……」

櫻子「わたしだよー、ひまわりーたすけてー」

向日葵「猫ですわ!」

櫻子「え?」

櫻子「ひまわりー?」

向日葵「まあ可愛い」

櫻子「もしかして、ことばつうじないの?」

向日葵「にゃあにゃあ鳴いて……まあまあまあ」

櫻子「ひまわりー、わたしだよーきづいてよー」

向日葵「拾えって自分で捨てておきながら酷い飼い主さんですわね……」

向日葵「かわいそうに……大丈夫ですの?」

櫻子「ひまわりー……くしゅん!」

向日葵「この雨じゃやっぱり寒いですわよね……」

櫻子「さむいよー……こうなったらひまわりにひろわれるなんてのも……」

櫻子「ひまわりー、ひろえよ」

向日葵「うーん、ウチで飼うわけにもいかないですし……」

櫻子「え」

櫻子「なんでだよ! ひろえよ!」

櫻子「わたしのせわするやくめをわすれたか!」

向日葵「な、なんですの? 急に怒りだして……」

向日葵「なんだかちょっと生意気ですわね……」

櫻子「なんだとー!」

向日葵「ふふ……なんだか櫻子みたい」

櫻子「え、きづいた? きづいたのひまわりー、わたしだよー」

向日葵「なんてね」

櫻子「にゃー……」

向日葵「……そう思うとなんだか放って置けないですわね」

向日葵「とっても可愛いし……仕方ないですわよね」

櫻子「ひまわりー」

向日葵「風邪ひいたら大変ですものね、ええそうですわ……よいしょ」

櫻子「わー、たかいたかい」

向日葵「ふふ、ビックリしてる……可愛いですわね」

櫻子「ひまわりー、おうちつれてってー」

向日葵「あんっ、なに慌てているんですの?」

櫻子「ひまー」

向日葵「落っこちちゃいますわよ? ほら、落ち着いて」

櫻子「はーい」

向日葵「こちょこちょ」

櫻子「くすぐったいよ、ひまわり」

向日葵「可愛いですわー」

櫻子「にゃにするのー」

向日葵「ふふ……えいえいっ」

櫻子「なんかへんだぞひまわりー」ベシッ

向日葵「痛いっ、猫パンチですわ」

櫻子「なんなんだよもー」

向日葵「遊び道具とかも用意したほうがいいですわよね」

櫻子「なになにひまわりー」

向日葵「ねこじゃらしとかならその辺に……」

向日葵「……あった♪」

櫻子「どしたのひまわり」

向日葵「ほーら、ねこじゃらしですわ」フリフリ

櫻子「ねこだからってなめん……」ウズ

向日葵「ねこちゃーん」フリフリ

櫻子「なめ……な……」ウズウズ

向日葵「好きじゃないのかしら?」フリ

櫻子「うにゃー!」

向日葵「可愛い……」

櫻子「これがねこのほんのう……けっしてさからえないしろものなのか……」

向日葵「そうですわ、飼うんだから名前も考えないと」

櫻子「ひまわりー、さくらこ、さくらこだよ」

向日葵「うーん……櫻子……」

櫻子「そうだよーさくらこだよー」

向日葵「に、似てるから……さくにゃこ……」

櫻子「さくらこだっていってんだろ!」

向日葵「ひゃあ! さくにゃこが急に暴れて!?」

櫻子「ふーっ!」

向日葵「わっわっ落ち!」

櫻子「わぁ!?」

向日葵「っ……と、ふう……危ないところでしたわ」

櫻子「あ、ありがとひまわりー」

向日葵「た、ただいまー」

楓「お姉ちゃんおかえりなさい」

向日葵「ただいま楓」

楓「お姉ちゃんそれどうしたの?」

向日葵「これは……」

櫻子「これってなんだよ! しつれいきわまりないなひまわりは」

楓「猫さん?」

向日葵「ええ、捨て猫ですわ……どうにも放っておけなくて」

楓「そっかー、わぁー可愛いの」

櫻子「かえでー、わたしだよー」

楓「触っていい?」

向日葵「ええ、いいですわよ」

楓「わぁい」

向日葵「小さいけど元気いっぱいですのよ」

楓「そうなんだ、櫻子お姉ちゃんみたいだねなの」

櫻子「どういういみだよ!」

楓「わぁ、肉球ぷにぷになの」

櫻子「くすぐったい!」

向日葵「ころころしてて可愛いですわね」

楓「えへへぇ」

櫻子「くすぐったい!」ブルブル

向日葵「あぁ!」

楓「床がビショビショになっちゃったの……」

向日葵「濡れてましたものね、お風呂に入れてあげないと」

楓「楓はお掃除してるね」

向日葵「よろしくお願いしますわ」

楓「楓に任せてお姉ちゃん」

櫻子「おふろ!?」

櫻子「ひまわりとおふろ!?」

向日葵「さくにゃこ、お風呂大丈夫かしら?」

櫻子「それってつまり……はだかになるってこと!?」

向日葵「暴れたりしないといいですけど」

櫻子「にゃ、にゃああああああ!」

向日葵「あぁっ、暴れましたわ!?」

向日葵「ほらほら、温かくしないと風邪ひいちゃいますわよ」

櫻子「そんなこといわれてもいっしょにおふろなんて!?」

向日葵「大丈夫ですわよ、怖くないですからね」

櫻子「はだか……はだか? あれ、よくかんがえたらわたし……」

向日葵「あら、気持ちが通じたのかしら、おとなしく……」

櫻子「ふくきてない! はだかじゃん!?」

向日葵「また暴れて……お転婆ですわね」

向日葵「本当、櫻子ソックリですわ」

櫻子「にゃー!」

櫻子「くしゅ!」

櫻子「あばれたらさむくなってきた……」

向日葵「まあ大変ですわ、早くシャワーを」

櫻子「うー」ブルブル

櫻子「さむいよーひまわりー」

向日葵「温度は、このくらい……かしら?」

櫻子「あついっ!」

向日葵「あっ、ちょ……ちょっと熱かったかしら?」

向日葵「ご、ごめんなさいさくにゃこ」

櫻子「ひどいよーひまわりー」

向日葵「ちょっとぬるめがいいのかしら?」

櫻子「あっ、あったかーい」

向日葵「シャワーしても暴れないんですのね」

向日葵「聞き分けいいですわね、櫻子もこれくらい素直ならいいんですけど」

櫻子「だれがききわけわるいだって!」プニッ

向日葵「ひゃんっ」

櫻子「お、おっぱいきんしー!」プニプニッ

向日葵「も、もうさくにゃこはエッチな猫ちゃんですわね」

櫻子「だ、だれがエッチだって!?」

櫻子「うにゃー……」

向日葵「なんだか急にうなだれましたわね……」

櫻子「もしかしてひまわり、いっつもそういうふうにおもってたのかな」

向日葵「お風呂が気持ちいいのかしら?」

櫻子「え……えっちなこだって///」

向日葵「ふふ、可愛い」ナデナデ

櫻子「にゃー」

向日葵「もう温まったかしら?」

櫻子「もういいよー」

向日葵「出ましょうね、さくにゃこ」

櫻子「はーい」

向日葵「湯冷めしないように拭いてあげないと」

櫻子「ふいてー」

向日葵「ふきふき……と、はいさくにゃこブルブルー」

櫻子「ぶるぶる!」

向日葵「水気も取れましたわね」

櫻子「いいゆだった!」

櫻子「ひまわりー、おなかペコい」

向日葵「どうしましたの? 擦り寄ったりして」

櫻子「ペコいペコいにゃー」

向日葵「お腹でも空きました?」

櫻子「そうだよー、ペコいよー」

向日葵「猫って何をあげたらいいのかしら、にぼし……とか?」

櫻子「キャットフードはかんべんしてほしい」

向日葵「にぼしなら確かあったような……」

櫻子「ふつうのならなんでもいいよー」

向日葵「持って来ましたわ」

櫻子「やったー」

向日葵「にぼし……で本当にいいのかしら?」

櫻子「ペコいよーひまわりー」

向日葵「あーん」パクッ

櫻子「なんでひまわりがたべてるんだよ!」

向日葵「んー……ちょっと塩気が多い気がしますわ……」

櫻子「しおけ?」

向日葵「湯にさらしたほうがいいですわよね」

櫻子「ペコいよ? ひまわりー」

向日葵「ちょっと待っててくださいね?」ナデナデ

櫻子「にゃー」

向日葵「熱を冷ましていたら時間がかかってしまいましたわ……」

櫻子「ペ……ペコい……」

向日葵「ごめんなさいね、あーん」

櫻子「あーん」

向日葵「美味しい?」

櫻子「うまい!」

向日葵「ふふ、喜んでるみたいですわね、よかった」

櫻子「ただのにぼしなのにこんなにうまい!」

向日葵「慌てなくてもまだまだありますわよ」

櫻子「ひまわりー、もっとー」

向日葵「はいはい」

櫻子「ふあぁ~」

向日葵「あら、アクビ……可愛いですわ」

櫻子「ねむいよーひまわりー」

向日葵「猫はよく寝ますものね」

櫻子「おやすみひまわり」

向日葵「毛布とかかけた方がいいのかしら?」

向日葵「近くに置いておけば必要ならたぐり寄せますわよね」

櫻子「ひまわり?」

向日葵「はい、毛布」

櫻子「にゃー」

向日葵「おやすみなさい、さくにゃこ」

櫻子「まぶしい」

櫻子「あさー?」

向日葵「ん……おはようさくにゃこ」

櫻子「ひまわりーおはよー」

向日葵「朝起きて、猫がいる……新鮮ですわね」

櫻子「ひまわりー」

向日葵「ふふ、可愛い」

櫻子「にゃー」

向日葵「お腹空きました?」

櫻子「ちょっとペコい」

向日葵「はい、お食べ」

櫻子「もぐし! うまい!」

向日葵「準備も出来ましたし、学校に行ってきますわ」

櫻子「ひまわりがっこいくのー?」

向日葵「大人しくしていますのよ、さくにゃこ」

櫻子「にゃ」

向日葵「ふふ、わかったのかしら?」

櫻子「おとなしくするとおもった? ざんねん! あばれんぼうのさくらこちゃんでした!」

向日葵「行ってきます」ワシャワシャ

櫻子「にゃん♪」

櫻子「タンスでもあさるか」

櫻子「どこになにがあるかな?」

櫻子「ここは……?」

櫻子「したぎだ!」

櫻子「ひまわりのやつ……またさいずがおおきく……?」

櫻子「いや、わたしがちいさくなっただけか」

櫻子「やっぱりおおきくなってる!」

櫻子「おっぱいきんし!」

櫻子「……あきた」

櫻子「ひまだなーさびしいー」

櫻子「ひまわりはがっこういっちゃうし」

櫻子「……ねるか」

櫻子「ねこはにじゅうじかんねるとかいうし」

櫻子「うー……にゃー」

楓「……」

櫻子「ん?」

楓「……」

櫻子「どうしたかえで?」

楓「……あそぼっ!」

櫻子「なんだあそんでほしいのか」

楓「いい? さくにゃこちゃん」

櫻子「ひまだしいいぞ、かえであそぼう」

楓「あそんでくれるの?」

櫻子「にゃー」

楓「えへへぇ」

櫻子「なにしてあそぶー?」

楓「撫で撫でしていい?」

櫻子「むしろわたしがなでてやろう!」トトト

楓「わっわっ、木登りなの」

櫻子「よしよし」ポフポフ

楓「ちょっと重いの」

櫻子「ん、そうかわるい」タッ

楓「えへへ、猫パンチだったの」

櫻子「ねこぱんち!?」

楓「かわいいの」

櫻子「あれか、もっとねこっぽくしたほうがいいのか?」

楓「どうしたの、さくにゃこちゃん?」

櫻子「にゃんにゃかにゃかにゃかにゃんにゃかにゃかにゃかにゃんにゃかにゃかにゃかにゃん!」ワキワキ

楓「あはは、おもしろいの」

櫻子「そうかおもしろいか」

櫻子「ふふん、このわたしについてこいかえで!」

楓「どこ行くの、さくにゃこちゃん?」

櫻子「たんけんだ!」

楓「ついて来いって言ってるの?」

櫻子「そうだよー」

楓「わぁ、なんだか櫻子お姉ちゃんみたいなの」

櫻子「ほんにんだからな」

楓「えへへぇ、さくにゃこお姉ちゃんなの!」

櫻子「なるほど」

楓「お台所なの」

櫻子「なんかくいものないのー?」

楓「あ、そういえば昨日の晩ご飯はさくにゃこお姉ちゃんのおかげで」

楓「にぼしのお出汁がよく効いててとっても美味しかったの!」

櫻子「そうか、よかったな」

楓「えへへぇ」

櫻子「かえでー、なにかない?」

楓「お鼻クンクンしてるの、お腹空いたの?」

櫻子「にゃー」

楓「冷蔵庫ににぼしあったの、はい」

櫻子「もぐしっ! うまい!」

楓「さくにゃこお姉ちゃん可愛いの」

櫻子「にゃん」

櫻子「トイレだ」

楓「おトイレなの」

櫻子「せまいなー」

楓「どうしたの、さくにゃこお姉ちゃん?」

櫻子「せまいとこはなんかおちつく」

楓「さくにゃこお姉ちゃん、お花摘みたいの?」

櫻子「いまはいいや」

楓「あっ、どこ行くの?」

櫻子「こんどはリビングだ」

楓「えへへぇ、さくにゃこお姉ちゃんの大冒険なの」

櫻子「せいとんされててあまりたんけんしがいがないな」

楓「えへへぇ」

櫻子「あっ! かみぶくろ!」

櫻子「にゃー!」ズシャー

櫻子「まったく、そうじがいきとどいてないな、ひまわりは」ヒョコ

楓「出たり入ったりして……可愛いの」

向日葵「ただいまかえりましたわ」

楓「お姉ちゃんおかえりなさい」

櫻子「おかえりーひまわりー」

向日葵「さくにゃこもただいま」

櫻子「がっこうどうだったひまわりー」

向日葵「お部屋に戻りますわよさくにゃこ」

向日葵「……タンスが荒らされている!? もう、おイタしちゃ駄目ですわよさくにゃこ」

櫻子「ねーがっこー……あれ? よくかんがえたらわたしむだんけっせきじゃん!」

櫻子「どうしよう! ねーひまわりどうしよー!」

向日葵「ふー、今日も櫻子の相手は大変でしたわ」

櫻子「え?」

櫻子「どういうこと?」

櫻子「わたしはここにいるよーねーひまわりーわたしはここだよー」

向日葵「櫻子ったら今日は一段とテンション高かったですわ」

櫻子「ひまわりー?」

向日葵「はしゃいじゃって、いつにも増して落ち着きがなくて」

向日葵「ふふ……」

向日葵「あっ、でもさくにゃこの事はまだ話してませんのよ」

櫻子「……」

向日葵「だって、さくにゃこって名付けたと知ったら」

向日葵「きっと櫻子、怒りますものね」

向日葵「さくにゃこ?」

櫻子「わたし……わたしは……」

櫻子「うー! よくわかんない! せなかムズムズする!」

向日葵「あらさくにゃこ、背中でも痒いんですの?」

櫻子「とどかないー!」

向日葵「……なかなか不器用ですわね、ほら掻いてあげますわ」

櫻子「ありがとーひまわりー」

向日葵「ふふ、どういたしまして」

向日葵「結局毛布使いませんでしたわね」

櫻子「もうふ?」

向日葵「必要ありませんの?」

櫻子「うーん、せっかくだからわたしはこのあかのもうふをえらぶぜ!」

向日葵「あら、いるんですの?」

櫻子「いるよー」

櫻子「わーい!」

向日葵「急にテンションあがりましたわね」

櫻子「もうふもうふー」

向日葵「もみもみするのが好きなんですの?」

櫻子「もみもみ! もうふもみもみ!」

向日葵「楽しい?」

櫻子「たのしー」

向日葵「いつまでも秘密になんて出来ないですし、明日は櫻子にあなたのことを話しますわね」

櫻子「んー?」

向日葵「ふふ、夢中になっちゃって……可愛いですわ」

櫻子「にゃっ」

向日葵「電気消しますわよ」

櫻子「ねるのひまわりー?」

向日葵「おやすみなさい」

櫻子「おやすみー」

櫻子「……なーんて」

櫻子「ねこはやこうせいなんだ、ひまわりにいたずらしちゃうもんね」

櫻子「なにしてやろうかなー」

向日葵「むにゃ……ふふ、さくらこー……」

櫻子「……やっぱやめた、なんだよわたしのゆめなんかみて、もう///」

櫻子「ひまわりのねがお……かわいいなー、えへへ」

向日葵「おはようございます、吉川さん赤座さん」

あかり「おはよぉ向日葵ちゃん」

ちなつ「おはよう、櫻子ちゃんは?」

向日葵「私が櫻子の家に迎えに行った時にはもう出た後でしたの」

ちなつ「珍しいこともあるもんだね」

あかり「でも、櫻子ちゃんまだ来てないよぉ」

向日葵「そうなんですの?」

櫻子「あああああああああ!」

向日葵「!?」

櫻子「もう! なんなの! なんなんだよ!」

向日葵「何怒ってますのよ櫻子」

櫻子「うるさいうるさい!」

向日葵「なんですの!? とりあえず落ち着きなさいよ!」

櫻子「私をペット扱いするな!」

向日葵「な、なんだか櫻子の様子がおかしいですわ……」

向日葵「とりあえずどうにかして気を逸らして……」

櫻子「あああああー!」

向日葵「櫻子、私猫を飼い始めましたのよ」

櫻子「!?」

向日葵「だから、その、今日見に来ません?」

櫻子「……行く!」

向日葵「ふう……櫻子が単純で助かりましたわ」

櫻子「名前は?」

向日葵「名前?」

櫻子「猫」

向日葵「あ、聞いても怒りません?」

櫻子「どんな名前つけたんだよ」

向日葵「……さくにゃこ」

櫻子「ふーん、ちゃんと名前つけたんだ」

向日葵「怒りませんの?」

櫻子「そっかそっか」

向日葵「?」

向日葵「ただいま」

櫻子「ひまわりだーおかえ……」

櫻子「わたしだ! ちがう! わたしはわたしだ!」

櫻子「じゃあ、このわたしは……だれだ!」

櫻子?「……」

向日葵「着替えてくるからちょっと待っててくださいな」

櫻子「なにこれ……なにこれ!」

櫻子?「さくにゃこ……だって、ふふ」

櫻子「だれだよおまえ! そのからだはわたしのだ!」

櫻子?「私の? 違う、今は私のものだよ、この身体は私の身体!」

櫻子「ことば、わかるの!?」

櫻子?「わかるも何もないよ、私はあなただったんだから」

櫻子「ど、どういうこと?」

櫻子?「櫻子の体の持ち主は猫の身体に、だったら猫の身体の持ち主は?」

櫻子「ねこの? もしかして!?」

櫻子?「そう、元々猫だったんだもん、猫の言葉はわかるよ」

櫻子「にゃ、にゃんだってー!?」

猫「ふふーん、この身体は私のもの、悔しい? 悔しい?」

櫻子「ぐぬぬ……」

猫「ねぇねぇ今どんな気持ち?」

向日葵「なに猫と喧嘩してますのよ……」

櫻子「ひまわりー、こいつにせものだよー」

猫「うるさい!」ビシッ

向日葵「ちょっと櫻子! 暴力を振るうんじゃありませんわ!」

猫「別にいいじゃんこんなヤツ!」

櫻子「なんてこというんだ!」

向日葵「いいわけないでしょう、そうやって首根っこつかむのはやめなさい」

猫「うー!」

櫻子「ひまわりのいうとおりだ!」

猫「こんなヤツ捨てちゃえばいいんだよ!」

向日葵「なんてこと言いますの! こんなに可愛いのに」

櫻子「か、可愛い……//」

猫「か、可愛い……//」

向日葵「ほら、離しなさい」

猫「やだ! 向日葵には私がいるもん! こんな猫いらない!」

向日葵「な、何言ってますの///」

櫻子「だまされないでーひまわりー」

向日葵「なんだか、今日は変ですわよ櫻子」

猫「そんなことないもん!」

櫻子「にせものだー!」

向日葵「さくにゃこをこっちに渡しなさい」

猫「こんな猫より私を優先してよ!」

向日葵「な、何言ってますの……?」

向日葵「あなた、やっぱり変ですわよ」

猫「変じゃないもん!」

櫻子「にゃー!」

向日葵「いいから、さあ!」

猫「もう! どうして思い通りにならないの!」

猫「きらい! きらいきらいきらい! 人間なんか嫌い!」

向日葵「な、なんのことですの?」

猫「私のこと捨てた人間なんかダイッキライ!」

向日葵「何言ってますの、櫻子!」

猫「私はやっぱり誰にも必要とされてないんだ!」

向日葵「え?」

櫻子「そんなことない!」

向日葵「さくにゃこ?」

櫻子「ひまわりは……ひまわりはわたしをいっぱいかわいがってくれた!」

猫「うそだ!」

櫻子「うそじゃない! あめがふって、すてられてたところをひろってくれた!」

櫻子「あったかいおふろにもいれてくれた! おいしいにぼしもたべさせてくれた!」

櫻子「いっぱいいっぱいなでてくれた! もうふだってもみもみさせてくれた!」

猫「毛布もみもみ!?」

櫻子「なんども、なんどもかわいいっていってくれた!」

櫻子「おまえのことをすきでいてくれるひとがいる! ひまわりがいる!」

櫻子「だから、ひまわりを、じぶんをひていなんかするな!」

猫「さくにゃこ……」

向日葵「櫻子が猫と会話してますわ……」

向日葵「正直引いた……」

猫「向日葵……ありがと」

向日葵「なんですの、突然」

猫「私のこと可愛がってくれて」

向日葵「かわっ/// な、何言ってますのよ!?」

猫「名前もつけてくれて」

向日葵「……?」

猫「私、猫なの」

向日葵「はぁ?」

櫻子「まあとうぜんのはんのうだね、だれだってそーなる、わたしもそーなる」

猫「花畑の近くで拾ったでしょ?」

向日葵「み、見てましたの!?」

猫「違うよ、捨てられていたのは私だから、だから知ってた」

向日葵「にわかには信じがたいですわ……」

櫻子「いれかわっちゃったんだよー」

向日葵「さくにゃこ?」

猫「身体が入れ替わっちゃった、だってさ」

向日葵「そ、そんなオカルトありえませんわっ」

櫻子「ひまわりのやつまたブラのサイズあがってた」

猫「え?」

向日葵「な、なんですの?」

猫「向日葵のブラ、サイズあがったの?」

向日葵「変えたばかりなのに、なんで知ってますの!?」

猫「さくにゃこが言った」

向日葵「ま、まさかそんな……でも確かにさくにゃこがタンスを荒らしてましたわね……」

櫻子「まさかじゃないよー」

向日葵「本当に?」

向日葵「ずっと感じていた違和感の正体はこれでしたのね」

櫻子「さすがひまわりー」

猫「流石向日葵」

向日葵「でも、それを知ってどうなりますの?」

向日葵「櫻子が猫になったのを知ったところで、元に戻せますの?」

櫻子「うーん……」

猫「うーん……」

櫻子「まあ、なんとかなるよ、ぜったいだいじょうぶだよ」

猫「なんとかなるよ、絶対大丈夫だよ」

向日葵「どうして、そうも楽観的ですの……?」

櫻子「ねこだからね」

猫「猫だからね」

櫻子「もどらなかったらもどらなかったで、ひまわりにかわれるのもいいかな」

猫「……」

向日葵「? 今なんて言いましたの?」

猫「ばかみたいなこと」

櫻子「なんだとー!」

向日葵「ふふ、櫻子らしいですわね」

櫻子「ひまわりーひどいー」

猫(胸のあたりがポカポカする)

猫(朝目が覚めて、すべてが元通りになっていたとしても、私は後悔しない)

猫(だって私のことを愛してくれる人がいるってもう知っているから)

櫻子「うーん、眩しい」

櫻子「カーテン閉め忘れたかな」

櫻子「あれ?」

櫻子「なんか変な感じ」

櫻子「なんだろ……あっ、戻ってる!」

櫻子「向日葵に報告しなきゃ!」

櫻子「おーい、向日葵ー!」

向日葵「なんですの? 朝っぱらから騒々しい」

櫻子「戻った! 私人間に戻ったよ!」

向日葵「戻ったって……あなたいつ人間やめてましたのよ」

櫻子「え?」

櫻子「う、うそ……もしかして、夢……だったの?」

向日葵「いつまでも寝ぼけてるんじゃないですわよ」

櫻子「え、ええ……?」

向日葵「櫻子?」

櫻子「向日葵! 一緒に来て!」

向日葵「と、突然なんですの!?」

櫻子「こっち!」

向日葵「こっちって……?」

櫻子「花畑!」

向日葵「どうして突然あそこに行きますのよ?」

櫻子「そっか、それは覚えてるんだ、夢じゃないんだ!」

櫻子「ついた!」

向日葵「あら?」

櫻子「え?」

櫻子「無くなってる!」

向日葵「花畑がどこにもありませんわ……」

櫻子「どういう……こと?」

向日葵「確かに、ありましたわよね?」

櫻子「そ、そんな……」

櫻子「全部、夢? 本当に、夢だった……の?」

向日葵「どういうことかわかりませんけど、休憩して落ち着きましょう?」

櫻子「う、うん……」

向日葵「櫻子、あまり落ち込まないで」

櫻子「向日葵……」

向日葵「櫻子……」

櫻子「うん……」

向日葵「……っ、雨降って来ましたわね」

櫻子「雨……?」

向日葵「傘を持ってきていてよかった」

櫻子「傘……持ってきてたんだ」

向日葵「ええ、でもどうしてかしら? 雨が降るなんて思ってもなかったのに」

櫻子「雨……あっ!」

向日葵「な、なんですの!?」

櫻子「こっち!」

向日葵「なんですのよ」

櫻子「大変、急がないと……!」

向日葵「なにごとですのよ……あら、ダンボール……?」

櫻子「見つけたの!?」

猫「にゃー」

向日葵「捨て猫……ですの?」

櫻子「いた、いてくれた!」

向日葵「かわいそうに……」

向日葵「拾えって書いてますわ、それも書き直して……」

向日葵「自分勝手に捨てておいてなんて飼い主ですの、図々しい!」

向日葵「あっ、まさか櫻子、あなたが捨てたんじゃないでしょうね」

櫻子「そんなわけないじゃん! 一人はとっても寂しいのに……」

向日葵「じょ、冗談ですわよ……あなたが優しい子だって事は私が一番良く知ってますもの」

櫻子「えへへ」

猫「にゃ!」

向日葵「この子、元気いっぱいですわね」

櫻子「ね、向日葵……この子、私達で飼わない?」

向日葵「……そうですわね、それもいいかも……しれないですわね」

櫻子「それじゃあ、この子の名前は――」

おしまい

実は俺猫飼ったことなんて一度もないんだ……

櫻子「ベッドの上では向日葵がネコさんだね!」

向日葵「///」

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