男「あの時の事件が忘れられない」 (7)
六年前
俺達家族は湖の遊覧船に乗っていた。
妹「おにーちゃんキレーだね」
兄「そうだね」
母「あんまり身を乗り出しちゃダメよ」
父「フフ、元気があるのは良いことだ」
俺達は幸せだったのに…!
「早く逃げてください!」
「うわあああああああ!!!」
母「兄…!!妹を頼むわよ…!」
何故あんなことに……!
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………………………………
妹「お兄ちゃん、起きて」
兄「…ん」
そうか…今日は……
妹「もう皆支度出来てるよ 急ごうお兄ちゃん」
兄「悪いな…」
父さんたちの命日だ……
兄「ふう…」
叔母「今日が命日だっていうのに寝坊して」
兄「ごめんごめん」
叔父「さ、行くぞー!車乗れー」
バタン
ブロロロロロ
妹「なんか臭い…」
兄「俺」
妹「もー やめてよね」
もう六年も経ってたのか…
六年前、事件があった。
ある湖の遊覧船が沈没した、俺達はその遊覧船に乗って観光を楽しんでいたんだ。
沈没というよりは湖に吸い込まれていったと言うのが正しいのだろうか。
そして湖に吸い込まれたまま消えて無くなった。
警察の必死の捜索にも関わらず未だに俺の両親も船も見つかっていない。
迷宮入りと言う奴だ。
だから、お盆には湖に来て墓参りが毎年の通例になっている。
妹「ついたね…」
兄「…妹」
妹「なに?」
兄「パンツ見えてる」
妹「えっ!」
兄「いや、冗談だ」
妹「またそうやって意味のない嘘をつくー!!」
兄「フハハ」
兄(昔はここにきてこんな事を言う余裕なんかなかったんだけどな)
妹「お母さん達…どこに行っちゃったんだろうね」
兄「……………」
叔父「おーい!そろそろ帰るぞー」
妹「はーい!」
兄(………………俺だって知りたいさ)
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