小学生のぼく「百倍返しだ!」 (10)

ぼく「俺、そのソフト無くなってたからちょっと見せて」

友「いいよ、はい」スッ

ぼく「……俺の名前が小さく書いてあるのはどういうことだ?」

友「えっ」

ぼく「ここだよ、見てみろ」

友「……」

ぼく「ゲームソフトがいつも無くなると思ってたらこういうことか」

ぼく「ぼくはもう許さないぞ、やられたらやり返す、倍返しだ」

ぼく「ただし貴方に対しては……」

ぼく「百倍返しだ!」

ぼく「貴方の盗んだゲームソフト、データを消されたようですね」

ぼく「私の思い出代含み一万円で許してやりましょう!」

ぼく「明日学校に持ってこい!いいな!」

友「は、はい、本当ごめん……」

ぼく「いいな、百倍返しだからな!覚悟しとけ!」

後日

ぼく「何?持ってこれない?」

友「お母さんが……」

ぼく「チッ……お前の家に電話しとくからな」



ぼく「もしもし?」

友「あ、ごめんちょっと明日も無理かも」

ぼく「……母さんに代われ」

友「うん、待ってて……」

友母「もしもし、家は生活給付金で暮らしてましてどうか許してください……」

ぼく「そんな事言われても俺、そいつにゲーム盗まれたんすよ」

友母「えぇ?あんたゲーム盗んだの?」

友母「……すみません、子供に渡しておきますので……」

ガチャッ

ぼく「報告してねぇのかよあいつ」

後日

友「あの、これ……」スッ

ぼく「持ってきたか……」

ぼく「だがこれで安心してるんじゃないんだろうな?」

友「え?」

ぼく「俺は百倍返しだと言ったはずだ!こんなんじゃ百倍になんて達さない!」

ぼく「覚悟しておけこの盗人が!」

友「ヒィッ!」

ぼく「……で、ソフトは……」

友「え?あぁ、ごめん、実は何も進めてなくて」スッ

ぼく「……それはもういいや、自分で最初からやり直すよ」

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