結衣「恋する乙女は...」 (65)

~ごらく部~

京子「ゆいー、 近頃、綾乃とどうなのさ?」

結衣「いきなりだな…別に何も変わらないけど?」

京子「何も変わらなさ過ぎ何だよ!」バン

結衣「べ…別にいいだろ」

京子「良くないよ!私はさぁ、何かこう…」

京子「もっと、イチャイチャするもんだと思ってたの」

結衣「私と綾乃はそんなんじゃないの」

京子「結衣は奥手だもんな」

ガラッ

あかり「二人ともお待たせ!」

ちなつ「すみません、遅くなりました」

京子「ちなつちゃん遅いよ~」

ちなつ「掃除当番だったので仕方ないんです」

ちなつ「今、お茶入れますね」

あかり「ありがと、ちなつちゃん」

書き忘れてたが前回 結衣「私の初恋」の続きです

京子「あかりはどう思う?」

あかり「ん?何が?」

京子「結衣の事。せっかく付き合ってるのに全然何も変わってないんだもん」

あかり「ん~…あかりには分かんないなぁ」

あかり「やっぱりお付き合いすると変わるものなの?」

京子「そりゃ変わるもんさ。あかりにはまだ早かったかな」

あかり「あかりお子様じゃないもん!」プンプン

ちなつ「お茶が入りましたよ」コト

ちなつ「結衣先輩どうぞ」スッ

結衣「ありがと、ちなつちゃん」

ちなつ「いえいえ、はいあかりちゃん」

あかり「ありがとぉ」

ちなつ「京子先輩もどうぞ」

京子「相変わらず私は最後だな」

ちなつ「京子先輩だからです」プイ

ちなつ「ところで何話してたんです?」

京子「あかりがお子様だなぁって」

あかり「んもー!違うでしょ!」

京子「そうだった、結衣の事話してたの」

ちなつ「結衣先輩の事?」

京子「そう。結衣ったらあれから綾乃と何にもないんだって」

ちなつ「結衣先輩は誠実なので京子先輩が思ってるような事は無いんです」

結衣「ちなつちゃんの言う通りだぞ京子」

結衣「大体付き合ったからって…そんな…」

ちなつ「結衣先輩?」

結衣「……」モジモジ

ちなつ「……」

ちなつ「結衣先輩、もしかして恥ずかしいんですか?」

結衣「…!」

結衣「ち…ちなつちゃん、そんな訳あるはずが…」

ちなつ「……」

ちなつ「結衣先輩って思ってたより乙女だったんですね…」フフ

ちなつ「結衣先輩って付き合う前はアレコレ考えないから大丈夫でも、いざ付き合っちゃうと急に恥ずかしくなっちゃうタイプですか?」

結衣「…あかり、お菓子買いに行こうか」

あかり「わーい、行こう行こう!」

ちなつ「結衣先輩!」

結衣「…はい」

ちなつ「もう…あかりちゃんも」

あかり「ごめんね」

ちなつ「いいですか?結衣先輩」

ちなつ「いくら両想いで結ばれたからって、ただ過ごしてるだけじゃダメなんです」

ちなつ「付き合ってからできる事や付き合ってからする事がですね…」クドクド

京子「あちゃ~ちなつちゃんに火が付いちゃった」

ちなつ「京子先輩!」バン

京子「はい!」

ちなつ「大事な話なんです!からかうなら出て行ってください!」

京子「ハイ!すみませんでした!」

ちなつ「結衣先輩、私は心配なんです…」

ちなつ「私も応援するからには、二人には幸せになってもらいたいんですよ」クドクド

クドクド
   クドクド
      クドクド





結衣「はぁ…今日は疲れたな…」

結衣(結局あれからちなつちゃんの話は二時間も続いた)

結衣(ちなつちゃんってあんなにも熱かったんだな)

結衣「とにかく、晩御飯の準備しなくちゃ」

結衣「明日は休みだし、今日は京子もいないから、なもクエのレベル上げできるな」

ピンポーン

結衣「……」

結衣「はい?」

京子「やっほー」

ガチャ

結衣「お前なぁ…来る時はあれ程…」

綾乃「……」

結衣「って…綾乃!?」

京子「うん、無理やり連れてきた」ヒョコ

綾乃「あの…突然で迷惑よね?」

結衣「だ…大丈夫。京子はいつも突然だから」

綾乃「ほんとに?」

結衣「うん、ホントに大丈夫。上がってよ」

綾乃「それじゃ…お邪魔します」

結衣「二人ともご飯食べたのか?」

京子「まだだよ」

綾乃「私もまだ…」

結衣「それじゃせっかくだし千歳も呼ぶか?」

京子「あー千歳?うん、それじゃ」

結衣「相変わらずこういう事は早いな…」

綾乃「船見さん、大丈夫?」

結衣「ホントに大丈夫だよ、それより私買い物行ってくる」

綾乃「それなら私も」

結衣「そう?それじゃ一緒に行くか」

京子「行ってらっしゃーい」フリフリ

綾乃「あなたって人は…」ハァ

結衣「いつもの事だよ」

綾乃「…苦労が絶えないわね」

結衣「京子、千歳来たら頼んだぞ」

京子「あーい」


~~~

~スーパーなもり~

結衣「今日は何にしよっか?」

綾乃「そうね…あ!みてみて、今日はお魚が安いわよ」

結衣「ほんとだ、綾乃、鍋にする?」

綾乃「そうね、まだ寒いですものね」

結衣「ほんじゃ、これとこれと、それにこれも」

あかり「あ!」

あかり「結衣ちゃーん!」フリフリ

結衣「あかり?」

あかり「うん!杉浦先輩こんばんは」ペコリ

綾乃「ええ、こんばんは」ペコリ

結衣「あかりは一人なのか?」

あかり「ううん、お姉ちゃんと来てるの」

あかね「あら?結衣ちゃんじゃない」

結衣「あ、あかねさんこんばんは」ペコリ

あかね「はい、こんばんは」ニコ

あかね「えっと…そちらは…」

綾乃「あの…初めまして、杉浦綾乃です」ペコリ

あかね「こんばんは、結衣ちゃんのお友達かしら?」

あかり「杉浦先輩は結衣ちゃんの恋人さんなんだぁ」

結衣「あ……あかり…」タジ

あかね「あらあら」ウフフ

あかね「結衣ちゃんもすっかり大人になったのね」

あかね「それじゃあね」

あかり「結衣ちゃん、またね」

あかり「杉浦先輩、失礼します」ペコ

綾乃「凄く綺麗な人ね」

結衣「うん、あかりのお姉さんで、小さい時によく遊んでもらったんだ」

綾乃「赤座さんもお行儀が良くて、ホント三人って不思議よね」

結衣「そうかな?」

綾乃「そうね、私たちも行きましょ」

結衣「ただいま」

千歳「船見さん、お邪魔してるで」

結衣「うん、ごめんね、いきなり呼び出して」

千歳「全然平気や、それより晩御飯の用意やったら手伝うよ」

結衣「うん、ありがと。でも鍋だしそんなにする事ないから大丈夫」

京子「何!鍋だと?」ガタッ

結衣「何だ?嫌だったか?」

京子「ううん、嬉しいの」

結衣「…全く」

京子「ゆいー、ラムレーズンは?」

結衣「ほらよ」コト

京子「やりい!」

結衣「でもご飯の後な」

京子「む~」

綾乃「…ふふ」

結衣「どしたの?」

綾乃「いいえ、何でもないわ」

綾乃「ただ…何だか見慣れてきたなって思ってね」

結衣「そう?」

綾乃「ええ、それじゃ晩御飯の準備しましょ」

千歳(綾乃ちゃん嬉しうやなぁ)

千歳「うちも手伝うな」


結衣「出来たぞ」

京子「待ちくたびれたよ~」

綾乃「それじゃ、頂きましょ」

千歳「美味しそうやね」

京子「うめえ!」

千歳「うん。美味しいわぁ」

綾乃「ホント、美味しいわ」

結衣「まだまだ寒いもんね」

綾乃「そうそう、買い物の途中で赤座さんに会ったわ」

京子「あかりに?」

結衣「うん、あかねさんと一緒だったよ」

京子「へぇ~…あかりはお姉ちゃんっ子だもんなぁ」

綾乃「あなた達三人は昔からずっと一緒だったの?」

京子「そだよ」

結衣「そうだな…物心ついた頃からいつも一緒だったな」

綾乃「ふ~ん…」

書き溜めはあるがこの前さるさんくらったので

こっからペース上げる

京子「何でそんなこと聞くの?」

綾乃「べ…別に理由なんて無いわよ!」タジ

千歳(綾乃ちゃんったら…船見さんの事もっと知りたいんやね)フフ

綾乃「ただ…幼馴染っていいなぁって思って…」

結衣「…綾乃?」

京子「もしかして…綾乃…やきもち妬いてるな?」

綾乃「ち…違うわよ!」バン

グラッ
  ビシャー

綾乃「わ…」

結衣「綾乃、た…タオル」

綾乃「ご…ごめんなさい」シュン

結衣「い…いいよ。それより熱くなかった?」

綾乃「大丈夫だけど…服が…」

結衣「綾乃、選択するから先にお風呂入ってきなよ」

綾乃「ありがと」


結衣「京子、あんまり綾乃からかうなよ」

京子「およ?もしや…ゆいにゃんもやきもち?」

結衣「何、バカ言ってんだよ」

千歳「綾乃ちゃん、幸せそうやわ」

結衣「千歳?」

千歳「船見さんのおかげかな?」

結衣「私は…別に…」カァ




綾乃「船見さん、お風呂ありがと」

結衣「さっぱりした?」

綾乃「ええ、気持ちよかったわ」ニコ

京子「…むむむ」

結衣「京子?」

京子「綾乃はなんで結衣の事、名前で呼ばないの?」

綾乃「な…!」

結衣「きょ…京子、別にいいだろ!」

千歳「そうやで綾乃ちゃん…いつまでも船見さんやと船見さんかわいそうやん」

結衣「千歳まで…」

綾乃「だって…その…...」モジ

結衣「私は別にいいんだよ!」

京子「何で結衣が怒るのさー」

結衣「怒ってないだろ」

結衣「私はただ…このままでもいいんだよ」

結衣「付き合ったからって、何か変わるもんじゃ無いだろ」

結衣「私は綾乃と何かしたい訳じゃ…」

綾乃「……え?」

京子「結衣……ホントにそう思ってるの?」

結衣「……ごめん…そう言う訳じゃ…」

綾乃「ごめんなさい…私、今日は帰るわ…」

結衣「…綾乃?」

綾乃「ホントにごめんなさい」ダッ

千歳「綾乃ちゃん!」

京子「変だよ結衣!そんなの付き合ってるって言わないじゃん!」

千歳「ごめんな船見さん、うち、綾乃ちゃん追いかけるわ」

千歳「今日はありがとな…歳納さんもまたな」

結衣「……」

京子「綾乃の事お願いね」

千歳「うん、それじゃ」ダッ

京子「結衣…このままでいいの?」

結衣「……」

京子「黙ってても分からないよ!」

結衣「私は…」

京子「結衣?」

結衣「いい訳無いだろ…」

結衣「私はお前みたいに出来ないんだよ!」

京子「……」

結衣「無茶な事言って嫌われたりするのが怖いんだよ!」

京子「結衣は今より仲良くなりたい、もっと好きになりたいと思わないの?」

結衣「……」

京子「結衣はどうしたいの?綾乃とどうなりたいの?」

京子「……」

京子「私も今日は帰るね…」

結衣「……」

京子「結衣……素直になりなよ…」

京子「今日はありがと…またね」

バタン

結衣「…...」

結衣(私は何で…)




綾乃(……)トボトボ

綾乃(私のせいで船見さんを…)トボトボ

綾乃(私…全然変わって無いじゃない...)ジワ

綾乃(大好きなのに…私の事分かってくれるのに)

綾乃(それなのに……)

アヤノチャーン

綾乃「?」

千歳「良かった…追いついた」ハァハァ

綾乃「千歳…」

千歳「綾乃ちゃん…このままでいいの?」

綾乃「……」

千歳「船見さん…ほんまは寂しいと思うよ?」

綾乃「…うん……私…」

千歳「しっかりせな、綾乃ちゃん」

千歳「こんだけ綾乃ちゃんの事分かってくれる人なかなかおらんで」

綾乃「…分かってる」

千歳「綾乃ちゃん…このままじゃ船見さん、おらんくなるよ」

綾乃「それは嫌よ!」

千歳「なら頑張らんとな…」

綾乃「……ごめんね」

千歳「私の事はいいんや。 それよりちゃんと仲直りするんやで」

綾乃「…うん」



~日曜日~

結衣「ん…朝か…」

結衣「昨日から全然寝れない…」ハァ

結衣「綾乃…何してるかな…」

結衣「気晴らしに散歩でもするか」



結衣(明日、綾乃に何て話そう…)テクテク

結衣「……はぁ」


あかり「!」

結衣(いい天気だな)テクテク

あかり(……)コソコソ

結衣(付き合ってから綾乃と何かしたっけ…ずっと寂しい思いさせてたんじゃ…)テクテク

あかり(……)コソコソ

結衣「ん?」クル

あかり(…!)ビク

あかり(……)ササッ

結衣「……」

結衣「……」テクテク

あかり(結衣ちゃん行っちゃうよぉ)ダダッ

あかり「あれ?いなくなっちゃった…」

結衣「あ~か~り~」

あかり「!」ビク

結衣「何してるの?」

あかり「あ…あれ~……結衣ちゃんだ…」アセアセ

結衣「何でコソコソついて来てんの?」

あかり「ぐ…偶然だよぉ」

結衣「偶然か…それなら仕方ないな、それじゃあなあかり」

あかり「あ~ん!待ってよぉ」

結衣「で…何でコソコソしてたの?」

あかり「……結衣ちゃん見つけたのは偶然なんだ」

あかり「あかりもお散歩してたの」

結衣「それで何で?」

あかり「何だか結衣ちゃん元気なくって……それで…」

結衣「……」

結衣「あかりは変に気使うんだから」ハァ

結衣「せっかくだしそこで飲み物でも飲もうか?」

あかり「うん!」

・・・

結衣「あかりは何がいい?」

あかり「あかりはねぇ…ぴっちょんオレンジかな」

結衣「ぴっちょんオレンジね」

ガコン

結衣「はい、あかり」

あかり「ありがとぉ、はいお金」

結衣「いいよ、私のおごり」

あかり「いいの?」

結衣「あかりはいつもいい子だからな、ご褒美だ」ナデナデ

あかり「わーい!ありがとぉ」

あかり「結衣ちゃんはブラックコーヒーなんだね」ンクンク

結衣「あかりはこれ好きだな」チビチビ

あかり「うん!いつかあかりも飲めるようになるんだぁ」

結衣「……」

結衣「あかりは私に何も聞かないの?」

あかり「……」

あかり「結衣ちゃんが話したいならあかりは聞くよ?」

結衣「…あかりはホントいい子だな」ナデナデ

あかり「えへへ」

結衣「綾乃とね……喧嘩じゃないけど、上手くいかなくってね」

あかり「……」

結衣「難しいね…友達だとこんな事無かったのに」

あかり「結衣ちゃん…」

結衣「私は京子みたいに言いたい事や、相手の心に入っていくような事が出来ない…」

結衣「ホントは私だって…...」

あかり「結衣ちゃん…」ギュ

あかり「大丈夫だよ…」

結衣「あかり?」

あかり「だって…お買い物してる結衣ちゃんと杉浦先輩……凄く幸せそうだったもん」

あかり「だから…ね?」

結衣「……うん」

結衣「……」

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