美希「WORLD is LOVEなの!!」 (241)


/765プロ事務所

美希「Zzz…Zzz…」

あずさ「あら…うふふ…」

春香「千早ちゃん、そこのクッキー取って~」

千早「春香、行儀悪いわよ?」

春香「えへへ…」

リポーター『そう…私達は今バケーション・アイランドに来ているんです!』

響「ここ、自分の故郷の近くだぞ!」


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真「いいなぁ~ボクもリゾート行ってみたいなぁ」

雪歩「みんなぁお茶がはいったよぉ」

一同「わぁーい!」  ガチャ

P「ただいま」バタン

一同「おかえりなさーい」

P「おっ今日はみんな勢揃いだったな、丁度良かった」

律子「…あ!もしかして決まったんですか?」

P「あぁっ!!」


このSSは

春香「芸能事務所対抗!運動会ですよ!運動会!!」

等の続きになります。

未読の方はこちらをお読みください。

よろしくお願いします。


一同「バケーション・アイランド国際音楽祭?」

真「…あれ?この島って…」

響「さっきTVで見たところだぞ」

伊織「…島内には、野外ステージ・プール・遊園地など様々な施設が目白押し…」

伊織「へぇ~」

あずさ「素敵な所ねぇ」

亜美「亜美達もこんな所で余生を過ごしたいよぉ」

真美「うんうん」


春香「でも、これがどうかしたんですか?」

P「オホン…」

P「…実は…765プロがこの音楽祭に正式に招待されたんだ!!」

一同「ええっーー!!」

律子「二泊三日の豪華旅行付きでね!」

P「ただし…」

一同「やったぁー!!」


やよい「りぞーとなんて夢みたい☆」

あずさ「すごいわねぇ~」

千早「世界の歌手が集合する機会に立ち会えるなんて…光栄です!」

真「ほら美希起きてよ!大ニュースだよぉ!?」

美希「もう少し寝かせてなの…」

春香「わぁー買い物行こう!」

貴音「して…出発は何時なのでしょう?」


律子「ちょっちょっと!ストーップ!」

P「いやぁ…だから…」

P「全員が参加できるわけじゃ…ないんだ」

一同「えぇっーっ!?」

P「それで…今回参加するメンバーは…」

一同「……………」ゴクリ


夜/ファミレス

雪歩「うぅ…緊張するよぉ…私まで代表だなんて…」

真「大丈夫だってば」

貴音「そうですよ?雪歩、そんな事では…勝てる戦も勝てません。」

真「美希?どうしたの?ぼんやりして…まだ眠いの?」

美希「ううん!!むしろ今日は眠れるかどうか心配って感じ!」

美希「だって!みんなとのリゾート旅行なんだよ!?」

真・雪歩「「あはは…」」


美希「それにそれに…ハニーと一緒に旅行なんて…」ポワ

美希「ハニーと二人で夕陽を見たり、ハニーと二人でディナーしたり…」

美希「そして夜には!…星空の下でぇ…」キラキラ

貴音「美希?仕事で行くのですから、それは在り得ないかと…」

美希「むぅ~いきなり現実に戻らせないでなの!」

雪歩「うふふ…」

貴音「ふふふ…」

真「あはは…」


雪歩「美希ちゃんは本当、恋する乙女って感じだね」

雪歩「私も…そういう気持ち、わからないと…」

雪歩「次のステージ…ちゃんと出来ないのかな…」

真「そうなんだよね…音楽祭で歌う『eden』って恋の歌だから…」

真「ボクも恋なんてした事無いし…貴音はどうなの?」

貴音「いえ…私もその様な経験はまだ…」

真「そっかぁ…歌もダンスもレッスンはしてきてるんだけどね…」


美希「恋と歌……ハニーとデート…!!あぁあああああああっ!!」ガチャン

真「うぇっ!?」

貴音「?」

雪歩「っ!?美希ちゃんどうしたの?」

美希「ふっふっふっふ…みんな!!」キリッ

美希「恋もステージもミキに任せて!!」


キィィィィィィィィイイン…


一日目・昼/バケーションアイランド・ホテル前

美希・真・雪歩・貴音「「「「ここが…バケーションアイランド!!!!」」」」

P「さて…チェックインして…っと」

美希「ねぇねぇ!ハニー?今日はお仕事無いんだよね!?」

P「ん?全く無い訳じゃあないぞ?まずは会場の下見をだな…」

真「でもでも!その後はオフですよね!?」

P「遊ぶ気満々か…お前達なぁ…」

美希「常夏の島に来たのに…遊ばないなんてお馬鹿さんなの!!」

P「…いや…まぁそうかもだけど…」


雪歩「お願いします!プロデューサー!」

貴音「では…まずは気になっていた〝べとなむ料理〟のお店から…」キラキラ

P「待って、貴音ちゃん」

貴音「ですが、あなた様?この島には今、世界各国の麺料理が集結し…」

P「四条貴音のラーメン探訪の予定はありません。」

貴音「そうなのですか…」シュン

美希「貴音ってば、落ち込み過ぎなの!島には何日も居るんだから」


真「そうそう、たっぷり時間はあるって!」

P「だからぁ…今日の午後も明日のオフも色々とだなぁ」

美希「えーミキ泳ぎたい!あ!…可愛い水着姿…ハニーだけに限定公開なの!」

P「…わかった、何とかしよう」キリッ

真「欲望に忠実過ぎますよ…プロデューサー…」

P「うん、ごめん…まっまぁ!」スッ

P「まずは、ホテルにチェックインしよう!それで荷物を部屋に…」

P「…ん?」
 


/バケーションアイランド・ホテル1F・ロビー

??「どっ…どうする?凛、加蓮…」

渋谷 凛「…とにかく…スケジュールでは…会場の下見するんだよね?」

北条 加蓮「えっと…私達だけで行くの?奈緒?」

神谷 奈緒「そっそうするしか…あ、PASSとか必要なのか?」

凛「え?あ、そっか…プロデューサー…置いて行った?」

加蓮「…ううん」

奈緒「あぁ…もぉおっ!!どうすんだよぉ!!」


P「…凛ちゃん?」ヒョイ

凛「おっお兄ちゃん!?え?なん…」

加蓮「あ、土下座ッ…じゃない765プロの…」

奈緒「うっ後ろに居るのって765プロの…うわぁほっ本物だ…」

美希「…むぅ…」ムス

雪歩「あ、えっと…あの子が…プロデューサーの」

真「うん…そうみたいだね…」

貴音「美希?眉間に皺が寄っていますよ?」


凛「…そっかお兄ちゃん達もこのホテルだったんだね」

P「凛ちゃん達も?」

凛「うん、そうだよ…私達は今朝着いて…」

P「そう、あぁ凛ちゃんのプロデューサーは?…挨拶を…」

凛「えっと…」チラ

奈緒「えーと…」チラ

加蓮「今、船に乗って本土に戻りました…」

P「え?え?本土に戻ったぁ?」


雪歩「確か…船は午前と午後の二便だけで…」

真「ボク達が乗って来たのが午後の便だから、あの船に乗って行くと」

貴音「…翌朝まで戻っては来られないと…言う事ではありませんか?」

真「どうしてそんな事に?…C・Gプロからはキミ達だけしか来て無いの?」

奈緒「あ、はっはい、そうなんです…」

P「プロデューサーが本土に帰るなんて…何かトラブル?」

凛「うん…そうみたい…」

P「…そうか…それは困ったねぇ…」


加蓮「島に居るのは私達三人だけ…音楽祭中に応援に来てくれる子も居るけど…」

奈緒「前乗りして雰囲気掴んでおこうって…まさかこうなるとは…」

凛「…プロデューサー不在じゃあ…ステージプランも練れないし…」

P「…凛ちゃん達のプロデューサーが戻ってくるのは、明日かな?」

奈緒「…いえ、多分…明後日?くらいだと思います」

凛「一度…東京に戻らないといけないって、そう言ってたから…」

P「そう…でもフェスの一日目には間に合うんだね?」

加蓮「え?まぁそうです…けど…」


P「…凛ちゃん、プロデューサーか事務所の方に連絡つく?」

凛「え?」

真「…(これは…)」

雪歩「(もっもしかしてぇ…)」

凛「電話すれば…事務所にはちひろさんも居るし…」

P「…もし良かったらだけど、不在の間だけでも俺が面倒看ようか?」

凛・奈緒・加蓮「「「…え?」」」

美希「むぅ~!そんなお人好しな事しなくっていいの!」


P「いや、でもな?美希、困った時はお互い様って言うだろ?」

美希「もぉ~…」

P「美希…もし自分達が同じ様な状況になったらって考えてもみろ?」

真「まぁ…完全に初めての土地で…」

貴音「…初参加の音楽祭…」

雪歩「プロデューサーが不在…うぅ…私だったら穴掘って埋まっちゃいますぅ!」

加蓮「あっ穴?」

真「…うん、確かにプロデューサーの言う通りですよね」

P「ありがとよ、真。雪歩と貴音もかまわないか?」


貴音「えぇ…人を助くるは菩薩の行と申します…」

雪歩「はい、もちろんですぅ!」

凛「ほっ本当に…いいの?」

P「あぁいいのいいの 美希「よくないの!」

真「美希…ちょっと落ち着きなって」グイ

美希「む~!真クン離してなの!!」ズルズル

P「じゃあ、凛ちゃん事務所の方で、今連絡取れる人って」

凛「あ、少し待って…ちひろさんに…」ポパピプペ


雪歩「美希ちゃん、落ち着いて?ね?」

貴音「美希、懐深く…分け隔てなく受け入れる事が肝要ですよ?」

美希「だってだってだって!このまんまじゃミキのプランが台無しなの!!」

真「あぁ…本当にやるつもりだったんだ…デートレッスン…」

美希「みんなだって、デートしたいでしょ!?」

雪歩「うぅ…そうストレートに言われると…はっ恥ずかしいよぉ///」

貴音「確かに…歌の為にでぇとするとは…申しましたが…」

美希「あの子達が居たら実行出来ないの!」


千川 ちひろ『はい…では申し訳ないのですが…お願いします。』

P「はい、搬入や手配だけですので、書類なんかは…」

凛「…私達は持って無いから…」

ちひろ『ホテルにメールして印刷して貰います!お手数ですが…』

P「わかりました、ではそれを受け取って」

ちひろ『はい、お願いします…』

P「…大切なアイドルの子達をお預かりするんです」

P「細心の注意を払ってお守りしますので…御安心下さい」


凛「…お兄ちゃん…」

ちひろ『…よろしく、お願いします…』

P「はい」

ちひろ『あ!高速便でドリンクを差し入っ』バッ

凛「もしもし?ちひろさん?」

ちひろ『あっヤバそれじゃあ凛ちゃん?連絡は小まめに取りましょうね?』

凛「そうだね、すぐ電話には出れるようにしておくから、それじゃ」ピッ


P「…切っちゃってよかったの?」

凛「いいの、全くあんな得体の知れないのを…」ブツブツ

P「?…まぁそれじゃあ、俺達と一緒に会場の下見に行こう」クル

奈緒「あ、はい!よろしくお願いします!!」

加蓮「お願いします」

凛「お願いします…」

P「うん…あれ?ウチの…四人は何処に…」


真「すみません、プロデューサー!」

P「あぁ、まずはチェックインだけ済ませてくるから」

美希「ミキといっしょの部屋だよね!?」

P「そんな訳無いだろ!凛ちゃん達ちょっと待っててね」スタスタ

凛「うん…」

美希「………………………………」ジィー

凛「……なにか?」

美希「…別に…なんでもないのっ」プイ


真「コラっ!美希!」グイ

美希「んんぅ~!!」ジタバタ

雪歩「ごっごめんなさい!ごめんなさい!」

凛「あ、いや…そんな……私達がお世話になるんですから…」

貴音「…渋谷 凛と…申しましたか?」

凛「はっはい…」

貴音「あの方のお人よしな所は美徳に御座います…それは…」

貴音「私達、皆が承知の上では御座いませんか?」


真「そうそう!遠慮する事なんて無いよ!」

凛「…ありがとう…そう言って貰えると嬉しいです」

加蓮「…本当言うとさっきまで三人でどうしようかって…」

雪歩「困った時はお互い様ですぅ」

奈緒「あ、ありがとうございます…よろしくお願いします。」

加蓮「固いなぁ~奈緒ってば」

奈緒「なっだっだってよ!皆さん先輩で」

真「全然本当にいいのに」


加蓮「奈緒は雪歩さんのアルバム、超ヘビロテしてるんですよ」ニコニコ

奈緒「ちょっ加蓮!!」

雪歩「わぁ…本当ですかぁ?ありがとうございますぅ!」ギュ

奈緒「あっわわっ…///あ、えっと…げっ限定盤買いました…///」カァアアアア

雪歩「嬉しいですぅ…」ニコニコ

奈緒「かっ加蓮も!真さんの写真集とアルバム買ってたよな!?///」

加蓮「はい、本当にカッコイイですね!」

真「あはは…」


美希「………………………………」ツーン

凛「………あの…」

P「お待たせ~」タッタッタッタ

美希「もぉ~ハニー、遅いの!」

凛・奈緒・加蓮「「「…ハニー?」」」

真「わぁー!わぁー!違うっ違う!!」ブンブン

雪歩「あっあの!あだ名みたいなもっものなんですぅ!!」アタフタ

美希「…むぅ」ムスッ

P「そっそれじゃあ、部屋はだな…」


/バケーションアイランド・メイン会場

奈緒「うわ…広い…」

雪歩「…こっここで…歌うんですか?プロデューサー?」

P「ん?そうだな、式典とかを中心にこのメイン会場で活動する」

P「裏手が森だからな…大音量でいけるぞ?」

P「それで、東の方にサブ会場A西にサブ会場Bがある」

P「他にも砂浜の特設ステージとか、ショップ通りの広場とかでも歌うからな」

美希「そんなにたくさんステージがあるの?」

P「フェスの開催中は引っ張りダコだからな?」

美希「大丈夫!任せといてなの!!」


真「うん…広くって…何かやる気出てきたって感じです!!」

貴音「祭りの前というのは…心が躍るものですね」ニコニコ

加蓮「すごいなぁ…」

凛「…でも、私もそうだよ…ワクワクしてる…」

奈緒「私達は、サブ会場が主なステージスケジュールだな…」ガサ

奈緒「うぉ…それでもこんなに収容人数が…」

雪歩「しゅっ収容人数の話はしないで下さいぃい…」ガタガタ

加蓮「え?でも、765プロの…ライブではこのくらい…」


真「うん…ステージに出てしまえば雪歩も大丈夫なんだけどね?」

貴音「それまでは、少々…」チラ

雪歩「うぅ…ココにたくさんの人が人が…あわわわ…」ガタガタ

P「よっよし、下見はこのくらいにして…」

貴音「では、昼食に致しましょう!」キラッ

凛「四条 貴音のラーメン探訪?」

奈緒「え?生で見れるの?嬉しいなぁ!」


/バケーションアイランド・レストラン・屋台街

真「それで?貴音、行きたいって言ってたのは…」

貴音「はい…この辺りの…はず…」キョロキョロ

美希「あ!貴音、あれじゃないの?」

貴音「!そうです、こちらです」

/ベトナム料理店~NIJYUROU~

貴音「頼もう!!」 ガチャ ピンポンピンポン♪

雪歩「…?呼び鈴?…」


加蓮「ベトナム料理…へぇ食べた事無いなぁ」

奈緒「楽しみ~」

凛「え…?」ギョ

真「…何だかすごく…その…」

P「…日本のラーメン屋みたいだな…コレ」

店員「…ラッシャイ…」

貴音「では…いざ!!」

一同「……怪し過ぎる」


雪歩「…出てきた料理は…普通にベトナム料理みたいですけどぉ…」

奈緒「そこがまた逆に…怪しい…」

加蓮「…いた…だきます」パク

真「…ん!おいしいっ!!」

凛「おいしい…これ海老団子だったんだ…」

美希「ん~♪ココナッツがまろやかでおいしいの~」

貴音「…ふむ…この、爽やかさを加えた香り…何とも…」


貴音「米粉の麺…このこしの無さは実に面妖ですが…この酸味、酢橘でしょうか?」

奈緒「?スダチ?ライムじゃないですか?」

貴音「らいむ?」

加蓮「あれ?ライムとスダチって…何がどう違うの?」

真「…何だったかな?あんまり気にした事…味以外だと…」

P「種類の違う柑橘類だから、ライムはレモン寄りでスダチは柚子寄りの」

奈緒・加蓮・真「「「へぇ…」」」

貴音「なるほど…らいむとは檸檬に近いものなのですね…それと米粉の麺…」


貴音「…大将…天晴れです!」ドドンッ

店員「…アリガトゴジャマス」

凛「…本当にこんな感じなんですか?いつも?」

雪歩「あはは…はい…」

P「ん?電話…おぉ…律子からだ…」ピリリリリリリッピリリリリリリリッ

美希「ふふふ…律子から、お説教されちゃえばいーの」ボソ

P「なんでだよ…」ボソ スタスタ…ガチャ ピンポンピンポン♪

凛「…………………」


奈緒「あ、そうだ…忘れない内に…あの雪歩さん」

雪歩「はっはい、なんですかぁ?」

奈緒「さっき、事務所の子達に連絡したら…雪美から…はい」サッ

佐城 雪美『……雪歩……ひさしぶり…』フリフリ

雪歩「わぁ…雪美ちゃん!可愛いですぅ!!///」

加蓮「動画メール?」

奈緒「あぁなんかちひろさんに、撮ってってせがんだらしい」

凛「珍しいね、雪美が…」


雪美『…また…お茶会……しよーね…』

雪歩「…雪美ちゃん…うぅ…」ジワッ

真「雪歩!?何で泣いちゃってるの?」

雪歩「何だか、ぼっ母性というかぁ…うぅ…」

加蓮「あ…こっちには……ん??」

凛「どうしたの?加蓮……あぁ…熊本弁か…」

真「熊本弁?」


加蓮「その、C・Gに所属してる神崎 蘭子って子がその…少々難解な…」

雪歩「あ、あのゴスロリ着てた子?」

奈緒「え?蘭子ってメールでも熊本弁なの?」

貴音「…熊本…豚骨と焼き大蒜ですね?」

美希「えーと…貴音、多分ラーメンの話では無いの」

加蓮「見せた方が早い…かな?コレ…」スッ

『From:神崎 蘭子 本文:銀月の女王へミネルヴァの梟の便りを…我が瞳は今宵も美しき月を捉えていると…』

真・雪歩・美希「「「……??」」」


貴音「…ふふふ…神崎 蘭子からの…気鋭が伝わりますね」

真「わかるの!?」

貴音「少々、こそばゆい気も致しますが…うふふ」

雪歩「うぅん…何と言うか一つ次元が違う気がしますぅ…」

美希「なんでわざわざ、難しく話すの?」

加蓮「あの…貴音さん…因みに蘭子は何て…?」

貴音「…私に伝えて欲しい…貴女を目標に頑張っていると…」

凛「美しき月を捉えて…あぁそういう事か…」


雪歩「(…でも、この詞的な表現…いいかも!)」

加蓮「(表情がコロコロ変わって可愛い人だなぁ)」

真「貴音が目標か…ボクも誰かにそう言われたいな…」

美希「真クンはみんなの憧れなのっ!」

雪歩「そうだよ!真ちゃん!」

真「…それ、女の子達が理想の男性像とかって事でしょ?」

美希・雪歩「「…えへっ」」

真「笑って誤魔化されないからね」


加蓮「でも、真さんなら…」ドキドキ

凛「加蓮…失礼だよ」

奈緒「加蓮ってそっそそっそっちの気があるのかっ!///」ガタッ

加蓮「無いよ、でも…こんな素敵なリゾート…デートくらいしたいって思わない?」

美希・真・雪歩・貴音「「「「!!!!」」」」ガタタッ

凛「?…どうしたの?」

真「あ、いや…そっその」

雪歩「みっ美希ちゃんの言葉で余計に意識しちゃってるよぉ」


美希「ミキのせいじゃないもんっ」プイ

奈緒「…あの…何の話ですか?」

真「…実はね、ボク達、音楽祭用に新曲を用意したんだけど」

加蓮「新曲!!」

真「その曲のテーマというか、イメージが恋の…なんというか」

貴音「恋に対する焦燥感、自分ではどうしようもない心の感情が見え隠れするのです」

凛「恋に対する…焦燥感…」

奈緒「そっそれ聞くだけでも、すごい大人な曲って感じしますね」


雪歩「…でもぉ…私、そういうの…うぅ…///」

奈緒「恋…かぁ…うーん…私も///」

加蓮「それが、私の言った〝デートくらいしたい〟っていうのとどう繋がるんです?」

真「…まぁ…疑似デートを」

加蓮「え?真さんとですか?」

真「違うよ!!」

美希・雪歩「「そっか!」」ポム

真「その手があったかみたいな顔しないでよ!!」


貴音「…あの方と…逢引の真似事をして…みよ…うか…と///」カァアアア

奈緒「あの方って…え?プロデューサーさんと?」

美希「そうだよ?だってぇハニーとじゃなきゃダメなの!」

凛「え?」

真「あぁもう、美希、ややこしい事になるからやめてよ」

美希「え~?何が?」

真「その、はっハニーって呼ぶの、禁止されただろ?」

美希「…むぅ…ヤなの」プイ


真「もぅ美希…」

美希「ミキはミキの好きなように呼ぶの!」

奈緒「だからってハニー呼びは…その…誤解されるんじゃ…」

美希「誤解されちゃってもいいの…むしろ好都合って感じ♪」

凛「……………」ムス

加蓮「…恋のレッスンかぁ…私達もそれ、参加しちゃおうか?」

美希・真・雪歩・貴音・凛・奈緒「「「「「「え!?」」」」」」

奈緒「加蓮、おまちょっ何言ってんだ!?」


加蓮「楽しそうでしょ?恋のレッスンなんてさ」

凛「楽しそうって…わっ」グイ

加蓮「…いいでしょ?〝お兄ちゃん〟とデートだよ?」ボソボソ

凛「……やっやる///」

真「え?ほっ本当に?」

加蓮「本当ですよ?…私達の方が先に約束したら…明日は埋まっちゃうかも…」チラ

美希「!!」バッ

雪歩「みっ美希ちゃん!?何処に」


加蓮「凛!!」

凛「……………」バッ ダダダダダダダッ

美希「邪魔しないでなの!」ギュム

凛「…負けないから」ギュム  ガチャ ピンポンピンポン♪

美希「ハニー!!ミキとデートして欲しいの!!」

凛「お兄ちゃん!!明日、デートして!お願い!!」

P「…え?」

律子『…プロデューサー…早く帰ってきて下さいね…聞きたい事があるので』

P「待って律子ちゃん、俺にもさっぱ(ブツッ)ああああああ…」ツーツー…


夕方/バケーションアイランド・ホテル前

P「…恋のレッスン?」

美希「ABCなの!」

P「…え?本気で言ってんの?」

真「まぁその…///ボク達、そういう表現力に欠けてるかな…って///」

雪歩「そこで、疑似的にでも…///」

貴音「…出来得る事は、なるべく多い方が良いかと…」

P「なるほどねぇ…で、…えっと?」チラ


凛「………………なっなに?///」

P「いえ、凛ちゃん?…凛ちゃん達もJoinしちゃうアレですか?」

凛「そうだよ?悪い?///」ジトー

P「他の事務所の大事なアイドルを預かってる身としましてはね?」

加蓮「まぁ、コレも一種のレッスンって事で」

P「レッスンって…」

加蓮「あの765プロの敏腕プロデューサーは、普段どんな風にアイドルの子達の」

加蓮「モチベーションを上げ、パフォーマンスを向上させているか?」

P「…が、建前で?」


加蓮「ぶっちゃけ遊びたいかな」

P「ぶっちゃけたなぁ…」

美希「ハニーはミキ達とデートするの!」

P「明日だってリハーサルとか色々あるんだぞ?」

加蓮「その合間を縫ってなら大丈夫ですよね?」ニコニコ

真「お願いします!プロデューサー!」

P「でもなぁ…」

加蓮「いえいえ、真さん…そうじゃなくって…ゴニョゴニョ」


真「…え?…あ、うん///…じゃあみんなも…ゴニョゴニョ」

加蓮「凛も、奈緒もだからね!」

奈緒「うぅ…なんでみんなそんなノリノリなんだよぉ…///」

P「?」

真・加蓮「「それじゃ、いくよ?せーの…」」


「「「「「「「デートしてくれま、す、か?♪」」」」」」」


P「もちろん!!」

美希「やったの~♪」


P「あぁっ!しまった、つい!」

加蓮「それじゃあ、私達はあっちで順番決めましょうか?」

凛「くじか何か用意した方がいいかな?」

奈緒「もう、あみだでも何でもいいだろ…」

真「あ、トランプあるからそれで決めない?」

雪歩「ババ抜きとか、大富豪で決めるの?」

貴音「…大富豪…?」

美希「それじゃ、ハニー!デート、楽しみにしてるの!」

P「…スケジュール組み直すか…」


二日目・朝/バケーションアイランド・ホテル前

P「…ふぁ…」

真「おっはよーございまーっす!!」シュタッ

P「おう、真おはよう…ワンピース似合ってるな」

真「!…へへっ///」

P「一番手は真か…しかし…こんな朝早くからになるとは…」

真「あはは…まぁデートの相手が7人に増えちゃいましたからね」

P「なんでかなぁ、八つ裂きになる未来しか予想出来ない…」

真「怖過ぎますよ」


P「それじゃ…朝ご飯を食べよう!」

真「はい!プロデューサー!」

P「一日の活力源だからな、ホテルからは少し離れるんだがいいか?」

真「えぇ大丈夫ですよ、どんな所なんですか?」

P「森の方にカフェがあるみたいでさ、そこにしようかと」

真「はい、プロデューサー!デートですよ!デート!!」

P「春香の真似?」

真「へへーっ、なんかテンション上がっちゃって」


P「確かに滅茶苦茶テンション高いなぁ…」

真「リゾートとか来た事なかったけど、いいですねぇ…くぅ~!」

P「うん、ランニングとかするには最高か…走って行こうとか言わないでくれよ?」

真「ボク!ワンピースで走ったりしません!」

P「ごめんごめん、でも…スゥーハァ…いい朝だ」

真「…スゥー…ハァー…本当ですね…」

P「なんか、島特有の空気というか」

真「あ、そうですよね!まったりとして…異国っぽくもあるけど…」


P「不思議な感覚だけど…ウキウキ?かな?」

真「良い所ですね!…今度は観光に来たいなぁ」

P「スケジュール調整が難しそうだけどな~」スタスタ

真「…ちぇ…」タッ

/バケーションアイランド・森・入口

P「…森は生きています…」

真「そっそうですね…」

ギャギャギャ…ピーピピピッ……ガザガササッ


P「流石南国…えっと?カフェはこっちだ…真?」

真「こっちですか?左の方じゃ…?」

P「…え?…地図で見ると…やっぱり右の方だよ」

真「あぁ…ちょっと不親切ですね…迷いやすいというか」

P「う~ん…簡易な地図だからかな?森の中ってのがまたな…」

真「立て看板か何か設置したら…いいと思うんですけどね」

P「確かにな…あ、見えてきた…あそこだな」


/バケーションアイランド・森のカフェ

真「わぁ…いいですねぇ…テラスに木のテーブルセット!」

P「…少し海風の匂いもして…南国って感じするな!」

真「くぅう!乙女ちっく!!」グッ

P「そんな拳に力入れて言う台詞じゃないと思うぞ…」

真「ハッ!すっすいません…」

P「ほら、座ってメニュー選ぼうぜ」

真「はい!お腹空いたな~」パラ


P「モーニングも結構充実してるな…」

真「あ、リコッタパンケーキ…おいしそう…」

P「…チャパタサンドにしようかな…チーズチリうまそう…」

真「あ、プロデューサー飲み物何にします?コーヒーですか?」

P「いや…飲むヨーグルトで…」

真「…フクッ」

P「なんだよ…」

真「…いえ…ちゅっ注文しましょうか…」プルプル


P「――ん!うまっピリッとしてる」

真「う~ん…クリームもたっぷり…幸せ…ふふふ…」

P「…いい気分だ…うん」

真「……………………」ジー

P「…?真?」

真「え?なっなんですか?」

P「いや、ボーっとしてたから、まだ眠いのか?」


真「いえいえ、目は覚めてますよ?…まぁその、こんな朝早くに」

真「プロデューサーと二人って珍しいなって」

P「確かにそうだな…」

真「なんだか、新鮮で…嬉しいんです」

P「嬉しい?」

真「はい…一人占めって感じで!」

P「ッ!///…そっそうっすか…///」

真「へへっ!///」ニコニコ


真「(なんでもない時間を一緒に過ごすって大切な事なのかも…)」

P「…ぷは…」コト

真「プロデューサー?口元ついてますよ、ヒゲじゃないんですから」スッ

P「おぉ…いや、自分でフムブブ…」フキフキ

真「意外とお子様ですよね~プロデューサーって」

P「え?なっなんだよ…」

真「まだ見た事無い顔…もっと見たくなっちゃいますね!へへっ!」ニコ


/バケーションアイランド・港

真『次の子は港で待ってますから!』

P「って言ってたけど…何処に…あ!」キョロキョロ

加蓮「お兄さーん、遅いですよー」フリフリ

P「あぁごめん、…ってお兄さん?」

加蓮「ふふっ…凛が〝お兄ちゃん〟なら…私はお兄さんって呼ぼうかなっと」

P「…アレ?なんだろう、鮫の餌になる未来が見える」

加蓮「?どうしてです?お兄さん?」

P「いや、なんだか…なんでもない…」



加蓮「ふふっ変なの」ニコニコ

P「…加蓮ちゃんは…」

加蓮「あ、お兄さん…出来れば私の事は加蓮って呼んで下さい」

P「呼び捨てでいいの?」

加蓮「はい、なんかあんまり男の人からちゃん付けって…慣れなくて…」

P「そうなんだ…凛ちゃんもそう思ってるのかな…?」

加蓮「んー…!なら今度呼び捨てにしてみたらいいんじゃないですか?」ニヤニヤ

P「そっか…じゃあ…加蓮?」

加蓮「はーい♪」


P「何処か行きたい所ある?」

加蓮「えぇ~…そういうの、女の子に聞きますかぁ?デートなのに~」ジトー

P「そっそう言われても、昨日の今日で島の全体像は掴めて無いんだよね…」

加蓮「それも…そっか…」

P「ま、だから、何処か行きたい所があれば…」

加蓮「う~ん…そうだなぁ…あ!アレ!アレ!乗りたい!」ビッ

P「…アレって…『バケーションアイランド・遊覧船』…船か…」

加蓮「もうやってる…みたいですね!」

P「じゃあ行ってみようか…」


/バケーションアイランド・港・遊覧船のりば

加蓮「わぁ…カワイイ!そうだ、ちょっと一枚…」ピピッパシャ

P「お待たせ」

加蓮「あ、お兄さん、チケット買えました?」

P「それが出演者用の…AAA(ACCESS ALL AREA)PASSで無料になるんだって」

加蓮「へぇすごぉい!あ、でも私の分は…」

P「大丈夫♪一枚のAAAPASSで5人までOK!」

加蓮「やった、朝早めだから、人もほとんど居ないし…ラッキー」

P「本当だね、乗ろう乗ろう」ガタストン…

加蓮「一番前…あ、空いてる」スタスタ


/バケーションアイランド・遊覧船・南海上

加蓮「うわぁ!すごいすごい!!あっ!カモメ?」 バササッ

P「…嘴が黄色っぽかったから、ウミネコかも、おっと」グラッ

加蓮「こんな沖縄近くにも、ウミネコっているんだぁ、あははっ」

P「(クールで大人びた印象だったけど、笑うと年相応だなぁ…)」

加蓮「ん~…海の上って気持ちいい…あー明日からフェスかぁ…どうなるかな…」

P「フェス自体は初参加って訳じゃ…ないんだよね?」

加蓮「一応は、海外ツアーとかもこなしてきてるからね!」ガタ

P「あぁ…CGプロって海外ツアーよく組んでるよね、あれってどうして?」


加蓮「それは、ちひろさんが…」

P「?昨日話した…事務員さん?だっけ」

加蓮「そう、ちひろさんがそういう企画の人脈持ってるみたいで」

加蓮「京都行ったり、ブライダルショーとか…あ!この前の運動会も…かな?」

P「へぇ…凄腕の…本当に事務員なの?」

加蓮「仕事早いよ、それにスケジュール管理も」

P「えっとプロデューサーは?どういう仕事を?」グラグラ

加蓮「現地での司令塔って感じなんだよね、ウチのプロデューサーは」


P「なるほど…ステージ自体のプランをするって事か…面白い分担というか」

加蓮「変わってるよね、後、スカウトもするね…むしろそれがメイン?」

P「765プロにはプロデューサー、俺と律子だけだからねぇ…」

P「(企画に対するプランニングかぁ…面白そうだなぁ誰と誰を組ませたりとか…)」

加蓮「……………」

P「…あ」

加蓮「デートなのに、仕事の事考えて…はぁ」

P「デートレッスンね?レッスン」アタフタ


P「なるほど…ステージ自体のプランをするって事か…面白い分担というか」

加蓮「変わってるよね、後、スカウトもするね…むしろそれがメイン?」

P「765プロにはプロデューサー、俺と律子だけだからねぇ…」

P「(企画に対するプランニングかぁ…面白そうだなぁ誰と誰を組ませたりとか…)」

加蓮「……………」

P「…あ」

加蓮「デートなのに、仕事の事考えて…はぁ」

P「デートレッスンね?レッスン」アタフタ


加蓮「あ~そういう事言う?」

P「いや、その…ごっごめんね?」

加蓮「ふふっ…でも、仕事の事考えてる時のお兄さん…カッコイイね」ニコニコ

P「へっ!?あっありがッ うわっ!?」ガクン

P「…結構揺れるなぁ…大丈夫だった?加蓮…」チラ

加蓮「………………………………」の_の

P「…顔色が…もしかして酔って来た?」

加蓮「…キボヂワヴイ………」コクリ


P「よし、席…真ん中に移ろう揺れが少ないから…」スッ

加蓮「うん……」フラフラ

P「えっと…あった!ハイ、ガム噛んで!顎動かしてると違うぞ」

P「で…遠くの水平線とかを見てるといいから…姿勢よく座ってな」

加蓮「…詳しい…ウプ…ね」ストッ

P「少しはね、というか酔いに強いから一番前に行ったんだと思ってた…」

加蓮「一番前って酔うんだね…知らなかった…」

P「一番前が一番揺れるんだよ…ちゃんと言っておけばよかったな」

加蓮「…ヤダな…また…」


P「加蓮?どうかした?」

加蓮「あ、その…私、昔体弱くて…入院とかもしてて」

P「そうだったのか…船とかじゃない方が良かったんじゃ…」

加蓮「ヤダよ!私だって色んな事、普通に楽しみたい!」

加蓮「…ハァ…もう私ばっかり…我慢するのは…嫌…ふぅ」

P「…我慢するのと無理をするのは違うだろ?自分の身体をベストな状態にしとくのも」

P「アイドルとして、大事な事なんだから」

加蓮「…はぁい…」


/バケーションアイランド・港・遊覧船のりば

P「よっと、はい加蓮」スッ

加蓮「うん…ありがと…ッ!きゃっ」グラッ

P「おわっと!」ガシッ

加蓮「あっ///…ごっごめんお兄さん…ふらついて…///」

P「大丈夫か?ホテルまで送るか?」

加蓮「だっ大丈夫…平気、これは我慢とかじゃ…無いから」

P「そうか…」

貴音「…あなた様?いつまでそうして居られるのですか?」ゴゴゴゴゴゴゴ…


P「お、貴音…」

加蓮「ッ…///」ササッ

貴音「…何故か解りませんが…あまり良い気分では無い事は確かですね」

P「いい気分じゃないって…あっアレかもう昼だからお腹空いたのか?」

貴音「あっあなた様は、愚鈍でいけずです…」ムスー

加蓮「あはは…それじゃあ、私はココで…」

P「あぁ、昼食終わったら会場でリハーサルだから、メインの方に集合ね?」

加蓮「了解、お兄さん♪」スタスタ


/バケーションアイランド・レストラン・屋台街

P「…なっなぁ?貴音?」

貴音「何でしょう?あなた様?」

P「いや、その何で手を繋ぐんだ?」ギュ

貴音「?良いではありませんか…この時だけは恋人同士なのでしょう?」

P「…デート…レッスン…これは…レッスン…」ブツブツ

貴音「逢瀬の真似事ですが…あなた様となら例え真似事でも…うふふ」

P「…月面の太陽発電基地が…スーパーマイクロウェーブを…」ガタガタ

貴音「あなた様?」キョトン


貴音「では、あなた様…お昼に致しましょう!」

P「あ、そこはブレないんだ」

貴音「さぁ、参りましょう」ニコニコ

P「…おぅ、それで?何かお目当ての店とかあるのか?」

貴音「はい…確か…この辺りの…あぁこちらです」スッ

/餃子の玉将・バケーションアイランド店

P「えっ」

貴音「こちらの天津飯とらぁめんの組み合わせは此処だけの限定なのですよ」キラキラ

P「えっ」


/バケーションアイランド・広場

貴音「やはり玉将の餃子、天津飯、らぁめんの黄金とりおは素晴らしいですね…」

P「突然…髪括って…常人を遥に超える量食べてたからな…止め忘れたよ」

貴音「さて…次はどちらのらぁめん…」

P「貴音ちゃん?」

貴音「…あなた様」ムス

P「アレ?キョトンとした顔かと思ったら…なんか怒ってる?」

貴音「何故、北条 加蓮には敬称を付けず、私の事はちゃんを付けて呼ぶのです?」

P「は?え?…今のはツッコミの一種というか…別段意味は」

貴音「…つっこみ…とは…冗談の類という事でしょうか?」


P「うん、そうだな」

貴音「…そうですか…冗談で御座いましたか…」ホッ

P「?ちゃん付けが嫌だったのか?」

貴音「ふふふ…冗談でしたら、何も嫌な事はありません」

P「そっそうか…(もう訳がわからん…)」

貴音「冗談の類ならば…私もあなた様の事をお兄様とお呼びした方が良いでしょうか?」

P「…は?」

貴音「?北条 加蓮にも呼ばせて居たではありませんか」


P「いやいや、アレも加蓮が言い出した事で、意味とかは無いんだって!」

貴音「そうなのですか?…ですが、以前やよいがあなた様を兄と呼んだ際も」

P「あ、いや…えぇっとぉ…」

貴音「あなた様は…妹御の様な存在を、欲していられるのでは?」

P「たっ確かにそうかもだけど…改めて指摘されるとアレだな…」

貴音「ですので…私が妹です…お兄様?」ニコ

P「…ありがとな、貴音……でもお願い勘弁して下さい…」


/バケーションアイランド・レストラン・屋台街

P「うーむ…このジェラードうまいな…」

貴音「…このすっきりとした味わい…それでいて濃厚な存在感…」

P「貴音は…割と最初から食レポ上手だったな…」

貴音「?食れぽですか?」

P「あぁ…ホラ、川越での…」

貴音「『べにあかくん』に御座いますね…秋も深まるとあの味が恋しくなります」

P「わかったわかった、今度買ってくるよ」

貴音「いえ、あなた様」クル


P「ん?」

貴音「川越の地に赴く際は…また御一緒したく想っております」

P「そっか…それじゃあ一緒に行こうか」

貴音「はい…あなた様」ニコ

貴音「(あなた様とならば…何処までも…この身が焦がれてしまおうと…)」

P「しかし、ジェラード食べながら…他のお菓子の事、よく考えられるな…」

貴音「む…あなた様は…いけずです…」


/バケーションアイランド・メイン会場

真「あ、プロデューサー!こっちです!」

P「おう、みんな揃ってるか?」

雪歩「はい、大丈夫ですぅ。」

凛「私達の方も…でもいいの?リハーサル見学して…」

P「もちろん、見て何か感じるものがあればいいし、こっちとしても」

P「リハーサルに気合が入るってもんだよ…な?」

美希「リハーサルよりデートの方が大事なの!」

P「こらっ美希っ!!」

凛「…………………」ジィー


加蓮「お兄さん?ステージに行くの?」

P「あぁ、加蓮、そっちの…」

真「お兄さん?」

奈緒「かっ加蓮?お前何言ってんだ?」

P「ん?あぁコレは加蓮が呼び易いからって」

加蓮「765プロのプロデューサーじゃ長すぎだからね」

凛「じゃっじゃあ呼び捨てなのは…」

加蓮「…ちゃん付けじゃあ…いつまでも子ども扱いみたいな感じしない?」ニヤニヤ

凛「!!……」


貴音「えぇですので、私もお兄様と…」

美希「貴音っ!?」

雪歩「四条さん!?」

P「勘弁してくれって言ったじゃねぇか…」

真「えっとじゃあ…ボクは……あっ兄貴!兄貴で!」

P「真、落ち着いてくんねぇかな」

雪歩「わっ私、どうしよう…!ここは…義理の兄、義兄さんで!」フンス

P「雪歩、お前の中で何がムーブメントなのかわかんねぇ」


美希「ふっふっふ…みんなオリジナリティに欠けてるの…ね?ハニィに?」ニコッ

P「懐かしいネタぶつけてきやがったな、美希」

凛「いっ一周回って、お兄ちゃんが一番だよね?ね?」グイグイ

P「何を慌ててるの凛ちゃん?裾が伸びるからやーめーて」

加蓮「まぁまぁ、お兄さんも凛も落ち着いて…」

P「事の発端、事の発端だよ?」

加蓮「………………………………」チラ

奈緒「おいおい待て…なんだその目配せは…」


真「兄貴っ!」

美希「ハニィに!」

雪歩「義兄さん///」

凛「お兄ちゃん!」

貴音「お兄様?」

加蓮「お兄さん!……ほら…早く…」ボソ

奈緒「え?あっあたしも!?えっえっ!?…あ、えと……………あ、兄上?」◎ヮ◎

P「…なんでござるか?」


雪歩「フフっ…フッ…」プルプル

真「フクッ…」バッ

奈緒「あっあたしをオチに使うなぁ~っ!!///」

加蓮「ふふっ…クッフフ…」

奈緒「ぅ~っ、は、恥ずかしぃ~!///わ、笑ってんじゃねぇよ!加蓮!!///」

凛「ほら、二人ともいい加減にしな、行くよ?」

加蓮「承知致した。」

凛「ンフッ」

奈緒「いい加減にしろぉっ!///」


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

真「届かないメッセージ 不可視なラ ビ リ ン ス♪」

真「心の安らぎ導いてよ♪」

P「スピーカーは何機…」

スタッフ「はい、えーと全部でですねぇ…」

/メイン会場・ステージ横

加蓮「真さん…やっぱりカッコイイ…」

奈緒「こんな間近で見れるなんて…」

凛「…すごい…」ギュ


美希「んぅ~…雪歩の膝枕…なかなかなの…ムニャムニャ…」

雪歩「みっ美希ちゃん!次、私の番だから…おっ起きてよぉ」ユサユサ

奈緒「ほっ本当に何処でも寝られるんだなぁ…」

凛「………………………………」ジー

P「じゃあ、次は…雪歩……何してんだ美希は…」

雪歩「うぅ…プロデューサー…」

P「ほら、美希起きろ!リハ中だぞ!」グイ

美希「いやんなの♪」コロン


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

雪歩「READY SET GO!! 行きたいトコ行ってみようよ♪」

雪歩「歩いたり走ったり休んだりして♪」

/メイン会場・ステージ横

奈緒「…………すげぇ」

P「それじゃあ三人は東会場に移動するよ?」

凛「うん、わかったよ、お兄ちゃん」

加蓮「ほら、行くよ奈緒?」

奈緒「あっあぁ今行く」タッ


/バケーションアイランド・サブ会場A・ステージ

凛「振り返らず前を向いて そして沢山の笑顔をあげる♪」

凛「いつも いつも 真っすぐに 見つめて♪」

凛「弱気になったりもするよ そんな時は強く抱きしめて♪」

凛「強く そう強く あの場所へ 走り出そう♪」

/サブ会場A・ステージ横

P「…凛ちゃん、通る声してるなぁ…」

加蓮「CGプロで一番最初にCDデビューしたからね」

奈緒「でも、すっげぇ気合入ってるよな…リハなのに」

加蓮「そんなの…決まってるじゃない」ボソ ニヤニヤ


奈緒「あぁ…だよな…」ニヤニヤ

P「凛ちゃん、お疲れさま、ハイお水飲む?」ヒョイ

凛「フゥ…ありがと、お兄ちゃん」

P「…どうだった?」

凛「うん、お客さんが入るとまた違うだろうけど…気持ち良いね」ニコ

凛「空が見えるからかな?どこまでも声が届きそうだよ」

P「確かに、凛ちゃんの声すごく通ってて綺麗だよ」

凛「!!ききっ綺麗とか急に何言ってるの!?///」ガタッ

P「え?」


/バケーションアイランド・メイン会場

P「じゃあ…これでリハはOKかな…千川さんには後で連絡しておくから」

凛「うん、お願いね」

真「…次は…四人目って誰だっけ?」コソコソ

加蓮「あ、奈緒でしょ?ね?」

奈緒「い、いや、やっぱりあたしはいいよ、順番飛ばしてさ」

加蓮「ダメだよ!いい機会だし!きっと身になる事あるって!!」

奈緒「なっなんでそんなに…」

加蓮「…広場で待ち合わせて『ごめん待った?』『う、ううん全然』とかさ」

真「あーそれイイなぁ!少女漫画っぽい!」


奈緒「ちょっ真さんまで!」

加蓮「ほら、奈緒が先に待ってなくちゃダメなんだからね!」グイグイ

奈緒「おい!?ちょっ押すなぁ!」

P「無理矢理デート演出になってないか?」

真「無理矢理じゃないですよぉ!」

雪歩「大事な事なんですぅ!」

美希「もう!ハニーってばそういうトコわかってないとダメなの!」

P・奈緒「「なんなんだよぉ…」」


/バケーションアイランド・広場

P「あ、奈緒ちゃん。ごめんお待たせ」

奈緒「あ…えっと…う、うぅんぜん ぜっ///」

P「いや、無理して言わなくていいから、本当にちょっと遅れたからさ」

奈緒「そぉっそうっすか…///(馬鹿かあたしはっ!?)」

P「さて…どうしようか…何処か見て周りたい所とかある?」

奈緒「えっ?…そっそうだな…えっと…うぅ…」

奈緒「すいません…こういう…でっデートとか…初めてで…わかんないです…///」

P「…輪切りのホルマリンかぁ…」

奈緒「ジョジョ?」


P「いや、なんでも…じゃあ、露店街の方見てみようか?」

奈緒「はい…」

P「まぁ…さっきのじゃないけど、近所のお兄さんって感じでいいから」

奈緒「近所のお兄さん…」

P「そうそう、気負わなくていいし…敬語も要らないし」

奈緒「そう言ってくれると…有り難いけど…」

P「尊敬される様なタイプじゃないしねぇ…」

奈緒「そっそうなのか?」

P「うん…あんまり…」


/バケーションアイランド・露店街

P「うわぁ賑わってるなぁ…」

奈緒「なんか…異国のマーケットみたいな…」

P「本当にそうだね、あ、何か食べる?」

奈緒「あんまり、腹は減ってないけど…あ、マルメターノおじさん」

マルメターノおじさん「Meine Wurst ist kostlich!(おれのソーセージは美味いよ!)」ジュー

P「知り合いっ!?」

奈緒「いっいや、前にもこういうフェス会場でみかけたんだ」

P「へぇ…色んな所行ってるんだね…あ、二本下さい、Zweiね?2、2」

マルメターノおじさん「Danke!Paddle Dating? Viel SpaB beim Festival!(ありがとうデート?お祭り楽しんで!)」


奈緒「確かに、結構地方も海外も…おじさんはドイツで見て」

P「ドイツからかぁ…すごいなぁ、ハイ奈緒ちゃん」

奈緒「あ、ありがとう…へへっ♪あむっ! ん~うまぁい!」ニコニコ

P「(いいリアクションする子だ、番組とかでこういう子一人居ると助かるんだよな…)」

P「ドイツではどんな事したの?LIVEのパフォーマンスって言うか…」

奈緒「んぐ…えっと、私の他に智絵里ときらりっていう二人の子と」

奈緒「京町乙女って名前のユニットを組んで…」

P「京町乙女?って事は着物で?」

奈緒「そう!カルチャーギャップっての?それを狙ったんだ。懐の深いドイツの人ならわかってくれる気がするしさ」


P「面白そう!どうだった?」

奈緒「へへっ、大喝采!!言葉は通じなくても、気持ちは通じるんだよな!」ニカッ

P「奈緒ちゃん自身が考えた案なの?」

奈緒「あたしだけじゃ無いよ、会議とかもしてユニットの間でも話して」

奈緒「ステージの構成は、全体をプロデューサーが細かい所をアタシ達が決めるんだ」

奈緒「まぁ、トレーナーさんとかに相談して決めるのが多いけど…」

P「(765プロの皆からも出るアイディアがあるけど、1つのLIVE通してはまだ無い)」

P「そういう経験があるからこそ、三人だけを残してって事か…」


奈緒「ウチのプロデューサーの事?イヤイヤイヤ!そんなんじゃねーって」

P「え?」

奈緒「もっと行き当たりばったりだよ!段取りも決めて無いのに任せるじゃ困るって!」

P「…まぁそれもそうか…」

奈緒「プロデューサーが忙しいってのはわかるけど…話す時間も無いってのは…」

P「やっぱり、所属人数が多くて…手が回り切ってないって感じ?」

奈緒「ウチの事務所割と年少組も多くてさ、自然とお姉さんしないといけないから」

P「あー…奈緒ちゃん面倒見良さそう」


奈緒「へっ!?イヤ、別にアタシなんか…というか元保母さんが居るくらいだし」

P「元保母さんがアイドルっ!?」

奈緒「へへっ、結構元○○って人多くてさ、それだけで町が出来そうな感じ」

P「すごいな…」

P「(層の厚いアイドル達、企画実行力のある事務所…それに対応するプロデューサー)」

P「(世間の認知度が上がったら…ぐっと手強そうだなぁ…)」

奈緒「個性的な子いっぱいだからさ、まぁ退屈しないよ」

P「なるほどねぇ…」


奈緒「なっなぁ…」

P「?何?」

奈緒「そっその、765プロのプロデューサーから見てその、あたしってどうなのかな?」

P「え?どっどうって…」

奈緒「そのあたしには歌、ダンス、お芝居…どんな仕事が向いてるんだろうなって」

P「向いてるかって…俺が勝手な意見を言う訳には」

奈緒「いいんだって!その、他から見たアタシってどうなのかな…そう思ってて」

P「…そうだな…まず、リアクションが良い」


奈緒「へ?りっリアクション?何だよそれ芸人さんかよ…」

P「いやいや、重要なんだって!自然とリアクションが良いと画面で映えるし」

P「身近に感じてもらいやすい、つまりファン層の幅がぐっと広がるんだ!」

奈緒「…ファン層の幅…ねぇ…」

P「これはデカいんだよ?アイドルとは縁の薄い高齢の方や子供にもファンが居るって」

P「765プロで言うなら、やよいとかかな?」

奈緒「あぁ…そういう事か…なるほどな」

P「後、いじればいじる程面白くなりそうな気がする」

奈緒「ブッ!///なっ何言ってんだアンタ!?」


P「ちゃんと、ツッコミ入れてくれるし?」

奈緒「別にツッコミじゃねぇし!!やっぱり芸人さん扱いだしよ!」

P「そう、それそれ♪」

奈緒「なんだよソレ!!」

P「やっぱり、トーク番組とかに出したくなるんだよね」

P「加蓮と絡ませておけば、どんどんいじるだろうし」

奈緒「それやめてくれよ!凛とかもからかってくるんだからな!?」

P「最高じゃん」

奈緒「何がぁっ!?」


夕方/バケーションアイランド・広場

雪歩「あ、プロデューサー」

P「おう、雪歩。待たせたか?」

雪歩「いえ、全然大丈夫ですよぉ?」

P「そうか…って何か今の…」

雪歩「…あっ…本当に少女漫画みたいですぅ…ふふっ」ニコニコ

P「穴掘っては自分で埋めて、穴掘っては自分で埋めて、穴掘っては…」

雪歩「?シャベル要りますかぁ?」ジャキン

P「いや、大丈夫だ…」


P「それで?雪歩は何処か行きたい所とかあるか?」

雪歩「そう…ですねぇ…えっと…」

P「AAAPASSで、割と色んな所行けるけど?」

雪歩「そうなんですかぁ…うぅんでもぉ…」

P「何かあるのか?」

雪歩「そのちょっと…ししっしてみたい事があるんですぅ…」

P「してみたい…事?」


夕方/バケーションアイランド・砂浜

P「…いいのか?砂浜歩くだけ…なんて」

雪歩「え?いいですよぉ…夕焼けが綺麗で…その…」

P「あぁ…そうだな」

雪歩「待ってる間も…何だか幸せで、楽しみで」

P「そっそうか…」

雪歩「あっ…あのっぷっプロデューサー?」

P「うん?どうした?雪歩?」

雪歩「えっとアレですぅ!あの前にも、あと、あの」アタフタ


P「雪歩、落ち着け?な?」

雪歩「は、はいぃ…」

P「…それで?どうしたんだ?」

雪歩「あの…だっ男性恐怖症キョク克服くっ訓練を…お願いします///」

P「へ?…い、今からか?」

雪歩「はいぃ…」

P「…と言われても、えっとどっどうしたらいい?」

雪歩「はっはい…あの…うっ腕を組んでもいいです…か?///」


P「腕を組む?だっ大丈夫なのか?」

雪歩「大丈夫ですぅ…///」ドキドキ

P「そうか、じゃっじゃあ…」スッ

雪歩「……………///」スッ ギュ

P「…(2 3 5 7 11 13 17 落ち着くんだ…『素数』を数えて落ち着くんだ…)」

雪歩「…ドキドキしますぅ///…」

P「…(落ち着けるかぁあああああああああああっ!!)///」


雪歩「…ドキドキしますけど…何だか…幸せでもあるんですぅ…ふふっ」ニコ

P「そうか…(逆に考えるんだ、死んじゃってもいいやって…)」

雪歩「ふふふ…」ピト

P「…(なんか当たってる…気がする…気がするだけ…きっとそう)」

雪歩「(こんな風に、男の人と砂浜を歩けるなんて…思ってなかったなぁ…)」

雪歩「(私の世界を…いつの間にか変えてしまう…そんな存在…)」

P「…?雪歩?」

雪歩「はい、なんですかぁ?」ニコニコ


P「いや…結構歩いてきたなと…」クル

雪歩「そうですね…あっ…砂の上に…足跡が…」クル

P「…足跡…なぁ憶えてるか?雪歩」

雪歩「はい…もちろんですぅ…私は、プロデューサーに」

雪歩「…足跡の意味を…教えてもらったんですから…」

P「そうか、今は…どうだ?」

雪歩「…そうですねぇ…今も…」


雪歩「真ちゃんみたいに堂々と出来たらどんなにいいか…」

雪歩「四条さんの様な芯の強さが欲しいとも思いますし…」

雪歩「美希ちゃんと同じくらいキラキラしたかったり…」

雪歩「まだまだ、私の憧れには遠いですけど…」

P「けど?」

雪歩「私がなりたい私に…一歩ずつ近づいてますから」ニコニコ

P「…そっか!いやぁ…なんかプロデューサー冥利に尽きるな!」

雪歩「うふふ…」


夜/バケーションアイランド・ホテル前

雪歩「そっそれでは、あの…プロデューサー…あっありがとうございましたぁ…///」

P「お、おう…じゃあ明日からのフェスも頑張ろうな」

雪歩「はっはい!よろしくお願いしますぅ!」ペコリ

雪歩「えっとぉ、つっ次の子は中庭で待ってるそうなので!」

雪歩「おっおやすみなさい!///」タッタッタ…

P「あぁおやすみ…」

P「何だろ…本当に死んじゃえばいいんじゃないかな俺なんて…」

P「次は…えっと凛ちゃんか?美希か?…」


/バケーションアイランド・ホテル中庭

P「…ん…凛ちゃん!」

凛「あ…お兄ちゃん…」

P「…はぁ~すごいねココ…」

凛「うん、このホテル自慢の庭園なんだって…」

P「柔らかい灯りが…へぇ…」

凛「綺麗だよね…」

P「本当だね…幻想的って言うか…はぁ~…」

凛「お兄ちゃん、座ろ?」


P「そうしようか…っと」トス

凛「ふぅ…何だか漸くお兄ちゃんとゆっくり話せる気がする…」ポス

P「え?あぁまぁ確かに…運動会ではドタバタしてたしね」

凛「それに結局、お兄ちゃん…家に来てくれないし…」

P「ごっごめん…日曜日あんまり空いて無くて…」

凛「ん…私もそうなんだよね…こうなったら私達のオフが合った日でいいんじゃない?」

P「そうだね…その方が現実的かも…」

凛「お父さん達、仕事中でも構わないってさ」


P「仕事中にか…その方が俺的には自然な感じするかも…」

凛「ふふっ…そのまま、手伝っちゃう?」

P「渋谷さーん?今日、配送ありますかー?」

凛「『今日は無いから、掃除からお願い出来る?』」

P「うわぁ渋谷さんっぽい!」

凛「ふふっ、そりゃお母さんの真似だし…」

P「いやぁ…流石は凛ちゃん先輩」

凛「ちょっと、お兄ちゃん?」


P「最初に花屋のいろはを教えてくれたのは、凛ちゃん先輩じゃないですかー」

凛「そ、その話し方、止めてよ」

P「ふふっごめん、でも今でもちゃんと憶えてるよ?『花は心を豊かにする』とか」

凛「おっお父さん達の言葉をそのまま言ってたの!忘れて!」

P「ヤダよ、素直にいい言葉だなって思ったんだから」

凛「あぁ…もう…底意地悪い所…変わって無いね…」ムス

P「そう言う…凛ちゃんも、無愛想な所が寧ろ磨きかかってたよ?」ニコニコ

凛「何ソレ…もぅ」プイ


P「最初は警戒心強かったもんねー無愛想って言うか最早威嚇」

凛「……………」ツーン

P「渋谷さん達も、女の子が来ると思ってたらしくて、配送に回されるし」

P「でも、意外と肉体労働が多くて…筋肉痛だったなぁ」

凛「…でもお兄ちゃん…ちゃんと来てたね」

P「そりゃそうでしょ?バイトだよ?」

凛「結構中には、急に来なくなっちゃう人とか居たんだよ」

P「そうだったんだ」

凛「うん…だから、あの頃バイトの人には警戒強かったかも…」


P「そういう事だったのか…」

凛「何一人で納得してるの?私…そっそんなひどかった?」

P「ひどくは無いけど、仲良くなってからの方が驚きだったよ」

P「ピッタリくっついて来るし、あ!あの癖無くなった?」

凛「くっ癖!?なっ何ソレ!?」

P「いやぁ、凛ちゃん人の匂い嗅ぐ癖あったじゃん?」

凛「なきゃっ!?///」

P「ほら~勉強とか教えてた時にさ?腕の匂いとか嗅がれて流石に恥ずかし」

凛「私は今恥かしいよ!!///」


P「…食事とかも頂いて…本当有り難かったよ…生命線だったね」

凛「だってお兄ちゃん…家賃と学費払ったらほとんどお金無いとか…」

P「ギリギリだったからねぇ…当時は花より団子だったし」

凛「よく、花屋でバイトしようとか思ったね…」

P「大学のキャンパスから近くて、お給料も良かったし…道覚えられたし…」

P「接客とかお客さんの『こんなイメージで花束を』に対応するのは難しかった…」

凛「あぁ…イメージを形に出来る様になると楽しくなるよ?」

P「そこまでが辿り着けないんだって…」


P「でも凛ちゃんがアイドルになってたのは驚いたなぁ~」

凛「まぁ…それは…」

P「凛ちゃんは…スカウト?オーディション?」

凛「スカウトだよ、今のプロデューサーにね」

P「そうだったんだ…立ち上げ間もなかったんでしょ?」

凛「私が最初の所属アイドルだからね…」

P「おぉ!そこからあっと言う間に…150人…」

凛「私、スカウトする人とプロデューサーって別だと思ってたの」


凛「スカウトだけだと思ってたから…最初の時すっごく無愛想で」

P「?」

凛「プロデューサーって分かった後も何か…冷たい感じで接しちゃって…」

P「あぁ…なんとなく想像出来るよ…(クールだったろうなぁ…)」

凛「それでも、熱心に言ってくるから…事務所で話して…所属する事になったの」

P「そっかぁ…」

凛「お兄ちゃんは?どうして765プロに入る事になったの?」

P「え?…まぁ就職が全然ダメで、そこを高木社長に拾って貰って…」


凛「?高木社長って765プロの社長さんだよね?どういう風に会って…」

P「…偶然?」

凛「…え?」

P「いや、何か…『ほう、何といい面構えだ。ティンときた!君のような人材を求めていたんだ!』」

P「…で採用?」

凛「…そっそれで、プロデュース業って」

P「全くの未経験」

凛「凄すぎるよ…社長さんもお兄ちゃんも…」

P「別に俺は凄くないよ?」


/バケーションアイランド・ホテル1F・ロビー

美希「…遅いの…ハニー」

美希「どうせ、あの凛って子と話してて…むぅうう!」

美希「もう、ミキの時間なの!」ガタッ タッタッタッタ…

/バケーションアイランド・ホテル・中庭

P「みんな凄いって言ってくれるけど、色んな人のフォローが無かったら」

P「全然回んないし、俺一人の功績みたいに言われる訳にはいかないよ」

凛「じゃっ…じゃあもし、お兄ちゃんが」

P「?俺が?」

凛「お兄ちゃんが、765プロを離れたとしたら…?」


P「…へ?」

凛「…別の人がプロデューサーになったとしたら?」

P「ちょっと待ってよ、話が飛び過ぎ!何?急にどうしたの?」

凛「私はお兄ちゃんが765プロの躍進を支えたって思ってる」

P「俺は、ただの裏方なんだけど…」

凛「…お兄ちゃんに…シンデレラガールズプロに来て欲しいって思ってる」

P「…えぇ?」

/バケーションアイランド・ホテル・中庭入口

美希「え…?」


P「…あはは…凛ちゃんってば、随分と冗談が…」

凛「…………………」ジッ

P「…冗談じゃないんだぁ…あのね?凛ちゃん?」

凛「ウチのプロデューサーはあんまりプロデュースは上手くないし」

P「おいおい…そういう事…」

凛「その分、スカウトの眼は良いと思う。だからお兄ちゃんには」

P「個人のプロデュースプランを考えて欲しい…とか?」

凛「…うん、そうすれば…CGプロは、もっと」


P「待ってよ、凛ちゃん。俺は社長に雇われてる身なの」

P「ほいほい転職出来る訳ないし、まだ恩がたくさんあるんだよ」

凛「…わかってる、お兄ちゃんがそういう恩や義理を大事にする人って事も」

凛「でも、それでも…お願い、私の…私達のプロデューサーになって!」

P「凛ちゃん…それは…」

凛「あっ…ごめん急に…」

P「あぁ、いや…」

凛「でも、本当に考えてみて欲しい…」


P「考えるって言ったって…」

凛「…私、我慢ならないの!」

P「え?」

凛「勿体無いよ…お兄ちゃんがあんな…不真面目な…」

P「…もっ勿体無い?」

凛「星井 美希だよ!」カッ

P「…おぇ?美希?」ギョ

/バケーションアイランド・ホテル・中庭入口

美希「!……ミキ?」


/バケーションアイランド・ホテル・中庭

凛「…リハーサルは寝てるし、デートの方が大事だとか堂々と言うし!」

P「いやぁまぁ…ああいう奴だからなぁ…」

凛「私達はあんな人に負けない!」

P「ちょちょちょっ凛ちゃん?」

凛「自分の事を裏方だとか、謙遜して言うけど…そんな事無い」

凛「お兄ちゃんは凄いよ…そういうのわかってくれないの…」

凛「何か…すごい…歯痒い」

P「…そっそう言ってくれて嬉しいよ?ありがとう…凛ちゃん」


凛「……ごめん…言いたい事だけ言っちゃって…」

P「あぁ…いや…うん…」

凛「でも、本当だから…お兄ちゃんにプロデューサーになって欲しいし」

凛「お兄ちゃんに…お兄ちゃんに…傍に居て欲しい…」

P「…凛ちゃん」

凛「…じゃあ…明日からのフェス…お互い頑張ろうね?」

P「あぁ…」

凛「おやすみ…お兄ちゃん…」タタタ…



フェス一日目/バケーションアイランド・ホテル1F・ロビー

モバP「本当に!ありがとうございました!!」orz

P「待ってお願い!土下座はやめて!」

奈緒「はぁ…本当に勘弁してくれよ…」

加蓮「ありがとね、お兄さん♪」

凛「………ありがとう…お兄ちゃん…」プイ

奈緒「?何だよ、凛…随分と…」

加蓮「!…まぁまぁ奈緒?」ニヤニヤ

P「それじゃあ、コレ千川さんから送ってもらった書類とか渡しておくね」

モバP「はい!ありがとうございます!助かりました…」


P「まぁ俺もこういうミスたくさんしたし」

加蓮「え?アイドルだけ置いて行くような事?」

モバP「ぐはっ!」

P「やめて差し上げろ」

凛「……やっぱり…お兄ちゃんの方が…」ブツブツ

??「…ふわぁ…あなた、だぁれぇー? 」

P「ん?えっとプロデューサーだよって…この子は?」

??「ふわぁ…こずえだよぉー?」

モバP「あ、先程スカウトした…遊佐こずえです。」


奈緒「何、またスカウトしてんだよ!!」

加蓮「まず、私達の所に来るのが先じゃないのっ!?」

モバP「いや、イイアイドルになりそうだなーって」

こずえ「いいよー…あいどるやるぅー。…で、なにするのー? …わらうのー? …ふわぁ」

凛「…ちひろさんには?連絡したの?」

モバP「あ…まだだ…」

凛「この子の分の宿泊費とかは給料から天引きだね」

モバP「うぅ…仕方ないか…」

P「あ、あはは…(ていうか親御さんとかは?…)」


真「…なんかあっちは、ドタバタしてる…ね」

雪歩「そっそうだね…うん…」

貴音「…もぉにんぐというのも…なかなかですね…」モグモグ

美希「………………………………」

真「ねぇ…美希…一体どうしたの?」

美希「…何でもないの…まだ、眠いだけなの…」

P「…ふぅ…みんなお待たせ…」ガタッ

雪歩「プロデューサー、引き継ぎ終わりました?」


P「あぁと言っても、リハの様子とか話すだけだったし…フェスに関しては何も…」

雪歩「今日から…フェス…はうぅ…」

貴音「雪歩…今から緊張していてどうするのです?」

P「ははは、まぁ1ステージに全力でな」

真「入賞とか狙えますかね?」

P「どうだろうな…簡単にもう一度説明しておくと…」

P「フェスは全日程で四日間…だけど最終日の四日目は授賞式込みだから」

真「実質今日からの三日間で、審査されるって事ですね?」


P「あぁ…そして一日の流れは、通算3ステージ…」

P「場合によっては、メイン、東、西会場の三つで観客を取り合う形にもなる」

雪歩「ステージの時間が被るんですね…うぅ…どうしようお客さん誰も居なかったら…」

P「まぁ…それは無いと思うが…ステージの出来が左右されるもんな…」

貴音「ですが、あなた様?」

P「あぁ…賞だとかそんなのは考えなくっていい、全力で楽しめ」

真・雪歩・貴音「「「はい!!」」」

P「うん……美希?」


美希「…あふぅ…むずかしい話は苦手なの…眠くなっちゃった…」

雪歩「みっ美希ちゃん!」

P「…美希…」

美希「んー出発まで、時間あるよね?寝ててもいい?」スッ

真「もぅ…気合が足らないよ?美希?」

美希「…あふぅ…」

貴音「………………………………」


フェス一日目/バケーションアイランド・メイン会場・楽屋

P「じゃあ、確認するぞ?一曲目、真『迷走Mind』」

真「はい!プロデューサー!」

P「二曲目は貴音ソロで『オーバーマスター』

貴音「承知いたしました…あなた様…」

P「三曲目に美希、雪歩、真で『relations』」

P「真は一曲目三曲目と二回出てもらうが…」

真「へへっー!まっかせといで下さい!!ボクやる気バリバリですから!」

雪歩「わっ私も…頑張りますぅ…」


P「美希も…大丈夫か?」

美希「うん、大丈夫!おにぎり食べて、元気いっぱいだよぉ?」フイッ

P「…そうか…美希、お前」コンコン

P「ん?はい、どうぞ?」ガチャ

スタッフ「すいませーん!765プロさん、PAの方に来ていただけますかー?」

P「あっはい、わかりました…」スッ

真「じゃあ、プロデューサー?ボク達着替えちゃって」

P「あぁ、準備しておいてくれ…後でな!」バタン


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

司会「さぁ…続いては…待ち望んでらした方も多いでしょう…」サッ パッ

『――765PRODUCTION――』

オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

『――MAKOTOーKIKUCHI――』『――迷走―mind――』

キャァアアアアアアアアアアアアア!!マコトサマァアアアアアアアアア!!!

真「みんなぁ!いっくよー!!」タッタッタッタ シュタッ

/メイン会場・ステージ横

雪歩「はわぁ…真ちゃん…カッコイイ…」

貴音「気負いも無く…堂々とした振る舞い…よい滑り出しですね…」

貴音「私も…魅せましょう…ふふっ…」


/メイン会場・ステージ

貴音「かっこ悪いわよ あたしを堕とすの ばれてるの♪」

貴音「かっこつけたところで 次に出る台詞 ぷらんびぃで♪」

/メイン会場・ステージ横

真「お待たせ!着替え完了!」スタッ

雪歩「おっおかえり真ちゃん、早かったね…」

真「早着替えは必須でしょ?…アレ?美希は?」

雪歩「そっそれがぁ…さっきから姿が見えなくて…楽屋に居なかった?」

真「えっ!?おかしいな…楽屋には…もう出番なのに…」


雪歩「どっどうしよう…もう四条さんの歌終わっちゃう…」オドオド

真「もう…どうすんだよ…」キョロキョロ

美希「あふぅ…」

真「あー!美希っ!!何してるんだよぉ!!」

雪歩「美希ちゃん!!早くぅ!こっちこっち!」

美希「雪歩も真クンもそんなに慌てなくっても平気なの…」

真「出番、すぐなんだよっ!?」

雪歩「あぁ!?美希ちゃん、アクセサリー付け忘れてるよぉ!?」


/メイン会場・ステージ

貴音「…では…また…ふふっ…」ニコ

ウォオオオオオオオオオオオオオ!!タカネサマァアアアアッ!!オネエサマァアアアア!!

/メイン会場・ステージ横

貴音「…?どうしたのです?三人とも…」

雪歩「はわぁっ!?四条さぁんっ!?」

真「あぁもう!!行くしかない!!美希!雪歩!!」ダッ

美希「……うん…」タッ

雪歩「はっはいぃ!!」タッタッ…

貴音「……美希…」


/メイン会場・ステージ

美希「夜のショーウインドーに アナタの後ろ姿を見た♪」

真「人波がスチルのように 私も不意に立ち停まるの」

雪歩「瞳に焼き付いたのは アナタとアノコの笑顔」

美希「切なく苦しいけれど 聞くだけならば 簡単じゃない♪」

「「べつに」なんて言わないで♪」

「「ちがう」って言って♪」

真「言い分けなんか聞きたくないわ 胸が張り裂けそうで♪」

雪歩「私のことが好きなら アノコを忘れて♪」

美希「どこか遠くへ連れて行って♪」

ワァアアアアアアア!!ミキチャアアアン!!ユキホォー!!マコトサマァアアアアアン!!


フェス二日目/バケーションアイランド・ホテル1F・ロビー

真「…全く…弛んでるよ!美希!昨日の一日目!」

美希「……ごめんなさいなの…」

雪歩「アクセサリー…衣装BOXに忘れちゃったんだね…」

美希「…うん…」

貴音「舞台の横に来るのが…遅かったそうですが…それまで何処に…?」

美希「うん…楽屋出てから…ウロウロしてて…」

真「え?会場内で迷ってたのぉ?…もぅ…」

美希「ごめんね…ミキ…部屋に居るの…」ガタッ


雪歩「みっ美希ちゃん?具合悪いの?」

美希「…ううん…寝てれば…治るの…」スッ

真「…美希…」

貴音「…………………………………」

雪歩「どっどうしちゃったんでしょう…?」

真「…プロデューサーと何か…」

雪歩「あ、プロデューサー!」

P「おはようみん…えっと…美希は?」


真「それが…部屋に戻っちゃって…」

P「え?…」

雪歩「あの…プロデューサー…一昨日…あの…美希ちゃんと何か…」

P「…何も無かった」

真「そんな訳無いじゃないですか!あの美希が変なんですよ!?」

P「…というより…待ち合わせ場所のレストランに居なかったんだ」

真・雪歩「「ええっ!?」」

貴音「…つまり…美希とのでぇとれっすんは…無かったと?」


P「あぁ…待っても…連絡しても…」

真「…何が…あったんです?」

P「わからない…でも…一日目の美希ステージは…」

雪歩「…やっぱり何処か変でした…よね…」

真「…気持ちが…乗って無かったよね…」

貴音「あなた様?…まずは私達が話を聞いて参りましょう…宜しいですか?」

P「…そう…だな…頼む…」


/バケーションアイランド・ホテル5F・美希の部屋

貴音「…美希?」コンコン ガチャ

美希「………貴音…雪歩…真クン…」

真「…何があったのさ?美希…」

雪歩「…プロデューサーと…えっと…うぅ…」

美希「顔…見れなかったの…」

貴音「…顔?」

美希「いつもは…朝一番に見たいのに…ハ、ニーの…顔…グスッ」

美希「ミキ…自分で自分の事…わかん…なく…なっちゃった…」ポロポロ


/バケーションアイランド・ホテル1F・ロビー

P「…それで…部屋から…出て来なくなっちゃったのか…」

貴音「はい…話はしたのですが…」

真「…一人にしてくれって…すいません…なんか」

雪歩「…美希ちゃんの泣き顔見たら…その…」

P「わかった…今日は……美希を外す…」

真「プロデューサー!」

P「…こんな状態で出しても…違和感が強まるだけだ…」

貴音「…わかりました…」


夜/バケーションアイランド・ホテル5F・美希の部屋

貴音「…二日目は私達三人がそれぞれ、そろを歌いました…」

美希「そう…ごめんね…迷惑かけて…」

貴音「謝る必要はございません…」ナデナデ

美希「真クン達…怒ってる?」

貴音「…いいえ…心配しております」

美希「…ッ」モゾモゾ

貴音「あの方も…美希…何があったのか…もう深くは尋ねません…」


美希「………………………………」

貴音「美希…私達は此処へ何をしに来たのか…」

貴音「今一度…しかと…考えるべきでしょう…」

美希「うん…」

貴音「…ですが…あの方と向き合う時は…あなたの気持ちが一番大切なのですよ」スッ

美希「…………」

貴音「おやすみなさい…美希」ガチャ

美希「おやすみ…貴音…」バタン


フェス三日目/バケーションアイランド・ホテル1F・ロビー

P「…あぁ…完全に寝不足だな…」

P「…美希…俺…何を…」

真「あっプロデューサー、おはようございます」

雪歩「おはようございますぅ…」

P「おはよう…二人とも…ちゃんと寝れてるか?」

真「…正直…あんまり…」

雪歩「……あんな美希ちゃん初めて見ました…」

P「連絡しても…部屋…ノックしても…俺には会いたくないみたいで…」


貴音「おはようございます…」

P「おぉ…おはよう…」ズーン

真「貴音おはよう…」シュン…

雪歩「おはようございます…四条さん…」ドヨーン

貴音「…皆…美希を見ませんでしたか?」

真「え?…部屋に居るんじゃ…」

貴音「最初に部屋を訪ねましたが…どうやら…不在で…」

雪歩「ロビーにも居ない…ですよね…」キョロキョロ


/バケーションアイランド・ホテル・フロント

ホテルスタッフ「はい…星井様でしたら…朝7時頃に外へ…」

P「なっ…」

真「どどどーなってるんですかぁ!!プロデューサー!!」

P「まず…美希の携帯に…」ピポパポ…

雪歩「美希ちゃん…まさか…まさかまさかぁ!?」ガタガタ

貴音「…落ち着きなさい、雪歩、真…」

P「…ダメだ…やっぱり出ないよ…」

貴音「…あの、美希はどちらの方へ向かいましたか?」

ホテルスタッフ「えっと…ホテルから森の方角へ…」


/バケーションアイランド・ホテル前

P「…雪歩、真、貴音」

雪歩・真・貴音「「「はい!」」」

P「俺はこのまま美希を探しに行く…お前達は三人で会場入りしてくれ」

真「わかりました!」

P「曲順は…」

貴音「あなた様…どうか…私達に任せて下さい…」

雪歩「だから、プロデューサーは美希ちゃんを探しに行って下さいぃ!」

P「…わかった…三人とも…頼む!」ダッ


/バケーションアイランド・森・入口

ギャギャギャ…ピーピピピッ……ガザガササッ

P「…そうだ…この森…とにかく…カフェの方に」タッタッタッタ

/バケーションアイランド・森のカフェ

カフェスタッフ「…そのような方は…ご来店してませんねぇ…」

P「そうですか…ありがとうございます!」

P「カフェには来てないって事は…」

真『あぁ…ちょっと不親切ですね…迷いやすいというか』

P『う~ん…簡易な地図だからかな?森の中ってのがまたな…』

P「逆の方に行ったんだ!」ダッダッダ…


/バケーションアイランド・メイン会場・765プロ楽屋

真「えっと…まずヘアメイクさん達と…」

貴音「曲順は…また私達のそろを…」

雪歩「あっあの…ちょっといいですか?…」

真「雪歩?」

貴音「どうしたのですか?」

雪歩「そっその…曲の前とかにMCを入れたり出来ないかなぁ?」

真「え?とっトークするって事?」

雪歩「う…うん…それで…時間を目一杯使って…」


貴音「…美希を待ちたいのですね…」

雪歩「はっはいぃ…」

真「…もし…ダメだったら?ステージを任せる訳には…」

雪歩「美希ちゃんなら!」

真「!!」

雪歩「美希ちゃんなら……」グッ

貴音「…わかりました…三曲目は……今は空白にしておきましょう…」


雪歩「四条さん!」

真「なら…ヘアメイクさん呼んでくるついでに、MCを入れても大丈夫か聞いてくるよ」

雪歩「真ちゃん…」

真「ボクも…美希を信じる…美希は気まぐれかもしんないけど…」

真「本気になった美希なら…絶対凄いステージになる!」

貴音「えぇ…きっと皆…〝美希ならば〟と…期待してしまうのでしょう…」

雪歩「はい…」

真「人数少ないけど…気合入れて行こう!!765プロぉー!ファイトぉー!!」


雪歩・真・貴音「「「おおっーー!!!」」」


/バケーションアイランド・???

美希「…迷ったの…カフェなんて何処行っても無いの…」

美希「…森の中だし…完全に来た道もわかんないの…」

美希「……変だな…ミキ…」

美希「ハニーの顔も見れない…ステージに上がっても…」

美希「もう…ミキ…アイドル…出来ないのかな…」

美希「もう…キラキラ…出来ないのかな…」 ガサッ


美希「!!…なっ…何?」

美希「…………………」スッ

リス「……………」ヒョコ

美希「わっ…リス…可愛いの~えへへ…」

美希「あ、ねぇねぇ森の外に出る道どこか…」

リス「…………」ピョン

美希「あっ行っちゃうの?…待って!」ガサッ


/バケーションアイランド・森の中

P「ハァハァ…カフェからの分かれ道から…」

P「…真っ直ぐ来たのは…ハァ…いいけど…美希…こっちに来たのか?」

P「…うぅむ…うぉっ…雨か?…マズイな…」ポッポッ…

P「途中で…引き返して来たりとか…いや、それなら…好都合だしな」

P「…ええぃ!!迷ってても仕方ない…行く!!」

P「美希ぃ~!!何処だ~!?」ダッダッダッダ…


/バケーションアイランド・森の中・???

美希「…わぁ…すごい…綺麗な花…」

リス「…………」チョコチョコ

美希「これを見せたかったの?ふふっ…」

リス「…………」

美希「……綺麗だなぁ…黄色っていうか…まるで金色…」

美希「……………」スッ

美希「ううん…やっぱりいいや…」パフ


美希「今、折っちゃっても…長持ちさせてあげられないもんね…」

美希「すぐ…ダメにしちゃうの…」

美希「……ハニー…居なくなっちゃうの?…」

美希「あの子の事務所に行っちゃうのかな…」

美希「……約束…忘れちゃったの?…」

美希「…ハニー…」

美希「…ハニー…ミキの…知らないハニー…」


/バケーションアイランド・メイン会場・765プロ楽屋

コンコン

真「!はい、どうぞ!」ガチャ

モバP「失礼します!」

加蓮「こんにちは…」

奈緒「失礼します…」

雪歩「あ、こっこんにちは…」

凛「こんにちは…」

真「あ…えっと…」

モバP「今日この後のステージで…どうやら…我々の時間がかち合うみたいで…」


モバP「それで…挨拶…をと思ったんですが…」

真「そっそうだったんですか…」

凛「お兄ちゃん…は?」

貴音「…申し訳ありません、今…あいにく席を外しております…」

加蓮「…美希ちゃんも…居ないみたいですけど…何かあったんですか?」

雪歩「うぅ…あ、その…」

貴音「事情があり…遅れております…」

凛「…ふーん…大変ですね、あの人のせいで…お兄ちゃんも皆さんも」


奈緒「おっおい…凛?」

凛「昨日…ステージにも居なかったですよね?」

モバP「凛?お前何を…」

雪歩「たっ確かに…今、美希ちゃんは居ません…」

真「あぁ…美希は色々とトラブル起こすタイプさ…」

貴音「ですが…私達は〝大変〟と思った事はありません…」

雪歩「美希ちゃんは…必ず来ます…必ずですぅ!!」

凛「………そう、ですか……失礼します…」


/バケーションアイランド・森の中

リス「……………」キョロキョロ

美希「…ハニー…はね…ちょっぴりエッチでね?」

美希「でもね、ミキが迫っても、ち~っとも相手してくれないんだよ?」

美希「…優しくって…一番にミキ達の事考えてくれて…」

美希「笑うと子どもっぽくって…そうそう、意地悪な所も子どもみたいなの」

美希「大人なんだから、ああいう所直さないといけないって思うな」

リス「……………」サッ ガサッ

美希「あっ…行っちゃった…」ポッ…ポッ…


美希「どうしよ…雨強くなってきちゃった…」サァァァ…

美希「……もうヤなの…ミキ…」ジワッ

美希「こんなに…苦しいの…ヤダ…グスッ…」

美希「ッ…グスッ…ハニー…」


P「美希ぃいいいっ!!何処だぁああああっ!!!」


美希「!!ハニー?…ハニー…ミキは…」

貴音『…あの方と向き合う時は…あなたの気持ちが一番大切なのですよ』

美希「…ッハニィイイイイイ!!!ミキはここだよぉおおおおおっ!!!」


美希「…ハァハァ…ハニー…」

ガサッガサッ…

美希「…グスッ…」

ガサッパキ…ガサガサッ…ガサッ!!

P「…美希…よかったここに居たか…大丈夫か?怪我してないか?」

美希「…ハニー!!」ギュッ

P「おわっ…ははは…よかった…」

美希「ヒッ…んんっ…ハ、ニー…グスッ…」

P「美希…よく頑張った…うん…」ナデナデ


美希「グスッ……でも、よくわかったね…ミキの居る所…」

P「あぁ、お前が森の方に向かったのを見てたホテルの人が居てな」

美希「カフェに行こうって思ったんだけど…全然無くてね?グスッ…」

P「あぁ…森の入口で逆方向にあるんだよ…カフェ…」

美希「えええっ!?…そうなの?」

P「あぁ…すごく解りづらい分かれ道なんだよ…」

美希「…すごく今…疲れが出たの…」

P「だろうな…しかし…」チラ


美希「ステージ…間に合わない…かな?」

P「…そうだな…ここから森を抜けて…車を使っても…」

美希「…ごめんね…ハニー…美希が迷子になったりしたから…」

P「…仕方ないさ…何処か別の所で挽回しよう」

美希「……でも…」

P「…そんな顔するな…美希が無事だったのが一番なんだからな」

美希「…うん…」

P「しかし、何でまたこんな茂みの奥に?ちょっと外れてるよな?」


美希「あ、えっとね?リスが居てね?それ追いかけて」

P「リス追いかけてたのかよ…」

美希「それでね?ここに綺麗な花が…」スッ

P「ん?…おぉ…すごいなこの花…この島特有の花かな?」

美希「?ミキそういうのわかんない…でも綺麗だなーって」

P「本当だな…ん?あ、ほら、あっちにも咲いてる…え?」ガサッ

美希「え?…あ、本当なの……わぁ…」ガサッ

P・美希「「…花の道?…」」


美希「すごーい!!ハニー!!すっごく綺麗なのー!!」

P「おぉ…ケモノ道…だな…こりゃ」

美希「ケモノみち?」

P「動物達がよく通る道だよ…あ、だから種を付けた動物が歩いて」

P「こんな…花の道になったのか…」

美希「……ねぇ、ハニー…あの遠くに見えるのって…」

P「え?…遠くって…」

美希「アレ!」ビッ

P「…アレ…もしかして…会場か?」


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

貴音「いくつもの虹が重なり合うと 風をうけて一人の意味を知った♪」

貴音「砕け散った空に 風花が舞う ふわふわと 頼りなげに消えた♪」

貴音「(二曲目が始まってしまいました…美希…)」

/バケーションアイランド・森の中

~ふわふわと♪

美希「聞こえる…貴音の声だよ!!ハニー!!」

P「よっし!!!行くぞ美希!!背中に乗れ!!」ザッ

美希「りょーかいなのっ!!」ガバッ

P「うぉおりゃあああああぁ!!」ダッダッダッダ


/バケーションアイランド・メイン会場・765プロ楽屋

コンコン

真「はい!」ガチャ

スタッフ「…失礼します…あの…三曲目なんですけど…」

真「あ…はいえっと……」

ダッダッダッダ…ダンッ

P「ぶはぁ…ハァハァ…ちょっ…待っで…」

雪歩「美希ちゃん!!」

真「美希!!プロデューサー!!」

美希「雪歩!真クン!!」ドロドロ


雪歩「グスッ…もぉおおおっ!!何処行ってたのぉ!?美希ちゃん!!!」

美希「えぉっ?もっ森の中…?」

雪歩「こんな泥だらけ…で…もぉおおおおっ!!!」ポコポコ

美希「!…?…?」チラッ

真「雪歩の泣きギレに、美希が困惑して助けを求めてる」

雪歩「グスッ…ヒック…」

P「…ハァハァ…すいません…ゴッホッォ…ゲホ…あの三曲目ですけど…」フラフラ

スタッフ「あ、はい」


P「…こっちでお願いします…後…曲前にMCを入れたいんですが」

スタッフ「あ、MCの件は伺ってます。えっと…すぐにステージ横へお願いします」ダッ

P「はい…んじゃ…真…」

真「はい!プロデューサー!」

P「ウチのヘアメイクさん達…呼んで来てくれるか?」

真「了解しました!!」ダッ

P「雪歩?」

雪歩「ズッ…はい!!」


P「美希の泥汚れ取って…衣装の準備…をッゴホ」

雪歩「はい!プロデューサー!」

美希「ハニー?大丈夫?」オロオロ

P「大丈夫だから、ちょっと久しぶりの全力疾走で脇腹痛いだけ」

P「平気だから、お前は…ステージの上で…全力魅せろ」

美希「…うんっ!!」

P「よし…俺は、ステージ横行って…貴音に…フゥ」ガチャ タッタッタッタ

雪歩「…よっし!!美希ちゃんおにぎりあるからね!」

美希「雪歩!愛してるの!!」ギュ


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

貴音「今を生きるために 失っていく世界♪」

貴音「すべて包む闇が優しく呼んでる♪」

貴音「(美希……!)」

/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ横

P「……………」グッ 

/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

貴音「(あなた様…間に合ったのですね…ならば…この雨雲に負けぬ舞台をっ!!)」カッ

貴音「光の外へ想いは向かっていく たとえそこに何もなくてもいい♪」

貴音「狂おしく抱いた夢に惑わされ どこまでも堕ちていく♪」


バケーションアイランド・メイン会場・楽屋前廊下

P「…次は…ステージの雨を拭いてもらって…えっと…」フラフラ

凛「お兄ちゃん!」

P「え?…凛ちゃん?…」

凛「なんでこんな泥だらけで…」スッ

P「!触るな!!」

凛「!!」ビクッ

P「それステージ衣装だろっ!!汚したらどうする気だ!!」

凛「あっ…うん…」


P「それに…凛ちゃんは…メイン会場じゃ無いはずだろ?ココで何を…」

凛「…ッ…三曲目は…?」

P「え?…美希だよ?ギリギリ間に合った…」

凛「…三曲目のタイミングで、私達とステージが被るの」

P「…そう…」

凛「こっこの直接対決で、私達が勝ったら!お兄ちゃん…本当にCGプロに来て!!」

P「へ!?」

凛「…まだ、一人では勝てない…けど、三人なら星井 美希にだって…負けない…」


/バケーションアイランド・メイン会場・765プロ楽屋

美希「…ハニー?」ガチャ…スッ

/バケーションアイランド・メイン会場・楽屋前廊下

凛「お兄ちゃん一人が、こんな泥だらけになって苦労するなんておかしい」

凛「私達なら…迷惑はかけるかもしれないけど、不真面目なんてありえないし…」

P「…凛ちゃん…悪いけど…どれだけ考えても…俺はCGプロには行かないよ?」

凛「…なっ…なんで…?」プルプル

P「…約束してるんだ、美希と」


美希「…!!」


美希『ミキをもっとも~っとドキドキワクワクさせて!』

美希『本当の〝アイドル〟にして!』


P「…子どもみたいな、指切りの約束だけど…」

凛「そんなのっ」

P「…765プロではね?〝約束〟って言葉は…」

P「その言葉の意味以上に…大切なんだ…」ニコ

凛「っ!……」プルプル

…パタン


/バケーションアイランド・メイン会場・765プロ楽屋

雪歩「えっと…次は…?美希ちゃん?どっどうしたのぉ?」アタフタ

美希「……ハニーが好き…だぁい好きなの…///」ギュ

/メイン会場・楽屋前廊下

凛「…ぞっ…それでも…負けない、から…」

P「…そっか…でも、甘く見んなよぉ?…星井 美希だぜ?」ニッ

凛「…お兄ちゃんの…いじわる…グスッ…」クル ダッ

P「…意地悪って…」

P「……う~ん…ちょっと…冷たかったかなぁ…」

P「おっと、スタッフさん…えっと…」タッタッタッタ


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ横

貴音「…!美希…」

美希「貴音!ごめんねミキ、迷子にわっぷ」ギュ

貴音「…美希の無事が…一番の喜びなのですよ?」

美希「…うん、ありがとなの」ギュゥウ

P「おっ!美希、準備はいいか?」

美希「ハニー!…うん!バッチリなのっ!!」

P「曲前にMCを…まぁ好きな事話せ…その間にステージの上拭いてもらう」

美希「うん!」


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

スタッフ「星井 美希さん!お願いしまっす!!」

コッ…コッ…

美希「…みんなぁ~!!盛り上がってる~!?」

ウォオオオオオオオオオオオオ!!!ミッキチュァアアアアアアン!!ミキミキィイイイイッ!!

美希「うんうん♪雨だけど、元気よく行こうね?あはっ☆」キラッ

イェエエエエエエエエエエエエイイ!!!

美希「ちょっと、ステージの準備もあるから、お話ししよっかな」

美希「…実はミキねぇ…ついさっきまで、裏の森で迷子になってたの」

エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!!???ザワザワ…ガヤガヤ…

美希「もう本当に…ご迷惑おかけしてごめんなさいなの……」ペコリ


「大丈夫だったのーー!!?」

美希「あ、心配してくれてありがと~、ケガとかはしてないよ」

美希「でももう…ほんっっとに大変だったの!!」

美希「森のカフェに行こうとしたんだけど、全然見つからなくて…」

美希「引き返そうって思ったら…今度は来た道もわかんなくなっててね?」

美希「ミキ、迷子になっても動じないあずさの事ソンケーしちゃうの」

ドッ!!…アハハハハ…「そういう事じゃないよー!」

美希「ふふっ…そしたらね?可愛いリスが居てね?追いかけてたら」

「そりゃ迷うよ!!」

美希「もう迷ってたの!!」


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ横

真「…いつもの美希…だね」

雪歩「うんっ!よかったぁ…」

貴音「どうやら…雲は晴れたようですね…」

P「何で曇ったのか、何で晴れたのかさっぱりわからんけどな…」

貴音「おや?わかりませんか?あなた様…」

P「え?貴音はわかるのか?」

貴音「…えぇ…女心となんとやら…と申すではありませんか…うふふ」ニコニコ

P「…じゃあ俺には一生わかんねーな…」


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

美希「リスに付いて行ったら、そこでね…すっごく綺麗な花を見つけたの」

ハナ…?…「どんなのー!?」

美希「うんとねぇ…黄色…っていうか金色?みたいでね?」

美希「そこに「えっ嘘でしょ?」ってくらいキラキラしててね?」

美希「…最初は…手で折っちゃって…持ち帰ろうかなとか…考えたんだけど」

美希「もしかしたら、すぐダメにしちゃうかもしれないし…」

美希「折った花をみんなに見せて「綺麗だな」って思う気持ちより…」

美希「咲いてる花をミキが見た時の「綺麗だな」って気持ちの方が絶対素敵なの!」

美希「でねでね?こうやって、ミキがみんなに教えるでしょ?」


美希「そしたら、みんなの中にも咲いてる花を見たいって気持ちが生まれるよね?」

美希「本当に見に行く人も居て、本当に見れた人も居て、そしたらそしたら」

美希「また、それを誰かに伝えたくなって…って繋がってくって思うの」

美希「…ミキもね気づいたんだ、ミキの中にある色んな気持ちも」

美希「色んな人から貰ったものなんじゃないかなって…」

美希「嬉しかったり、悲しかったり…悔しかったり…幸せだったり」

美希「愛とか…好きって気持ちも……」

ザワザワ…ザワザワ…ガヤガヤ…ミキチャァアアンッ!!…


美希「そんな色んな気持ちを…みんなで分け合ってるんだって思うの…」

美希「だからね…ミキこう思うんだぁ」


美希「きっとね 世界って 愛で出来てるんだよ」


……………ポカーン…………………

美希「あれれ?コレ、ミキ的には大発見だと思うんだけど…」

ウッ…ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!ミッキミキニシテヤンヨ!!!

美希「うんうん…のーべる賞ものだと思うな…あはっ☆」キラッ


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ横

P「…わけわからん…」

雪歩「うふふ…美希ちゃんらしいですぅ…」

真「そうだね…へへっ」

スタッフ「ステージの上、拭き終わりました!」

P「ありがとうございます!!…よし…」サッ

/メイン会場・ステージ

美希「…!…じゃあ…今からミキが、み~んなにキラキラした愛をお届けするの!」

美希「そしたらみんなも、他の誰かに愛をわけてあげて欲しいの!」

美希「そうすればぁ…世界はもっとも~っとキラキラしちゃうの!!」

美希「だから…ちゃぁんと…受け取ってね?」キラッ

シュゥゥォ…


美希「Future star 今はまだ未知の夢♪」

美希「どれだけの 世界が広がる♪」

美希「Future hope 希望と光を紡ぐ♪」

美希「私はそう 走り出す 未来♪」

/バケーションアイランド・サブ会場A・ステージ

加蓮「フゥ………アレ?凛は?」キョロキョロ

奈緒「加蓮お疲れ、凛は…あっ来た!!遅いぞ!!」

凛「…ごめん……私達も行くよ!!」

「お願い! シンデレラ 夢は夢で終われない♪」

「動き始めてる 輝く日のために♪」イェエエエエエエエエエエエエエイ!!ハイッハイッハイッ!


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

美希「いつまでもいらないわ 壊れた絆♪」

美希「新しいスタートをきる♪」

美希「Good-bye memories この思い出♪」

美希「春風舞う陽だまりの 君と過ごしたMiracle♪」

美希「越えて行く♪」キュキュッ

/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ横

真「!…いっ今…滑ったのを…強引にステップにした…」

雪歩「えぇっ!?そっそんな事出来るのぉ!?」


/バケーションアイランド・サブ会場A・ステージ

奈緒「エヴリデイどんなときも キュートハート持ってたい♪」キュートォ!

凛「ピンチもサバイバルも クールに越えたい♪」クールゥ!

加蓮「アップデイト無敵なパッション くじけ心更新♪」パッショォン!

「私に出来ることだけを 重ねて♪」

凛「(…何?空が…変…)」

奈緒「(何だコレ…どうなってんだ…)」

加蓮「(メイン会場だけ…太陽が…)」


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

美希「Future smile いつまでも笑顔なら♪」

美希「幸せはきっとやってくる♪」

美希「Future sky 晴れ渡る空を見上げ♪」パァアアア…

美希「星たちの輝く流星♪」…キラ…キラキラ…

/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ横

雪歩「う…嘘…」

真「美希の上だけ…空が晴れて…ええぇ?…」

貴音「…雨粒が煌めいて…まるで…輝く星のようですね…」


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

美希「夜明けを朝陽に代え 未来の扉♪」

美希「始まりの時が近づく♪」

美希「Good-bye every day いま晴れゆく 心照らす記憶たち♪」

美希「いつまでも忘れないわ あなたのこと♪」

美希「Good-bye lovelorn 声を合わせて 超え行く思いたち♪」

美希「叫び続けているのは 夢を現実にするためぇー!!♪」

美希「もっとみんなの声を聞かせてーーっ!!!」

ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!


/バケーションアイランド・サブ会場A・ステージ

「いつかなれますように… 動き始めてる 輝く日のために♪」

加蓮「(ッ…フリがっ遅れる…合わない…)」

「お願い!シンデレラ 夢は夢で終われない♪」

奈緒「(落ち着け加蓮っ!)」

「叶えるよ 星に願いをかけたなら♪」

凛「(このままじゃ…私が、前にっ…)あ…」サッ ツルッ

――ACCIDENT――

ドタッ…

「みつけよう! MyOnlyStar 探し続けていきたい♪」

奈緒「(凛っ!?何してる早く立てっ!曲がっ)」

凛「ハッ…くっ」ガバッ


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

美希「いつまでも輝く 日々の中で 見つかり始めるよ♪」

美希「 君の声が 聞こえる♪」

美希「Good-bye memories この思い出 春風舞う陽だまりの♪」

美希「君と過ごしたMiracle 越えて行く♪」

美希「Good-bye daily life いつか過ぎ行く 思いのカケラたち♪」

美希「走り続けているのは♪」

美希「強くあり続けるためーーっ!!!♪」

ウォオオオオオオオオオオオオオ!!!ハイッ!!ハイッ!!ハイッ!!ハイッ!!ミキチャァアアアンッ!!オォオオオオオオッ!!


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ横

美希「…ハァハァ…」

真「美希っ!!!」ギュ

雪歩「美希ちゃん…」ギュウ

貴音「素晴らしかったですよ…美希」ギュ

美希「みんな…ちょっと…苦しいのぉ~」ムギュウウ

P「お疲れ、美希…凄かったぞ」

美希「…えへへ…」

真「本当に凄かったよ!!まさか天気まで味方するなんてさぁー!」


雪歩「うん!キラキラしてて、綺麗だったよ!美希ちゃん!!」

美希「ありがとうなの~」

貴音「天に祈った甲斐がありました…」

P「アレ、貴音の祈りの結果なの?」

貴音「おや…?」

雪歩「しっ四条さん…?」ドキドキ

貴音「…ふふっ…とっぷしぃくれっとですよ?」


/バケーションアイランド・サブ会場A・ステージ横

加蓮「…ごめん…私…フリ遅れてっそれでっ…グスッ」

奈緒「アタシも…全然集中…」

凛「違う…違うよ…二人とも…」 ポタッ…ポタタ

凛「わっ…私が…あっあんなとこっろで…転んだりしたから…グスッ…」

奈緒「凛…違う…そうじゃ」

モバP「そうだ…お前達のせいじゃない……俺の責任だ」

加蓮「…プロデューサー…」

モバP「一緒にステージプランも練れなかった…三日目の体力を考慮してなかった」

モバP「何より…曲の合間にステージを拭いておけば…」


モバP「俺は…何にもしてなかった…プロデューサーなのに…」

奈緒「やめろ…やめろよ!謝罪合戦がしたいのかよ!?」

モバP「そうだな…そうじゃ…ない…凛、奈緒、加蓮…」

モバP「カボチャの馬車も、綺麗なドレスも…」

モバP「ガラスの靴だって用意してみせる…だから…」

モバP「もう一度…俺の事、信じてくれるか?」

加蓮「…うん…信じる…信じるよ…」コクッ

奈緒「あぁ…当ったり前だろ?」

凛「…信じる…だから…だから…次は…」

「「「「負けないっ!!!!」」」」



フェス四日目/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ横

P「…さて…授賞式前のラストステージだ…どうだ?みんな?」

真「へへっ!気合入りまくりですよ!!」

雪歩「…がっ頑張りますぅ!!」

貴音「万全です…あなた様…」

美希「バ~ッチリなの!ハニー!!」

P「…よし…行って来い!!」

美希・雪歩・真・貴音「「「「 はいっ!!」」」」

美希「ねぇ、ハニー?…ミキ達が優勝したらぁご褒美が欲しいなぁ~」

P「あぁ!任せとけ!……って何だ?ご褒美って?」

美希「それはね…それは…」


/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

雪歩「Nobody loves you like. I can love you. and won't let go.」

美希・雪歩「「蒼い宇宙あなたと出会い「愛してる」気持ちを知って♪」」

美希・雪歩「「止まらない 運命を信じた♪」」

真・貴音「「「さよなら」とあの子に言った くちびるをまだ覚えてる♪」」

真・貴音「「1人じゃない もう1人じゃないよね♪」」

美希「後戻りできない♪」

美希・雪歩「「ギリギリの2人に♪」」

美希・雪歩・真「「「眠らない Love&dream♪」」」

美希・雪歩・真・貴音「「「「光 解き放つ♪」」」」

「恋しくて「I love you」何度も言った言葉を♪」

「流星のようにね for you 降り注ぐから♪」

「まるで魔法かけたように ずっと I believe そばで forever love♪」


夜/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

司会「それでは…発表します…優勝は…765プロの皆さんでっす!!」

真「…ぁ…」

美希「わぁ…」

美希・雪歩・真・貴音「「「「やったぁー!!!!」」」」

/メイン会場・ステージ横

スタッフ「おめでとうございます」 パチパチパチパチ…

P「ありがとうございます!!」ペコ ペコ

美希「ハニー!!」タッタッタッタ

P「おめでとう!みんなっわぁ!」ギュ

美希「ねぇねぇ!約束のご褒美!ちょうだい!」


P「あぁ…」

美希「んー………」クイ

P「…なっなんだ?」

美希「何って…キスだよ?ご褒美のキス!」

P「あ、いや…それは…」タジタジ

真「…約束は約束ですからねぇ…」

貴音「男子に二言はありません…」

雪歩「わわっ私…みみ見てませんから…///」

伊織「本当…最低だわ…」

P「えっ!?」クル


やよい「伊織ちゃん、春香さん、何も見えないですよぉ?」

春香「せっかくみんなで、応援しに来たのに…」

響「エッチだぞ!プロデューサー!!」

亜美真美「「んっふっふ~兄ちゃんもスミにおけませんなぁ~」」

P「…ごっ誤解だぁああああああ!!!」

美希「みんな!来てくれたの!?」

千早「えぇ…もちろん…でも…美希?」

美希「…?何?千早さん?」

あずさ「あらあら~…」

伊織「ほらね?やっぱり忘れてるわ」

美希「…???」

律子「ふふっ…それじゃあ…みんなぁ!かまえて!!」ババババッ





律子「せぇ~のぉ!」

「美希!!ハッピーバースデー!!おっめでとーう!!」パパパッパンパーン

美希「わぁっ…みんな!ありがとうなのっ!!」




/バケーションアイランド・メイン会場・765プロ楽屋

P「驚きましたよ…社長、小鳥さん」

小鳥「うふふ…みんなが応援に行きたいって言うから…来ちゃいました」

高木「お祭りはみんなで参加した方が良いと思ってね…」

高木「それに、サプライズは我が765プロの定番…だろう?」

P「ありがとうございます。社長、小鳥さん」

司会『お待たせしました…では…765プロの皆さんに…アンコールを!』

…アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!…

P「…それじゃあ、みんな…ステージの準備を…」


雪歩「あの、プロデューサー?…その事でみんなで考えてみたんですけど…」

美希「最後はみーんなで歌いたいなって!」

P「…なるほど…いいアイディアじゃないか……って衣装は?」

律子「こんな事になるんじゃないかって…用意してあります。」

P「流石、律子!…じゃあ、スタッフさんに…」

伊織「にひひっアンタも出るのよ?」

P「へ?」


亜美「餅~ピヨちゃんもっ♪」

小鳥「ええっ!?」

あずさ「社長もですよ?」

高木「むむっ…私もかい?」

やよい「うっうー!!み~んなで歌いましょう!!」

春香「ね?プロデューサーさん?」

P・小鳥・高木「「「…あぁ…あはは…」」」



「さぁ行きましょう! 私達の 音楽の世界へ」



/バケーションアイランド・メイン会場・ステージ

「さあ PLAY START MUSIC♪ 進めGO!!♪」
「かけ出すMELODY 今へ♪」

「もう DON'T STOP MUSIC♪ 掴めGOAL!!♪」
「のり出すRHYTHM 未来へ♪」

「PHRASE!! 心を自由に描いてみよう♪」
「歌詞にして 声にして 響いてく♪」

「FRESH!! 歌うよ音楽に壁なんてない♪」
「VOLUME上げて 最高に♪」
「STANDBY STAND UP てっぺん目指せ!!♪」

「奏でよう 夢のMUSIC 音符の翼♪」
「どこまでも翔ばたいてゆけるPOWER♪」

「鳴らそう 好きなMUSIC どんなKEYだって♪」
「歌えばほら新しいDOOR 開いてく輝いて♪」

「始まる世界 LISTEN!! 私のMUSIC♪」


/バケーションアイランド・メイン会場・765プロ楽屋

美希「ハニー…ご褒美くれないの?」

P「美希…流石に…な?」

美希「ちぇー……じゃあ、ミキとデートね?これは絶対なの!」

P「…わかった、約束する…」

春香「えええっ何ソレ、美希!?」

伊織「何よ…みっ美希…ばっかり…」

美希「だって、真クンと雪歩と貴音はもうデートしてるの!」

美希「ミキだけしてないの」

律子「……は?」ギロリ

P「…待って、お願い、聞いて、コレはね?レッスン!レッスンなんっ」

P「痛ぁああああああああああああああ!!」ギリギリギリギリギリ…


おわり


亜美「ミキミキ!誕生日おめー!」

美希「ありがと亜美!ミキ、とぉっても幸せなの!」ニコニコ

春香「ふふふ…美希にはとっておきのプレゼントが残ってるよ!」

美希「えぇー!?何?何?何プレゼントしてくれるの!?春香!」

春香「この、特大おにぎりケーキを!」ドドンッ

美希「は、春香はどうしてそうなっちゃったの…?」


ほんとにおわり


美希ぃいいいいいいいい!!!誕生日おめでとぉおおおっ!!

キリッとしたカッコイイ美希も、キュートな美希も大好きだぁあああ!!


誕生日SSラストということで、あれもこれもと欲張ったら

いつもよりも、1.5倍くらいの量になりました。

律子「…なんだか四股かけてる最低野郎みたいですね」

Pがグルーヴィー組を推した後の律子の台詞ですが

これにシャイニーフェスタのアニメを主軸としトライアド組を絡ませようと

登場させたら、七股になりました。楽しくなってしまいました。

こんなプロデューサー爆●すればいいと思います。


読んでいただいた皆様、ありがとうございました。


犬猫から丸一年…ここでSSを書かせていただいて…ちょうど、20作目…

読んでいただいた皆様にはいくら感謝しても足りないくらいです。


この美希の誕生日SSで一旦区切りとさせていただきます…が

劇場版を見たら、きっと何か書かずにはいられなくなってると思います!


また、いつか誰かに読ませたくなる様なSSを書きたいと思っています。

その時はどうかよろしくお願いします。


これからも、アイマスですよ、アイマス!!




読み返してたら…00時前のIDの下4桁が…D720

これは…D―72―0…エアDの事を示しているのか!?

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