橘「よし!女の子たちに決闘を申し込もう!」(272)

くそう猿め…
ペース早すぎました…
寝落ちじゃないし、完結まで書き貯めてます
今度はゆっくり投下するつもりだけど需要ありますか?
完走したいんです…

夜、橘家、自室

橘「拳で語り合う愛!すごく魅力的じゃないか!」

橘「って何言ってるんだ僕は、ははっ。今やいろんな女の子と仲がいいってのに、それをぶち壊すことなんてできないよ」

橘「この前読んだ『ビーバー三國志~女戦士との死闘~』の影響かな。主人公が女戦士と死闘を繰り広げるたびに互いに惹かれ合って最後には結ばれるって内容だったけど、現実では無理な話だね」

橘「それに…もしも薫や絢辻さんと闘うことになったら、命が無さそうだしね…」

橘「森島先輩は…楽しそうに闘いに参加してきそうだ。ははっ、目にうかぶよ!」

橘「七咲も『はい!?』とか言いつつ、ノリノリで『七咲ック!!』とかしてきそうだ」

橘「梨穂子や紗江ちゃんとは闘いたくないな。なんだか泣き出しそうだよ。いやでも、闘ってるとき胸が当たって……けしからんな!」

橘「ふわぁ~…妄想はこれくらいにしてそろそろ寝ようかなぁ」

さっきのスレ落ちちゃったのか
続き待ってたし、今度はちゃんと頼むぜ

>>4
すまぬ…
今の時間帯はどんくらいのペースがいいんだろう
一分ペースでいいのかな?

ーーーー
ーーー
ーー


?家

ピピ……ザザー…ヨシ…オンナノコ…ニケッ……ヲモウシコモウ…ピピ……ザザザー……

?「……よく聞こえなかったけど橘くん、『女の子に結婚を申し込もう』って…」

?「そんなのダメっ!!絶対ダメだよ!! 」

?「悪い子と結婚だなんて!きっと橘くんを幸せになんてできないよ!妨害しなきゃ!」

?「誰に結婚を申し込むんだろう…。よく聞こえなかったよ…。もう!肝心なことが聞こえないなんて!もっと感度のいい盗聴機を仕掛けなきゃ…」

?「って今はそんなのどうでもいいよ!とりあえず今橘くんと仲がいい女の子たち全員に…」

?「あ…いつ実行するのかもわからなかった……うんっ、早いほうがいいよね。さっそく今から準備しないと!橘くんの幸せのためなら…仕方ないよね?」


ーー
ーーー
ーーーー

翌日、朝、教室

橘「…だからさ、そこで敢えてレンコンを持たせるんだ」

ケン「なにっ!?きゅうりや茄子じゃなくてか!?」

マサ「キノコもあるぞ?」

橘「そんな露骨じゃダメなんだよ!」

梅原「いやでも大将、スイカやメロン、他にも色々あるってのにどうしてレンコンなんだ?」

橘「…カラシ」

梅原「…え?」

橘「レンコンといっしょにカラシも持たせてみてよ」

梅原、ケン、マサ「!!!」

ケン「なるほど…」

マサ「橘…お前って奴は!」グッ

梅原「さすがだぜ、大将…。まさか『八百屋の美人妻に何を持たせるか』でその発想ができるとは…」

ガラッ

棚町「ぐっもーに~ん!」

田中「おはよ~」

梅原「おう、棚町、田中さん。棚町、今日も朝から元気だな」

棚町「あははっ。あたしから元気を取ったら美貌しか残らないわよ?」

梅原「ははっ、そりゃ言えてるぜ」

橘「薫、今日はいつもより遅いん

棚町「じゃ、もう席につくね。恵子行こっ」タタッ

田中「えっあっうん。それじゃね橘くんたち」

梅原「…田中さん…」

ケン「俺たちひとくくりかよ…」

マサ「地味にひどいぜ…」

田中「あはは。あっ待ってよ薫~」タンポッ

橘「…なんだよ、薫のやつ。いつもチャイムぎりぎりまで僕の席に張りつくのに…しかも僕のこと無視してないか?」

梅原「…大将、棚町とケンカでもしたのか?」

橘「うーん…してないと思うけど…」

橘「(本当に身に覚えがないよ…まぁいつもの思いつきの遊びだろうな。気にしないでおこう)」


休1、教室

橘「(あれっ!?次の授業の教科書がない!しまった、忘れてきちゃったよ…)」

梅原「どうした大将、深刻な顔して」

橘「…次の授業の教科書、家に忘れてきた…」

梅原「あちゃー…あの先生は忘れ物にはうるさいぞ?他のクラスから借りてきたらどうだ?」

橘「…うん、そうするよ」

廊下

橘「(…真壁も持ってきてなかったか。パッションがどうとかワケわからないことほざいてたし)」

橘「(ユウジは…なんかマサと特訓がどう
とかで教室にいなかったもんな…)」

橘「(おっ、あそこにいるのは梨穂子と香苗さんじゃないか!ちょうどいい、教科書借りれるか頼んでみるか)」

橘「おーい、梨穂子ー、香苗さーん!」

梨穂子「」ビクッ

伊藤「ありゃ橘くん、美少女二人に何か用かな?」

橘「ははは、その美少女たちに頼み事があるん

梨穂子「あっごめん香苗ちゃん。次の授業の予習しなきゃだった。先に教室に戻るね~」タタッ

伊藤「あれ?あんた今日当たる日だっけ?って行っちゃった…」

橘「(あれ?目が合ったのに顔をそらされたぞ?)」

あ、了解
じゃさっきの続きから

?「じゅんいち~」

橘「えっ?」

?「なんだか純一からお菓子の匂いがする~」

カプッ

橘「うおっ!!」

橘「り、梨穂子!?ちょっ、なんで指を噛むんだ!?」

梨穂子「らって~、ぽろちゅき~が~、もうほなかがふいてほなかがふいて~」

橘「くすぐったい!は、離してからしゃべってくれ!」パッ

梨穂子「う~ん、おいひぃ!」ポリポリ

橘「梨穂子…お菓子を奪うのは構わないが、僕の指まで噛むことはなかったんじゃないか?…」

梨穂子「え~、だってさっきは純一に泣かされたんだもん。お返しですよ、お返し~」

橘「誤解される言い方をするな!」

梨穂子「えへへ、泣いちゃったらお腹空いちゃって……!あ!香苗ちゃんだ!お菓子持ってる~!じゃあね純一!」

橘「あっおい!…すごい速さで行ったな…」

森島「………」

橘「(…しかし、薫も梨穂子も前より元気になってないか?ははは、まぁ避けられるよりマシか!)」

森島「………」

橘「…あ!(し、しまった!すっかり森島先輩を放置してしまった!!)」

森島「………やっぱり私、橘くんのこと信じられなくなった…かな…」

橘「い、いや、これはですねっ……」

森島「…これは…何?…いろんな女の子を弄んでるようにしか見えないわよ?」

橘「えっと…(まずい!まずいよ!せっかく塚原先輩が誤解を解いてくれたというのに…な、何か言い訳を…)」

橘「あ!あの!僕は女の子を異常に引き寄せてしまう体質なんです!」

森島「へっ?…そ、そうなんだ…」

橘「(おっ、苦し紛れに言った言い訳だけど、意外と信じてくれてるみたいだ!…嘘はついてないしね…)」

橘「そ、そうなんですよ!はははっ!人間だけじゃなく猫とかも寄って来ちゃって。困ったもんですよ!」

森島「………」

橘「(信じて…くれたのか?…)」

森島「………証拠を見せてくれないと信じれない」

橘「えっ、しょ、証拠?」

森島「…そうね、今からここに女の子猫ちゃんを集めて見せて!ふふ、そうしたら信じてあげる」

橘「あ、はい……(無茶苦茶だよ!僕に猫を引き寄せる力なんてないよ!…しかもメスだけなんて!余計なことを言ってしまった…)」

森島「…どうしたの?やっぱりできない?」

橘「い、いえ(…よく考えろ…この状況を打破できる方法は…)」キョロキョロ

ミッキー「………帰るか」

ハナヂ「………そうですね」

ロミオ「」

橘「(あいつらまだいたのか…)」

橘「!!」

橘「そ、そうだ!森島先輩!」

森島「ん?どうしたの?」

橘「その、森島先輩も男の子を引き寄せる体質ですよね!?」

森島「う~ん、まぁそう言われればそうなのかな?」

なんかすまん
多分一番最初と今回を差して最初からといった
つまり森島先輩までみたような

>>22
とりあえず、さっきのスレが初めてって人もいると思うからこのまま続けるよ
すまんが森島編終わるまで待ってて

橘「前によく犬が寄ってくるって言ってましたよね!?」

森島「うん、確かにわんちゃんはよく寄ってくるわ」

橘「ですからその、僕はメス猫を、森島先輩はオス犬をどのくらい引き寄せることができるか、勝負しませんか?」

橘「そのほうが森島先輩を退屈させずに済みますし、僕が勝てば証拠にもなります!」

森島「わお!なんだか楽しそうねそれ!いいわ!勝負しましょう!」

橘「(よし!やったぞ!…森島先輩はこの学校に猫が一匹住み着いてることを知らない!…七咲になついてるプーだっけ?確かメス猫だったはず!)」

橘「(それに対し犬なんてこの学校にほとんど入ってこない!どうにかしてプーを連れてこられれば1対0で僕が勝てる!)」

?「なんだか面白いことになってるな」

?「…興味深々」

橘「………先輩方、どこにでもいるんですね…」

夕月「こんな面白そうなことほっとけるか!」

飛羽「…しかも相手はあの森島」

橘「(…そうだ!せっかくだから先輩方にプーを連れてきてもらおう!)あ、あの先輩方

森島「わおっ!二人とも私たちの勝負の審判になってくれるために来たのね?」

橘「えっ」

夕月「ん~まぁそんなとこだ」

飛羽「…闘いをフェアにする」

橘「ええっ」

夕月「…なんだ橘、お前まさか私らにズルの手伝いをさせる気だったのか?」

飛羽「…見損なったぞ」

橘「い、いえ!そんなことはないです!」

夕月「まぁこの勝負で私らの敵討ちをしてほしいってのはあるが…」

飛羽「…だからこそフェアでないと気がすまない」

橘「はぁ(くっ…なんて使えない先輩たちなんだ!その上敵討ちしろだとか………仕方ない、ここはインチキなしでプーを呼ぶしか!)」

森島「…それじゃあ…始めましょうか!」

橘vs森島 開始!


森島「行くわよ!橘くん!」ナンドーモ

橘「!?(なんだ!?森島先輩が踊りだしたぞ!?)」

夕月「いきなりそうきたか!」

飛羽「…ラブリーダンス。…あの踊りで犬を引き寄せることができる」

橘「…ラブリー…ダンス……」

夕月「…私らが勝負したときもあの踊りで負かされた」

飛羽「…しかも今回は動きが艶やか…オスに絞ってきている」

橘「…なんだか…僕も吸い寄せられてるみたい…です…」

夕月「気をしっかり持て!橘!」

飛羽「…くっ…やはり森島は一筋縄ではいかない…お前自身を狙ってきている」

橘「えっ?ぼ、僕を…ですか?…くっ」フラ

夕月「…森島はな、『人間を動物に変える眼』を持っているんだ…」

橘「?どういうことですか…?僕にはさっぱり…」

飛羽「…お前は森島にわんちゃんみたいと言われたことがないか?」

橘「はい、ありますけど…それが?…」

夕月「あいつは動物っぽい人間を見ると、その人間の見た目を動物に変換するんだ」

飛羽「…つまり今森島はお前を『オス犬』として認識している」

橘「………ということは、僕がこのまま森島先輩にじゃれようとすれば……」

夕月「…そう、お前の負けだ!」

橘「っく…今すぐにでも膝裏を舐めに行きたいっ!なんなんだこれはっ!…」フラッ

飛羽「…しっかりしろ、回避する手はある」

橘「!?ど、どうやってです!?」

夕月「…漢を見せろ」

橘「えっ?」

飛羽「…人間のオスであることを認識させるのだ」

橘「漢…人間のオス…」

橘「…そういうことですか…わかりました!」

ウワギヌギッ
シャツヌギッ
エロホンバサァ…

夕月「ってまた脱ぐのかよ!」

飛羽「…今度は半裸」

橘「先輩方、服とお宝本をお願いします」スッ

森島「!?」

橘「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」フンッフンッフンッフンッフンッフンッ

夕月「腕立て伏せ!?すごい速さだ!」

飛羽「…橘、やる男よ」

橘「そぅりゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」フンッフンッフンッフンッフンッフンッ

森島「!!?」

夕月「見ろ!森島の動きが止まった!」

飛羽「…橘を人間の男であると認識した」

橘「はあっ…はあっ…はあっ…」

森島「わ、わお、すごいわね橘くん!なんだかすごく男らしいぞ!///」

夕月「しかしこれでやっと両者対等になったに過ぎない!」

飛羽「…勝負はこれから」

森島「やるわね橘くん!でもまだまだこれからよ!」ナンドーモ

夕月「またラブリーダンスか!」

飛羽「…しかし、もう橘には効かない」

ワンワン!
ワフンワフン!
ワフワフ!

夕月「!?…来やがったか!」

飛羽「…3匹…森島にしては少ないが、学校でこの数…十分か…」

橘「(くっ!3匹もっ…どうする?このままでは…負けてしまう!どうやってメス猫を呼ぶか…)」

橘「(…猫…野生…ワイルド……アフリカ………!?)」

橘「(この前テレビで見たアフリカ部族の挨拶のポーズ………ダメ元でやってみるか!)」

橘「にゃんにゃん!ごろにゃ~ん!!」ビシッ

シーン

森島「………」

夕月「………」

飛羽「………」

ペース速いな支援

?「……何やってるの?にぃに…」

?「……た、橘くん?服を着てくれないかな?」シロッ

橘「美也っ!!絢辻さんっ!!」

美也「なんだか犬の声がすると思って来てみれば………なんで上半身裸なのっ!?それにそのポーズなんなの!?」

橘「あ…いや、いろいろあって……」

美也「もう!みゃー恥ずかしいよ!…それと!ちゃんと二人に謝ったの!?」

橘「それは…これから…」

絢辻「橘くん?兄妹喧嘩もいいけど、早く服を着てくれない?その、風紀的に困るんだけど…」

橘「あ、うん……ごめんなさい…すぐに着ます」

絢辻「そうしてくれると嬉しいな」ニコリ

橘「(なんてこった…見られてたのか…あっ服、服)」

橘「!?」

>>36
あ、やっぱり早い?
二分か三分ペースにします

橘「(…………僕の上着の上に黒猫!?もしかして…プーか!?保護色になってて気が付かなかったよ!)」

ナーオ

橘「プー…来てくれたのか…よしよし。でも…1対3……僕は負けたんだ…」

?「…やっぱり先輩はどうしょうもない最低の変態ですね」

橘「!?」

橘「な!七咲!!?」

七咲「…プーを追いかけたら変態に行き着くなんて……ほら、プー?行こう?変態がうつるよ」

橘「…そ、そこまで言わなくても…」

七咲「喋らないでください変態」

森島「…橘くん、この勝負決まったわね…」

橘「え、あ…森島先輩…はい、僕の負

森島「…私の負けね……」

橘「えっ??」

橘「えっえっ?だって森島先輩が3匹で僕が1匹でしょ!?僕の負けですよね!?」

森島「いえ、キミの勝ちよ橘くん。私は3匹、キミは4匹でしょ?」

橘「???あの、よくわからないんですが……」

夕月「………橘、森島の言う通りお前の勝ちだ」

橘「?」

飛羽「…言ったはずだ。森島は『人間を動物に変える眼』を持っていると」

橘「!?」

橘「(ま、まさか………美也、絢辻さん、七咲を猫と認識したのか!?た、たしかにみんな猫っぽい……絢辻さんはどっちかというか『猫科』だけど)」

森島「キミが言ってた『女の子を引き寄せる体質』信じるわ」

森島「その…キミが腕立てしてる姿、すごくかっこよかったから///女の子を魅了しても仕方がないことかなぁなんて///」

森島「………そういえば私も橘くんに引き寄せられた女の子の一人だったもんね///」ゴニョゴニョ

橘「?」

森島「なっなんでもないの!///勝負、楽しかったよ!それと、あんまり見境なく女の子にイタズラしちゃだめなんだからねっ!」タタタッ

橘「森島先輩……(捨て台詞を吐いて行っちゃった…元に戻った、でいいんだよな?)」

夕月「おー!やったじゃないか橘!あの森島を打ち負かすなんて!」

飛羽「…正しくは『落とした』か」

橘「夕月先輩…飛羽先輩…」

夕月「んーっ!満足満足!!」

飛羽「…さて、教室に戻るか」

橘「あれ?戻られるんですか?てっきりこのあともついてくるものだと思ってましたよ」

夕月「最初はそのつもりだったんだけど、森島倒したら十分スッキリしたしもういいかなって」

飛羽「…正直飽きた」

橘「そうですか…」

夕月「んじゃ橘、あとがんばれよ!」

飛羽「ばいばいきーん」

橘「あ、はい、ありがとうございました!」

ガシッ

橘「ひっ!?」

絢辻「た、ち、ば、な、くん?服、着てくれないかなぁ?」ニコニコ

橘「あ、絢辻さん!ごめん、すぐ着るよ!」スッスッ

絢辻「あ、あとこの本は没収ね?」スッ

橘「あっ!(朝の2時から並んで買った激レアお宝本なのに………しょうがないか、さよなら、黒髪巨乳お姉さんの肌色ストッキング……)」

絢辻「私も忙しいからあんまり問題とか起こさないでね?それじゃ」ニコリ

橘「…わかりました…(絢辻さん、相変わらず白いけど十分怖いよ…)」

美也「………紗江ちゃんが泣いたのも、逢ちゃんが怒ってたのもやっぱりにぃにのせいだったんだね!」

橘「!!美也!違う!これには訳があってだな…」

美也「ふん!もうにぃにとは口聞いてやんないもんだ!行こっ逢ちゃん!」スタスタ

七咲「変態のお兄さんを持って、美也ちゃんも大変だね。あんな人メロンパンにでもなっちゃえばいいのに」スタスタ

橘「な、七咲っ!お、おい……」

橘「(まずいな…美也まで敵に回しちゃったよ…このままじゃ家にも僕の居場所が無くなるよ…)」

橘「(そのうち一年生全体に半裸腕立て男の噂が広まって…全校にまで…)」

橘「(噂といえば、森島先輩の場合は手紙でもなく写真でもなく噂のみだった……森島先輩は顔が広いからどこからでも情報を収集してくる……それを利用したのか…)」

橘「(僕との仲がそこそこな女の子たちには噂は広まっていない…僕の今後の学校生活を考慮している?なぜ?)」

橘「(僕と特に仲がいい女の子がどうすれば僕のことを避けるようになるのか、そして僕の肩身が狭くならない範囲…すべて把握している……)」

橘「(そこから手紙や写真、噂などの手段を選んでいるのか……そんなことが…本当に神様の仕業じゃないのか?)」

橘「(まだよくわからないよ………とりあえずは一年生の誤解を解いていくしか)」

橘「(次は、七咲…待ってろよ)」

ラブリー編終わりです
これからは誰も見てないところだと思います

てか猿怖いよ…このペースで大丈夫だよね?

昼休み、プール裏


橘「(…七咲は…おそらくプールで昼練をしている……七咲とどう決闘するか…)」

橘「(いや、ここに来た時点でもう決まっている……プール…そう、やることはひとつ……)」

橘「(七咲と水泳勝負だ!!!)」

橘「(今、七咲の中で僕は最低変態ゾウリムシ野郎に位置付けされている……僕が何か言ったところで、きっと誤解は解けないだろう)」

橘「(ここは、正々堂々勝負して誠意を示す!僕を避ける理由を聞き出すのはそのあとだ!!)」

プール

ガチャッ

橘「(よし、いくぞ………)」スゥ~~~…

橘「七咲~~~~っ!!!!」

橘「僕と…決闘しろ~~~~っ!!!!」

七咲、塚原「!!?」ビクッ

塚原「ちょ、ちょっと橘くん!?いったい何事!?」

橘「…塚原先輩もいらっしゃったんですね…」

塚原「…はぁ。橘くん、今は水泳部の昼練の最中よ?何か事情があるのかもしれないけど、後にしてくれない?」

橘「…すみません、塚原先輩。今じゃないと駄目なんです」

塚原「…そう言われてもねぇ…」

七咲「………」

七咲「…塚原先輩、この変態は私に用があるみたいです…少し休憩ということでお時間頂けませんか?」

橘「七咲…」

塚原「………そうね。橘くんには、はるかの件でお世話になったし………いいわ、少し休憩にしましょう」

橘「塚原先輩!ありがとうございます!」

橘「…それと七咲…急にすまんな」

七咲「………それで?今回は何の用ですか?また覗きに来た、とかだったら許しませんよ?」

橘「(うぅ…七咲がすごく怖いよ)」

橘「………さっき言った通りだ。七咲、僕と決闘してくれ!」

七咲「………はぁ。また何かの冗談ですか?」

橘「…いや、本気だ。七咲…僕の目を見てくれればそれがわかるはずだ」

七咲「………」

七咲「…本気みたいですね。それで、勝負してなんの意味があるんですか?」

橘「…僕が勝ったら少しだけ僕と話をしてほしい。それだけだ。七咲が勝てば僕はお前の視界に二度と入らない」

七咲「…わかりました。受けてたちましょう。……それで、勝負の内容は?」

橘「…水泳だ。50メートル自由形一本」

七咲「はいっ!?それは…冗談ですよね?」

橘「…さっきも言ったはずだ。僕は本気だ!」

七咲「…確かに女子よりも男子のほうが筋力があります…でも、現役水泳部とただの変態じゃその差は歴然ですよ?………私はなめられてるってことですね?」

橘「…なめてなんかないさ。僕の本気を見せてやる」ヌギヌギ

七咲「!?な、何いきなり脱いでるんですか!……って水着!?」

橘「ああ、あらかじめ着ておいた」

七咲「意気込みだけは本物だということですね」

七咲「…手加減、しませんよ…」

橘vs七咲、開始!

塚原「あら?休憩って言ったのにどうて二人ともスタート台に立っているの?」

橘「塚原先輩、すみません。七咲とプールをお借りします」

塚原「………なんだかよくわからないけど、二人ともやけに真剣な表情ね……わかったわ、私がスターター兼審判をしましょう」

橘「ありがとうございます!」

?「今日一日どこにもいないと思ったら…何してんだ?大将…」

橘「!?う、梅原!?どうしてここに?」

梅原「棚町に聞いたら、階段から落ちて怪我して保健室で寝てるって言うじゃねぇか」

梅原「それで心配して見舞いに行ったら大将の姿はねぇし」

梅原「んで、ブラブラしてるとプールからお前の叫びが聞こえてきたから、確かめに来たってわけよ」

橘「そうだったのか…(そういえば梅原には決闘のことは話してなかったな…)」

梅原「で?なんで七咲と競泳しようとしてるんだ?」

橘「すまん、梅原。僕がこうしてる理由を話すと長くなる。…これが終わってからでいいか?」

梅原「まったく…悩みなら最初に俺に相談しろっての。まぁいい。この勝負、見届けてやる」

橘「ありがとう、梅原!」

塚原「さぁ、二人とも準備はいい?」

七咲「はい」

橘「よろしくお願いします!」

塚原「………位置について……よーい!」

パンッ!

ドドボンッ!!

梅原「…始まりましたね」

塚原「…正直、橘くんが七咲に勝てるとは思わないわ…七咲はうちのエースよ?」

梅原「フフ…まぁ、見ていてくださいよ。………あいつはできる男です」

七咲「………」バシャッバシャッ!

橘「………」スイッー

七咲「………」バシャッバシャッ!

橘「………」スイッー

塚原「………!?」

梅原「……気付きましたか?」

塚原「………た、橘くん………飛び込んだときから"息継ぎをしていない"!?ずっと潜水してるわ………」

梅原「奴は水中で約2分息を止めることが出来るんです………そう、"全力で泳ぎながら"!!」

塚原「そんな…バカな……水泳部にもそんな肺活量の人間はいないわよ!?………それに潜水のメリットもないわ!」

梅原「…橘があの技能を修得した理由は、ただ泳ぎが速くなりたいとか体力をつけたいとかではないんです」

塚原「……どんな理由が………!…二人とも半分の位置まで来たわね…今のところ七咲のほうが優勢だわ………橘くんはまだ潜水して………」

橘「ぷはっ!!」バシャッ!

七咲「!?」バシャッバシャッ!

塚原「!…橘くん、ようやく息継ぎを………」

橘「………」バシャバシャバシャ

塚原「!!?」

塚原「な!なんなの!?あの泳法は!?」

塚原「い、犬かき!?」

梅原「…それも奴の持っている水泳技能のひとつです」

塚原「………いや…犬かきは遅いでしょ………って!?は、速いっ!!」

七咲「!!……」バシャッ!バシャッ!

橘「ハッ!ハッ!」バシャバシャバシャ

塚原「あの泳ぎであの速さ………い、いったいどんな筋力をしているの!?それに、なんだか本物の犬みたいね…」

塚原「…梅原くん…さっきの理由、気になったわ。聞かせてくれる?」

梅原「はい……その昔、橘は考えてたんです………プール、海、川で女の子の『ローアングル』と『ハイアングル』を自然に覗く方法をっ!!」

塚原「!?」

梅原「…奴は数ヶ月ともいえる間、研究を重ねました……そして見つけたんです!究極の泳法を!」

塚原「………」ゴクリ

梅原「…女の子のお尻が水中ならばずっと水中に!!女の子の胸が水上ならばずっと水上に!!その状態を維持できる泳法が『潜水』と『犬かき』なんです!!」

塚原「………」

梅原「…さらに、相手が競泳女子の場合も想定し、泳ぎについて行ける速さを得ました…」

梅原「………今も例外ではありません。…潜水中、橘はずっと七咲の少し後ろをキープしていたはずです………おそらく無意識にでしょう」

塚原「た、確かに言われてみればずっと………」

梅原「…そして今まさに泳法を犬かきに移した……この意味、わかりますよね?」

塚原「女の子の胸を覗く……そのためには、女の子の前方からでないと覗くことができない………つまり…」

梅原「…そうです、七咲を追い抜かざるを得ない!!」

橘「ハッ!ハッ!ハッ!!」バシャバシャバシャッ!

七咲「!?」バシャッ!バシャッ!

七咲「っくっ!」バシャッ!バシャッ!

塚原「な、七咲を追い抜いたわ!!」

梅原「…ゴールまてあと3メートル…2…1…」

パシッ!!

塚原「…勝者!橘くん!」

梅原「…やったな!大将!」

橘「はあっ!…はあっ!…」

塚原「橘くん…すごいわ。まさかあの七咲に勝つなんて……」

橘「…塚原先輩…ありがとうございます」

梅原「俺は信じてたぜ、大将!」

橘「梅原…ありがとう」

七咲「………」

橘「な、七咲!」

七咲「………完敗です、先輩…負けを認めます」

橘「七咲…」

七咲「まさか、あんな泳法するなんて………びっくりして…途中で…その……」

七咲「失禁してしまいました…」

橘「!!!?」

橘「ど!どの辺で!!?」ダッ

七咲「冗談ですよ」

橘「えっ!?あ、ああ…そうか…そうだよね……」

七咲「…ぷっ」

橘「えっ」

七咲「ぷっくくくっ……あはははは!」

橘「な、七咲?どうして笑って…」

七咲「す、すみません…ぷくくっ……なんだかっくくっ……可笑しくなってしまって」

七咲「じ、自由形でい、犬かきっ…くくくっ」

橘「ぼ、僕は真剣だったんだけど…」

七咲「あ、ごめんなさい…バカにしてるわけではないんですよ?先輩」

橘「絶対バカにしてるだろ…」

七咲「そんなことありません」

七咲「…泳いでいるとき、考えてたんです。どうして先輩はいつも私を困らせることばかりするんだろうって」

七咲「後ろから抱きついたり、スカートめくろうとしたり」

橘「………」

七咲「………でも考えてみて気付いたんです。先輩がイタズラしているとき、私は嫌な気持ちではありませんでした」

七咲「むしろ楽しかったんです。先輩がイタズラしたら私も冗談で対抗したり、先輩の奇行をあしらったり……先輩のイタズラはすべて私を笑顔にさせてくれました」

七咲「今の勝負もそうです……犬かきっ…ぷくくっ」

橘「ほら!バカにした!」

七咲「………そんな先輩が私を悲しませるイタズラなんて絶対にするはずがない。何かの間違いだって。それに気付きました」

七咲「……色々悩んだり、先輩を避けたり、そんなことしていた自分が可笑しくって可笑しくって…ふふっ」

橘「…七咲」

橘「……その七咲を悲しませたイタズラ、僕に教えてくれないか?」

七咲「…はい。この手紙です」カサッ

橘「(手紙っ!薫と同じパターンか!?)」カササッ

『七咲へ
さいきん七咲は調子に乗ってると思います。
気が付いたら僕にちょっかいばかりかけて…
仕返しとして水着は没収します。仕方ないよ
ね?
橘より』

橘「………」

橘「(なんだこれ…水着?没収?どういうことだよ!…それにしっかり縦読みまで……)」

橘「七咲…まさか…水着を……」

七咲「…はい。朝練前に無くなってました。その代わりにこの手紙が……」

七咲「以前先輩に数学を教えていただいた時のノートに書かれた先輩の字と一致したので、間違いなく先輩がやったものだと…」

橘「まんま僕の字だけど、これは僕の書いたものじゃないよ…それに水着なんて盗んでは…」

七咲「わかってます。ただ、この時は冷静になれなかったんです」

橘「ロッカーにはカギが掛かってたはずじゃ…?」

七咲「…はい、掛かってました。四桁の番号式のものに最近変えたばかりなので、すごく驚きました…」

橘「なにっ!?ば、番号は!?」

七咲「………なんで教えなくちゃいけないんですか?」

橘「えっ?あ、いや、なんとなく気になっただけで…ははは…」

七咲「………1214………です」ボソッ

橘「えっ?」

七咲「ふふっ。なんでもないです」

橘「………それにしても、七咲の水着まで盗まれてるなんてな…」

七咲「まさか他にも被害者が?…」

橘「被害ってほどでもないけど…同じようなことが起きてる(一番の被害者はきっと僕だよ…)」

七咲「いったい誰がこんなことを…」

橘「…まだ僕にもわからないんだ…」

梅原「あのー大将?…話しているところ悪いんだが、そろそろ俺にも説明してくれないか?…」

橘「あ、梅原、すまん…今から」

塚原「さて七咲?休憩…は終わったのよね。昼練、やるわよ?」

七咲「すみません、塚原先輩。貴重なお時間を使ってしまって…」

塚原「ふふっ、いいわよ。ちょうど、悩み事を解決するまで練習に来るな!って言うつもりだったし」

七咲「…わかってらしたんですね…」

塚原「七咲、あなた悩みがすぐに泳ぎに出てくるからわかりやすいのよね」

橘「七咲」

橘「その…今までイタズラばっかりしてごめんな?そのせいで七咲を悲しませることになってしまった」

七咲「………いいんです。私のほうこそすみませんでした」

七咲「…それにさっきも言ったじゃないですか。先輩のイタズラは悪い気はしません、むしろ楽しいんですって」

七咲「…だからその……これからもたくさんイタズラしてください!///」

橘「…ありがとう、七咲。…僕はそろそろ次に行かなくちゃならい…七咲の水着も必ず取り戻してくるよ!」

七咲「いいですよ、何に使ったかわからない水着なんて…それに水着なら何着か予備がありますし……それよりも先輩…がんばってくださいね!」

橘「ああ!………塚原先輩もありがとうございました!」

塚原「こちらこそありがとう、よ。はるかの件も七咲の件も…がんばってね!」

橘「はい!失礼します!」

橘「(よし!七咲も元に戻ったそ!………まさか手紙だけでなく水着を盗んでいるとは……欲しいと思ったのは内緒にしておこう!)」

プール裏

ーーー

梅原「…なるほど、そんなことがねぇ…昨日棚町が機嫌悪かったのはそれが原因か…」

橘「ああ…とんでもないことになってるんだ。
だからみんなを元に戻すために僕は闘っている」

梅原「…大将、その闘い、俺にも手伝わせてくれないか?」

橘「梅原…」

梅原「まったく水くさい野郎だな!親友の俺を少しは頼れってんだ!…まぁお前の問題だから俺は助言くらいしかできないんだかな」

橘「ありがとう、梅原!助かるよ!」

梅原「…で、次はどうするんだ?」

橘「…ああ、次は中多さんと決闘だ!」

放課後、一年生教室

ヒソヒソ
ワーアレガウワサノハンラウデタテオトコカー
タチバナサンノオニイサンナンダッテー

梅原「…た、大将、なんか噂されてないか?」

橘「う、うん…」

橘「(もう噂が広まり始めてるぞ?早くなんとかしないと…)」

橘「(さて、中多さんは………いるかな?)」

ガラッ

橘「(あっ!いたぞ!教室に中多さん一人だ!なんて都合のいい……あれ?…うつむいて何か書いてるみたいだけど…宿題かな?)」

梅原「どうした大将、声かけないのか?」

橘「あ、ああ(中多さんからなにやら不穏なオーラが…気のせいかな?)」

橘「な、中多さん?ちょっといいかな?」

中多「ひゃうっ!?え、あ、橘先輩…と……う!梅原先輩!?」キタコレ!

橘「えっ?あ、あの…」

中多「ま、ましゃか橘×梅原のネーム中にお二人に出会えるなんてっ!!ふひひ…」

橘「あの…」

梅原「…た、大将、なんだか様子が………」

中多「あ、すみません!な、何かご用ですか?」

橘「あ、うん(あれ?避けられて…ない?昨日は僕の顔見ただけで逃げ出したり、名前が出ただけでも泣いてたっていうのに……)」

橘「(誤解は解けてるのか?…とりあえず確かめてみよう)」

橘「あの…中多さん?その…昨日、下駄箱に手紙か写真が入ってなかった?」

中多「は、はい!写真が入ってました」

橘「(よし!ビンゴだ!これは梨穂子と同じパターン…いける!)」

橘「…中多さんはもうわかってると思うけど、その写真は合成写真なんだ!」

中多「………」

中多「……うそです」

橘「えっ」

中多「そんなのうそです!やっと諦められたのに!BLの世界に逃げれらたのに!」

橘「えっえっ?(ど、どうしちゃったんだ!?BLの世界ってなんだ?)」

中多「…帰ってから考えたんです…ものすごくショックだったけど、先輩が幸せなら……BLならまったく問題ないよね?って……ふひっ」

橘「えっと、ごめん…とりあえずその写真を見せてくれない?」

中多「………」ピラッ

橘「!?!?」

橘「(………これは………僕と…梅原が…裸でチョメチョメしている写真…)」

橘「(オエッ…吐き気がしてきたよ…)」

梅原「…どんな写真なんだ?大将」

橘「!?あ、いや、ちょっとこれは見せれない…」

梅原「いいじゃねぇか大将!俺と大将の仲だろ?」グイッ

橘「や、やめろって…」

中多「………」テカテカ

橘「(こころなしか、中多さんが嬉しそうな眼差しをしている……)」

バッ

橘「あっ!…」

梅原「さてどんな写真……」

橘「………」

梅原「………」

梅原「……すまん、大将…ちょっと吐いてくる…」

橘「………ああ…」

ガラッピシャッ

橘「……と、とりあえず言っておくよ…これは間違いなく合成写真だ…」

中多「………そんなはずないです。現に今だって……」

橘「ご、誤解だよ!僕は女の子が好きだし梅原も女の子が好きだ!」

中多「それを証明…できますか?」

橘「え、あ…(まずいな…梨穂子のときのようにコラ元を見せるなんてできない…さすがの僕でもホモお宝本なんて持ってないよ!)」

橘「(中多さんはもう僕を避けてはいないけど………しかし、この誤解はシャレにならない!)」

中多「…証明…できないんですね?……だったら」

橘「ちょっ、ちょっと待って!!(誤解を解く方法…誤解を解く方法…)」

橘「(…やばい…今回ばかりは思いつかないよ…とりあえず、気をそらさせよう…)」

橘「そ、それにしても中多さん、絵がうまいなぁ!僕も暇なときよく落書きしてるんだけど、全然及ばないや!僕は女の子しか描けないし!」

中多「えっ?そ、そうですか?えへへ…こ、この作品は自信があるんです…特にこのシーンとか…」

橘「あ、あーね!(おえぇぇ……僕と梅原がチョメチョメしているシーン……よりによって…)」

中多「…それと、このシーンが…」

橘「う、うん(…このままじゃ僕の精神と胃がもたないよ……)」

ガララッ

梅原「…ただいま、大将……」

橘「お、おう………!?」

?「やっほー橘くん!」

橘「か、香苗さん!?」

橘「(なぜ香苗さんが?…それに梅原が香苗さんに支えられているぞ!?どういうことだ?)」

伊藤「さっき廊下で梅原くんに会ってさ、なんだか気持ち悪そうにしてたからここまで連れてきてあげたの」

梅原「…ちょっと刺激が強すぎてな…吐けないわ、気分悪いわで……はは…情けないな」

伊藤「あはは!もっとしっかりしなさい!」バシバシ

梅原「ひ、ひどいぜ…香苗さん」

橘「(ー僕は今、爆発しろ!と言いたい衝動にかられたー………ってそんなことはいい……今は誤解を……)」

橘「(あっ…そうだ、この二人を利用して!)」

橘「み、見てみなよ中多さん!梅原が女の子と仲良く肩を組んでるよ?」

伊藤「えっ?」

梅原「えっ?」

伊藤「あっ///ご、ごめん梅原くん///もうよかったよねっ///」ススッ

梅原「あ、ああ///ありがとうな香苗さん///」ススッ

橘「ほらほら!青春カップルのような恥じらい!これで僕らが女の子のほうが好きだって証明できたよね?」

中多「…っく…確かに……そうですね…」

中多「でも……」

中多「…橘先輩の証明にはなりません」

橘「あ…(くそっ……女の子好きを証明できるもの…何か…)」キョロキョロ

橘「!!」

橘「(BL本…男同士の恋愛に対する想い…………女同士の恋愛に対する想い……百合本)」

橘「…中多さん…BLに対する想いはどのくらいある?」

中多「えっ?そ、それはもう誰にも負けないくらいに!!」

橘「そうか…それじゃあもし、その想いより
僕の百合に対する想いが上回っているとしたら、それは証明にならない?」

中多「!?」

中多「………そうですね、証明になります」

橘「それじゃ、僕は百合漫画、中多さんはBL漫画を描いて誰かに優劣をつけてもらう、ってのはどうかな?」

中多「………わかりました、でも私の想いに勝てるわけありません!」

橘「…それはやってみないとわからないよ。さて、じゃあ誰に見てもらおうか?」

伊藤「………ずっと話聞いてたけど、なんだか面白そうなことしてるわね!よし!私が審判してあげる!」

橘「香苗さん!?」

中多「…で、でもBL、百合がわからない人ではちょっと………」

伊藤「………乳運命」ボソッ

中多「ど、どうしてその名を!?」

伊藤「私、パソコン部なの。だからネットで話題になる有名な作家のことならだいたいわかるわ。それに…どんなえげつないBL、百合にも耐性ついてるしね!」

中多「…そうですか…それじゃあお願いします伊藤先輩」

伊藤「ついでにルールも決めてあげる!そうね…時間は2時間!それまでに5ページ完結で仕上げること!」

橘「に、2時間…5ページ………キツくない?」

伊藤「なにも完璧に仕上げろ、とまでは言わないわ。しっかり読めて、想いが伝わってくればそれでよし!」

橘「わ、わかったよ」

伊藤「中多さんも、これでいいわね?」

中多「はい!大丈夫です」

伊藤「……それじゃあ…スタート!」


橘vs中多、開始!


橘「………」カリカリカリ

中多「………」カリカリカリ

梅原「…さて、始まったな」

伊藤「そういえば橘くんって絵がうまいのね。この前落書きを見たんだけど、かなりのクオリティだったわ」

梅原「…それに関しちゃ俺も心配してない」

梅原「…あれは、小学校の頃だったか……まだお宝本を手に入れるのが難しかった頃、橘はひたすら妄想のみをオカズにしていた」

伊藤「しょ、小学校から!?なんてマセガキなの……」

梅原「まぁ、男なんてそんなもんさ…………ただ、奴だけは違った……」

伊藤「…それはどういう……」

梅原「………橘は妄想のみをオカズにすることに限界を感じたんだ……そこで奴は自分で女の子を描き、それをオカズにすることを思いついたんだ!」

伊藤「………」

梅原「………それだけじゃない。橘は、女の裸なんて見たこともないのに妄想だけでリアルな描写ができる…」

梅原「…正直、俺も何度かお世話になったよ…」

伊藤「………///」

梅原「そんな奴がお宝本を読むようになって女の体の仕組みを知った………描写力も格段に増しただろう………今の橘の力、俺でも計り知れない!」

伊藤「…橘くんにそんな力が……でも相手の中多さんも負けていないわ…」

梅原「そういや、あの子、漫画なんて描けるのか?」

伊藤「ふふっ、甘いわね梅原くん。描けるなんてものじゃないわ。『変態紳士と寿司屋の息子』って漫画、知ってるわね?」

梅原「………あ、ああ…名前だけなら田中さんが話しているのを聞いたことがある……巷じゃけっこう有名らしいな」

伊藤「…その作者が中多さんよ!!」

梅原「な、なんだってー!?」

梅原「と、ということは……素人vsプロってことか!?………完全に負け試合じゃねぇか!」

伊藤「………そうとも限らないわ」

梅原「え?」

伊藤「まぁ、時間になるまで待ちましょうか!」

2時間後


伊藤「…はい!終了!」

橘「ふぅ~~!」カタッ

中多「……よし!」カタッ

伊藤「さて、じゃあどっちから読みましょうか?」

中多「わ、私からで!…出来にじ、自信あります!」

伊藤「ほー、すごい自信ね。わかったわ…タイトルはっと…」

伊藤「『変態紳士と寿司屋の息子~アガリは濁り茶~』………なんだか、そそられるタイトルね…」

梅原「………香苗さん、俺は見なくても…いいよな?」

伊藤「ええ……MF先生の自信作……きっとゲロだけじゃ済まないわ」

梅原「………」

伊藤「…さっそく読ませてもらうわね…」ペラッ

伊藤「………」ペラッ………

ーーー

伊藤「…さて、すべて読んだわ…さすがMF先生………絵も格別にうまく、性描写もすばらしい!2時間で描いたとは思えない…正直持って帰りたい!」

中多「あ、ありがとうございます!」

梅原「…マジかよ…こりゃ大将負けちまうんじゃ…」

橘「………」

伊藤「…さて、次は橘くんよ?」

橘「うん」

伊藤「…タイトルは…『もじゃ子と腹黒委員長』…」

梅原「………」

伊藤「…読ませてもらうわね?」ペラッ

伊藤「………」ペラッ………

ーーー

伊藤「…なるほど」

梅原「え?お、おい大将!香苗さんなんか納得しちゃったぞ!?…大丈夫かよ!?」

橘「………」

梅原「黙ってないでなんとか言ってくれよ!……大将が負けちまったら…あの写真……本物だと認めちまうってことなんだろ!?」

橘「……大丈夫だ、梅原。僕の女の子への想い、一番よく知ってるのは梅原だろ?…僕を信じろ」

梅原「…お、おう…だがしかし…」

伊藤「………」

伊藤「…決まったわ」

中多「………」

橘「………」

伊藤「…この勝負の勝者………橘くん!!」

中多「!?なっ!?」ガタッ

お猿さんか

保守

梅原「!?お、おい!やったぞ!大将!」

橘「あ、ああ!」

中多「ど、どうしてですか!?な、納得できません!!」

伊藤「…中多さんの漫画はさっきも言った通り、絵もうまく性描写もすばらしい。ほんとにすごいわ」

伊藤「…それに比べ、橘くんの漫画は絵はうまいものの、正直言って素人に毛が生えた程度…性描写もうまく描ききれていない」

中多「え……なら、どうして………」

伊藤「………これがただ単に『漫画対決』だったら間違いなくあなたの勝ちよ……でもこの勝負は『想いの対決』…」

中多「………あ」

伊藤「…中多さん…あなたはこのジュンイチとマサヨシの性描写ばかりに力を入れすぎた…肝心のストーリーがペラペラよ?……変態紳士と寿司屋の息子って設定が生かせていない」

伊藤「…この二人を別の誰かに代えても…成り立つんじゃないか?」

伊藤「…そう考えたら…あなたのBLに対する想い、まったく伝わって来なかったわ」

中多「!!」

やっと…猿め…

伊藤「それに対し、橘くんの漫画はカオルとツカサの心情表現がよくできている。いつまでも仲が良くならないことに憤りを感じるツカサの表情。それに気づいていき、成長していくカオルの姿」

伊藤「本当にそこで起きているような表現。…女の子の気持ちを知らなければ、こんな表現はできない!……5ページでこのボリューム…橘くんの妄想力、表現力には脱帽したわ!」

伊藤「…百聞は一見にしかず、ね。中多さん、読んでみなさい?」

中多「…は、はい……」ペラッ

中多「!………!!………!!!」ペラッ!……

中多「…しゅ、しゅごい!………漫画の世界に引き込まれていく…」

伊藤「…私も中多さんの漫画の性描写には…その、お世話になってるわ……だからこそ言わせてもらう。もっと男の子の気持ちを知りなさい!」

中多「…はい…」

橘「な、中多さん」

中多「橘先輩………私の負けです…」

たまに別スレでレスしろ

次さるったらもう寝ます…
それまでゆっくりいきます
いつもアマガミスレにいますんで

絢辻すわん癒しておくれ

中多「…私、勘違いしてました。リアルな性描写こそ私のBLに対する想いだって……」

中多「…でも橘先輩の漫画を読むと…その女の子たちの気持ちが流れ込んできて…ああ、先輩は女の子が大好きなんだなっていうのが伝わってきました」

橘「中多さん……それじゃ」

中多「…はい、先輩方はホモではないことを認めます!」

梅原「やったぜ大将!」

橘「ありがとう、中多さん!」

中多「あ…じゃあ私諦めなくてもいいんだ…」ボソッ

橘「ん?」

中多「なんでもないでふゅっ!///」

中多「た、橘先輩……あ、あの私!男の子のこと……もっと知りたいです!」

橘「えっ」

中多「…伊藤先輩に言われた通り、私は男の子の気持ちをよく知りませんでした…」

中多「だから……その、参考としてですね……橘先輩のことがもっと知りたいです!///」

橘「…え、いやそんな参考になるかどうか…」

中多「いえ!あれだけ女の子の気持ちを理解している橘先輩ならきっと大丈夫です!」

橘「…あ、ああ…まぁ、いいよ…」

中多「!!ありがとうございます橘しぇんぱ………いえ、教官!!」

橘「そ、そんな教官だなんて……(…いや…中多さんに教官って呼ばれるのはまんざらでもない…かな?)」

橘「よ、よし中多さん!今日はもう遅いから明日から特訓だ!帰ってよく寝ておくこと!」

中多「はい!教官!明日からよろしくお願いします!では失礼します」タタッ

ガラッピシャッ

橘「(ふう~……すごく疲れたよ…でもまぁシャレにならない誤解は解けてよかった!中多さんも元に戻った…というか違うベクトルで仲良くなったというか……まぁ良しとしよう!)」

伊藤「…ホモのくだりはよくわからなかったけど…よかったわね、橘くん!」

橘「香苗さん!ありがとう、香苗さんのおかげだよ!」

伊藤「あはは!いいっての!桜井を元気にしたのも橘くんなんでしょ?お互いさまよ!」

橘「あと…2時間も引き留めちゃってごめんね」

伊藤「あ…私部活に行く途中だったんだ…ま、いっか!そゆわけで橘くん、私はパソコン部に寄ってから帰るね」

橘「うん、じゃあね!」

伊藤「…梅原くんも…バイバイ///」タタッ

梅原「お、おう!///」

ガラッピシャッ

橘「爆発しろ!」ボソ

梅原「?」

梅原「…それはそうと大将、今日はもう日が暮れちまったが……次はどうするんだ?」

橘「…絢辻さん……とりあえずは明日は様子を見るよ」

梅原「…そうか…それじゃ俺たちも帰ろうぜ?」

橘「ああ…」

夜、橘家

ガラッピシャッ

橘「ただいま~……っと美也は帰っているな」

橘「(そういえば、美也の誤解も解かなきゃだった……)」

ガラッ

橘「た、ただいま…」

美也「あ、にぃに、おかえり~!」

橘「あ、あれ?(ふ、普通だぞ?…なんで?口もききたくないって言われたはずなのに…)」

美也「?どうしたの?にぃに?」

橘「あ、いや今日、美也に口もききたくないって言われたのに、普通に話してるな~って…」

美也「ああ!そのことね!すっかり忘れてた」

橘「(僕の今後に重大なことを忘れるなよ……)」

美也「…今日のお昼休みが終わったあと、逢ちゃんに言われたの。『先輩は変態だけど、いっしょにいると楽しいよね』って」

美也「あとさっき紗江ちゃんから電話がかかってきて『先輩は変態だけど、頼りになるんだよ?』ってさ」

美也「二人とも機嫌がよくなってたし、にぃにが謝ったならもう許してあげようと思ったの」

橘「(………二人ともひどくないか?……)」

美也「それに考えてみたら、にぃにの奇行なんてめずらしいことじゃないって気がついたしね!にしし!」

橘「…ううっ…」

美也「そんなことより、早くお風呂入ってよ?」

橘「あ、ああ…」


自室


橘「ふぅ………とりあえず一年生の誤解はすべて解けた…半裸腕立て男の噂もそのうち消えるだろう……」

橘「…それより誤解の原因…調べるためにみんなからもらもらってきたけど…」パサパサッ

橘「しかし…良くできているよなぁ、手紙も写真も」

橘「…僕のこと調べまくったんだろうなぁ…そのリサーチ能力…計り知れないよ…お宝本のセンスまでいっしょだし…」

橘「………わかったことを整理すると…僕の今後の学校生活に気を使いつつ、女の子と僕を離そうとしている…」

橘「…恨みなんてものじゃないことは確かだ……僕のことが好きな女の子の嫉妬とか?」

橘「はははっ!そんなことはあり得ないな!」

橘「………もう寝よう……明日は絢辻さん……僕の命日になるかもな……」

橘「………あれ?」

橘「………」

橘「なんだよ…これ……ベッドにブライダル雑誌が敷き詰められている……」

橘「…は、ははは!か、母さんか美也だなっ!ま、まったくもう心配性なんだからっ!」

橘「…よ、よーし今日はすごく疲れたからなぁ!すぐ寝よう!」バサバサバサッ

少しペース落とせ

>>122
すまん、今日は猿かかるまでバーっと投下していいか?
さすがに眠たい…
スレ残ってたら明日続き投下するけど

ーーーー
ーーー
ーー


ピー…ガッガッ……リサ………ハカ…………マデイッショダ………ポ……ガッ

?「…橘くん…『裡沙…墓までいっしょだ』……うんうん!私も…同じ気持ちだよ?///」


ーー
ーーー
ーーーー

保守しといてやるからさっさと投下して寝ろ

翌日、昼休み、教室

橘「(…今日半日、ずっと絢辻さんを見てきたけど…相変わらず白い…)」

橘「(このままでもいいのかな……いや、そんなのダメだ!)」

橘「(せっかく絢辻さんと本心で話せるようになったのに…白いままだとなんだか嘘つきながら話されているようで…寂しいよ…)」

橘「(…しかしどうやって元に戻すか…)」

橘「(…よし…二人きりの状況を作って、絢辻さんの裏側が出るまで話し込もう!)」

橘「あ、絢辻さん!!」

絢辻「あら、橘くん、大声でどうしたの?」シロッ

橘「…ちょっと相談があって…屋上まで来てもらえないかな?」

絢辻「…うーん…今はちょっと…」

橘「(やばい…ここは強気で…)そ、そこをなんとか!クラスの人が悩んでたら、聞いてあげるのも委員長の仕事じゃないかな~…なんて……」

絢辻「あ?「わかったわ。いいわよ」ニコッ

橘「あ、ありがとう…(い、今心の声が聞こえたよ!はっきり聞こえたよ!!)」ブルブル

屋上


絢辻「…それで、どんな悩みなの?」

橘「(うぅ…そんな帰りたそうな顔しないでよ…)」

橘「ごめん…絢辻さん……悩み相談ってのは嘘だ」

絢辻「…まぁ、そんなことだとは思ったけどね」イラッ

絢辻「じゃあもう教室に戻るわね?」シロッ

橘「ま、待って絢辻さん!…なんでずっと猫被ってるの!?その理由を聞くまで帰さない!」バッ

絢辻「…まだそんなこと言ってるの?…そこをどいて」

橘「…いやだ」

絢辻「………」

橘「………」

絢辻「………」ゴスッ!

橘「うっ!」

橘「っ………」バッ

絢辻「………」ゴスッバコッ!!

橘「ぐはっ!!」

橘「くっ………」バッ

絢辻「………」

絢辻「はぁ………しつこい男ね…わかったわ…話してあげる」クロッ

橘「…あ、ありがとう(よし、黒辻さんを引き出せたぞ!)」ヒリヒリ

絢辻「…一昨日かしら…下駄箱に手紙と写真が入ってたの」

橘「なっ!?(手紙と写真両方だと!?)」

絢辻「…手紙が二通と写真が二枚、それとその時から委員の間で橘くんの噂が流れ始めたの…」

橘「!!?(フ、フルコースじゃないか!!犯人ビビり過ぎだろ!!……いや、まぁ仕方ないか…)」

絢辻「はぁ……消しゴムまで盗まれるし…」

橘「(消しゴムかよ!!やっぱり犯人ビビり過ぎだよ!!)」

絢辻「…こんなバカなこと…ほんと、迷惑だわ」

橘「………あれ?」

橘「ちょっと待って…もしかして絢辻さんは、それが僕のやったことじゃないって…気付いて…る?」

絢辻「当たり前じゃない。あなたがあたしに対してこんなことする度胸なんてないでしょ?…それにこんな子供騙しの手紙や写真…すぐに偽物だってわかるわ」

橘「!!そ、それならなんで!?」

絢辻「………その手紙と写真を破り捨てたあと、今度は机に写真が一枚入ってたの………これよ」ピラッ

橘「ど、どんなっ!!?」

橘「あっ!!!……」

橘「………」ダラダラ

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

ほす

絢辻「…やっぱり本物の写真か…身に覚えがあるみたいね?」

橘「………」アセアセダラダラ

絢辻「…はぁ………あなたやっぱり正真正銘のどうしようもない変態ね…」

絢辻「『妹さんの制服を着てエッチな本を恍惚な表情で眺めている』なんて…」ジトッ

橘「う、うわあああああぁぁぁぁぁ!!!そ、そんな目で僕を見ないでぇぇぇぇぇ!!!」

橘「(うわあぁぁぁぁ!!!ま、まさか、こんな姿写真に撮られていたなんて!!!くそっ!!誰だよ!?出てこい!!)」

絢辻「…いったいナニをしていたのかな?」ニコニコ

橘「な、なにもしてないよ!ほ、ほら!男がお宝本見てニヤけるのは、普通じゃないか!」

絢辻「それじゃどうして妹さんの制服を着ていたの?橘くん、女の子になりたいの?」

橘「………」

橘「…そこに、妹の制服があったから……」

絢辻「はぁ!?」

橘「性的意味なんてない!!ただ純粋に!そこに制服があったから着た!!それだけだ!!」

まさかまだ残ってるとは…
保守感謝です!
今から出ないといけないので絢辻編まで投下します
残りは昼か夕方以降で

絢辻「………変態ね」

橘「…くっ……」

絢辻「はぁ…本当はすぐにこの写真を学校中にばらまいて、あなたを学校から消すつもりだったけど、そんなことで騒ぎが起きたら学校のイメージが悪くなるじゃない?」

絢辻「それに、あなたはあたしの裏側をバラすことはないから、まぁこのままでもいいかなって」

絢辻「…正直あなたと二度と関わりたくないと思ったわよ…でも、クラスの雰囲気が悪くなるのも嫌だし、しょうがなく普通に接するようにしてたの……そう、表のままでね」

橘「………」

絢辻「…だけど、もうおしまいね……その行為を異常行為だとわかっていない……そんな危険人物をこの学校に置いておけないわ…」

絢辻「覚悟しなさい!この性的欲望の塊!!異常性癖のド変態!!」

橘「っ……!!」

橘「………」

橘「………訂正しろ」

絢辻「は?」

橘「訂正しろ、と言ったんだ!!…僕は性的欲望の塊でも異常性癖のド変態でもない!!『変態紳士』だ!」

絢辻「…どう違うのよ……」

橘「まったく違う!!僕は本能に従って紳士的変態行為を行う!しかし、そこに性的欲求は無い!!」

絢辻「…………」

橘「はあっ…はあっ…(もう………どうにでもなれ!!!)」

橘「絢辻…詞………僕と…」

橘「決闘しろぉおおおお!!!」

絢辻「………」

絢辻「………ふっ」

橘「………!?」

絢辻「ふふふっ!あははははは!!」

絢辻「何!?その勝負に勝ったら見逃しくれ、とでも言う気!!?ふざけるんじゃないわよ!!」

絢辻「そ・れ・に!誰に口を聞いているの?あたしに命令なんて10年早いわ!!」

橘「う…ち、違う!!僕の紳士的変態行為が性的欲望だけで動いていると思われるのが嫌なだけだ!!」

絢辻「………」

橘「………」

絢辻「ふんっ……いいわ…勝負してあげる」

絢辻「あなたが勝ったら、あなたの言葉、信じてあげる。それと、その写真についても見逃してあげてもいいわ…」

絢辻「ただし…あたしが勝ったら…」

絢辻「去勢しなさい」

橘「え」

絢辻「聞こえなかった?…あなたのその粗末なものを取り除いてあげるって言ってるの」

橘「絢…辻…さん?」

絢辻「そうすれば、性的変態行為は出来なくなるでしょ?あなたも女の子になりたいみたいだし?…ふふっ、まぁ学校にはいられなくなるでしょうね」

橘「………」

橘「(………やばい……絢辻さん…目が本気だ……負けたら…タマを取られる…いろんな意味で……)」

絢辻「どうなの?勝負、するの?」

橘「…はい(あ、返事しちゃった……)します…(僕、終わったかな?…)」

絢辻「…それで、何の勝負にしましょうか?あたしは別に殴りあいでも構わないわよ?」

橘「………昼休み明けの授業…歴史だったよね?……確か小テストがあったはず…そのテストの点数で勝負だ…」

絢辻「………あなた、何言ってるのかわかってる?勉強であたしに勝てるわけないでしょ!?それとも何?諦めて女の子になる決心がついた?」

橘「………僕は、本気だよ」

絢辻「………」

絢辻「本気……みたいね。わかったわ、その勝負受けて立とうじゃないの」

橘vs絢辻、開始!


教室

橘「………」カリカリカリ

棚町「……純一のやつ、昼休みずっとああして勉強してるけど……何かあったの?」

田中「えぇ?う~ん、頭でも打ったんじゃないのかな?」

棚町「!!…昨日あたしが殴ったから?…」

棚町「…ごめん……純一…」

梅原「お、おいおい……二人とも……ひどくないか?…」

田中「梅原くん」

棚町「…何か知ってそうね…?」

梅原「…知ってるもなにも……『決闘』だよ。…棚町ならこの意味、わかるよな?」

棚町「!!」

棚町「……そゆことか…」

田中「え?え?私わからないよ~」

棚町「…梅原くん、あいつから色々聞いたわけね……で、今は誰と闘おうとしているの?」

梅原「…絢辻さんだ」

棚町「!?」

梅原「絢辻さんと…次の歴史のテストの点数を勝負するらしい」

棚町「はぁ!?…そんなの…負けるに決まってるじゃない!!…やっぱり私が殴ったから…頭が…」

梅原「い、いやだから…」

田中「薫~!ど、どういうこと~?」

棚町「…恵子、いろいろあって絢辻さんと純一が、次の歴史のテストで勝負するらしいの…」

田中「えっ…うん、梅原くんと同じこと言ってる気がするけど?…」

棚町「あたしにも詳しくはわからないのよ!」

田中「そ、そうなんだ…絢辻さんと橘くんがね~」

梅原「『男として負けられない!』とあいつは言ってたよ。それと…『女の子になっても親友だからな…?』だってさ…」

棚町「…どういう意味かしら…」

梅原「…俺にもわからねぇよ………まぁ橘が必ずしも負けるとは限らないしな」

棚町「ほー、その根拠は?」

梅原「…棚町、俺らの代の入学試験……誰が一位だったか、わかるか?」

棚町「え?…そりゃ、入学式で新入生代表の挨拶をした絢辻さんでしょ?」

梅原「ああ、その通りだ。………じゃあ、二位は?」

棚町「えっ?……そんなの知らないわよ。試験の点数が公表されたわけでもないし」

梅原「………入学試験二位は…橘だ」

棚町「なっ…!?」

田中「えっ!?ええぇぇぇぇ!?」

棚町「な、何よそれ!!そんなの聞いてないわよ!?」

梅原「俺も奴が中三の冬から勉強してたのは知ってたが、まさかそこまでとは思ってなかったよ……」

棚町「勉強してた?だ、だってあいつ、中学三年の三学期は一人でエロ本ばっか読んでたじゃない!!」

梅原「ああ、それか………逆カバーだよ」

田中「逆カバー?」

梅原「よく教科書のカバーを漫画に被せて、授業中に読んだりするだろ?それの逆版だ…」

棚町「…つまりエロ本を読んでるように見せかけて、教科書を読んでたと…」

田中「どうしてそんなこと…」

梅原「…それは俺にもわからねぇ…あいつの思考は常人の斜め上を行ってるからな…」

棚町「…あいつがそんなに勉強してたとは…なんでそこまで…」

梅原「…棚町は橘がこの学校を志望した理由…知ってるか?」

棚町「え?それは、前に聞いたことあるわ。家が近いからでしょ?」

梅原「それもあるが………じゃあ、本当の理由を知らないんだな…?」

田中「本当の…理由…」

梅原「…この高校はこの地域で唯一、屋内プールがある学校…」

棚町「?それがどうかしたの?」

田中「もしかして、高校では水泳がしたかったからとか?」

梅原「…屋内プールがあるということはつまり…『一年中水着女子が拝める!!』…それが本当の理由だ」

棚町「………」

田中「………」

棚町「…まぁ、なんか納得しちゃったわ…」

田中「…橘くんが用もなしにプールのほうに行くの、ときどき見かけるしね…」

梅原「…あいつを動かすのはいつでもエロだからな」

田中「そういえば梅原くん、なんで橘くんが入学試験二位だってこと知ってるの?」

棚町「そうよ。公表なんてされなかったでしょ?」

梅原「ああ、それは…橘と高橋先生が話しているのを偶然聞いたんだ」

梅原「『橘くん、もっとしっかり授業聞きなさい!…あなた入学試験では二番目に成績がよかったのよ?やれば出来る人間なんだから!』ってさ」

棚町「…そういや、高橋先生はよくあいつに『期待してるんだから』って言ってたわね」

田中「でも、中間試験や期末試験ではそんなすごい成績でもなかったよね?」

梅原「…高橋先生との会話を聞いたあと、俺は橘に問い詰めたんだ」

梅原「入学して最初の1ヶ月間は教室で勉強してたらしい。小テストではかなりの高得点だったんだとか」

梅原「しかし奴はその時気付いたんだと。『あれ?…女の子たちがちょっと引いてるぞ?…もしかして、僕が気持ち悪いくらいに高得点を出すから!?』ってな…」

田中「………それはきっと、逆カバーのせいだよね…」

棚町「…あいつもつくづくアホな男ね…」

梅原「そんで、それ以降は定期テストや小テストも普通くらいの点数をとることにしたらしいぜ」

梅原「…まぁそんなわけで、橘は勉強に関してはやれば出来る男ってことだ」

棚町「…あいつ、とんでもない奴だったのね…いろんな意味で」

田中「でも相手はあの絢辻さんでしょ?いくら橘くんがすごいからって学年トップに勝てるかどうか…」

梅原「ああ、だから俺もこの勝負…どうなるのか、まったくわからねぇ…」

棚町「…さて、勝利の女神はどちらに微笑むのかしら……」

キーンコーンカーンコーン

ガラリ

高橋「はーい、午後の授業を始めるわよー!…っと、今日はこの前予告した小テストをします!みんな、勉強してきたわね?」

橘「高橋先生!…その小テストなんですが、僕と絢辻さんの分は、授業が終わったあとすぐに
採点してくれませんか?」

高橋「え?…橘くん、それはなぜかしら?」

橘「…理由は言えません。でも…どうしてもすぐに結果が知りたいんです!」

絢辻「高橋先生、私からもお願いします」

高橋「絢辻さんまで………わかったわ。何か意味があることなのね?…橘くんもやっとやる気を出したみたいだし」

橘「ありがとうございます!」

ザワザワ
タチバナトアヤツジサンガ?
ナンダナンダ?ドウイウコトダ?

高橋「はーい!静かに!…みんなの分もすぐに採点してもいいのよ?」

シーン

高橋「…はぁ…みんなも橘くんと絢辻さんのようにやる気を出してくれればいいんだけど…さて、小テストを始めるわよ!」

ー小テスト開始ー

橘「………」カリカリカリ

絢辻「………」カリカリカリ

田中「あっ!この問題、進研ゼミでやったことある!」タンポッ

高橋「田中さん、ちょっと黙りなさい」

橘「………」カリカリカリ

絢辻「………」カリカリカリ

ー小テスト終了ー

キーンコーンカーンコーン

高橋「はい!おしまい!今日解けなかった問題は必ず復習しておくように!」

橘「…ふぅ」

絢辻「………」

高橋「…橘くん、と絢辻さん…少し待っててね?すぐ採点してくるから」

ガララ

絢辻「ふふふ、橘くん、手応えはどうだったかしら」

橘「………それなりにできたつもりだけど……一問だけ問題文の意味が掴めなかったよ」

絢辻「あらあら、私は全問解けたわよ?ふふふっ、これは決まったかしらね?」

橘「…まだわからないよ。ケアレスミスしてる場合もあるんじゃない?」

絢辻「ふん、あたしに限ってそんなことはありえないわよ」

10分後

ガラッ

高橋「…採点、終わったわ。で、どうしましょうか?公表したほうがいいの?」

橘「…はい」

絢辻「お願いします」

高橋「…じゃあ出席番号順でいくわね。まず、絢辻さんから…」

行ってきます

昼か夕方にまた

ただいまです
猿がトラウマになったので5分ペースでいきます

高橋「…絢辻さんの点数は………」

高橋「100点よ!さすがね」

絢辻「ふふっ、ありがとうございます」

ザワザワ

梅原「…ひゃー…さすがは絢辻さんだぜ…こりゃあ……」

棚町「…万が一、純一が100点でも、同点か…」

田中「その場合はどうなるの?」

梅原「…わからん。仕切り直しとか?」

絢辻「いえ、その必要はないわ」

棚町「…絢辻さん…」

絢辻「だって彼、一問解けてないもの。ふっ、ふふふっ、名前決めてあげないとね?純子ちゃんとかいいかも。ぷっ、くくくっ」

田中「?」

梅原「…大将、今回ばかりは相手が悪かったようだな…」

橘「………」

高橋「…さて、次は橘くんね…」

高橋「…橘くんの点数は…」

高橋「120点よ!!…ここまで出来る子とは思わなかったわ…」

絢辻「はぁ!!?」

ザワザワ!

絢辻「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!!この小テストは100点満点のはずですよね!?なんで120点なんか…!!」

高橋「…それについては、先に謝っておくわ…ごめんなさい…」

高橋「…一問だけね、問題文が少しおかしいところがあったの…普通に読めば答えは一つなんだけど、深く考えるともう一つ答えが出てきちゃうの…私のミスよ…みんな本当にごめんなさい!」

絢辻「…そ、そんな!でも、橘くん、あなた一問解答できなかったって……!」

橘「…絢辻さん、僕は『解けなかった』とは一言も言ってないよ。『問題文の意味が掴めなかった』と言ったんだ」

絢辻「!!!」

高橋「…橘くんはその問題を絢辻さんと同様に解答して、私のミスを指摘し、さらにもう一つの答えまで導いていたわ…だから120点は妥当な点数だと思うの」

絢辻「…くっ…」

絢辻「………ふぅ」

絢辻「このダメ教師がっ!!!(そうですか…まぁ先生でもミスすることはありますよ)」

高橋「!?」

橘「あ、絢辻さん!逆、逆!」

絢辻「えっ?…あ………う、うふふ…」

高橋「………」

橘「絢辻さん、約束通り僕のあの言葉、認めてくれるんだよね?」

絢辻「………この勝負、『高橋先生のたまーにある仕方のないミスのおかげ』で勝敗が決まっちゃったわけだけど………運も実力の内っていうしね。…いいわ、認めてあげる」

橘「ありがとう!」

高橋「」

絢辻「あ、それと……」

ビリビリッ

絢辻「…この写真もなかったことにしてあげるわ」

絢辻「…この勝負、わたしの完敗よ!」

ワァッ!!

棚町「あんた、やれば出来るじゃない!このこの!」

田中「ちょ、ちょっとカッコよかったかも///」

ケン「…絢辻さん相手に……さすがだぜ!」

マサ「よくわからないけど、やったな!橘!」

田口「あの女王さ…絢辻さんに勝つなんて、あなたやるわね!」

山崎「完敗なんてお言葉、二度は聞けないわ!」

磯前「うん、うん!」

マリ「ただの変態じゃなかったんだね!」

橘「…みんな、ありがとう!」

梅原「へへっ、大将、モテモテじゃねぇか!よかったな!………っと、もう全部、終わったんだな?」

橘「梅原…ああ、終わったよ。協力してくれてありがとう!」

梅原「だから水くさいってんだよ、大将!俺は本当になにもしちゃいねぇ。全部お前の力だ!」

橘「梅原…」

ギリッ……

梅原「……ん?」

上崎「………」ジーッ

梅原「…(教室の入り口に……誰だ?)」

上崎「!?………」タタタッ

梅原「………」

橘「ん?どうした?梅原」

梅原「…いや、なんでもねぇ…あー、勝利の余韻に浸ってるとこわりぃが、ちょっくら用事思い出したわ……じゃあな」タタタッ

橘「う、梅原?……あ…行ったか…」

絢辻「…あの女か…」

橘「あ、絢辻さん…?どういうこと?」

絢辻「…まぁ、いずれわかるわ。……それより橘くん、わたしがあなたを避けてる間…わたしの裏側を引き出そうとしてたけど…どうして?」

絢辻「…裏側を知ってるあなたなら、無くなってもよかったんじゃないの?むしろ無いほうがいいでしょ?」

橘「…なんだかさ、嘘をつかれてるみたいで嫌だったんだ。それに僕は、裏側の絢辻さんも好きだし」

絢辻「えっ!?す、好き!?///」

橘「…いや、裏表なんてないよ。全部ひっくるめて『絢辻さん』なんだから…そんなクラスメイトが普段通りじゃないなんて違和感あるし、元に戻したいって思うのは当然だよ!」

絢辻「…クラスメイト…」

絢辻「…はぁ…どうしてわたし、こんな男なんかに……」ボソッ

橘「?」

絢辻「………」ゴスッ

橘「い、痛いよ絢辻さん!なんで蹴るの!?」

絢辻「…べーつーにー」

橘「………ははっ、いつもの絢辻さんだ。よかった」

絢辻「ふふっ、今度からはもっといじめてあげてもいいのよ?」

橘「か、勘弁してよ…」

絢辻「…それじゃわたし、高橋先生にフォローしなくちゃならないから…」

橘「あ」

高橋「」ブツブツ

橘「は、早くしないとね…」

絢辻「…そうね……それじゃね!」タタッ

橘「うん!」

橘「(よし、絢辻さんも元に戻ったぞ!これで全員だ!)」

橘「(…やっと安心して生活できるよ……)」

橘「………」

橘「(…しかし、まだ犯人がわかったわけじゃない……また同じようなことが起きたら…)」

橘「(とてもじゃないけど耐えきれないよ!)」

橘「(…まだしばらくは何も起こらないはず…絢辻さんが何か知ってそうだったから、それとなく聞いてみるか…)」

放課後、昇降口


橘「(さて、やっと帰れる!今日も疲れたよ…絶対寿命縮んでるよ…)」

橘「(そういえば、梅原はもう帰ったのかな?何か奢ってやろうかと思ってたのに)」パカッ

パサッ

橘「ん?何か落ちて………」

橘「………」

橘「(なんだよこれ………果たし状!!?)」

橘「(もう全部終わったじゃないか!どういうことだ!?)」

橘「(………まさか、犯人からの…?……とりあえず読んでみよう…)」カササッ

橘「(………『放課後、道場で待つ。真実を知りたければ来い』………)」

橘「(これだけだ…他には何も書いてない…)」

橘「(…これは間違いなく犯人からだろうな…)」

橘「…僕を苦しめた犯人………行くに決まってるじゃないか!!」ダッ

道場


橘「(…犯人め、僕に果たし状なんて、いったいどういうつもりだ?)」

橘「(…だが、僕から女の子たちを遠ざける意図を聞き出すいい機会だ!…その顔もしっかり拝んでやる!)」

ガラッ

?「……遅かったじゃねぇか…大将。……待ちくたびれたぜ?」

橘「!!?」

橘「う!梅原!!?」

橘「な、なんでこんなところに!?帰ったんじゃ……」

梅原「………」

橘「あっ、さ、さっきな果たし状が下駄箱に入ってたんだ!…もしかしたら、もうすぐ犯人が……」

梅原「………」

橘「そ、そうだ!このあとヒマか!?全部終わったら何でも奢ってやるぞ!?」

梅原「………」

橘「だ、だから今は早く教室に戻って帰る準備してこいよ!…す、すぐ終わらせるから!…な?」

梅原「………」

橘「………」

橘「お、おい。なんでずっと黙ってるんだよ」

梅原「………」

橘「なんとか言えよ!!これじゃ…!これじゃまるで………」

橘「お前が犯人みたいじゃないかよ!!!」

梅原「………」

梅原「………そうだ」

橘「!!」

梅原「…俺が犯人だよ、大将…いや、橘純一」

橘「くっ……!どうして……!!」

梅原「………」

梅原「…お前が女子と仲良くするのが気にくわなかったんだよ。…ただそれだけだ」

橘「…それは……で、でも!お前は協力してくれたじゃないか!!」

梅原「………」

橘「………全部、嘘だったのか?」

梅原「………」

橘「答えろ!!お前は…僕が苦しんでるのを陰で笑ってたのか!?」

梅原「………ああ」

橘「そ、そんな………梅原が………こんなことって…」

梅原「………さぁ、橘。防具を着けろ。竹刀をとれ。………決闘を始めるぞ」

橘「!?………決闘!?なんで……」

梅原「…果たし状を読んだんだろ?…そしてお前はここに来た…それは決闘を承諾したってことだろう?」

橘「………決闘するつもりなんて…!そ、それに闘う理由がない!!

梅原「…漢同士の闘いに理由が必要か?」

橘「っ!!」

梅原「…それとも決闘を受けたにもかかわらず、逃げだすのか?」

梅原「………そんなことしたら、後ろの人らに失望されちまうぞ?」

橘「?…後ろ…?」バッ

棚町「…まーた何かやってるみたいね、純一…」

橘「薫!?」

梨穂子「…純一…どういうことなの?」

橘「梨穂子!」

森島「決闘!?決闘なのね!?」

橘「森島先輩っ!」

七咲「…今度はどういう冗談ですか?」

橘「七咲…!」

中多「…き、教官……」

橘「…中多さん!」

梅原「…それと、絢辻さんには審判をお願いしてある」

絢辻「…ふふっ、これから面白くなるわね」

橘「…絢辻さんまで…」

橘「…みんな、どうしてここへ…?」

梅原「…橘、お前に送った果たし状と同じ内容の手紙を全員の下駄箱に入れておいた。あれを見て、来ないほうがおかしい」

?「みゃーもいるよっ!!」

橘「み、美也!?まさかお前も手紙を…」

梅原「…いや、これは予想外だ…まぁいい」

橘「なら、なんで…」

美也「みゃーのおっぱいレーダーが、ここにいっぱいおっぱいがある!って反応してたの!」

橘「…美也、お前…」

梅原「ははっ、さすがは橘の妹だな」

美也「にしししし!」

梅原「………さて、前置きはこのくらいにして……まさかここまで来て、闘わないってことはないよな?」

橘「…わかったよ、梅原。さすがに女の子たちが見てるのに引き下がるなんて出来ないよ…そんなことしたら紳士じゃない!」

梅原「…やっと決心したか」

橘「…ああ。この決闘……受けてたとうじゃないか!!」


橘vs梅原、開始!


棚町「…えーっと、なんで純一と梅原くんが闘おうとしてるわけ?」

梨穂子「私にもわからないよ~…」

森島「私達は見てるだけなの!?つまんない!…途中参加はアリ?ナシ?」

中多「も、森島先輩…落ち着いてください…」

七咲「…この勝負の解説、私がしましょう!」

棚町「七咲さん?…あなた、剣道のルールなんてわかるの?」

七咲「一応、運動部ですから。…それなりには理解してるつもりです」

森島「わお!そーゆーことなら私は実況がしてみたいわ!楽しそう!」

剣道だから、より大きい奇声をあげた方の勝ちだろ?

美也「う~ん…」

中多「どうしたの?美也ちゃん…」

美也「いや、お兄ちゃん…剣道なんてしたことあったかなーって思って」

梨穂子「うちの学校は体育の授業で、男子は剣道か柔道をやらなきゃいけないんだよね。…確か純一は剣道を選択してたと思うよ?」

美也「あ、そーいえば、なんかくっさい手袋みたいなの持って帰ってきてた!」

七咲「…つまり、両者とも剣道経験者ってわけですね」

棚町「あ、でも梅原くんは、剣道部は剣道部でも幽霊部員だって言ってたわよ?」

中多「ゆ、幽霊…?」

七咲「中多さん、あんまり部活に来ないって意味だからね?」

中多「あっ、なるほど…」

森島「じゃあ、どっちが勝つかわからない勝負なのね!ますます面白そうじゃない!」

絢辻「…両者とも準備できたみたいね。さぁ、始めるわよ!」

絢辻「ルールはそのまま剣道のルールよ。二本先取したほうが勝ち」

梅原「…橘、これは漢の闘いだ。負けたら何かしろ、なんてもんはねぇ。俺とお前、どっちが強いのかを決める。……それだけだ」

橘「!………わかってるよ」

絢辻「礼っ!」

橘「………」スッ

梅原「………」スッ

絢辻「一本目…はじめっ!!」

橘「やあっ!!」

梅原「はあっ!!」

七咲「…始まりました」

橘「面っ!!」ゴオッ

森島「おおーっと橘くん、面を狙ったっ!」

梅原「…甘いな橘」スッ

森島「しかし梅原くん、避けた!」

橘「…く…」

ガシッ!
ギリギリ…

七咲「つばぜり合いですね」

梅原「…橘、あんまり俺を甘く見るなよ?」

橘「…梅原、腕が落ちたんじゃないか?…お前なら避けたあとはすぐに反撃してくるはずだろ?」

梅原「…ふんっ」ガッ!

梅原「銅っ!!」バシッ!

森島「おおーっ、梅原くんの銅!…早くも一本先取かー!?判定は!?」

絢辻「………」

七咲「…当たりが弱かったみたいですね…しかし絢辻先輩よく見えてる。私は一本かと思ってしまいました」

橘「…ほら、やっぱりなまってるじゃないか!………今度は僕の番だ!…小手っ!!」バコン!!

梅原「くっ!!」

絢辻「小手ありっ!!」スッ

森島「な、なんてことだーっ!!一本を先取したのは、な、なんと!素人の橘くんだーっ!!」

七咲「梅原先輩は隙ができてましたからね。いやぁ、いい小手でした」

梅原「…やるなぁ橘!だが、まだこれからだぜ?」

橘「いや、もう終わらせてやるさ!」

絢辻「二本目…はじめっ!!」

橘「らあっ!!」

梅原「ぃやあっ!!」

橘「小手っ……!?」

梅原「…調子に乗るなよ?橘」スッ

梅原「面っ!!」バコン!!

橘「なっ…!!」

絢辻「面ありっ!!」スッ

森島「は、早いっ!!二本目開始数秒!梅原くんの面が炸裂っ!!」

七咲「橘先輩の小手の隙をつきました。さすが剣道部、うまい」

森島「さぁ、これで両者とも一本ずつ取った!次、一本取ったほうがこの勝負の勝者だっ!!」

七咲「…これは、どうなるのでしょうか…先が見えません」

絢辻「……三本目……はじめっ!!」

橘「はあっっ!!」

梅原「………」

七咲「…おや?…梅原先輩の雰囲気が変わりましたね」

森島「それは…どういうことでしょう?解説の逢ちゃん」

七咲「…私にもわかりませんが…梅原先輩から殺気が出ているように思えます」

森島「梅原くん、本気モードに突入か!?さぁ、どうなる!!」

橘「面っ…」

梅原「………」バキッ!

橘「つぅっ!?」

絢辻「………」

森島「梅原くん、橘くんの面の隙をついて小手に行ったっ!だが一本にはならなかった!」

橘「こ、小手っ…」

梅原「………」バキッ!

橘「うっっ!?」

絢辻「………」

森島「またしても梅原くんの小手!しかし、これも一本にはならない!」

梅原「………」バキッ!

橘「うっ!」

梅原「………」バキッ!

橘「うあっ!!」

絢辻「………」

森島「…こ、これはどういう…梅原くん、先ほどから小手を、しかも同じ場所を狙っているっ!?」

七咲「…梅原先輩は…橘先輩の胴着と小手の間を狙っています…見てください。露見している肌が赤くなっています…」

森島「こ、これは…反則にはならないの?」

七咲「…故意であれば反則になる場合もあります…しかしそれは絢辻先輩のさじ加減次第ですので…」

梅原「………」バキッ!

橘「っ……!!」ダラン

絢辻「………」

森島「ああっーと!!ここでついに橘くん、右腕が上がらなくなったっ!左腕だけで竹刀を構えている状態だっ!」

七咲「…これはまずいですね…左腕だけでは、技を出すことはおろか、竹刀を構えるだけでやっとなはずです…絢辻先輩も反則は取りませんし…」

梅原「………橘」

橘「……な、なんだ…梅原」

梅原「…痛いか?…苦しいか?…それがモテない男の痛みだ…わかるよな…?」

橘「………」

橘「…わからないし、わかりたくもないね」

梅原「…ああそうかよ……じゃあ次で終わりにしてやろう…」

橘「…あまり僕を見くびるなよ?梅原…」スッ

梅原「!?」

森島「おおっと!?橘くんが構えを変えた!?腰を落とし、床と並行に竹刀を突き出しているっ!!…この構えは…まさか…」

七咲「…ええ、『フェンシング』の構えです………美也ちゃん!」

美也「ふぇっ!?」

七咲「橘先輩にフェンシングの経験は!?」

美也「え?…う~ん、ないはずだよ?」

七咲「紳士の本能だけであの構えを!?……あの綺麗なフォーム…まさに騎士道を掲げた英国紳士そのものです!!……しかし、あの構えから狙える部位はは一つしか……」

実際に剣道の試合でフェンシングとかどうなの?
構えを取っただけで反則取られたりしないの?

梅原「…なるほど…『突き』か…しかし橘、左腕で出来るのか?」

橘「…やってみないとわからないだろ?」

梅原「くくっ、やっぱりお前は面白い奴だよ!………よし、ならば俺も突きで勝負してやる」

橘「…ああ、かまわない」

橘「…いくぞ!」

梅原「…こい!」

橘「はぁああっ!!!」ダッ

梅原「ぅらあぁっ!!!」ダダッ

橘、梅原「「突きぃぃいいい!!!!」」

ガッ!!

>>225
反則にはならないはず
いろんな構えがあるし、自己流の構えをしている人もいる
片腕だけもアリだったような
二刀流とかもあるしね

でも注意する審判もいる
ほんとに審判のさじ加減次第

>>227
ちゃんと調べてたのか
偉いな

森島「両者とも突きで勝負!!いったいどちらがっ!?」

七咲「…み、見えませんでしたっ!!」

森島「…さぁ、判定は!?」

絢辻「………」

森島「あ、あーっと、どうしたことでしょう!!絢辻ジャッジはここでも出ない!」

七咲「…どちらも、かすっただけのようですね…」

橘「…はあっ…はあっ…っく」ガクッ

梅原「…惜しかったな、大将。…さて、終わりといきたいところだが……その左腕も使えなくしてからだな」

橘「!!な……!?」

梅原「………」スッ

絢辻「………」

絢辻「そろそろかしらね…」

ガラッ!

>>228
調べてないっす…
剣道経験者なんで、どうだったっけ?って思いだしながら

間違ってたらごめん

?「ウ、ウメちゃんもうやめて!!どうして橘くんをいじめるのっ!?…ウメちゃんでも許さないよ!?」

絢辻「ふふっ、やっとネズミが尻尾を出したようね…」

橘「!?」

橘「だ、誰だ…?」

上崎「橘くん!!だ、大丈夫ですか!?痛かったよね!?」

橘「え、えーっと君は……」

上崎「あ!ごめんなさい!私、上崎裡沙っていいます!」

橘「えっと、うん…あー、あのー絢辻さん?…これは一体……」

絢辻「…前に『ネズミがうろついているから気を付けろ』って言ったわよね?…それがそのネズミよ」

橘「う、うん?…ごめん、よく意味が…」

絢辻「…まったく、鈍感なのも大概に…」

梅原「あー!いいよ、絢辻さん。俺から説明する」

橘「う、梅原…?」

梅原「…どう説明すっかな…そうだな、まずは犯人は俺じゃねぇってことだな」

橘「えっ!?だ、だってさっき……」

梅原「すまん、大将!…ありゃ全部嘘だ」

橘「ええっ!!?」

梅原「…んでだ、そこの女の子…上崎さんつったか?…その子が真犯人だ」

橘「なっ…!?」

上崎「…あっ!!」

梅原「…絢辻さんの言う通り、その子がお前をつけ回してたんだ。…まぁ俺は一回見ただけだし、追いかけてもすぐに巻かれたんだがな…」

橘「…そんなことが」

上崎「………」

梅原「…で、気になったから何か知ってそうな絢辻さんに色々話を聞いたってわけだ」

絢辻「…そこからはわたしから説明するわね」

絢辻「…わたしも色々調べたんだけど…そこのネズミ、いやにすばしっこくてね…なかなか尻尾が掴めなかったの」

絢辻「…そこで梅原くんからの相談があって…ちょうど男子の手も必要だったから、さっきの芝居をお願いしたわけ」

橘「…芝居なんて…どうしてまた?」

絢辻「彼女はあなたから女の子たちを離したかった。だからあなたと女の子が決闘することは都合がよかった。…まぁ、そのあと前より仲良くなるなんて、思わなかったでしょうけど…」

絢辻「…で、梅原くんと決闘するって聞いて彼女は焦ったはずよ?相手が『男の友達』だったから…しかも顔の広い…この意味わかる?」

橘「…梅原から…男子全員から嫌われる……友達がいなくなれば僕の学校生活が…」

上崎「………」

絢辻「そう…でも彼女は『女の子との決闘』と同じように前より仲良くなるかもしれない…そんな期待を抱いた。しかし…」

絢辻「…あとはわかるわよね?」

橘「…ありがとう、絢辻さん、梅原」

梅原「さぁ、あとはお前と上崎さんの問題だ…終わらせてこい…」

橘「…うん…」

上崎「………」


橘vs上崎、開始…

田中Bさん頑張れ

棚町「……絢辻さん、私たちにも説明はあるのよね?」

梨穂子「ごちゃごちゃでわけわからないよ…」

中多「…なんとなく、でしかわかりませんでした…」

絢辻「ふふっ、それは後にしましょうか……今は見守りましょう」

橘「…上崎…さん?」

上崎「は、はいっ!」

橘「…質問していい?」

上崎「…なんでしょうか…?」

橘「…どうして僕から…その、女の子を引き離そうとしたの?…あんな手紙や写真なんか使って…」

上崎「っ!!」

橘「…それに、僕が学校生活で困らないように考慮もしてくれてたよね?…なんでかな?」

上崎「…それは…」

上崎「橘くん、あなたが女の子の誰かに結婚を申し込むって聞いたからっ…!」

橘「えっ」

上崎「私っ!悔しかったの!!…私が一番橘くんのこと知ってるのに!ずっと見てきたのに!!」

橘「………」

上崎「…それで、私…橘くんの色々な噂を流したり…申し込む相手がわからなかったから…これから恋愛に発展しそうな女の子全員に……」

上崎「でも…橘くんには悲しい思いさせたくなかったから、できるだけ噂を広めたりしないようにしたの!」

橘「…上崎さん…僕は誰かに結婚を申し込もうなんて考えていない…上崎さんの勘違いだ」

上崎「!?そんな………で、でも!今の内になんとかしておかないと、いずれ結婚しちゃうかもしれなかった!…そんなのダメだよ!!」

上崎「…だ、だってそうでしょ!?橘くんのこと全然知らないのに、橘くんを幸せになんかできないよ!…仕方がないことだったんだよ!!」

上崎「そ、その代わり、私が橘くんを幸せにしてあげるの!!幸せにできるの!!!」

橘「…それは違うよ、上崎さん…」

上崎「!?ど、どうして!?」

橘「…僕が幸せかどうかなんて君が決めることなんかじゃない!僕自身が決めることだ!!」

上崎「!!」

橘「…現に僕は君と出会わなくても充分幸せだったよ」

上崎「………」

橘「…薫と中学のノリでバカやったり」

棚町「………」

橘「…梨穂子にちょっかいかけたり」

梨穂子「………」

橘「…森島先輩と馬跳びしたり」

森島「………」

橘「…七咲にイタズラしたり」

七咲「………」

橘「…中多さんとイナゴマスクについて語りあったり」

中多「………」

橘「…絢辻さんに罵られたり」

絢辻「………」

というか本性バラしちゃダメだろ

橘「全部…全部楽しかったんだ!それが僕の幸せだったんだ!!」

上崎「…うぅ…」

橘「でも、君はそれを全部ぶち壊そうとした…これは、ちょっとやそっとでは許されることじゃない…」

上崎「……ひぐっ…」グスッ

橘「…みんなに、謝ってくれないか!?」

上崎「え…ひっく…」ジュルッ

橘「謝れと言ったんだ!!!」

上崎「ひっ!!?」

上崎「…ひぅっ…う、うえぇぇえええんっ!!」

上崎「ごべんなざいぃぃいい!!!だぢばなぐぅぅううん!!!!」

橘「僕だけじゃない!!みんなにだ!!」

上崎「び!びなざん!!ずびばぜんでじだあぁあああ!!!わああぁぁああん!!!」

いやいや、ここから紳士の「落としてから上げる」作戦だろ

橘「よし、許すよ」

上崎「わああぁぁ!!……え゛!?」

絢棚咲「「「はぁ!!?」」」

絢辻「ちょ、ちょっと橘くん!?あなたさっき許されることじゃないとか言ってなかった!?」

棚町「そうよ!!そいつがまたなんかやらかす可能性もあるのよ!?ここでしっかりお仕置きを…」

七咲「そうです!!橘先輩!甘過ぎますよ!!」

橘「…女の子が涙と鼻水まで流しながら泣いて謝ったんだ。それだけで充分許すに値するよ」

絢辻「なにバカなこと言っているの?それ、嘘泣きかもしれないじゃない!」

橘「…嘘泣きでも、彼女はきちんと謝った」

七咲「その謝罪も、心の中では反省してないかもしれませんよ!?」

橘「…僕にはわかる。彼女は反省している」

棚町「ちょっとあんたねぇ!!」

梅原「……まぁまぁ、落ち着けって。…女子にはわからないと思うが…」

梅原「"女が涙流して謝れば、例えそれが嘘でも許してやる"…それが"紳士"ってやつだ。そうだろ?大将」

橘「…ああ」

棚町「………まったく、あきれたわ…」

七咲「…男の人ってみんなそうなんですか?甘過ぎますね…」

絢辻「橘くん、あなたいつか性格の悪い女に捕まるわよ…?」

橘「(絢辻さんがそれを言っていいのか…)」

絢辻「なによ」ギロッ

橘「いぇ、なんでもないです…」

梨穂子「…あ、あのー、私はもう許してあげてもいいかなー…なんて、えへへ」

中多「…わ、わたしもそう思います」

森島「私は全然許してるわよ?あの子のおかげで随分楽しめたしね!」

七咲「……あの人のおかげで、ってのは確かにありますね……私も自分の気持ちに気がつけましたし…」

棚町「……そうねぇ、何だかんだで前より純一と……あ、いやなんでも!」

美也「みゃーはにぃににまかせるよ!にしし!」

絢辻「はぁ…みんな許してあげるってよ?上崎さん」

上崎「うぐっ!ありがどう…ございまず!!…っく!」ジュルルッ

橘「…上崎さん、二度とこんな真似しないって誓えるね?」

上崎「はいっ!も゙う二度とじまぜん!!ひぐっ!!」グスッ

橘「その言葉、信じるよ。…もう行っていいよ」

上崎「はいっ!みなざん!!ほんどうにすみばせんでじだっ!!」トボトボ…

棚町「はぁー…やっと終わったのね…もうバイト行かなくちゃ」

梨穂子「私も部活行かないと、えへへ…先輩たち、心配してるかな?」

森島「んーっ!楽しかったわ!実況もやってみるもんね!」

七咲「ふふっ、いい実況でしたよ?森島先輩」

森島「ありがと!逢ちゃんこそすばらしい解説だったわ!…あ、今度水泳の実況もしてあげようか?」

七咲「それはちょっと…そういうのは塚原先輩にお願いします」

森島「わお!その手があったわ!ふふっ、今から楽しみね!」

中多「…友情…決闘…紳士…!」

美也「どしたの?紗江ちゃん」

中多「…美也ちゃん、私、インスピレーションが浮かんで来ちゃった…帰って描かないと!」

美也「え?う、うん…がんばってね」

絢辻「………」

橘「みんな…色々巻き込んでしまってごめん!」

棚町「…あんた、ここにいる全員に何かおごりなさい。あ、私は焼きそばパン1週間で」

橘「えっ」

梨穂子「私は~、うん、パフェがいいな!」

森島「わお!太っ腹ね、橘くん!じゃあ牛丼でもご馳走になろうかしら!」

七咲「私はラーメンで」

中多「ええと私は、あっ!牛乳と甘いパンを…」

絢辻「…メロンパン」

美也「みゃーはもちろんまんま肉まん!」

橘「美也もかよ!…はははっ、覚えておくよ!…それじゃ、みんな今日はありがどう!」

スタスタスタ……

梅原「…みんな行っちまったな」

橘「…梅原、お前もありがどうな!」

梅原「へへっ、やめてくれよ。…腕痛くないか?」

橘「ん?ああ、全然大丈夫だ」

梅原「そいつはよかった!…すまねぇな。仕方がなかったとはいえ…」

橘「いいんだよ、梅原」

梅原「しかしだな…」

橘「あ、じゃあみんなに奢る分、半分ずつ出すってことにしないか?」

梅原「おう!そんなことならまかせろやい!…マグロでもサーモンでも、なんでも握ってやるよ!」

橘「はははっ、寿司限定かよ!」

中多「何でも握ってやる……」

中多「新たなインスピレーションが!!」

梅原「…っと、わりぃ、俺もそろそろ行くぜ?」

橘「ん?何か用事でもあるのか?…このあと何か奢ってやろうかと思ってたのに」

梅原「そいつも魅力的だが…すまん、また今度な?」

橘「いったい何の用事なんだ?」

梅原「………その、な?…このあと香苗さんと帰る約束しちまって///」

橘「おう!それはよかったな!木っ端微塵になれ!!」

梅原「おいおい、ひでぇなぁ…」

橘「冗談だよ!…がんばってこいよ」

梅原「あ、ああ///じゃあな!」タタタッ

橘「(梅原も行ったか…ははっ、幸せそうな顔しやがって!)」

橘「(今度ケンとマサたちにも教えてあげなきゃな!)」

橘「(…さて、僕も帰ろう!)」




?「さぁ、もたもたしてないで早く歩きなさい」

?「ど、どうして!?どこへ連れて行くの!?」

絢辻「いいから来なさい………橘くんやみんなはああ言ってたけど、やっぱりわたしは許さないわ」

上崎「っ!………」

絢辻「…さぁ、着いたわ」

上崎「…こ、ここは…?」

絢辻「…創設祭実行委員会本部の教室よ」

上崎「………」

ガラッ

絢辻「ようこそ『絢辻塾』へ!」

田口「わんわん」

山崎「きゃんきゃん」

磯前「わふわふ」

黒沢「ぶひぶひ」

上崎「!?………な、何なの?…これ…」

絢辻「…ふふっ、わたしに楯突いた人間に色々とね『教えて』あげてるの…それが絢辻塾よ」

上崎「…絢辻…塾」

絢辻「ああ、紹介が遅れたわね。あそこにいるのが犬、その隣りが犬、向こうにいるのが犬で手前のが豚ね」

絢辻「…そしてわたしが塾長兼女王の絢辻よ!」

上崎「ひぃっ!」

絢辻「さぁ皆さん!新しい仲間ですよー?えーっと名前は……そうね…田中Bさんよ!みんな仲良くしましょう!」

田中B「た、田中…B……」

犬「わんわん!」

犬「きゃんきゃん!」

犬「わふわふ!」

豚「ぶひぶひ!」

絢辻「あ…(そういえば、橘くんに色々言ったけど、こんなことでストレス発散してるわたしのほうが、異常性癖のド変態なのかもね)」

絢辻「(まぁ、この子たちも嬉しそうだからいいか!)」

絢辻「…さて、田中Bさん?…始めましょうか…ふふっ、痛いのは最初だけで、あとは気持ちよくなるから大丈夫よ」ジリジリ

田中B「ひっ!!……い、いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁ……………………………」

夜、橘家、自室


橘「…この3日間、随分長いように感じたよ…休憩時間とかほんとに10分かよってくらい長かった気がするよ…」

橘「…一連の事件の犯人が、まさかほんとに僕のことを想っていた女の子だったなんて…」

橘「いや…この3日間は本当に神様からの戒めだったのかもしれない……僕、いろんな女の子にちょっかい掛けてるから……」

橘「…そろそろ自重を覚えるべきだな……このままじゃ上崎さんの仕業じゃなくても、女の子たちはきっと離れていく…」

橘「女の子に僕の誠意がわかってもらえれば……」

橘「…う~んどうしよう…誠意……誠意ねぇ…」

橘「…セイイ…セイヤク………ヤクソク……コンヤク…」

橘「……!」








橘「…よし!女の子たちに結婚を申し込もう!」


*The end… or *To be continued…

以上で終わりです
前スレ、前々スレから見てくれた人、保守してくれた人
本当にありがとうございました

続きがあるような表現をしましたが、その後を想像してもらうためと…もしかしたらいつか続きを書くかもしれないからです

でもかなり時間がかかるので期待しないでください…
このSSも書き貯め始めてから一ヶ月以上かかったので…

最後になったけど、一応誤解されるのは嫌だから言っておきます

僕は絢辻さんが一番好きです!!
メイド辻さんは僕の家政婦です!!
次に裡沙ちゃん、黒沢さんと続きます

やっと終わったよ…絢辻すわん…
癒しておくれ…

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom