恒一「ねえ見崎。『いないもの』ってさあ」(133)

恒一「何をしても無視されるんだよね?」

鳴「・・・?多分、そうだと思う。」

恒一「そっか、うーん、どうしようかな。」

鳴「何を悩んでるの?」

恒一「いや実は明日から数日、お婆ちゃんがお爺ちゃんの元気付けの為に一緒に旅行に行くらしいんだよ。」

鳴「そう。」

恒一「それでさ・・・家で飼ってるレーちゃんの世話をしなきゃいけなくなってさ・・・」

三組「「「「!!!!????」」」」ガタッ!

赤沢(え・・・え?)

勅使河原(いやいやいや・・・聞き間違いだよな!?)

望月(みみみみみ・・・三神先生が、三神先生が飼わ、飼われっ!?!?)

恒一「でも、僕が学校にいる間はレーちゃんの世話が出来ないからさ。」

鳴「つまりお婆さん達の旅行中、学校にその『ペット』を連れて来たいと・・・そういうことね。」

赤沢(ちょっと待ちなさい見崎鳴!先生をペット扱いはいくらなんでも失礼でしょうがぁ!!!!)

鳴「いいんじゃない?それくらいは。それで、世話って具体的には何をするの?」

恒一「基本的には檻に入れてるから定期的にエサを与える位かなぁ・・・何回かエサをあげた事あるけど、全身で喜びを表現するから結構可愛いんだ。」

赤沢(檻!?檻って!?)

勅使河原(え、エサ・・・)

望月(エサをあげると全身で喜びを表現する・・・)モワモワ

――――――――――――――

恒一「ほら、レーちゃん、ご飯だよ。」ギィ、コトン

怜子「わあ・・・とっても嬉しい!ありがとう恒一君!」パタパタ

―――――――――――――

望月(違う違う違う!こんなの三神先生じゃないよ!!)ゴンゴン

綾野(望月君が机に頭を打ちつけてる・・・)

鳴「へぇ・・・」

恒一「あ、あとね。エサを入れるように見せかけて引っ込めると高い確率で「ドウシテ?ドウシテ?」って可愛く鳴くんだ。」

望月(・・・・・・)モワモワ

――――――――――――――
恒一「と見せかけてやっぱりあげないw」スッ

怜子「えっ・・・どうして?どうして?」ウルウルウル
――――――――――――――

望月(ああああ嘘だああああ!!!)ガンガンガンガンガンガン

勅使河原「お、おい望月!?」

綾野「望月君やめて!それ以上ぶつけたら死んじゃうよぉ!」

恒一「(なんだか望月君が暴れてるな・・・)まあとりあえず明日連れてくるよ。」スタスタ

鳴「生き物は嫌いじゃない・・・楽しみ。」スタスタ

ガラガラ、ピシャ

赤沢(い、生き物・・・)

勅使河原(もはや人間扱いされてねーのな・・・)

望月「嘘だ・・・嘘だ・・・」ブツブツ

ガラッ

怜子「みんな何してるの?もう下校時間過ぎてるわよ?」

三組「「「「先生・・・」」」」アワレミ

怜子「な・・・何?」

赤沢「いえ、なんでもありません。」ニコッ

怜子「???」


面白いけど、「明日レーちゃんを連れてくる」と言っている時点で三神先生は外れるんじゃないかなぁ…

―翌日―
ガラッ
恒一「おはよう見崎。」

鳴「おはよう、榊原君。」

レーチャン「オハヨー、レーチャン、オハヨー」

鳴「その子が昨日言ってた…?」

恒一「うん。九官鳥のレーチャン。」

三組((((なんだ鳥だったのか))))

赤沢(まあ、普通に考えたらそうよね。)

勅使河原(ったく・・・鳥なら鳥で最初からそう言えよなー)

望月(そんなオチ!?くっ・・・せっかく昨日一晩かけて受け入れられるようになったのに!)ダン!

綾野
ビクゥッ!

恒一「じゃあ、この辺に置いておこうかな。」ガシャン

レーチャン「ドーシテ?レーチャン、ドーシテ?」

鳴「可愛い・・・」

>>30
まあ、その辺は混乱してたからって事でご容赦をorz

れーちゃん「コウイチ ドウテイ コウイチ ドウテイ」

女子「!?」ガタッ

レーチャン「アンマチョウシコイテット ボコボコニスンゾ オメエ…」

レーチャン「オコシテ…オコシテ…」

>>38
おいやめろ

レーチャン「ビール ウンメェェェェェwww」

>>40
それもっちーが好きな方や

レーチャン「テン…ソー…メツ テン…ソー…メツ…」

レーチャン「コウイチ オバフェチ コウイチ オバフェチ」

―授業中―
久保寺
「えー、というわけでこの文章の意味は・・・」

レーチャン「レーチャン、ドーシテ?ドーシテ?」

赤沢(・・・・・・)カリカリ

レーチャン「レーチャン、ドーシテ?ドーシテ?・・・ゲンキ、ゲンキダシテネ。」

赤沢(さっきから地味にうるさいわねあの鳥・・・でもなんか違和感が・・・ハッ!)

赤沢「そうか、そういう事だったのね!」バン!

久保寺「(ビクゥッ!)・・・どうしましたか、赤沢さん?」

赤沢「あ、すみません。授業中に・・・なんでもないです。」ガタ

赤沢(ふふふ・・・解ったわよ、今年の死者が。ズバリそれは・・・三神先生よ!)

赤沢(お兄の葬式で、私の家族もあの鳥と同じような事を口走っていたもの。そう、きっと三神先生の死を悼んだ恒一君の祖父母の言葉を覚えたのね。そう考えると教室の机が足りていたのも説明がつくわ。ふふっ、私ってあったま良い~。)

レーチャン「レーチャン、ドーシテ、ドーシテ?」

赤沢(後は死者が解ったところでどうするか・・・よね。)

レーチャン「レーチャン、ドーシテ?ドーシテ?・・・・・・・・・サンジュウチカイノニオヨメニイケナイノ?」

三組「「「「ブフォアッ!!!!」」」」

デデーン!
全員アウトー

有能すぎる・・・まさか赤沢さんが死者

恒一「こらレーチャン!駄目じゃないかそんな事言ったら!」

レーチャン「カワイソウニナ!オヨメニイケナイレーチャン、カワイソウニナ!」

勅使河原(やべぇwww腹イテェwww)

風見(wwwwww)プルプル

中尾(三十近いのにwお嫁に行けないwwwテラワロスwww)

恒一「そんな事言ってるから怜子さんに嫌われるんだよ?」

杉浦(そりゃそうだわwww)

綾野(だよねーwww)

小椋(www)

赤沢(え?何?じゃあアレは榊原君の祖父母が言ったなかなか結婚しない三神先生への愚痴を覚えただけだったの?)

レーチャン「笑ってんじゃねぇぞ中尾」

望月「僕が貰います!」ガタン!

お嫁にいけないレーチャン可哀想になって・・・

先生が死んだ後の祖父母の言葉なら地味にキツイな・・・

望月(三神先生・・・僕は貴女が例え幾つになったとしても・・・)

久保寺(三神先生・・・)ドウジョウ

赤沢(くっ・・・また振り出しか!いいセン行ってたと思ったんだけどなー・・・)ショボーン

レーチャン
「レーチャン、ドーシテー!」

―職員室―
怜子「・・・・・・ムカッ」バキッ

教師
「み、三神先生・・ペンが折れた様ですがどうかしましたか?」

怜子「いえ、何か不愉快な事を言われたような気がしただけです。お気になさらず。」


おせーよ

やはり赤沢さんは赤沢さんだった

―昼休み―
恒一「見崎、屋上で昼食食べよう。」ガシャッ

鳴「あ、やっぱりレーチャンも一緒なんだ。」

恒一「流石に教室に残してっていうわけにはいかないからね。元々世話をするために連れて来た訳だし・・・」

鳴「そうね。じゃあ行きましょう。」

レーチャン「ゲンキ、ゲンキダシテネ」
ガラガラピシャン

勅使河原「でwどうするんだよ?www悪いけどアレがあと数日続くとかキツいぞwww」

風見「だ、大丈夫・・・w慣れればいいんだw慣れればwww」

望月「大丈夫だよ。いざとなれば僕が三神先生を嫁に貰うから!」

勅使河原「何がどう大丈夫なんだよwww」

杉浦「泉美、なんか落ち込んでない?大丈夫?」

赤沢「うん、大丈夫。自分の考えが外れてちょっと気落ちしてるだけだから・・・」

―廊下―
怜子「あら、久保寺先生。」

久保寺「三神先生・・・大丈夫です。いつかきっと、春は来ます。決して諦めず、頑張って下さい。では、失礼します。」

怜子「・・・は?」

久保寺、それ以上はいけない

鳴「無能…無能…」
レーチャン「ムノウ!ムノウ!」

>>74
レーチャン「ムノウ…ムニュウ!ムニュウ!」

鳴「ぐぎぎぎ」

―屋上―
鳴「ねえ、榊原君。」

恒一「何?見崎。」

鳴「この子、今から言葉覚えさせる事ってできるの?」

恒一「うーん、どうだろ。お婆ちゃん達が飼い始めてからもう大分経ってるからなぁ・・・まあ、頑張れば出来るんじゃないかな?」

鳴「そう・・・」ニヤリ

鳴「ねえ、榊原君。今夜一晩だけ、レーチャンを貸して欲しいの。」

恒一「えぇ!?」

鳴「駄目かな・・・」

恒一「いや・・・お婆ちゃん達が帰って来るのは明後日だから今夜一晩位なら問題ないけど・・・でも大丈夫?」

鳴「うん、大丈夫。ありがとう榊原君。」ニヤリ

レーチャン「レーチャン、ドーシテ?ドーシテ?」

―その日の夜・鳴宅―
レーチャン「レーチャン、ドーシテ?ドーシテ?」

鳴「・・・・・・・」ニヤリ

レーチャン「オハヨー、レーチャン、オハヨー。」

―翌日―
勅使河原「結局昨日はあれっきりだったなぁ…」

風見「まあ、良かったんじゃないの?あれ以上混乱しなくて。」

中尾「五限目は美術だったからなー・・・」

猿田「三神先生を見た瞬間吹き出しそうになって危なかったぞな。」

中尾「俺も俺もw」

杉浦「でさ、結局の所どうするの?あの鳥・・・」

赤沢「そうよねー『いないもの』が連れてきてる以上無視すべきなんだろうけど・・・」

綾野「ちょっと厳しいよねー。特に男子達が。」

小椋「そう言う彩だって結構笑ってたじゃない。」

綾野「うぐぅ・・・だってぇ」

恒一(あれ?見崎はまだ来てないのか・・・)ガラッ

勅使河原(おろ?あの鳥はどーしたんだ?)

望月(予想外にお婆ちゃん達が早く帰って来たとか?)

鳴「・・・・」ガラッ

レーチャン「オハヨー、レーチャン、オハヨー。」

恒一「あ、見崎。おはよう。」

鳴「おはよう、榊原君。」ガシャン

風見(ええええええ?)

勅使河原(おいおい、なんで鳴ちゃんがあの鳥を・・・)

赤沢(なんか嫌な予感がする・・・)

恒一「大丈夫だった?」

鳴「うん。意外とすぐに慣れた。」

アニメ本編の赤沢さんはSSと比べると大分性格悪くて驚く

>>84
現象でギスギスしてるせいだと思いたい

―授業中―
久保寺「えー、つまりこの場面で主人公は相手を押し倒して・・・」

レーチャン「ゲンキ、ゲンキダシテネ。」

赤沢(大分この状況にも慣れてきたわね・・・まあこれならなんとかな―――)

レーチャン「アカザワサン、ムノー!ムノー!ムノータイサクガカリ!」

赤沢(ああん!!!?)ドバキャッ!

前島・中尾・渡辺
ビクゥッ!

小椋「今、ペンが折れた音がしたんだけど。」

赤沢(み~さ~き~め~い~・・・何を吹き込んだぁぁぁ!?)ギリギリ

鳴「・・・フッ」

恒一「み、見崎・・・?」

勅使河原(あ、赤沢から何か禍々しいオーラが・・・)

ストレートパンチだった

否定出来んの?

小椋(全く、あれぐらいで・・・もうちょっと落ち着k)

レーチャン「レーチャン、ドーシテ?ドーシテ?・・・・・オグラサンハマナイタナノ」

中尾「ブハッwww」

小椋「よし殺す!!!」ガタッ

綾野「由美、落ち着いて!今授業中!」

小椋「あと笑いやがった中尾!あんたも覚悟しときなさいよ!」

中尾「マカセロッ!?」ビクゥッ

久保寺「皆さん静かに。授業中でs」

レーチャン「ドーテー!ドーテー!クボデラセンセードーテー!」

久保寺「」ピシィッ

三組((((え!マジで!?))))

久保寺「な、何を言っているのでしょうか皆さん・・・皆さんは私ではない・・・故に私が童貞かそうでないかなど皆さんにはわからない・・・わかるはずもないぃっ・・・ですが私は、私はぁっ・・・ンツッ……イ゛エ゛アァアァァァッアア゛ツァァッァアッツァゥ――ヴンッ!!!!! 」

風見「ちょっwww」

望月「落ち着いて下さい久保寺先生!」

松井「ねぇ杏子ちゃん、久保寺先生が壊れちゃったね。」ユリユリ

金木「大丈夫だよ亜紀。亜紀が壊れなければ私も壊れないから」ユリユリ

杉浦(この状況でもマイペースなこの二人はある意味最強ね・・・)

―廊下・三組前―
ワーワーギャーギャー、アッツァゥ――ヴンッ!!!!!
怜子「・・・?」
ツカツカ、ガラッ!
怜子「ちょっと!今授業中ですよ?静かに・・・」

レーチャン「レーチャン、ドーシテ?ドーシテ?」

怜子(な、な、な、なんであの鳥が教室に!?)

恒一「あ゛。レ、レーチャン!今はマズいから黙って!」アセアセ

レーチャン「レーチャン、ドーシテ?・・・・ドーシテミソジチカクニナッテモカレシイナイノ?」

怜子「」ピシィッ

恒一「」サー・・・

三組「「「「」」」」シーン・・・

寝た?

怜子「・・・とりあえず、久保寺先生は落ち着きましょう。」ニコッ

久保寺「・・・・ヴンッ」

怜子「委員長は、状況の説明を。」

赤沢「はっ、はい・・・」

怜子「それから・・・」ジロッ

恒一
ビクゥッ

怜子
カエッタラオハナシシマショウネ?ニコッ

恒一「」Gkbr

行けもっちー!逆にチャンスだ!

恒一「・・・・見崎!」クルッ

鳴「・・・・・」フイッ

恒一「え、えぇー・・・」

勅使河原(あーあ・・・サカキのヤツ、カワイソ。)

王子(見崎さんに貸したのが運の尽きだったようだね。)

綾野(こういっちゃん・・・)

松井「杏子ちゃん・・・」ユリユリ

金木「亜紀・・・」ユリユリ

鳴(結局発言したのは覚えさせた内の一割にもいかなかった・・・動物って気まぐれね)

赤沢(見崎鳴・・・覚えてなさいよ!)デスカラコレコレコウイウコトガアリマシテ・・・

小椋(とりあえずいないものが解除されたらいっぺん泣かす!つかお前も大して変わんねーだろーがこの眼帯チビがぁぁぁ!!)

―放課後―
勅使河原
「はあー・・・大変な1日だったな。」

風見「だけど死人が出なくて何よりだよ。久保寺先生も落ち着いたし。」

勅使河原
「いや、あれは落ち着いたというより恐怖で正気に戻っt・・・いや、なんでもない。」

望月「・・・・・決めた。」

勅使河原・風見「「?」」

望月「僕は、三神先生を嫁に貰う!」

勅使河原・風見「「あっ、そう」」

望月「反応薄っ!?」

勅使河原「まあ、だって望月だしなー」

風見「今さらだしね。」

望月「酷いよ!これでも勇気出して宣言したのに!」

アハハハハ

―その夜・恒一宅―

結局、帰宅した瞬間リビングに呼ばれた僕は数時間に及ぶお叱りを怜子さんから受ける羽目になった。
途中、所々でレーチャンが口を挟んで怜子さんに空き缶を投げつけられていたがまあそれはどうでもいい事だろう。
とりあえず今日の怜子さんは今まで見た中でも最大級の怖さだった・・・

そして、問題はもう一つあって・・・

恒一「どうしよう・・・」

レーチャン「スギウラサンハハラグロメガネ!テシガワラ、バカ!モチヅキクン、ハヤクコクッチャイナヨー!ユリップルハジチョー!」

恒一「見崎ぃ・・・一体いくつ覚えさせたんだよ・・・」
恒一「明日はお婆ちゃんからの説教かな・・・」

レーチャン「ゲンキ、ゲンキダシテネ。」

恒一「はは・・・ありがとね・・・」


―――END―――



なんとか今晩中に終わったー・・・
初めてだったので色々荒い所もあったと思います。

お付き合い戴いた皆様、ありがとうございました。

おつ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom